(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回動部材は、前記ディスクが一方向へ回転すると前記ディスク上の前記シムが入り込む位置に前記凹部が配置される部品係合位置と、前記部品配置部まで前記凹部が移動して前記凹部に入り込んでいた前記シムが前記部品配置部に配置される部品分離位置と、前記ディスクが一方向へ回転すると前記凹部に入り込んでいた前記ディスク上の前記シムが前記凹部から外れる位置に前記凹部が配置される部品解放位置との間で回動可能になっており、
前記部品係合位置にある前記回動部材が一方向へ回動すると、前記回動部材が前記部品分離位置へ移動し、前記部品係合位置にある前記回動部材が他方向へ回動すると、前記回動部材が前記部品解放位置へ移動することを特徴とする請求項1または2記載の部品分離装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
[実施の形態1]
(部品分離装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる部品分離装置1の斜視図である。
図2は、
図1に示す部品分離装置1の側面図である。
図3は、
図1に示す部品分離装置1の平面図である。
【0025】
本形態の部品分離装置1は、複数の部品2の中から所定個数の部品2を取り出せるように部品2を分離する装置である。具体的には、部品分離装置1は、複数の部品2の中から1個の部品2を取り出せるように部品2を分離する装置であり、たとえば、部品2を1個ずつ供給する部品供給システム(図示省略)に搭載されて使用される。この部品供給システムは、部品分離装置1で分離させた部品2を取り出して所定の機器等へ供給する取出装置を備えており、この取出装置は、部品分離装置1で分離させた部品2に上側から近づいて部品2を把持し部品分離装置1から取り上げる。
【0026】
本形態の部品2は、薄板状に形成されたシムである。したがって、以下では、本形態の部品2を「シム2」と表記する。シム2は、たとえば、ステンレス鋼等の薄鋼板によって形成されている。本形態のシム2は、円環状に形成されており、たとえば、座金として使用される。シム2の厚さは、非常に薄くなっている。たとえば、シム2の厚さは、0.1mm以下となっている。以下の説明では、
図3等のX1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側とする。また、以下の説明では、
図3の時計回りの方向を「時計方向」とし、
図3の反時計回りの方向を「反時計方向」とする。
【0027】
部品分離装置1は、分離前の複数のシム2が上面に供給される円板状のディスク4と、上下方向を回転の軸方向としてディスク4を回転させる回転機構5(
図2参照)と、ディスク4よりも上側に配置されるガイド部材6と、ガイド部材6が固定される固定部材7と、固定部材7を下側から支持する支持部材8とを備えている。また、部品分離装置1は、上下方向を回動の軸方向として回動する回動部材としての回動板10と、回動板10を回動させる回動機構としての回転式のエアシリンダ11(以下、「ロータリーシリンダ11」とする。)と、回動板10を位置決めするための直動式のエアシリンダ12とを備えている。
【0028】
(部品分離装置の具体的な構成)
図4は、
図2に示す回転機構5の構成を側面から説明するための図である。
図5は、
図2に示す回転機構5の構成を上面から説明するための図である。
図6は、
図3に示す部品分離装置1からガイド部材6を取り外した状態の平面図である。
図7(A)は、
図6に示す回動板10を下面側から示す斜視図であり、
図7(B)は、
図6のG部の、回動板10を取り外すとともにシム2を取り除いた状態の図である。
図8は、
図6のH−H断面の断面図である。
図9は、
図1に示す部品分離装置1の動作を説明するための図である。
【0029】
ディスク4は、薄板状に形成されている。回転機構5は、モータ13と、モータ13の出力軸13aに固定される偏心部材14と、偏心部材14に取り付けられる歯車部材15とを備えている。モータ13は、ステッピングモータまたはサーボモータである。このモータ13は、モータ13の出力軸13aが上側へ突出するように支持部材8に固定されている。
【0030】
偏心部材14は、厚さの厚い円板状に形成されており、偏心部材14の厚さ方向と上下方向とが一致するように配置されている。偏心部材14の下面側には、
図4に示すように、モータ13の出力軸13aが挿入されて固定される固定孔14aが形成されている。固定孔14aは、偏心部材14の中心に形成されている。また、偏心部材14の上面側には、偏心部材14の上面から下側に向かって窪む凹部14bが形成されている。凹部14bは、上下方向から見たときの形状が円形状となるように形成されており、凹部14bの側面は円筒面となっている。凹部14bの中心は、偏心部材14の中心からずれており、上下方向から見たときに、固定孔14aの中心と凹部14bの中心とがずれている。固定孔14aは、偏心部材14の下面から凹部14bに通じるように形成されている。
【0031】
歯車部材15は、
図4に示すように、偏心部材14の凹部14bに挿入される円柱状の軸部15aと、軸部15aの上端に繋がる円板状の外歯車15bと、外歯車15bの上面から上側に突出する突起部15cとを備えている。軸部15aは、歯車部材15の中心に形成されている。この軸部15aは、偏心部材14に対して軸部15aを回転の中心とする歯車部材15の回転が可能となるように、凹部14bに挿入されている。すなわち、歯車部材15は、偏心部材14に相対回転可能に保持されている。外歯車15bの外周面には、
図5に示すように複数の歯が形成されている。上下方向から見たときに外歯車15bの中心と軸部15aの中心とは一致している。なお、
図5では、突起部15cの図示を省略している。
【0032】
突起部15cは、ディスク4の中心に形成される貫通孔に挿通されている。この突起部15cは、上下方向から見たときに突起部15cの中心と軸部15aの中心とが一致するように形成されている。すなわち、上下方向から見たときに、ディスク4の中心と、軸部15aの中心および外歯車15bの中心とが一致している。突起部15cの上端側には、円板状に形成される円板部材16が固定されている。ディスク4は、ディスク4の上面側に配置される円板部材16と外歯車15bとの間に挟まれた状態で歯車部材15に固定されており、歯車部材15を介して偏心部材14に相対回転可能に保持されている。
【0033】
固定部材7は、略長方形の平板状に形成されており、固定部材7の厚さ方向と上下方向とが一致するように支持部材8の上端に固定されている。固定部材7には、上下方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面は、
図5に示すように、外歯車15bと噛み合う内歯車7aとなっている。上下方向から見たときに、内歯車7aの中心は、モータ13の出力軸13aの中心C2と一致している。内歯車7aのピッチ円径は、外歯車15bのピッチ円径よりも大きくなっており、外歯車15bの一部と内歯車7aの一部とが噛み合っている。
【0034】
固定部材7の上面には、ディスク4が配置される円形状の凹部7b(
図6参照)が形成されている。すなわち、固定部材7の上面側には、ディスク4の外周面を囲むように配置される環状の外環部7cが凹部7bの底面から上側に向かってわずかに突出するように形成されており、外環部7cの内周面は、上下方向から見たときの形状が円形状になるように形成されている。上下方向から見たときに、凹部7bの中心(すなわち、外環部7cの内周面の中心)は、モータ13の出力軸13aの中心C2と一致している。外環部7cの内径は、ディスク4の外径よりも大きくなっている。凹部7bの窪み量は、ディスク4の厚さとほぼ等しくなっており、上下方向におけるディスク4の上面の位置と外環部7cの上面の位置とはほぼ等しくなっている。
【0035】
上述のように、上下方向から見たときに、モータ13の出力軸13aが挿入されて固定される固定孔14aの中心と、歯車部材15の軸部15aが挿入される凹部14bの中心とがずれている。また、上下方向から見たときに、ディスク4の中心と、軸部15aの中心および外歯車15bの中心とが一致しており、上下方向から見たときに、偏心部材14に対するディスク4の回転中心C1とディスク4の中心とが一致している。また、上下方向から見たときに、偏心部材14に対するディスク4の回転中心C1とモータ13の出力軸13aの中心C2とがずれている。また、上下方向から見たときに、固定部材7の外環部7cの内周面の中心および内歯車7aの中心と、モータ13の出力軸13aの中心C2とが一致している。さらに、ディスク4は、歯車部材15を介して偏心部材14に相対回転可能に保持され、外歯車15bよりもピッチ円径の大きい内歯車7aの一部に外歯車15bの一部が噛み合っている。
【0036】
そのため、本形態では、モータ13が回転して偏心部材14が回転すると、ディスク4および歯車部材15は、外歯車15bと内歯車7aとの噛み合い位置を変えながら偏心部材14に対して相対回転し、ディスク4は、外環部7cの内周面に沿って、モータ13の出力軸13aに対して偏心揺動回転をする。
【0037】
固定部材7の上面の前端側には、分離される1枚のシム2が配置される部品配置部7dが形成されている。部品配置部7dは、固定部材7の上面から下側に向かってわずかに窪むように形成された凹部である。また、部品配置部7dは、固定部材7の前端から後ろ側に向かって形成されており、ディスク4が配置される凹部7bよりも前側に配置されている。すなわち、部品配置部7dは、ディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されている。上下方向から見たときの部品配置部7dの後端の形状は半円弧状となっている。
【0038】
回動板10は、平板状に形成されている。具体的には、回動板10は、略円板状に形成されている。回動板10の外径は、ディスク4の外径よりも小さくなっている。たとえば、回動板10の外径は、ディスク4の外径の半分程度となっている。ロータリーシリンダ11は、ロッド11a(
