(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明による什器システム、什器を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
【0014】
図1は、この発明の一実施形態に係るテーブルの全体構成を示す斜視図である。
図2は、上記テーブルの脚の構成を示す斜視図である。
図3は、上記テーブルを第一の方向から見た図である。
図4は、上記テーブルを第二の方向から見た図である。
図5は、テーブルの脚と天板との連結部の構成を示す図である。
図6は、テーブルの脚と天板との連結部の構成の要部を示す拡大図である。
図7は、上記脚の部品構成を示す斜視展開図である。
図8は、上記脚の脚本体を示す斜視図である。
図9は、天板の下面に設けたビームの端部の平面図である。
図10は、ビームの端部に対するエンドプレートの取付構造を示す側面図である。
図1〜
図4に示すように、什器システムAを構成するテーブル(什器)10は、床面F上に起立する複数の脚20と、これら複数の脚20上に支持される天板(上部構造)30と、を備えている。
【0015】
この実施形態のテーブル10において、天板30は、例えば平面視長方形状で、その上面30fに沿った第一の方向Xに短く、上面30fに沿った面内で第一の方向Xに直交する第二の方向Yを長く形成されている。天板30は、平面視長方形状に限らず、長円形、楕円形等の平面視形状としてもよい。
【0016】
図5、
図6に示すように、天板30は、例えば、パネル状の芯材31と、その上下の表面31f、31gを覆う表皮材32,33と、から構成されている。芯材31は、アルミニウム合金製、またはボール紙、段ボール紙等の厚紙製等で、上下方向に貫通する断面六角形状の孔(図示無し)が、表面31f、31gに沿った面内で多数配列されたハニカム構造を有している。表皮材32、33は、樹脂系材料、木質材料等からなり、芯材31の上下の表面31f、31gにそれぞれ接着されている。
【0017】
脚20は、天板30において長手方向である第二の方向Yの一端側と他端側とに、それぞれ設けられている。各脚20は、短手方向である第一の方向Xの両端部にそれぞれ設けられた脚部材21、21と、これら脚部材21、21の上部同士を連結する上部連結部材22と、脚部材21、21の下部同士を連結する下部連結部材23と、を備えている。
【0018】
図2、
図4に示すように、上部連結部材22は、その上面22tが、脚部材21、21の上端(荷重受け部)21t、21tよりも、所定寸法下方に位置するよう設けられている。言い換えると、脚部材21は、上部連結部材22の上面22tよりも上方に向かって延出するよう設けられた上部延出部21jを有している。
【0019】
下部連結部材23は、その下面23bが、脚部材21、21の下端21b、21bよりも所定寸法上方に位置するよう設けられている。これにより、脚20の脚部材21、21が床面Fに接地した状態で、脚部材21、21間の下部連結部材23の下面23bと床面Fとの間には、隙間Sが形成され、この隙間Sを通して下部連結部材23の下方に各種配線100等を挿通させることができる。
【0020】
図2、
図3に示すように、各脚部材21は、第一の方向Xから見たときの第二の方向Yに沿った幅寸法W1が、下方から上方に向けて漸次増大するよう形成されている。
各脚部材21は、第一の方向Xから見たとき、上端21tに対し下端21bが、テーブル10の第二の方向Yの外側に位置するよう、傾斜して設けられている。これにより、第二の方向Yに沿って互いに対向する一対の脚20は、脚20、20同士の間隔が上方から下方に向かって漸次拡大し、略八の字状に配置されている。
【0021】
また、
図2、
図4に示すように、各脚部材21は、第二の方向Yから見たときに、テーブル10の第一の方向Xの内側に位置する内側面21pが床面Fに対して直交する鉛直面とされている。脚部材21は、テーブル10の第一の方向Xの外側に位置する外側面21qが、脚部材21の上端21tから下端21bに向かって、内側面21pから第一の方向Xに沿った方向に漸次離間する傾斜面とされている。これにより、脚20は、第二の方向Yから見たときの幅寸法W2が、上方から下方に向けて漸次増大するよう形成されている。
