【実施例】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例としてのスロットマシン及びメダル貸出機を示す正面図である。尚、以下の説明では、
図1のスロットマシン1、メダル貸出機100を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。
【0015】
図1に示すように、スロットマシン1は、施設としての遊技場内に複数配置される各遊技島(図示略)に複数並設されており、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの左側辺に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。筐体1aの内部上方位置には、外周に複数種類の図柄が配列されたリール2L,2C,2Rが水平方向に並設されており、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓3から見えるように配置されている。
【0016】
スロットマシン1においてゲーム(遊技)を行う場合には、まず、円盤状の遊技媒体の一例であるメダルMをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルMが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0017】
入賞ラインとは、各リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。ここでは、リール2L,2C,2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では入賞ラインを1本としているが、複数の入賞ラインを定めても良い。
【0018】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L,2C,2Rが回転し、各リール2L,2C,2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すると、対応するリール2L,2C,2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0019】
そして全てのリール2L,2C,2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインL1〜L5のいずれかに予め定められた図柄の組合せ(役とも呼ぶ)が各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルMが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(例えば、50)に達した場合には、メダルMが直接メダル払出口9から前面扉1bの下部に前方に突出するように設けられた遊技媒体貯留部としての下皿5に払い出されるようになっている。
【0020】
また、入賞ラインL1〜L5のいずれかに、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L,2C,2Rの表示結果として停止した場合には、図柄の組合せに応じた遊技状態(例えば、レギュラーボーナスやビッグボー
ナスやリプレイタイム(RT)等)に移行するようになっている。
【0021】
次に、メダル貸出機100について説明すると、メダル貸出機100は、スロットマシン1に1対1に対応するように設けられている。尚、本実施例では、1台のスロットマシン1に対応するメダル貸出機100が、該スロットマシン1の右側に配置されている。また、本実施例では、メダル貸出機100はスロットマシン1に1対1に対応するように設けられているが、例えば、メダル貸出機100を2台のスロットマシン1,1の間に2対1に対応するように設け、1台のメダル貸出機100を左右2台のスロットマシン1,1により共用しても良い。
【0022】
メダル貸出機100は、スロットマシン1の所定側(本実施例では、スロットマシン1に向かって右側)の側方位置に対応設置され、紙幣、または会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(図示略)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カード(図示略)を受付けて、遊技機における遊技に使用される円盤状の遊技媒体であるメダルMを貸し出すための処理等を行う。
【0023】
尚、メダル貸出機100は、メダル貸出機100にて使用されるビジターカードや会員カード並びにメダル貸出機100の管理等を行うカード管理コンピュータ(図示略)や、貯蓄メダル数の管理を行うメダル管理コンピュータ(図示略)や、遊技場内に設置された各スロットマシン1の台データ等の遊技情報を管理するホールコンピュータ(図示略)等の各種のコンピュータが接続されており、これら各コンピュータとの間において双方向のデータ通信が可能とされている。