図2参照)が上側へ突出するように支持部材8に固定されている。ロッド11aの上端側は、円筒状に形成される固定用ボス(図示省略)の内周面に固定されている。固定部材7の右前端側には、この固定用ボスが挿通される貫通孔7e(
図7(B)参照)が形成されており、固定用ボスは、貫通孔7eに取り付けられる軸受(図示省略)に回動可能に支持されている。貫通孔7eは、ディスク4が配置される凹部7bよりも右前側に形成されている。なお、固定用ボスは、後述のネジ保持部材23に取り付けられる軸受(図示省略)にも回動可能に支持されている。
【0039】
回動板10の中心部分は、回動板10の上面側に配置される円板状の円板部材18と固定用ボスとの間に挟まれた状態で固定用ボスに固定されており、回動板10の回動中心は、ディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されている。また、回動板10の回動中心は、部品配置部7dの右後ろ側に配置されている。回動板10の一部分は、ディスク4の径方向の外側部分の上側に配置されており、ディスク4の径方向の外側部分と上下方向で重なっている。具体的には、回動板10の左後端側部分は、ディスク4の右前端側部分の上側に配置されており、ディスク4の右前端側部分と上下方向で重なっている。
【0040】
回動板10の左後端側部分の下面は、ディスク4の右前端側部分の上面に接触している。あるいは、回動板10の左後端側部分の下面とディスク4の右前端側部分の上面との間には、シム2の厚さよりも小さな隙間(具体的には、シム2が入り込まない隙間)が形成されている。なお、回動板10の、ディスク4の上側に配置されていない部分は、外環部7cの上側に配置されており、外環部7cと上下方向で重なっている。
【0041】
回動板10には、部品配置部7dに配置されたシム2を取出装置で取り上げる際の、取出装置と回動板10との干渉を避けるための切欠き部10aと、回動板10の回動範囲を規制するための切欠き部10bとが形成されている。切欠き部10a、10bは、回動板10の外周面から径方向の内側へ窪むように形成されている。切欠き部10aと切欠き部10bとは、回動板10の周方向において互いにずれた位置に形成されている。また、回動板10の周方向における切欠き部10bの両側は、エアシリンダ12のロッド12aが当接可能な円弧状の当接面10cとなっている(
図6参照)。
【0042】
回動板10の下面には、ディスク4の上面に載っている1枚のシム2の一部分が入り込む凹部10dが形成されている。凹部10dは、回動板10の下面から上側に向かってわずかに窪むように形成されている。また、凹部10dは、回動板10の、切欠き部10a、10bが形成されていない部分の外周面(すなわち、水平方向における回動板10の端面)から回動板10の回動中心に向かって形成されている。本形態の凹部10dは、ディスク4の上面に載っている1枚のシム2の一部分が係合する係合部である。
【0043】
上下方向から見たときの凹部10dの形状は、略半円状となっている。上下方向から見たときの凹部10dの曲率半径は、シム2の外周面の半径とほぼ等しくなっている。回動板10の下面からの凹部10dの窪み量(上側への窪み量)は、シム2の厚さとほぼ等しくなっている。上下方向から見たときに、回動板10の、凹部10dが形成されている部分の半径は、回動板10の回動中心と半円弧状に形成される部品配置部7dの後端部分の曲率中心との距離とほぼ等しくなっている。
【0044】
エアシリンダ12は、ピンシリンダである。このエアシリンダ12は、ロータリーシリンダ11に固定される固定板19に固定されており、ロータリーシリンダ11の右側に配置されている。また、エアシリンダ12は、ロッド(ピン)12aが上側に向かって突出するように固定板19に固定されている。固定部材7の右前端側には、ロッド12aが挿通される貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0045】
エアシリンダ12に圧縮空気が供給されていない状態では、ロッド12aの上端側部分は、固定部材7の上面(具体的には、外環部7cの上面)よりも上側に突出しており、回動板10の切欠き部10bの中に配置されている。本形態では、通常、ロッド12aの上端側部分は、切欠き部10bの中に配置されている。この状態で、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板10が時計方向へ回動すると、切欠き部10bの反時計方向側に配置される当接面10cにロッド12aが当接して、時計方向において回動板10が位置決めされる(
図6、
図9(A)、(B)参照)。また、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板10が反時計方向へ回動すると、切欠き部10bの時計方向側に配置される当接面10cにロッド12aが当接して、反時計方向において回動板10が位置決めされる(
図9(C)参照)。
【0046】
本形態では、切欠き部10bの反時計方向側に配置される当接面10cにロッド12aが当接している位置に回動板10があるときに、凹部10dは、ディスク4の径方向において、ディスク4の外周面よりもわずかに内側に配置されるとともに、凹部10dの開口は、ディスク4の周方向における時計方向側(具体的には、左側)を向いている。そのため、切欠き部10bの反時計方向側に配置される当接面10cにロッド12aが当接している位置に回動板10があるときに、ディスク4が反時計方向へ回転すると(具体的には、反時計方向へ偏心揺動回転すると)、
図9(B)に示すように、ディスク4上のシム2が凹部10dに入り込む。また、この状態から、切欠き部10bの時計方向側に配置される当接面10cにロッド12aが当接する位置まで回動板10が反時計方向に回動すると、
図9(C)に示すように、凹部10dに入り込んでいたシム2が部品配置部7dに配置される。
【0047】
一方、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されると、切欠き部10bから外れる位置までロッド12aが下降する。ロッド12aが下降した状態でロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板10が時計方向へ回動すると、
図9(D)に示すように、
図9(A)、(B)に示す位置よりもさらに時計方向へ回動板10が回動する。
図9(D)に示す状態では、凹部10dは、凹部10dの開口がディスク4の中心を向くように配置されており、ディスク4が反時計方向へ回転すると、凹部10dに入り込んでいたディスク4上のシム2が凹部10dから外れる(
図9(D)参照)。なお、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されていないときに、ロッド12aが下降し、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されたときに、ロッド12aが上昇しても良い。
【0048】
このように本形態では、回動板10は、ディスク4が反時計方向へ回転するとディスク4上のシム2が入り込む(係合する)位置に凹部10dが配置される部品係合位置10A(
図9(A)、(B)参照)と、部品配置部7dまで凹部10dが移動して凹部10dに入り込んでいたシム2が部品配置部7dに配置される部品分離位置10B(
図9(C)参照)と、ディスク4が反時計方向へ回転すると凹部10dに入り込んだディスク4上のシム2が凹部10dから外れる位置に凹部10dが配置される部品解放位置10C(
図9(D)参照)との間で回動可能になっている。また、本形態では、部品係合位置10Aにある回動板10が反時計方向へ回動すると、回動板10が部品分離位置10Bへ移動し、部品係合位置10Aにある回動板10が時計方向へ回動すると、回動板10が部品解放位置10Cへ移動する。
【0049】
ディスク4の下側には、ディスク4を押し上げることで、凹部10dの上面とディスク4の上面との隙間を調整する押上機構20が配置されている。押上機構20は、部品係合位置10Aに回動板10があるときの凹部10dの下側に配置されている。この押上機構20は、
図8に示すように、ディスク4の下面に接触してディスク4を押し上げる円柱状の押上部材21と、押上部材21を昇降させるネジ22とを備えている。ネジ22は、固定部材7の下面に固定されるネジ保持部材23に保持されている。ネジ保持部材23には、ネジ22の外周面に形成されるオネジが係合するメネジが形成されている。
【0050】
押上部材21は、樹脂で形成されている。固定部材7には、押上部材21の上端側部分が配置される貫通孔が形成されており、押上部材21の上端面は、ディスク4の下面に接触している。押上部材21の下端面には、ネジ22の上端側が挿入される凹部21aが形成されており、凹部21aの上面とネジ22の上端面とが当接している。凹部10dの上面とディスク4の上面との隙間は、ネジ保持部材23に対するネジ22のねじ込み量によって調整されている。
【0051】
ガイド部材6は、固定部材7よりも厚い略長方形の平板状に形成されており、ガイド部材6の厚さ方向と上下方向とが一致するように固定部材7に固定されている。ガイド部材6の下面は、固定部材7の外環部7cの上面に当接している。上下方向から見たときのガイド部材6の外形は、固定部材7の外形とほぼ一致している。ガイド部材6には、上下方向に貫通する円形状の貫通孔6aが形成されている。上下方向から見たときの貫通孔6aの中心は、モータ13の出力軸13aの中心C2と一致している。また、貫通孔6aの内径は、固定部材7の外環部7cの内周面の内径よりも小さくなっている。
【0052】
ガイド部材6の前端側には、部品配置部7dに配置されたシム2を取り出すための切欠き部6bが形成されている。切欠き部6bは、ガイド部材6の前端面から後ろ側に向かって形成されるとともに、上下方向でガイド部材6を貫通するように形成されており、部品配置部7dに配置されたシム2を上側へ取り出すことが可能になっている。