【0022】
図7に示すように、脚20は、脚本体200と、脚本体200を覆うように設けられた脚カバー部210と、を備えている。
【0023】
図7、
図8に示すように、脚本体200は、第一の方向Xに離間して配置された一対の脚部材本体201と、一対の脚部材本体201,201の上部同士を連結する上部連結部材本体202と、一対の脚部材本体201,201の下部同士を連結する下部連結部材本体203と、を備えている。本実施形態では、脚本体200は、金属製とされている。
【0024】
各脚部材本体201は、脚部材21の内側面21p(
図2参照)に沿う内側プレート部201pと、脚部材21の外側面21q(
図2参照)に沿う外側プレート部201qと、内側プレート部201pと外側プレート部201qとを、テーブル10の第二の方向Yの内側に面する側で連結する連結プレート部201rと、を備え、平断面視略コ字状に形成されている。脚部材本体201の上部には、内側プレート部201pと外側プレート部201qとを、テーブル10の第二の方向Yの外側に面する側で連結する閉塞プレート部201sが設けられている。これによって、脚部材本体201の上部は、平断面視略ロ字状に形成されている。
【0025】
脚部材本体201の内側プレート部201pの上部には、上部連結部材本体202が挿入される貫通孔201hが形成されている。また、内側プレート部201pの下部には、下部連結部材本体203が挿入される開口201jが形成されている。
【0026】
また、脚部材本体201の下端は、底部プレート部201bにより閉塞されている。底部プレート部201bには、脚本体200の高さ調整、レベル調整を行うためのアジャスタボルト205がねじ込まれている。
【0027】
上部連結部材本体202は、下部プレート部202bと、下部プレート部202bの第一方向Xの両端から上方に延出する一対の側部プレート部202s、202sと、を一体に備え、断面視すると上向きコ字状をなしている。
上部連結部材本体202の両端部は、それぞれ、脚部材本体201の内側プレート部201pに形成された貫通孔201hに挿入され、溶接等により接合されている。
このようにして、上部連結部材本体202は、上方に向けて開口している。この上部連結部材本体202の側部プレート部202s、202s上には、固定ブラケット24のベース部25が固定されている。これにより、上部連結部材本体202の下部プレート部202bと、固定ブラケット24のベース部25と、側部プレート部202s、202sとの間には、配線等が収容できる空間が形成されている。このベース部25には、上下に貫通する開口部206が形成されている。
【0028】
下部連結部材本体203は、上部プレート部203tと、上部プレート部203tの第二の方向Yの両端から下方に延出する側部プレート部203s、203sと、を一体に備えて、断面視すると下向きコ字状をなしている。
この下部連結部材本体203の両端部は、それぞれ、脚部材本体201の内側プレート部201pに形成された開口201jに挿入され、溶接等により接合されている。
このようにして、下部連結部材本体203は、下方に向けて開口している。
【0029】
図7に示すように、脚カバー部210は、脚部材本体201を覆う外側面カバー211および補強部材212と、脚部材本体201の内側プレート部201pに沿って配置される内側面カバー213と、上部連結部材本体202を覆う上部カバー214と、下部連結部材本体203を覆う下部カバー215と、を備えている。
【0030】
補強部材212は、金属製で、脚部材本体201の外側プレート部201qに沿う取付ベース部212aと、連結プレート部201rに沿う第一側部プレート部212bと、脚部材本体201の連結プレート部201rと反対側の部分に沿う第二側部プレート部212cと、を一体に備え、平断面視略コ字状に形成されている。
【0031】
