(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(第1実施形態)
(減速機付モータ)
図1は、減速機付モータ1の斜視図、
図2は、
図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、
図2に示すように、減速機付モータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである。減速機付モータ1は、モータ部2と、モータ部2の回転を減速して出力する減速部3と、モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4と、を備えている。なお、以下の説明において、単に軸方向という場合は、モータ部2の回転軸31の軸方向をいい、単に周方向という場合は、回転軸31の周方向をいい、単に径方向という場合は、回転軸31の径方向をいうものとする。
【0034】
(モータ部)
モータ部2は、モータケース5と、モータケース5内に収納されている略円筒状のステータ8と、ステータ8の径方向内側に設けられ、ステータ8に対して回転可能設けられたロータ9と、を備えている。
【0035】
(モータケース)
モータケース5は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料に形成されている。モータケース5は、軸方向に分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、からなる。第1モータケース6および第2モータケース7は、それぞれ有底筒状に形成されており、それぞれの開口部6a,7aを嵌合させることで内部空間を有するモータケース5を形成している。
【0036】
より詳しくは、第1モータケース6は、底部10が減速部3のギヤケース40と接合されるようにこのギヤケース40と一体成形されている。底部10の径方向略中央には、ロータ9の回転軸31を挿通可能な貫通孔10aが形成されている。
また、第1モータケース6の内周面には、開口部6aから軸方向略中央に至る間に、段差により拡径形成されたステータ内嵌部18が形成されている。このステータ内嵌部18にステータ8の外周面が嵌合される。さらに、第1モータケース6の周壁部11の外周面には、開口部6a側に全周に渡って凸条部12が突設されている。この凸条部12に、第2モータケース7の開口部7aが嵌合される。
【0037】
第2モータケース7の周壁部14の内径D2は、第1モータケース6に形成されているステータ内嵌部18の内径D1よりも大きく設定されている。
また、第2モータケース7には、開口部7aの周縁に第1モータケース6の凸条部12に嵌合される嵌合部15が形成されている。嵌合部15は、周壁部14から段差により拡径形成された第1拡径部16と、第1拡径部16からさらに段差により拡径形成された第2拡径部17と、が一体成形されたものである。そして、第2拡径部17に、第1モータケース6の凸条部12が内嵌される。
【0038】
第1モータケース6と第2モータケース7との軸方向の相対位置は、第2拡径部17の段差面17aに、凸条部12の端面12aが当接することにより決定される。一方、第1拡径部16は、第1モータケース6のうち、凸条部12よりも先端側(開口縁側)との接触を避けるように形成されている。
【0039】
(ステータ)
図3は、ステータ8の斜視図である。
図2、
図3に示すように、ステータ内嵌部18に内嵌されているステータ8は、略円筒状に形成され、且つ磁路を形成するコア部21と、ステータコア20から径方向内側に向かって突出する複数のティース22と、が一体成形されたステータコア20を有している。ステータコア20は、複数の金属板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ステータコア20は、複数の金属板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。このように形成されたステータコア20におけるコア部21の外周面が、第1モータケース6のステータ内嵌部18に内嵌される。
【0040】
ここで、第2モータケース7における周壁部14の内径D2は、第1モータケース6に形成されているステータ内嵌部18の内径D1よりも大きく設定されているので、周壁部14の内周面とコア部21の外周面との間に隙間S1が形成される。
ステータコア20のティース22には、樹脂製のインシュレータ23がティース22の周囲を覆うように装着されている。
【0041】
図4は、
図2のB部拡大図である。
図3、
図4に詳示するように、インシュレータ23は、ティース22の周囲を覆う底部23aと、底部23aの径方向外側(ティース22の基端側(径方向外側))に立設された外周壁23bと、底部23aの径方向内側(ティース22の先端側(径方向内側))に立設された内周壁23cと、が一体成形されたものである。内周壁23cの高さH1は、外周壁23bの高さH2よりも高く設定されている。
そして、このように構成されたインシュレータ23の上から、各ティース22にコイル24が巻回されている。各コイル24は、コントローラ部4からの給電により、ロータ9を回転させるための磁界を生成する。
【0042】
ここで、第2モータケース7の底部13とステータ8に巻回されているコイル24との間には、モータ側放熱シート25が設けられている。モータ側放熱シート25は、モータケース5やコイル24よりも軟らかい素材で形成されている。これにより、モータ側放熱シート25は、第2モータケース7の底部13とコイル24とのそれぞれに密着している。
