特許第6654776号(P6654776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6654776ステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6654776
(24)【登録日】2020年2月4日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】ステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23G 1/24 20060101AFI20200217BHJP
【FI】
   C23G1/24
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-104150(P2018-104150)
(22)【出願日】2018年5月30日
(65)【公開番号】特開2018-204107(P2018-204107A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年6月4日
(31)【優先権主張番号】PCT/KR2017/005708
(32)【優先日】2017年5月31日
(33)【優先権主張国】WO
(31)【優先権主張番号】PCT/KR2017/012787
(32)【優先日】2017年11月13日
(33)【優先権主張国】WO
(73)【特許権者】
【識別番号】518191119
【氏名又は名称】チョンウ テック カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソン−シク
(72)【発明者】
【氏名】キム,サン−ジン
【審査官】 祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−143530(JP,A)
【文献】 特公昭43−009802(JP,B1)
【文献】 中国特許出願公開第103103549(CN,A)
【文献】 特開2012−067421(JP,A)
【文献】 特表昭62−501981(JP,A)
【文献】 特開平02−104683(JP,A)
【文献】 米国特許第04521332(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第108315748(CN,A)
【文献】 特開昭55−065368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23G 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水にリン酸水素二ナトリウム2〜10重量部とグルコン酸ナトリウム1〜5重量部と、トリポリリン酸ナトリウム0.5〜3重量部を含むようにして塩基性水溶液を得て、
前記の塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム1.1〜4.5重量部を反応させてpH6.9〜7.1で中性化した後、
二酸化炭素が除去された空気を曝気して溶存酸素量を増加させて酸化還元電位を170mV〜310mVにしてステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤の製造方法
【請求項2】
前記二酸化炭素の除去された曝気は、中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で2〜10時間を曝気するようにする請求項1に記載のステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般鋼鉄(Steel)に比べて大気中で酸素雰囲気、湿り気、水溶液のような環境的な条件下で錆、腐食が易しく発生しないステンレススチールに関するものであり、より詳細には、ステンレススチールで作られた配管、構造物、プラントなどの設置による溶接部位及び錆が発生する部分を酸洗い(picking)と不動態被膜を形成する組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在造船所と海洋プラントに一番多く使われるステンレススチールはSTS 304とSTS 316Lであり、このようなものなどは外部露出による傷、溶接によって酸化された表面層が汚染されるか、または変形されて錆、腐食が発生する。
【0003】
正常なステンレススチールはFeが基礎成分であり、CrとNiを主成分にして少量のMo、Ti、Mn、Zr、Nb、Nなどで組成されている。
【0004】
現在ステンレススチールは、冷間圧延、溶接、熱処理、酸洗いと不動態被膜処理方法などによって板材、コイル、鋼管、その他の製品で出荷される。
【0005】
また、酸化された表面は、主にFeO、Fe、Fe、NiiO、Ni、Ni、CrO及びCrなどで表面に形成される。
【0006】
このように酸化された表面にCrとNIが多くの場合には耐酸性、耐腐食性、耐酸化性が強くなって易しく錆が発生しなくなる。
【0007】
また、酸化鉄の場合もFeO>Fe>FeOで耐酸性、耐腐食性、耐酸化性が強い。
【0008】
また、既存の酸洗いおよび不動態化処理剤の場合大部分が酸性雰囲気または酸性溶液で作業をして、危害化学物質が含まれていて、一部中性溶液の場合も原料で使われる酸と塩基性化学物質が危害化学物質で分類されることで、このような物質で製造された製品の場合物質情報に危害化学物質を表記しなければならない。
【0009】
現在危害化学物質を使用する場合化学物質管理法と産業安全保健法によって化学安全保護装具を着して作業をしなければならないし、防護施設も取り揃えなければならない。
【0010】
特に、造船とプラント産業では酸洗いおよび不動態化作業時に区域を統制して他の作業と併行作業をしない。
【0011】
また、船舶建造と海洋プラントを建設する時にステンレススチール配管と構造物らは船舶や現場で設置し、設置された配管と構造物は汚染されるか、または溶接によって腐食が発生することで酸洗いおよび不動態被膜処理をしなければならない。
【0012】
一般に、酸洗いおよび不動態化剤で硝酸、硫酸、塩酸とフッ酸が混合された強い酸性溶液を使って処理し、この時酸性溶液剤は底表面に垂れ下がるか、または洗浄作業時に洗浄液が底に垂れ下がれば、一般に塗装されたエポキシ樹脂と反応して変色されるか、または変形が発生して再び塗装をする場合がたびたび発生する。
【0013】
また、強い酸性剤であるので、塩基性剤で中和処理をした後清い水で最終水洗い処理をしなければならないし、危害化学物質を使用することで作業場を統制しなければならないし、他の作業と併行ができなくて、化学物質安全保護装備と防護物質も取り揃えなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、酸洗いおよび不動態化剤でpH6.9〜7.1である中性剤を使用することで、工程上塩基性剤で中和処理する必要がないし、すぐ水洗い処理ができて工程が短縮されるようにするためのものである。
