(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る燃料電池装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、燃料電池セルの一例として固体酸化物形燃料電池セル(SOFC)を用いて説明する。
図1は燃料電池装置を示す斜視図である。なお、
図1において、いくつかの燃料電池セル、及びハウジングなどの記載を省略している。
【0024】
[燃料電池装置]
図1に示すように、燃料電池装置100は、マニホールド2と、複数の燃料電池セル10と、燃料処理器70とを備えている。また、
図2及び
図3に示すように、燃料電池装置100は、ハウジング80、及び一対のバスバー801を備えている。また、燃料電池装置100は、第1空気供給経路P1、第2空気供給経路P2、燃料ガス供給経路P3、オフガス供給経路P4、原料ガス供給経路P5、及び水蒸気供給経路P6をさらに備えている。
【0025】
[マニホールド]
図4に示すように、マニホールド2は、燃料電池セル10にガスを供給するように構成されている。また、マニホールド2は、燃料電池セル10から排出されたガスを回収するように構成されている。マニホールド2は、ガス供給室21とガス回収室22とを有している。ガス供給室21には、燃料処理器70から燃料ガスが供給される。ガス回収室22は、各燃料電池セル10にて使用された燃料ガスを回収する。
【0026】
マニホールド2は、マニホールド本体部23と、仕切板24とを有している。マニホールド本体部23は、内部に空間を有している。マニホールド本体部23は、直方体状である。
【0027】
図5に示すように、マニホールド本体部23の天板部231には、複数の貫通孔232が形成されている。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の長さ方向(z軸方向)に間隔をあけて並んでいる。各貫通孔232は、マニホールド本体部23の幅方向(y軸方向)に延びている。各貫通孔232は、ガス供給室21及びガス回収室22と連通している。なお、各貫通孔232は、ガス供給室21と連通する部分とガス回収室22と連通する部分とに分かれていてもよい。
【0028】
仕切板24は、マニホールド本体部23の空間をガス供給室21とガス回収室22とに仕切っている。詳細には、仕切板24は、マニホールド本体部23の略中央部において、マニホールド本体部23の長さ方向に延びている。仕切板24は、マニホールド本体部23の空間を完全に仕切っている必要は無く、仕切板24とマニホールド本体部23との間に隙間が形成されていてもよい。
【0029】
図4に示すように、ガス供給室21の底面には、ガス供給口211が形成されている。また、ガス回収室22の底面には、ガス排出口221が形成されている。ガス供給口211は、例えば、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第1端部201側に配置されている。一方、ガス排出口221は、例えば、燃料電池セル10の配列方向(z軸方向)において、マニホールド2の中心Cよりも第2端部202側に配置されている。
【0030】
[燃料電池セル]
図6は、セルスタック装置の断面図を示している。なお、セルスタック装置は、複数の燃料電池セル10とマニホールド2とから構成されている。
図6に示すように、燃料電池セル10は、マニホールド2から上方に延びている。燃料電池セル10は、基端部101がマニホールド2に取り付けられている。すなわち、マニホールド2は、各燃料電池セル10の基端部101を支持している。本実施形態では、燃料電池セル10の基端部101は下端部を意味し、燃料電池セル10の先端部102は上端部を意味する。
【0031】
図1に示すように、各燃料電池セル10は、主面同士が対向するように並べられている。また、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向(z軸方向)に沿って間隔をあけて並べられている。すなわち、燃料電池セル10の配列方向は、マニホールド2の長さ方向に沿っている。なお、各燃料電池セル10は、マニホールド2の長さ方向に沿って等間隔に配置されていなくてもよい。
【0032】
図6及び
図7に示すように、燃料電池セル10は、支持基板4と、複数の発電素子部5と、連通部材3と、を有している。各発電素子部5は、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。なお、第1主面45に形成される発電素子部5の数と第2主面46に形成される発電素子部5の数とは、互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。また、各発電素子部5の大きさは、互いに異なっていてもよい。
【0033】
[支持基板]
支持基板4は、マニホールド2から上下方向に延びている。詳細には、支持基板4は、マニホールド2から上方に延びている。支持基板4は、扁平状であり、基端部41と先端部42とを有している。基端部41及び先端部42は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)における両端部である。本実施形態では、支持基板4の基端部41は下端部を意味し、支持基板4の先端部42は上端部を意味する。
【0034】
