【文献】
Complementary Therapies in Medicine,2014年,Vol.22,pp.1010-1018
【文献】
Clinical Trials.gov,2013年 3月 1日,pp.1-8,URL,https://clinicalrials.gov/ct2/show/record/NCT01802021
【文献】
European Journal of Cancer,2012年,Vol.48,No.7,pp.1074-1084
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
非小細胞肺がん(NSCLC)は、小細胞肺がん(SCLC)を除く、全ての種類の上皮性肺がんをいう。非小細胞肺がんの一般的な種類は、扁平上皮がん、大細胞がん及び腺癌であるが、より少ない頻度で発生するがんも存在し、どの種類も組織の異変体として、混合細胞型の組み合わせで発生する。時折、診断によって特定できないがんについては「非小細胞肺がん」(「組織系を特定できない」肺がん、又はNOS)と呼ばれる。細胞診又は生検標本において、病理学者が少量の悪性細胞又は組織を検査した場合、大半はこれに該当する。病状のステージ及びその他要因に依拠し、非小細胞肺がん患者の主な治療手段は、手術、ラジオ波焼灼術、放射線治療、化学療法、標的療法が挙げられる。
【0009】
現在の治療習慣に従い、非小細胞肺がんの治療は、一実施例では、小細胞肺がん(SCLC)を除く、全ての種類の上皮性肺がんに対する治療法である。一実施例においては、非小細胞肺がんの治療法は、扁平上皮がん、大細胞がん、腺がん又はその他発生頻度が低い組織の異変体、並びに病理学的に珍しい変種に対する治療法であり、当業者にとっては混合細胞型として知られている。
【0010】
非小細胞肺がんは、化学療法に対する反応が比較的低いことから、癌のステージ、患者の全体的な体調、年齢、化学療法に対する反応、治療に対する副作用の可能性等によって、1種類以上の治療が使用されることが多い。
【0011】
近年、中国伝統医学(Traditional Chinese Medicine、TCM)によるがん治療の可能性が注目されている。中国伝統医学を適用する原理は、中国伝統医学の理論に基づく。
【0012】
例えば、中国伝統医学の理論によると、一般的に病気は、陰陽失調、気(qi)、血(xue)、臓腑(内臓)、経路などの機能の不調和(又はアンバランス)及び/又は人体と環境との相互影響によって生じる。治療は、「不調和のパターン」を特定することに基づく。中国伝統医学においては、病気及び治療方法に関し、六気が存在する。六気(「外邪」又は「六淫の邪気」とも言う)は、典型的な病気を示す不調和のパターンを表す抽象的な用語である。
【0013】
六気及びそれぞれの臨床的性質は、
1)風邪(風):病気の急な発生、固定しない病気、かゆみ、鼻炎、「流動的」脈拍、揺れ、麻痺、けいれん。
2)寒邪(寒):寒気、悪寒、熱による症状緩和、水気/透明な排泄物、強い痛み、腹痛、筋肉の凝り/収縮、(粘膜性が強い)舌苔、「深い」/「隠れた」又は「糸のような」脈、または遅い脈。
3)火/熱邪(熱):熱っぽさ、高熱、喉の渇き、濃度が高い尿、赤顔、赤い舌、黄色の舌苔、高速の脈。
4)湿邪(湿):体の重さ、だるさ、脾臓の機能不全の症状、油っぽい舌苔、「滑りやすい」脈。
5)乾燥邪(燥):乾燥した咳、ドライマウス、乾燥した喉、乾燥した唇、鼻血、乾燥肌、乾燥した便。
6)暑邪(暑):暑さ又は蒸し暑さとの混合による症状。
上記の六気に基づき、医者はる漢方薬組成物を処方し、上記の1以上の気を治療する。
一般的に、疾患を治療するにあたり、漢方では一種類以上の漢方薬を処方する。
【0014】
一例では、中国伝統医学は複数の成分を含み、主に自然で発生する原料の抽出物を少量ずつ利用したものである。西洋医学の観点からすると、これら複数の成分を有する薬の利点は、いずれか一種類の成分を大量に摂取しても副作用が少ない点である。複数の成分によるアプローチは、過去10年以上研究されている、メトロノミック・ケモセラピー(metronomic chemotherapy)に類似する。
【0015】
例えば、オウギ(Astragalus)は、中国伝統医学においては、糖尿病を治療するために使用されている。
【0016】
オウギ(Astragalus、同義語:Astragale、Astragale a Feuilles de Reglisse、Astragale Queue-de-Renard、Astragale Reglissier、Astragali、Astragalo、タイツリオウギ(Astragalus Membranaceus)、ナイモウオウギ(Astragalus mongholicus)、キバナオウギ(Astragli Membranceus、huang qi、bei qi又はhuang hua huang qi)は、マメ科(Fabaceae)に属する、花を咲かせる植物である。これらは、中国伝統医学において使用される50の基本的な薬草のうちの一つである。中国伝統医学によると、オウギは、肺、副腎、消化器の機能を改善する気付け薬であり、メタボリズム及び発汗を促進し、体調改善を促し、疲れを改善させる薬草である。
【0017】
さらに、タイツリオウギ(Astragalus Membranaceus、AM)(Fisch)は、Type-II Tヘルパー細胞からのサイトカインを阻害し、肺がんに対する免疫を向上させ(Pellegrini, Berghella et al. 1996, Wei, Sun et al., 2003)、マクロファージ及びNK細胞活性を刺激し、さらに宿主免疫機能を強める(Mills, Kincaid et al., 2000)。
【0018】
しかし、オウギは、開示されているデータによれば、肺がん、特に非小細胞肺がんの治療には効果的ではないとも思われる。本発明においては、開示されている実験データに基づき、非小細胞肺がんを治療するための薬草混合物からなる組成物を開示する。
【0019】
一実施形態においては、薬草混合物を提供する。薬草混合物には、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマの根茎(Cimicifuga foetida Rhizoma)、麦門冬の根(Ophiopogon Radix)、ソウジュツ(蒼朮(Atractylodes Lancea Rhizoma))、高麗人参(Panax Ginseng)、ビャクジュツ(白朮(Atractylodes Rhizoma))、神麹(Massa Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子 (Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟(Alisma Rhizoma)、カッコンの根(Pueraria Radix)、タイソウ(Ziziphus Fructus-Red)及びショウガの根(Zingiber Officinale Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む。この組み合わせは、中国伝統医学では清暑益気湯(Qing-Shu-Yi-Qi-Tang)と呼ばれている。
【0020】
清暑益気湯を抽出する方法は、複数知られている。例えば中国人の間では、従前から、薬草原料の混合物をお湯で抽出する方法が知られている。代替として、本発明の薬草混合物を抽出するにあたり、アルコールによる抽出あるいは有機溶剤による抽出(DMSO)等を使用する方法も知られている。本発明における当業者は、その他の適した方法を用いて、清暑益気湯に含まれる原料を抽出することができる。
【0021】
一実施形態では、組成物(例えば薬草の混合物)を被験者(例えばヒト)に投与し、非小細胞肺がんを治療する方法を開示する。組成物は、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマ(Cimicifuga foetida)、ジャノヒゲ属、蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)、高麗人参(Panax Ginseng)、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)、神麹(Massa
Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子(Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)、カッコンの根(Pueraria Radix)、タイソウ(Ziziphus Fructus)及びショウガの根(Zingiber Officinale Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む。組成物は非小細胞肺がん並びに関連する病状(後述する実施例1−15を参照)に対する治療を受けている者に対し、治療上の効果を与える。
【0022】
一実施形態では、組成物(例えば薬草の混合物)を被験者(例えばヒト)に投与し、非小細胞肺がんを治療する方法を開示する。組成物は、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマ(Cimicifuga foetida)、ジャノヒゲ属(Ophiopogon)、ソウジュツ(蒼朮)の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)、高麗人参(Panax Ginseng)、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)、神麹(Massa
Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子
(Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica
Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)及びカッコンの根(Pueraria Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも10の成分を含む。
一実施形態では、組成物は、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマ(Cimicifuga foetida)、ジャノヒゲ属(Ophiopogon)、蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea
Rhizoma)、高麗人参(Panax Ginseng)、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)、神麹(Massa
Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子(Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica
Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)及びカッコンの根(Pueraria Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも11、12、13、14又は15の成分を含む。
【0023】
一実施形態では、非小細胞肺がんを治療するために有用な組成物を提供する。組成物は、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマ(Cimicifuga foetida)、ジャノヒゲ属、蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)、高麗人参(Panax Ginseng)、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)、神麹(Massa Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子(Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)及びカッコンの根(Pueraria Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも10の成分を含む。
