特許第6654807号(P6654807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6654807
(24)【登録日】2020年2月4日
(45)【発行日】2020年2月26日
(54)【発明の名称】出入管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20200217BHJP
【FI】
   E05B49/00 J
【請求項の数】3
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-74140(P2015-74140)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-194210(P2016-194210A)
(43)【公開日】2016年11月17日
【審査請求日】2018年3月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】宮本 敦
(72)【発明者】
【氏名】大久保 知征
(72)【発明者】
【氏名】小山内 肇
(72)【発明者】
【氏名】関岡 利泰
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 正邦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尊也
(72)【発明者】
【氏名】松田 巌樹
【審査官】 野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−139644(JP,A)
【文献】 特開2009−033426(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0266573(US,A1)
【文献】 特開2015−007309(JP,A)
【文献】 特開2013−185346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
G07C 9/00 − 9/02
H03J 9/00 − 9/06
H04Q 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの携行するIDキーに記憶されたID情報を含む鍵情報に基づいて建物の共用ゲートの通行を制御する出入管理装置と、鍵配信サーバと、通信ネットワークと、を含む出入管理システムであって、
前記共用ゲートは、前記ユーザーの占有又は専用する場所へのゲートを含むものではなく、
前記鍵配信サーバは、
通信部と、
前記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定するゲストに対する通行権限データに基づいて、前記ゲストの共用ゲートの通行を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する鍵情報作成部と、
前記生成されたID情報を含む鍵情報を前記ゲストの携行する携帯電子機器へ、前記通信部を介して配信する鍵情報配信部と、を備え、
前記出入管理装置は、
前記鍵情報作成部によって生成されたID情報を含む鍵情報に基づいて、前記ゲストの建物の共用ゲートにおける通過を制御する、
ことを特徴とする出入管理システム。
【請求項2】
前記出入管理システムは、さらに、少なくとも前記鍵配信サーバと通信可能に接続された管理サーバを含み、
前記管理サーバは、
記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定する前記ゲストに対する通行権限データを前記鍵配信サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の出入管理システム。
【請求項3】
前記出入管理システムは、さらに、少なくとも前記鍵配信サーバと通信可能な電子機器を含み、
前記電子機器は、
記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定する前記ゲストに対する通行権限データを前記鍵配信サーバに送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の出入管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマンション等の集合住宅における共用エントランス(共用玄関、集合エントランス、施設内の共有スペース)の出入、占有部までの通行、共用施設の利用、及びエレベータの乗降、宅配ボックス等の共用設備の操作、またオフィス、ホテル、病院等の商業施設、公共施設等の大型施設等の各種物件における共用エントランス(出入口、玄関、駐車場等)への出入等を管理する出入管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マンション等の集合住宅、オフィス、ホテル、病院等の商業施設や公共施設等の各種物件における出入口、玄関等の出入を管理する出入管理システムとしては、例えば下記特許文献1に開示されるものが従来より知られている。
【0003】
特許文献1に記載の出入管理システム101は、出入を管理する共用エントランスとしてのドア102と、ドア102に取り付けられた電気錠103と、ドア102を通過しようとする人の個人情報を識別する複数の個人識別装置として作用する複数の磁気カードリーダ104および105と、これら複数の磁気カードリーダ104および105に接続され、電気錠103を制御するカードコントローラ106とを備えて概略構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001ー241226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の出入管理システム101においては、各ゲートの通行可否を示す通行権限情報をID毎に変更するためには、電気錠が配設される現地での変更作業が必要不可欠であった。また、利用者が所持するIDキー内のメモリに通行権限情報を保持する構成では、通行権限情報の変更時にIDキー自体の交換やデータの書き換えが必要であった。
