(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0014】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る粉粒体含有物品の製造装置1(以下、単に製造装置1という)を示した概略図である。
図1に示すように、この製造装置1は、第1シート搬送装置(シート搬送装置)10と、第2シート搬送装置20と、起毛装置30と、粉粒体供給装置40と、吸引装置50と、折り曲げ装置60と、圧接装置70と、第1接着剤塗布装置82と、第2接着剤塗布装置84とを備える。
【0015】
製造装置1は、粉粒体Sを含有する粉粒体含有物品2を製造するための装置である。ここでは、粉粒体含有物品として、吸液性の粉粒体Sを含有するものを製造する場合について説明する。この吸液性の粉粒体Sを含有する粉粒体含有物品は、例えば、使い捨ておむつの吸収体等として利用される。
【0016】
粉粒体含有物品2は、
図5の(f)に示すように、第1シート(シート)201と第2シート202と粉粒体Sとを有する。
【0017】
粉粒体Sは、例えば、SAP(Super Absorbent Polymer:高吸収性高分子)である。
【0018】
本実施形態では、第1シート201として、
図5の(a)に示すように、不織布が積層されたシートであって、その裏面を構成する拡散シート201aと、拡散シート201aよりも表側の部分を構成する短繊維シート201bとからなるシートが用いられる。
【0019】
短繊維シート201bは、短繊維で構成された不織布である。短繊維シート201bは、例えば、エアスルー加工された不織布、すなわち、短繊維を並べてこれらに熱風をあてることによって形成された不織布である。
【0020】
本明細書において、短繊維とは、JIS 1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した繊維長さが、100mm未満、より好ましくは80mm未満、さらに好ましくは70mm未満の繊維のことをいう。
【0021】
本実施形態では、短繊維シート201bとして、平均繊維長さが50mm程度の短繊維で構成されたシートを用いる。
【0022】
拡散シート201aは、短繊維シート201bよりも厚みが小さい一方高い密度を有するとともに、拡散性が高く液体をより広範囲に浸透させることができるシートである。
【0023】
本実施形態では、第2シート202として、第1シート201よりも厚みが小さい薄葉紙(ティッシュ)が用いられる。
【0024】
(i)搬送装置
第1シート搬送装置10は、第1シート201を搬送するための装置である。第1シート搬送装置10は、ベルトコンベア18と、複数のガイドロール11,12,13とを備える。第1シート搬送装置10は、ベルトコンベア18がモータ等によって駆動されることで、第1シート201を搬送路L1に沿って
図1の矢印Y1の方向に搬送して起毛装置30、粉粒体供給装置40、第2接着剤塗布装置84、折り曲げ接合装置60、圧接装置70に、それぞれこの順で送り込む。
【0025】
第2シート搬送装置20は、第2シート202を搬送するための装置である。第2シート搬送装置20は、搬送途中の第1シート201の表面に向かって第2シート202を
図1の矢印Y2で示すように搬送する。第2シート搬送装置20は、第2シート202を送り出すためのモータ(不図示)と、第2シート202を第1シート201の表面に案内する複数のガイドロール21,22を備える。
【0026】
一方のガイドロール21は、第1シート201の表面に第2シート202を供給する第2シート供給部として機能する。すなわち、ガイドロール21は、第1シート201の表面近傍に位置しており、第2シート202はこのガイドロール21によって第1シート201の表面に案内される。
【0027】
本実施形態では、ガイドロール21は、粉粒体供給装置40の後述する散布口48cと対向する位置のすぐ下流側、すなわち、第1シート201に粉粒体Sが供給される部分のすぐ下流側(第1シート201の搬送方向Y1について)の位置に配置されている。従って、ガイドロール21は、第1シート201に粉粒体Sが供給される位置のすぐ下流側(第1シート201の搬送方向Y1について)の位置において、第1シート201の表面に第2シート202を供給し、第1シート201の表面に第2シート202を被せる。
【0028】
第1接着剤塗布装置82は、この第2シート202の搬送路において、第2シート202の搬送方向についてガイドロール21の上流側の位置に配置されている。本実施形態では、第1接着剤塗布装置82は、ガイドロール21のすぐ上流側の位置に配置されている。
【0029】
(ii)起毛装置
起毛装置30は、第1シート201をその表側から起毛させるための装置である。
【0030】
図2は、
図1のII−II線断面図である。起毛装置30は、ティラー31と、これを駆動するモータ(駆動部)39とを備えている。ティラー31は、所定の方向に延びる円柱状の軸部32と、この軸部32の外周面に固定された複数のカッタープレート33とを有する。カッタープレート33は、軸部32の中心線と平行な方向に等間隔に配列されている。
【0031】
図3は、カッタープレート33の概略正面図である。カッタープレート33はすべて同じ形状であって、中央に貫通孔33aが形成された略円板状を有している。これらカッタープレート33は、その貫通孔33aに軸部32が挿通された状態で軸部32の外周面に固定されている。各カッタープレート33は、その中心が軸部32の中心線O上に位置するように固定されている。
【0032】
カッタープレート33の外周面には、その周方向に沿って複数の刃34が形成されている。これら刃34は、全て同一の形状を有し、カッタープレート33の周方向に等間隔に並んでいる。
【0033】
軸部32は、モータ39によって軸部32の中心線O回りに回転駆動される。このとき、各カッタープレート33も軸部32と一体に軸部32の中心線O回りに回転し、各刃34は軸部32の中心線Oを中心とする円柱の円周面上を移動する。
【0034】
ティラー31は、軸部32の中心線Oが第1シート201の搬送方向Y1と平行な方向と直交し且つ第1シート201の表面と平行に延びる姿勢で配置されている。従って、各刃34は、第1シート201の搬送方向と直交し且つ第1シート201の表面と平行に延びる線O(軸部32の中心線O)を中心線とする円柱の円周面に沿って回転する。
【0035】
図3の破線は、実線で示すカッタープレート33に隣接して配置されるカッタープレート33を示したものである。この
図3に示されるように、隣接するカッタープレート33は、正面視で、一方のカッタープレート33の隣接する刃34の中央に他方のカッタープレート33の刃34が位置するように位相がずれた状態で配置されている。
【0036】
起毛装置30は、各刃34が短繊維シート201bと当接する位置に配置される。具体的には、
図1に示すように、各カッタープレート33の各刃34の先端34cにより形成されるティラー31の外周面の一部に、第1シート201が、その表面であって短繊維シート201bの表面がティラー31側を向く姿勢で巻きつくように、起毛装置30が配置されている。換言すると、第1シート搬送装置10は、第1シート201がティラー31の外周面の一部に巻きつけられて、第1シート201の短繊維シート201bと各カッタープレート33の各刃34の先端34cとが当接する状態で、第1シート201を搬送する。本実施形態では、第1シート201は、各カッタープレート33の周方向について所定の範囲にわたって各刃34と当接する。
【0037】