【0024】
本実施例のメダル貸出機100は、正面視縦長長方形状をなす前面が開口する筐体101と、該筐体101の前面下部開口に開閉可能に設けられた開閉板102と、該筐体101の前面上部開口に設けられた上部ユニット103から構成され、内部には後述する各種装置が内蔵されている。尚、本実施例では、筐体101全体が前方に引き出し可能とされ
た形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上部ユニット103のみが引き出し可能であっても良い。
【0025】
図1に示すように、上部ユニット103の前面には、フルカラーLEDにより構成されて複数の色に点灯することでメダル貸出機100の状態等を報知可能とされた状態報知ランプ111、操作案内や投入金額やエラーコード等の各種の表示が表示可能な液晶表示パネル119を有してスロットマシン1に近い側の側端部が軸支されることで回動可能に設けられた液晶表示ユニット121、案内音声や大当り演出における効果音等を出力可能なスピーカ123、紙幣を挿入するための紙幣挿入口110、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入口112、カード挿入口112から挿入されたカードのカード残高等が表示されるカード残額表示部115、受付け中のカードを返却させる際に操作される返却ボタン114、装置内部に設けられている図示しない貸出メダル貯留部において貸し出しに使用するメダルが不足しているときに点灯されるメダル切れLED118、メダルの貸出しを行わせる際に操作される貸出ボタン116、対応するスロットマシン1にて遊技を行っている遊技者の顔画像を撮影できる顔画像撮影カメラ188等が設けられている。
【0026】
尚、カード挿入口112と貸出ボタン116の下方位置は、「touch」の文字が印刷表示された電子マネー機能を有する携帯電話機(携帯端末)や電子マネーカードの受付け部とされており、内部には、外部カードリーダライタ189が設けられている。
【0027】
状態報知ランプ111は、店員等が離れたいずれの方向の位置からも視認できるように、メダル貸出機100(上部ユニット103)の最上部位置であって、前面の幅方向の中央位置に設けられている。
【0028】
顔画像撮影カメラ188は、対応するスロットマシン1にて遊技する遊技者の顔が位置する透視窓3の高さ位置にほぼ等しい位置に設けられている。尚、本実施例では、顔画像撮影カメラ188を、紙幣挿入口110の下方位置であるメダル貸出機100の前面の右側位置に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者の顔をより正面から撮像できるように、カード挿入口112の下方位置、つまり、対応するスロットマシン1に近い側であるメダル貸出機100の前面の左側位置に設けるようにしても良い。
【0029】
また、本実施例のメダル貸出機100では、遊技者が操作する返却ボタン114や貸出ボタン116を、カード挿入口112と紙幣挿入口110の近傍位置である、カード挿入口112と紙幣挿入口110の間の位置に設けることで、カード挿入口112や紙幣挿入口110にカードや紙幣を挿入した後に操作される頻度が高い返却ボタン114や貸出ボタン116を操作する際に、返却ボタン114や貸出ボタン116の位置を遊技者が把握しやすくできるとともに、カード挿入口112や紙幣挿入口110から少ない移動距離にて操作を行うことができ、遊技者の利便性を向上できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら返却ボタン114や貸出ボタン116の配置位置を、カード挿入口112と紙幣挿入口110の間以外の位置であって、カード挿入口112や紙幣挿入口110の近傍位置に設けても良いし、カード挿入口112や紙幣挿入口110の配置方向(例えば一方が水平方向等)によっては、カード挿入口112や紙幣挿入口110の近傍位置以外の位置に設けるようにしても良い。
【0030】
スピーカ123は、上部ユニット103のほぼ中央位置に設けられているとともに、その一部である上部が液晶表示ユニット121により覆われる(被さる)ように、液晶表示ユニット121の下方位置に配置されている。
【0031】
このように、本実施例のスピーカ123は、液晶表示ユニット121と一部が被さるように設けられていることで、液晶表示ユニット121の後方側から音が聞こえるようになるので、例えば大当り時において液晶表示ユニット121の液晶表示パネル119に表示される大当り演出の効果音と大当り演出の映像との一体性を向上できるとともに、スピーカ123の全部が液晶表示ユニット121に被るように設けると、スピーカ123から出力された音が液晶表示ユニット121に反射してしまい、音の可聴性が低下してしまうので、一部のみが液晶表示ユニット121に被るようにすることで、これら効果音と映像の一体性を向上と音の可聴性の低下防止との双方の効果を得ることができる。