図3に示すように、切欠き部6bは、上下方向から見たときの形状がガイド部材6の前端面を底辺とする略二等辺三角形状となるように形成されている。
【0053】
ガイド部材6の下面には、回動板10とガイド部材6との接触を防止するための凹部6eが形成されている(
図2、
図3参照)。凹部6eは、ガイド部材6の下面から上側に向かって窪むように形成されている。ガイド部材6の下面からの凹部6eの窪み量は、回動板10の厚さとほぼ等しくなっている。また、ガイド部材6の下面には、ディスク4とガイド部材6との接触を防止するための凹部6dが貫通孔6aを囲むように形成されている(
図3参照)。凹部6dは、ガイド部材6の下面から上側に向かってわずかに窪むように形成されており、ガイド部材6の下面からの凹部6dの窪み量は、シム2の厚さとほぼ等しくなっている。
【0054】
ガイド部材6の、貫通孔6aと切欠き部6bとの間の部分には、
図3に示すように、凹部10dに一部分が入り込んだ状態で部品配置部7dに向かって移動するシム2を案内するガイド溝6cが形成されている。すなわち、ディスク4と部品配置部7dとの間にガイド溝6cが形成されている。ガイド溝6cは、ガイド部材6の下面から上側に向かってわずかに窪むように形成されている。このガイド溝6cは、上下方向から見たときの形状が回動板10の回動中心を曲率中心とする円弧状となるように形成されており、凹部6eの左端側部分に沿って形成されている。ガイド溝6cの一端は、貫通孔6aに通じており、ガイド溝6cの他端は、切欠き部6bに通じている。ガイド部材6の下面からのガイド溝6cの窪み量は、シム2の厚さとほぼ等しくなっている。
【0055】
(部品分離装置の動作)
部品分離装置1では、ディスク4上に複数のシム2が供給されると、ディスク4上で複数のシム2がばらけるように、ディスク4が時計方向および反時計方向へ偏心揺動回転をする。このときには、回動板10は、部品係合位置10Aに配置されている。また、ディスク4は、最終的に回動板10の凹部10dに1枚のシム2の一部分が入り込むように反時計方向へ偏心揺動回転をする。
図9(B)に示すように、1枚のシム2の一部分が凹部10dに入り込むと、回動板10は、反時計方向へ回動して部品分離位置10Bに移動する。
【0056】
部品分離位置10Bに回動板10が移動すると、
図9(C)に示すように、凹部10dに入り込んでいたシム2は、部品配置部7dの後端側部分に配置される。すなわち、ディスク4上のシム2の一部分が凹部10dに係合している状態で回動板10が回動すると、1枚のシム2が部品配置部7dに配置される。具体的には、ディスク4上のシム2の一部分が凹部10dに入り込んでいる状態で回動板10が回動すると、ディスク4上に配置されていた1枚のシム2が、ディスク4よりも外周側に配置された部品配置部7dに配置される。部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10が回動するときには、一部分が凹部10dに入り込んでいるシム2は、ガイド溝6cを通過する。回動板10が部品分離位置10Bに移動して、部品配置部7dの後端側部分にシム2が配置されると、回動板10は、時計方向へ回動して部品係合位置10Aに移動する。
【0057】
なお、シム2の一部分が凹部10dに入ったのか否かは、たとえば、ディスク4の上側に配置される検知機構(図示省略)によって検知される。また、部品係合位置10Aから部品分離位置10Bに回動板10が移動して部品配置部7dにシム2が配置された後、回動板10が再び、部品係合位置10Aに戻ると、部品配置部7dに配置されたシム2を取出装置が取り上げる。このときには、切欠き部10aによって、取出装置と回動板10との干渉が防止される。
【0058】
また、たとえば、凹部10dへのシム2の入り込み方が適切でなくて、部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10が回動するときにシム2がガイド溝6cに引っ掛かり、回動板10が部品分離位置10Bまで回動しないときには、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されてロッド12aが下降するとともに、
図9(D)に示すように、回動板10が時計方向へ回動して回動板10が部品解放位置10Cへ移動する。回動板10が部品解放位置10Cに配置された状態で、ディスク4が反時計方向へ回転すると、凹部10dに入り込んでいたシム2が凹部10dから外れる。
【0059】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ディスク4上のシム2の一部分が凹部10dに入り込んでいる状態で回動板10が回動すると、1枚のシム2が部品配置部7dに配置される。すなわち、本形態では、分離される1枚のシム2が部品配置部7dまで回動板10によって運ばれるため、分離されるシム2(すなわち、部品配置部7dに配置されるシム2)に続くように、分離されるシム2以外のシム2が部品配置部7dに配置されるのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、複数のシム2の中から1枚のシム2を取り出せるように、シム2を確実に分離することが可能になる。
【0060】
特に本形態では、部品配置部7dがディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されており、ディスク4上のシム2の一部分が凹部10dに入り込んでいる状態で回動板10が回動すると、ディスク4上に配置されていた1枚のシム2がディスク4の外周面よりも外周側に配置された部品配置部7dに配置される。そのため、本形態では、分離されるシム2以外のディスク4上のシム2が部品配置部7dに配置されるのを確実に防止することが可能になる。したがって、本形態では、複数のシム2の中から1枚のシム2を取り出せるように、シム2をより確実に分離することが可能になる。
【0061】
また、本形態では、シム2の一部分が入り込む凹部10dが回動板10に形成されるとともに、ディスク4上のシム2の一部分が凹部10dに入り込んでいる状態で回動板10が回動すると、ディスク4上に配置されていた1枚のシム2が部品配置部7dに配置される。そのため、本形態では、シム2の厚さがたとえば、0.1mm以下と非常に薄くなっており、かつ、シム2の端面にバリ等が発生していても、比較的容易な構成で、1枚のシム2を分離することが可能になる。すなわち、本形態では、凹部10dが精度良く形成されていれば、端面にバリ等が発生している非常に薄いシム2の凹部10dでの重なり等を防止して、1枚のシム2を分離することが可能になるため、シム2の厚さが非常に薄く、かつ、シム2の端面にバリ等が発生していても、比較的容易な構成で、1枚のシム2を分離することが可能になる。
【0062】
本形態では、ディスク4の下側に、凹部10dの上面とディスク4の上面との隙間を調整する押上機構20が配置されている。そのため、本形態では、凹部10dの上面とディスク4の上面との隙間を微調整することが可能になる。したがって、本形態では、シム2の厚さが非常に薄い場合であっても、凹部10dの上面とディスク4の上面との隙間を適切に設定して、凹部10dに1枚ずつ確実にシム2の一部分を入れることが可能になる。
【0063】
本形態では、たとえば、部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10が回動するときにシム2がガイド溝6cに引っ掛かると、回動板10が時計方向へ回動して回動板10が部品解放位置10Cへ移動する。また、本形態では、回動板10が部品解放位置10Cに配置された状態でディスク4が反時計方向へ回転すると、凹部10dに入り込んだディスク4上のシム2が凹部10dから外れる。そのため、本形態では、たとえば、ガイド溝6cでシム2の引っ掛かりが発生したときに、凹部10dからシム2を外すことが可能になる。
【0064】
[実施の形態2]
(部品分離装置の構成)
図10は、本発明の実施の形態2にかかる部品分離装置31の斜視図である。
図11は、
図10に示す部品分離装置31で分離される部品32を示す図である。
図12は、
図10に示す部品分離装置31の平面図である。
図13は、
図12のJ部の構成を説明するための拡大図である。
図14は、
図10に示す部品回動機構43を反対側から示す斜視図である。
図15は、
図10に示す部品分離装置31の動作を説明するための図である。
【0065】
実施の形態1では、部品分離装置1で分離される部品2はシムであるが、実施の形態2の部品分離装置31で分離される部品32は、
図11に示すように、軸状に形成される軸部材である。したがって、以下では、本形態の部品32を「軸部材32」とする。軸部材32は、軸部材32の軸方向の中心に対して非対称に形成されている。たとえば、軸部材32は、一端側の外径が他端側の外径よりも小さくなっている細長い略円柱状に形成されている。
【0066】
具体的には、軸部材32は、
図11(A)に示すように、軸部材32の一端側に配置される小径部32aと、軸部材32の他端側に配置されるとともに小径部32aと同軸上に配置され小径部32aよりも外径の大きい大径部32bとから構成される細長い段付きの円柱状に形成されている。あるいは、軸部材32は、
図11(B)に示すように、軸部材32の一端側に配置される小径部32cと、軸部材32の他端側に配置されるとともに小径部32cと同軸上に配置され小径部32cよりも外径の大きい大径部32dと、小径部32cおよび大径部32dと同軸上に配置され小径部32cと大径部32dとを繋ぐ細長い円錐台状の接続部32eとから構成される細長い略円柱状に形成されている。
【0067】
以下では、
図11(A)に示す軸部材32を分離する部品分離装置31の構成を説明する。ただし、
図11(B)に示す軸部材32を分離する場合であっても、部品分離装置31は、以下で説明する部品分離装置31と同様に構成される。また、以下では、実施の形態1の部品分離装置1の構成と共通する部品分離装置31の構成については、共通の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0068】