起毛位置すなわち刃34と第1シート201とが当接する位置P1において、第1シート201の移動方向(搬送方向)Y1と各刃34の移動方向Y3とは同じに設定されており、各刃34は、第1シート201の搬送方向Y1の下流側に向かって移動する。ただし、各刃34の移動速度と第1シート201の搬送速度とは異なっており、第1シート201は各刃34に対して相対的に移動する。これに伴い、各刃34が第1シート201を引掻き、第1シート201は起毛される。このとき、本実施形態では、刃34は、直接的には第1シート201の表面に当接するが、この部分が引掻かれることでさらに裏側の所定部分も起毛されることになり、厚み方向について短繊維シート201bのほぼ全体が起毛される。一方、拡散シート201aは起毛されない。
【0038】
本実施形態では、起毛位置P1において、刃34の先端34cの周方向の移動速度、すなわちティラー31の周速度が、第1シート201の搬送速度よりも小さくなるように設定されている。従って、第1シート201は、刃34に対して、刃34の移動方向Y3(第1シート201の搬送方向Y1)の下流側に向かって相対的に移動する。本実施形態では、ティラー31の周速度は、第1シート201の搬送速度の40%〜80%の間の速度に設定されている。すなわち、ティラー31の周速度を、第1シート201の搬送速度の80%よりも大きくすると、刃34に対する第1シート201の相対的な移動速度が小さくなり、第1シート201を十分に起毛できなくなるおそれがある。一方、ティラー31の周速度を、第1シート201の搬送速度の40%よりも小さくすると、刃34が第1シート201に過剰に引っかかって第1シート201が破損するおそれがある。そこで、本実施形態では、ティラー31の周速度は、第1シート201の搬送速度の40%〜80%の間の速度、例えば、55%程度に設定されている。
【0039】
各刃34は、その移動方向の上流側に設けられて第1シート201の搬送方向Y1の上流側を向く第1面34aと、この第1面34aの先端34c(カッタープレート33の径方向の外側の端部)から各刃34の移動方向の下流側かつカッタープレート33の径方向の内側に向かって延びる第2面34bとを有する。本実施形態では、第1面34aは、カッタープレート33の径方向であって軸部32の中心線Oを通る線に沿ってに延びている。また、第2面34bは、第1面34aの先端34cから、カッタープレート33の回転方向の下流側かつ径方向の内側に湾曲している。
【0040】
前記のように、第1シート201は、刃34に対して刃34の移動方向Y3(第1シート201の搬送方向Y1)の下流側に向かって相対的に移動する。従って、刃34のうち第1面34aが第1シート201を引掻くことで第1シート201は起毛する。より詳しくは、刃34のうち第1面34aが第1シート201の構成繊維を掬い上げるように引掻くことで、第1シート201が起毛する。
【0041】
また、本実施形態では、カッタープレート33は、第1シート201の幅方向全体に対向する位置に設けられており、第1シート201(短繊維シート201b)はその幅方向全体にわたって起毛される。また、カッタープレート33は連続して回転しており、第1シート201(短繊維シート201b)は、その長手方向(搬送方向)の全体にわたって起毛される。
【0042】
ここで、カッタープレート33の各刃34が有する第1面34aを、全て、軸部32の中心線Oを通る線に沿って延びるように、つまり、第1シート201の搬送方向Y1と直交する方向に延びるように構成してもよいが、一部の第1面34aを第1シート201の搬送方向Y1に対して傾斜する方向に延びる形状として、一部の刃34の刃先をナイフ状に形成してもよい。例えば、第1シート201の搬送方向Y1と直交する方向に延びる第1面34aを有する刃34を備えたカッタープレート33と、第1シート201の搬送方向Y1に対して傾斜する方向に延びる第1面34aを有する刃34を備えたカッタープレート33とを、軸部32の中心線と平行な方向に交互に配置してもよい。また、一つのカッタープレート33において、一部の刃34の第1面34aを、第1シート201の搬送方向Y1と直交する方向に延びる形状とし、他部の刃34の第1面34aを、第1シート201の搬送方向Y1に対して傾斜する方向に延びる形状としてもよい。これらの構成によれば、カッタープレート33によって、第1シート201の構成繊維が起毛されるとともに、第1シート201の表面の一部の繊維が刃先がナイフ状とされた刃34によって切断されて開放端となる。そのため、後述するように、第1シート201の表面に粉粒体Sを撒布する際に、粉粒体Sを第1シート201の内部へ効率よく入り込ませることができる。
【0043】
図5の(a)は起毛前の第1シート201を示した図であり、
図5の(b)は起毛後の第1シート201を示した図である。この
図5の(a)に示すように、起毛される前は、短繊維シート201bの各短繊維は第1シート201の表面に沿って延びる状態すなわち伏せた状態となっている。この状態の第1シート201に各カッタープレート33の各刃34が当接すると、各刃34が短繊維シート201bの各繊維を表側(ティラー31側)に引っ張り出し、これに伴って
図5の(b)に示すように、各繊維は第1シート201の表側に向かって延びる状態になる。なお、このとき第1シート201(短繊維シート201b)の厚みは大きくなり第1シート201(短繊維シート201b)の密度は小さくなる。
【0044】
(iii)粉粒体供給装置
粉粒体供給装置40は、第1シート201に第1シート201の表側から粉粒体Sを供給する装置である。
【0045】
粉粒体供給装置40は、粉粒体貯留装置42と、調量装置44と、粉粒体散布装置46とを備える。
図4は、
図1の一部を拡大するとともに、粉粒体散布装置46の内側の構造を示した図である。粉粒体散布装置46は、粉粒体案内部47と、内側に比較的広い空間を備えた筐体48aを有する開閉装置48とを備える。
【0046】
粉粒体貯留装置42は、内側に粉粒体Sを貯留する部分である。本実施形態では、
図1および
図4に示すように、粉粒体貯留装置42は、それぞれ粉粒体Sを貯留する2つのタンク42a,42bを備える。これら2つのタンク42a,42bの下面にはそれぞれ調量装置44に向かって粉粒体Sを落下させる開口部が形成されており、この開口部を介して粉粒体が調量装置44に供給される。
【0047】
調量装置44は、タンク42a,42bから供給された粉粒体Sを調量しながら粉粒体散布装置46に供給する装置である。調量装置44は、タンク42a,42bから供給された粉粒体Sを所定の流量で連続して下方に搬送する。搬送された粉粒体Sは、調量装置44の下部に設けられた排出部44aから下方に流下する。
【0048】
粉粒体案内部47は、調量装置44の排出部44aから流下した粉粒体を下方に案内する部分である。粉粒体案内部47は、鉛直方向に延びる筒状部材であり、内側には排出部44aと連通する空間が形成されている。調量装置44の排出部44aから落下した粉粒体はこの粉粒体案内部47を通って、粉粒体案内部47の下端に形成された粉粒体供給口47aから下方に流下する。
【0049】
粉粒体供給口47aが形成された粉粒体案内部47の下端部は、筐体48aの上面から筐体48aの内側に挿通されており、粉粒体供給口47aから流下した粉粒体Sは筐体48a内に流入する。
【0050】
筐体48aの下面には、粉粒体供給口47aと対向する位置に、この下面を上下に貫通する散布口48cが形成されている。詳細には、この散布口48cは、粉粒体供給口47aから鉛直方向下方に離間した位置、かつ、平面視(鉛直方向に沿って見た状態)で粉粒体供給口47aと重なりあう位置に配置されている。これに伴い、粉粒体供給口47aから流下した粉粒体Sは、散布口48cに向かって落下する。
【0051】
