(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、燃料電池システムを利用した純水活用装置の参考実施形態及び本発明に従う浴室用純水活用装置の一実施形態について説明する。
【0017】
〔純水活用装置の参考実施形態〕
まず、
図1〜
図3を参照して、燃料電池システムを利用した純水活用装置の参考実施形態について説明する。
図1を参照して、この純水活用装置に用いる燃料電池システムの一例について説明すると、図示の燃料電池システム2は、原燃料ガス(例えば、天然ガス)を改質するための改質器4と、改質器4にて改質された改質燃料ガス及び酸化材としての空気の酸化及び還元によって発電を行う燃料電池6と、酸化材としての空気(酸素を含む)を燃料電池6に送給するための送風ブロア8と、を備えている。
【0018】
燃料電池6は、例えば固体酸化物形燃料電池から構成されるが、その他の形態のもの、例えば固体高分子形燃料電池などでもよい。この燃料電池6は、燃料電池反応によって発電を行うための燃料電池セルを積層配列したセルスタックから構成され、このような燃料電池セルは、酸素イオンを伝導する固体電解質10と、固体電解質10の一方側に設けられた燃料極(図示せず)と、固体電解質10の他方側に設けられた酸素極(図示せず)とを備え、固体電解質10として例えばイットリアをドープしたジルコニアが用いられる。
【0019】
燃料電池6の燃料極側12の導入側は、改質燃料ガス送給流路14を介して改質器4に接続され、この改質器4は、燃料ガス供給流路16を介して原燃料ガスを供給するための燃料ガス供給源18(例えば、埋設管や貯蔵タンクなど)に接続され、この燃料ガス供給流路16には、原燃料ガスを供給するための燃料ポンプ20が配設されている。また、改質器4には水供給流路21を介して改質用水を供給するための水供給源23(例えば、水タンクなど)に接続され、この水供給流路21には、水を供給するための水ポンプ25が配設されている。
【0020】
また、燃料電池6の酸素極側22の導入側は、空気送給流路24を介して空気を予熱するための空気予熱器26に接続され、この空気予熱器26は、空気供給流路28を介して送風ブロア8に接続されている。
【0021】
燃料電池6の燃料極側12及び酸素極側22の各排出側には燃焼域30が設けられ、燃料極側12から排出された反応燃料ガス(残余燃料ガスを含む)と酸素極側22から排出された空気(酸素を含む)とがそれぞれこの燃焼域30に送給されて燃焼される。この燃焼域30は排気ガス送給流路32を介して空気予熱器26に接続され、この空気予熱器26には排気ガス排出流路34が接続されている。
【0022】
この燃料電池システム2では、燃料電池6から排気ガス排出流路34を通して排出される排気ガスに含まれる水蒸気を凝縮して純水として回収するための純水回収手段36が設けられている。尚、この純水回収手段36については、後述する。また、この燃料電池システム2は電池ハウジング38を備え、この電池ハウジング38は、高温状態に保たれる高温空間40を規定し、燃料電池6、改質器4及び空気余熱器26は、この電池ハウジング38(高温空間40)内に配設される。
【0023】
この燃料電池システム2の稼働は、次のようにして行われる。燃料ガス供給源18からの原燃料ガスが燃料ガス供給流路16を通して改質器4に供給されると共に、水供給源23からの改質用水が水供給流路21を通して改質器4に供給される。改質器4においては、改質用水により原燃料ガスが水蒸気改質され、このように改質された改質燃料ガスが改質燃料ガス送給流路14を通して燃料電池6の燃料極側12に送給される。また、送風ブロア8からの空気は、空気供給流路28を通して空気予熱器26に供給され、この空気予熱器26において排気ガスとの熱交換で加温された後に、空気送給流路24を通して燃料電池6の酸素極側22に送給される。
【0024】
燃料電池6の燃料極側12では、改質された改質燃料ガスが酸化され、またその酸素極側22では、空気中の酸素が還元され、燃料極側12の酸化及び酸素極側22の還元による燃料電池反応(電気化学反応)により発電が行われる。燃料極側12からの反応燃料ガス及び酸素極側22からの空気はそれぞれ燃焼域30に送給され、空気中の酸素を利用して余剰の燃料ガスが燃焼される。
【0025】