【0032】
また、本実施例では、液晶表示ユニット121の後方とスピーカ123が配置される上部ユニット103の前面とには空間があるので、スピーカ123が液晶表示ユニット121に被る部分を大きくすることもでき、上部ユニット103の前面のスペースを、より有効に活用できる。
【0033】
また、メダル切れLED118は、貸出ボタン116の近傍位置に設けられることにより、貸出ボタン116を操作する際に、遊技者が必然的に視認するようになっているとともに、貸出ボタン116の上方位置に設けられることにより、貸出ボタン116を操作する手によって、メダル切れLED118が見えなくなってしまうことがないようになっている。
【0034】
上記した貸出メダル貯留部にメダルMを補給する際に開閉板102の一部を開放するためのメダル補給扉130が、下辺を回動軸として開閉可能に設けられている。このメダル補給扉130は、遊技場の店員等が携帯する所定の鍵(図示略)をメダル補給扉鍵131に差し込まない限り開放できないようになっている。
【0035】
尚、メダル補給扉鍵131に対応する位置の内部には、メダル補給扉130を開放したときに操作可能となる機械式スイッチからなる第2ロック解除操作部132と第1ロック解除操作部133とが設けられている(
図4参照)。つまり、第2ロック解除操作部132と第1ロック解除操作部133とは、所定の鍵(図示略)を使用してメダル補給扉130を開放することのできる遊技場の店員等のみが操作可能とされている。
【0036】
メダル補給扉130の下方位置、つまり筐体101の上下方向略中央位置には、払い出すメダルMを貯留する図示しない貸出メダル貯留部が設けられている。貸出メダル貯留部は、該貸出メダル貯留部に貯留されるメダルMを払い出す払出装置182の上部に設けられた上向きに開口するメダルホッパーと、該メダルホッパーの上方に形成される空間部と、から構成されており、貸出メダル貯留部に貯留されたメダルMは、メダルホッパーにより払出装置182に向けて整列誘導された後、内部に設けられた図示しない回転ディスク(図示略)によって前面に形成されたメダル排出口(図示略)から排出され、ノズル150を介して下皿5に払い出されるようになっている。尚、ノズル150が設けられている開閉板102の上部位置には、開閉板102を施錠するための開閉板鍵106が設けられており、これら開閉板102は、内部に設けられている払出装置182をメンテナンスする場合等において開放される。
【0037】
このように、本実施例では、メダル補給扉130を開放して貸出メダル貯留部183にメダルMを補給する形態のメダル貸出機100を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図示しない遊技機設置島に設けられたメダル補給装置(図示略)からメダルMが自動補給されるようにしても良い。
【0038】
上部ユニット103に設けられた紙幣挿入口110には、該紙幣挿入口110に投入された紙幣を取り込んでその真贋や紙幣種別の識別を実施し、その識別結果を、上部ユニット103に設けられた制御ユニット181に出力する紙幣識別ユニット180が連設されており、該紙幣識別ユニット180にて各種紙幣(1万円、5千円、2千円、千円の各紙幣)の受付が可能とされている。
【0039】
尚、挿入された紙幣は、紙幣識別ユニット180の内部に設けられた貯留部に貯留され、筐体101を最大限に前方に引き出すことにより、該貯留部に貯留された紙幣を取り出す(回収)ことが可能とされている。
【0040】
また、上部ユニット103に設けられたカード挿入口112には、カード挿入口112から挿入される会員カード並びにビジターカードに記録されている(会員)カードIDや、会員ID(会員カードのみ)、プリペイド残額データ等の記録情報の読み出し並びに書き込みを行う内部カードリーダライタ187が連設されている。
【0041】
尚、プリペイド残額データは、遊技媒体であるメダルMの貸出しに使用可能な遊技用価値であるカード残額を特定可能な情報であるが、管理装置においては、これらプリペイド残額データが(会員)カードIDに対応付けて記憶されており、これら(会員)カードIDもカード残額を特定可能な情報である。
【0042】
本実施例においてカード挿入口112の周囲の形状は、カード挿入口112に向けて窪んだ凹状の凹部112’とされており、このような形状とすることによって、ビジターカードや会員カードの先端部が凹部112’によってカード挿入口112に案内されるようになるので、ビジターカードや会員カードをカード挿入口112に投入しやすくなるとともに、ビジターカードや会員カードが排出されるときにおいて、排出されたビジターカードや会員カードの上部ユニット103の前面より突出する突出長さを短いものとしても、ビジターカードや会員カードを容易にカード挿入口112から抜き取ることができるようになり、突出長さが長くなることにより、突出しているカードの先端部に誤って引っかかってしまう等により、カードが破損してしまうことも防ぐことができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、カード挿入口112の周囲に凹部112’を設けないようにしても良い。