散布口48cの下方には、ベルトコンベア18が配置されており、散布口48cに向かって落下した粉粒体Sは、散布口48cを通じてベルトコンベア18上の第1シート201にその表側から供給される。本実施形態では、第1シート201に、その幅方向について均一に粉粒体Sが供給される。
【0052】
図4に示すように、ベルトコンベア18は、第1シート201が載置されるコンベアベルト18aのうち第1シート201の搬送方向Y1について下流端となる部分が、上流端となる部分よりも下方に位置するように配置されている。従って、散布口48cと対向する位置において、第1シート201は、鉛直方向に対して斜め下向きに搬送されつつ上方から粉粒体Sの供給を受ける。
【0053】
なお、筐体48aの下面は、ベルトコンベア18上の第1シート201の表面と近接した位置でこの表面と平行に延びており、散布口48cは、第1シート201の表面と近接した位置に配置されている。
【0054】
ここで、前記のように、調量装置44は粉粒体Sを連続して下方に搬送しており、粉粒体Sは、連続して粉粒体供給口47aから散布口48cに向かって落下する。ただし、本実施形態では、開閉装置48に設けられたシャッター弁48bにより粉粒体Sが散布口48cに到達するのが間欠的に規制され、これにより、第1シート201には粉粒体Sが間欠的に供給される。
【0055】
具体的には、開閉装置48には、筐体48aに回転可能な状態で固定されたシャッター弁48bが設けられている。このシャッター弁48bは、粉粒体供給口47aと散布口48cとの間の部分を周期的に通過して、散布口48cの上方を覆い、これにより、粉粒体Sが散布口48cに到達するのを規制する。
図4に示すように、本実施形態では、シャッター弁48bは、ベルトコンベア18上の第1シート201と平行に延びる板状部材であり、モータによって第1シート201と平行な面上で回転駆動され、粉粒体供給口47aと散布口48cとの間の部分を周期的に通過する。
【0056】
このようにして、シャッター弁48bにより周期的に粉粒体Sが散布口48cから第1シート201に到達するのが規制されることで、第1シート201には散布口48cから間欠的に粉粒体Sが供給される。
【0057】
なお、
図4において、符号49bで示したものは、筐体48aの内側の粉粒体Sであってシャッター弁48bにより第1シート201への到達が規制されて散布口48cの周囲に飛散した粉粒体Sを外部に排出するための排出装置である。
【0058】
(iv)吸引装置
吸引装置50は、ベルトコンベア18上の第1シート201をその裏側から吸引するための装置である。
【0059】
吸引装置50は、吸引口51aが形成された吸引通路51と、この吸引通路51に接続された吸引ポンプ52とを備え、吸引ポンプ52の駆動によって吸引口51aの周囲の空気を吸引する。吸引口51aは、散布口48cと対向する位置付近に配置されている。本実施形態では、吸引口51aは散布口48cの直下の位置から、第1シート201の搬送方向Y1について散布口48cよりも下流側の位置まで延びており、この散布口48cの直下の位置から、第1シート201の搬送方向Y1について散布口48cよりも下流側の位置までの領域を通過する第1シート201の裏面を吸引する。具体的には、吸引口51aは、コンベアベルト18aの裏側に配置されており、コンベアベルト18aに形成された複数の空気穴を介して第1シート201を裏側から吸引する。
【0060】
(v)接着剤塗布装置および折り曲げ装置
第1接着剤塗布装置82は、第2シート202に接着剤を塗布する装置である。例えば、第1接着剤塗布装置82は、ホットメルト接着剤を第2シート202に塗布する。第1接着剤塗布装置82は、前記のように第2シート202の搬送路のうちガイドロール21の上流側の位置に配置されており、第1シート201の表面に供給される前の第2シート202の表面に接着剤を塗布する。
【0061】
これに伴い、第1シート201には、接着剤が塗布された第2シート202がガイドロール21によって被せられることになり、この被せられる際に第1シート201と第2シート202とは接着剤により接合される。
【0062】
このように、本実施形態では、ガイドロール21は、第1シート201の表面に第2シート202を供給する第2シート供給部として機能するとともに、これらシート201,202どうしを接着剤で互いに接合する接合装置としても機能する。
【0063】
さらに、本実施形態では、このガイドロール21は、互いに接合されたこれらシート201,202をその厚み方向に圧接するように構成されている。従って、第1シート201と第2シート202とは、ガイドロール21によって、その厚み方向に圧接されつつ接合される。
【0064】
第2接着剤塗布装置84は、第1シート201の搬送方向についてガイドロール21よりも下流側に位置している。この第2接着剤塗布装置84は、第2シート202のうち第1シート201から外側にはみ出ている部分の一部に接着剤を塗布する装置である。例えば、第2接着剤塗布装置84は、ホットメルト接着剤を第2シート202に塗布する。
【0065】
具体的には、本実施形態では、第2シート202は第1シート201よりも幅の広いシートからなる。従って、ガイドロール21により第1シート201の表面に第2シート202が供給、接合された状態で、第2シート202はその幅方向について第1シート201よりも外側にはみ出ることになる。本実施形態では、第2シート202の幅方向の両端部分が第1シート201よりも外側にはみ出るようになっており、第2接着材塗布装置84は、この第2シート202の幅方向の両端部分に接着剤を塗布する。
【0066】
折り曲げ装置60は、
図5の(e)に示すように、第2シート202が第1シート201を包み込むように、第2シート202を折り曲げる装置である。具体的には、折り曲げ装置60は、第2シート202の幅方向の両端部分を第1シート201の裏側に回り込ませてこの裏面に沿うように折り曲げる。
【0067】
ここで、折り曲げ装置60は、第1シート201の搬送方向について第2接着剤塗布装置84よりも下流側に位置している。本実施形態では、折り曲げ装置60は、第2接着剤塗布装置84のすぐ下流側に配置されている。
【0068】
従って、折り曲げ装置60により折り曲げられることで、第2接着剤塗布装置84により接着剤が塗布された第2シート202の幅方向の両端部分は第1シート201の裏面に接合される。
【0069】
このように、本実施形態では、折り曲げ装置60も、第1シート201と第2シート202どうしを接着剤で互いに接合する接合装置として機能する。
【0070】
(vi)圧接装置
圧接装置70は、互いに接合された第1シート201と第2シート202とをこれらの厚み方向に圧接するための装置である。本実施形態では、圧接装置70は一対のローラ72,72を備え、これらローラ72,72の間を第1シート201と第2シート202とが通過することでこれらをその厚み方向に圧接する。
【0071】
(vii)製造方法
前記のように構成された製造装置1によって粉粒体Sを含有する粉粒体含有物品2を製造する方法は次のようになる。
【0072】
まず、後述する起毛工程にて起毛される部分、すなわち、表側に露出する部分が短繊維の不織布からなる短繊維シート201bで構成された第1シート201を準備する(準備工程)。次に第1シート201を搬送路L1に沿って搬送する(搬送工程)。
【0073】
次に、第1シート201を起毛装置30によって起毛させて
図5の(a)に示す状態から
図5の(b)に示す状態にする(起毛工程A1)。
【0074】
次に、粉粒体供給装置40によって第1シート201にその表側から粉粒体Sを供給し、この粉粒体Sを第1シート201の内部に入り込ませて保持させ、第1シート201を
図5の(b)に示す状態から