また、特許文献1に記載の出入管理システム101においては、例えばマンション等の集合住宅の入居人(オーナー)や管理者が、ゲストに対して、例えば、共用会議室に至るまでの共用エントランスの通行を許可するための通行権限情報、共用施設の利用を許可するための利用権限情報等を設定することは、想定されていない。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、例えばマンション等の入居人(オーナー)が、自身に許可されている共用エントランス等の通行権限情報の範囲を上限として、ゲストに対して共用エントランス等の通行を許可するための、また共用施設の利用を許可するための通行権限情報等をオンラインにより設定することができる出入管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザーの携行するIDキーに記憶されたID情報を含む鍵情報に基づいて建物の共用ゲートの通行を制御する出入管理装置と、鍵配信サーバと、通信ネットワークと、を含む出入管理システムであって、前記鍵配信サーバは、信部と、前記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定するゲストに対する通行権限データに基づいて、前記ゲストの共用ゲートの通行を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する鍵情報作成部と、前記生成されたID情報を含む鍵情報を前記ゲストの携行する携帯電子機器へ、前記通信部を介して配信する鍵情報配信部と、を備え、前記出入管理装置は、前記鍵情報作成部によって生成されたID情報を含む鍵情報に基づいて、前記ゲストの建物の共用ゲートにおける通過を制御することを特徴とする出入管理システムに関する。
【0008】
前記出入管理システムは、さらに、少なくとも前記鍵配信サーバと通信可能に接続された管理サーバを含み、前記管理サーバは、記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定する前記ゲストに対する通行権限データを前記鍵配信サーバに送信することができる。
【0009】
前記出入管理システムは、さらに、少なくとも前記鍵配信サーバと通信可能な電子機器を含み、前記電子機器は、記ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、前記ユーザーの指定する前記ゲストに対する通行権限データを前記鍵配信サーバに送信することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、例えばマンション等の入居人(オーナー)が、自身に許可されている共用エントランス等の通行権限情報の範囲を上限として、ゲストに対して共用エントランス等の通行を許可するための通行権限情報をオンラインにより設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態に係る出入管理システムの概略構成を示す概要図である。
図2】第1実施形態に係る出入管理装置1の機能ブロック図である。
図3】第1実施形態に係る管理サーバ3の機能ブロック図である。
図4】第1実施形態に係る鍵配信サーバ4の機能ブロック図である。
図5】第1実施形態の変形例1の概略構成を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の出入管理システム100の好ましい実施形態について、図を参照しながら説明する。
まず、以下の説明において用いる用語について、説明する。
各実施形態において、特に断らない限り、出入管理システム100は、マンション等の集合住宅における、共用部(共用玄関、集合エントランス、施設内の共有スペース、共用駐車場、共用倉庫等)の出入及びエレベータ、宅配ロッカー等の共用設備の操作等を管理する。
【0016】
共用部(共用玄関、集合エントランス、施設内の共有スペース、共用ルーム、共用駐車場、共用倉庫等)の出入口、及びエレベータ、宅配ロッカー等の共用設備を「共用ゲート」という。各共用ゲートを識別する情報を「共用ゲートID」という。
【0017】
扉に取り付けられた電気錠を電気的に解錠するための鍵情報等を内部の記憶部に記憶した、携帯型リモコンキー、非接触型カードキー、携帯電子機器等を総称して「IDキー」という。IDキーは、IDキーを識別するための識別情報(以下、「ID情報」という)を記憶する。
IDキーとしては、例えば、RFIDタグ(Radio Frequency Identification Tag)を搭載したノンタッチキー、近距離無線通信NFC(Near Field Communication)(例えば、国際標準規格の「ISO 14443 Type A」と「同 Type B」、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)(登録商標)等)を可能とするICを搭載したIDキー、及びFelica(登録商標)等の非接触ICカードをIDキーとして使用するICカードキー等がある。
【0018】
マンション等の集合住宅の入居人(オーナー)や管理者を、「ユーザー」という。また、ユーザーを識別するための情報を「ユーザーID」という。
ユーザー以外の者であって、特定の共用ゲートの通行又は操作をユーザーによって許可される者を「ゲスト」という。
【0019】
共用ゲートの通行、利用、又は操作に関する権限情報を「通行権限情報」又は「通行権限データ」という。「通行権限情報」又は「通行権限データ」は、例えば、通行、利用、又は操作の許可される共用ゲートの共用ゲートID、共用ゲートがエレベータの場合の乗降先、共用ゲートが宅配ロッカーの場合のロッカー番号、許可される有効期限、有効時間帯等を含むことができる。
【0020】
なお、本発明は、マンション等の集合住宅における、共用ゲートの通行、利用、及び操作等の管理に限定されない。
オフィス、ホテル、病院等の商業施設、公共施設等の大型施設等の各種物件における共用エントランス(出入口、玄関、駐車場等)への出入、及び共用設備の操作等の管理にも適用できる。
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明の出入管理システム100の好ましい一実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0022】
出入管理システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、出入管理システム100は、出入管理装置1と、管理サーバ2と、鍵配信サーバ3と、ユーザーの携行するスマートフォン等の携帯電子機器4と、通信ネットワーク5と、を含む。
【0023】
<出入管理装置1>
出入管理装置1は、共用ゲートの施解錠等を制御する。より具体的には、出入管理装置1は、各共用ゲートに設置される、例えば電気錠操作盤、自動扉制御器、宅配ロッカー制御器、エレベーター制御器(以下、「共用ゲート制御機器」ともいう)に対して、現在の共用ゲートの状態に応じた駆動制御信号を出力することで、ドア(扉)の施解錠、又はエレベータの乗降先の指定、宅配ロッカーの開閉を制御する。
【0024】
出入管理装置1は、ユーザーの携行するIDキーに対して許可される共用ゲートの通行権限情報を、後述するIDキーデータベース111に予め登録して使用する。
【0025】