燃焼域30からの排気ガスは、排気ガス送給流路32を通して空気予熱器26に送給され、この空気予熱器26において送風ブロア8からの空気との熱交換に利用された後に、排気ガス排出流路34を通して外部に排出される。そして、この排気ガス排出流路34を通して流れる間に、排気ガス中に含まれた水蒸気が、純水回収手段36によって凝縮回収される。
【0026】
次に、
図1とともに
図2を参照して、この純水回収手段36について説明する。純水活用装置の一部を構成する純水回収手段36は、排気ガス排出流路34を流れる排気ガスとの間で熱交換を行うための凝縮用熱交換器42を備え、この凝縮用熱交換器34が排気ガス排出流路34に配設されている。尚、この排気ガス排出流路34は、
図2に示す排気ガス排出ダクト44,46により規定される。
【0027】
この凝縮用熱交換器42に関連して、循環水を冷却するためのラジエタ48が設けられている。ラジエタ48と凝縮用熱交換器42とは冷却循環流路50を介して接続され、この冷却循環流路50に循環ポンプ52が配設されている。また、このラジエタ48は冷却ファン54を備え、この冷却ファン54は、ラジエタ48を流れる循環水を冷却する。
【0028】
この純水回収手段36は、更に、凝縮用熱交換器42にて凝縮した凝縮水(純水)を回収して貯めるための純水回収容器56(純水収容容器として機能する)を備え、この純水回収容器56と凝縮用熱交換器42とが純水回収流路58を介して接続され、この純水回収流路58は、
図2における純水回収配管60により規定される。尚、回収される純水中の不純物を除去するために、この純水回収流路58に不純物除去手段、例えば純水処理手段を設けるようにしてもよい。
【0029】
このような純水回収手段36は、電池ハウジング38に隣接して設置される純水回収ハウジング61内に配設され、例えば、上流側の排気ガス排出ダクト44は、電池ハウジング38の側壁及び純水回収ハウジング61の側壁を貫通して凝縮用熱交換器42の底壁に接続され、下流側の排気ガス排出ダクト46は、凝縮用熱交換器42の上壁から純水回収ハウジング61の上壁を貫通して大気に開放されている。尚、この純水回収ハウジング61及び電池ハウジング38は、純水活用装置のシステムハウジングを構成する。
【0030】
この参考実施形態では、純水回収容器56(純水収容容器)の上端部にオーバーフロー孔(図示せず)が設けられ、このオーバーフロー孔に排水チューブ62が連通されており、純水回収容器56内の純水の貯め量が上限を超えると、このオーバーフロー孔から排水チューブ62を通して外部に排水される。また、この純水回収容器56の下端部に排水孔(図示せず)が設けられ、この排水孔に排水管64が設けられ、この排水管64に排水弁66が設けられている。
【0031】
この参考実施形態の純水活用装置では、純水回収容器56内に貯まった純水を持ち運びするための持運び容器68が用いられる。この持運び容器68としては、例えばプラスチック製、金属製の種々の容器を用いることができる。純水回収容器56に貯まった純水を活用するときには、
図2に示すように、排水弁66の下側に持運び容器68を置いて排水弁66を開放すればよく、このように操作することにより、純水回収容器68に回収された純水を持運び容器68に移して種々の洗浄(例えば、油落とし、カビ発生の抑制など)に活用することができる。
【0032】
このような燃料電池システム2を利用した純水活用装置では、
図3に示すように制御される。主として
図1及び
図3を参照して、この参考実施形態では、純水活用装置を運転制御するためのリモコン70が設けられ、このリモコン70は、純水活用装置の運転を行う運転スイッチ72及び運転モードを選択するモード選択スイッチ74を備えている。運転スイッチ72はシステムの運転を行うためのものであり、押圧操作すると運転が開始され、再度操作するとその運転が終了する。また、モード選択スイッチ74は、通常運転モードスイッチ76と純水生成運転モードスイッチ78とを含み、通常運転モードスイッチ76を押圧操作すると、通常運転モードが設定され、純水生成運転スイッチ78を押圧操作すると、純水生成運転モードが設定される。
【0033】