【0043】
本実施例の液晶表示ユニット121は、薄板の略長方形状とされており、該液晶表示ユニット121の液晶表示パネル119が設けられた面の左側側端辺が、軸受け部120により軸支されることにより、該液晶表示ユニット121が
図3に示すように、回動可能とされて、液晶表示パネル119の向きや位置を遊技者等が変更調整できるようになっている。
【0044】
液晶表示パネル119の前面には、透明タッチパネル119’が設けられており、該透明タッチパネル119’を操作することで、後述する再プレイに関する操作、例えば、暗証番号の入力等を実施することがきできるようになっている。
【0045】
尚、液晶表示ユニット121の下方中央位置には、再プレイをする際に操作される再プレイボタン122が設けられている。
【0046】
本実施例の液晶表示ユニット121は、
図3に示す3つの回動位置において、半固定されるように設定されている。具体的には、
図3(a)の位置が、液晶表示ユニット121を最も立てた第3回動位置であり、後述するメンテナンス時や紙幣の回収時に該第3回動位置に回動される。また、
図3(b)の位置は、液晶表示ユニット121の先端部が、メダル貸出機100の前面領域からはみ出さない第2回動位置であり、隣接する他のスロットマシン1の前面扉1bや対応するスロットマシン1の前面扉1bが開放されても、該前面扉1bと衝突(干渉)しないとともに、これら前面扉1bを開放し易くすることのできる位置である。
図3(c)の位置が、液晶表示ユニット121を最も寝かせた第1回動位置であり、通常の使用時(営業など)においては、該第1回動位置にて使用される。尚、第1回動位置も、対応するスロットマシン1の前面扉1bが開放されても該前面扉1bと衝突しないとともに、これら前面扉1bを開放し易くすることのできる位置であって、隣接する他のスロットマシン1の前面扉1bと衝突(干渉)する可能性がある位置であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらいずれの位置においても、常に、隣接する他のスロットマシン1の前面扉1bや対応するスロットマシン1の前面扉1bのいずれとも衝突(干渉)しないようにしても良い。
【0047】
尚、本実施例の第3回動位置においては、シリンダー鍵125やフック部126が液晶表示ユニット121に覆われていない(被っていない)ことにより、第2回動位置および第1回動位置に液晶表示ユニット121が位置しているときよりもシリンダー鍵125の操作やフック部126への作用(引き出し用治具や指を引っかけ)を容易に行うことが可能である。
【0048】
また、本実施例の第3回動位置においては、液晶表示パネル119が、対応するスロットマシン1(メダル貸出機100の左側のスロットマシン1)の方向、つまり、対応するスロットマシン1で遊技している遊技者の方向とは略反対方向に向いているために、液晶表示パネル119の表示を遊技者は殆ど視認することができないのに対し、第2回動位置および第1回動位置においては、液晶表示パネル119が、対応するスロットマシン1で遊技している遊技者の方向に向いているために、遊技者は、第3回動位置よりも容易に、液晶表示パネル119の表示を視認することができる。
【0049】
このように、本実施例の第1回動位置並びに第2回動位置は、対応するスロットマシン1の前面に開放可能に設けられている前面扉1bと干渉しない非干渉位置であり、該第1回動位置並びに第2回動位置に液晶表示ユニット121が回動(移動)可能とされていて、これら第1回動位置並びに第2回動位置に液晶表示ユニット121を回動(移動)させることにより、液晶表示ユニット121が前面扉1bの開閉の邪魔となることを防ぐことができる。
【0050】
また、液晶表示ユニット121を回動可能に軸支する軸受け部120の右側位置には、
図2に示すように、筐体101を前方に最大限引き出す際にロックを解除するためのシリンダー鍵125と、筐体101を前方に引き出す際に筐体101の引き出しを容易とするためのフック部126とが設けられている。
【0051】
これらシリンダー鍵125やフック部126は、メダル貸出機100が使用されている通常時においては利用されず、メダル貸出機100のメンテナンス時や紙幣の回収時においてのみ利用されるので、液晶表示ユニット121の液晶表示パネル119が遊技者の方向を向く通常の使用位置である第1回動位置においては、
図2(A)や
図3(c)に示すように、液晶表示ユニット121に覆われて遊技者からは視認できないようになっており、メンテナンス時や紙幣の回収時において、液晶表示ユニット121を第3回動位置に回動させたときに露出することで、容易に利用できるようになっている。
【0052】