一実施形態では、ゲンゲ(Astragalus)、ショウマ(Cimicifuga foetida)、ジャノヒゲ属、蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)、高麗人参(Panax Ginseng)、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)、神麹(Massa Medicata Fermentata)、青皮(Citrus Reticulata-Viride)、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)、五味子(Schisandra Fructus)、カラトウキの根(Angelica Sinensis Radix)、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)及びカッコンの根(Pueraria Radix)の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも11、12、13、14又は15の成分を含む。
【0024】
ゲンゲ属(すなわち、オウギの根、根茎)は、約3,000種類の薬草及び低木を含む属であり、マメ科(Fabaceae)又はマメ亜科に属する。一般名は、milkvetch(多くの属)、locoweed (北アメリカの一部の属)及びgoat's-thorn(トラガント(A. gummifer, A. tragacanthus))が知られている。花の色が薄いソラマメ属も外観が似ているが、ソラマメはブドウのような形である。
【0025】
サラシナショウマ属(Cimicifuga)(bugbane又はcohosh)は、北半球の温暖地域でみられる、キンポウゲ科に属する、12−18種類を含む顕花植物である。サラシナショウマ属、特にショウマの根茎(Cimicifuga foetida又はRhizoma Cimicifugae)は、刺激的で甘い香りを有し、属性としては解熱性があり、肺、脾臓、胃に効果を発揮する。一実施形態では、サラシナショウマ属(Cimicifuga)は、ショウマ(Cimicifuga foetida)(例えばショウマの根茎(Cimicifuga foetida Rhizoma))、L. var. intermedia Regel (Rhizoma Cimicifugae)、サラシナショウマ(Cimicifuga simplex)、大三葉升麻(Cimicifuga heracleifolia Kom)、フブキショウマ(Cimicifuga dahurica)(Turcz.) Maxim及び北米産サラシナショウマ(Cimicifuga racemosa (L.) Nutt)の種から選択される。
【0026】
ジャノヒゲ(Ophiopogon japonicas、又はophiopogon tuber Japonici)、俗名:Dwarf Lilyturf Tuber(Mondo grass、Fountain plant、monkey grass、Mai Men Dong(中国語名))は、ジャノヒゲ属の多年草であり、中国、ベトナム、インド、日本に分布する。中国伝統医学では、ジャノヒゲの茎(麦門冬の根(Ophiopogon Radix)、中国語名:mai men dong)は陰虚症状による火照りを覚ます薬草である。本「Chinese Herbal Medicine Materia Medica」によると、甘味、わずかな苦み、わずかな冷たさを有する薬草であり、心臓、肺、胃に入り、胃、脾臓、心臓、肺の陰に栄養を与え、熱を冷まし、過敏性を抑える。
【0027】
蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)及び白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)。ホソバオケラ(Atractylodes lancea Thunb.)は、中国中央部で成長する、オケラ属の植物である。蒼朮の根茎は、消化器で主に機能すると考えられる漢方薬である。白朮の根茎(別名黒オケラ(オケラの地下茎)または白朮は、漢方薬である。これは、キク科のホソバオケラ、シナオケラ(Atractylodes chinensis)(DC.) Koidz、又はAtractylodes japonica Koidzを含む、その他の地域的な属の乾燥した地下茎である。中医薬は、典型的には耕される白朮(bai zhu)(オオバナオケラのうちの地下茎)とは異なるとされており、蒼朮は野生から採取される。
【0028】
高麗人参(Ginseng)は、ウコギ科(Araliaceae)のトチバニンジン属(Panax)に含まれる11種のうちの一種であり、多年生植物である。根は乾燥状態で、全体で又はスライスされた状態で販売されている。高麗人参の葉は、高く重宝されないものの、時折使用される。伝統医学の分野では、アメリカ人参(American ginseng)及び東洋人参(Panax gingseng)の根の使用による様々な利点があり、これには媚薬としての使用、興奮剤、2型糖尿病の治療又は男性機能障害の治療に使用される。高麗人参(Panax Ginseng-Red、hong-sam(中国語))は、使用の際には皮をむき、熱湯(摂氏100度)で煮た後、乾燥又は太陽の熱で乾燥する。殆どの場合、薬草で醸造し、根の部分が脆くなる。
【0029】
神麹(Massa Medicata Fermentata)、(Medicata Fermentita Fujianensis Massa又はMassa Fermentata、俗名はmedicated Leaven)は潰された杏仁とヨモギによって作られたものである。混合された杏仁とヨモギとにはカバーがされ、1週間発酵し、細かく切り刻み、太陽で乾燥させる。生の状態または太陽光で乾燥した後に使用できる。
【0030】
青皮(Citrus Reticulata-Viride又はCitri Reticulatae Viride Pericarpium(俗称 緑色のマンダリンオレンジ(green tangerine peel))は、早生マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)の果皮を乾燥させたものである。
【0031】
甘草の根茎(Glycyrrhizae Radix)、(Glycyrrhiizae Radix et Rhizoma)はリコリスの根(中国語名はGan Cao)としても知られており、Glycyrrhiza glabra L.の乾燥根茎及び地下茎並びに様々なウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis) Fischが含まれる。
【0032】
マツブサ属(Schisandra)(チョウセンゴミシ、Schisandra chinensis又はSchisandrae Chinensis)は、中国北部及び極東ロシアの森林原産の落葉つる性低木である。植物は、適度に湿った日陰と水はけの良い土を好む。この果実(五味子(Schisandra Fructus、中国語:Wu Wei Zi))は5種類の基本的な味覚である、塩・甘・酸・辛・苦の全てを備える。果実は中国伝統医学で使用されており、50の基本的な薬草の一つに数えられている。果実は乾燥した状態で主に使用され、沸騰して茶にする。
【0033】
カラトウキ(Angelica Sinensis、中国語:dong quai、俗名:female ginseng)は、中国を原産とする、セリ科(Apiaceae)に含まれる薬草である。カラトウキは、中国、日本及び韓国において、標高の高い山地で成長する。黄褐色の根(例えばカラトウキの根(Angelica Sinensis Radix))は、秋に収穫され、数千年もの間、中国伝統医学において使用されている。
【0034】
黄柏(中国語:Huang bai又はhuang bo)は、中国伝統医学における50の基本的な薬草の一つである。Cortex Phellodendri又はPhellodendron Cortexの学名でも知られているが、これは2種のキハダ(Phellodendron amurense又はPhellodendron chinense)の樹木の樹皮として知られている。樹皮は、5回目の二十四節気(4月4日〜20日)の間に回収される。樹皮は生の状態または塩揚げした状態で使用される。抽出率を改善するために、水及びエタノール抽出、セミバイオニック抽出などの方法が研究されている。
【0035】
沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)(Alismatis rhizome又はAlismatis Rhizoma)は、サジオモダカ属に含まれる、多年性沼沢植物(Alisma orientale (Sam.) Juzepcz)の地下茎である。沢潟は土手、湿った土地及び浅瀬の沼で成長する。
【0036】
カッコンの根(Pueraria Radix)は、マメ科に含まれる、多年性植物の葛(Pueraria Lobata (wild.) Ohwi又はPueraria thomsonii Benth)の根である。
【0037】
ナツメ(Ziziphus jujube)(学名Fructus Zizyphi Jujubae又はJujubae Fructus)は、ナツメ、赤ナツメ、中国デーツ、韓国デーツ、インドデーツとも呼ばれ、クロウメモドキ科(Rhamnaceae)のうちナツメ属に含まれ、主に果実を実らせる木のシェードとして使用される。タイソウとして知られる果実(Ziziphus Fructus)は、中国伝統医学で頻繁に使用される。
【0038】
ショウガ(Zingiber Officinale)(学名Rhizoma zingiberis officinalis又はZingiberis officinale Rosc)は、ショウガ科(Zingiberaceae)に含まれる多年性薬草であるショウガ(Zingiber Officinale)の新鮮な地下茎及び根である。
【0039】
本発明の一実施形態は、非小細胞肺がんを治療するための組成物に関し、組成物は薬草の抽出物又は粉末の混合物と抗がん剤とからなる。この組成物は、ゲンゲ、ショウマの根茎、麦門冬の根、蒼朮の根茎、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根、タイソウ及びショウガの根の各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む。
【0040】
一実施形態において、本発明の方法は抗がん剤を投与する方法である。併用治療は、非小細胞肺がんの治療において特に有用である。
【0041】
本発明の実施によれば、ゲンゲ、ショウマ、ジャノヒゲ属、ホソバオケラ、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根、タイソウ及びショウガの根の各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む薬草混合物は、肺がんの治療(特に非小細胞肺がん)に有効的である。特に、予想に反して、薬草混合物と抗がん剤との混合物は、非小細胞肺がんの治療に特に有効的であることを発見した。
【0042】
一実施形態において、被験者内の非小細胞がんを治療するための提供される組成物は、薬草混合物の抽出物又は粉末と抗がん剤とを含む。薬草混合物は:ゲンゲ、ショウマ、麦門冬の根、蒼朮の根茎、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根、タイソウ及びショウガの各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む。
【0043】
一実施形態においては、非小細胞肺がんの治療に適した組成物は、ゲンゲ、ショウマ、ジャノヒゲ属、蒼朮の根茎、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも10の成分、及び抗がん剤を含む。。
一実施形態においては、組成物は、ゲンゲ、ショウマ、ジャノヒゲ属、蒼朮の根茎、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根の各々の属に含まれる種の少なくとも1つを含む群から選ばれた少なくとも11、12、13、14又は15の成分、及び抗がん剤を含む。
【0044】
一実施例では、抗がん剤の一例は、Lippincott Williams & Wilkins Publishersから発行されている、Cancer Principles and Practice of Oncology by V. T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (Feb. 15, 2001)に掲載されている。このような抗がん剤は、限定的ではないが、以下が含まれる:エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞毒性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、窒素マスタード、ニトロソウレア、血管新生阻害剤、胞増殖および生存シグナル経路の阻害剤、アポトーシス誘発剤、細胞周期チェックポイントを妨害する薬剤、チロシンキナーゼ(RTKs)受容体を妨害する薬剤、インテグリン遮断薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、PPARアゴニスト、多剤耐性阻害薬(MDR)、抗嘔吐薬、貧血症の治療に有用な薬剤、末梢神経障害の治療に有用な薬剤、免疫増強薬、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害薬、新生細胞分化誘導剤、γ−セクレターゼ阻害剤、がんワクチン、並びにこれらの組み合わせ。