部品分離装置31は、部品分離装置1と同様に、分離前の複数の軸部材32が上面に供給される円板状のディスク4と、回転機構5と、ディスク4よりも上側に配置されるガイド部材36と、ガイド部材36が固定される固定部材37と、固定部材37を下側から支持する支持部材8と、上下方向を回動の軸方向として回動する回動部材としての回動板40と、回動板40を回動させるロータリーシリンダ11と、回動板40を位置決めするためのエアシリンダ12とを備えている。
【0069】
また、部品分離装置31は、回動板40に形成される後述の溝部40dに一部分が入り込んだ(係合した)軸部材32の向きを検知するための検知機構41、42と、固定部材37に形成される後述の部品配置部37dに配置された軸部材32を把持して回動させる部品回動機構43とを備えている。なお、部品分離装置31は、押上機構20を備えていない。また、
図12では、検知機構41、42の図示を省略している。
【0070】
固定部材37は、略長方形の平板状に形成されており、固定部材37の厚さ方向と上下方向とが一致するように支持部材8の上端に固定されている。固定部材37には、固定部材7と同様に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面は、外歯車15bと噛み合う内歯車となっている。この内歯車は、固定部材7の内歯車7aと同様に形成されている。固定部材37の上面には、固定部材7の凹部7bと同様の凹部が形成されるとともに、外環部7cと同様の外環部が形成されている。本形態でも、モータ13が回転して偏心部材14が回転すると、ディスク4は、固定部材37の外環部の内周面に沿って、モータ13の出力軸13aに対して偏心揺動回転をする。
【0071】
固定部材37の前端側には、部品回動機構43を配置するための切欠き部37aが形成されている。切欠き部37aは、固定部材37の前端から後ろ側に向かって形成されるとともに、左右方向における固定部材37の略中心位置に形成されている。固定部材37の、切欠き部37aの後ろ側に配置される端面は、前後方向に直交する平面状の直交面と、直交面の上端に繋がるとともに上側に向かうにしたがって後ろ側へ向かうように傾斜する平面状の傾斜面とから構成されている。本形態では、この傾斜面が、分離される1個の軸部材32が配置される部品配置部37dとなっている。部品配置部37dは、ディスク4が配置される凹部よりも前側に配置されており、ディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されている。
【0072】
回動板40は、平板状に形成されている。具体的には、回動板40は、略半円板状に形成されている。回動板40の曲率半径は、ディスク4の半径よりも小さくなっている。たとえば、回動板40の曲率半径は、ディスク4の半径の半分程度となっている。固定部材37の右前端側には、固定部材7と同様に、ロータリーシリンダ11のロッド11aが内周面に固定される固定用ボスが挿通される貫通孔が形成されている。この貫通孔は、ディスク4が配置される凹部よりも右前側に形成されている。回動板40は、円板部材18と固定用ボスとの間に挟まれた状態で固定用ボスに固定されており、回動板40の回動中心は、ディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されている。また、回動板40の回動中心は、部品配置部37dの右側に配置されている。なお、回動板40は、円板状に形成されていても良い。
【0073】
回動板40の一部分は、ディスク4の径方向の外側部分の上側に配置されており、ディスク4の径方向の外側部分と上下方向で重なっている。具体的には、回動板40の左後端側部分は、ディスク4の右前端側部分の上側に配置されており、ディスク4の右前端側部分と上下方向で重なっている。回動板40には、回動板40の回動範囲を規制するための円弧状の規制溝部40bが形成されている。規制溝部40bは、回動板40の回動中心を曲率中心とする円弧状に形成されている。また、規制溝部40bは、上下方向で回動板40を貫通するように形成されている。また、規制溝部40bは、回動板40の反時計方向端側に形成されている。
【0074】
回動板40には、ディスク4の上面に載っている1個の軸部材32の一部分が入り込むスリット状の溝部40dが形成されている。溝部40dは、回動板40の外周面(すなわち、水平方向における回動板40の端面)から回動板40の回動中心に向かって形成されている。また、溝部40dは、上下方向で回動板40を貫通するように形成されている。また、溝部40dは、回動板40の時計方向端側に形成されており、規制溝部40bとの間に回動板40の回動中心を挟むように配置されている。溝部40dは、回動板40の径方向の外側に配置される第1溝部40eと、回動板40の径方向における第1溝部40eの内側端に繋がる第2溝部40fとから構成されている。本形態の溝部40dは、ディスク4の上面に載っている1個の軸部材32の一部分が係合する係合部である。
【0075】
回動板40の径方向に直交する方向における第1溝部40eの幅は、この方向における第2溝部40fの幅よりも広くなっている。すなわち、回動板40の回動中心側の溝部40dの幅は、回動板40の外周面側(水平方向における回動板40の端面側)の溝部40dの幅よりも狭くなっている。また、回動板40の径方向に直交する方向における第1溝部40eの中心とこの方向における第2溝部40fの中心とは一致している。回動板40の径方向に直交する方向における第1溝部40eの幅は、軸部材32の大径部32bの外径よりもわずかに大きくなっており、この方向における第2溝部40fの幅は、小径部32aの外径よりもわずかに大きくなっている。また、回動板40の径方向における第2溝部40fの長さは、小径部32aの長さよりも短くなっている。
【0076】
そのため、
図13(A)に示すように、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込む場合には、軸部材32の小径部32a側の端面は、回動板40の径方向における溝部40dの内側端まで到達する。一方、
図13(B)に示すように、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込む場合には、軸部材32の大径部32b側の端面は、第1溝部40eと第2溝部40fとの境界に形成される段差面までしか到達しない。
【0077】
このように本形態では、小径部32a側から溝部40dに軸部材32が入り込む場合には、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されるが、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込む場合には、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されない。すなわち、本形態では、軸部材32の一端側から溝部40dに軸部材32が入り込んだときの軸部材32の一端の位置と、軸部材32の他端側から溝部40dに軸部材32が入り込んだときの軸部材32の他端の位置とがずれている。なお、回動板40の左後端側部分の下面とディスク4の上面との隙間、および、回動板40の厚さは、溝部40dの中に軸部材32の一部分が入り込んで
図13に示す状態となるように設定されている。
【0078】
エアシリンダ12に圧縮空気が供給されておらず、ロッド12aが上側に突出している状態では、ロッド12aの上端側部分は、規制溝部40bの中に配置されている。この状態で、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板40が時計方向へ回動すると、規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接して、時計方向において回動板40が位置決めされる(
図15(A)参照)。また、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板40が反時計方向へ回動すると、規制溝部40bの時計方向端にロッド12aが当接して、反時計方向において回動板40が位置決めされる(
図15(B)参照)。
【0079】
ガイド部材36は、略長方形の平板状に形成されており、ガイド部材36の厚さ方向と上下方向とが一致するように固定部材37に固定されている。ガイド部材36の下面は、固定部材37の外環部の上面に当接している。上下方向から見たときのガイド部材36の外形は、固定部材37の外形とほぼ一致している。ガイド部材36には、上下方向に貫通する貫通孔36aが形成されている。貫通孔36aの内周面の、前端側部分を除いた部分は、上下方向から見たときの形状が円弧状となる曲面部36bとなっている。上下方向から見たときの曲面部36bの曲率中心は、モータ13の出力軸13aの中心C2と一致している。また、曲面部36bの曲率半径は、固定部材37の外環部の内周面の半径よりも小さくなっている。
【0080】
貫通孔36aの内周面の、前端側部分は、上下方向から見たときの形状が直線状となる2個の平面部36c、36dによって構成されている。平面部36cは、右側に向かうにしたがって後ろ側へ向かうように傾斜する平面状に形成されており、平面部36cの右後端は、曲面部36bの時計方向端に繋がっている。平面部36dは、左側に向かうにしたがって後ろ側へ向かうように傾斜する平面状に形成されており、平面部36dの左後端は、曲面部36bの反時計方向端に繋がり、平面部36dの右前端は、平面部36cの左前端に繋がっている。平面部36cと平面部36dとの境界部は、左右方向におけるガイド部材36の中心よりも左側に配置されている。
【0081】
ガイド部材36の右前端側には、回動板40および部品回動機構43を配置するための切欠き部36eが形成されている。切欠き部36eは、回動板40の全体が露出するように形成されている。また、切欠き部36eは、回動板40が後述の部品係合位置40Aにあるときに、部品配置部37dが露出するように形成されており、部品配置部37dに配置された軸部材32を上側へ取り出すことが可能になっている。