図5の(c)に示す状態にする(粉粒体供給工程A2)。本実施形態では、このとき、吸引装置50によって第1シート201がその裏側から吸引されつつ第1シート201にその表側から粉粒体Sが供給される。
【0075】
次に、ガイドロール21によって、粉粒体Sが供給された後の第1シート201の表面に第2シート202を供給する(第2シート供給工程A3)。このとき、第1接着剤塗布装置82によって接着剤が塗布された第2シート202を第1シート201の表面に供給するとともに、ガイドロール21によって、第1シート201と第2シート202とを、これらの厚み方向に圧接しつつ互いに接合して、第1シート201を
図5の(c)に示す状態から
図5の(d)に示す状態にする(第1接合工程A3、接合工程)。
【0076】
次に、第2接着剤塗布装置84によって接着剤が塗布された第2シート202を、折り曲げ装置接合装置60によって折り曲げるとともにこれらシート201,202を互いに接合して、これらシート201,202を
図5の(d)に示す状態から
図5の(e)に示す状態にする(第2接合工程A4、接合工程)。
【0077】
最後に、接合された第1シート201と第2シート202とを圧接装置70によってこれらの厚み方向に圧接して、これらシート201,202を
図5の(e)に示す状態から
図5の(f)に示す状態にして(圧接工程A5)、吸液性の粉粒体Sを含有する粉粒体含有物品2を製造する。なお、前記のように粉粒体供給装置40により粉粒体Sは第1シート201の搬送方向について断続的に供給されているので、圧接装置70を通過した後、粉粒体含有物品2は、粉粒体Sが配置されていない部分において適宜切断され、おむつの吸収体等として利用される。
【0078】
(viii)作用等
以上のように、本実施形態に係る製造装置1および前記粉粒体含有物品の製造方法では、粉粒体Sが第1シート201に供給される前に、第1シート201のうちその表面に露出する短繊維シート201bがその表側から起毛される。
【0079】
従って、第1シート201にその表側から供給された粉粒体Sは第1シート201内に入り込み、粉粒体Sが適度に分散されるとともに適切な位置に安定して配置された粉粒体含有物品2を製造することができる。
【0080】
具体的には、
図5の(a)に示すように、不織布からなる第1シート201は、起毛されていない状態では、各繊維が第1シート201の表面に沿って延びかつ第1シート201の厚み方向に重なり合った状態にある。そのため、この状態の第1シート201の表面に粉粒体Sを供給した場合には、粉粒体Sは、第1シート201の内部に入り込まず、その表面に載置されただけの状態になる。従って、この第1シート201上の粉粒体Sを第2シート202で覆ったとしても、粉粒体Sは第1シート201の表面に沿って両シート201,202間を自由に移動可能であり、粉粒体Sの位置は安定せず、国際公開第2014/104118号の装置で製造された粉粒体含有物品と同様に、使用者が不快感をおぼえるおそれや、所望の吸液性能等の性能を十分に得られないおそれがある。また、粉粒体Sが吸液性を有する場合には、粉粒体Sが偏って粉粒体Sどうしが互いに接触するため、使用時に液体を吸収する際に、接触する粉粒体Sどうしが互いに他方の膨張を規制するという現象、すなわちいわゆるゲルブロックという現象が生じ、粉粒体含有物品2の吸液性能が悪化するおそれがある。
【0081】
これに対して、本実施形態では、第1シート201が起毛されることで、第1シート201(短繊維シート201b)を構成する各繊維間に空間が形成され、第1シート201(短繊維シート201b)に供給された粉粒体Sがこの空間に入り込む。そのため、粉粒体Sどうしの間に繊維を介在させ、繊維によって粉粒体Sの移動を規制することができる。従って、粉粒体Sが適度に分散されるとともに所望の位置に適切に安定して配置された粉粒体含有物品2を製造することができる。そして、粉粒体含有物品2において、吸液性の粉粒体Sの移動や偏りおよびゲルブロックの発生を抑制して、吸液性能を高くすることができる。
【0082】
また、起毛されることで、第1シート201(短繊維シート201b)は柔らかくなり、優れた緩衝作用を備えることになるため、粉粒体Sを第1シート201に供給した際に、粉粒体Sが跳ね返って第1シート201から零れ落ちるのを抑制することができる。そのため、粉粒体Sをより効率よく第1シート201に供給することができる。
【0083】
特に、本実施形態では、吸引装置50によって第1シート201がその裏側から吸引されつつ粉粒体Sが第1シート201に表側から供給される。そのため、粉粒体Sを第1シート201(短繊維シート201b)内に、その厚み方向について分散して配置することができる。従って、各粉粒体Sを前記空間にそれぞれ個別に埋設させることができ、粉粒体Sどうしの間により確実に繊維を介在させることができる。
【0084】
しかも、吸引装置50の吸引口51aが、散布口48cの直下の位置すなわち散布口48cと対向する位置と第1シート201の搬送方向Y1について散布口48cよりも下流側の位置との間に設けられており、吸引装置50による吸引力が粉粒体Sが供給される前の第1シート201に付与されるのが抑制されている。そのため、粉粒体Sが供給される前に、この吸引力によって起毛した繊維が伏せてしまうことを抑制することができ、繊維間に空間を形成して、この空間に粉粒体Sを確実に入り込ませることができる。
【0085】
ここで、第1シート201のうち(短繊維シート201b)のみが起毛されており、第1シート201の裏面およびその付近の部分を構成する拡散シート201aは起毛されない。そのため、第1シート201の裏面およびその付近の部分の密度をこれよりも表側の部分に比べて高く維持することができ、前記のように粉粒体Sを第1シート201にその表側から内部に入り込ませて適度に分散させつつ、粉粒体Sが第1シート201の裏側にすり抜けるのを抑制して、効率よく、粉粒体Sを第1シート201内に分散配置することができる。特に、前記実施形態では、第1シート201の裏面が密度の高い拡散シート201bで構成され、かつ、この拡散シート201bが起毛されずその密度が高い状態に維持されている。そのため、粉粒体Sが第1シート201の裏側にすり抜けるのを拡散シート201bによってより確実に規制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、第1シート201のうち起毛される部分を構成する繊維が短繊維である。そのため、起毛した際に第1シート201の各繊維の先端をより多く第1シート201の表側に露出させて、繊維間に形成される空間の多くを表側に開口させることができる。従って、この開口を通して粉粒体Sをより確実に前記空間内に流入させることができる。
【0087】
もちろん、第1シート201のうち起毛される部分を、長繊維で構成された不織布で構成してもよい。この場合にも、起毛により各繊維が表側に引っ張り出され、第1シート201の繊維間に空間を形成することができる。ただし、この場合には、短繊維不織布を用いた場合に比べて、繊維間の空間が第1シートの表側に開口する頻度が小さく抑えられるため、粉粒体Sは第1シート内に入り込みにくくなる。このため、この場合には、起毛装置を長繊維不織布に適した構造にする、または、運転条件を長繊維不織布に適した条件にして運転する必要がある。
【0088】
これに対し、本実施形態では、第1シート201の表面側が短繊維不織布であるので、前記のように構成された起毛装置30により容易に起毛できるうえ、起毛によってより多くの繊維の先端が第1シート201の表側に露出する状態となる。そのため、粉粒体Sはこれら先端どうしの間を通って第1シート201の内部に移動することができ、各繊維どうしの間の空間の内側により確実に入り込むことができる。