支持基板4の基端部41は、マニホールド2に取り付けられる。例えば、支持基板4の基端部41は、接合材などによってマニホールド2の天板部231に取り付けられる。詳細には、支持基板4の基端部41は、天板部231に形成された貫通孔234に挿入されている。なお、支持基板4の基端部41は、貫通孔234に挿入されていなくてもよい。このように支持基板4の基端部41がマニホールド2に取り付けられることによって、支持基板4の基端部41は、ガス供給室21及びガス回収室22と連結している。
【0035】
支持基板4は、複数の第1ガス流路43と、複数の第2ガス流路44とを有している。第1ガス流路43は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第1ガス流路43は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第1ガス流路43は、支持基板4を貫通している。各第1ガス流路43は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第1ガス流路43は、等間隔に配置されていることが好ましい。支持基板4は、長さ方向(x軸方向)よりも幅方向(y軸方向)の寸法の方が長くてもよい。
【0036】
図6に示すように、隣り合う第1ガス流路43のピッチp1は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合う第1ガス流路43のピッチp1は、第1ガス流路43の中心間の距離である。例えば、第1ガス流路43のピッチp1は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。
【0037】
第1ガス流路43は、燃料電池セル10の基端部101から先端部102に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第1ガス流路43は、基端部101側において、ガス供給室21と連通している。
【0038】
第2ガス流路44は、支持基板4内を上下方向に延びている。すなわち、第2ガス流路44は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に延びている。第2ガス流路44は、第1ガス流路43と実質的に平行に延びている。
【0039】
第2ガス流路44は、支持基板4を貫通している。各第2ガス流路44は、支持基板4の幅方向(y軸方向)において互いに間隔をあけて配置されている。なお、各第2ガス流路44は、等間隔に配置されていることが好ましい。
【0040】
隣り合う第2ガス流路44のピッチp2は、例えば、1〜5mm程度である。この隣り合う第2ガス流路44のピッチp2は、第2ガス流路44の中心間の距離である。例えば、第2ガス流路44のピッチp2は、基端部41、中央部、及び先端部42のそれぞれにおいて測定したピッチの平均値とすることができる。なお、各第2ガス流路44間のピッチp2は、各第1ガス流路43間のピッチp1と実質的に等しいことが好ましい。
【0041】
第2ガス流路44は、燃料電池セル10の先端部102から基端部101に向かって延びている。燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、第2ガス流路44は、基端部101側において、マニホールド2のガス回収室22と連通している。
【0042】
隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、例えば、1〜10mm程度である。この隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、第1ガス流路43の中心と第2ガス流路44の中心との距離である。例えば、ピッチp0は、支持基板4の第1端面411において測定することができる。
【0043】
隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第1ガス流路43のピッチp1よりも大きい。また、隣り合う第1ガス流路43と第2ガス流路44とのピッチp0は、隣り合う第2ガス流路44のピッチp2よりも大きい。
【0044】
第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、燃料電池セル10の先端部102側において互いに連通している。詳細には、第1ガス流路43と、第2ガス流路44とが、連通部材3の連通流路30を介して連通している。
【0045】
第1ガス流路43及び第2ガス流路44は、第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失が第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失よりも小さくなるように構成されている。なお、本実施形態のように第1ガス流路43及び第2ガス流路44のそれぞれが複数本ある場合、各第1ガス流路43内におけるガスの圧力損失の合計が、各第2ガス流路44内におけるガスの圧力損失の合計よりも小さくなるように、第1ガス流路43及び第2ガス流路44が構成される。
【0046】
例えば、各第1ガス流路43の流路断面積は、各第2ガス流路44の流路断面積よりも大きくすることができる。なお、第1ガス流路43の数と第2ガス流路44との数とが異なる場合は、各第1ガス流路43の流路断面積の合計値が、各第2ガス流路44の流路断面積の合計値よりも大きくすることができる。
【0047】
特に限定されるものではないが、各第2ガス流路44の流路断面積の合計値は、各第1ガス流路43の流路断面積の合計値の20〜95%程度とすることができる。なお、第1ガス流路43の流路断面積は、例えば、0.5〜20mm
2程度とすることができる。また、第2ガス流路44の流路断面積は、例えば、0.1〜15mm