【0045】
「エストロゲン受容体調節剤」は、機構に関係なくエストロゲンの受容体への結合を干渉または阻害する化合物である。エストロゲン受容体調節剤の例は、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノエート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾンおよびSH646を含むが、それらに限定されない。
【0046】
一実施形態では、エストロゲン受容体調節剤はタモキシフェン及びラロキシフェンである。
【0047】
「アンドロゲン受容体調節剤」は、機構に関係なく、アンドロゲンと受容体との結合を干渉または阻害する化合物である。アンドロゲン受容体調節剤の例は、フィナステリド及び他の5α−還元酵素阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾール及び酢酸アビラテロンを含む。
【0048】
「レチノイド受容体調節剤」は、機構に関係なく、レチノイドと受容体との結合を干渉または阻害する化合物である。レチノイド受容体調節剤の例は、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、LX23−7553、trans−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチンアミド及びN
4−カルボキシフェニルレチンアミドを含む。
【0049】
「細胞毒性/細胞増殖抑制剤」は、主に細胞の機能を直接干渉すること、または細胞有糸分裂を干渉もしくは阻害することにより、細胞死を引き起こす、または細胞増殖を阻害する化合物であり、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、挿入剤、低酸素活性化合物、微小管阻害剤/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンの阻害剤、有糸分裂の進展に関与するキナーゼの阻害剤、代謝拮抗薬、生物学的反応改質剤、ホルモン性/抗ホルモン治療剤、造血性成長因子、モノクローナル抗体標的治療剤、トポイソメラーゼ阻害剤、プロテアソーム阻害剤およびユビキチンリガーゼ阻害剤を含む。
【0050】
細胞傷害性抗癌剤の例は、チラパザミン、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニマスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、cis−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(trans、trans、trans)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(国際公開第00/50032号を参照)を含むが、これに限定されない。
【0051】
微小管阻害剤の例は、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、無水ビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258及びBMS188797を含む。
【0052】
トポイソメラーゼ阻害剤の代表的な例は、トポテカン、ヒカプタミン、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−カルトロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a、5aB、8aa、9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1’−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン及びジメスナを含む。
【0053】
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231及びINX3001、ならびに代謝拮抗薬、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスフェート、フォステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキシド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシ−シチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N
2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、1’−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,1’−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメテレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン及び3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒドチオセミカルバゾンを含む。「抗増殖剤」は、「血管新生阻害剤」に列挙されるものの他、その成長ファクターにモノクローナル抗体を含み、例えばトラスツズマブ及び腫瘍抑制遺伝子、すなわちp53を含み、一実施形態では、ウイルス媒介性の組換え遺伝子で送達される。
【0054】
「プレニル−タンパク質転移酵素阻害剤」は、ファルネシル−タンパク質転移酵素(FPTase)、ゲラニルゲラニル−タンパク質転移酵素I型(GGPTase−I)およびゲラニルゲラニル−タンパク質転移酵素II型(GGPTase−II、Rab GGPTaseとも呼ばれる)を含む、プレニル−タンパク質転移酵素のいずれか1つ、またはいずれかの組合せを阻害する化合物である。プレニル−タンパク質転移酵素阻害化合物の例は、(±)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)キノリノン、(−)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、(+)−6−[アミノ(4−クロロフェニル)(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4−(3−クロロフェニル)−1−メチル−2(1H)−キノリノン、5(S)−n−ブチル−1−(2,3−ジメチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル−2−ピペラジノン、(S)−1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−5−[2−(エタンスルホニル)メチル)−2−ピペラジノン、5(S)−n−ブチル−1−(2−メチルフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン、1−(3−クロロフェニル)−4−[1−(4−シアノベンジル)−2−メチル−5−イミダゾリルメチル]−2−ピペラジノン、1−(2,2−ジフェニルエチル)−3−[N−(1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルエチル)カルバモイル]ピペリジン、4−{−[4−ヒドロキシメチル−4−(4−クロロピリジン−2−イルメチル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−メチルイミダゾール−1−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{−5−[4−ヒドロキシメチル−4−(3−クロロベンジル)−ピペリジン−1−イルメチル]−2−メチルイミダゾール−1−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)ベンジル]−3H−イミダゾール−4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(5−クロロ−2−オキソ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル]−3H−イミダゾール−4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−{3−[4−(2−オキソ−2H−[1,2’]ビピリジン−5’−イルメチル]−3H−イミダゾール4−イルメチル}ベンゾニトリル、4−[3−(2−オキソ−1−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルメチル)−3H−イミダゾール−4−イルメチル}ベンゾニトリル、18,19−ジヒドロ−19−オキソ−5H,17H−6,10:12,16−ジメテノ−1H−イミダゾ[4,3−c][1,11,4]ジオキサアザシクロ−ノナデシン−9−カルボニトリル、(±)−19,20−ジヒドロ−19−オキソ−5H−18,21−エタノ−12,14−エテノ−6,10−メテノ−22H−ベンゾ[d]イミダゾ[4,3−k][1,6,9,12]オキサトリアザ−シクロオクタデシン−9−カルボニトリル、19,20−ジヒドロ−19−オキソ−5H,17H−18,21−エタノ−6,10:12,16−ジメテノ−22H−イミダゾ[3,4−h][1,8,11,14]オキサ−トリアザシクロエイコシン−9−カルボニトリル、および(±)−19,20−ジヒドロ−3−メチル−19−オキソ−5H−18,21−エタノ−12,14−エテノ−6,10−メテノ−22H−ベンゾ[d]イミダゾ[4,3−k][1,6,9,12]オキサ−トリアザシクロオクタデシン−9−カルボニトリルを含む。
【0055】
「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA還元酵素の阻害剤である。一実施形態において、HMG−CoA還元酵素の阻害活性を有する化合物は、当業界で周知のアッセイを使用して容易に特定できる。用語「HMG−CoA還元酵素阻害剤」及び「HMG−CoA還元酵素の阻害剤」は、本明細書において同様の意味を有する。
【0056】
一実施形態において、使用されるHMG−CoA還元酵素阻害剤の例は、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標))、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標))、プラバスタチン(PRAVACHOL(登録商標))、フルバスタチン(LESCOL(登録商標))、アトルバスタチン(LIPITOR(登録商標)、セリバスタチン(リバスタチン、BAYCHOL(登録商標))を含むが、それらに限定されない。一実施形態にて、本方法に使用できるこれら及び追加のHMG−CoA還元酵素阻害剤の構造式は、M. Yalpani著, “Cholesterol Lowering Drugs”, Chemistry & Industry, pp. 85-89 (1996年2月5日発行)の87頁目、ならびに米国特許第4,782,084号及び第4,885,314号明細書に記載されている。本明細書で使用される用語「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、薬学的に許容され得る全てのラクトン及び開環酸形(例えば、ラクトン環が開いて遊離酸を形成する)並びにHMG−CoA還元酵素抑制活性を有する化合物の塩及びエステル型を含み、このため、このような塩、エステル、開環酸およびラクトン型の使用は本発明の範囲内に含まれる。
【0057】
一実施形態において、開環酸形が存在し得るHMG−CoA還元酵素阻害剤において、塩及びエステル型は開環酸から形成され、このような形は全て、本明細書で使用される「HMG−CoA還元酵素阻害剤」という用語の意味に含まれる。一実施形態において、HMG−CoA還元酵素阻害剤は、ロバスタチン及びシンバスタチンから選択される。他の一実施形態において、HMG−CoA還元酵素阻害剤はシンバスタチンである。
【0058】