【0043】
また、モータ側放熱シート25は、コイル24ごと(ティース22ごと)に別々に配置されている。各モータ側放熱シート25の形状は、各コイルにおける第2モータケース7の底部13側を覆うように軸方向平面視で略四角形状に形成されている。そして、インシュレータ23の外周壁23bと内周壁23cとの間にモータ側放熱シート25を嵌め込んだ状態になっている。
なお、モータ側放熱シート25は軟らかい素材で形成されているので、モータ側放熱シート25の形成誤差が大きくなってしまった場合であっても、インシュレータ23に嵌め込む際にモータ側放熱シート25が変形する。このため、インシュレータ23に、モータ側放熱シート25を容易に嵌め込むことができる。
【0044】
(ロータ)
図5は、ロータ9を第2モータケース7の底部13側からみた斜視図、
図6は、ロータ9を減速部3側からみた斜視図、
図7は、
図5のC矢視図、
図8は、
図5のD−D線に沿う断面図である。
図2、
図5〜
図8に示すように、ステータ8に対して回転可能設けられたロータ9は、回転軸31と、回転軸31に外嵌固定されている円柱状のロータコア32と、ロータコア32の外周面に嵌合されるリング状のマグネット33と、ロータコア32の軸方向両端に設けられ、マグネット33のロータコア32からの軸方向への抜けを防止する2つのマグネット押え34A,34Bと、を備えている。
【0045】
回転軸31は、減速部3を構成するウォーム軸44と一体成形されている。ロータコア32は、複数の金属板を軸方向に積層することにより形成されている。なお、ロータコア32は、複数の金属板を軸方向に積層して形成する場合に限られるものではなく、例えば、軟磁性粉を加圧成形することにより形成してもよい。
【0046】
ロータコア32の径方向略中央には、軸方向に貫通する貫通孔32aが形成されている。この貫通孔32aに、回転軸31が圧入されている。なお、貫通孔32aに対して回転軸31を挿入とし、接着剤等を用いて回転軸31にロータコア32を外嵌固定してもよい。
また、ロータコア32には、貫通孔32aの周囲に、複数(例えば、2つ)のカシメ固定用孔32b(
図8参照)が軸方向に沿って貫通形成されている。このカシメ固定用孔32bは、ロータコア32とマグネット押え34A,34Bとを固定するために用いられる。
【0047】
ロータコア32の外周面に嵌合されるマグネット33には、複数の磁極が周方向に順番に形成されるように着磁されている。例えば、本実施形態では、マグネット33は、4極に着磁されている。なお、
図5のマグネット33に示す2点鎖線は、マグネット33の着磁状態を示している。すなわち、マグネット33の磁極は、軸方向に対して捩れる(傾斜する)ようにスキューしている。
【0048】
また、マグネット33の軸方向の長さL2は、ロータコア32の軸方向の長さL1とほぼ同等に設定されている。
さらに、マグネット33における第2モータケース7の底部13側端(
図2における右端、
図5に上端)には、4つの凹部35が形成されている。各凹部35は、周方向に等間隔で、つまり、各磁極に対応するように、配置されている。また、凹部35は、マグネット33の軸方向一端において、肉厚方向全体に渡って形成されている。
【0049】
さらに、凹部35は、軸方向一端側から軸方向中央に向かうに従って、周方向の溝幅が徐々に狭くなるように形成されている。すなわち、
図7に詳示するように、凹部35は、底面35aと、底面35aの周方向両端から立ち上がる2つの傾斜面35bと、を有している。底面35aは、
図2、
図5に詳示するように、軸方向に対して直交する方向に平坦に形成され、且つ軸方向からみた平面視が長方形状になるように形成されている。
【0050】
(マグネット押え)
図9は、マグネット押え34A,34Bの斜視図である。なお、ロータコア32の軸方向両端に設けられた2つのマグネット押え34A,34Bは同一構成であるので、以下の説明では、2つのマグネット押え34A,34Bのうち、第1マグネット押え34Aのみについて説明し、第2マグネット押え34Bについての説明は、必要に応じて行う。
同図に詳示するように、第1マグネット押え34Aは、金属板にプレス加工を施して形成されたものである。第1マグネット押え34Aは、円環状の固定部36と、固定部36の外周部から径方向外側に向かって延びる4つのアーム部37と、各アーム部37の先端に設けられた押え爪38と、が一体成形されたものである。
【0051】
固定部36は、ロータコア32の軸方向両端に配置され、このロータコア32に固定されるものである。固定部36の開口部36aの直径D3は、回転軸31の軸径よりも若干大きい程度に設定されている。このような開口部36aに回転軸31が挿通され、ロータコア32の軸方向端面に固定部36が配置される。また、固定部36は、外周部がロータコア32に形成されているカシメ固定用孔32bと軸方向で若干重なる程度の大きさに形成されている。
【0052】
さらに、固定部36の外周部には、カシメ固定用孔32bに対応する位置に、このカシメ固定用孔32bを閉塞するように径方向外側に向かって突出する固定座39が一体成形されている。この固定座39が、ロータコア32の軸方向両端に固定される。固定座39には、カシメ固定用孔32bに連通する貫通孔39aが形成されている。
【0053】