2程度とすることができる。
【0048】
なお、第1ガス流路43の流路断面積は、第1ガス流路43が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面における第1ガス流路43の流路断面積を言う。また、第1ガス流路43の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
【0049】
また、第2ガス流路44の流路断面積は、第2ガス流路44が延びる方向(x軸方向)と直交する面(yz平面)で切断した切断面における第2ガス流路44の流路断面積を言う。また、第2ガス流路44の流路断面積は、基端部41側の任意の箇所における流路断面積と、中央部の任意の箇所における流路断面積と、先端部42側の任意の箇所における流路断面積との平均値とすることができる。
【0050】
図7に示すように、支持基板4は、第1主面45と、第2主面46とを有している。第1主面45と第2主面46とは、互いに反対を向いている。第1主面45及び第2主面46は、各発電素子部5を支持している。第1主面45及び第2主面46は、支持基板4の厚さ方向(z軸方向)を向いている。また、支持基板4の各側面47は、支持基板4の幅方向(y軸方向)を向いている。各側面47は、湾曲していてもよい。
図1に示すように、各支持基板4は、第1主面45と第2主面46とが対向するように配置されている。
【0051】
図7に示すように、支持基板4は、発電素子部5を支持している。支持基板4は、電子伝導性を有さない多孔質の材料によって構成される。支持基板4は、例えば、CSZ(カルシア安定化ジルコニア)から構成される。または、支持基板4は、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とY
2O
3(イットリア)とから構成されてもよいし、MgO(酸化マグネシウム)とMgAl
2O
4(マグネシアアルミナスピネル)とから構成されてもよい。支持基板4の気孔率は、例えば、20〜60%程度である。この気孔率は、例えば、アルキメデス法、又は微構造観察により測定される。
【0052】
支持基板4は、緻密層48によって覆われている。緻密層48は、第1ガス流路43及び第2ガス流路44から支持基板4内に拡散されたガスが外部に排出されることを抑制するように構成されている。本実施形態では、緻密層48は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。なお、本実施形態では、緻密層48は、後述する電解質7と、インターコネクタ91とによって構成されている。緻密層48は、支持基板4よりも緻密である。例えば、緻密層48の気孔率は、0〜7%程度である。
【0053】
[発電素子部]
複数の発電素子部5が、支持基板4の第1主面45及び第2主面46に支持されている。各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている。詳細には、各発電素子部5は、支持基板4上において、基端部41から先端部42に向かって互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、各発電素子部5は、支持基板4の長さ方向(x軸方向)に沿って、間隔をあけて配置されている。なお、各発電素子部5は、後述する電気的接続部9によって、互いに直列に接続されている。また、第1主面45に配置された発電素子部5と第2主面46に配置された発電素子部5とは、支持基板4の基端部41又は先端部42などにおいて、直列に接続されている。
【0054】
発電素子部5は、支持基板4の幅方向(y軸方向)に延びている。発電素子部5は、支持基板4の幅方向において第1部分51と第2部分52とに区画される。なお、第1部分51と第2部分52との厳密な境界はない。例えば、燃料電池セル10をマニホールド2に取り付けた状態において、支持基板4の長さ方向視(x軸方向視)において、ガス供給室21とガス回収室22との境界と重複する部分を、第1部分51と第2部分52との境界部とすることができる。
【0055】
支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第1ガス流路43は、発電素子部5の第1部分51と重複している。また、支持基板4の厚さ方向視(z軸方向視)において、第2ガス流路44は、発電素子部5の第2部分52と重複している。なお、複数の第1ガス流路43のうち、一部の第1ガス流路43が第1部分51と重複していなくてもよい。同様に、複数の第2ガス流路44のうち、一部の第2ガス流路44が第2部分52と重複していなくてもよい。
【0056】
図8は、第1ガス流路43に沿って切断した燃料電池セル10の断面図である。なお、第2ガス流路44に沿って切断した燃料電池セル10の断面図は、第2ガス流路44の流路断面積が異なる以外は、
図8と同じである。
【0057】
発電素子部5は、燃料極6、電解質7、及び空気極8を有している。また、発電素子部5は、反応防止膜11をさらに有している。燃料極6は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。燃料極6は、燃料極集電部61と燃料極活性部62とを有する。
【0058】
燃料極集電部61は、凹部49内に配置されている。凹部49は、支持基板4に形成されている。詳細には、燃料極集電部61は、凹部49内に充填されており、凹部49と同様の外形を有する。各燃料極集電部61は、第1凹部611及び第2凹部612を有している。燃料極活性部62は、第1凹部611内に配置されている。詳細には、燃料極活性部62は、第1凹部611内に充填されている。