本明細書において、HMG−CoA還元酵素阻害剤に関する「薬学的に許容され得る塩」という用語は、遊離酸を適切な有機または無機塩基と反応させることによって一般に製造される、本発明で使用される化合物の非毒性塩、特にナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、亜鉛、テトラメチルアンモニウムなどの陽イオンから形成される塩、並びにアンモニア、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、1−p−クロロベンジル−2−ピロリジン−1’−イル−メチルベンズ−イミダゾール、ジエチルアミン、ピペラジン及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどのアミンから形成される塩を意味する。他の実施形態において、HMG−CoA還元酵素阻害剤の塩の形態の例としては、限定的ではないが、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、エデト酸カルシウム、カンシラート、炭酸塩、塩素酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストラート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソシナート、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシラート、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイドおよび吉草酸塩が挙げられる。
【0059】
他の実施形態において、記載されたHMG−CoA還元酵素阻害剤化合物のエステル誘導体は、プロドラッグとして機能し、すなわち、温血動物の血流に吸収された際に薬物の形で放出し、薬物の治療効力を向上させるように開裂することができる。
【0060】
HIV還元酵素阻害剤の例としては、アンプレナビル、アバカビル、CGP−73547、CGP−61755、DMP−450、インジナビル、ネルフィナビル、チプラナビル、リトナビル、サキナビル、ABT−378、AG1776、BMS−232,632を含む。逆転写酵素阻害剤の例としては、デラビルジン、エファビレンツ、GS−840、HB Y097、ラミブジン、ネビラピン、AZT、3TC、ddC、ddlを含む。これまで、インジナビルまたはサキナビルなどのHIV還元酵素阻害剤は、性能が高い抗血管新生活性を有し、カポジ肉腫の退行を促進することが報告された。
【0061】
「血管新生阻害剤」は、メカニズムに関係なく新生血管の形成を阻害する化合物を意味する。血管新生阻害剤の例としては、限定的ではないが、チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR20)の阻害剤、表皮由来、線維芽細胞由来または血小板由来増殖因子の阻害剤、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)阻害剤、インテグリンブロッカー、インターフェロンα、インターロイキン−12、ポリ硫酸ペントサン、シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、アスピリンおよびイブプロフェンのような非ステロイド抗炎症薬(NSAID)並びにセレコキシブ、バルデコクシブ、ロフェコキシブのような選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、VEGFに対する抗体が挙げられる。
【0062】
血管形成阻害剤の他の例は、限定的ではないが、エンドスタチン、ウクライン、ランピルナーゼ、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクタ−6−イル(クロロアセチル)カルバマート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]−メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクワラミン、コンブレタスタチン、RP14610、NX31838、硫酸化マンノペントースリン酸塩、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニル−イミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタリンジスルホン酸塩)、及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)を含む。
【0063】
「細胞増殖及び生存シグナル経路の阻害剤」は、細胞表面受容体及びこれら表面受容体の下流においてシグナル伝達カスケードを阻害する医薬品を指す。そのような製剤は、EGFRの阻害剤(例えばゲフィチニブ及びエルロチニブ)、ERB−2の阻害剤(例えばトラスツズマブ)、IGFRの阻害剤、CD20の阻害剤(リツキシマブ)、サイトカイン受容体の阻害剤、METの阻害剤、PDK又はPI3Kの阻害剤(例えばLY294002)、セリン/トレオニンキナーゼ(限定的ではないがAkt阻害剤を含み、これらは国際公開第03/086404号、国際公開第03/086403号、国際公開第03/086394号、国際公開第03/086279号、国際公開第02/083675号、国際公開第02/083139号、国際公開第02/083140号及び国際公開第02/083138に説明されている)、Rafキナーゼの阻害剤(例えばBAY−43−9006)、MEKの阻害剤(例えばCI−1040およびPD−098059)及びmTORの阻害剤(例えばWyeth CCI−779及びAriad AP23573)を含む。そのような製剤は、小分子阻害化合物および抗体アンタゴニストを含む。
【0064】
「アポトーシス誘発剤」は、限定的ではないが、(TRAIL受容体を含む)TNF受容体ファミリーメンバーの活性化因子を含む。
【0065】
「細胞周期チェックポイントを妨害する製剤」は、細胞周期チェックポイントシグナルを伝達するプロテインキナーゼを阻害し、それ故、癌細胞をDNA損傷剤に対して感作する、化合物を指す。そのような製剤は、ATR、ATMの阻害剤、Chkl及びChk2のキナーゼ及びcdkおよびcdcのキナーゼ阻害剤を含み、7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(Cyclacel)及びBMS−387032によって具体的に例証される。
【0066】
「チロシンキナーゼ受容体(RTKs)を妨害する製剤」とは、RTKsを阻害する化合物、並びに腫瘍形成及び腫瘍発達に関係する機構を指す。このような製剤は、限定的ではないものの、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3及びc−Metの阻害剤等のチロシンキナーゼ阻害剤を含む。更なる製剤として、RTKsの阻害剤を含む。チロシンキナーゼ阻害剤のいくつかの具体例は、限定的ではないものの、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、SU11248、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン、およびEMD121974が挙げられる。
【0067】
上に使用されるように、「インテグリン遮断薬」は、α
vβ
3インテグリンに対する生理的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害、または対抗する化合物、α
vβ
5インテグリンに対する生理的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害、または対抗する化合物、α
vβ
3インテグリン及びα
vβ
5インテグリン両方に対する生理的リガンドの結合を選択的に拮抗、阻害、または対抗する化合物、毛細管内皮細胞上で発現した特定のインテグリンの活性を拮抗、阻害、または対抗する化合物を指す。この用語は、α
vβ
6のアンタゴニスト;α
vβ
8、α
2β
1、α
5β
1、α
6β
1及びα
6β
4のインテグリンを指す。この用語はまた、α
vβ
3、α
vβ
5、α
vβ
6、α
vβ
8、α
1β
1、α
2β
1、α
5β
1、α
6β
1およびα
6β
4のインテグリンの任意の組み合わせのアンタゴニストを指す。
【0068】
「チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)」は、チロシンキナーゼを阻害する医薬品を指す。これらは、「チロシンリン酸化阻害剤」の略称であるチルホスチンとも呼ばれ、これは、上皮成長因子受容体(EGFR)の触媒活性を阻害する化合物の因子である。従って、チロシンキナーゼ阻害剤は、全てのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤又はEGFR阻害剤をいう。一実施形態では、チロシンキナーゼの活動を阻害する化合物は、このアッセイを使用することにより特定できる。
【0069】
一実施形態において、使用されるチロシンキナーゼ阻害剤の例は、限定的では無いものの、アファチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、AZD3759、ゲフィチニブ、カネルチニブ、ラパチニブ、セツキシマブ、マツブマブ、ザルツムマブ及びパニツムマブ又はこれらの薬学的に許容可能な塩を含む。一実施形態において、チロシンキナーゼ阻害剤はアファチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、AZD3759又はゲフィチニブを含む。
【0070】
本発明の組成物及び方法において適した抗がん剤の群の例としては、非限定的であるものの、1)アルカロイド、例えば微小管阻害薬(すなわち、ビンクリスチン、ビンブラスチン及びビンデシン等)、微小管安定剤(例えば、パクリタキセル(タキソール)及びドセタキセル、タキソテール等)及びトポイソメラーゼ阻害剤を含むクロマチン機能阻害剤、例えばエピポドフィロトキシン(すなわち、エトポシド[VP−16]及びテニポシド[VM−26]等)、並びにトポイソメラーゼIをターゲットする薬剤(すなわち、カンプトテシン及びイリノテカン[CPT−11]等)等、2)DNA共有結合剤(アルキル化剤)、例えば窒素マスタード(すなわち、メクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド及びブスルファン[Myleran]等)、ニトロソウレア(すなわち、カルムスチン、ロムスチン、及びセムスチン等)及びその他アルキル化剤(すなわち、ダカルバジン、ヒドロキシメチルメラミン、チオテパ及びマイトシン等)、3)DNA非共有結合剤(抗腫瘍抗生物質)例えば核酸阻害剤(すなわち、ダクチノマイシン[アクチノマイシンD]等)、アントラサイクリン(すなわち、ダウノルビシン[ダウノマイシン及びセルビジン]、ドキソルビシン[アドリアマイシン]及びイダルビシン[イダマイシン]等)、アントラセンジオン(例えば、アントラサイクリンアナローグ、すなわち、[ミトキサントロン]等)、ブレオマイシン(ブレノキサン)等、及びプリカマイシン(ミトラマイシン)等、4)代謝拮抗剤、例えば抗葉酸(すなわち、メトトレキサート、フォーレックス、メキサート等)、プリン代謝拮抗剤(すなわち、6−メルカプトプリン[6−MP、プルネチオール]、6−チオグアニン[6−TG]、アザチオプリン、アシクロビル、ガンシクロビル、クロロデオキシアデノシン、2−クロロデオキシアデノシン[CdA]及び2‘−デオキシコホルマイシン[ペントスタチン]等)、ピリミジンアンタゴニスト(すなわち、フルオロピリミジン[5−フルオロウラシル(Adrucil(登録商標))、5−フルオロデオキシウリジン(FdUrd)(Floxuridine)]等)及びシトシンアラビノシド(例えばCytosar[ara-C]及びフルダビン等)等、5)抗がん性効果を有する酵素、例えばL−アスパラギナーゼ、6)癌の成長を阻害するホルモン、すなわち糖質コルチコイド、例えば抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン等)、非ステロイド性抗アンドロゲン剤(例えばフルタミド等)及びアロマターゼ阻害薬(例えばアナストロゾール[アリミデックス]等))、7)白金化合物(すなわち、シスプラチン及びカルボプラチン等)、8)抗がん剤、毒素及び/又は放射性同位体等と結合したモノクローナル抗体、9)生物学的反応改質剤(例えばインターフェロン[すなわち、インターフェロンα等]及びインターロイキン[すなわち、IL−2等])10)養子免疫療法、11)造血成長因子、12)癌細胞の分化を誘発する製剤(例えば、all-trans-レチノイン酸等)、13)遺伝子療法、14)アンチセンス治療、15)癌ワクチン、16)抗転移治療(例えばバチマスタット等)、17)血管新生の阻害剤。
【0071】
一実施例において、抗がん剤はアルカロイド、アルキル化剤、抗腫瘍性抗がん剤、代謝拮抗剤、抗がん性酵素、癌成長を阻害するホルモン、白金化合物、抗がん剤に結合するモノクローナル抗体、生物学的反応改質剤(例えばインターフェロン[例えば、インターフェロンα等]及びインターロイキン、癌細胞の分化を誘発する薬剤、又は血管新生阻害剤である。