4つのアーム部37は、帯状に形成されており軸方向に沿って弾性変形可能とされている。また、4つのアーム部37は、周方向に等間隔に配置されている。換言すれば、マグネット33の凹部35に対応するように配置されている。
ここで、本実施形態のマグネット33は4極に着磁されているので、アーム部37は、磁極に数に対応するように設けられ、且つ各磁極に対応するように配置されているという事になる。また、アーム部37は、その先端がマグネット33の外周部付近に位置するように形成されている。なお、固定部36の固定座39は、アーム部37を避けるように形成されている。すなわち、アーム部37を避けた位置で、固定座39の貫通孔39aとロータコア32のカシメ固定用孔32bとが連通される。
【0054】
アーム部37の先端に設けられた押え爪38は、マグネット33の軸方向両端を押え付けるためのものである。押え爪38は、アーム部37の延在方向に対して略直角に屈曲形成され、アーム部37の先端から軸方向に沿って突出している。押え爪38は、マグネット33の凹部35の形状に対応するように、先細り形状になっている。すなわち、押え爪38は、平坦な先端38aと、周方向両側辺で、且つ先端38a側に斜めに形成された2つの傾斜辺38bと、を有している。
また、押え爪38の軸方向の高さH4は、マグネット33の凹部35の軸方向の深さH3(
図7参照)よりも若干長くなるように設定されている。
【0055】
このような構成のもと、
図5〜
図7に示すように、2つのマグネット押え34A,34Bのうち、第1マグネット押え34Aは、マグネット33の凹部35が形成されている側に配置される。そして、第1マグネット押え34Aは、凹部35に押え爪38が挿入されるように配置される。凹部35に押え爪38が挿入された状態では、凹部35と押え爪38とが密着する。すなわち、凹部35の底面35aに、押え爪38の先端38aが当接する。また、凹部35の傾斜面35bに、押え爪38の傾斜辺38bが当接する。このため、第1マグネット押え34Aは、ロータコア32に対するマグネット33の周方向の位置決めおよび周方向のズレ防止の役割を有する。
【0056】
一方、第2マグネット押え34Bは、マグネット33の凹部35が形成されている側とは反対側に配置される。第2マグネット押え34Bは、押え爪38の突出方向がマグネット33とは反対側となるように配置される。
このように、第2マグネット押え34Bは、ロータコア32とマグネット33との軸方向の位置決めを行う役割を有する。そして、第1マグネット押え34Aと第2マグネット押え34Bとにより、マグネット33を軸方向で挟持する。これにより、ロータコア32に対するマグネット33の軸方向への移動が規制される。
【0057】
また、
図5、
図8に示すように、2つのマグネット押え34A,34Bの貫通孔39aとロータコア32のカシメ固定用孔32bとに、それぞれカシメピン30が挿通されている。そして、カシメピン30の先端が座屈変形されることにより、ロータコア32とマグネット押え34とが一体化される。
【0058】
ここで、押え爪38の軸方向の高さH4は、マグネット33の凹部35の軸方向の深さH3よりも若干長くなるように設定されているので、ロータコア32とマグネット押え34A,34Bとがカシメピン30により一体化された状態では、押え爪38が若干押し上げられる形になる。このため、マグネット33のアーム部37は、僅かに湾曲するように弾性変形している。このアーム部37の弾性変形による弾性力が、押え爪38を凹部35の底面35aに押し付ける押圧力として作用する。これにより、2つのマグネット押え34A,34Bによるマグネット33の挟持力が高まる。
【0059】
(減速部)
図10は、
図1のE−E線に沿う断面図である。
図1、
図2、
図10に示すように、減速部3は、モータケース5が取り付けられているギヤケース40と、ギヤケース40内に収納されるウォーム減速機構41と、を備えている。ギヤケース40は、例えばアルミダイキャスト等の放熱性の優れた材料により形成されている。ギヤケース40は、一面に開口部40aを有する箱状に形成されており、内部にウォーム減速機構41を収容するギヤ収容部42を有する。また、ギヤケース40の側壁40bには、第1モータケース6が一体成形されている箇所に、この第1モータケース6の貫通孔10aとギヤ収容部42とを連通する開口部43が形成されている。
【0060】
さらに、ギヤケース40の側壁40bには、3つの固定ブラケット54a,54b,54cが一体成形されている。これら固定ブラケット54a,54b,54cは、不図示の車体等に、減速機付モータ1を固定するためのものである。3つの固定ブラケット54a,54b,54cは、モータ部2を避けるように、周方向にほぼ等間隔に配置されている。各固定ブラケット54a,54b,54cには、それぞれ防振ゴム55が装着されている。防振ゴム55は、減速機付モータ1を駆動する際の振動が、不図示の車体に伝達されてしまうのを防止するためのものである。
【0061】
また、ギヤケース40の底壁40cには、略円筒状の軸受ボス49が突設されている。軸受ボス49は、ウォーム減速機構41の出力軸48を回転自在に支持するためのものであって、内周面に滑り軸受50が設けられている。さらに、軸受ボス49の先端内周縁には、Oリング51が装着されている。これにより、軸受ボス49を介して外部から内部に塵埃や水が侵入してしまうことが防止される。また、軸受ボス49の外周面には、複数のリブ52が設けられている。これにより、軸受ボス49の剛性が確保されている。