後述するように、ユーザーの携行する携帯電子機器(例えばスマートフォン等)に、出入管理装置1に登録されているID情報又はID情報を含む鍵情報を記憶することで、共用ゲートを通過(操作)するためのIDキーとして利用することができる。
ここで、ID情報を含む鍵情報とは、当該ID情報に対して許可される通行権限情報(通行権限データ)を指す。
【0026】
図2に示すように、出入管理装置1は、制御部10と、記憶部11と、通信部12と、リーダー13と、周辺装置インタフェース部14と、を含むことができる。また、例えば管理会社の職員が、出入管理装置1の記憶部11の後述するログファイル112に保存された、共用ゲートに設置される共用ゲート制御機器の操作に関するログ情報を回収する場合、ログ情報を出入管理装置1から取得できるように、USBメモリを接続するためのUSB端子を備えることもできる。ここで、ログ情報は、出入管理装置1の各共用ゲート制御機器が操作された際の操作履歴情報(例えば、操作された時間(日時分秒等)、操作したユーザに係る情報(例えば、ID情報、ユーザID、ユーザー部屋番号等)、操作された共用ゲート制御機器に係る情報(例えば、共用ゲートID、操作内容等)を含む。
【0027】
通信部12は、例えばスイッチングハブ、LANケーブル、広域通信網等のネットワークを介して、他の出入管理装置1、管理サーバ2、鍵配信サーバ3等とのデータの送受信等を行うことができる。
【0028】
リーダー13は、共用ゲートに設置され、ユーザーの携行するIDキーの記憶部に記憶されたID情報又はID情報を含む鍵情報を受信して制御部10に渡す。
【0029】
周辺装置インタフェース部14は、出入管理装置1の各共用ゲート制御機器(例えば、電気錠操作盤、自動扉制御器、宅配ロッカー制御器、エレベーター制御器等)との入出力インタフェースを制御する。
【0030】
制御部10は、例えばCPUやROM,RAM等を有するマイクロコンピュータ等から構成され、出入管理装置1を構成する各構成部の制御を行う。CPUは、ROM又は記憶部11から読み出した各プログラムを実行することによって、出入管理装置1を、後述する所定の手段として機能させる。
また、制御部10は各プログラムを実行することによって、出入管理装置1に、所定の手順を実行させる。
制御部10の詳細については、後述する。
【0031】
<記憶部11>
記憶部11は、例えば磁気的、光学的記憶媒体若しくはROM、RAM等の半導体メモリで構成される。記憶部11は、当該出入管理装置1の制御する共用ゲート制御機器の機器情報に関する各種データを機器情報エリア113に記憶している。また、モニタ情報としての共用ゲート制御機器の状態信号(例えば、扉の開閉状態信号や電気錠の施解錠状態信号)等の制御に関する各種データを機器情報エリア113に記憶している。また、前述したログ情報をログファイル112に記憶する。
また、出入管理装置1の制御を行うためのプログラム、さらに、後述するIDキーデータベース111等、種々の情報が記憶される。
【0032】
IDキーデータベース111は、出入管理装置1の制御対象とする、共用ゲートに設置される共用ゲート制御機器の操作を許可するか否かを判定するために、IDキーのID情報等を登録管理する。
IDキーデータベース111には、出入管理装置1の制御対象とする、IDキーのID情報が登録されるとともに、当該ID情報により許可される通行権限情報等が対応付けて登録されている。後述する判定部102は、IDキーデータベース111に基づいて当該IDキーを携行する者に対して共用ゲートの通行又は操作を許可するか否かを判定することができる。
【0033】
<制御部10>
次に、制御部10の有する機能を当該機能を実行する手段(部)の観点から説明する。なお、当該機能の手順(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「手順」に置き換えることで説明できるため、省略する。
制御部10は、設定登録部101と、判定部102と、出入管理制御部103と、ログ作成部104と、を含む。
【0034】
[設定登録部101]
設定登録部101は、IDキーのID情報と、当該ID情報と通行権限情報とを対応付けて、IDキーデータベース111に登録する。
なお、集合住宅用の出入管理装置1においては、当該IDキーを利用するユーザーの部屋番号単位に、ID情報を管理することができる。
また、当該IDキーを所有するユーザーのユーザーIDをID情報に対応付けて登録することができる。また、当該ユーザーの電子メールIDをID情報に対応付けて登録することができる。
【0035】
[判定部102]
判定部102は、共用ゲートに設置されたリーダー15により読み取られたIDキーのID情報を入力インタフェース部13を介して受信し、受信したID情報が、IDキーデーベース111に登録されているか否かを判定する。受信したID情報が登録され、かつ、当該共用ゲートIDが当該ID情報に対応する通行権限情報に登録されているときに限り、当該IDキーを正当なものと判定する。なお、受信したID情報が登録されていないときは、エラーとする。また、当該IDキーが、有効期限、有効時間帯等を有する場合は、現在日時情報が有効期限、有効時間帯の範囲内にあるときに限り、正当なものと判定することができる
【0036】
[出入管理制御部103]
判定部102によりID情報が正当であると判定された場合に、出入管理制御部103は、現在の電気錠や自動扉の状態に応じた駆動制御信号を当該ID情報により許可される共用ゲートIDに対応する、共用ゲート制御機器に出力する。
例えば、出入管理制御部103は、共用エントランスの解錠等を許可するための信号を、当該出入管理装置1の共用ゲート制御機器(例えば、電気錠操作盤、自動扉制御器等)に出力する。
同様に、出入管理制御部103は、宅配ロッカー、エレベーター等の操作を許可するための信号を、当該出入管理装置1の共用ゲート制御機器である宅配ロッカー制御器8、エレベーター制御器等に出力する。
そうすることで、IDキーを携行するユーザーは、共用ゲートにおける電気錠181、自動ドア等を解錠することで、当該共用ゲートを通過することが可能となる。同様に、IDキーを携行するユーザーは、宅配ロッカー、エレベーター等の操作が可能となる。
【0037】
[ログ作成部104]
ログ作成部104は、ログ情報を記憶部11のログファイル112に編集して、記録する。
【0038】
なお、出入管理装置1を複数設けて、出入管理を分散して処理するように構成することができる。その場合、例えば、全ての出入管理装置を一元的に管理するための、例えば管理PC(図示せず)を設けることができる。
この場合、出入管理装置1の制御部10の備える設定登録部101は、管理PCの制御部により管理され、例えば、管理PCの制御部からの命令により、IDキーデータベース111への入出力を行うように構成することができる。
【0039】
<管理サーバ2>