【0059】
燃料極集電部61は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極集電部61は、NiO(酸化ニッケル)とY
2O
3(イットリア)とから構成されてもよいし、NiO(酸化ニッケル)とCSZ(カルシア安定化ジルコニア)とから構成されてもよい。燃料極集電部61の厚さ、及び凹部49の深さは、50〜500μm程度である。
【0060】
燃料極活性部62は、例えば、NiO(酸化ニッケル)とYSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)とから構成され得る。或いは、燃料極活性部62は、NiO(酸化ニッケル)とGDC(ガドリニウムドープセリア)とから構成されてもよい。燃料極活性部62の厚さは、5〜30μmである。
【0061】
電解質7は、燃料極6上を覆うように配置されている。詳細には、電解質7は、一のインターコネクタ91から他のインターコネクタ91まで長さ方向に延びている。すなわち、支持基板4の長さ方向(x軸方向)において、電解質7とインターコネクタ91とが交互に配置されている。また、電解質7は、支持基板4の第1主面45、第2主面46、及び各側面47を覆っている。
【0062】
電解質7は、支持基板4よりも緻密である。例えば、電解質7の気孔率は、0〜7%程度である。電解質7は、イオン伝導性を有し且つ電子伝導性を有さない緻密な材料から構成される焼成体である。電解質7は、例えば、YSZ(8YSZ)(イットリア安定化ジルコニア)から構成され得る。或いは、LSGM(ランタンガレート)から構成されてもよい。電解質7の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0063】
反応防止膜11は、緻密な材料から構成される焼成体である。反応防止膜11は、平面視において、燃料極活性部62と略同一の形状である。反応防止膜11は、電解質7を介して、燃料極活性部62と対応する位置に配置されている。反応防止膜11は、電解質7内のYSZと空気極8内のSrとが反応して電解質7と空気極8との界面に電気抵抗が大きい反応層が形成される現象の発生を抑制するために設けられている。反応防止膜11は、例えば、GDC=(Ce,Gd)O
2(ガドリニウムドープセリア)から構成され得る。反応防止膜11の厚さは、例えば、3〜50μm程度である。
【0064】
空気極8は、反応防止膜11上に配置されている。空気極8は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。空気極8は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O
3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSF=(La,Sr)FeO
3(ランタンストロンチウムフェライト)、LNF=La(Ni,Fe)O
3(ランタンニッケルフェライト)、LSC=(La,Sr)CoO
3(ランタンストロンチウムコバルタイト)等から構成されてもよい。また、空気極8は、LSCFから構成される第1層(内側層)とLSCから構成される第2層(外側層)との2層によって構成されてもよい。空気極8の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0065】
[電気的接続部]
電気的接続部9は、隣り合う発電素子部5を電気的に接続するように構成されている。電気的接続部9は、インターコネクタ91及び空気極集電膜92を有する。インターコネクタ91は、第2凹部612内に配置されている。詳細には、インターコネクタ91は、第2凹部612内に埋設(充填)されている。インターコネクタ91は、電子伝導性を有する緻密な材料から構成される焼成体である。インターコネクタ91は、支持基板4よりも緻密である。例えば、インターコネクタ91の気孔率は、0〜7%程度である。インターコネクタ91は、例えば、LaCrO
3(ランタンクロマイト)から構成され得る。或いは、(Sr,La)TiO
3(ストロンチウムチタネート)から構成されてもよい。インターコネクタ91の厚さは、例えば、10〜100μmである。
【0066】
空気極集電膜92は、隣り合う発電素子部5のインターコネクタ91と空気極8との間を延びるように配置される。例えば、
図8の左側に配置された発電素子部5の空気極8と、
図8の右側に配置された発電素子部5のインターコネクタ91とを電気的に接続するように、空気極集電膜92が配置されている。空気極集電膜92は、電子伝導性を有する多孔質の材料から構成される焼成体である。
【0067】
空気極集電膜92は、例えば、LSCF=(La,Sr)(Co,Fe)O
3(ランタンストロンチウムコバルトフェライト)から構成され得る。或いは、LSC=(La,Sr)CoO
3(ランタンストロンチウムコバルタイト)から構成されてもよい。或いは、Ag(銀)、Ag−Pd(銀パラジウム合金)から構成されてもよい。空気極集電膜92の厚さは、例えば、50〜500μm程度である。
【0068】
[連通部材]
図6に示すように、連通部材3は、支持基板4の先端部42に取り付けられている。そして、連通部材3は、第1ガス流路43と第2ガス流路44とを連通させる連通流路30を有している。詳細には、連通流路30は、各第1ガス流路43と各第2ガス流路44とを連通する。連通流路30は、各第1ガス流路43から各第2ガス流路44まで延びる空間によって構成されている。連通部材3は、支持基板4に接合されていることが好ましい。また、連通部材3は、支持基板4と一体的に形成されていることが好ましい。連通流路30の数は、第1ガス流路43の数よりも少ない。本実施形態では、一本の連通流路30のみによって、複数の第1ガス流路43と複数の第2ガス流路44とが連通されている。