【0062】
ギヤ収容部42に収容されたウォーム減速機構41は、ウォーム軸44と、ウォーム軸44に噛合されるウォームホイール45と、により構成されている。ウォーム軸44は、モータ部2の回転軸31と同軸上に配置されている。そして、ウォーム軸44は、両端がギヤケース40に設けられた軸受46,47によって回転自在に支持されている。ウォーム軸44のモータ部2側の端部は、軸受46を介してギヤケース40の開口部43に至るまで突出している。この突出したウォーム軸44の端部とモータ部2の回転軸31との端部が接合され、ウォーム軸44と回転軸31とが一体化されている。
【0063】
ウォーム軸44に噛合されるウォームホイール45には、このウォームホイール45の径方向中央に出力軸48が設けられている。出力軸48はウォームホイール45の回転軸方向と同軸上に配置されており、ギヤケース40の軸受ボス49を介してギヤケース40の外部に突出している。出力軸48の突出した先端には、不図示の電装品と接続可能なスプライン48a(
図1参照)が形成されている。
【0064】
また、ウォームホイール45の径方向中央には、出力軸48が突出されている側とは反対側に、センサマグネット53が設けられている。このセンサマグネット53は、ウォームホイール45の回転位置を検出する回転位置検出部60の一方を構成している。この回転位置検出部60の他方を構成する磁気検出素子61は、ウォームホイール45のセンサマグネット53側(ギヤケース40の開口部40a側)でウォームホイール45と対向配置されているコントローラ部4に設けられている。
【0065】
(コントローラ部)
モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4は、磁気検出素子61が実装されたコントローラ基板62と、ギヤケース40の開口部40aを閉塞するように設けられたカバー63と、を有している。そして、コントローラ基板62が、ウォームホイール45のセンサマグネット53側(ギヤケース40の開口部40a側)に対向配置されている。
【0066】
コントローラ基板62は、いわゆるエポキシ基板に複数の導電性のパターン(不図示)が形成されたものである。また、コントローラ基板62は、ウォーム軸44と直交する方向(
図10における左右方向)に長い長方形状に形成されている。このようなコントローラ基板62のウォームホイール45側の一面62aで、且つ出力軸48のセンサマグネット53に対応する位置に、磁気検出素子61が実装されている。
【0067】
また、コントローラ基板62には、モータ部2のステータコア20から引き出されたコイル24の端末部が接続されていると共に、カバー63に設けられたコネクタ64の端子64aが電気的に接続されている。さらに、コントローラ基板62の一面62aとは反対側(ギヤケース40の開口部40a側)の他面62bには、コイル24に供給する電流を制御するFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子からなるパワーモジュール65やコントローラ基板62に印加される電圧の平滑化を行うコンデンサ59等が実装されている。
【0068】
パワーモジュール65には、コントローラ側第1放熱シート66を介して熱伝導プレート67が取り付けられている。熱伝導プレート67は、コントローラ基板62の長手方向(
図10における左右方向)に沿って長くなるように帯状で、且つ断面クランク状に形成されている。すなわち、熱伝導プレート67は、パワーモジュール65上に配置されたプレート本体68と、プレート本体68のウォーム減速機構41が配置されている側(
図10における左側)の一端からウォーム減速機構41側(
図10における下側)に屈曲した後、さらに、プレート本体68と平行になるように延出する副プレート69と、により構成されている。
【0069】
プレート本体68の短手方向の幅は、このプレート本体68によってパワーモジュール65の上面全体が覆われる程度の大きさに設定されている。
一方、副プレート69は、その先端(プレート本体68とは反対側)がコントローラ基板62の端部よりも突出するように形成されている。さらに、副プレート69の先端は、ギヤケース40の側壁40bの端部に至るまで延出されている。そして、副プレート69の先端において、コントローラ基板62(ウォーム減速機構41)側の一面69aが、コントローラ側第2放熱シート71を介してギヤケース40の側壁40bに接触している。
【0070】
このように構成されたコントローラ基板62および熱伝導プレート67を覆うカバー63は樹脂製であって、若干外側に膨出するように形成されている。そして、カバー63の内面側は、コントローラ基板62や熱伝導プレート67を収容するコントローラ収容部56とされている。
また、
図1に詳示するように、カバー63の外周部に、コネクタ64が一体成形されている。コネクタ64は、不図示の外部電源から延びるコネクタと嵌着可能に形成されている。コネクタ64の端子64aは、コネクタ64の内外に延出している。そして、端子64aの内側端がコントローラ基板62に電気的に接続されている。これにより、外部電源の電力がコントローラ基板62に供給される。
【0071】