管理サーバ2は、ユーザーがアクセスすることができる管理用ポータルサーバである。
図3に示すように、管理サーバ2は、制御部20と、記憶部21と、通信部22と、を含むことができる。
【0040】
通信部22は、例えばスイッチングハブ、LANケーブル、広域通信網、無線通信網等のネットワークを介して、出入管理装置1、鍵配信サーバ3、携帯電子機器4等とのデータの送受信等を行うことができる。
通信部22は、無線通信部221(図示せず)を含むことができる。特に、携帯電子機器4とは、無線通信部221を介して、データ交換を行うことができる。
【0041】
制御部20は、例えばCPUやROM,RAM等を有するプロセッサにより構成され、管理サーバ2を構成する各構成部の制御を行う。CPUは、ROM又は記憶部21から読み出した各プログラムを実行することによって、管理サーバ2を、後述する所定の手段として機能させる。
また、制御部20は各プログラムを実行することによって、管理サーバ2に、所定の手順を実行させる。
制御部20の詳細については、後述する。
【0042】
記憶部21は、例えば、半導体メモリやハードディスクドライブ等で構成されており、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションと呼ばれるソフトウェアが保存される等、種々の情報が記憶される。記憶部21には、ユーザー情報エリア211が確保されている。
【0043】
記憶部21のユーザー情報エリア211にはユーザー毎にユーザIDが設定され、ユーザーID毎に、住居情報、ユーザー情報(例えば、家族構成等)等を管理するユーザー情報データベース2111が記憶される。
【0044】
<制御部20>
次に、制御部20の有する機能を当該機能を実行する手段(部)の観点から説明する。なお、当該機能の手順(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「手順」に置き換えることで説明できるため、省略する。
制御部20は、接続処理部201と、通行権限情報設定部202と、出入管理装置インタフェース部203と、鍵配信サーバインタフェース部204と、を含む。
【0045】
[接続処理部201]
接続処理部201は、ユーザーの携行する携帯電子機器等からのログイン処理を実行して、ユーザーにより入力されるユーザーID、パスワード等に基づいて、ユーザー情報データベース2111等を参照することで、ユーザーが正当な者であることを認証する。
なお、ログイン処理は、ユーザーの携行する携帯電子機器からのログイン要求に限定されない。例えば、ユーザーの使用する、例えば、携帯電話、タブレット端末、PDA、ノートパソコン、パソコン等の電子機器であってもよい。
接続処理部201は、ユーザーが正当な者であることを認証すると、ユーザーに対して、ユーザーが利用可能なサービスを例えばメニューにより提供するように構成することができる。
【0046】
ここで、ユーザーが利用可能なサービスとして、ユーザーが、自身の任意のゲストに対して、共用ゲートの通過及び操作等を許可するための通行権限データを、管理サーバに対して発行依頼するためのサービスを含む。
より具体的には、ユーザーは、管理サーバに対して当該ユーザーの許可されている共用ゲートの通過及び操作等を上限として、当該ユーザーの指定したゲストに対して通行権限データを発行依頼することができる(以下、「通行権限発行依頼」ともいう)。
【0047】
[通行権限情報設定部202]
以下に説明する通行権限情報設定部202の処理においても、ユーザーの使用する電子機器は、「携帯電子機器4」に限定されない。ユーザーのログイン処理と同様に、例えば、ユーザーの使用する、例えば、携帯電話、タブレット端末、PDA、ノートパソコン、パソコン等の電子機器であってもよい。
【0048】
[通行権限データの選択]
通行権限情報設定部202は、ユーザーからユーザーの指定するゲストへの通行権限発行依頼の入力を受けて、ユーザーの指定するゲストに対して、当該ユーザーの許可されている共用ゲートの通過及び操作等を上限とする、通行権限データを選択する。
より具体的には、通行権限情報設定部202は、例えば次の処理を行うように構成される。
通行権限情報設定部202は、ユーザーからユーザーの指定するゲストへの通行権限発行依頼の入力を受けると、当該ユーザーに許可されている通行権限情報を、後述する出入管理装置インタフェース部203を介して、出入管理装置1に対して、取得依頼を行う。
そうすることで、出入管理装置1は、IDキーデーベース111に登録された当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報を抽出する。
【0049】
通行権限情報設定部202は、出入管理装置1が当該ユーザーID等に基づいて、IDキーデータベースから抽出した当該ユーザーに許可されている通行権限情報を出入管理装置インタフェース部203を介して受信することができる。
【0050】
通行権限情報設定部202は、出入管理装置インタフェース部203を介して受信した当該ユーザーに許可されている通行権限情報を、例えばユーザーの携帯電子機器等に通知する。
そうすることで、ユーザーは、携帯電子機器等により、当該ゲストに対して、当該ユーザーの許可されている通行権限情報を上限とする通行権限データを選択することができる。
【0051】
通行権限情報設定部202は、ユーザーの携行する携帯電子機器等から、ユーザーの指定するゲストID(例えば、ゲストの電子メールID)と、ユーザーにより選択された、当該ユーザーに許可されている通行権限情報を上限とする、当該ゲストに対する通行権限データを受信する。
【0052】
[鍵情報の生成依頼]
通行権限情報設定部202は、鍵配信サーバインタフェース部204を介して、鍵配信サーバ3に対して、配信依頼者である当該ユーザーの識別情報(例えば、ユーザーID、電子メールアドレス等)、ユーザーの指定したゲストの識別情報(例えば、ゲストのユーザーID、電子メールアドレス等)、ユーザーにより選択された通行権限データ等に基づいて、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の生成を依頼する。
そうすることで、後述する鍵配信サーバ3の鍵情報作成部302は、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する。
【0053】
通行権限情報設定部202は、鍵配信サーバ3により生成された、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を鍵配信サーバインタフェース部204を介して受信する。
なお、当該ゲストのID情報としては、配信依頼者であるユーザーの携行するIDキーのID情報に、例えば、枝番号を付与するものとしてもよい。そうすることで、当該ゲストのID情報が配信依頼者であるユーザーの所有するID情報に紐づけることができる。