【0089】
また、本実施形態では、ガイドロール21と折り曲げ装置60によって第1シート201と第2シート202とが接合されている。そのため、第1シート201内の粉粒体Sを第2シート202で閉じ込めることができ、第1シート201と第2シート202との間から粉粒体Sがこぼれるのを回避することができる。従って、粉粒体含有物品2に適切に粉粒体Sを含有させることができる。特に、ガイドロール21によって、第1シート201に粉粒体Sが供給される位置近傍で、第2シート202が第1シート201の表面に供給されて互いに接合されている。そのため、粉粒体Sが第1シート201からこぼれるのをより確実に抑制することができる。また、折り曲げ装置60によって、第2シート202の幅方向の両端部分が第1シート201を包み込んだ状態で、第1シート201と第2シート202とが接合されている。そのため、第1シート201の幅方向の両端部分等から粉粒体Sがこぼれるのを抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態では、圧接装置70によって第1シート201と第2シート202とが圧接されている。そのため、粉粒体含有物品2の厚みを小さく抑えることができる。さらに、厚みが小さく抑えられることによって、粉粒体Sが周囲の繊維でしっかりと押さえられるので、粉粒体含有物品2の表面に沿った方向への粉粒体Sの移動を抑制することができ、粉粒体をより適切な位置に安定して配置することができる。
【0091】
また、前記実施形態では、起毛位置P1において、各刃34の移動方向Y3と第1シート201の移動方向Y1とを一致させて各刃34を第1シート201の搬送方向Y1の上流側から下流側に向かって移動させるとともに、各刃34の移動速度を第1シート201の移動速度よりも小さくしている。
【0092】
そのため、第1シート201の搬送速度を高くして粉粒体含有物品2の製造効率を高めながら、第1シート201と各刃34との相対速度を小さく抑えて第1シート201が各刃34に過剰に引っかかって第1シート201が破損すること、また、この引っかかりに伴って第1シート201の搬送速度が大きく変動するのを抑制することができ、第1シート201を適切な状態で、かつ、適切な速度で下流側に搬送することができる。
【0093】
具体的には、第1シート201の搬送速度を高くした状態で、起毛位置P1において、各刃34を第1シート201の搬送方向Y1と反対方向に移動させた場合、すなわち、各刃34を第1シート201の搬送方向Y1の下流側から上流側に向かって移動させた場合には、第1シート201の移動速度が刃34の移動速度に対して相対的に非常に高くなる。そのため、これらが当接した際に第1シート201が刃34に過剰に引っかかるおそれがある。
【0094】
これに対して、前記実施形態では、起毛位置P1において、刃34の移動方向Y3と第1シート201の搬送方向Y1とが同じ方向であるため、これらの相対速度を小さく抑えることができ、第1シート201が刃34に過剰に引っかかるのを抑制することができる。
【0095】
ここで、仮に、刃34の移動方向Y3を第1シート201の搬送方向Y1と同じ方向とし、刃34の移動速度を第1シート201の搬送速度よりも大きくして、第1シート201を刃34の移動方向の下流側から上流側に向かって相対的に移動させても、第1シート201を刃34の移動方向の下流側の部分に当接させてこれを起毛させることは可能であるが、この場合には、刃34を高速で移動させる必要があるうえ、刃34が第1シート201の表面側に当接する際に、第1シート201の繊維が刃34によって搬送方向へ撫で付けるように押されるため起毛されにくい。
【0096】
これに対して、本実施形態では、刃34の移動方向Y3を第1シート201の搬送方向Y1と同じにしながら、刃34の移動速度を第1シート201の搬送速度よりも小さくしている。そのため、第1シート201の搬送速度を高く維持しながら、第1シート201の表面側が刃34に適度に引っかかるので、良好に起毛することができる。
【0097】
また、本実施形態では、各刃34のその移動方向の上流側の面であって、起毛位置P1において第1シート201の搬送方向Y1の上流側を向く第1面34aが、カッタープレート33の径方向に延びているとともに、各刃34のその移動方向の下流側の面であって、起毛位置P1において第1シート201の搬送方向Y1の下流側を向く第2面34bが、第1面34aのカッタープレート33の径方向の外側の端部34cから刃34の移動方向の下流側かつ前記径方向の内側に延びている。そして、これに伴って、各刃34の先端34cであって第1シート201と当接する部分が前記径方向の外側に向かって尖った形状となっている。そのため、各刃34の先端34cを第1シート201に適切にひっかけてこれを起毛させることができる。
【0098】
また、起毛位置P1において、第1シート201と当接する第1面34aは、第1シート201の表面と直交する方向に延びる状態となっている。そのため、第1シート201が刃34から離れる際に、第1シート201の繊維が各刃34から逃げやすくなり、第1シート201を適切に搬送することができる。すなわち、各刃34を第1シート201から円滑に離間させることができ、各刃34と第1シート201との過剰な引っかかりによって第1シート201が破損するのを抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態では、ベルトコンベア18のコンベアベルト18aを鉛直方向に対して斜め下向きとして、散布口48cに対向する位置において第1シート201を斜め下向きに搬送している。そのため、散布口48cから落下した粉粒体Sの移動方向と第1シート201の移動方向とをいずれも鉛直方向について下向きにすることができ、第1シート201の表面ではじかれて第1シート201外にこぼれるのを抑制することができ、粉粒体Sを効率よく第1シート201に供給することができる。
【0100】
(2)第2実施形態
前記第1実施形態では、粉粒体散布装置46に第1シート201を搬送する装置として、ベルトコンベア18を用いた場合について説明したが、
図6に示すように、ベルトコンベア18に代えて搬送ドラム518を用いてもよい。この場合には、搬送ドラム518の外周面に起毛後の第1シート201を供給し、搬送ドラム518の外周面上で第1シート201に粉粒体Sを供給するとともに、搬送ドラム518の外周面上でガイドロール21により第1シート201に第2シート202を供給する。そして、ガイドロール21と搬送ドラム518との間で、第1接着剤塗布装置82により接着剤が塗布された第2シート202と第1シート201とをこれらの厚み方向に圧接しつつ互いに接合する。また、搬送ドラム518の外周面に空気穴を形成し、この空気穴と吸引装置50とを連通させて、これら空気穴を介して第1シート201をその裏側から吸引すればよい。
【0101】
このように搬送ドラム518を用いれば、ベルトコンベア18に比べて装置の第1シート201の搬送方向についての寸法を小さく抑えることができ、設置面積を小さくすることができる。一方、ベルトコンベア18では、搬送ドラム518を用いた場合のように第1シート201や粉粒体Sに遠心力が加わるのを回避することができるため、より効率よく粉粒体Sを第1シート201に供給することができる。
【0102】
(3)第3実施形態
前記第1実施形態では、第2シート202を第1シート201の表面に供給する第2シート搬送装置20のガイドロール21を、散布口48cと対向する位置よりも下流側、すなわち、第1シート201に粉粒体Sが供給される位置よりも下流側(第1シート201の搬送方向Y1について)に配置した場合について説明したが、これに代えて、