【0015】
また、中性剤であるため樹脂と反応しなくて、塗装部分が変色と変形される現象が発生しなくて使用が便利にさせるためのものである。
【0016】
また、製品規格は原料で使われる物質情報に危害化学物質が含まれておらず、化学物質管理法、危険物安全管理法、産業安全保健法に規制を受けることなく便利に作業するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
このために本発明は、ステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤であって、リン酸水素二ナトリウム2〜10重量部、グルコン酸ナトリウム1〜5重量部、トリポリリン酸ナトリウム0.5〜3重量部などの塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム1.1〜4.5重量部を反応させてpH6.9〜7.1に中性化し、二酸化炭素が除去された空気を曝気して溶存酸素量を増加させて酸化還元電位を170〜310mVにする中性剤である。
【発明の効果】
【0018】
したがって本発明は、ステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆を除去するための酸洗いおよび不動態化処理時に中性剤の組成物で使用することで危害和合物質の使用に他の問題点を解消することはもちろん、他の作業と併行して作業をすることができ、また、中性剤であるためエポキシ樹脂で塗装されて底に落ちても変色と変形が発生しない長所があるものである。
【0019】
そして、既存の工程では酸液塗布、水洗い、塩基性液塗布、水洗いなどで多くの段階で作業をしなければならない不便さを中性剤塗布後水洗いだけであり工程が簡単で作業時間も短縮されることができる長所があるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は既存のステンレススチール表面に不動態化工程図と本発明の工程図である。
図2図2は腐食が発生したステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図3図3は実施例1によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図4図4は実施例1によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
図5図5は比較例1によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図6図6は比較例1によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
図7図7は比較例2によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図8図8は比較例2によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
図9図9は実施例2によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図10図10は実施例2によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
図11図11は実施例3によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図12図12は実施例3によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
図13図13は実施例4によって処理されたステンレススチール表面の成分分析曲線図である。
図14図14は実施例4によって処理されたステンレススチール表面のJIS H8502規格の塩水噴霧試験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態は、水にリン酸水素二ナトリウム2〜10重量部とグルコン酸ナトリウム1〜5重量部と、トリポリリン酸ナトリウム0.5〜3重量部を含むようにして塩基性水溶液を得て、前記塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム1.1〜4.5重量部を反応させてph6.9〜7.1に中性化した後、二酸化炭素が除去された空気を曝気して溶存酸素量を増加させ、酸化還元電位を170mV〜310mVにしてステンレススチール配管と構造物の溶接部位のスケールおよび錆をとり除くための酸洗いおよび不動態被膜処理剤である。
【0022】
本発明は、中性剤であり、既存の酸性剤に比べて作業工程が簡単で危害化学物質を使わない親環境的なものであることを特徴とする。
【0023】
特に、中性剤を腐食が発生した部位に塗布すれば、リン酸塩、グルコン酸塩などが腐食で発生した酸化鉄、水酸化鉄などが反応して表面に錆が除去されてクロム、ニッケル、鉄などが溶存酸素と反応して表面に酸化物層が形成されて不動態被膜を形成する。
【実施例1】
【0024】
リン酸二ナトリウム(Disodium Hydrogen Phosphate、NaHPO)10重量部、グルコン酸ナトリウム(Sodium Gluconate、C11NaO)3重量部、トリポリリン酸ナトリウム(Sodium Tripolyphosphate、Na10)1重量部、水81.9重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム(Monobasic sodium phosphate、NaHPO)4.1重量部を反応させて中性剤を製造する。
【0025】
前記のように製造された中性剤は、pH7.1でありORP(Oxidation Reduction Potential meter)測定機を使って酸化還元電位を測定した結果−210mVであり、前記のように製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0026】
このような物性は表1で確認される。
【0027】
前記のように製造された中性剤の酸洗いおよび不動態被膜の程度を調べるための試片で船舶配管(STS304、オーステナイト系ステンレススチール)に溶接によって腐食が発生した部分の一部分を採取してSAM(Scanning Auger Microscope、走査型オージェ電子顕微鏡)分析をした結果が図2に現われている。
【0028】
前記図2で確認することができるように表面にはC(60%)、Fe(10%)、Ca(4%)、酸素(26%)だけが存在して表面で28nm、内側でCr、Niが現われる。
【0029】
すなわち、28nmの腐食層が形成された配管である。
【0030】
前記配管に前記のように製造された中性剤を塗布して表面に異物(水酸化物、酸化物、油など)が反応して水洗い後配管表面がきれいな状態を反応終了時間で見て測定した結果、略140分が所要される。