また、当該鍵情報に配信依頼者であるユーザーの識別情報を含むように構成することで、配信依頼者であるユーザーに紐づけてもよい。
【0054】
[IDキーデータベース111への設定登録依頼]
通行権限情報設定部202は、出入管理装置インタフェース部203を介して、出入管理装置1に対して、鍵配信サーバインタフェース部204を介して受信した、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報に基づいて、IDキーデータベース111への設定登録を依頼する。
そうすることで、出入管理装置1は、鍵配信サーバ3により生成された、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報をIDキーデータベース111に設定登録することができる。
【0055】
[鍵配信サーバへの配信依頼]
その後、通行権限情報設定部202は、鍵配信サーバインタフェース部204を介して、鍵配信サーバ3に対して、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報又はID情報を含む鍵情報の当該ゲストの携行する携帯電子機器への配信依頼を行う。
そうすることで、ID情報又はID情報を含む鍵情報を配信された当該ゲストは、予め当該ゲストの携行する携帯電子機器4を、配信依頼者であるユーザーの通行権限情報を上限とする当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含むIDキーとして利用可能とすることができる。
【0056】
[出入管理装置インタフェース部203]
出入管理装置インタフェース部203は、管理サーバ2から出入管理装置1に処理依頼、通知等を送信する際の、又は出入管理装置1から処理依頼、通知等を受信する際のインタフェースを制御する。
【0057】
[鍵配信サーバインタフェース部204]
鍵配信サーバインタフェース部204は、管理サーバ2から鍵配信サーバ3に処理依頼、通知等を送信する際の、又は鍵配信サーバ3から処理依頼、通知等を受信する際のインタフェースを制御する。
【0058】
<鍵配信サーバ3>
図4に示すように、鍵配信サーバ3は、制御部30と、記憶部31と、通信部32と、を含むことができる。
【0059】
通信部32は、例えばスイッチングハブ、LANケーブル、広域通信網、無線通信網等のネットワークを介して、管理サーバ2、携帯電子機器4とのデータの送受信等を行うことができる。
通信部32は、無線通信部321(図示せず)を含むことができる。特に、携帯電子機器4とは、無線通信部321を介して、データ交換を行うことができる。
【0060】
制御部30は、例えばCPUやROM,RAM等を有するプロセッサにより構成され、管理サーバ2を構成する各構成部の制御を行う。CPUは、ROM又は記憶部11から読み出した各プログラムを実行することによって、鍵配信サーバ3を、後述する所定の手段として機能させる。
また、制御部30は各プログラムを実行することによって、鍵配信サーバ3に、所定の手順を実行させる。
制御部30の詳細については、後述する。
【0061】
記憶部31は、例えば、半導体メモリやハードディスクドライブ等で構成されており、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションと呼ばれるソフトウェアが保存される等、種々の情報が記憶される。記憶部21には、鍵情報管理エリア311と、デバイス情報管理エリア312と、を備える。
【0062】
記憶部31の鍵情報管理エリア311には、ユーザID毎に当該ユーザーの携行するIDキーのID情報を含む鍵情報を管理する鍵情報データベース2111を含む。
同様に、鍵情報データベース2111には、鍵配信サーバ3により、配信依頼者であるユーザーに紐づけて生成された、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報が記憶される。
【0063】
記憶部31のデバイス情報管理エリア312には、ユーザーの携行する携帯電子機器及びゲストの携行する携帯電子機器に対して鍵情報をプッシュ方式で送信するために用いるデバイス情報が記憶される。
【0064】
<制御部30>
次に、制御部30の有する機能を当該機能を実行する手段(部)の観点から説明する。なお、当該機能の手順(方法)の観点に基づく説明は、「部」を「手順」に置き換えることで説明できるため、省略する。
制御部30は、接続処理部301と、鍵情報作成部302と、鍵情報配信部303と、管理サーバインタフェース部304と、課金処理部305と、を含む。
【0065】
[接続処理部301]
接続処理部201は、ユーザー又はゲストからの要求を受信して、後述するIDキーアプリをユーザー又はゲストの携帯電子機器4にインストールする。
なお、ゲストは、IDキーアプリを作動させることで、後述するように、自身の携行する携帯電子機器4の記憶部にID情報又はID情報を含む鍵情報を記憶させるとともに、当該携帯電子機器4をIDキーとして利用可能な状態に作用させることができる。
【0066】
[鍵情報作成部302]
前述したように、鍵配信サーバ3は、管理サーバ2から管理サーバインタフェース部304を介して、受信した、配信依頼者である当該ユーザーの識別情報、ユーザーの指定したゲストの識別情報、ユーザーにより選択された通行権限データ等に基づいて、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する。
鍵情報作成部302は、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を記憶部31の鍵情報管理エリア311に記憶する。
【0067】
[鍵情報配信部303]
鍵情報配信部303は、鍵情報作成部302により、配信依頼者であるユーザーに紐づけて生成された、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報又はID情報を含む鍵情報を当該ゲストの携行する携帯電子機器へ配信する。
この配信は、IDキーアプリに対するプッシュ方式で行うことができる。
より、具体的には、鍵情報配信部303は、当該ゲストの携行する携帯電子機器及びIDキーアプリを指定して、鍵情報をプッシュ方式で配信することにより、当該携帯電子機器のIDキーアプリが起動されて、当該携帯電子機器4の記憶部にID情報又はID情報を含む鍵情報が記憶され、当該携帯電子機器4をIDキーとして利用可能な状態に作用される。
【0068】
[鍵情報の更新等]