リモコン70からの各種操作信号は、純水活用装置のコントローラ80に送給される。マイクロプロセッサなどから構成されるコントローラ80は、制御手段82、通常運転信号生成手段84及び純水生成運転信号生成手段86を備え、制御手段82は、燃料ポンプ20、水ポンプ25、送風ブロア、ラジエタ48などを後述する如く作動制御し、通常運転信号生成手段84は、通常運転モードスイッチ76からの操作信号に基づいて通常運転信号を生成し、純水生成運転信号生成手段86は、純水生成運転モードスイッチ78からの操作信号に基づいて純水生成運転信号を生成する。
【0034】
この純水活用装置の運転は、例えば、次のようにして行われる。運転スイッチ72を操作した後通常運転モードスイッチ76を入力操作する(又は純水生成運転モードの運転中に通常運転モードスイッチ76を入力操作する)と、通常運転信号生成手段84が通常運転信号を生成し、この通常運転信号に基づいて制御手段82は純水活用装置(燃料ポンプ20、水ポンプ25,送風ブロア8、ラジエタ48など)を通常運転モードで運転する。この通常運転モードでは、例えば、燃料電池6の発電電力は、電力負荷に追従して変動し、その発電電力は電力負荷にて消費され、この運転中に凝縮用熱交換器42にて凝縮された凝縮水(純水)は、純水回収流路58を通して純水回収容器56に回収される。
【0035】
また、運転スイッチ72を操作した後純水生成運転モードスイッチ78を入力操作する(又は通常運転モードの運転中に純水生成運転モードスイッチ78を入力操作する)と、純水生成運転信号生成手段84が純水生成運転信号を生成し、この純水生成運転信号に基づいて制御手段82は純水活用装置(燃料ポンプ20、水ポンプ25,送風ブロア8、ラジエタ48など)を純水生成運転モードで運転する。この純水生成運転モードにおいては、燃料電池6の発電出力が定格出力になるように設定され、またラジエタ48の循環ポンプの回転数が高くなって循環水の循環流量が大きくなるとともに、冷却ファン54の回転数が高くなってラジエタ48での循環水の冷却効果が高められる。従って、この純水生成運転モードでは、凝縮用熱交換器42における凝縮水(純水)の回収量が多くなるとともにその回収効率も高められ、これにより、より多くの純水を純水回収容器56に回収することができる。尚、このとき、燃料電池6の発電電力は電力負荷で消費されるが、この発電出力よりも電力負荷が小さい場合、その発電出力の一部が商用電力側に逆潮流されるように制御される。
【0036】
この参考実施形態では、純水回収手段36により回収した純水を持運び容器68に移して持ち運んで洗浄(例えば、油落とし、カビ発生の抑制など)に用いているが、このように持運び容器68に移すことなく用いるようにすることもできる。この場合、純水回収容器56が持運び容器としても機能し、この純水回収容器56がシステムハウジング(例えば、純水回収ハウジング61)に取外し可能に取り付けられる。そして、純水の活用に際して純水回収容器56をシステムハウジング(純水回収ハウジング61)から取り外して持ち運べばよく、このように取り外したときには、純水を無駄にしないためにも新しい純水回収容器56を取り付けるようにするのが望ましい。
【0037】
また、この参考実施形態では、純水回収手段36の純水回収容器56に回収した純水の全てを余剰純水として洗浄などに用いるように構成されているが、この純水回収容器56と改質器4とを純水送給流路(図示せず)を介して接続するとともに、この純水送給流路に純水ポンプ(図示せず)を配設し、純水回収容器56に回収した純水を改質用水として純水ポンプにより改質器4に送給するようにしてもよい。
【0038】
〔浴室用純水活用装置の一実施形態〕
次に、
図4及び
図5を参照して、本発明に従う浴室用純水活用装置の一実施形態について説明する。この浴室用純水活用装置の一実施形態においては、燃料電池に関連して貯湯装置及びミスト発生手段が設けられている。尚、この実施形態において、上述した参考実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4において、この浴室用純水活用装置を適用する燃料電池システム2及びそれに関連する構成は、上述した参考実施形態と同様である。また、この浴室用純水活用装置における貯湯装置102は、次の通りの構成を有している。図示の貯湯装置102は、燃料電池6から排気ガス排出流路34を通して流れる排気ガスの排熱を温水として貯えるための貯湯タンク104を備え、この貯湯タンク104の底部からその上端部に水を循環させるための循環流路106が設けられ、この循環流路106と燃料電池システム2の排気ガス排出流路34との間に排熱回収用の熱交換器42Aが設けられ、かかる熱交換器42Aは、排気ガス中の水蒸気(水分)を凝縮するための凝縮用熱交換器としても機能する。この循環流路106には第1開閉弁108及び循環用ポンプ110が配設されている。