【0031】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM(走査型オージェ電子顕微鏡)分析をした結果が図3である。
【0032】
前記図3で確認することができるように表面でCの含有量が53%、Crの含有量が6%、Niの含有量が3%、Feの含有量が7%、Caの含有量は6.5%、酸素の含有量が24.5%である。
【0033】
すなわち、Cの含有量が少ないほど酸洗いによる蝕刻が良いことを見られるか、Cの含有量が53%であることを見て酸洗いによる蝕刻が少なくて、酸化層が略80nmの厚さで存在することを確認することができる。
【0034】
また、金属の総含有量が22.5%で酸素の含有量24.5%と比べると略1:1の割合で存在することで表面の酸化物はFeO、CrO、NiOで存在する不動態被膜が形成される。
【0035】
【表1】
【0036】
前記試片(ステンレススチール)の不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図4で確認することができるように80時間後錆が発生されたことを確認することができるし、不動態被膜が不良水準である。
【0037】
(比較例1)
リン酸20重量部、クエン酸5重量部、グルコン酸ナトリウム5重量部、水70重量部を混合して製造した酸性剤を製造して物性を確認した結果pH1.2であり酸化還元電位は120mVであり、この酸性剤をエポキシで塗装された部位に塗布した結果、1時間後に変色が発生し、1週後には変形が発生される。
【0038】
したがって、現場で酸性剤を使って配管の酸洗いおよび不動態被膜作業をする時、底に垂れ下がることを防止するさまざまな措置を取らなければならない不便さがあって、作業衣効率が相当に落ちる。このような物性を表1に示した。
【0039】
比較例1によって製造された酸性剤を使って腐食が発生した配管に酸性剤を塗布して50分後に水で洗浄して、水酸化ナトリウム2重量部、水98重量部の塩基性剤を使って配管に再び塗布した後30分後に水で洗浄した配管の一部を採取してSAMを分析した結果が図5である。
【0040】
図5で確認することができるように表面でCの含有量が45%、Crの含有量が5.5%、Niの含有量が3%、Feの含有量が10%、酸素(O)の含有量が29.5%、Caの含有量が7%である。
【0041】
Cの含有量45%で腐食された試片(60%)に比べて蝕刻がたくさんなされたことを確認することができるし、金属の総含有量が25.5%で酸素の含有量29.5%と比べると酸素/金属の割合は1.14で存在することで、表面の酸化物は少量のCr、NiとFe存在して大部分はFeO、CrO、NiOで存在する不動態被膜が形成される。
【0042】
酸化層が存在する不動態被膜の厚さは略8〜18nmである。
【0043】
試片をステンレススチールの不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図6で確認することができるように200時間後に少量の錆が発生されたことを確認することができるし、不動態被膜が普通水準である。
【0044】
(比較例2)
酒石酸5重量部、チオ乳酸5重量部、クエン酸10重量部、水60重量部である酸性溶液に水酸化カリウム20重量部を反応させて中性剤を製造する。
【0045】
前記のように本実施例によって製造された中性剤の物性を確認した結果pH7.3であり酸化還元電位は−190mVであり、塗装部位に塗布した結果1週後にも変形が発生しない。
【0046】
このような物性を表1に示したし、原料に危害化学物質である水酸化カリウムを使ったことが短所である。
【0047】
このような本実施例によって製造された中性剤で腐食が発生した配管に中性剤を塗布して110分後に水で洗浄して、配管の一部を採取してSAM分析をした結果が図7である。
【0048】
図7で確認することができるように表面でCの含有量が60%、Crは存在しないで、Niの含有量が1%、Feの含有量が8%、Caの含有量が7%、酸素(O)の含有量が24%である。
【0049】
すなわち、表面にCの含有量が60%で酸洗いによる蝕刻が発生しないし、不動態被膜の耐腐食性を左右するCrがなくて、Niも少量存在して表面に易しく錆が発生する。
【0050】
試片の不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図8で確認することができるように50時間後に錆が発生されたことを確認することができるし、不動態被膜が不良である。
【実施例2】
【0051】
実施例1と同一な方法で中性剤を製造した後中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略30分を曝気して酸化還元電位が6mVで上昇された中性剤が製造される。
【0052】
空気中の二酸化炭素は0.03〜0.05%存在し、二酸化炭素は酸素より中性剤に溶解性が良くて酸素溶解を干渉する現象が発生することで、空気中に二酸化炭素をとり除いて中性剤に曝気をする。
【0053】
二酸化炭素のとり除く方法は、液状消石灰がいっぱいになった連続式反応器を通過させてとり除く。
【0054】
本実施例によって製造された中性剤に空気を曝気する前に自動吸入式二酸化炭素測定機を使って二酸化炭素がないことを確認した後空気を曝気する。
【0055】
このように本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果変色と変形がない。
【0056】
このような物性を表1に示した。
【0057】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面がきれいな状態を反応終了時間で見て測定した結果略100分が所要されて実施例1より40分ぐらい短縮される。
【0058】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が図9である。
【0059】
図9で確認することができるように表面においてCの含有量が50%、Crの含有量が5.5%、Niの含有量が3%、Feの含有量が10%、Caの含有量が5%、Oの含有量が26.5%である。
【0060】
すなわち、表面にCの含有量が50%で酸洗いによる蝕刻が少なく発生したことを確認することができるし、金属の総含有量が23.5%で酸素の含有量26.5%と比べると酸素/金属の割合は1.13で存在することで表面に酸化物は略20%以上はM形態であるCr、NiとFe存在して大部分はFeO、CrO、NiOで存在する不動態被膜が形成される。
【0061】
試片の不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図10で確認することができるように150時間後に少量の錆が発生されたことを確認することができるし、不動態被膜が普通水準である。
【実施例3】
【0062】