外側面カバー211は、脚部材本体201の外側プレート部201qおよび補強部材212の取付ベース部212aを覆う外側カバー面211aと、連結プレート部201rおよび第一側部プレート部212bを覆う第一側部カバー面211bと、脚部材本体201の連結プレート部201rと反対側の部分および第二側部プレート部212cを覆う第二側部カバー面211cと、脚部材本体201の上端部および補強部材212の上端部を覆う上部カバー面211dと、を一体に備えている。
【0032】
本実施形態では、外側面カバー211は、脚部材本体201側が樹脂製、その外側が木製で構成されている。これにより、外側面カバー211は、木目調の外観を呈しつつ、内側部分で強度を確保することができる。
【0033】
この補強部材212は、脚部材本体201に対し、側方から嵌合できるように形成されている。さらに、補強部材212には、取付ベース部212aに図示しないマグネットが設けられている。このマグネットにより、補強部材212が外側プレート部201qに磁着される。また、取付ベース部212aにおいて外側プレート部201qに対向する側とは反対側の表面212fには、図示しない両面テープ等が貼り付けられている。この両面テープにより、外側面カバー211の外側カバー面211aが補強部材212に貼着されている。
ここで、マグネットと両面テープは、取付ベース部212aにおいて外側プレート部201qに対向する側と、その反対側の表面212fとに別々に設けてもよいが、両面テープの一面にマグネットを貼り付け、このマグネットを取付ベース部212aの表面212fに磁着させてもよい。
このようにして、脚部材本体201に対し、外側面カバー211は、補強部材212を介して装着される。外側面カバー211を脚部材本体201に装着した状態で、外側面カバー211の上部カバー面211dは、脚部材21の上端21tを形成する。
【0034】
内側面カバー213は、平板状で、脚部材本体201の内側プレート部201pを、上下の貫通孔201h、201jの間で覆うよう設けられる。本実施形態では、内側面カバー213は、脚部材本体201の内側プレート部201p側が樹脂製、その外側が木製で構成されている。内側面カバー213には、内側プレート部201pに対向する側に図示しないマグネットが設けられている。このマグネットにより、内側面カバー213が内側プレート部201pに磁着される。
【0035】
上部カバー214は、上部連結部材本体202の下部プレート部202bに沿う下部カバー面214bと、上部連結部材本体202の側部プレート部202s、202sにそれぞれ沿う側部カバー面214s、214sと、を一体に備え、断面視すると上向きコ字状をなしている。本実施形態では、上部カバー214は、上部連結部材本体202側が樹脂製、その外側が木製で構成されている。上部カバー214には、下部カバー面214bにおいて下部プレート部202bに対向する側に図示しないマグネットが設けられている。このマグネットにより、上部カバー214が上部連結部材本体202の下部プレート部202bに磁着される。
【0036】
下部カバー215は、下部連結部材本体203の上部プレート部203tに沿う上部カバー面215tと、下部連結部材本体203の側部プレート部203s、203sにそれぞれ沿う側部カバー面215s、215sと、を一体に備え、断面視すると下向きコ字状をなしている。本実施形態では、下部カバー215は、下部連結部材本体203側が樹脂製、その外側が木製で構成されている。下部カバー215には、例えば上部カバー面215tにおいて上部プレート部203tに対向する側に図示しないマグネットが設けられている。このマグネットにより、下部カバー215が下部連結部材本体203の上部プレート部203tに磁着される。
【0037】
図2,7,8に示すように、脚20(脚本体200)は中空構造とされ、その内部に配線100等を床面Fから天板30(