【0072】
一実施形態において、抗がん剤は、エストロゲン受容体調節剤、アンドロゲン受容体調節剤、レチノイド受容体調節剤、細胞毒性/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、窒素マスタード、ニトロソウレア、血管新生阻害剤、細胞増殖および生存シグナル経路の阻害剤、アポトーシス誘発剤、細胞周期チェックポイントと干渉する製剤、チロシンキナーゼ(RTKs)受容体と干渉する製剤、インテグリン遮断薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs、)PPARアゴニスト、多剤耐性阻害薬(MDR)、抗嘔吐薬、貧血症を治療するために有用な製剤、末梢神経障害を治療するために有用な製剤、免疫増強薬、ビスホスホネート、アロマターゼ阻害薬、新生細胞分化誘導剤、γ−セクレターゼ阻害剤並びにがんワクチンの群から選択される。一実施例において、抗がん剤は、ゲムシタビン、イダルビシン/シタラビン、リン酸エトポシド、グリベック、テモゾロミド、ボルテゾミブ、レトロゾール、セツキシマブ、ベバシズマブ、nab−パクリタキセル、ドセタキセル、エルロチニブ、ペメトレキセド、ペメトレキセド/カルボプラチン、パクリタキセル/カルボプラチン、レトロゾール/シクロホスファミド、テムシロリムス、ベバシズマブ/テムシロリムス、イピリムマブ、RAD001、パゾパニブ、FOLFIRI、BKM120、GSK1120212、PF−05212384/イリノテカン、AZD2171、PF−04691502、シクロホスファミド、シスプラチン、シタラビン/ダウノルビシン、テムシロリムス、エルロチニブ/テムシロリムス、カペジタビン、タモキシフェン、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、ドセタキセル/カペジタビン、トラスツズマブ/チピファルニブ、チピファルニブ/ゲムシタビン、トポテカン、またはこれらの組み合わせの群から選択される。一実施例において、抗がん剤はシスプラチンである。
【0073】
一実施形態において、チロシンキナーゼ受容体(RTKs)に干渉する製剤(例えば、EGFR阻害剤)は、アファチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、AZD3759、ゲフィチニブの群から選択される。一実施形態において、EGFR阻害剤はゲフィチニブである。
【0074】
一実施形態において、抗がん剤は細胞毒性抗癌剤である。一実施形態において、細胞毒性抗癌剤はアファチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、AZD3759、ゲフィチニブ、チラパザミン、セルテネフ、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニマスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシホスファミド、cis−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(trans, trans, trans)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシンの群から選択される。一実施形態において、抗がん剤はシスプラチン又はゲフィチニブである。
【0075】
以下、薬草混合組成物による肺がん、特に非小細胞肺がんを治療する潜在力について述べる。本発明の実施に基づいて提供される組成物は、抗がん剤を含む・含まないを問わず、有用な臨床的有用性を持つ。
【0076】
一実施形態において、本発明の組成物は、シスプラチンを有する化学療法の効率を改善する。
一実施形態において、本願明細書に記載される本発明の組成物は、IL−1β発現の生成を増加する。一実施形態において、本発明の組成物はTNF−α発現の生成を増加する。一実施形態において、本発明の組成物は血管新生又はABCG2を阻害する。一実施形態において、本発明の組成物はホスホール−EGFR受容体シグナルを低減し、又は脂肪分解を予防し、又はゲフィチニブ抵抗性を克服する。
【0077】
一実施形態は、薬草混合物の抽出物又は粉末と任意で抗がん剤とを、被験者に投与して非小細胞肺がんを治療する方法を提供する。この薬草混合物は、ゲンゲ、ショウマの根茎、麦門冬の根、蒼朮の根茎、高麗人参、白朮の根茎、神麹、青皮、マンダリンオレンジ、甘草の根、五味子、カラトウキの根、黄柏の樹皮、沢潟の根茎、カッコンの根、タイソウ及びショウガの根の各々の属に含まれる種の少なくとも1つの成分を含む。一実施形態において、非小細胞肺がんは腺がん又は大細胞がんである。一実施形態において、当該方法は非小細胞肺がんの腫瘍成長率を低減する。一実施形態において、当該方法は非小細胞肺がんの腫瘍の大きさまたは容積を減らす。
一実施形態において、任意の抗がん剤は以下の群から選択される:アファチニブ、エルロチニブ、オシメルチニブ(AZD9291)、AZD3759、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、イダルビシン/シタラビン、リン酸エトポシド、グリベック、テモゾロミド、ボルテゾミブ、レトロゾール、セツキシマブ、ベバシズマブ、nab-パクリタキセル、ドセタキセル、エルロチニブ、ペメトレキセド、ペメトレキセド/カルボプラチン、パクリタキセル/カルボプラチン、レトロゾール/シクロホスファミド、テムシロリムス、ベバシズマブ/テムシロリムス、イピリムマブ、RAD001、パゾパニブ、FOLFIRI、BKM120、GSK1120212, PF-05212384/イリノテカン、AZD2171、PF-04691502、シクロホスファミド、シスプラチン、シタラビン/ダウノルビシン、テムシロリムス、エルロチニブ/テムシロリムス、カペジタビン、タモキシフェン, ボルテゾミブ、トラスツズマブ、ドセタキセル/カペジタビン、トラスツズマブ/チピファルニブ、チピファルニブ/ゲムシタビン、トポテカン、またはこれらの組み合わせ。一実施形態において、抗がん剤はシスプラチン又はゲフィチニブである。
【0078】
一実施形態において、薬草混合物の抽出物又は粉末、並びに任意で投与される抗がん剤は、別々に、同時に、又は順次投与される。一実施形態において、薬草混合物の抽出物又は粉末、並びに任意で投与される抗がん剤は、経口投与、非経口投与、静脈内投与又は注射で投与される。
【0079】
<薬学的及び医学的用語の説明>
別途排除されていない限り、本願の明細書並びに請求項全体にわたり、以下の用語は以下に定義する意味を持つ。本明細書及び添付の請求項において使用される、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈で他のことを明確に指示されていない限り、複数の指示対象を含む。別途記載されていない限り、質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技法および薬理学の従来の方法が利用される。本願において、「又は(or)」または「及び(and)」という用語は、別途明確に指示されている場合を除き、および/または、を意味する。さらに、用語「含む(including)」並びに「含む(include)」、「含む(includes)」および「含まれる(included)」など、他の形態の使用は限定的ではない。本明細書で使用される表題は、単に形式的な目的のためのものであり、記載されている対象を限定するものと解釈されてはならない。
【0080】
用語「担体」は、本明細書で使用される場合、細胞または組織内への化合物又は治療薬の組み込みを促進する、比較的非毒性の化合物または治療薬を指す。
【0081】
用語「同時投与」などは、本明細書において、一人の患者に選択した治療薬の投与を包含することを意味し、薬剤が、投与の同じまたは異なる経路によって、あるいは同じまたは異なる時間に投与する、最適治療計画を含むことが意図される。
【0082】
用語「希釈剤」は、送達前に対象化合物を希釈するために使用される化学化合物を指す。希釈剤は、より安定な環境を提供できることから、化合物を安定化するために使用される。周知技術においては、リン酸緩衝生理食塩水を含むが、これに限定されない緩衝溶液(これはまたpHの統御または維持を提供する)中に溶解した塩が、希釈剤として利用される。
【0083】
本明細書で使用される用語「有効量」または「治療上有効量」は、治療している疾患または状態の症状のうちの1つ以上をある程度軽減するために、投与されている薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果は、兆候、疾患、症状の低減および/もしくは軽減、またはその他生体系の任意の改変である。例えば、治療に使用する「有効量」とは、疾患症状を臨床的に著しく減少させるのに必要とされる化合物の量である。任意の個々のケースにおける適切な「効果的」量は、用量増加試験等の技術を使用して決定される。
【0084】
本明細書で使用される用語「向上する」または「向上」は、効能または期間に関して、所望の効果を増加または長引かせることを意味する。よって、治療薬の効果の向上に関して、用語「向上」は、効能または期間に関して、系において他の治療薬剤の効果を増加または延長する能力を指す。「向上に有効な量」は、本明細書で使用される場合、所望のシステムにおける別の治療薬の効果を向上させるために十分な量を指す。
【0085】
本明細書に開示される化合物の「代謝物」は、化合物の代謝時に形成される、化合物の誘導体である。用語「活性代謝物」は、化合物の代謝時に形成される、化合物の生物学的に活性な誘導体をいう。用語「代謝される」は、本明細書で使用される場合において、有機体によって特定の物質が変化する過程(加水分解反応、及び酵素により触媒された反応などを含むが、限定的ではない)の全体を表す。従って、酵素は化合物に対して特異的な構造上の変化を生成し得る。例えば、チトクロームP450は、様々な酸化反応及び還元反応を触媒する一方、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、活性化グルクロン酸分子の芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、及び遊離スルフヒドリル基への転移を触媒する。本明細書に開示される化合物の代謝物は、宿主への化合物の投与及び宿主から採取した組織サンプルの解析により、又は肝細胞を用いた化合物のインビトロでのインキュベーション及び得られた化合物の分析のいずれかにより、任意で特定される。
【0086】
用語「複合」は、1種類以上の活性原料を混合することにより生成する製品を意味し、活性原料が固定されている又は固定されていない原料の両方を含む。用語「固定された複合物」は、例えば薬草混合物(例:本発明の組成物1または開示された内容に類似するもの)等の活性原料と、製剤との組み合わせであり、いずれも患者に単体又は同量で投与する。用語「固定されていない複合物」は、例えば薬草混合物(例:本発明の組成物1または開示された内容に類似するもの)等の活性原料と、製剤との組み合わせが、患者に対して一度に、分離して、同時に又は特定の中断時間を設けず順次投与され、このような投与は患者の体に2種類の化合物を有効に投与する。後者はカクテル治療、例えば3種類以上の活性材料の投与にも適用される。
【0087】
本明細書中で使用される用語「被験者(subject)」又は「患者(patient)」は、哺乳動物を含む。哺乳動物の一例としては、限定的ではないが、哺乳類の員:ヒト、ヒト以外の霊長類、例えばチンパンジー、及びその他のサル種;家畜、例えば牛、馬、羊、山羊、豚;家庭用動物、例えばウサギ、犬、猫;齧歯類を含む実験動物、例えばラット、マウス、及びモルモットなどが挙げられる。一実施態様において、哺乳動物はヒトである。
【0088】
本明細書中で使用される用語「治療(treat)」、「治療する(treating)」又は「治療(treatment)」は、疾患又は状態症状を軽減、緩和又は改善すること、付加的な症状を防止すること、疾患又は状態を阻害すること、例えば疾患又は状態の進行を阻むこと、疾患又は状態を緩和すること、疾患又は状態の退行を生じさせること、その疾患又は状態に起因する状態を緩和すること、又は疾患又は状態の症状を停止させること、さらにこれらの予防を含むものとする。
【0089】
<投与経路及び投与量>
適した投与経路は、限定的ではないが、経口、静脈内、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経粘膜、経皮、膣、耳、鼻、および局所へ投与が含まれる。さらに一例として、非経口送達には、筋肉内、皮下、静脈内、髄内への注射、並びに髄腔内、直接的な脳室内、腹腔内、リンパ管内、および鼻腔内注射が含まれる。