つまり、通常の使用時においては、液晶表示ユニット121に覆われてしまう上部ユニット103の前面のスペースに、通常の使用時には利用しないシリンダー鍵125やフック部126を設けることで、限られた上部ユニット103の前面のスペースを有効に活用することができるばかりか、シリンダー鍵125やフック部126への不正な操作や悪戯をより一層防ぐとともに、メダル貸出機100の意匠性も向上できる。
【0053】
また、本実施例のシリンダー鍵125やフック部126は、上記したように、スロットマシン1が設置されている施設である遊技場の関係者である店員等が、解鍵若しくは施錠操作や図示しない引き出し用治具や指をフック部126に引っかけて筐体101を前方に引き出す等の作用を行うことが可能とされている。尚、フック部126の形状は、指だけではなく、引き出し用治具を引っかけることのできる形状とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、指で抓む等のように指によってのみ引き出す力を作用させることができる形状であっても良い。
【0054】
尚、本実施例では、作用部として、遊技場の関係者である店員等のみが作用するシリンダー鍵125やフック部126を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら作用部としては、遊技場の関係者である店員等のみではなく、遊技場の関係者である店員等とともに遊技者が作用する部分であっても良い。
【0055】
図4は、本実施例のメダル貸出機100の構成を示すブロック図である。本実施例の制御ユニット181は、制御プログラムを実行可能な中央演算処理回路(CPU)181aや、内部カードリーダライタ187や外部カードリーダライタ189にて受付け中のビジターカードや会員カードの(会員)カードID並びにプリペイド残額や、来店ポイント数等の各種のデータを記憶可能なRAM181bや、中央演算処理回路(CPU)181aが実行する制御プログラムや、当該メダル貸出機100の装置IDを含む設定情報を書き換え記憶可能な不揮発性メモリであるEEPROM181cや、その時点の時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)181dを含み、RAM181bは図示しない電池によりバックアップされており、電源が遮断されても、所定期間において記憶されているデータが保持される。また、制御ユニット181は、通信部184並びに前述したHUBを介して前述した各種コンピュータとの双方向のデータ通信が可能とされている。
【0056】
また、制御ユニット181には、前述した紙幣識別ユニット180、状態報知ランプ111、液晶表示ユニット121(液晶表示パネル119、透明タッチパネル119’、再プレイボタンSW122’)、内部カードリーダライタ187、外部カードリーダライタ189、スピーカ123、顔画像撮影カメラ188並びに払出装置182が接続されている。
【0057】
また、制御ユニット181には、貸出操作基板1
90が接続されており、この貸出操作基板1
90には、前述したカード残
額表示部115に対応するカード残
額表示部115’と、メダル貸出ボタン116に対応するメダル貸出ボタンスイッチ116’と、返却ボタン114に対応する返却ボタンスイッチ114’と、メダル切れ
LED118と、が設けられている。
【0058】
更に、制御ユニット181には、前述した第1ロック解除操作部133が接続されており、該第1ロック解除操作部133が操作されることで、筐体101後方に設けられている図示しない第1段階のロック機構が解除されて、該筐体101を所定量(約5センチメートル)だけ、前方に引き出すことが可能となる。
【0059】
次に、メダル貸出機100の動作について簡便に説明する。遊技者がスロットマシン1にて遊技を行う場合、紙幣挿入口110に紙幣を挿入することで、1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から排出され、ノズル150を介してスロットマシン1の下皿5に払い出されるため、これを使用して遊技を行うことができる。また、高額紙幣(2000円、5000円、10000円)が挿入された場合は、受付け中のビジターカードがなければ、1000円分のメダルMが払い出され、残額は新たに発行されるビジターカードに記録され、受付け中のビジターカードまたは会員カードがある場合には、該受付け金額が受付け中のビジターカードまたは会員カードの残額に加算更新される。
【0060】
つまり、本実施例のメダル貸出機100の制御ユニット181においては、紙幣(貨幣)の受付けに応じて遊技用価値であるカード残額に加算する遊技用価値加算処理が実行される。
【0061】
また、受付け中のビジターカードまたは会員カードに1000円分以上のカード残額がある場合は、貸出ボタン116を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、残額が減算更新される。