図1参照)に向けて挿通させることができる。詳しくは、配線100は、床面Fから立ち上がり、下部連結部材本体203の下面に形成された開口部(図示無し)から下部連結部材本体203の内部に導入される。さらに、配線100は、脚部材本体201の内側プレート部201pに形成された開口201j、脚部材本体201の内部、脚部材本体201の内側プレート部201pに形成された貫通孔201h、上部連結部材本体202の内部を経て、上部連結部材本体202上の固定ブラケット24の開口部206を通して、脚本体200の上方に導出される。このように、脚部材21、21において下部連結部材23(下部連結部材本体203)と床面Fとの間に形成された隙間Sを通して、床面F上を沿う配線100を、脚20内に導くことができる。
【0038】
図2〜
図4に示すように、このような脚20の上端20tに対し、天板30は、第一の方向Xの外側および第二の方向Yの外側に、それぞれオーバーハングして設けられている。天板30において、第二の方向Yに沿ったオーバーハング寸法H1は、第一の方向Xに沿ったオーバーハング寸法H2よりも大きく設定されている。
【0039】
このようなテーブル10において、天板30は、脚20に対し、以下のような構成により連結されている。
天板30の下面には、天板30の第二の方向Yに沿って延びるビーム40が設けられている。ビーム40は、天板30の第一の方向Xに所定間隔を空けて二本一対で設けられている。
【0040】
図5、
図6に示すように、各ビーム40は、第二の方向Yに直交する断面が、上下方向に長く、第一の方向Xに短い略長方形状で、テーブル10の短手方向内側を向く側面40aに、上下に間隔を空けて2本の溝42が形成されている。
各溝42は、ビーム40の軸方向、すなわち第二の方向Yに沿って、ビーム40の全長にわたって連続して形成されている。
図6に示すように、各溝42は、ビーム40の側面40aにおいて上下方向における開口幅s1に対し、溝底部42b側の上下方向における開口幅s2が広い、いわゆるアリ溝状に形成されている。
【0041】
各ビーム40は、その上面40tを天板30の下面30bに突き当てた状態で、取付金具41を介して天板30に固定されている。
取付金具41は、天板30の下面30bに突き当たる第一平面部41aと、第一平面部41aに直交してビーム40の側面40aに突き当たる第二平面部41bと、を有している。取付金具41は、第二の方向Yを向く面が略直角三角形状をなしている。取付金具41には、第一平面部41aに直交して貫通する443と、第二平面部41bに直交して貫通する挿通孔44とが形成されている。
【0042】
このような取付金具41に対し、ボルト50を、挿通孔43を通して天板30の下面30bに予め形成されたネジ穴30hにねじ込むことで、取付金具41と天板30とが連結される。また、ビーム40の上方の溝42内に、雌ネジ孔52nが形成された座部材52を挿入するとともに、ボルト51を、挿通孔44を通して溝42内の座部材52にねじ込むことで、取付金具41とビーム40とが連結される。
【0043】
図3に示すように、このような取付金具41は、天板30の長手方向(第二の方向Y)に間隔を空けた複数箇所に配置されている。ここで、取付金具41は、第二の方向Yにおける脚20、20の間隔よりも小さな間隔で配置されている。そして、それぞれの取付金具41において、上記のように、ボルト(連結部材)50、51、座部材(連結部材)52を締結することで、天板30とビーム40とが取付金具41を介して連結されている。
【0044】
また、
図2、
図3に示すように、天板30の下面30bに固定された二本のビーム40、40間には、第二の方向Yに沿って間隔を空けて複数の連結ビーム48が設けられている。
図9に示すように、各連結ビーム48は、第一の方向Xに沿って延び、その両端部が、連結金具49を介してビーム40、40に連結されている。これにより、これら二本のビーム40、40と、複数の連結ビーム48とが、平面視梯子状に連結されている。
【0045】
連結金具49は、連結ビーム48の側面48aに突き当たる第一平面部49aと、第一平面部49aに直交してビーム40の側面40aに突き当たる第二平面部49bと、を有し、平面視略直角三角形状をなしている。連結金具49には、第一平面部49aに直交して貫通する挿通孔49hと、第二平面部49bに直交して貫通する挿通孔49jとが形成されている。このような連結金具49は、上記取付金具41と同じものを向きを変えて流用することもできる。