【0090】
一実施形態では、抗がん剤は全身的よりも局所的に投与され、例えば、デポー調製物または徐放製剤に含めた化合物を器官に直接注射することによって投与する。特定の実施形態では、長時間作用性製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)または筋肉内注射によって投与する。さらに、他の実施形態では、薬剤は標的化された薬物送達系、例えば、器官特異的抗体をコーティングしたリポソームとして送達する。かかる実施形態では、リポソームは、器官を標的とし、器官によって選択的に取り込まれる。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を、急速放出としての形態、長期放出としての形態、または中期放出としての形態で投与する。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載の化合物を局所投与する。
【0091】
一実施形態においては、抗がん剤は非経口または静脈内に投与する。一実施形態においては、抗がん剤は注射によって投与する。他の一実施形態においては、抗がん剤は経口投与する。
【0092】
患者の状態が改善しない場合、医師の判断によって、化合物を慢性的に投与し、すなわち、患者の一生涯を含めた長期投与し、患者の病状又は状態を改善し、制限する。患者の状態が改善した場合、医師の判断に基づき、化合物を持続的に投与し、または一時的に一定期間中止(ドラッグホリデー)をすることもできる。
【0093】
上記の幅は単なる提案であり、それぞれの治療レジメンに従って、変化値が大きいことから、上記の推奨する数値から著しく逸脱することは一般的ではない。このような投与量は、変数の値に応じて変更可能であり、使用した化合物の活動、治療する疾患または状態、投与モード、各患者の要求、治療する病気または症状の重度、治療者の判断に限定されない。
【0094】
そのような治療用製剤の毒性および治療有効性は、細胞培養または実験動物における標準の薬学的手順、一例としてはLD
50(集団の50%に対して致死的な用量)及びED
50(集団の50%に対して治療的に有効な用量)の決定によって、決定することができる。毒性と治療効果との用量比は治療指数であり、LD
50及びED
50比として表すことができる。高い治療指数を示す治療用組成物が好ましい。細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータは、ヒトへの使用時の投与量の範囲の策定に使用することができる。そのような化合物の投与量は、毒性はほとんどまたは全く伴わずに、ED
50を含む循環濃度の範囲内に入ることが好ましい。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性および投与経路によって、範囲内で変わってもよい。
【0095】
<併用療法に関する一般的な留意事項>
一般的に、本明細書で説明されている組成物、並びに本明細書で開示されている実施様式に基づき併用療法を行う実施例において、他の製剤は同じ医薬組成物として投与する必要は無く、一実施形態では、それらの物理的特性及び化学的特性が異なることから、異なる経路で投与される。一実施形態において、当初の投与は確立されたプロトコールで投与され、その後、確認された効果に基づき、治療を行う者が投与量、投与形式、投与回数を変形させる。
【0096】
一実施形態において、薬剤を併用して治療する場合には、治療的に有効な投与量が変動する。併用療法は、治療の開始と中止とを複数回繰り返し行う定期的治療が含まれており、これによって患者の臨床管理を補助する。本明細書に記載されている併用療法は、同時投与される化合物の投与量は、同時投与される薬剤の種類、特定の薬剤、疾患、疾病または治療が必要な状態などによって異なる。
【0097】
一実施形態においては、緩和が必要となる状態を治療、回避または改善するための投与計画は、様々な要因によって変動する。要因とは、患者の疾患、並びに患者の年齢、体重、性別、状態、食事制限、全身健康が含まれる。他の一実施形態では、実際に行われる投与計画は幅広く異なり、本明細書で設定されている投与計画を逸脱してもよい。
<複数の実施例>
【実施例1】
【0098】
薬草及び薬草混合抽出物の精製方法
本調査で使用される組成物1の煎じ薬は、以下の原料の水抽出物を凍結乾燥粉末にすることによって用意した:オウギの根(Huang Qi)12.50%、ショウマ(Cimicifuga foetida Rhizoma)12.50%、麦門冬の根(Ophiopogon Radix)8.33%、蒼朮の根茎(Atractylodes Lancea Rhizoma)8.33%、高麗人参6.25%、白朮の根茎(Atractylodes Rhizoma-White)6.25%、神麹(Massa Medicata Fermentata)4.17%、青皮(Citrus Reticulata-Viride)4.17%、マンダリンオレンジ(Citrus Reticulata)4.17%、甘草の根(Glycyrrhizae Radix)4.17%、五味子(Schisandra Fructus)4.17%、カラトウキの根(Angelica Sinensis Radix)4.17%、黄柏の樹皮(Phellodendron Cortex)4.17%、沢潟の根茎(Alisma Rhizoma)4.17%、カッコンの根(Pueraria Radix)4.16%、タイソウ(Ziziphus Fructus-Red)4.16%、ショウガの根(Zingiber Officinale Radix)4.16%。組成物1は、中医薬においては暑邪を払い、気を増強し、陰に栄養を与え、水分を発生させる。
【0099】
タイツリオウギ及び清暑益気湯の煎じ薬は、水(それぞれ、AM−煎じ薬−H
2O及び組成物1と呼ばれる)又はジメチルスホキシド(それぞれ、AM−煎じ薬−DMSO及び組成物4と呼ばれる)で溶解された。上記抽出物を渦で1分間混合し、5分間休ませ(これを3サイクル行う)、直後に10分間の遠心分離を行い(4000rpmを2サイクル)、0.45μmフィルター(Milipore)で濾すことによって、上澄みを抽出した。一実施形態において、清暑益気湯の粉末及び清暑益気湯の煎じ薬は、エタノール(それぞれ、組成物3、組成物5という)又は水(組成物2という)で抽出した。液体状及びエタノール抽出において、グラム毎の原料を10mLの水又は95%エタノールで1時間溶解し、ロータリーエバポレーターで溶媒を除去した。全ての組成物を一定分量に分散し、試験用の溶液として使用するために、摂氏マイナス20度で保管した。
【0100】
肺がんに対する免疫を向上するのみのオウギ(Astragalus)と比較し、以下の組成物を用意した。
【表1】
【実施例2】
【0101】
<細胞株及び細胞培養の用意>
全ての肺がん細胞株を、ウシ胎児血清(FBS, Invitrogen)(10%)及びL−グルタミン(Invtrogen)(2mM)、ペニシリン/ストレプトマイシン/アムホテリシンB溶液(1%)、NEAA(非必須アミノ酸)(1%)を含むRPMI培地において、摂氏37度、CO
2濃度5%の状態で維持した。
【実施例3】
【0102】
<組成物2、組成物3及びAM−煎じ薬−DMSOとのがん細胞死滅率の比較>
<細胞生存アッセイ>
本実験において、様々ながん細胞株、例えば肺腺癌細胞(A549、CL141、CL97(EGFR−G719A−T790M変異を持つ)、H441、H23、HCC827、PC−9、H1650、H1975)、肺上皮がん細胞(CL152、H226、H1299)及び非小細胞性肺癌(H460)を、25、50、100、200、400μg/mlのAM−煎じ薬−DMSO、組成物2、組成物3を用いて治療した。コロニーは少なくとも50細胞を含むと定義された。コロニーは、メタノールと酢酸との混合物(3:1)で固定し、0.5%クリスタルバイオレットで着色した。組成物3のIC
50値は、全ての細胞株において、組成物2よりも低い。従って、組成物3はコロニー形成を効率的に阻害できる(表2、左側)。さらに、組成物2及び組成物3の細胞毒性を調査するために、様々な細胞を組成物2、組成物3で、24時間、48時間、72時間治療し、その後スルホローダミンB比色分析法(SRB)アッセイ法を行った。データによると、組成物3は、72時間以内に、A549の細胞生存性を約50%低減した(IC
50値は約294±43μg/mlであった)(表2、右側)。組成物2及び組成物3は、異なる肺がん細胞において、コロニー形成能力を低減した。SRBアッセイにおいて、組成物3は低い細胞毒性を有するが、濃度が低い状態においてコロニー形成を抑制する能力が著しく高いことが判明した。インビトロデータは、組成物3は組成物2よりも、肺がん抗がん剤として優れていることを示している。
【0103】
【表2】
【実施例4】
【0104】
<シスプラチン又はゲフィチニブを含有する組成物の併用療法の調査>
肺がん細胞に対し、組成物3にシスプラチン又はゲフィチニブ(チロシンキナーゼ阻害剤)を併用して治療した場合の細胞障害性を調査した。細胞を96ウェルプレートに1日植え付けた。細胞を植え付けてから24時間後、試薬を添加し、48時間又は72時間のインキュベーションを行った。生存細胞の数は、スルホローダミンBアッセイ(SRBアッセイ)を使用して計算した。10%トリクロロ酢酸(TCA)を1時間使用し、細胞を固定した。その後TCAを取り除き、スルホローダミンB(SRB)を1時間使用して着色した。プレートを1%酢酸でリンスした後、20mMのトリス溶液を各ウェルに添加してタンパク質着色を溶解し、マイクロプレートリーダーを使用して、540nmにおいて色彩強度測定を行った。DMSO又は対応する溶媒(vehicle)細胞を対照とみなし、100%と定めた。
【0105】
組成物3にシスプラチン又はゲフィチニブ(チロシンキナーゼ阻害剤)を併用した複合薬を使用した場合の細胞生存率では、シスプラチン又はゲフィチニブのみを使用した場合と比較して、シスプラチン又はゲフィチニブの細胞毒性を向上させた(
図1A〜1C)。統計分析の結果、ゲフィチニブ及び/又は組成物3の濃度が高い場合において、肺がん細胞に対して細胞障害性を示した。また、肺がん細胞に対する複合薬を使用した場合の細胞障害性は、一種類の製剤を使用した場合と比較して著しく向上した。興味深いことに、AMを水(H
2O)で溶解した場合、AM−煎じ薬−H
2Oはシスプラチンとの相乗効果を示した。
【0106】
次に、AM−煎じ薬−H
2O、AM−煎じ薬−DMSO、組成物3、4、5を使用し、対応する細胞株A549、CL141、H441のフローサイトメトリーに対する、サイドポピュレーション法を使用したCSCの分離を行った。AM−煎じ薬−H
2O、AM−煎じ薬−DMSO、組成物4、5による治療を48時間行った後、CL141のサイドポピュレーション細胞(
図3A)をゲートした。癌幹細胞状のサイドポピュレーションは、AM−煎じ薬−H
2O、AM−煎じ薬−DMSO、組成物4、5によって著しく低下した。
図3Bに示される通り、組成物3はCL97、CL141、H441を含む肺がん細胞株のサイドポピュレーションを減らすことができる。
【実施例5】
【0107】
<組成物3を使用した、非小細胞がんのコロニー形成阻害の調査>
6個のウェルプレートに、ウェル毎に800個の細胞を14日間植え付けた。細胞を植え付けてから24時間後、細胞に試薬を添加した。溶媒及び試薬を4日ごとに取り替えた。治療後、細胞をPBSで洗い流し、コロニーを固定液で固定し(メタノール:酢酸=3:1)、メタノールに0.5%クリスタルバイオレットを添加した溶液で着色した。クリスタルバイオレットを注意して取り除いて水道水で洗い流した後、各コロニーを目視で数えた。実験は少なくとも3回繰り返して行い、細胞毒性は中央±SD値で計算した。
【0108】
コロニー形成アッセイは、A549細胞(
図4A)のコロニー形成を阻害する能力を調査するために使用し、これには、5種類(ブランドA〜E)の組成物3(200μg/ml)及び中医薬であるBZ−EtOH(200μg/ml)(
図4B)を使用し、同様の原料を9種類含む組成物1をネガティブ対照(control)として使用した。BZ−EtOHは、組成物1と同様の原料を8種類含んでおり(タイヨウリツギ、ショウマの根茎、高麗人参、白朮、マンダリンオレンジ、甘草の根、カラトウキの根、タイソウ及びショウガの根)、もう一種類は異なる原料(ミシマサイコ)である。
【0109】
追加して、A549細胞を異なる量の組成物3で治療し、組成物3は本調査で使用される特定のブランド(
図4C)と、組成物3(200μg/ml)のうち同じブランドから選択した5種類の群(群A〜群E)、コロニー形成アッセイ(
図4D)である。対照細胞は溶媒(DMSO)で治療し、各コロニーを100%とした。各コロニーは少なくとも50細胞を含む(t test, *: p value<0.05; **: p value<0.01;***: p value<0.001)。