鍵情報配信部303は、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報又はID情報を含む鍵情報を当該ゲストの携行する携帯電子機器にプッシュ方式で配信した後、当該鍵情報の更新に関する配信データをプッシュ方式で通知することができる。
より、具体的には、鍵情報配信部303は、当該ゲストの携行する携帯電子機器及びIDキーアプリを指定して、鍵情報の更新に関する配信データをプッシュ方式で配信することにより、当該携帯電子機器のIDキーアプリが起動されて、当該携帯電子機器4の記憶部に記憶されているID情報又はID情報を含む鍵情報が更新される。
【0069】
例えば、鍵情報配信部303は、当該鍵情報が例えば有効期限前であっても、当該鍵情報を無効化するための配信データを当該ゲストの携行する携帯電子機器にプッシュ方式で通知することにより、当該鍵情報を無効化することができる。
逆に、鍵情報配信部303は、当該鍵情報の有効期限を過ぎる前に、当該鍵情報の有効期限を延長するための配信データを当該ゲストの携行する携帯電子機器にプッシュ方式で通知することにより、当該鍵情報の有効期限を更新することができる。
【0070】
[管理サーバインタフェース部304]
管理サーバインタフェース部304は、鍵配信サーバ3から管理サーバ2に処理依頼、通知等を送信する際の、又は管理サーバ2から処理依頼、通知等を受信する際のインタフェースを制御する。
【0071】
[課金処理部305]
課金処理部305は、鍵情報配信部303が、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報又はID情報を含む鍵情報を当該ゲストの携行する携帯電子機器へ配信する際に、配信依頼者であるユーザーの識別情報、配信先であるゲストの識別情報、及び当該鍵情報配信日時に関する情報等に基づいて、課金処理のために、課金ファイル(仮称)を作成することができる。
そうすることで、課金処理部305は、課金ファイル(仮称)に基づいて、ユーザー又はゲストに対して、課金処理(例えば、請求書作成、クレジット等の電子決済等)を行うことが可能となる。
なお、課金処理部305は、鍵情報作成部302が当該鍵情報を生成したときに課金ファイル(仮称)を作成するように構成してもよい。
【0072】
[携帯電子機器4]
ユーザー又はゲストの携行する携帯電子機器4は、鍵配信サーバ3から例えばIDキーアプリに対するプッシュ通知に基づき、鍵情報の登録又は鍵情報の更新に係る配信データの受信を行うように構成される。
【0073】
[プッシュ通知機能]
ユーザー又はゲストの携行する携帯電子機器をIDキーとするためには、予めIDキーアプリを鍵配信サーバ3からダウンロードしてインストールし、ユーザー又はゲストは、プッシュ通知を可能とするために、IDキーアプリにプッシュ機能を設定するとともに、デバイス情報を鍵配信サーバ3に登録する。
そうすることで、ゲストの携行する携帯電子機器4は、鍵配信サーバ3から、ID情報又はID情報を含む鍵情報等の鍵配信データのプッシュ通知による受信を行い、携帯電子機器を、当該ゲストが共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含むIDキーとして利用可能とすることができる。
【0074】
次に、図1を用いて、上記構成による出入管理システム1の動作について簡単に説明する。
(1)まず、ユーザーは、例えばユーザーの携行する携帯電子機器等を介して、管理サーバ2に対して、自身に許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するための当該ゲストの通行権限発行依頼をする。
これを受けて、管理サーバ2(通行権限情報設定部202)は、出入管理装置1に対して、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の抽出依頼を行う。
そうすることで、出入管理装置1は、IDキーデーベース111に登録された当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報を抽出し、管理サーバ2(通行権限情報設定部202)に応答する。
管理サーバ2(通行権限情報設定部202)は、当該ユーザーに許可されている通行権限情報を、例えばユーザーの携帯電子機器等に通知する。
そうすることで、ユーザーは、携帯電子機器等により、当該ゲストに対して、当該ユーザーの許可されている通行権限情報を上限とする通行権限データを選択し、管理サーバ2(通行権限情報設定部202)に応答する。
【0075】
(2)これを受けて管理サーバーは、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、ゲストの共用ゲートの通行権限データを設定する。
【0076】
(3)次に、管理サーバ2は、鍵配信サーバ3に対して、ゲストの共用ゲートの通行権限データに基づいて当該ゲストのID情報を含む鍵情報の生成を依頼する。
これを受けて、鍵配信サーバ3(鍵情報作成部302)は、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成し、管理サーバ2(通行権限情報設定部202)に応答する。
【0077】
(4)こうすることで、管理サーバ2は、当該ゲストのID情報を含む鍵情報を鍵配信サーバ3から取得する。
【0078】
(5)次に管理サーバ2は、出入管理装置1に対して、当該ゲストのID情報を含む鍵情報の設定登録を依頼する。そうすることで、当該ゲストのID情報を含む鍵情報が出入管理装置1に登録される。
【0079】
(6)次に管理サーバ2は、鍵配信サーバ3に当該ゲストのID情報又はID情報を含む鍵情報の当該ゲストの携帯電子機器4へのプッシュ配信を依頼する。
【0080】
(7)そうすることで、鍵配信サーバ3は、当該ゲストの携帯電子機器4に対して、当該ゲストのID情報又はID情報を含む鍵情報の登録に係る配信データのプッシュ配信を行う。そうすることで、ゲストの携行する携帯電子機器4は、当該鍵情報の登録に係る配信データのプッシュ通知により、当該ゲストが共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含むIDキーとして利用可能となる。
【0081】
その後、ゲストは、通行対象の共用ゲートに配置されるリーダー13の通信可能領域内で携帯電子機器4を操作してIDキーアプリを起動することで、当該ゲストのID情報を含む鍵情報に基づいて、通行権限範囲とされる共用ゲートの通過又は操作が可能となる。
なお、出入管理装置1から通信可能領域内の携帯電子機器4に対して起動命令が送信されると、この起動命令によって携帯電子機器4のアプリケーションが自動的に起動するように構成してもよい。この場合、携帯電子機器4の操作が不要となる。
【0082】