図7および
図7の一部を拡大して示した
図8のように配置してもよい。
【0103】
具体的には、この第3実施形態では、
図8に示すように、第2シート202を第1シート201の表面に供給する第2シート搬送装置20の一方のガイドロール121が、散布口48cと対向する位置であって、第1シート201に粉粒体Sが供給される位置に配置されている。
【0104】
より詳細には、この第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1シート201は斜め下方に向かって搬送されている。これに伴い、ガイドロール121が第1シート201の表面に第2シート202を供給する供給位置P10は、ガイドロール121の軸中心の鉛直方向についての下方位置よりも第1シート201の搬送方向の上流側寄りであって鉛直方向について上方が開放された位置になっている。そして、散布口48cは、この供給位置P10よりも鉛直方向の上方に臨むように配置されている。従って、この第3実施形態では、第1シート201に粉粒体Sが供給される位置と第1シート201に第2シート202が供給される供給位置P10とが一致し、この位置において、粉粒体Sが第2シート201に供給されるのと同時に、第1シート201と第2シート202が供給される。従って、この第3実施形態では、粉粒体Sがこれらシート201,202の間からこぼれるのをより確実に抑制することができる。
【0105】
また、この第3実施形態においても、第1実施形態と同様、ガイドロール121よりも第2シート202の搬送方向の上流側に第1接着剤塗布装置181が設置してあるため、第1シート201に粉粒体Sが供給されるのと同時に、ガイドロール121によって第1シート201と第2シート202とが接合される。そのため、粉粒体Sがこれらシート201,202の間からこぼれるのがより一層確実に抑制される。なお、この第3実施形態でも、ガイドロール121は、第1シート201と第2シート202とをその厚み方向に圧接するように構成されている。
【0106】
また、この第3実施形態においても、吸引通路51は、散布口48cの下方であって第1シート201に粉粒体Sが供給される部分から下流側に延びており、この第1シート201に粉粒体Sが供給される位置から下流側の位置までの領域を吸引する。
【0107】
また、この第3実施形態においても、第2接着剤塗布装置182と折り曲げ装置185と圧接装置70とが設けてあり、これらによってさらに第2シート201と第2シート202とが接合されるとともにその厚み方向に圧接される。
【0108】
(4)その他の変形例
ここで、粉粒体Sとして、単一の吸収性を備えたSAPを用いてもよいが、吸液性の高いSAPと、吸収速度が速いSAPとを混ぜたものを用いてもよい。例えば
図1に示す粉粒体貯留装置42の一方のタンク42aに吸液性の高いSAPを収容し、他方のタンク42bに吸収速度が速いSAPを収容して、両タンク42a、42bから所定の比率でそれぞれSAPを供給することなどが考えられる。
【0109】
また、粉粒体Sは、SAP以外の吸液性を有する粉粒体であってもよい。さらに、粉粒体Sは、吸液性を有する粉粒体に限らない。例えば、粉粒体Sとして、冷感材や、香料等が用いられてもよい。これら複数種の粉粒体を組み合わせて用いることも可能である。
【0110】
また、第1シート201は、少なくともその表面からその裏側の所定領域が不織布で構成されたシートであればよく、その具体的構成は前記に限らない。例えば、表側部分の不織布が単層のものに限らず複数層からなるものであってもよく、裏側部分が、拡散シート等の長繊維不織布のほか、短繊維不織布や合成樹脂製シートなどであってもよい。さらには、第1実施形態において、前記「裏側の所定領域」は第1シート201の全体であってもよく、拡散シート201aを省略してもよい。ただし、第1シート201の裏面を密度の高いシートで構成すれば、粉粒体Sが第1シート201を通過して裏側に抜けるのを抑制することができ、粉粒体Sを第1シート201内に効率よく配置することができる。また、第1シート201として、エアスルー加工以外の加工で形成された短繊維シートを含むシートが用いられてもよい。また、第1シート201全体、あるいは、第1シート201のその表面からその裏側の所定領域を構成する不織布として、長繊維で構成された不織布を用いてもよい。ただし、前記のように、短繊維を用いた場合の方が、粉粒体Sをより確実に第1シート201の内側に埋設させることができる。
【0111】
また、前記第2シート202は、薄葉紙(ティッシュ)に限らない。例えば、不織布であってもよい。
【0112】
また、前記実施形態では、搬送方向について第1シート201の全体を起毛させた場合について説明したが、第1シート201の一部分のみを起毛させてもよい。例えば、第1シート201の幅方向の中間部分のみや幅方向および長手方向について所定間隔ごとに粉粒体Sが供給される場合に、この粉粒体Sが供給される部分のみ起毛させてもよい。さらに、粉粒体Sが供給される部分のうちの一部のみを起毛させてもよい。
【0113】
また、前記実施形態では、ティラー31を用いて第1シート201を起毛させる場合、すなわち、外周面に刃34が形成されたカッタープレート33を回転させて刃34と第1シート201とを当接させることでこれを起毛させた場合について説明したが、第1シート201を起毛させる手順および装置はこれに限らない。
【0114】
例えば、不織布などで構成された摩擦材を第1シートに表側から擦り付けること等により第1シート201を起毛させてもよい。
【0115】
また、起毛装置30に、前記実施形態と同様に、第1シート201の表面に向かって突出してこれと当接する刃34を1または複数設ける一方、この刃34を移動させることなく第1シート201と当接させてもよい。また、カッタープレート33を回転移動させずに刃34を第1シート201の搬送方向と平行な方向等に移動させてもよい。ただし、ティラー31を用いた前記構成によれば、簡単な構成で、第1シート201を起毛させることができる。
【0116】
また、ティラー31を用いる場合であっても、前記刃34の具体的な形状は前記に限らず、例えば、刃34のその移動方向の上流側の面と下流側の面とが同じ形状を有していてもよい。また、刃34の移動速度は前記に限らない。また、カッタープレート33に形成される刃34は1つであってもよい。また、ティラー31の回転速度や回転方向は適宜変更可能である。
【0117】
また、前記実施形態では、散布口48cの下方において第1シート201が斜め下方に向かって搬送される場合について説明したが、第1シート201の搬送方向はこれに限らない。例えば、散布口48cの下方において、第1シート201が水平方向や斜め上方に向かって搬送されてもよい。
【0118】
また、前記第1実施形態では、圧接装置70を用いて第1シート201と第2シート202とを圧接させる場合について説明したが、これらシート201,202を圧接するための手順および装置はこれに限らない。例えば、ガイドロール21,121が両シート201,202を十分に圧接する場合には、圧接装置70を省略してもよい。
【0119】
また、前記実施形態では、両シート201,202の接合にホットメルト接着剤を用いる場合について説明したが、これらシート201,202を接合するための具体的構成はこれに限らない。例えば、ヒートシールや超音波接合によってこれらシート201,202を接合するよう構成されてもよい。
【0120】
また、前記実施形態では、調量装置44が粉粒体Sを所定の流量で下方に搬送する場合について説明したが、この流量は一定であってもよく、あるいは時間的に変化してもよい。例えば、第1シート201のうちその搬送方向Y1についての所定の部位により多くの粉粒体Sを配置したい場合には、この部位に対応するタイミングで前記流量を大きくしてもよい。