【0110】
データは、組成物1の各ブランド(例えば群)は抗コロニー形成能力を有することを示したが、BZ−EtOHでは当該能力を示さなかった。
【実施例6】
【0111】
<組成物3におけるがん幹細胞の生存調査>
細胞を6cmディッシュに、各ディッシュあたり5x10
5細胞を1日間植え付けた。細胞を植え付けてから24時間後、試薬を添加し、48時間のインキュベーションを行った。トリプシン−EDTA(Invitrogen)によって、ディッシュから細胞の単細胞浮遊液を取り除き、3%ウシ胎児血清及び10mMのHEPESを含むHBSS培地で、各細胞1x10
6細胞/mLで浮かせた。これらの細胞は、20μg/mlのHoechst33342(Sigma Chemical社 セントルイス)で、摂氏37度において90分間のインキュベーションを行い、単独又は50μmol/Lのベラパミル(Sigma社)を含んでもよく、これはベラパミルに反応を示すABC輸送体である。90分のインキュベーションの後、細胞は300g及び摂氏4度において、5分間の遠心分離をすぐに行い、再度氷のように冷たいHBSSで遊離した。細胞は氷を使用して保管し、Hoechst着色の流出を防止し、1μg/mlの核染色液(BD)を添加して死滅細胞を取り除いた。最後に、これらの細胞は40μmのセルストレナー(BD)でフィルターし、単体の遊離細胞を確保した。デュアルレーザーFACS Vantage SE(BD)を使用し、細胞の二重波長分析及び精製を行った。Hoechst33342は、450/20バンドパスフィルタ(BP)による355nmのUV光での青色蛍光、並びに675nmエッジフィルターロングパス(EFLP)の赤色蛍光を照射した。放出された波長を分離するために、610nmのダイクロイックミラー(DMSP)を使用した。分析から、PI−ポシティブ(死滅)細胞を取り除いた。
【0112】
癌幹細胞状の細胞を培養し、親がん細胞の特徴と比較する。CL141及びCL97の腫瘍スフィアは、肺がん幹細胞のマーカーCD133の生成を示し、CD44が生成され、組成物3の効能を評価した(
図5A〜5B参照)。ガン幹細胞状の細胞毒性検査では、組成物3はガン幹細胞状の細胞に対して著しい障害性を示したが、親がん細胞には毒性を示さなかった(
図5C〜5D参照)。
【0113】
図5Aは、親がん細胞CL97及びCL141及びこれらのスフィア細胞の足場非依存性細胞培養を示す。
図5Bは、ウェスタンブロットを使用した場合における、CL97及びCL141の親がん細胞及びスフィア細胞の幹細胞マーカー発現を示す。CL97及びCL141の二次的スフィア細胞は、異なる濃度の組成物3で48時間治療した。
図5C及び5Dは、数えた生存細胞数を示す(対照細胞はDMSOで治療され、100%として使用した)。(t-test, *: p value<0.05; **: p value<0.01;***: p value<0.001)。組成物3はガン幹状の細胞の生存可能性を著しるしく低減したが、肺がん細胞は低減されなかった。
【実施例7】
【0114】
<組成物3の使用による幹細胞マーカー及びWntターゲット発現の調査>
EZH2(enhancer of zeste homologue 2)は細胞サイクル、DNA修復、細胞分化を規制するために重要な遺伝子である。EZH2は、複数の種類のガン幹細胞と関連すると報告されている。組成物3による幹細胞マーカー及びWntターゲット発現の調査を行った。
【0115】
25Tフラスコに、CL97及びCL141スフィア細胞を植え付けた。ディッシュに、親がん細胞CL97及びCL141を植え付けた。治療を行わずに48時間放置した後、成長した細胞にウェスタンブロット分析を行った。サンプルは、10%のトリス−グリシンゲルで分析し、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いて、PVDFメンブレン(Millipore)に電気泳動で転写した。第一抗体はcell signalingから入手し、第二抗体である西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase、HRP)結合は、GeneTex社から入手した。タンパク質の検知は、発光イメージングシステム(富士フィルム、LAS−4000TM)を使用し、増強化学発光法(ECLTM)で行った。
【0116】
図6A〜6Cは、調査結果を示す。組成物3による治療後、
図6Aで示す通り、EZH2はCL97及びCL141スフィア細胞に対してダウンレギュレートされた。
図6Bの結果によると、組成物3は、Oct4及びNanogの過剰発現である安定クローンのA549−ONにおいて、幹細胞マーカーOct4の発現を著しく低減した。
図6Cによると、CL141スフィア細胞において、組成物3は、その投与量に比例し、肺がん幹細胞マーカー(CD133、Oct4、Sox2等)及びWntターゲット(β−カテニン及びp−GSK3β)を減らすことができた。
【実施例8】
【0117】
<組成物2,3におけるABCG2輸送活動阻害の調査>
ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2であるAGCG2(乳癌耐性蛋白、BCRPとしても知られている)、これは多剤耐性阻害薬フェノタイプと関連するプラズマ膜製剤流出ポンプであり、肺がんのCSCを特定するサイドポピュレーションマーカーとして、組成物3及び組成物2の活動を調査した。R482−HEK293細胞(HEK293細胞は野生型ヒトABCG2蛋白に安定してトランスフェクトされている)において、組成物2ではなく、組成物3が輸送活動を適度に阻害することが判明した。Ko143はABCG2のベンチマーク阻害化合物であり、ここではポジティブ対照(control)として使用された(
図7A、7B)。
【0118】
薬剤感受性を持つ親HEK293細胞又はABCG2-トランスフェクトHEK293細胞(R482-HEK293として知られる)における蛍光フェオホルビド(PhA)の蓄積は、組成物3又は組成物3が存在しない状態、組成物3(200μg/ml)が存在する状態(
図7A)又は組成物2(200μg/ml)が存在する状態(
図7B)、又は既知のABCG2を阻害するKo143(3μM)を含む状態で測定し、直後にフローサイトメトリーによる分析を行った。
【実施例9】
【0119】
<THP−1マクロファージにおけるIL−1β発現のELISA測定>
単球であるTHP−1の分化は、ホルボールミリステートアセテート(PMA)によって誘発した。簡単には、細胞は1時間、薬品で事前に治療した。治療後、細胞を培養した。上澄みサンプルにおいて、酵素結合免疫吸着法(ELISA)キットを使用し、全体のヒトIL−1β及びTNF−α水準を特定した(eBioscience 88-7010-88及びeBioscience 88-7346-88)。サンプル(50μL)を96ウェルプレートに添加し、それぞれ特定したサイトカインモノクローナル抗体でプレコーティングを行い、室温で2時間インキュベーションを行った。PBSTで洗い流した後、第2の抗体を添加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。洗い流した後、100μlのアジビン−HRP溶液を添加し、プレートを室温で30分インキュベートした。洗い流した後、100μlの基質溶液を添加し、プレートを室温かつ暗い状態でインキュベートした。リン酸(H
3PO
4)を添加することによって反応が止まり、450nmにおいて吸光度(OD)を測定した。
【0120】
図8A〜8Dで示される通り、組成物4のみによる治療では、ヒトTHP−1マクロファージにおいて、IL−1β発現を増加させることが判明した(
図8A)。LPSによる治療後、組成物4はIL−1βを刺激する(
図8B)。組成物4のみによる治療では、ヒトTHP−1マクロファージにおいて、TNF−α発現を増加させることが判明した(
図8C)。組成物4は、特に高い濃度において、LPSによって刺激されたTNF−α発現を抑制し(
図8D)、組成物4が免疫システム(免疫反応)を刺激することが判明した。組成物4は、特に高い濃度において、LPSによって刺激されたTNF−α発現を抑制し、組成物4が抗炎症効果を持つことを示した。興味深いことに、組成物4又はAM−煎じ薬−DMSOを単独で使用した場合では、ヒトTHP−1マクロファージにおいて、TNF−α発現を増加した。驚くべきことに、組成物4はAM−煎じ薬−DMSOよりも、ポテンシャルが高い。この結果は、AM−煎じ薬−DMSO及び組成物4(又はこれに類似する組成物)が、免疫システム(免疫反応)を刺激することを示唆する(
図8A〜8D)。AM−煎じ薬−DMSO及び発明に係る組成物の一例である組成物4は、特に高い濃度において、LPSによって刺激されたTNF−α発現を抑制し、発明に係る組成物(組成物4等)及びAM−煎じ薬−DMSOが抗炎症効果を持つことを示す。これらのデータは、組成物4及びAM−煎じ薬−DMSOは免疫システムを増強し、免疫モジュレータ又は免疫療法薬剤として機能することを示唆する。
【実施例10】
【0121】
<脂肪分解及び3T3−L1脂肪細胞における組成物2及び3による脂肪細胞の分解>
分解された3T3−L1脂肪細胞を無血清培地で6時間インキュベートし、24時間の治療後、培地のグリセロール濃度を測定した。脂肪細胞の分解及び脂肪細胞の脂肪酸結合蛋白(AP2)発現時における、組成物2、3の使用に伴うトリグリセリド蓄積の変化は、下記の表に示す。
【表3】
【0122】
メモ:
AP2発現>1、又はトリグリセリド含有量>1:これらの製剤は脂肪細胞の分解を向上するポテンシャルを持つ。
【0123】
3T3−L1前駆脂肪細胞を使用し、前駆脂肪細胞の増殖と脂肪細胞の分解に対する製剤標的効果を調査した。細胞シグナル分子活動は、トリグリセリドを遊離脂肪酸(FFA)及びグリセロールに加水分解する。脂肪組織の褐色化は脂肪細胞における分解を促進し、悪液質を引き起こす。さらに、多くの臨床がん患者には、悪液質症候群と言われる、脂肪萎縮症に伴う体重減少が起こる。細胞培養にグリセロールを放出し、脂肪分解のインデックスを測定した。結果によると、組成物2及び組成物3は脂肪細胞の分化を向上し、脂肪細胞の解体を阻害することが判明した。これは、がんに伴う悪液質を改善し、患者の生存率を向上することを示す。
【実施例11】
【0124】
<ヒト臍帯静脈内皮(HUVEC)細胞における組成物3のチューブ形成アッセイ>
がんの微小環境は、免疫細胞、サイトカイン、血管及び腫瘍細胞からなる。がんの微小環境における複雑な相互作用は、腫瘍発生を促進する。
【0125】
チューブ形成アッセイを使用し、ヒト臍帯静脈内皮細胞における組成物3(400及び600μg/ml)の阻害効果を調査した。ポジティブ対照として、ソラフェニブによる治療を使用した。
代表的なイメージは
図9A〜9Cに示す。
図9Aは、対照群と比較し、組成物3は投与量に比例した血管新生を引き起こした旨を示す。各ウェルにおける五角形または六角形のリングループ数を算出し、溶媒対照(DMSO)を100%として使用した場合において、組成物3(600μg/ml)はチューブ形成を著しく阻害することが判明した(
図9B)。全てのサンプルに対し、アッセイを3回実施した。96ウェルプレートにおいて、各プレートにて4枚のイメージを10倍拡大で撮影した。これらのデータは、各ウェルにおける五角形または六角形のリングループ数を算出し、溶媒対照(DMSO)を100%として使用した場合で数値化した。
【0126】
アレイ解析において、原データは組成物3が免疫規制において重要な役割を示すことを表した。組成物3の免疫変調剤としての役割に加えて、組成物3が血管新生に影響を与えるかを調べた。組成物3の抗血管新生機能を調査するにあたり、まずはヒト臍帯静脈内皮細胞チューブ形成に対する組成物3の効果を調査した。通常の状態では、ヒト臍帯静脈内皮細胞は五角形又は六角形のマトリゲルであり、チューブを形成する。10μMのソラフェニブ(ポジティブ対照として)及び組成物3で治療した後、完全な五角形又は六角形のチューブの数が著しく減少した。
【実施例12】
【0127】
<H441ゼノグラフトマウスモデルにおける、臨床前における組成物1、2、3の抗腫瘍性の評価>
組成物1〜3の抗腫瘍効果を評価するにあたり、H441ゼノグラフトマウスモデルを使用した。
【0128】
ヒト肺がん細胞株NCI−H441(ATCC社より購入、注射あたり100万細胞)をNOD/SCIDマウス(雌、生後4〜6週間)の右脇腹に皮下注射し、1〜2週間かけて腫瘍を成長させた。注射から1週間後、腫瘍移植マウスを対照群(DMSO溶媒(vehicle))及び中医薬治療群(組成物1:200mg/kg、5日/一週間あたり;組成物2:200mg/kg、5日/一週間あたり;組成物3:200mg/kg、5日/一週間あたり 経口投与)にランダムに振り分けた。キャリパを使用して、両方の群で発生した腫瘍を毎週、9週間にわたり測定した。腫瘍の大きさの変化を倍率変化で表し、プロットした(
図10A)。
【0129】