【0069】
連通部材3は、例えば、多孔質である。また、連通部材3は、その外側面を構成する緻密層31を有している。緻密層31は、連通部材3の本体よりも緻密に形成されている。例えば、緻密層31の気孔率は、0〜7%程度である。この緻密層31は、連通部材3と同じ材料や、上述した電解質7に使用される材料、結晶化ガラス等によって形成することができる。
【0070】
[ハウジング]
図2及び
図3に示すように、ハウジング80は、マニホールド2及び複数の燃料電池セル10を収容する。ハウジング80は、例えば、断熱材によって構成することができる。ハウジング80は、直方体状に形成されている。
【0071】
ハウジング80は、底壁81、側壁82、及び天壁83を有している。この底壁81、側壁82、及び天壁83は、例えば外側から枠体(図示省略)などによって支持されて、直方体状のハウジング80を構成している。なお、底壁81、側壁82、及び天壁83のそれぞれは、本実施形態のように板状ではなく、ブロック状に形成されていてもよい。天壁83は、本発明の貫通壁の一例である。
【0072】
底壁81は、マニホールド2の底面と対向するように配置されている。天壁83は、各燃料電池セル10の先端面103と対向するように配置されている。側壁82は、底壁81から天壁83に向かって延びている。側壁82は、各燃料電池セル10の側面、又は配列方向の両端部に配置された燃料電池セル10の主面と対向するように配置されている。
【0073】
図3に示すように、天壁83は、バスバー801が貫通するように、構成されている。天壁83は、内側壁部831と、外側壁部832とを有している。内側壁部831は、第1貫通孔833を有している。第1貫通孔833内をバスバー801が貫通している。なお、本実施形態に係る燃料電池装置100は一対のバスバー801を有しているため、内側壁部831は一対の第1貫通孔833を有している。
【0074】
外側壁部832は、内側壁部831の外側面に隣接して配置されている。このため、外側壁部832は、内側壁部831に形成された第1貫通孔833を塞いでいる。外側壁部832は、内側壁部831に接合されていてもよいし、積層されているだけでもよい。なお、内側壁部831の内側面とは、ハウジング80の内部空間を向く面であり、内側壁部831の外側面とは内側壁部831の内側面とは反対方向を向く面である。
【0075】
外側壁部832は、第2貫通孔834を有している。第2貫通孔834内をバスバー801が貫通している。なお、本実施形態に係る燃料電池装置100は一対のバスバー801を有しているため、外側壁部832は一対の第2貫通孔834を有している。
【0076】
第2貫通孔834は、第1貫通孔833と連通しないように配置されている。すなわち、平面視(x軸方向視)において、第1貫通孔833と第2貫通孔834とは、互いに位置がずれており、重複していない。このため、第1貫通孔833は外側壁部832に塞がれており、第2貫通孔834は内側壁部831に塞がれている。なお、特に限定されるものではないが、例えば、平面視(x軸方向視)における第1貫通孔833及び第2貫通孔834の面積は、0.1〜500mm
2程度である。なお、平面視における第1貫通孔833及び第2貫通孔834の形状は、例えば、矩形状であるが、円形状やその他の形状であってもよい。
【0077】
例えば、内側壁部831と外側壁部832と合わせた厚さは、5〜100mm程度である。内側壁部831の厚さは、内側壁部831と外側壁部832と合わせた厚さの10〜90%程度である。なお、本実施形態では、外側壁部832の厚さを内側壁部831の厚さよりも厚くしている。
【0078】
一対の第1貫通孔833間の距離d1は、一対の第2貫通孔834間の距離d2よりも小さい。特に限定されるものではないが、例えば、距離d2に対する距離d1の割合(d1/d2)は、0.5〜0.7程度とすることができる。
【0079】
[バスバー]
バスバー801は、燃料電池セル10から電流を取り出すように構成されている。バスバー801は、配列方向(z軸方向)の端部に配置された燃料電池セル10と電気的に接続されている。詳細には、バスバー801は、燃料電池セル10の先端部に配置された発電素子部5と電気的に接続されている。バスバー801は、発電素子部5と直接接続されていてもよいし、電気的接続部9を介して発電素子部5と接続されていてもよい。
【0080】
なお、本実施形態に係る燃料電池装置100は、一対のバスバー801を有している。一方のバスバー801は、配列方向の一方の端部に配置された燃料電池セル10と電気的に接続されており、他方のバスバー801は、配列方向の他方の端部に配置された燃料電池セル10と電気的に接続されている。各燃料電池セル10は、互いに直列接続されている。
【0081】
バスバー801は、燃料電池セル10からハウジング80を貫通し、ハウジング80の外部へと延びている。詳細には、バスバー801は、燃料電池セル10から上方に延び、内側壁部831の第1貫通孔833を貫通する。第1貫通孔833を貫通したバスバー801は、折れ曲がって、内側壁部831と外側壁部832との間を第2貫通孔834まで延びる。そして、バスバー801は、第2貫通孔834を貫通するように折れ曲がり、ハウジング80の外部へと延びる。なお、バスバー801は、内側壁部831と外側壁部832との間を延びることができる程度に十分薄い。例えば、バスバー801の厚さは、外側壁部832の厚さの8%未満とすることができる。