以上、説明したように、出入管理システム100は、ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限として、ユーザーに紐づけて、ゲストの共用ゲートの通行を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する鍵情報生成部302と、ゲストの携行する携帯電子機器4へ、無線通信部を介して当該ゲストのID情報又はID情報を含む鍵情報をプッシュ配信する鍵情報配信部303と、を備える。
そうすることで、ユーザーは、自身に許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限として、ゲストに対して共用ゲートの通行を許可するための通行権限情報をオンラインにより設定することができる。
【0083】
出入管理システム100は、さらに、ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を出入管理装置1から取得し、取得した当該ユーザーの通行権限情報に基づいて、ゲストに対する通行権限データを選択する通行権限情報設定部202を備える。
そうすることで、ユーザーは、自身に許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限として、ゲストに対して共用ゲートの通行を許可するための通行権限データを容易に選択することができる。
【0084】
出入管理装置1は、ユーザーの携行するIDキーに記憶されたID情報を含む鍵情報が予め登録されているIDキーデータベース111と、ユーザーに紐づけて、ゲストの共用ゲートの通行を許可するためのID情報を含む鍵情報をIDキーデータベース111に設定登録する設定登録部101と、を備える。
そうすることで、ユーザーにより設定されたゲストのID情報を含む鍵情報を出入管理装置1のIDキーデータベース111に登録することができる。
【0085】
<第1実施形態の変形例について>
以上、第1実施形態の出入管理システム100について説明した。しかしながら、本願発明は、第1実施形態に限定されない。
【0086】
[第1変形例]
第1実施形態においては、管理サーバ2が、ユーザーのエージェントとして、ゲストの通行権限データの選択、鍵配信サーバ3に対する当該ゲストのID情報を含む鍵情報の生成依頼、出入管理装置1に対する当該ゲストのID情報を含む鍵情報の設定登録の依頼、及び鍵配信サーバ3に対する当該ゲストのID情報の当該ゲストの携帯電子機器4へのプッシュ配信の依頼を実行したが、別の実施形態として、管理サーバ4を介さずに、ユーザーの携帯電子機器4から鍵配信サーバ3及び出入管理装置1に対して、処理依頼を直接行うように構成することができる。
この場合、鍵配信サーバ3の接続処理部301は、ユーザーの携帯電子機器4と接続して、ユーザーからの処理依頼を受信するように構成される。
また、鍵配信サーバ3は、出入管理装置1の設定登録部101に対して、ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の設定登録依頼を行う鍵情報設定登録依頼部(仮称)及び出入管理装置インタフェース部とを備える(図示せず)。
【0087】
図5を参照して、説明する。
(1)に示すように、ユーザーの携帯電子機器4は、ユーザーの入力により、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、ゲストの通行権限データを予め設定するように構成することができる。
【0088】
より具体的には、携帯電子機器4は、記憶部に記憶された、ユーザー自身の許可されている共通ゲートに関する通行権限情報(鍵情報)に基づいて、当該通行権限情報を携帯電子機器4の表示部に選択リストとして表示することができる。
そうすることで、ユーザーは、携帯電子機器4により、当該ゲストに対して、当該ユーザーの許可されている通行権限情報を上限とする通行権限データを選択することができる。
次に、(2)に示すように、当該ユーザーの携帯電子機器4は、ユーザーからの指示により、直接、鍵配信サーバ3に対してゲストの共用ゲートにおける通行権限データをアップロードする。その際、携帯電子機器4は、鍵配信サーバ3(接続処理部301)に対して、ゲストの通行権限データに基づいて、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の生成を依頼するようにすることができる。
【0089】
その後、(3)に示すように鍵配信サーバ3(鍵情報作成部302)は、ユーザーの識別情報、ゲストの識別情報、当該ゲストの通行権限データ等に基づいて、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報を生成する。
【0090】
そして、(4)に示すように、鍵配信サーバ3(鍵情報設定登録依頼部(仮称))は、出入管理装置1に対して、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の設定登録依頼を行う。
出入管理装置1の設定登録部101は、配信依頼者であるユーザーに紐づけて、IDキーのID情報と、当該ID情報と通行権限情報とを対応付けて、IDキーデータベース111に登録する。
【0091】
また、(5)に示すように、鍵配信サーバ3(鍵情報配信部303)は、配信依頼者であるユーザーに紐づけて生成された、当該ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報又はID情報を含む鍵情報を当該ゲストの携行する携帯電子機器へ配信する。
【0092】
[第1変形例の効果]
このように、出入管理システム100の第1変形例において、ユーザーの携行する携帯電子機器4は、管理サーバ2を介することなく、予め自身に許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限とする、ゲストに対する通行権限データを選択し、鍵配信サーバ3にアップロードすることができる。
そうすることで、ユーザーは、自身に許可されている共用ゲートの通行権限情報の範囲を上限として、ゲストに対して共用ゲートの通行を許可するための通行権限データを予めオフラインで容易に設定することができる。
なお、第1変形例において、鍵配信サーバ3(鍵情報配信部303)から、直接、出入管理装置1に対して、ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の設定登録依頼を行ったが、出入管理装置1に対する処理依頼(設定登録処理を含む)については、管理サーバ2を介するように構成してもよい。
【0093】
[第2変形例]
第1実施形態及び第1変形例において、出入管理装置1は、鍵配信サーバ3により生成された、ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報をIDキーデータベース111に設定登録したが、第1実施形態及び第1変形例のそれぞれの変形例として、ゲストの共用ゲートの通行及び操作を許可するためのID情報を含む鍵情報の、IDキーデータベース111への設定登録を省略可能となるように構成することができる。