さらに、カバー63の開口縁には、ギヤケース40の側壁40bの端部と嵌め合いされる嵌合部82が突出形成されている。嵌合部82は、カバー63の開口縁に沿う2つの壁81a,81bにより構成されている。そして、これら2つの壁81a,81bの間に、ギヤケース40の側壁40bの端部が挿入(嵌め合い)される。これにより、ギヤケース40とカバー63との間にラビリンス部83が形成される。このラビリンス部83によって、ギヤケース40とカバー63との間から塵埃や水が浸入してしまうことが防止される。なお、ギヤケース40とカバー63との固定は、不図示のボルトを締結することにより行われる。
【0072】
(減速機付モータの動作)
次に減速機付モータ1の動作について説明する。
減速機付モータ1は、コネクタ64を介してコントローラ基板62に供給された電力が、パワーモジュール65を介してモータ部2の各コイル24に選択的に供給される。すると、ステータ8(ティース22)に所定の磁界が形成され、この磁界とロータ9のマグネット33との間で磁気的な吸引力や反発力が生じる。これにより、ロータ9が継続的に回転する。
ロータ9が回転すると、回転軸31と一体化されているウォーム軸44が回転し、さらにウォーム軸44に噛合されているウォームホイール45が回転する。そして、ウォームホイール45に連結されている出力軸48が回転し、所望の電装品が駆動する。
【0073】
また、コントローラ基板62に実装されている磁気検出素子61によって検出されたウォームホイール45の回転位置検出結果は、信号としてコネクタ64を介して不図示の外部機器に出力される。不図示の外部機器は、ウォームホイール45の回転位置検出信号に基づいて、パワーモジュール65の駆動信号を出力する。これにより、パワーモジュール65のスイッチング素子等の切替えタイミングが制御され、モータ部2の駆動制御が行われる。
【0074】
(熱伝達経路および各放熱シートの作用)
次に、
図2、
図10に基づいて、減速機付モータ1の熱伝達経路、および各放熱シート25,66,71の作用について説明する。
まず、
図2に基づいて、モータ部2の熱伝達経路について説明する。
同図に示すように、モータ部2のコイル24に電力が供給されると、コイル24の抵抗によりコイル24が発熱する。この熱は、ステータコア20にも伝達される。
【0075】
コイル24の発熱は、モータ側放熱シート25を介し、2つのモータケース6,7のうち、第2モータケース7に伝達される。第2モータケース7は、第1モータケース6に嵌合されている一方、ステータコア20との間に隙間S1が形成されている。このため、第2モータケース7に伝達された熱がステータコア20に伝達されることがなく、第2モータケース7自体で放熱されたり、第1モータケース6に伝達されたりする。
【0076】
一方、コイル24からステータコア20に伝達された熱は、このステータコア20が内嵌固定されている第1モータケース6に伝達される。第1モータケース6は、ギヤケース40に一体成形されているので、第1モータケース6およびギヤケース40が、ステータコア20から伝達された熱に加え、第2モータケース7から伝達された熱を放熱する。
【0077】
ところで、モータ側放熱シート25は、モータケース5やコイル24よりも軟らかい素材で形成されている。これにより、モータ側放熱シート25は、第2モータケース7の底部13とコイル24とのそれぞれに密着させることができる。また、モータ側放熱シート25が軟らかい素材で形成されているので、モータ部2を駆動した際にステータコア20に生じる振動を、モータ側放熱シート25で吸収することができる。このため、第2モータケース7に振動が伝達されてしまうことが防止される。さらに、モータ側放熱シート25によって、ステータコア20自体の振動も抑制できるので、第1モータケース6側への振動の伝達も抑制される。
【0078】
次に、
図10に基づいて、コントローラ部4の熱伝達経路について説明する。
同図に示すように、コントローラ部4では、不図示の外部電源からの電力を各コイル24に選択的に供給するパワーモジュール65が特に発熱する。このパワーモジュール65の発熱は、コントローラ側第1放熱シート66を介して熱伝導プレート67に伝達される。
【0079】
ここで、熱伝導プレート67を覆うカバー63は、樹脂により形成されているので、熱伝導プレート67の熱がカバー63に効率よく伝達されることがない。これに代わって、熱伝導プレート67は、副プレート69がコントローラ側第2放熱シート71を介してギヤケース40に接触しているので、このギヤケース40に熱伝導プレート67の熱が効率よく伝達される。そして、この熱が、ギヤケース40で放熱される。
【0080】
ところで、熱伝導プレート67に貼り付けられているコントローラ側放熱シート66,71は、1枚の放熱シートを熱伝導プレート67の全面に貼り付けるのではなく、コントローラ側第1放熱シート66と、コントローラ側第2放熱シート71とに分割構成され、それぞれプレート本体68と副プレート69とに別々に貼り付けられている。このため、例えばコントローラ部4をメンテナンスする際等、ギヤケース40からコントローラ基板62を取り外す場合、コントローラ側第2放熱シート71のみを交換すればよい。一方、コントローラ側第1放熱シート66は、パワーモジュール65から熱伝導プレート67を取り外さない限り、交換が不要となる。
【0081】
(ロータの組み立て方法)
次に、
図5〜
図9に基づいて、ロータ9の組み立て方法について説明する。
まず、回転軸31に第2マグネット押え34Bの固定部36を挿入した後、回転軸31にロータコア32を外嵌固定する。この際、第2マグネット押え34Bは、押え爪38がロータコア32とは反対側に向くようにしておく。