【0046】
このような連結金具49に対し、ボルト57を挿通孔49hに挿通させ、その先端部を連結ビーム48の側面48aに予め形成されたネジ穴48hにねじ込むことで、連結金具49と連結ビーム48とが連結される。また、ビーム40の上方の溝42内に座部材58を挿入するとともに、ボルト59を、挿通孔49jを通して溝42内の座部材58にねじ込むことで、連結金具49とビーム40とが連結される。
【0047】
図2、
図10に示すように、各ビーム40の両端部の下側には、第二の方向Yに沿ってビーム端40gに向かうにしたがって天板30の下面30bに漸次近づくように傾斜した傾斜面40kが形成されている。
図2、
図9、
図10に示すように、二本のビーム40、40の両端部には、それぞれ、第一の方向Xの両端部が傾斜面40k、40kおよびビーム端40g、40gに沿い、傾斜面40k、40kおよびビーム端40g、40gの間を塞ぐエンドカバー60が設けられている。
【0048】
図9、
図10に示すようにエンドカバー60は、上面に設けられたブラケット61、61を介して、二本のビーム40、40の両端部に固定されている。各ブラケット61は、エンドカバー60の上面に沿って接合されたベース部61aと、ベース部61aから直交して上方に延び、ビーム40の側面40aに沿うプレート部61bと、を備えて形成されている。
プレート部61bには、取付金具41との干渉を避ける逃げ凹部61cが形成されている。また、プレート部61bには、ビーム40の側面40aに形成された上方の溝42と下方の溝42とに対向する位置に、複数の貫通孔61hが形成されている。
【0049】
このようなブラケット61のプレート部61bに対し、それぞれの貫通孔61hにボルト62を挿入するとともに、挿入したボルト62をビーム40の上下の溝42内に配置した座部材63にねじ込む。これにより、エンドカバー60が、ブラケット61,61を介してビーム40,40の両端部に装着される。
【0050】
図5、
図6に示すように、脚20において、上部連結部材22の上面22t上には、ビーム40を固定する固定ブラケット24が設けられている。固定ブラケット24は、上部連結部材22の上面22tに沿い、図示しないボルト等で上面22tに固定されたベース部25と、ベース部25において第一の方向Xの両端部からそれぞれ上方に延びる固定壁26と、が一体に形成されている。
【0051】
図6に示すように、固定壁26は、ベース部25の端部から上方に立ち上がり、ビーム40の側面40aに沿う下部平面部26aと、下部平面部26aの上端から直交し、ビーム40の側面40aから離間する方向に延びる直交壁部26bと、直交壁部26bの端部からビーム40の側面40aに平行に延びる座面部26cと、座面部26cの上端から直交してビーム40の側面40aから離間する方向に延びる第二直交壁部26dと、第二直交壁部26dの端部からビーム40の側面40aに平行に延びる平面部26eと、平面部26eの上端から直交してビーム40の側面40a側に延びる第三直交壁部26fと、第三直交壁部26fの先端からビーム40の側面40aに沿って下方に延びる上部平面部26gと、を一体に有する。
このように、固定壁26において、脚部材21の上部延出部21jと対向する側に、上面22tに直交する下部平面部26aおよび上部平面部26gが形成されている。また、固定壁26の座面部26cには、所定の位置に挿通孔26hが形成されている。
【0052】
また、脚部材21の上部延出部21jには、固定壁26に対向する側に、平面部21fが形成されている。換言すると、平面部21fは、ビーム40における第一の方向Xの外方を向く外側面40sに対向している。下部平面部26aおよび上部平面部26gと平面部21fとの間隔は、ビーム40の第一の方向Xにおける幅寸法よりも僅かに大きい間隔で配置されている。
このように、ビーム40は、各脚20の部分で、固定壁26と脚部材21の平面部21fとの間に配置されている。
【0053】
ここで、天板30の下面30bが脚部材21の上端21tに直接突き当たることで、天板30の荷重は、脚部材21によって直接支持されている。