【0062】
つまり、本実施例のメダル貸出機100においては、遊技用価値であるカード残額を使用して遊技価値であるメダルMを貸出すための貸出処理を実行可能とされている。
【0063】
また、受付け中の会員カードに所定数以上の貯蓄メダルがある場合には、透明タッチパネル119’により遊技者から受付けた暗証番号の認証がOKであることを条件に、再プレイボタン122を押圧することで1000円分のメダルM(例えば、50枚)が払出装置182から払い出され、貯蓄メダル数が減算更新される。
【0064】
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者は返却ボタン114を操作して、受付け中(現金の投入によって発行されたビジターカードを含む)のビジターカードや会員カードを返却させる。
【0065】
尚、本実施例のメダル貸出機100には設けていないが、遊技者がスロットマシン1で獲得したメダルMを計数する計数機能を設けて、該計数した計数メダル数をビジターカードや会員カードに記録したり、或いは、管理装置においてビジターカードや会員カードの(会員)カードIDに対応付けて記憶、管理することで、計数メダル数をビジターカードや会員カードから特定可能として返却するようにしても良い。
【0066】
ここで、シリンダー鍵125やフック部126が利用される状況について説明する。まず、シリンダー鍵125やフック部126を利用する場合には、これらシリンダー鍵125やフック部126は、通常において液晶表示ユニット121が位置する第1回動位置や第2回動位置では、液晶表示ユニット121に前方を覆われているので、まずは、液晶表示ユニット121を第3回動位置に回動させることで、遊技場の店員等がシリンダー鍵125やフック部126をメダル貸出機100の前方側から容易にアクセス可能な状態とする。
【0067】
そして、
図1に示すメダル補給扉鍵131を解錠してメダル補給扉130を開放することで、メダル補給扉130の内方に設けられている第2ロック解除操作部132及び第1ロック解除操作部133を操作可能とする。
【0068】
次いで、第1ロック解除操作部133を操作する。該操作により、前述したように筐体101後方に設けられている図示しない第1段階のロック機構が解除される。第1段階のロック機構の解除後は、引き出し用治具や指をフック部126に引っかけて筐体101を前方に引き出す等の作用を行うことで、筐体101を所定量(約5センチメートル)だけ前方に引き出すことが可能となる。
【0069】
本実施例では、このように筐体101を所定量だけ前方に引き出すことで、筐体101と該筐体101に対して給電を行うための図示しないソケットとの接続が切断されるようになっているため、遊技場の店員等は、筐体101を前方に所定量引き出した状態で、電気的な装置についても、感電等を気にすることなく安全に整備等を行うことが可能となっている。
【0070】
尚、上記した筐体101が所定量だけ前方に引き出された状態では、紙幣識別ユニット180は全体が露出していないため、遊技場の店員等は紙幣識別ユニット180から紙幣を取り出す(回収)ことが不能となっている。
【0071】
また、図示しないソケットと筐体101とは、筐体101を後方に押しこむことで再び接続されるようになっている。更に、図示しないソケットと筐体101との接続が接続された場合は、制御ユニット181における各種設定がリセットされるようになっている。このため、本実施例におけるメダル貸出機100においては、1の施錠解除のみで電源供給を停止させてリセットが可能なので、リセットを容易に行うことができる。
【0072】
筐体101を前方に所定量引き出した後は、シリンダー鍵125を回して解錠するのと同時に、第2ロック解除操作部132を操作することで、筐体101に設けられている図示しない第2段階のロック機構が解除されて、該筐体101を更に前方に最大限引き出すことが可能となる。第2段階のロック機構の解除後は、フック部126に引っかけた引き出し用治具や指を手前に引いて、筐体101を前方に引き出す等の作用を行うことで、筐体101を更に前方に最大限まで引き出すことができる。このように筐体101が更に前方に引き出されることで、紙幣識別ユニット180の貯留部が筐体101の側面から露出する。つまり、遊技場の店員等は、筐体101が更に前方に引き出されることによって、該筐体101の側面から露出する紙幣識別ユニット180の貯留部から紙幣を取り出すことが可能となる。
【0073】
上記したように、本実施例では、筐体101全体を最大限まで引き出すことができる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上部ユニット103のみを最大限まで引き出すことができるものであっても良い。
【0074】
尚、筐体101を格納する場合には、筐体101を押し込むとともに、シリンダー鍵125を施錠し、メダル補給扉130を閉じてメダル補給扉鍵131を施錠すれば良い。
【0075】