【0082】
[燃料処理器]
図2に示すように、燃料処理器70は、マニホールド2のガス供給室21に供給される燃料ガスを生成する。例えば、燃料処理器70は、改質器である。燃料処理器70は、原料ガス(天然ガス、液化石油ガス、灯油など)を改質して燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。例えば、下記(1)式及び(2)式に示すように、都市ガスの主成分であるメタン(CH
4)及び水蒸気から、燃料ガス(水素含有ガス)を生成する。
CH
4+2H
2O→4H
2+CO
2 ・・・(1)
CH
4+H
2O→3H
2+CO ・・・(2)
【0083】
燃料処理器70は、二重円筒式である。燃料処理器70は、燃料電池セル10が延びる方向(x軸方向)に延びている。本実施形態では燃料電池セル10及び燃料処理器70は、上下方向に延びている。なお、燃料処理器70は、長さ方向(x軸方向)の寸法の方が、幅方向(y軸方向)の寸法よりも長い。
【0084】
燃料処理器70は、改質部71と燃焼部72とを有している。燃料処理器70の内側の円筒内が燃焼部72を構成している。そして、燃料処理器70の内側の円筒と外側の円筒との間の空間が改質部71を構成している。
【0085】
改質部71内には触媒が収容されている。改質部71には、原料ガス供給経路P5および水蒸気供給経路P6が連結されている。この原料ガス供給経路P5を介して、改質部71内に原料ガスが供給される。また、水蒸気供給経路P6を介して、改質部71内に水蒸気が供給される。この改質部71内において、原料ガスを改質して燃料ガスを生成する。
【0086】
燃焼部72は、ガス回収室22から排出されたオフガスを燃焼するように構成されている。詳細には、燃料処理器70は、燃焼部72においてバーナ721を有している。バーナ721には、オフガス供給経路P4及び第2空気供給経路P2が連結されている。オフガス供給経路P4は、マニホールド2のガス回収室22とバーナ721とを連結している。詳細には、オフガス供給経路P4は、ガス排出口221と、バーナ721とを連結している。このオフガス供給経路P4を介して、ガス回収室22内のオフガスがガス回収室22内から排出される。バーナ721は、オフガスに空気を混合させて燃焼させる。
【0087】
燃料処理器70は、マニホールド2の下方に配置されている。すなわち、マニホールド2から各燃料電池セル10が上方に延びている場合は、燃料処理器70はマニホールド2の下方に配置される。燃料処理器70は、マニホールド2の底面と対向するように配置されている。
【0088】
燃料処理器70は、第1排出部73を有している。本実施形態において、第1排出部73は、燃料処理器70に形成された開口部である。詳細には、第1排出部73は、燃料処理器70の改質部71に形成された開口部である。第1排出部73は、生成した燃料ガスをガス供給室21へと排出する。詳細には、第1排出部73は、第1排出部73とガス供給室21とを連結する燃料ガス供給経路P3を介して、ガス供給室21へ燃料ガスを排出する。
【0089】
第1排出部73は、燃料処理器70の軸方向端面に形成されている。第1排出部73は、マニホールド2側に開口している。すなわち、第1排出部73は、マニホールド2側を向いている。そして、燃料ガス供給経路P3は、第1排出部73とガス供給口211との間を直線的に延びている。第1排出部73は、燃料電池セル10の先端面103よりもマニホールド2側に配置されている。本実施形態のように、燃料電池セル10の先端部102が上端部であり、基端部101が下端部である場合、第1排出部73は、燃料電池セル10の先端面103よりも下方に配置されている。そして、第1排出部73とマニホールド2との距離は、燃料電池セル10の先端面103とマニホールド2との距離よりも短い。このような配置とすることによって、第1排出部73とマニホールド2との距離を短縮することができ、燃料ガス供給経路P3を短くすることができる。なお、各燃料電池セル10の先端面103の位置が互いに異なる場合、最もマニホールド2から遠い位置にある先端面103を基準とする。
【0090】
燃料処理器70は、第2排出部74を有している。本実施形態では、第2排出部74は、筒状の部材であるが、単なる開口であってもよい。第2排出部74は、燃焼部72からのガスを排出する。第2排出部74は、水平面よりも下方を向いている。なお本実施形態では、第2排出部74は、真下を向いているが、第2排出部74の排出方向は、水平面よりも下方を向いていればよい。例えば、第2排出部74の排出方向と水平面とのなす角度が3度以上とすることが好ましい。
【0091】
このように、第2排出部74を下方に向けることで、次の効果を得ることができる。すなわち、上記実施形態では、第1ガス流路43を流れたガスのうち未反応のガスは第2ガス流路44を流れ、第2ガス流路44を流れたガスのうちさらに未反応のガスは、マニホールド2のガス回収室22にて回収される。このため、上記実施形態に係る燃料電池セル10は、ガスの使用効率を向上させることができる。このようにガスの使用効率が向上するため、本実施形態に係る燃料電池セル10から排出されるオフガスの温度は、一般的な燃料電池セルに比べて低い。このようにオフガスの温度が低温の場合、オフガス内の水蒸気が凝縮することによって生じた水が、第2排出部74から延びる排気管内を閉塞させるおそれがある。これに対し、上記実施形態に係る燃料処理器70では、第2排出部74を下方に向けているため、発生した水によって排気管内が閉塞されることを防止することができる。