実施例1と同一な方法で中性剤を製造した後、この中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略2時間を曝気すると酸化還元電位が90mVに上昇された中性剤が製造される。
【0063】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果変色と変形がない。
【0064】
このような物性を表1に示した。
【0065】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面がきれいな状態になるには略90分が所要され、実施例1より50分が短縮される。
【0066】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が図11である。
【0067】
図11で確認することができるように表面でCの含有量が34%、Crの含有量が7.5%、Niの含有量が3.5%、Feの含有量が12%、Caの含有量が7%、Oの含有量が36%である。
【0068】
すなわち、表面にCの含有量が34%で酸洗いによる蝕刻がたくさん発生したことを確認することができるし、金属の総含有量が30%で酸素の含有量36%と比べると酸素/金属の割合は、1.2で存在することで表面に酸化物は略40%以上がCr、NiとFe存在して一部分はFeO、CrO、NiOで存在する不動態被膜が形成される。
【0069】
試片の不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図12で確認することができるように300時間後に錆が発生されて、不動態被膜が普通水準である。
【実施例4】
【0070】
実施例1と同一な方法で中性剤を製造した後、この中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略4時間を曝気すると酸化還元電位が170mVに上昇された中性剤が製造される。
【0071】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0072】
このような物性を表1に示した。
【0073】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面がきれいな状態は略70分が所要され、実施例1より70分が短縮される。
【0074】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が図13である。
【0075】
図13で確認することができるように表面でCの含有量が27%、Crの含有量が8%、Niの含有量が4%、Feの含有量が13.5%、Caの含有量が3.5%、Oの含有量が44%である。
【0076】
すなわち、表面にCの含有量が27%で酸洗いによる蝕刻がたくさん発生したことが確認され、金属の総含有量が29%で酸素の含有量44%と比べると酸素/金属の割合は1.5で存在することで、表面に酸化物は大部分がCr、NiとFe存在する不動態被膜が形成される。
【0077】
試片の不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果を図14で確認することができるように300時間後に錆が発生されないし、不動態被膜が良好である。
【実施例5】
【0078】
実施例1と同一な方法で中性剤を製造した後、この中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が278mVに上昇された中性剤が製造される。
【0079】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布し、1週間後に確認した結果変色と変形がない。
【0080】
このような物性を表1に示した。
【0081】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面がきれいな状態は略70分が所要される。
【0082】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後に錆が発生されないし、不動態被膜が良好である。
【実施例6】
【0083】
リン酸水素二ナトリウム1重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水94.3重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム0.7重量部を反応させてpH6.9の中性剤を製造する。
【0084】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると酸化還元電位が293mVに上昇された中性剤が製造される。
【0085】
このような物性を表1に示した。
【0086】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応される程度を確認した結果10時間が経っても異物が除去されない。
【0087】
このような現象はリン酸塩成分が少なくて反応が起きない。
【実施例7】
【0088】
リン酸水素二ナトリウム2重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水92.9重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム1.1重量部を反応させてpH7.0の中性剤を製造する。
【0089】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が283mVに上昇された中性剤が製造される。
【0090】
このような物性を表1に示した。
【0091】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果変色と変形がない。
【0092】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略90分が所要される。
【0093】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
【実施例8】
【0094】
リン酸水素二ナトリウム5重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水88.8重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム2.2重量部を反応させてpH7.0の中性剤を製造する。
【0095】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が280mVに上昇された中性剤が製造される。
【0096】
このような物性を表1に示した。
【0097】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0098】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略70分が所要される。