【0082】
貫通孔36aと切欠き部36eとの間には、ディスク4上の軸部材32を回動板40の溝部40dへ案内するためのガイド溝36fが形成されている(
図12参照)。ガイド溝36fは、平面部36cと平面部36dとの境界部から右前側に伸びる直線状に形成されている。このガイド溝36fは、ガイド部材36の下面から上側に向かって窪むように形成されている。ガイド溝36fの幅は、軸部材32の大径部32bの外径よりもわずかに大きくなっている。ガイド溝36fは、回動板40が後述の部品係合位置40Aにあるときに、ディスク4上の軸部材32を溝部40dへ案内する機能を果たしている。
【0083】
なお、回動板40が後述の部品係合位置40Aにあるときには、
図12に示すように、ガイド溝36fと溝部40dとの間に隙間が形成されている。ガイド部材36の、切欠き部36eが形成されている部分の端面の一部分は、ガイド溝36fと溝部40dとの間で軸部材32を案内するガイド面36gとなっている。ガイド面36gは、ガイド溝36fの右前端に繋がるように形成されている。
【0084】
本形態では、規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接している位置に回動板40があるときに、溝部40dは、ディスク4上に配置されるとともにガイド溝36fの延長線上に配置されている。そのため、規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接している位置に回動板40があるときに、ディスク4が反時計方向へ回転すると(具体的には、反時計方向へ偏心揺動回転すると)、
図15(A)に示すように、ディスク4上の軸部材32が溝部40dに入り込む。また、この状態から、規制溝部40bの時計方向端にロッド12aが当接する位置まで回動板10が反時計方向へ回動すると、
図15(B)に示すように、溝部40dに入り込んでいた軸部材32が部品配置部37dに配置される。
【0085】
このように本形態では、回動板40は、ディスク4が反時計方向へ回転するとディスク4上の軸部材32が入り込む(係合する)位置に溝部40dが配置される部品係合位置40A(
図15(A)参照)と、部品配置部37dまで溝部40dが移動して溝部40dに入り込んでいた軸部材32が部品配置部37dに配置される部品分離位置40B(
図15(B)参照)との間で回動可能になっている。
【0086】
検知機構41、42は、発光素子と受光素子とを有する反射型の光学式センサである。たとえば、検知機構41、42は、反射型のファイバセンサである。この検知機構41、42は、ガイド部材36よりも上側に配置されている。検知機構41、42は、部品係合位置40Aに回動板40があるときに、溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きを検知する。検知機構41は、たとえば、回動板40の径方向における溝部40dの外側端に軸部材32の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置されている。検知機構42は、第2溝部40fに軸部材32の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置されている。なお、検知機構41、42は、近接センサであっても良い。
【0087】
上述のように、小径部32a側から溝部40dに軸部材32が入り込むと、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されるが、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込むと、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されない。そのため、検知機構41で軸部材32の一部分が検知されているにもかかわらず、検知機構42で軸部材32の一部分が検知されていない場合には、
図13(B)に示すように、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知される。一方、検知機構41および検知機構42の両方で軸部材32の一部分が検知されている場合には、
図13(A)に示すように、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知される。
【0088】
部品回動機構43は、
図14に示すように、軸部材32を把持する把持部材46と、把持部材46を回動可能に支持する支持部材47と、把持部材46を回動させるモータ48と、モータ48の動力を把持部材46に伝達する動力伝達機構49とを備えている。モータ48は、ステッピングモータである。動力伝達機構49は、たとえば、複数の歯車によって構成されている。支持部材47は、固定部材37の前端側に固定されている。動力伝達機構49を介してモータ48の動力が把持部材46に伝達されると、把持部材46は、水平方向を回動の軸方向として回動する。具体的には、動力伝達機構49を介してモータ48の動力が把持部材46に伝達されると、把持部材46は、前後方向を回動の軸方向として回動する。なお、
図12では、モータ48および動力伝達機構49の一部分の図示を省略している。
【0089】
把持部材46は、傾斜面である部品配置部37dに配置された軸部材32が転がり落ちて把持部材46に載置される載置位置と、載置位置で把持部材46に載置されて把持された軸部材32を一方向へ90°回動させて直立させる第1直立位置と、載置位置で把持部材46に載置されて把持された軸部材32を他方向へ90°回動させて直立させる第2直立位置との間で回動可能となっている。把持部材46は、把持部材46が載置位置にあるときに、部品配置部37dの前側かつ下側に配置される載置部46aを備えている(
図14参照)。
【0090】
載置部46aは、たとえば、U溝状に形成されている。把持部材46が載置位置にあるときに部品配置部37dに軸部材32が配置されると、傾斜面である部品配置部37dを軸部材32が転がり落ちて載置部46aに載置される。載置部46aは、把持部材46が載置位置にあるときに、軸部材32の中心位置が載置される位置に配置されている。上下方向から見たときに、回動板40の回動中心と載置部46aとの距離は、回動板40の、溝部40dが形成された部分の半径よりも短くなっている。載置部46aには、空気の吸引孔が形成されており、この吸引孔には、配管を介して吸引ポンプ等の吸引機構が接続されている。吸引機構によって空気が吸引されると、載置部46aに載置された軸部材32が把持部材46に把持される。
【0091】
(部品分離装置の動作)
部品分離装置31では、ディスク4上に複数の軸部材32が供給されると、軸部材32がガイド溝36fに向かって移動するように、かつ、ガイド溝36fに入り込んだ軸部材32がガイド溝36fに沿って移動するように、ディスク4が時計方向および反時計方向へ偏心揺動回転をする。このときには、回動板40は、部品係合位置40Aに配置されている。また、ディスク4は、最終的に回動板40の溝部40dに1個の軸部材32の一部分が入り込むように反時計方向へ偏心揺動回転をする。このときには、ディスク4の偏心揺動回転によってディスク4上で軸部材32が回動するため、溝部40dに軸部材32が入りやすくなる。
【0092】
1個の軸部材32の一部分が溝部40dに入り込むと、検知機構41によって、軸部材32の一部分が溝部40dに入り込んだことが検知される。また、検知機構41と検知機構42によって、溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きが検知される。軸部材32の一部分が溝部40dに入り込んだことが検知されると、回動板40は、反時計方向へ回動して部品分離位置40Bに移動する。
【0093】
部品分離位置40Bに回動板40が移動すると、溝部40dに入り込んでいた軸部材32は、部品配置部37dに配置される。すなわち、ディスク4上の軸部材32の一部分が溝部40dに係合している状態で回動板40が回動すると、1個の軸部材32が部品配置部37dに配置される。具体的には、ディスク4上の軸部材32の一部分が溝部40dに入り込んでいる状態で回動板40が回動すると、ディスク4上に配置されていた1個の軸部材32が、ディスク4よりも外周側に配置された部品配置部37dに配置される。このときには、軸部材32の軸方向と左右方向とが一致するように部品配置部37dに軸部材32が配置される。部品配置部37dに軸部材32が配置されると、部品配置部37dを軸部材32が転がり落ちて、載置位置にある載置部46aに載置される。軸部材32が載置部46aに載置されると、軸部材32が吸引されて把持部材46に把持される。
【0094】
軸部材32が把持部材46に把持されると、部品回動機構43は、検知機構41、42での検知結果に基づいて、載置位置から、第1直立位置または第2直立位置へ把持部材46を回動させる。具体的には、検知機構41、42によって、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されると、部品回動機構43は、把持部材46を第1直立位置へ回動させる。一方、検知機構41、42によって、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されると、部品回動機構43は、把持部材46を第2直立位置へ回動させる。
【0095】