続いて、着磁前のマグネット33をロータコア32の外周面に嵌合する。この際、マグネット33に形成されている凹部35を第2マグネット押え34Bとは反対側に向け、ロータコア32の外周面に嵌合する。また、ロータコア32とマグネット33との間には、接着剤等を塗布する必要はない。
【0082】
次に、ロータコア32の上から(ロータコア32の第2マグネット押え34Bとは反対側端から)、回転軸31に第1マグネット押え34Aの固定部36を挿入する。この際、マグネット33の凹部35に、第1マグネット押え34Aの押え爪38を挿入する。
続いて、各マグネット押え34A,34Bの固定部39の貫通孔39a、およびロータコア32のカシメ固定用孔32bにカシメピン30を挿入する。そして、カシメピン30の先端を座屈変形させる。これにより、ロータコア32、マグネット33、および各マグネット押え34A,34Bが一体化される。
【0083】
ここで、凹部35は、軸方向一端側から軸方向中央に向かうに従って、周方向の溝幅が徐々に狭くなるように形成されている一方、押え爪38は、マグネット33の凹部35の形状に対応するように、先細り形状になっている。このため、凹部35の傾斜面35bと押え爪38の傾斜辺38bとが当接することにより、押え爪38のマグネット33を押え付ける力が、マグネット33の周方向にも作用する。そして、この後、マグネット33を着磁してロータ9の組み立てが完了する。
【0084】
このように、上述の第1実施形態では、ロータコア32の両端にそれぞれマグネット押え34A,34Bを設けている。マグネット押え34A,34Bは、円環状の固定部36と、固定部36の外周部から径方向外側に向かって延びる4つのアーム部37と、各アーム部37の先端に設けられた押え爪38と、により構成されている。そして、回転軸31に固定部36を挿入した後、この固定部39の貫通孔39a、およびロータコア32のカシメ固定用孔32bにカシメピン30を挿入し、カシメ固定するだけでロータコア32にマグネット33を固定できる。
【0085】
このように、接着剤等を用いることなく回転軸31にマグネット33を固定できるので、ロータコア32へのマグネット33の組み付けを容易化でき、且つ製造コストを抑えることができる。また、各アーム部37が弾性変形可能に構成されているので、マグネット押え34A,34Bの押え爪38によって確実にマグネット33を押え付けることができる。よって、ロータコア32やマグネット33の製造誤差を多少吸収しつつ、確実にロータコア32にマグネット33を固定できる。
さらに、マグネット押え34A,34Bを用いつつマグネット33の外表面全体が露出するので、マグネット33の有効磁束が減少してしまうことがない。このため、モータ部2の体格が大型化してしまうことを防止できる。
【0086】
また、押え爪38を押え付ける弾性部として、帯状のアーム部37を採用することにより、マグネット押え34A,34Bによって、ロータコア32やマグネット33の軸方向端部の全体が覆われることがない。このため、ロータ9の軽量化を図ることができると共に、マグネット押え34A,34Bの材料コストを低減できる。帯状のアーム部37とすることにより、アーム部37に、容易に弾性を持たせることができる。
【0087】
さらに、アーム部37の個数は、マグネット33の極数と同じ4つに設定されている。そして、アーム部37は、各磁極に対応するように配置されている。このため、マグネット押え34A,34Bを介してマグネット33の磁束漏れを抑制でき、モータ部2のモータ性能が低下してしまうことを防止できる。
また、マグネット33に凹部35を形成する一方、マグネット押え34A,34Bの押え爪38を、凹部35に挿入可能に屈曲形成している。このため、ロータコア32に対してマグネット33が周方向にずれてしまうことを防止でき、ロータコア32へのマグネット33の固定力を確実に高めることができる。
【0088】
さらに、マグネット33の凹部35は、軸方向一端側から軸方向中央に向かうに従って、周方向の溝幅が徐々に狭くなるように形成されている。一方、マグネット押え34A,34Bの押え爪38は、マグネット33の凹部35の形状に対応するように、先細り形状になっている。このため、凹部35の傾斜面35bと押え爪38の傾斜辺38bとが当接することにより、押え爪38のマグネット33を押え付ける力が、マグネット33の周方向にも作用する。このため、マグネット押え34A,34Bとマグネット33との周方向の相対位置を高精度に決めることが可能になると共に、マグネット押え34A,34Bに対するマグネット33のガタツキを防止できる。
【0089】
また、押え爪38の軸方向の高さH4は、マグネット33の凹部35の軸方向の深さH3よりも若干長くなるように設定されている。このため、ロータコア32とマグネット押え34A,34Bとがカシメピン30により一体化された状態では、押え爪38が若干押し上げられる形になる。これにより、マグネット33のアーム部37は、僅かに湾曲するように弾性変形する。このアーム部37の弾性変形による弾性力が、押え爪38を凹部35の底面35aに押し付ける押圧力として作用する。このため、2つのマグネット押え34A,34Bによるマグネット33の挟持力を高めることができる。
【0090】