より、具体的には次のように構成することができる。
【0094】
まず、ゲストの携行する携帯電子機器4は、鍵配信サーバ3から配信されたユーザーに紐づけられたゲストのID情報を含む鍵情報を当該携帯電子機器4のメモリに記憶する。
そうすることで、出入管理装置1は、ゲストが共用ゲートを通過する際に、共用ゲートに設置しているリーダー13を介して、ゲストの携行する携帯電子機器4から、ID情報を含む鍵情報(通行権限情報)を受信することができる。
【0095】
出入管理装置1(判定部102)は、受信したゲストのID情報を含む鍵情報が所定のユーザーに紐づけられていること、及びID情報を含む鍵情報の中に、当該共用ゲートの通過権限を含むか否かを判定する。
より、具体的には、出入管理装置1(判定部102)は、ゲストの携行する携帯電子機器4のID情報を含む鍵情報をリーダーにより受信した際に、当該ID情報が、配信依頼者であるユーザーに紐づけられていること、及びID情報を含む鍵情報の中に、リーダーに対応する共用ゲートの通過権限を含むことを判定するように構成する。
【0096】
[第2変形例の効果]
出入管理装置1は、ゲストの共用ゲートの通行を許可するためのID情報が、前記ユーザーに紐づけられていることに基づいて、ID情報を正当なものとして認証することができる。
そうすることで、ユーザーにより設定されたゲストのID情報を含む鍵情報を出入管理装置1のIDキーデータベース111に登録することを省略できる。
【0097】
[第3変形例]
第1実施形態、第1変形例、及び第2変形例では、ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限情報に基づいて、前記通行権限情報の範囲を上限とする、前記ゲストに対する通行権限データを設定したが、別の実施形態として、予め、管理者は、ユーザー毎に当該ユーザーのゲストに許可しない共用ゲートを予め設定しておくことができる。
【0098】
例えば、出入管理装置1、管理サーバ2又は鍵配信サーバ3のいずれかにおいて、管理者は、各ユーザー毎に、ユーザーに許可されている共用ゲートの通行権限のうち、ゲストに許可できない共用ゲートを不許可共用ゲートテーブル(仮称)に設定する。ユーザーが、ゲストに許可できる共用ゲートを設定する際に当該テーブルを参照し、該当する共用ゲートが当該テーブルに存在する場合、当該ユーザーに許可されている共用ゲートの通行及び操作等を上限とする、ゲストの通行権限データから、当該共用ゲートを削除するように構成することができる。このような共用ゲートとしては、例えば、緊急災害時のために用意した食料、飲料水等を保管する緊急食糧保存庫が挙げられる。
【0099】
こうすることで、ユーザーが誤って、例えば、管理上、ゲストに対する許可が適切でない共用ゲートを許可しないようにすることができる。
【0100】
[第4変形例]
第1実施形態、及び第1変形例〜第3変形例では、管理サーバ2と鍵配信サーバ3とからなる複数のサーバを通信で接続する構成としたが、これに限定されない。
例えば、管理サーバ2の備える各機能部と鍵配信サーバ3の備える各機能部とを一つのサーバで実現するように構成してもよい。
また、各サーバの備える各機能を、適宜複数のサーバに分散する、分散処理システムとしてもよい。また、クラウド上で仮想サーバ機能等を利用して、各サーバの備える各機能を実現してもよい。また、サーバを、例えば、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバ等の複数のサーバから構成されるサーバシステムとしてもよい。
すなわち、各サーバの備える各機能部の実施形態は、1台のコンピュータでも、1箇所にある又は数箇所に分散され、通信ネットワークによって相互接続された多数のコンピュータでも分散して実行するように展開できる。
【0101】
[第5変形例]
第1実施形態、及び第1変形例〜第4変形例では、物件をマンション等の集合住宅としたが、本願発明は、マンション等の集合住宅を物件としたものに限定するものではない。例えば、オフィス、病院等の商業施設、公共施設等の大型施設等の各種物件においては、契約者、管理者等が自身の許可されている共用ゲートの通過及び操作等を上限として、当該契約者、管理者等の指定したゲストに対して通行権限データを発行依頼することができる。
【0102】
本発明の出入管理システムは、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図2乃至図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。すなわち、本発明の出入管理機能に関する一連の処理を全体として実行できる機能が出入管理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2乃至図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組合せで構成してもよい。
【0103】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータであってもよい。
【0104】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、ブルーレイディスク、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)、等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている図2の記憶部11、図3の記憶部21、図4の記憶部31に含まれるハードディスク等で構成される。
【符号の説明】
【0105】
100 出入管理システム
1 出入管理装置
10 制御部
101 設定登録部
102 判定部
103 出入管理制御部
104 ログ作成部
11 記憶部
111 IDキーデータベース
112 ログファイル
113 機器情報エリア
12 通信部
13 リーダー
2 管理サーバ
20 制御部
201 接続処理部
202 通行権限情報設定部
203 出入管理装置インタフェース部
204 鍵配信サーバインタフェース部
21 記憶部
211 ユーザー情報エリア
3 鍵配信サーバ
30 制御部
301 接続処理部
302 鍵情報作成部
303 鍵情報配信部
304 管理サーバインタフェース部
305 課金処理部
31 記憶部
311 鍵情報管理エリア
312 デバイス情報管理エリア
4 携帯電子機器
5 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5