【0121】
また、調量装置44の具体的構成は前記に限らない。
【0122】
また、前記実施形態では、第1シート201の幅方向について均一に粉粒体Sが供給される場合について説明したが、粉粒体Sの第1シート201への供給量を第1シート201の幅方向について変化させてもよい。
【0123】
例えば、粉粒体案内部47を第1シート201の幅方向について複数の個別通路に分割し、これら個別通路をそれぞれ通って粉粒体Sが第1シート201に流下するよう構成するとともに、一部の個別通路を流通する粉粒体Sの少なくとも一部を、適宜の排除手段(機械的手段や空気流などによるブロー手段、吸引手段)によりこの通路から排除し、これにより、粉粒体Sの第1シート201への供給量を第1シート201の幅方向について変化させてもよい。
【0124】
また、前記実施形態では、粉粒体Sが間欠的に第1シート201に供給される場合について説明したが、粉粒体Sが連続して第1シート201に供給されてもよい。ただし、第1シート201に粉粒体Sを間欠的に供給して第1シート201に粉粒体Sを有しない部分を設ければ、この部分で切断することで、粉粒体Sがこの切断面を通して第1シート201からこぼれるのを抑制することができる。また、切断に用いるカッター刃が粉粒体Sにあたることで損傷するのを抑制することができる。
【0125】
また、第1シート201に粉粒体Sを供給するための具体的な構成は前記に限らない。
【0126】
また、前記実施形態では、第2シート202として第1シート201よりも幅の広いシートを用いて第2シート202によって第1シート201を包み込む場合について説明したが、例えば、第1シート201と同じ幅の第2シート202を用いてこれを第1シート202の表面に配置してもよい。ただし、前記のように、第2シート202によって第1シート201を包み込めば、第1シート201の幅方向の両端部分等から粉粒体Sがこぼれるのを抑制することができる。
【0127】
また、前記実施形態では、第2接着剤塗布装置84によって第2シート202の幅方向の両端部に接着剤を塗布して、この接着剤が塗布された第2シート202を折り曲げ装置60によって折り曲げるとともに第2シート202を第1シート201に接合する場合について説明した。しかし、これに代えて、第2接着剤塗布装置84によって第2シート202の幅方向の一方の端部に接着剤を塗布して、この接着剤が塗布された第2シート202を折り曲げ装置60によって折り曲げるとともに第2シート202の幅方向の両端部どうしを第1シート201の上で互いに重ね合わせて接合して、これにより、第2シート202によって第1シート201を包み込むようにしてもよい。
【0128】
また、第2シート202に接着剤を塗布して第1シート201と第2シート202とを接合する場合について説明したが、起毛装置30と粉粒体供給装置40との間に第3の接着剤塗布装置を配置し、起毛装置30で起毛された第1シート201の表面に接着剤を噴霧等により塗布したのち、この接着剤が塗布された第1シート201の表面に粉粒体Sを供給してもよい。この場合は、接着剤により粉粒体Sの少なくとも一部が第1シート201に固定されるので、粉粒体Sの移動を一層抑制することができる。
【0129】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0130】
すなわち、本発明は、粉粒体を含有する粉粒体含有物品の製造装置であって、表面からその裏側の所定領域が不織布で構成されたシートを搬送路に沿って搬送するシート搬送装置と、前記搬送路に設けられて、前記シートの少なくとも一部に当該シートの表側から前記粉粒体を供給する粉粒体供給装置と、前記搬送路のうち前記シートの搬送方向において前記粉粒体の供給位置よりも上流側の位置に設けられて、前記シートのうち前記粉粒体が供給される部分の少なくとも一部を当該シートの表側から起毛させる起毛装置とを備えることを特徴とする粉粒体含有物品の製造装置を提供する。
【0131】
この構成によれば、表面からその裏側の所定領域が不織布で構成されたシートのうち粉粒体が供給される部分の少なくとも一部が起毛されるため、この部分の繊維間に空間を形成することができる。そのため、この部分にその表側から粉粒体を供給した際に、粉粒体を前記空間に埋設させて、粉粒体どうしの間に繊維を介在させることができる。従って、各粉粒体の自由な移動を繊維によって規制することができ、各粉粒体が適切な位置に安定して配置された粉粒体含有物品を製造することができる。また、粉粒体どうしの間に繊維が介在することで、粉粒体が一箇所に偏るのを抑制することができ、粉粒体を適度に分散させることができる。
【0132】
また、前記のように粉粒体を前記空間に埋設させることができることで、粉粒体をシートに供給した際に、粉粒体が跳ね返るのを抑制することができ、粉粒体をより効率よくシートに供給することができる。
【0133】
前記構成において、前記搬送路に設けられて、前記シートに前記粉粒体が供給される位置またはこれよりも前記シートの搬送方向の下流側の位置において、前記シートの表面に第2シートを供給する第2シート供給部と、前記搬送路に設けられて、前記第2シート供給部により前記シートの表面に前記第2シートが供給される位置またはこれよりも前記シートの搬送方向の下流側の位置において、前記シートと前記第2シートとを接合する接合装置とを備えるのが好ましい。
【0134】
この構成によれば、粉粒体が供給されたシートの表面に第2シートが供給されてこれらが接合され、粉粒体が第2シートにより閉じ込められるため、シートの表面から粉粒体が脱落するのを抑制することができる。
【0135】
前記構成において、前記搬送路のうち前記シートの搬送方向において前記接合装置よりも下流側の位置に設けられて、前記シートと前記第2シートとをこれらの厚み方向に圧接する圧接装置を備えるのが好ましい。
【0136】
このようにすれば、シートの起毛された部分によって粉粒体の移動を規制しつつ、起毛に伴って厚みが増大したシートの厚みを再び小さくすることができ、厚みが小さく抑えられた粉粒体含有物品を製造することができる。また、このように厚みが小さく抑えられることで粉粒体が移動可能な空間が小さくされるため、粉粒体の自由な移動をより確実に規制することができる。
【0137】
また、前記構成において、前記接合装置は、前記シートと前記第2シートとをこれらの厚み方向に圧接しつつ接合するのが好ましい。
【0138】
このようにすれば、接合装置によって、シートの表面に第2シートを供給しながらこれらを接合するとともにこれらシートを圧接することができ、装置全体の構成を簡素化することができる。
【0139】
また、前記構成において、前記起毛装置は、前記シートの表面に向かって突出して当該シートに当接する1または複数の刃を備え、前記シート搬送装置は、前記シートが前記刃に対して相対的に移動するように、前記シートを搬送するのが好ましい。
【0140】
このようにすれば、起毛装置に設けられた刃にシートの表面を引掻かせるという簡単な構成で、シートを起毛させることができる。
【0141】
また、前記構成において、前記起毛装置は、前記刃の移動速度が前記シートの移動速度よりも小さくなるように、前記シートの搬送方向の上流側から下流側に向かって前記刃を移動させる駆動部を備えるのが好ましい。
【0142】
このようにすれば、シートの搬送速度を高く維持しながら、シートの表面の前記刃に対する相対速度を小さく抑えてシートに刃がかかったときにシートが破損するのをより確実に抑制することができる。
【0143】