さらに、ロータコア32にカシメ固定用孔32bを形成すると共に、各マグネット押え34A,34Bの固定部39に貫通孔39aを形成している。そして、カシメ固定用孔32b、および貫通孔39aにカシメピン30を挿入し、このカシメピン30の先端を座屈変形させている。これにより、ロータコア32に、各マグネット押え34A,34Bを固定している。このため、ロータコア32に各マグネット押え34A,34Bを確実に固定することができ、ロータコア32へのマグネット33の固定力を確実に高めることができる。
【0091】
また、モータ部2のモータケース5は、軸方向に分割可能に構成された第1モータケース6と、第2モータケース7と、により構成されている。そして、第2モータケース7における周壁部14の内径D2は、周壁部14の内周面とステータ8のコア部21の外周面との間に隙間S1が形成されるように設定されている。これに加え、第2モータケース7の底部13とステータ8に巻回されているコイル24との間には、モータ側放熱シート25が設けられている。このため、第2モータケース7に、コイル24の熱を直接伝達することができる。しかも、第2モータケース7に伝達された熱を、この第2モータケース7で放熱するか、または殆どステータコア20に戻すことなく第1モータケース6に伝達することができる。よって、モータ部2の冷却効率を確実に高めることができる。
【0092】
さらに、第2モータケース7とは別体であるモータ側放熱シート25を使用して、コイル24の熱を第2モータケース7に伝達させている。このため、モータ側放熱シート25に代わる熱伝導部材を第2モータケース7と一体成形する場合と比較して、第2モータケース7を簡素な構造とすることができる。よって、第2モータケース7の製造コストを低減できる。
また、第2モータケース7やステータ8(ステータコア20)の製造誤差に係わらず、モータ側放熱シート25を介して、第2モータケース7にコイル24の熱を確実に伝達することができる。このため、モータ部2の冷却効率をさらに確実に高めることができる。
【0093】
さらに、モータ側放熱シート25は、コイル24ごとに別々に配置されている。各モータ側放熱シート25の形状は、各コイルにおける第2モータケース7の底部13側を覆うように軸方向平面視で略四角形状に形成されている。このため、例えば1枚の放熱シート25から複数のモータ側放熱シート25を切出すことが容易にできる。つまり、モータ側放熱シート25を成形し易くすることができると共に、モータ側放熱シート25の生産歩留まりを高めることができる。
【0094】
また、モータ側放熱シート25が軟らかい素材で形成されているので、モータ側放熱シート25の形成誤差が大きくなってしまった場合であっても、インシュレータ23に嵌め込む際にモータ側放熱シート25が変形する。このため、インシュレータ23に、モータ側放熱シート25を容易に嵌め込むことができる。さらに、第2モータケース7の底部13とコイル24とのそれぞれに、モータ側放熱シート25を容易に密着させることができる。
【0095】
また、モータ側放熱シート25が軟らかい素材で形成されているので、モータ部2を駆動した際にステータコア20に生じる振動を、モータ側放熱シート25で吸収することができ、第2モータケース7に振動が伝達されてしまうことが防止される。さらに、モータ側放熱シート25によって、ステータコア20自体の振動も抑制できるので、第1モータケース6側への振動の伝達も抑制される。
【0096】
さらに、ステータコア20に装着されたインシュレータ23は、底部23aと、底部23aの径方向外側に立設された外周壁23bと、底部23aの径方向内側に立設された内周壁23cと、により構成されている。そして、内周壁23cの高さH1は、外周壁23bの高さH2よりも高く設定されている。このため、内周壁23cによって、インシュレータ23の外周壁23bと内周壁23cとの間にモータ側放熱シート25を嵌め込んだ際、このモータ側放熱シート25が径方向内側に寄ってしまうことを阻止できる。したがって、ロータ9とモータ側放熱シート25とが接触してしまうことを防止でき、モータ部2の動作を安定させることができる。
【0097】
また、ギヤケース40と第1モータケース6とが一体化されているので、第1モータケース6に伝達される熱を放熱させるための面積を大きく確保することができる。このため、モータ部2の冷却効果をさらに高めることができる。
さらに、モータ部2の回転軸31と減速部3のウォーム軸44とを一体化し、ウォーム軸44のみをギヤケース40に設けた軸受46,47で回転自在に支持するように構成している。このため、モータケース5(第1モータケース6および第2モータケース7)に、回転軸31を回転自在に支持するための軸受を設ける必要がなくなる。よって、モータケース5の構造を簡素化でき、モータケース5の製品コストを低減できる。これに加え、2つのモータケース6,7の芯出しを高精度に行う必要がなくなるので、モータケース5の組み付け性を向上できる。
【0098】
また、モータ部2の駆動制御を行うコントローラ部4は、コントローラ基板62のパワーモジュール65にコントローラ側第1放熱シート66を介して取り付けられている熱伝導プレート67を有している。この熱伝導プレート67は、副プレート69の先端において、コントローラ基板62(ウォーム減速機構41)側の一面69a(副プレート69の一面69a)が、コントローラ側第2放熱シート71を介してギヤケース40の側壁40bに接触している。このように、カバー63ではなく放熱面積の大きいギヤケース40側に、熱伝導プレート67を介してコントローラ基板62の熱を効率よく伝達している。このため、コントローラ部4を放熱させるための構造を別途設ける必要がなく、減速機付モータ1を小型化できる。