【0040】
このように構成されているので、第1開閉弁108が開放され且つ循環用ポンプ110が作動すると、貯湯タンク104の底部の水が循環流路106を通して流れ、この排熱回収用熱交換器42Aにて排気ガス排出流路58を通して流れる排気ガスとの間で熱交換されて加温され、このように加温された温水が循環流路106を通して貯湯タンク104の上端部から貯められる一方、この熱交換により排気ガス中の水蒸気(水分)が凝縮され、かく凝縮された水(純水)が純水回収流路58を通して純水回収容器56に回収される。
【0041】
貯湯タンク104の底部には、水道水供給流路112が接続され、この水道水供給流路112に第2開閉弁114が配設されている。従って、第2開閉弁114が開放されると、水道水供給流路112を通して貯湯タンク104に水道水が供給される。
【0042】
この貯湯タンク104の上端部には給湯流路116が接続され、この給湯流路116には、浴室のシャワー118に接続される第1分岐給湯流路120が接続され、また浴室などのカラン122に接続される第2分岐給湯流路124などが接続され、第1分岐給湯流路120には、第3開閉弁126が配設されている。従って、第3開閉弁126が開放されると、貯湯タンク104内の温水が給湯流路116及び第1分岐給湯流路120を通してシャワー118に送給され、このシャワー118から放水される。また、カラン122が開放されると、貯湯タンク104内の温水が給湯流路116及び第2分岐給湯流路124を通してカラン122に送給され、このカラン12から出湯する。
【0043】
また、図示のミスト発生手段132は、浴室暖房乾燥機134に関連して設けられている。浴室暖房乾燥機134は暖房乾燥機本体136を備え、この暖房乾燥機本体136は、例えば浴室の天井に取り付けられる。この暖房乾燥機本体136内に設けられた空気循環流路には、空気を加熱するための暖房用熱交換器138と、浴室内の空気を循環するための循環ファン139とが設けられ、この循環ファン139が作動すると、浴室内の空気が暖房乾燥機本体136内の空気循環流路を通して流れ、暖房用熱交換器138にて加温された空気がこの空気循環流路を通して浴室内に吹き出す。
【0044】
また、この暖房乾燥機本体134内には排気流路(図示せず)が設けられ、その排気口140には換気ファン142が設けられ、この換気ファン142が作動すると、浴室内の空気が換気流路(図示せず)を通して室外に排出される。
【0045】
この暖房乾燥機本体134に関連して熱源機144が設けられ、この熱源機144にて生成された加熱媒体としての温水が暖房乾燥機本体136に供給される。熱源機144は例えばガス給湯装置から構成され、燃焼用ガス(例えば、都市ガス)を燃焼させて温水を生成するための燃焼バーナ146及び温水を送給するための送給ポンプ148を備え、この熱源機46の供給側が温水往き流路150を介して暖房用熱交換器138の流入側に接続され、またその戻り側が温水戻り流路152を介して暖房用熱交換器8の流出側に接続され、温水往き流路46に熱動弁154が配設されている。このように構成されているので、熱源機144からの温水は、温水往き流路150、暖房用熱交換器138及び温水戻り流路152を通して循環される。
【0046】
ミスト発生手段132は、ミスト用熱交換器154、スプラッシュミスト噴出ノズル156及びマイクロミスト噴出ノズル158を備えている。ミスト用熱交換器154は水道水などを温めて所望温度の温水にするものであり、その温水系統の流入側がミスト用温水往き流路160を介して温水往き流路150に接続され、その温水系統の流出側がミスト用温水戻り流路161を介して温水戻り流路152に接続され、ミスト用温水往き流路160には、温水の流量を制御する比例弁162が配設されている。
【0047】
また、ミスト用熱交換器154の水系統の流入側はミスト用水送給流路164を介して水道管(図示せず)に接続され、このミスト用水送給流路164に第5開閉弁166が配設されている。
【0048】