上記したように、本実施例では、筐体101内に紙幣識別ユニット180を設け、該紙幣識別ユニット180の貯留部に紙幣を貯留する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダル貸出機100が設置されている遊技島等に紙幣挿入口110から挿入された紙幣を特定の貯留部まで搬送する紙幣搬送機能が備わっている場合は、紙幣識別ユニット180に紙幣が貯留されることはないので、シリンダー鍵125を設けず、第2ロック解除操作部132を操作するのみで、筐体101を最大限前方に引き出し可能としても良い。
【0076】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0077】
例えば、前記実施例では、遊技機の一例として、遊技価値であるメダル(遊技媒体)やクレジット等を用いて遊技を行うスロットマシン1を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ球(遊技媒体)を用いたスロットマシンであっても良いし、パチンコ球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機に対応して設けられ、パチンコ球(遊技媒体)の貸し出しを行う遊技用装置であっても良い。尚、パチンコ球(遊技媒体)の貸し出しは、遊技用装置内部に設けられた払い出し装置から払い出したパチンコ球(遊技媒体)を、供給ノズルを通じて対応するパチンコ遊技機に供給するものであっても良いし、対応するパチンコ遊技機から貸し出すパチンコ球(遊技媒体)を払い出させる機能を備えるものであっても良い。
【0078】
また、前記実施例では、遊技価値であるメダル(遊技媒体)が払い出されるスロットマシン1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、メダル(遊技媒体)等を使用せずに、クレジットやポイント等を使用して遊技を行うことが可能な完全クレジット式のスロットマシンであっても良いし、パチンコ遊技機についても、パチンコ球(遊技媒体)が指触不能に内封された封入式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0079】
また、前記実施例では、作用部の一例として、シリンダー鍵125やフック部126を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらシリンダー鍵125やフック部126以外の部分、例えば、店員が所持するリモコンから送信される赤外線信号等を受信するためのリモコン受光部や、各種の設定を行うための設定画面を表示させる際に操作される設定用操作部や、遊技者が所持する携帯端末に充電するための充電用接続部や、店員の呼び出しボタン、液晶表示パネル119の表示切替ボタンや、再プレイボタン122や、メダルMの計数機能を有するメダル貸出機100である場合には計数したメダル数を払い出すための操作ボタン等の、遊技者が直接若しくは間接的に作用する部分を作用部としても良い。
【0080】
また、前記実施例では、本発明の「所定の状態」として、筐体101を前方に引き出した状態、つまり、メダル貸出機100の物理的な状態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記したリモコン受光部や設定用操作部等を作用部とする場合のように、物理的な状態ではなく、内部の制御状態が通常の制御状態から特定の制御状態(例えば、メンテナンスを行うための状態等)に変化した状態や、通常の処理状態から特別の処理状態(例えば、設定処理等を行う処理状態)に変化した状態であっても良い。
【0081】
また、前記実施例では、遊技機が設置された施設として遊技場を例示しているが、遊技場以外の施設、例えば、ゲームセンター等の施設等であっても良い。
【0082】
また、前記実施例では、本発明における「移動」の一例として液晶表示ユニット121が回動する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶表示パネル119の表示の視認が容易となる位置と、該位置よりも液晶表示パネル119の表示の視認が困難となる位置に移動できるものであれば、どうような移動の形態でも良く、例えば、液晶表示ユニット121が装置内部に格納されて液晶表示パネル119の表示の視認が不能とされる格納位置(第2位置)と、装置前面に突出(露出)した位置(第1位置)にスライド移動可能に設けられていても良く、更には、スライド移動と回動との双方が可能なものであっても良い。
【0083】
また、前記実施例では、第1ロック解除操作部133と第2ロック解除操作部132の双方を機械式スイッチとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの解除操作部の少なくとも一方を電気的スイッチとして、ホールコンピュータやリモコン等からの指示等により、一斉にロック解除を行える様にしても良い。