ヒト肺がん細胞株NCI−H441(ATCCより購入、注射あたり100万細胞)をNOD/SCIDマウス(雌、生後4〜6週間)の右脇腹に皮下注射し、1〜2週間かけて腫瘍を成長させた。注射から1週間後、腫瘍移植マウスを対照群(DMSO溶媒(vehicle))及び中医薬治療群(組成物1:3g/kg、5日/一週間あたり、経口投与、シスプラチン:1mg/kg、2回/一週間あたり、静脈投与)にランダムに振り分けた。キャリパを使用して、両方の群で発生した腫瘍を毎週、8週間にわたり測定した。腫瘍の大きさの変化を倍率変化で表し、プロットした(
図10B)。
【0130】
腫瘍発生は、組成物3(200mg/kg、経口)を投与したマウスにおいて、最も著しく抑制した(
図10A参照)。複合薬試験では、組成物1で調整し、腫瘍の大きさを測定し、倍率変化で判定したところ、阻害効果は以下の順となった(最も低い順から高い順へ)対照群、シスプラチン、組成物1+シスプラチン(
図10B、A〜Eは組成物1の異なるブランドを指す)。複合薬(組成物1、2、3+ゲフィチニブ)は、
図10Cで示される通り、CL97ゼノグラフトで調査を行った(ゲフィチニブ抵抗細胞ライン)。
【実施例13】
【0131】
<CL97ゼノグラフト腫瘍の動物実験>
ヒト肺がん細胞株CL97(Dr. Pan-Chyr Yangのラボより購入、注射あたり100万細胞)をNOD/SCIDマウス(雌、生後4〜6週間)の右脇腹に皮下注射し、1〜2週間かけて腫瘍を成長させた。注射から1週間後、腫瘍移植マウスを対照群(DMSO溶媒(vehicle))及び中医薬治療群(組成物1:1g/kg、5日/一週間あたり;組成物2:600mg/kg、5日/一週間あたり;組成物3:150mg/kg、5日/一週間あたり 経口投与 ゲフィチニブ:100mg/kg、2回/一週間あたり、経口投与)にランダムに振り分けた。キャリパを使用して、両方の群で発生した腫瘍を毎週、10週間にわたり測定した。腫瘍の大きさの変化を倍率変化で表し、プロットした。
【0132】
(
図10C) CL97ゼノグラフトモデルを使用し、複合薬(組成物1、2、3+ゲフィチニブ)の効果を検証した。腫瘍成長阻害効果は以下の通りとなった。最も低い順から高い順に並べると、対照、ゲフィチニブ、組成物2、組成物2+ゲフィチニブ、組成物1、組成物3、組成物1+ゲフィニチブ、組成物3+ゲフィニチブ。マウス(NOD/SCIDマウス)は8グループに分けられた(表4):対照、ゲフィチニブ(100mg/kg)、組成物1(1g/kg)、組成物1+ゲフィニチブ、組成物2(600mg/kg)、組成物2+ゲフィチニブ、組成物3(150mg/kg)、組成物3+ゲフィニチブ。
【0133】
表4及び
図11に示される通り、組成物1、組成物1+ゲフィチニブ、組成物2+ゲフィチニブ、組成物3及び組成物3+ゲフィチニブの群は、P−EGFR/EGFRが減少した。定量化の基準:対照よりも高い(1.3倍の変化)は上方制御され、対照よりも低い(0.7倍の変化)は下方制御された(n=5、各マウスは−1、−2、−3、−4、−5と標識化された。
【0134】
【表4】
【実施例14】
【0135】
<進行型NSCLC患者に対する組成物1の臨床試験>
研究者は、第一選択療法としてシスプラチン及びドデタキセル(腺癌の場合はペメトレキセド)ダブレット化学療法を受け、第二選択療法としてエルロチニブによる標的治療を受けた、進行した非小細胞肺がん患者に対し、組成物1が免疫変化をリバースする役割を調査した。研究者は、進行型の非小細胞肺がん患者に対し、組成物1が免疫抑制を調節及びリバースするメカニズムの可能性を調査した。
【0136】
本調査では93名の患者を対象にし、うち患者は62名、対照群は31名とした。我々は、各被験者に対する対照群の割合を0.5とし、アクルーアル間隔を900タイムユニットとし、追加のフォローアップのアクルーアル間隔を730タイムユニットとした。過去のデータによれば、対照群の生存期間中央値は、360タイムユニットであった。被験者及び対照群の実際の生存期間中央値が360及び730タイムユニットである場合、この調査では、帰無仮説を却下し、調査及び被験者生存カーブが800になるように、62名の被験者及び31名の対照群が必要となる。本調査の帰無仮説に関連するタイプI誤差確率は、0.05である。
【0137】
【表5】
【表6】
【0138】
調査のタイプ:interventional
調査のデザイン:allocation: randomized
分類のエンドポイント:安全性/有効性 調査
介入モデル(Intervention model): parallel assignment
マスキング:single blind (治療成績)
主な目的:治療
主要評価項目測定基準:
全体的な生存率[時間枠:3年]
[安全性の問題としての指定:あり]
副次的評価項目:
・無進行インターバル、他の結果判定
・生活の質(Quality of Life)
・安全プロフィール(Safety profile)
選択基準:
1.ステージIIIB又はIVの非小細胞肺がんの病理診断を受けた患者であること。
2.年齢:18歳以上
3.書面によるインフォームド・コンセント
4.ECOG:0−1
除外基準
1.炎症性、伝染性又は免疫性障害を持つ患者、例えば結核、エイズ、肺炎、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、リューマチ。
2.全身性の臓器障害を持つ患者、例えば心不全、慢性腎臓炎、肝炎、肝硬変。
3.非小細胞肺がん以外の悪性腫瘍を持つ患者。
4.抗炎症剤又は免疫抑制治療を受けている患者、例えばステロイド(化学療法を除く経口又は吸入型)、NASID。
5.書面によるインフォームド・コンセントに署名しない患者
【表7】
【表8】
【0139】
上記のプロトコールに基づき、進行型又は転移性の非小細胞肺がん患者が治験に参加し、38名の患者の平均年齢は59.28歳であり、年齢は37〜77歳の範囲であり、組成物1との組み合わせによるプラチナベースダブレット化学療法を受け;21名の患者の平均年齢は59.35歳であり、年齢は43〜74歳の範囲であり、化学療法のみを受けた。そのうち、4名(6.8%)の患者がステージIIIB、55名(93.2%)の患者がステージIVであった。分布では、試験の割当て時では一切の違いを示さなかった。
【0140】
選択した患者のデータ
【表9】
【表10】
【0141】
<臨床試験の結果>
図12A〜12Gは、臨床試験結果を示し、それぞれ、無増悪生存期間(12A)、全体生存期間(12B)、腺癌における全体生存期間(12C)、非腺癌での全体生存期間(12D)、野生型肺腺癌の全体生存期間(12E)、EGF変異を有する肺腺癌の全体生存期間(12F)及び第一選択治療後の全体生存期間を調査した(RECIST−PD生存)(12G)。
【0142】
第一選択治療である化学療法を少なくとも2サイクル行った後においては、発現率に違いは無かった。第一選択治療プラチナベースの化学療法のPFS(無増悪生存期間)中央値は、組成物1の化学療法においては180日であり、対照群は150日であった(95%、CI: 0.6568〜1.776、p=0.0224)(
図12A)。生存期間中央値は、組成物1を使用した場合及び対照群において、それぞれ641日及び284日であった(95%、CI:1.699〜2.816、p=0.006)(
図12B)。肺腺癌に対し、組成物1を使用した場合及び対照群における生存期間中央値は、それぞれ844日及び161日であった(p=0.004)(
図12C)。非肺腺癌に対し、組成物1を使用した場合及び対照群における生存期間中央値は、それぞれ209.5日及び221日であった(p=0.5417)(
図12D)。野生型肺腺癌に対し、組成物1を使用した場合及び対照群における生存期間中央値は、それぞれ198日及び117日であった(p=0.0137)(
図12E)。EGFR変異肺腺癌に対し、組成物を使用した場合1及び対照群における生存期間中央値は、それぞれ971日及び374日であった(p=0.0063)(
図12F)。第一選択治療(固形がんの治療効果判定、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors-Progression Disease)後、組成物1を使用した場合及び対照群における生存期間中央値は、それぞれ370日及び131日であった(p=0.0142)(
図12G)。
【0143】
組成物1などの、本実施形態の組成物の一例は、非小細胞肺がん、特にEGFR変異性肺腺癌に対するシスプラチンベースの化学療法における効率を向上した。化学療法に組成物1を組み合わせた治療と対照群とは、統計上著しい違いを示した。
【実施例15】
【0144】
<フローサイトメトリー分析>
細胞は6cmディッシュに、各ディッシュあたり5x10
5細胞を1日間植え付けた。細胞を植え付けてから24時間後、試薬を添加し、24時間又は48時間のインキュベーションを行った。細胞は100%エタノールを使用し、摂氏4度で固定し、細胞ディッシュは20μg/mLのヨウ化プロピジウム、0.2mg/mLのRNase及び0.1%のTriton X−100を含む溶液を使用し、室温で15分間培養した。細胞は、フローサイトメトリーによる分析が終わるまで、氷上で管理された。
【0145】
フローサイトメトリーで示されるデータによると、骨髄由来免疫抑制細胞のポピュレーション(CD11B
+/CD14
−)は、対照群と比較し、非小細胞肺がん患者で増加した。
図13を参照。
【0146】
ヒト単球M1型及びM2型のサブタイプは、フローサイトメトリーで特定できる。フローサイトメトリーによると、CD14+.iNOS
high細胞はM1型として定義され、CD14+.iNOS
low細胞はM2型として定義される。
【0147】
図14で示す通り、CD11B
+/CD14
−単核細胞の数は、対照群と比較し、治療未経験者の非小細胞肺がんで著しく増加した。さらに、化学療法/標準治療に反応したサブグループ、又は手術を受けており、調査時において腫瘍再発が見られなかった患者のサブグループでは、細胞の数の著しい減少が見られた。注意:図中、Rx naive:治療未経験患者、Control:対照群、Post OP (−):調査結果後に再発の証拠が無く、早期の非小細胞肺がんのステージとしては手術可能な段階:Post OP (+):調査開始当初は手術可能な非小細胞肺がん患者であったが、手術後に再発した患者である(パイロット調査では、このような患者のリクルートをできず、初期分析段階のデータが提供されていない)。SD:病状が安定、PR:部分奏功、CR:全体的反応、PD:RESIST(固形がんの治療効果判定)によると、進行性の病状。
【0148】
図15によると、ヒト単球M1/M2比の範囲は、対照群の範囲が狭いM1/M2比と比べて、治療未経験の非小細胞肺がん患者で増加した。M1/M2比は、化学療法/標的治療に反応し、又は手術を受けており、かつ調査時に腫瘍再発が見られない患者のサブグループにおいて著しく増加した。注意:図中、Rx naive:治療未経験患者、Control:対照群、Post OP (−):調査結果後に再発の証拠が無く、早期の非小細胞肺がんのステージとしては手術可能な段階:Post OP (+):調査開始当初は手術可能な非小細胞肺がん患者であったが、手術後に再発した患者である(パイロット調査では、このような患者のリクルートをできず、初期分析段階のデータが提供されていない)。SD:病状が安定、PR:部分奏功、CR:全体的反応、PD:RESIST(固形がんの治療効果判定)によると、進行性の病状。
【0149】
図16によると、ヒト単球核細胞CD3+/CD8+の数は、対照群と比較して、治療未経験の非小細胞肺がん患者で著しく減少した。さらに、細胞の数は化学療法/標的治療に反応し、又は手術を受けており、かつ調査時に腫瘍再発が見られない患者のサブグループにおいて著しく増加した。注意:図中、Rx naive:治療未経験患者、Control:対照群、Post OP (−):調査結果後に再発の証拠が無く、早期の非小細胞肺がんのステージとしては手術可能な段階:Post OP (+):調査開始当初は手術可能な非小細胞肺がん患者であったが、手術後に再発した患者である(パイロット調査では、このような患者のリクルートをできず、初期分析段階のデータが提供されていない)。SD:病状が安定、PR:部分奏功、CR:全体的反応、PD:RESIST(固形がんの治療効果判定)によると、進行性の病状。
【0150】
本明細書には本発明の実施形態を例示しているが、これらの実施例は一態様として提供されていることは、当業者にとっては明らかである。様々な変形例、変更及び代替は、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者にとって自明の範囲において発生し得る。本発明を実施するにあたり、実施形態に対する様々な変形を適用し得る。本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。