具体的には、シートの搬送速度を高く維持した状態で、前記刃をシートの搬送方向と反対方向に移動させた場合には、シートの刃に対する相対速度が過剰に高くなるため、シートに刃が過剰に引っかかりシートが破損するおそれがある。
【0144】
これに対して、この構成では、刃の移動方向をシートの搬送方向と同じ方向としている。そのため、刃に対するシートの相対速度を小さく抑えることができ、シートが刃に過剰に引っかかるのを抑制することができる。
【0145】
また、刃の移動方向をシートの搬送方向と同じ方向としながら刃がシートに引っかかるようにする構成としては、シートの搬送速度よりも刃の移動速度を大きくして、シートを刃の移動方向の下流側から上流側に向かって相対的に移動させてシートが刃の移動方向の下流側の部分に引っかかるようにする構成が考えられるが、この場合には、刃を高速で移動させる必要があるうえ、刃がシートに当接する際に、シートの繊維が刃によって搬送方向へ撫で付けるように押されるため起毛されにくい。
【0146】
これに対して、前記構成では、前記のように、刃の移動方向をシートの搬送方向と同じ方向としながら、刃の移動速度をシートの搬送速度よりも小さくしている。そのため、シートの搬送速度を高く維持しながら、シートが刃に適度に引っかかるので、良好に起毛することができる。なお、この構成では、シートは、刃の移動方向の上流側から下流側に向かって刃に対して相対的に移動して刃の上流側部分に引っかかる。
【0147】
また、前記構成において、前記駆動部は、前記刃を前記シートの搬送方向と直交し且つ当該シートの表面と平行に延びる線を中心線とする円柱の円周面に沿って回転駆動させ、前記刃は、前記シートと当接する位置において当該シートの搬送方向の上流側を向く第1面と、前記位置において前記シートの搬送方向の下流側を向く第2面とをそれぞれ備え、前記第1面は、前記円柱の径方向に延びる形状を有し、前記第2面は、前記第1面の前記円柱の径方向の外側の端部から前記刃の移動方向の下流側かつ前記円柱の径方向内側に延びる形状を有するのが好ましい。
【0148】
このようにすれば、各刃の径方向の外側の端部であってシートを引掻く部分が径方向外側に向かって尖る形状となるため、シートにこの刃の端部を引掻けてシートを適切に起毛させることができる。しかも、第1面が径方向に延びていることで、刃がシートから離れる際に刃に対してシートの繊維が逃げやすくなるため、前記のようにシートを適切に起毛させつつ、シートを適切に搬送することができる。
【0149】
また、前記構成において、前記粉粒体供給装置は、前記シートにその表側から前記粉粒体を散布する散布口を備え、前記粉粒体含有物品の製造装置は、前記散布口に対向する対向位置から、当該対向位置よりも前記シートの搬送方向における下流側の位置までの領域の少なくとも一部において、前記シートをその裏側から吸引する吸引装置を備えるのが好ましい。
【0150】
このようにすれば、粉粒体を繊維間に形成された空間に確実に埋設してシート内に安定して保持させることができる。具体的には、仮に、粉粒体が供給される前に吸引装置によってシートをその裏側から吸引した場合には、この吸引力を受けて起毛した繊維が伏せてしまい繊維間に形成された空間が崩れるおそれがある。これに対して、この構成では、粉粒体がシートに供給されるのと同時あるいは供給された後にシートが裏側から吸引されるため、前記空間が崩れるのを抑制することができ、この空間に粉粒体をより確実に埋設することができる。
【0151】
また、前記構成において、前記シート搬送装置は、前記対向位置において前記シートを鉛直方向に対して斜め下向きに搬送するのが好ましい。
【0152】
このようにすれば、重力によって鉛直方向下向きに移動する粉粒体と、シートの移動の向きとが近い向きになるため、シートに弾かれてシート外にこぼれるのを抑制することができ、粉粒体を効率よくシートに供給することができる。
【0153】
また、本発明は、表面からその裏側の所定領域が不織布で構成されたシートを搬送路に沿って搬送する搬送工程と、前記搬送路に沿って搬送されている前記シートの少なくとも一部に当該シートの表側から前記粉粒体を供給する粉粒体供給工程と、前記搬送路のうち前記シートの搬送方向において前記粉粒体の供給位置よりも上流側の位置において、前記搬送路に沿って搬送されている前記シートのうち前記粉粒体が供給される部分の少なくとも一部を当該シートの表側から起毛させる起毛工程とを含む粉粒体含有物品の製造方法を提供する。
【0154】
この方法によれば、シートのうち粉粒体が供給される部分の少なくとも一部が起毛されるため、この部分を構成する繊維間に空間を形成することができる。そのため、シートにその表側から粉粒体を供給した際に、粉粒体を前記空間に埋設させて、粉粒体どうしの間の繊維を介在させることができる。従って、各粉粒体の自由な移動を繊維によって規制することができ、各粉粒体が適切な位置に安定して配置された粉粒体含有物品を製造することができる。また、粉粒体どうしの間に繊維が介在することで、粉粒体が一箇所に偏るのを抑制することができ、粉粒体を適度に分散させることができる。
【0155】
また、前記のように粉粒体を前記空間に埋設させることができることで、粉粒体をシートに供給した際に、粉粒体が跳ね返るのを抑制することができ、粉粒体をより効率よくシートに供給することができる。
【0156】
前記構成において、前記シートに前記粉粒体が供給される位置またはこれよりも前記シートの搬送方向の下流側の位置において、前記搬送路に沿って搬送されている前記シートの表面に第2シートを供給する第2シート供給工程と、前記シートと当該シートの表面に供給された前記第2シートとを接合する接合工程とを備えるのが好ましい。
【0157】
この構成によれば、粉粒体が供給されたシートの表面に第2シートが供給されてこれらシートが接合され、粉粒体が第2シートにより閉じ込められるため、シートの表面から粉粒体が脱落するのを抑制することができる。
【0158】
前記構成において、前記搬送路に沿って搬送されている前記シートと当該シートに接合された前記第2シートとをこれらの厚み方向に圧接する圧接工程を含むのが好ましい。
【0159】
この構成によれば、シートの起毛された部分によって粉粒体の移動を規制しつつ、起毛に伴って厚みが増大したシートの厚みを再び小さくすることができ、厚みが小さく抑えられた粉粒体含有物品を製造することができる。また、このように厚みが小さく抑えられることで粉粒体が移動可能な空間が小さくされるため、粉粒体の自由な移動をより確実に規制することができる。
【0160】
また、前記構成において、前記接合工程では、前記シートと前記第2シートとをこれらの厚み方向に圧接しつつ接合するのが好ましい。
【0161】
このようにすれば、接合工程において、シートの表面に第2シートを供給しながらこれらを接合するとともにこれらシートを圧接することができ、工程を簡素化することができる。
【0162】
また、前記構成において、前記搬送工程の前に実施されて、前記起毛工程にて起毛される部分が短繊維で構成された不織布からなるシートを準備する準備工程を備えるのが好ましい。
【0163】
このようにすれば、起毛した際にシートの各繊維の先端をより多くシートの表側に露出させて、繊維間に形成される空間を表側に開口させることができる。従って、この開口を通して粉粒体をシートの内側においてより裏側まで配置させることができ、前記粉粒体をより確実に個別に前記空間に配置することができる。従って、粉粒体どうしの間により確実に繊維を介在させて繊維によって粉粒体の移動をより確実に規制することができるとともに粉粒体を適度に分散させることができる。なお、ここでいう短繊維とは、JIS 1015の平均繊維長測定方法(C法)で測定した繊維長さが、100mm未満、より好ましくは80mm未満、さらに好ましくは70mm未満の繊維である。