【0092】
[各ガス供給経路]
第1空気供給経路P1は、ハウジング80へ空気を供給する。第1空気供給経路P1によってハウジング80内へ供給された空気は、燃料電池セル10の発電に用いられる。第1空気供給経路P1は、例えば、ハウジング80内において、燃料電池セル10の上方から燃料電池セル10に向かって下方に空気を供給する。
【0093】
第2空気供給経路P2は、バーナ721へ空気を供給する。第2空気供給経路P2によって供給された空気は、バーナ721の燃焼に用いられる。第1空気供給経路P1と第2空気供給経路P2とは、別の空気供給源と接続されていてもよいし、同じ空気供給源に接続されていてもよい。なお、第1空気供給経路P1と第2空気供給経路P2とが同じ空気供給源と接続されている場合、第1空気供給経路P1と第2空気供給経路P2とのそれぞれに空気の流量を調整する流量制御弁などを設けることが好ましい。
【0094】
燃料ガス供給経路P3は、燃料処理器70からガス供給室21へ燃料ガスを供給する。詳細には、燃料ガス供給経路P3は、燃料処理器70の第1排出部73とガス供給室21とを連結している。これによって、燃料ガス供給経路P3は、燃料処理器70によって生成された燃料ガスをガス供給室21へ供給する。
【0095】
オフガス供給経路P4は、ガス回収室22からバーナ721へ、燃料ガスのオフガスを供給する。詳細には、オフガス供給経路P4は、ガス回収室22とバーナ721とを連結している。燃料電池セル10内を流れた後にガス回収室22に回収された燃料ガスのオフガスが、オフガス供給経路P4を介してバーナ721へと供給される。
【0096】
原料ガス供給経路P5は、燃料処理器70に原料ガスを供給する。詳細には、原料ガス供給経路P5は、燃料処理器70の改質部71に連結されており、改質部71に原料ガスを供給する。
【0097】
水蒸気供給経路P6は、燃料処理器70に水蒸気を供給する。詳細には、水蒸気供給経路P6は、燃料処理器70の改質部71に連結されており、改質部71に水蒸気を供給する。
【0098】
上述した各ガス供給経路P1〜P6は、例えば配管などによって構成されている。なお、燃料電池装置100は、空気排出経路P7をさらに有している。空気排出経路P7は、ハウジング80内に供給され、燃料電池セル10において発電に用いられた後の空気をハウジング80内から排出するための経路である。この空気排出経路P7も配管などによって構成されている。空気排出経路P7内を流れる空気は、熱交換器(図示省略)によって第1空気供給経路P1内を流れる空気と熱交換する。詳細には、空気排出経路P7内を流れる空気の熱によって第1空気供給経路P1内を流れる空気が加熱される。
【0099】
[発電方法]
上述したように構成された燃料電池装置100では、燃料処理器70によって生成された燃料ガスをマニホールド2のガス供給室21に供給するとともに、ハウジング80内に空気などの酸素を含む酸素含有ガスを供給し、燃料電池セル10を酸素含有ガスに曝す。すると、空気極8において下記(3)式に示す化学反応が起こり、燃料極6において下記(4)式に示す化学反応が起こり、電流が流れる。
(1/2)・O
2+2e
−→O
2− …(3)
H
2+O
2−→H
2O+2e
− …(4)
【0100】
詳細には、ガス供給室21に供給された燃料ガスは、各燃料電池セル10の第1ガス流路43内を流れ、各発電素子部5の燃料極6において、上記(4)式に示す化学反応が起こる。各燃料極6において未反応であった燃料ガスは、第1ガス流路43を出て連通部材3の連通流路30を介して第2ガス流路44へ供給される。そして、第2ガス流路44へ供給された燃料ガスは、再度、燃料極6において上記(4)式に示す化学反応が起こる。第2ガス流路44を流れる過程において燃料極6において未反応であった燃料ガスは、マニホールド2のガス回収室22へ回収される。
【0101】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0102】
変形例1
上記実施形態では、外側壁部832は第2貫通孔834を有していたが、これに限定されない。例えば、
図9に示すように、外側壁部832は第2貫通孔834を有していなくてもよい。この場合、バスバー801は、内側壁部831の第1貫通孔833を貫通し、内側壁部831と外側壁部832との間を介して側方からハウジング80の外部へと延びる。
【0103】
変形例2
上記実施形態では、本発明の貫通壁をハウジング80の天壁83に適用しているが、本発明の貫通壁は、ハウジング80の天壁83以外の壁に適用することもできる。例えば、
図10に示すように、本発明の貫通壁をハウジング80の側壁82に適用してもよい。ハウジング80が直方体状の場合、4つある側壁82のうち、1つの側壁82が本発明の貫通壁の一例となっている。この側壁82は、上記実施形態の天壁83と同様に、第1貫通孔823を有する内側壁部821と、第2貫通孔824を有する外側壁部822とを有している。
【0104】
変形例3
上記実施形態では、ハウジング80の底壁81、側壁82、及び天壁83のうち、いずれか1つの壁に本発明の貫通壁を適用しているが、これに限定されない。例えば、ハウジング80の底壁81、側壁82、及び天壁83のうち、複数の壁に対して本発明の貫通壁を適用してもよい。例えば、側壁82と天壁83との両方に、本発明の貫通壁を適用してもよい。この場合、一対のバスバー801のうち、一方が側壁82を貫通し、他方が天壁83を貫通する。
【0105】
変形例4