すなわち、検知機構41、42によって、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに係合していることが検知されると、部品回動機構43は、把持した軸部材32を一方向へ回動させて直立させ、検知機構41、42によって、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに係合していることが検知されると、部品回動機構43は、把持した軸部材32を他方向へ回動させて直立させており、部品回動機構43は、検知機構41、42によって小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されるときに軸部材32の回動方向と、検知機構41、42によって大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されるときの軸部材32の回動方向とを変えている。
【0096】
軸部材32が直立すると、取出装置が軸部材32を取り上げる。なお、部品配置部37dに軸部材32が配置されると、把持部材46および把持部材46と一緒に回動する軸部材32と、回動板40との干渉を防止するため、回動板40は、部品分離位置40Bから部品係合位置40Aへ戻る。
【0097】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ディスク4上の軸部材32の一部分が溝部40dに入り込んでいる状態で回動板40が回動すると、1個の軸部材32が部品配置部37dに配置されるため、実施の形態1と同様に、複数の軸部材32の中から1個の軸部材32を取り出せるように、軸部材32を確実に分離することが可能になる。また、本形態では、部品配置部37dがディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されており、ディスク4上の軸部材32の一部分が溝部40dに入り込んでいる状態で回動板40が回動すると、ディスク4上に配置されていた1個の軸部材32がディスク4の外周面よりも外周側に配置された部品配置部37dに配置されため、実施の形態1と同様に、複数の軸部材32の中から1個の軸部材32を取り出せるように、軸部材32をより確実に分離することが可能になる。
【0098】
本形態では、検知機構41、42によって、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに係合していることが検知されると、部品回動機構43は、把持した軸部材32を一方向へ90°回動させて直立させ、検知機構41、42によって、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに係合していることが検知されると、部品回動機構43は、把持した軸部材32を他方向へ90°回動させて直立させている。そのため、本形態では、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに係合している場合、および、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに係合している場合のいずれの場合であっても、部品分離装置31で分離されて取出装置で取り出される軸部材32の向きを一定にすることが可能になる。
【0099】
本形態では、溝部40dは、第1溝部40eと第2溝部40fとから構成されており、小径部32a側から溝部40dに軸部材32が入り込むと、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されるが、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込むと、軸部材32の一部分が第2溝部40fに配置されない。また、本形態では、検知機構41は、たとえば、回動板40の径方向における溝部40dの外側端に軸部材32の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置され、検知機構42は、第2溝部40fに軸部材32の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置されている。そのため、本形態では、小径部32aの外径と大径部32bの外径との差が小さくなっていても、検知機構41、42を用いて比較的容易に、溝部40dに入り込んだ軸部材32の向きを検知することが可能になる。
【0100】
[実施の形態3]
(部品分離装置の構成)
図16は、本発明の実施の形態3にかかる部品分離装置31の一部分の平面図である。
図17は、
図16に示す部品分離装置31で分離される部品62を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図である。
図18(A)、(C)、(E)は、
図16のK部の構成を説明するための拡大図であり、
図18(B)は、
図18(A)のM−M方向から回動板40および筒部材62を示す図、
図18(D)は、
図18(C)のN−N方向から回動板40および筒部材62を示す図、
図18(F)は、
図18の(E)のP−P方向から回動板40および筒部材62を示す図である。
図19、
図20は、
図16に示す部品分離装置31の動作を説明するための図である。
【0101】
実施の形態2では、部品分離装置31で分離される部品32は、軸状に形成される軸部材であるが、実施の形態3の部品分離装置31で分離される部品62は、
図17に示すように、筒状に形成される筒部材である。したがって、以下では、本形態の部品62を「筒部材62」とする。筒部材62は、円筒状に形成されている。また、筒部材62は、筒部材62の軸方向の中心に対して非対称に形成されている。具体的には、
図17に示すように、筒部材62の一端に、筒部材62の他端側に向かって切込み62aが形成され、筒部材62の他端には、切込み62aが形成されていない。切込み62aは、筒部材62の軸心を横切る直線状に形成されている。以下では、実施の形態2の部品分離装置31と共通する構成については、共通の符号を付して、その説明を省略または簡略化する。
【0102】
本形態の回動板40には、溝部40dに代えて、回動板40の外周面(すなわち、水平方向における回動板40の端面)から回動板40の回動中心に向かって切り欠かれるように形成された切欠き部40gが形成されている。切欠き部40gは、回動板40の反時計方向端に形成されている。回動板40の径方向における切欠き部40gの幅は、筒部材62の長さ(軸方向の長さ)とほぼ等しくなっている。回動板40の、切欠き部40gよりも回動中心側の部分は、切欠き部40gに入り込んだ筒部材62の切込み62aに嵌る嵌合部40hとなっている。すなわち、回動板40には、切欠き部40gよりも、回動板40の回動中心側に配置される嵌合部40hが形成されている。本形態では、切欠き部40gと嵌合部40hとによって、ディスク4の上面に載っている1個の筒部材62が係合する係合部が構成されている。
【0103】
図18(C)、(D)に示すように、切込み62aが形成される筒部材62の一端側から回動板40の回動中心に向かって切欠き部40gに筒部材62が入り込むと、切込み62aに嵌合部40hが嵌る。一方、
図18(A)、(B)に示すように、回動板40の回動中心に向かって筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込むと、筒部材62の他端と嵌合部40hの端面とが当接する。そのため、筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んだときの筒部材62の一端の位置と、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んだときの筒部材62の他端の位置とがずれる。
【0104】
なお、回動板40の回動中心に向かって筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込む場合でも、切込み62aの位置によっては、
図18(E)、(F)に示すように、筒部材62の一端と嵌合部40hの端面とが当接して、切込み62aに嵌合部40hが嵌らない場合も生じうる。しかしながら、
図18(E)、(F)に示す状態でディスク4が回転すると、水平方向を回動の軸方向としてディスク4上で筒部材62が回動して、切込み62aに嵌合部40hが嵌る。また、切込み62aに嵌合部40hが嵌ると、その後、ディスク4が回転しても、筒部材62は回動しない。また、回動板40の左後端側部分の下面とディスク4の上面との隙間、および、回動板40の厚さは、切込み62aに嵌合部40hが嵌るように設定されている。
【0105】
ガイド部材36には、ディスク4上の筒部材62を回動板40の切欠き部40gへ案内するためのガイド溝36hが形成されている。ガイド溝36hは、ガイド溝36hの幅が筒部材62の外径よりもわずかに大きくなっている点を除いて、上述のガイド溝36fと同様に形成されている。なお、本形態では、回動板40が後述の部品係合位置40Aにあるときに、切欠き部40gは、ガイド溝36hの右前端に隣接している。そのため、本形態のガイド部材36には、ガイド面36gに相当するガイド面は形成されていない。
【0106】
また、本形態のガイド部材36には、切欠き部40gに入り込んだ筒部材62を切欠き部40gから外してディスク4の中心側へ戻すためのガイド溝36jが形成されている。ガイド溝36jは、貫通孔36aと切欠き部36eとの間に形成されている。また、ガイド溝36jは、切欠き部36eの上端から上側に伸びる直線状に形成されている。このガイド溝36jは、ガイド部材36の下面から上側に向かって窪むように形成されている。ガイド溝36jの幅は、筒部材62の外径よりもわずかに大きくなっている。ガイド溝36jは、回動板40が後述の部品解放位置40Cにあるときに、ディスク4の中心側へ筒部材62を案内する機能を果たしている。
【0107】
実施の形態2と同様に、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されておらず、ロッド12aが上側に突出している状態では、ロッド12aの上端側部分は、規制溝部40bの中に配置されている。この状態で、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板40が時計方向へ回動すると、規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接して、時計方向において回動板40が位置決めされる(