また、取付金具41を介して天板30の下面30bに固定されたビーム40の下面40bは、上部連結部材22の上面22tとの間に、上下方向に僅かな隙間Cを有している。
【0054】
ビーム40は、その側面40aを固定壁26の下部平面部26aおよび上部平面部26gに突き当てた状態で、座部材(連結具)55およびボルト56によって固定壁26に固定されている。座部材55は、溝42内を第二の方向Yに沿って移動可能とされている。座部材55は、雌ネジ孔55hを有しており、ビーム40の下方の溝42内に挿入配置される。ボルト56は、固定壁26の挿通孔26hを通して溝42内の座部材55の雌ネジ孔55nにねじ込まれる。このようにして、下部平面部26aおよび上部平面部26gがビーム40の側面40aに突き当たり、ビーム40と固定壁26とが連結され、脚20がビーム40に固定される。
【0055】
このような脚20とビーム40との連結構造によって、脚20は、ビーム40に対し、溝42が形成されている範囲内であれば、第二の方向Yの任意の位置に取付可能となっている。
これにより、天板30の第二の方向Yの長さが異なっても、同一の長さのビーム40,40と、脚20、20とを用いて、テーブル10を構成することができる什器システムAを提供できる。
図11は、
図1〜
図3に示したテーブルに対して天板の長さが異なり、脚が天板の長さに応じた位置に連結されているテーブルの例を示す斜視図である。
図12は、
図1〜
図3、
図11に示したテーブルに対して天板の長さが異なり、脚が天板の長さに応じた位置に連結されているテーブルの例を示す斜視図である。
【0056】
このような什器システムAでは、例えば、
図1〜
図3に示したテーブル(什器)10Aは、天板(上部構造)30Aの第二の方向Yの長さがL1(
図1参照)とされている。
【0057】
これに対し、
図11に示すテーブル(什器)10Bは、天板(上部構造)30Bの第二の方向Yの長さL2が、
図1〜
図3の天板30Aの長さL1より短く設定されている。この天板30Bの下面30bに対しても、テーブル10Aで用いたのと同じ長さのビーム40、40が設けられ、これらビーム40、40に、脚20、20が上記連結構造によって取り付けられている。
ここで、ビーム40に形成された溝42(
図5参照。以下同じ。)に対するボルト56(
図5参照。以下同じ。)および座部材55(
図5参照。以下同じ。)の締結位置を変更することで、脚20、20のビーム40、40への取付位置は、天板30Bの長さL2等に応じて、溝42の長さの範囲内で変更することができる。
図11の例では、脚20、20の第二の方向Yに沿った間隔が、
図1〜
図3で示したテーブル10Aにおける脚20、20の間隔よりも小さく設定されている。
【0058】
また、
図12に示すテーブル(什器)10Cは、天板(上部構造)30Cの第二の方向Yの長さL3が、
図1〜
図3の天板30Aの長さL1より長く設定されている。この天板30Cの下面30bに対しても、テーブル10A、10Bで用いたのと同じ長さのビーム40、40が設けられ、これらビーム40、40に、脚20、20が上記連結構造によって取り付けられている。
この場合も、脚20、20のビーム40、40への取付位置は、ビーム40に形成された溝42に対するボルト56および座部材55の締結位置を変更することで、天板30Bの長さL3等に応じて、溝42の長さの範囲内で変更することができる。
図12の例では、脚20、20の第二の方向Yに沿った間隔が、
図1〜
図3で示したテーブル10Aにおける脚20、20の間隔よりも大きく設定されている。
【0059】
上述したような構成の什器システムAおよびそれに用いるテーブル10は、床面F上に起立する複数の脚20と、複数の脚20の上部に支持され、平面視において第二の方向Yに長い平面形状を有する天板30と、天板30の下面30bに沿って第二の方向Yに連続して形成され、脚20の上端部が連結されるビーム40と、を備え、第二の方向Yの長さが異なる複数種の天板30A、30B、30Cに対し、天板30の第二の方向Yの長さに応じて、ビーム40に対する脚20の連結位置が、ビーム40に沿って変更可能とされている。