上記実施形態では、貫通壁は内側壁部831と外側壁部832との二重構造となっているが、これに限定されず、2重以上の多重構造とすることができる。例えば、外側壁部832の外側面に第2外側壁部を隣接させるなどして、3重構造などとすることができる。
【0106】
変形例5
上記実施形態では、貫通壁の一例である天壁83は、側壁82上に載置されているが、これに限定されない。例えば、
図11に示すように、貫通壁の一例である天壁83は、側壁82の間に配置されていてもよい。すなわち、天壁83は、側壁82によって囲まれる空間の上端部に嵌合していてもよい。
【0107】
変形例6
上記実施形態では、貫通壁は、内側壁部831と外側壁部832とを積層している構造であるが、これに限定されない。例えば、
図12に示すように、側壁82によって囲まれる空間の上端部に内側壁部831を嵌め込んでもよい。すなわち、内側壁部831は、側壁82の間に配置されている。外側壁部832は、側壁82の上端面に載置されている。このように構成することで、より断熱性能を向上させることができる。
【0108】
変形例7
図13に示すように、外側壁部832は内側面に凹部を有していてもよい。そして、この外側壁部832の凹部内に内側壁部831が嵌合していてもよい。なお、
図14に示すように、内側壁部831が外側面に凹部を有しており、この内側壁部831の凹部内に外側壁部832が嵌合していてもよい。
【0109】
変形例8
上記実施形態では、燃料処理器70は、改質器によって構成されているが、これに限定されない。例えば、燃料処理器70は、改質器に加えて、CO変性器及びCO浄化器などを有していてもよい。CO変性器は、改質器で発生した一酸化炭素および水から二酸化炭素及び水素を生成するように構成されている。また、CO浄化器は、改質器で発生した一酸化炭素に酸素を加えて、二酸化炭素へ変化させるように構成されている。
【0110】
変形例9
上記実施形態では、第1ガス流路43と第2ガス流路44とは、連通部材3が有する連通流路30によって連通されていたが、この構成に限定されない。例えば、
図14に示すように、支持基板4が、内部に連通流路30を有していてもよい。この場合、燃料電池装置100は、連通部材3を備えていなくてもよい。この支持基板4内に形成された連通流路30によって、第1ガス流路43と第2ガス流路44とが連通されている。
【0111】
変形例10
上記実施形態では、支持基板4は、複数の第1ガス流路43を有しているが、1つの第1ガス流路43のみを有していてもよい。同様に、支持基板4は、複数の第2ガス流路44を有しているが、1つの第2ガス流路44のみを有していてもよい。
【0112】
変形例11
上記実施形態では、燃料電池セル10はマニホールド2から上方に延びるように構成されているが、これに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、マニホールド2から下方に延びていてもよい。この場合、燃料処理器70は、例えば、マニホールド2の上方に配置される。
【0113】
変形例12
上記実施形態の燃料電池セル10は、各発電素子部5が支持基板4の長さ方向(x軸方向)に配列されている、いわゆる横縞型の燃料電池セルであるが、燃料電池セル10の構成はこれに限定されない。例えば、燃料電池セル10は、支持基板4の第1主面45に1つの発電素子部5が支持された、いわゆる縦縞型の燃料電池セルであってもよい。この場合、支持基板4の第2主面46に一つの発電素子部5が支持されていてもよいし、支持されていなくてもよい。また、上記実施形態の燃料電池セル10は、いわゆる円筒平板形であるが、円筒形、又は平板形などであってもよい。
【0114】
変形例13
上記実施形態では、燃料電池セル10は、燃料ガスのオフガスをマニホールド2のガス回収室22に排出しているが、これに限定されない。例えば、従来の燃料電池セルのように、燃料電池セル10は、燃料ガスのオフガスを先端から排出し、燃料電池セル10の上方でオフガスを燃焼させてもよい。
【0115】
変形例14
上記実施形態では、一対の第1貫通孔833間の距離d1は、一対の第2貫通孔834間の距離d2よりも小さくなるように設計されているが、この距離d1と距離d2の関係はこれに限定されるものではない。例えば、
図16に示すように、一対の第1貫通孔833間の距離d1は、一対の第2貫通孔834間の距離d2よりも大きくてもよい。この場合、距離d2に対する距離d1の割合(d1/d2)は、1.1〜10程度である。
【0116】
変形例15
上記実施形態では、一対のバスバー801は、第1貫通孔833を貫通した後、互いに遠ざかる方向に折り曲げられているが、一対のバスバー801の構成はこれに限定されない。例えば、
図16のように、一対のバスバー801は、第1貫通孔833を通過した後、互いに近付く方向に折り曲げられていてもよい。また、
図17に示すように、一対のバスバー801は、第1貫通孔833を貫通した後、同じ方向に折り曲げられていてもよい。この場合、例えば、一対の第1貫通孔833間の距離d1は、一対の第2貫通孔834間の距離d2と略同じとすることができる。
【解決手段】燃料電池装置100は、燃料電池セル10、ハウジング80、及びバスバー801を備える。ハウジング80は、燃料電池セル10を収容する。バスバー801は、燃料電池セル10から電流を取り出す。バスバー801は、ハウジング80を貫通して外部へと延びている。ハウジング80は、バスバー801が貫通する貫通壁83を有する。貫通壁83は、内側壁部831及び外側壁部832を有する。内側壁部831は、バスバー801が貫通する第1貫通孔833を含む。外側壁部832は、第1貫通孔833を塞ぐように内側壁部831の外側に隣接する。