図19(A)、
図20(A)参照)。また、ロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板40が反時計方向へ回動すると、規制溝部40bの時計方向端にロッド12aが当接して、反時計方向において回動板40が位置決めされる(
図19(B)参照)。
【0108】
規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接している位置に回動板40があるときには、切欠き部40gは、ディスク4上に配置されるとともにガイド溝36hの延長線上に配置されている。そのため、規制溝部40bの反時計方向端にロッド12aが当接している位置に回動板40があるときに、ディスク4が反時計方向へ回転すると(具体的には、反時計方向へ偏心揺動回転すると)、
図19(A)、
図20(A)に示すように、ディスク4上の筒部材62が切欠き部40gに入り込む。また、この状態から、規制溝部40bの時計方向端にロッド12aが当接する位置まで回動板10が反時計方向へ回動すると、
図19(B)に示すように、切欠き部40gに入り込んでいた筒部材62が部品配置部37dに配置される。
【0109】
一方、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されると、規制溝部40bから外れる位置までロッド12aが下降する。ロッド12aが下降した状態でロータリーシリンダ11に圧縮空気が供給されて回動板40が時計方向へ回動すると、
図20(B)に示すように、切欠き部40gがガイド溝36jの延長線上に配置されるまで、回動板40が回動する。この状態で、ディスク4が反時計方向へ回転すると、切欠き部40gに入り込んでいたディスク4上の筒部材62が切欠き部40gから外れて、ディスク4の中心側へ移動する。
【0110】
このように本形態では、回動板40は、ディスク4が反時計方向へ回転するとディスク4上の筒部材62が入り込む位置に切欠き部40gが配置される部品係合位置40A(
図19(A)、
図20(A)参照)と、部品配置部37dまで切欠き部40gが移動して切欠き部40gに入り込んでいた筒部材62が部品配置部37dに配置される部品分離位置40B(
図19(B)参照)と、ディスク4が反時計方向へ回転すると切欠き部40gに入り込んでいたディスク4上の筒部材62が切欠き部40gから外れてディスク4の中心側へ移動する位置に切欠き部40gが配置される部品解放位置40C(
図20(B)参照)との間で回動可能になっている。また、部品係合位置40Aにある回動板40が反時計方向へ回動すると、回動板40が部品分離位置40Bへ移動し、部品係合位置40Aにある回動板40が時計方向へ回動すると、回動板40が部品解放位置40Cへ移動する。
【0111】
本形態でも、検知機構41、42は、部品係合位置40Aに回動板40があるときに、切欠き部40gに入り込んでいる筒部材62の向きを検知する。検知機構41は、たとえば、回動板40の径方向における切欠き部40gの中心位置に筒部材62の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置されている。検知機構42は、嵌合部40hに筒部材62の一部分があるのか否かを検知できる位置に配置されている。なお、
図16では、検知機構41、42の図示を省略している。
【0112】
上述のように、切込み62aが形成される筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込むと切込み62aに嵌合部40hが嵌り、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込むと筒部材62の他端と嵌合部40hの端面とが当接する。そのため、検知機構41で筒部材62の一部分が検知されているにもかかわらず、検知機構42で筒部材62の一部分が検知されていない場合には、
図18(A)に示すように、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知される。一方、検知機構41および検知機構42の両方で筒部材62の一部分が検知されている場合には、
図18(B)に示すように、筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知される。
【0113】
(部品分離装置の動作)
部品分離装置31では、ディスク4上に複数の筒部材62が供給されると、筒部材62がガイド溝36hに向かって移動するように、かつ、ガイド溝36hに入り込んだ筒部材62がガイド溝36hに沿って移動するように、ディスク4が時計方向および反時計方向へ偏心揺動回転をする。このときには、回動板40は、部品係合位置40Aに配置されている。また、ディスク4は、最終的に回動板40の切欠き部40gに1個の筒部材62の一部分が入り込むように反時計方向へ偏心揺動回転をする。1個の筒部材62が切欠き部40gに入り込むと、検知機構41によって、筒部材62が切欠き部40gに入り込んだことが検知される。また、検知機構41と検知機構42によって、切欠き部40gに入り込んでいる筒部材62の向きが検知される。
【0114】
筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知されると、
図19に示すように、回動板40は、反時計方向へ回動して部品分離位置40Bに移動する。すなわち、ロータリーシリンダ11は、部品係合位置40Aから部品分離位置40Bに回動板40を回動させる。部品分離位置40Bに回動板40が移動すると、切欠き部40gに入り込んでいた筒部材62は、部品配置部37dに配置される。すなわち、切欠き部40gと嵌合部40hとによって構成される係合部にディスク4上の筒部材62が係合している状態で回動板40が回動すると、1個の筒部材62が部品配置部37dに配置される。具体的には、ディスク4上の筒部材62が切欠き部40gに入り込んで切込み62aに嵌合部40hが嵌っている状態で回動板40が回動すると、ディスク4上に配置されていた1個の筒部材62が、ディスク4よりも外周側に配置された部品配置部37dに配置される。このときには、筒部材62の軸方向と左右方向とが一致するように部品配置部37dに筒部材62が配置される。
【0115】
部品配置部37dに筒部材62が配置された後、回動板40が部品分離位置40Bから部品係合位置40Aへ移動すると、切込み62aから嵌合部40hが外れる。また、筒部材62が吸引されて把持部材46に把持される。本形態では、把持部材46は、部品配置部37dに配置された筒部材62を把持部材46が吸引して把持する把持位置と、把持位置で把持された筒部材62を一方向へ90°回動させて直立させる直立位置との間で回動可能となっており、筒部材62が把持部材46に把持されると、部品回動機構43は、把持位置から直立位置へ把持部材46を90°回動させる。
【0116】
一方、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知されると、エアシリンダ12に圧縮空気が供給されてロッド12aが下降するとともに、
図20に示すように、回動板40が時計方向へ回動して回動板40が部品解放位置40Cへ移動する。すなわち、ロータリーシリンダ11は、部品係合位置40Aから部品分離位置40Cに回動板40を回動させる。また、回動板40が部品解放位置40Cに配置された状態で、ディスク4が反時計方向へ回転すると、切欠き部40gに入り込んでいたディスク4上の筒部材62が切欠き部40gから外れて、ディスク4の中心側へ移動する。
【0117】
回動板40が時計方向へ回動して部品係合位置40Aから部品分離位置40Cへ移動するときには、切欠き部40gに入り込んでいる筒部材62が切欠き部40gから外れないように、ディスク4が反時計方向へ回転している。なお、回動板40が部品係合位置40Aから部品分離位置40Cへ移動するときの、切欠き部40gからの筒部材62の外れを防止するための吸引機構が設けられても良い。この場合には、たとえば、切欠き部40gよりも、回動板40の回動中心側に、かつ、回動板40の上面に、吸引ポンプ等の吸引機構が接続された細いチューブが配置され、回動板40が部品係合位置40Aから部品分離位置40Cへ移動するときには、筒部材62がチューブの先端に向かって吸引される。あるいは、筒部材62がチューブの先端に吸着される。
【0118】
(本形態の主な効果)
本形態でも、実施の形態1、2と同様に、複数の筒部材62の中から1個の筒部材62を取り出せるように、筒部材62をより確実に分離することが可能になる。また、本形態では、切込み62aが形成される筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込むと、切込み62aに嵌合部40hが嵌るが、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込むと、筒部材62の他端と嵌合部40hの端面とが当接するため、実施の形態2と同様に、検知機構41、42を用いて比較的容易に、切欠き部40gに入り込んだ筒部材62の向きを検知することが可能になる。
【0119】
本形態では、回動板40は、筒部材62の一端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知されると部品分離位置40Bに移動し、筒部材62の他端側から切欠き部40gに筒部材62が入り込んでいることが検知されると部品解放位置40Cへ移動する。そのため、本形態では、部品配置部37dに配置される筒部材62の向きを一定にすることが可能になる。また、本形態では、部品回動機構43が部品配置部37dに配置された筒部材62を把持して一方向へ90°回動させて直立させているため、部品分離装置31で分離されて取出装置で取り出される筒部材62の向きを一定にすることが可能になる。
【0120】
[他の実施の形態]