このように構成されているので、比例弁162が開放されると、温水往き流路150からの温水が、ミスト用温水往き流路160、ミスト用熱交換器154及びミスト用温水戻り流路161を介して温水戻り流路152に流れる。また、第4開閉弁166が開放されると、水道管からの水道水が、ミスト用水送給流路164及びミスト用熱交換器154を通して流れ、このミスト用熱交換器154において温水系統の温水との熱交換により水系統の水が加温されて温水となる。
【0049】
スプラッシュミスト噴出ノズル156は、スプラッシュミスト(50〜100μm程度の粒径のミスト)を噴霧させるノズルであり、暖房乾燥機本体136の吹出し口近傍に配設される。このスプラッシュミスト噴出ノズル156には、ミスト用熱交換器154から延びる第1ミスト用送給流路168が接続され、この第1ミスト用送給流路168に第5開閉弁170が配設されている。従って、第5開閉弁170が開放されると、ミスト用熱交換器154からの温水が第1ミスト用送給流路168を通して送給されてスプラッシュミスト噴出ノズル156からミスト状に噴霧される。
【0050】
また、マイクロミスト噴出ノズル158は、マイクロミスト(スプラッシュミストよりも小さいミストであって、5〜20μm程度の粒径のミスト)を噴霧させるノズルであり、暖房乾燥機本体136の空気循環流路に配設されている。このマイクロミスト噴出ノズル158は、第1ミスト用送給流路168から分岐する(第5開閉弁170の配設部位よりも上流側にて分岐している)第2ミスト用送給流路172に接続され、この第2ミスト用送給流路172に第6開閉弁174が配設されている。従って、第6開閉弁174が開放されると、ミスト用熱交換器154からの温水が第1ミスト用送給流路168及び第2ミスト用送給流路172を通して送給されてマイクロミスト噴出ノズル158からミスト状に噴霧される。
【0051】
この浴室用純水活用装置では、貯湯装置102からの温水が浴室暖房乾燥機134のミスト用熱交換器154に送給されるように構成されている。即ち、給湯流路116とミスト用水送給流路164(第4開閉弁166の配設部位よりも下流側)とがミスト用温水送給流路182を介して接続され、このミスト用温水送給流路182に第7開閉弁184が配設されており、この第7開閉弁184が開放されると、貯湯タンク104からの温水が給湯流路116、ミスト用温水送給流路182及びミスト用水送給流路164を通してミスト用熱交換器154に送給される。
【0052】
この浴室用純水活用装置では、純水回収手段36Aの純水回収容器56(純水収容容器)に上述したようにして回収された純水をシャワー118で利用することができるように、また浴室暖房乾燥機134でも利用することができるように構成されている。更に説明すると、純水回収容器56と第1分岐給湯流路120(第3開閉弁126の配設部位よりも下流側)とが第1純水送給流路186を介して接続され、この第1純水送給流路186に第8開閉弁188及び純水ポンプ190が配設されている。従って、第3開閉弁126が閉状態のときに第8開閉弁188が開放され且つ純水ポンプ190が作動されると、純水回収容器56内の純水は、第1純水送給流路186及び第1分岐給湯流路120を通してシャワー118に送給される。
【0053】
また、純水回収容器56(この形態では、純水回収容器56から延びる第1純水送給流路186における第8開閉弁88の配設部位よりも上流側)とミスト用温水送給流路182(第7開閉弁184の配設部位よりも下流側)とが第2純水送給流路192を介して接続され、この第2純水送給流路192に第9開閉弁194が配設されている。従って、第7開閉弁184が閉状態のときに第9開閉弁194が開放され且つ純水ポンプ190が作動されると、純水回収容器56内の純水は、第1純水送給流路186、第2純水送給流路186及びミスト用温水送給流路182を通してミスト用水送給流路164に送給される。尚、この第2純水送給流路194は、ミスト用温水送給流路182に接続することに代えて、ミスト用水送給流路164に接続するようにしてもよい。
【0054】
燃料電池6に貯湯装置102及びミスト発生手段132を組み合わせた上述の浴室用純水活用装置は、例えば、