このような構成によれば、第二の方向Yの長さが互いに異なる複数種の天板30A、30B、30Cに対し、共通する同一長さのビーム40を用いながら、天板30の第二の方向Yの長さに応じてビーム40に対する脚20の連結位置をビーム40に沿って変更することができる。したがって、第二の方向Yの長さが異なる複数種の天板30A、30B、30Cに対し、様々な長さのビーム40を用意する必要が無く、ビーム40の長さを共通化することができる。これにより、天板30A、30B、30Cの様々なサイズに応じて脚20の取付位置を容易に異ならせて、より少ない種類の部品で什器システムAを構成するとともに、天板30A、30B、30Cに対するビーム40の取付構造を共通化することができる。
【0060】
また、ビーム40に、天板30の下面30bと平行に連続する溝42が形成され、ボルト56と締結する座部材55が溝42内に係止される。このようにして、ボルト56および座部材55によるビーム40と脚20との連結位置の自由度を高めることができる。これにより、天板30に対する脚20の位置を、溝42に沿った範囲内で容易に変更することができる。
【0061】
また、上方の溝42に、座部材52が係止され、座部材52にボルト51が螺合されることで、ビーム40と天板30とが連結されている。このように構成することで、ボルト51および座部材52による天板30とビーム40との連結位置の自由度を高めることができる。
また、下方の溝42に座部材55が係止され座部材55にボルト56が螺合されることで、脚20とビーム40とが連結されている。よって、ビーム40と天板30とを連結する座部材52は上方の溝42内に設けられ、脚20とビーム40とを連結する座部材55は下方の溝42内に設けられため、ボルト51および座部材52とボルト56および座部材55とが干渉することがない。
【0062】
また、天板30は、水平面内において第二の方向Yが長手方向とされ、第一の方向Xが短手方向とされた平面形状を有し、ビーム40は、天板30の下面30bに沿って長手方向に沿って連続して設けられている。このように構成することで、一方向に長い天板30を、ビーム40によって補強し、強固に支持することができる。また、このように天板30の補強要素として機能するビーム40を、固定壁26との連結にも用いることで、テーブル10を構成する部材点数を抑えることができる。
【0063】
さらに、テーブル10においては、
図4に示すように、第一の方向Xから見たときの脚20の幅寸法W1を、下方から上方に向けて漸次増大することで、脚20の上部における天板30に対する接合部分における強度を確保することができる。また、脚20の下部においては、脚20の幅寸法W2が小さくなることから、使用者の下肢と脚20とが干渉するのを抑えることができる。
また、
図3に示すように、第二の方向Yから見たときの脚20の幅寸法W2を、上方から下方に向けて漸次増大させることで、脚20の上部が天板30の第一の方向Xで内方に位置することとなり、天板30に近い上部の空間を広く確保することができる。したがって、使用者の下肢の膝などが脚20と干渉しにくくなる。このような構成により、強度を確保しつつ、天板30下方における下肢収容スペースSpを確保できる。
【0064】
ここで、第一の方向Xは、天板30の短手方向であり、第二の方向Yは天板30の長手方向である。このような構成により、脚20は、第二の方向Yである天板30の長手方向第二の方向Yおよび上下方向の荷重や力に対し、天板30に対する接合部が高い強度を有することとなる。また、脚20は、第一の方向Xである天板30の短手方向から天板30に正対する使用者の下肢が、脚20の上部と干渉しにくくなる。
ちなみに、このように一方向に長い形状の天板30においては、一般に、長手方向(第二の方向Y)に沿った長辺30pにおいて天板30に対向する使用者の数が、短手方向(第一の方向X)に沿った短辺30qにおいて天板30に対向する使用者の数よりも多い。つまり、第一の方向Xは、天板30に対して利用の多い側から正対する方向であり、第二の方向Yは天板30に対して利用の少ない側から正対する方向である。これによって、天板30に対して利用の多い側から見ると、天板30に正対する使用者の下肢が脚20に対して干渉しにくくなる。