【0099】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
【実施例9】
【0100】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水85重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム4重量部を反応させてpH7.1の中性剤を製造する。
【0101】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が275mVに上昇された中性剤が製造される。
【0102】
このような物性を表1に示した。
【0103】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応される位を確認した結果、10時間が経ってもオイル成分の異物が除去されない。
【0104】
このような現象はグルコン酸塩成分がなくて反応が起きない。
【実施例10】
【0105】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、グルコン酸ナトリウム1重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水83.9重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム4.1重量部を反応させてpH6.9の中性剤を製造する。
【0106】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると酸化還元電位が270mVに上昇された中性剤が製造される。
【0107】
このような物性を表1に示した。
【0108】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0109】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略70分が所要された。
【0110】
実施例9に比べてグルコン酸塩が1重量部で存在すると、オイル成分の異物が除去される。
【0111】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
【実施例11】
【0112】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、グルコン酸ナトリウム5重量部、トリポリリン酸ナトリウム1重量部、水79.8重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム4.2重量部を反応させてpH7.1の中性剤を製造する。
【0113】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が263mVに上昇された中性剤が製造される。
【0114】
このような物性を表1に示した。
【0115】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果変色と変形がない。
【0116】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略70分が所要される。
【0117】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
【実施例12】
【0118】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、水83.1重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム3.9重量部を反応させてpH6.9の中性剤を製造する。
【0119】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が-45mVに上昇された中性剤が製造される。
【0120】
このような物性を表1に示した。
【0121】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応される程度を確認した結果、10時間が経っても異物が除去されない。
【0122】
このような現象は溶存酸素量を増加させて、浸透反応性を増加させるトリポリリン酸ナトリウム成分がなくて反応が起きない。
【実施例13】
【0123】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、トリポリリン酸ナトリウム0.5重量部、水82.5重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム4重量部を反応させてpH7.0の中性剤を製造する。
【0124】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が220mVに上昇された中性剤が製造される。
【0125】
このような物性を表1に示した。
【0126】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0127】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略80分が所要される。
【0128】
このような現象はトリポリリン酸ナトリウムが0.5重量部で存在すると、実施例12に比べて中性剤の浸透成果反応性が増加し、溶存酸素量が増加して酸化還元電位が増加される。
【0129】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
【実施例14】
【0130】
リン酸水素二ナトリウム10重量部、グルコン酸ナトリウム3重量部、トリポリリン酸ナトリウム3重量部、水79.5重量部である塩基性水溶液にリン酸二水素ナトリウム4.5重量部を反応させてpH7.0の中性剤を製造する。
【0131】
本実施例によって製造された中性剤100gに二酸化炭素が除去された空気を100ml/minの流速で略10時間を曝気すると、酸化還元電位が310mVに上昇された中性剤が製造される。
【0132】
このような物性を表1に示した。
【0133】
本実施例によって製造された中性剤をエポキシで塗装された部位に塗布して1週間後に確認した結果、変色と変形がない。
【0134】
腐食が発生した配管に本実施例によって製造された中性剤を塗布して表面に異物が反応されて水洗い後配管表面のきれいな状態は略60分が所要される。
【0135】
洗浄された配管の一部分を試片で採取してSAM分析をした結果が実施例4と類似な形態と成分を見せて、不動態被膜に対する耐腐食性を調べるためにJIS H8502規格の塩水噴霧テスト結果も実施例4と等しく300時間後にも錆が発生せず、不動態被膜が良好である。
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