図5に示すリモコン202でもって運転される。図示のリモコン200は、運転スイッチ202、浴室暖房スイッチ204、浴室換気スイッチ206、浴室乾燥スイッチ208及び浴室涼風スイッチ210を備えている。運転スイッチ202は、浴室用純水活用装置を運転するためのスイッチであり、押圧操作すると運転が開始し、再度押圧操作するとその運転が終了する。また、浴室暖房スイッチ204、浴室換気スイッチ206、浴室乾燥スイッチ208及び浴室涼風スイッチ210は浴室暖房乾燥機134を運転制御するためのスイッチであり、例えば、浴室暖房スイッチ204(又は浴室換気スイッチ206、浴室乾燥スイッチ208、浴室涼風スイッチ210)を入力操作すると、浴室暖房乾燥機134が従来と同様に作動制御されて浴室暖房運転(又は浴室換気運転、浴室乾燥運転、浴室涼風運転)が行われる。
【0055】
このリモコン200は、更に、ミスト運転入力手段212及び洗浄運転入力手段213を備えている。ミスト運転入力手段212は、ミスト発生手段132及び浴室暖房乾燥機134を運転制御するための運転入力手段であり、マイクロスイッチ214、スプラッシュスイッチ216、温水スイッチ218及び冷水スイッチ220を含んでいる。マイクロスイッチ214(又はスプラッシュスイッチ216)を入力操作すると、ミスト発生手段132及び浴室暖房乾燥機134が従来と同様に作動制御されて、マイクロミスト噴出ノズル158(又はスプラッシュミスト噴出ノズル156)からミストを噴霧するマイクロミスト運転(又はスプラッシュミスト運転)が行われる。また、温水スイッチ218(又は冷水スイッチ220)は、これらミスト噴出ノズル156,158から噴出されるミストを温水(又は冷水)に設定するものである。
【0056】
また、洗浄運転入力手段213は、シャワースイッチ222及びミストスイッチ224を含んでいる。シャワースイッチ222を入力操作すると、浴室用純水活用装置がシャワー洗浄運転される。即ち、第8開閉弁188が開状態となるとともに、純水ポンプ190が作動され、純水回収手段36Aの純水回収容器56(純水収容容器)内の純水が第1純水送給流路186及び第1分岐給湯流路120の一部を通してシャワー118に送給されて放水され、シャワー1118からの純水を利用して浴室、浴槽などを洗浄(カビ発生の抑制など)することができる。尚、このとき、第3開閉弁126及び第9開閉弁194などは閉状態に保たれる。
【0057】
また、ミストスイッチ224を入力操作すると、浴室用純水活用装置がミスト洗浄運転される。即ち、浴室暖房乾燥機134の循環ファン139が作動されるとともに、第6開閉弁174が開状態になり、更に第9開閉弁194が開状態になるとともに、純水ポンプ190が作動され、純水回収容器56内の純水が第1純水送給流路186の一部、第2純水送給流路192、ミスト用温水送給流路182の一部、ミスト用水送給流路164の一部及び第2ミスト用送給流路172を通してマイクロミスト噴出ノズル158に送給され、このマイクロミスト噴出ノズル158から浴室暖房乾燥機134の空気循環流路(図示せず)にミスト状に噴霧される。このように噴霧された純水は、循環ファン139の作用によって空気循環流路(図示せず)を通して浴室内に流れ、浴室内に満たされ、このようにして浴室内全体の洗浄(カビ発生の要請など)を行うことができる。このとき、第4開閉弁166、第5開閉弁170、第7開閉弁184及び第8開閉弁188が閉状態に保たれる。
【0058】
尚、この実施形態では、マイクロミスト噴出ノズル158から純水を噴出させているが、これに代えて、スプラッシュミスト噴出ノズル170から浴室内に向けて噴出させるようにしてもよく、この場合、第5開閉弁170が開状態に、第6開閉弁174が閉状態に保たれる。
【0059】
この実施形態では、純水回収手段36Aで回収した純水をシャワー118及び浴室暖房乾燥機134の双方で利用できるように構成しているが、このような構成に限定されず、シャワー118及び浴室暖房乾燥機134のいずれか一方のみに利用できるようにしてもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、浴室暖房乾燥機134としてスプラッシュミスト噴出ノズル156及びマイクロミスト噴出ノズル158を備えてものに適用して説明したが、このような形態のものに限定されず、スプラッシュミスト噴出ノズル156及びマイクロミスト噴出ノズル158のいずれか一方のみを備えたものにも同様に適用することができる。
【0061】
以上、本発明に従う浴室用純水活用装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。