【0065】
また、第一の方向Xは、脚20に対して天板30が側方に張り出すオーバーハング寸法H2が小さい側から正対する方向であり、第二の方向Yは、脚20に対して天板30が側方に張り出すオーバーハング寸法H1が大きい側から正対する方向である。脚20は、第一の方向Xから見たときの脚20の幅寸法W1が、下方から上方に向けて漸次増大しているので、第二の方向Yおよび上下方向の荷重や力に対し、天板30との接合部分が高い強度を有する。したがって、天板30のオーバーハング寸法H2が大きい部分に加わる荷重や力に対し、脚20は強度を有効に発揮することができる。
【0066】
また、上記テーブル10において、第二の方向Yに沿って互いに対向する一対の脚20同士の間隔が、上方から下方に向かって漸次拡大するよう、それぞれの脚20が傾斜して設けられている。このように構成することで、天板30に作用する荷重等により、一対の脚20同士が第二の方向Yに広がる方向の力が作用する。脚20は、第一の方向Xから見たときの脚20の幅寸法W1が、下方から上方に向けて漸次増大しているので、第二の方向Yおよび上下方向の荷重や力に対し、天板30との接合部分が高い強度を有する。したがって、一対の脚20同士の間隔が上方から下方に向かって漸次拡大する構成において、脚20が第二の方向Yに広がりにくく、高い強度を発揮することができる。
【0067】
(その他の実施形態)
なお、本発明の什器は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
【0068】
例えば、上記実施形態では、溝42を用いた脚20のビーム40への連結構造を示したが、ビーム40に対する脚20の連結位置が容易に変更できるのであれば、その連結構造は他のいかなるものであってもよい。
【0069】
また、上記に示す実施形態において、什器システムAは三種類に天板30A、30B、30Cで構成されているが天板は一種類でもよい。この場合でも、ビームの一方向の所定の位置に脚を設けることができるため、天板の形状、サイズ、荷重分布等に応じて適した位置に脚を設けることができる。また、ビームの一方向の所定の位置に天板を設けることができるため、使い勝手等に応じて天板を適した位置に脚を設けることができる。
【0070】
また、例えば、脚20は、第一の方向Xまたは第二の方向Yから見たときに台形状をなしたパネル体からなるようにしてもよい。さらに、脚20は、第一の方向Xまたは第二の方向Yから見たときの形状を、上記実施形態で示した構成に限るものではない。
さらに、また、第二の方向Yに沿って互いに対向する一対の脚20は、脚20、20同士の間隔が上方から下方に向かって漸次拡大するよう設けられて、略八の字状に配置したが、これに限らない。一対の脚20、20は、それぞれ床面Fから鉛直上方に延びるよう、互いに平行に配置されていても良い。また、一対の脚20は、脚20、20同士の間隔が上方から下方に向かって漸次縮小するよう、略逆八の字状に配置してもよい。
さらに、上記実施形態では、テーブル10は、二つの脚20を備えているが、その数を問うものではなく、一つ、あるいは三つ以上の脚20を備えていてもよい。脚20を一つのみ備える場合、脚20は天板30の第一の方向X、第二の方向Yの中央部に配する。この場合、脚20は、天板30を安定して支持できるように、第一の方向Xおよび第二の方向Yに沿った脚20の厚み寸法を十分に大きく形成するのが好ましい。
【0071】
さらに、上記実施形態で示したテーブル10を構成する脚20、天板30等の部材の材質については、何ら問うものではなく、木系材料、金属系材料、樹脂系材料、あるいはこれらを組み合わせて形成した構成としてもよい。
加えて、テーブル10に限らず、カウンター等、他の什器においても、本発明は同様に適用することができる。
さらには、上部構造として天板30を例示したが、脚20上で支持するのであれば、例えば箱状等、他の上部構造を備える什器であってもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。