実施の形態1では、たとえば、部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10が回動するときにシム2がガイド溝6cに引っ掛かり、回動板10が部品分離位置10Bまで回動しないときに、回動板10を部品解放位置10Cへ移動させて、ディスク4を反時計方向へ回転させることで、凹部10dに入り込んでいるシム2を凹部10dから外している。この他にもたとえば、シム2がガイド溝6cに引っ掛かり、回動板10が部品分離位置10Bまで回動しないときに、回動板10を部品係合位置10Aに配置し、ディスク4を時計方向へ回転させることで、凹部10dに入り込んでいるシム2を凹部10dから外しても良い。
【0121】
実施の形態1において、回動板10の上面から凹部10dに通じる空気の吸引孔を形成するとともに、この吸引孔に空気の吸引機構を接続しても良い。この場合には、凹部10dに入り込んだ1枚のシム2を吸引した状態で部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10を回動させることができるため、1枚のシム2をより確実に分離することが可能になる。
【0122】
また、実施の形態1において、ディスク4の下側であって、かつ、部品係合位置10Aに回動板10があるときの凹部10dの下側に空気の吸引機構を設けるとともに、上下方向から見たときにディスク4の径方向におけるディスク4の、吸引機構が設けられる範囲に、網目状(メッシュ状)をなす網目部をディスク4の周方向で輪帯状に形成しても良い。この場合には、万が一、部品係合位置10Aにある回動板10の凹部10dに2枚のシム2が重なって入り込んでも、網目部を介して吸引機構によって下側のシム2を吸引した状態で部品係合位置10Aから部品分離位置10Bへ回動板10を回動させることで、1枚のシム2を部品配置部7dに配置することが可能になるため、1枚のシム2を確実に分離することが可能になる。また、この場合において、回動板10の上面から凹部10dに通じる空気の吸引孔を形成するとともに、この吸引孔に空気の吸引機構を接続しても良い。
【0123】
実施の形態1では、凹部10dにシム2の一部分が入り込んでいるが、凹部10dにシム2の全体が入り込んでも良い。この場合には、凹部10dは、たとえば、上下方向から見たときの形状がU形状となるように形成される。また、実施の形態1において、部品配置部7dに固定部材7を貫通する貫通孔を形成して、部品配置部7dに配置されるシム2を落下させても良い。また、実施の形態1では、ディスク4の下側に押上機構20が配置されているが、ディスク4の下側に押上機構20が配置されていなくても良い。
【0124】
実施の形態2では、検知機構41、42は、部品係合位置40Aに回動板40があるときに溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きを検知できる位置に配置されているが、検知機構41、42は、部品分離位置40Bに回動板40があるときに溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きを検知できる位置に配置されても良いし、部品係合位置40Aから部品分離位置40Bに回動板40が回動する途中で溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きを検知できる位置に配置されても良い。また、検知機構41、42は、載置部46aに載置された軸部材32の向きを検知できる位置に配置されても良い。
【0125】
実施の形態2では、部品回動機構43は、検知機構41、42での検知結果に基づいて、軸部材32の回動方向を変えているが、部品回動機構43は、検知機構41、42での検知結果に基づいて、軸部材32の回動量を変えても良い。すなわち、部品回動機構43は、検知機構41、42によって、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されたときに、軸部材32を一方向へ90°回動させ、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されたときに、軸部材32を同じ方向へ270°回動させても良い。
【0126】
実施の形態2では、検知機構41、42での検知結果に基づいて、部品回動機構43での軸部材32の回動方向を変えているが、実施の形態2において、実施の形態3のように、検知機構41、42での検知結果に基づいて、回動板40の回動方向を変えても良い。すなわち、たとえば、検知機構41、42によって、小径部32a側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されたときに、部品係合位置40Aから部品分離位置40Bに回動板40を回動させて、軸部材32を部品配置部37dに配置し、大径部32b側から軸部材32が溝部40dに入り込んでいることが検知されたときに、部品係合位置40Aから部品解放位置Cに回動板40を回動させて、溝部40dに入り込んでいる軸部材32を溝部40dから外してディスク4の中心側へ移動させても良い。この場合には、溝部40dの中に軸部材32の全体が入り込むように溝部40dが形成される。また、この場合には、実施の形態3のガイド溝36jに相当するガイド溝がガイド部材36に形成される。
【0127】
また、実施の形態3では、検知機構41、42での検知結果に基づいて、回動板40の回動方向を変えているが、実施の形態3において、実施の形態2のように、検知機構41、42での検知結果に基づいて、部品回動機構43での筒部材62の回動方向を変えても良い。この場合には、切欠き部40gに筒部材62の全体が入り込まなくても良い。また、実施の形態2、3では、部品回動機構43は、軸部材32、筒部材62が直立するように(すなわち、軸部材32、筒部材62の軸方向が上下方向と一致するように)軸部材32、筒部材62を回動させているが、部品回動機構43は、軸部材32、筒部材62の軸方向が上下方向に対して傾くように軸部材32、筒部材62を回動させても良い。
【0128】
実施の形態2では、軸部材32が入り込む溝部40dが回動板40に形成されているが、実施の形態3のように軸部材32が入り込む切欠き部が回動板40に形成されても良い。また、実施の形態3では、筒部材62が入り込む切欠き部40gが回動板40に形成されているが、実施の形態2のように筒部材62が入り込む溝部が回動板40に形成されても良い。また、実施の形態3では、回動板40の、切欠き部40gよりも回動中心側の部分が、切欠き部40gに入り込んだ筒部材62の切込み62aに嵌る嵌合部40hとなっているが、たとえば、切欠き部40gに入り込んだ筒部材62の切込み62aに嵌る軸部材が回動板40に設けられていても良い。
【0129】
実施の形態2、3において、部品分離装置31で分離される部品は、軸部材32および筒部材62以外の部品であっても良い。たとえば、部品分離装置31で分離される部品は、一端側のみにDカット加工が施された軸部材であっても良いし、一端側のみに面取り加工が施された円筒状の筒部材であっても良いし、一端面のみに孔が形成された六角孔付き止めネジであっても良い。この場合には、これらの部品が一端側から溝部や切欠き部に入り込んだときの部品の一端の位置と、他端側から溝部や切欠き部に入り込んだときの部品の他端の位置とがずれるように、溝部や切欠き部が形成される。また、実施の形態2、3では、動力伝達機構49を介してモータ48の動力が把持部材46に伝達されると、把持部材46は、水平方向を回動の軸方向として回動するが、把持部材46は、水平方向に対して傾いた方向を回動の軸方向として回動しても良い。
【0130】
実施の形態2、3において、部品分離装置31は、反射型の光学式センサである2個の検知機構41、42を備えているが、部品分離装置31は、2個の検知機構41、42に代えて、1個の画像センサを備えていても良い。この場合には、1個の画像センサを用いて、溝部40dに入り込んでいる軸部材32の向きや、切欠き部40gに入り込んでいる筒部材62の向きを検知する。なお、この場合には、溝部40dは、第1溝部40eのみによって構成されても良い。
【0131】
実施の形態1では、部品分離装置1で1枚のシム2が分離されているが、部品分離装置1で2枚以上の所定枚数のシム2が分離されるように、部品分離装置1が構成されても良い。すなわち、2枚以上の所定枚数のシム2が入り込むように凹部10dが形成され、2枚以上の所定枚数のシム2が部品配置部7dに配置されても良い。また、実施の形態2、3では、部品分離装置31で1個の軸部材32、筒部材62が分離されているが、部品分離装置31で2個以上の所定個数の軸部材32、筒部材62が分離されるように、部品分離装置31が構成されても良い。すなわち、2個以上の所定個数の軸部材32、筒部材62が入り込むように溝部40d、切欠き部40gが形成され、部品配置部37dに2個以上の所定個数の軸部材32、筒部材62が配置されても良い。
【0132】
実施の形態2、3では、部品配置部37dは、ディスク4の径方向においてディスク4の外周面よりも外側に配置されているが、軸部材32、筒部材62を分離することができるのであれば、分離される軸部材32、筒部材62が配置される部品配置部がディスク4上に設けられても良い。また、実施の形態1においても、シム2を分離することができるのであれば、分離されるシム2が配置される部品配置部がディスク4上に設けられても良い。
【0133】
上述した形態では、回動部材としての回動板10、40は平板状に形成されているが、回動部材は平板状に形成されていなくても良い。たとえば、回動部材は、アーム状に形成されていても良い。また、上述した形態では、ディスク4の回転中心C1とモータ13の出力軸13aの中心C2とがずれていて、ディスク4が偏心揺動回転をしているが、ディスク4の回転中心C1とモータ13の出力軸13aの中心C2とが一致していてディスク4が通常の回転をしても良い。また、上述した形態において、回動板10、40を回動させる回動機構は、モータであっても良い。この場合には、モータを制御することで回動板10、40の停止位置を制御することが可能になるため、エアシリンダ12が不要になる。