【0099】
さらに、熱伝導プレート67に貼り付けられているコントローラ側放熱シート66,71は、1枚の放熱シートを熱伝導プレート67の全面に貼り付けていない。すなわち、コントローラ側第1放熱シート66と、コントローラ側第2放熱シート71とに分割構成され、それぞれプレート本体68と副プレート69とに別々に貼り付けられている。このため、例えばコントローラ部4をメンテナンスする際等、ギヤケース40からコントローラ基板62を取り外し場合は、コントローラ側第2放熱シート71のみを交換すればよい。そして、コントローラ側第1放熱シート66は、パワーモジュール65から熱伝導プレート67を取り外さない限り、交換が不要となる。
この結果、メンテナンス時等のコストを抑えることができる。また、コントローラ側第1放熱シート66とコントローラ側第2放熱シート71とに分割することにより、各放熱シート66,71を必要最低限の大きさとすることができる。よって、減速機付モータ1の製品コストを抑えることができる。
【0100】
また、コントローラ基板62は、ウォームホイール45のセンサマグネット53側に対向配置されている。
ここで、熱伝導プレート67は、コントローラ基板62側の一面69a(副プレート69の一面69a)が、コントローラ側第2放熱シート71を介してギヤケース40の側壁40bに接触している。すなわち、コントローラ基板62の熱伝導プレート67と反対側の面には、コントローラ基板62の冷却効率を高めるための部品を配置する必要がなく、スペースが空いている。このため、ウォームホイール45とコントローラ基板62とを対向配置させた場合、これらウォームホイール45とコントローラ基板62との間を極力狭くすることができる。よって、減速機付モータ1を小型化できる。
【0101】
また、ウォームホイール45とコントローラ基板62との間を極力狭くすることにより、ウォームホイール45のセンサマグネット53とコントローラ基板62に実装された磁気検出素子61とをできる限り近接配置することができる。このため、磁気検出素子61によるセンサマグネット53の磁気変化を精度よく検出することが可能になり、減速機付モータ1の性能を向上させることができる。
【0102】
また、ギヤケース40とカバー63とを利用してコントローラ部4を配置しているので、モータ部2等に無駄なスペースを確保する必要がない。このため、減速機付モータ1全体を小型化できる。さらに、ギヤケース40とコントローラ部4とを近接配置することにより、コントローラ基板62を放熱するための放熱面積を大きくすることができる。つまり、ギヤケース40を放熱部として有効活用できる。このため、コントローラ基板62の冷却効率をさらに高めることができる。
【0103】
(第1実施形態の変形例)
次に、
図11に基づいて、第1実施形態の変形例について説明する。
図11は、ロータ9のマグネット33に形成された凹部35の拡大断面図、
図12は、ロータ9を軸方向一方からみた平面図である。
ここで、上述の第1実施形態では、マグネット33に形成されている凹部35の底面35aは、軸方向に対して直交する方向に平坦に形成され、且つ軸方向からみた平面視が長方形状になるように形成されている場合について説明した。しかしながら、底面35aを以下のように形成してもよい。
【0104】
すなわち、
図11に示すように、底面35aを、径方向外側から径方向内側に向かうに従って徐々に溝深さが深くなるように傾斜させてもよい。また、
図12に示すように、底面35aを、径方向外側から径方向内側に向かうに従って徐々に周方向の溝幅が大きくなるように末広がりに形成してもよい。
これらのように構成することで、マグネット押え34A,34Bの押え爪38によってマグネット33の凹部35を押え付ける際、この押圧力がマグネット33の径方向外側に向かって作用する(例えば、
図12の矢印参照)。このため、ロータコア32に対するマグネット33の径方向への移動を抑制できると共に、マグネット33のガタツキを抑制できる。
【0105】
なお、上述の第1実施形態、および変形例では、ロータ9を組み立てるにあたって、まず、回転軸31に第2マグネット押え34Bの固定部36を挿入した後、回転軸31にロータコア32を外嵌固定する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば回転軸31とウォーム軸44とが一体化されていない場合、回転軸31にロータコア32を外嵌固定した後、このロータコア32の軸方向両端にそれぞれマグネット押え34A,34Bを配置するようにしてもよい。
【0106】
また、上述の第1実施形態、および変形例では、ロータコア32に、各マグネット押え34A,34Bがカシメピン30を用いて固定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、カシメピン30に代わってボルトを用い、このボルトによってロータコア32に各マグネット押え34A,34Bを締結固定するように構成してもよい。
【0107】
(第2実施形態)
次に、
図13〜
図16に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明を省略する(以下の実施形態についても同様)。
図13は、第2実施形態におけるロータ209の斜視図であって、前述の実施形態の
図5に対応している。
図14は、
図13のF−F線に沿う断面図である。
【0108】
(ロータ)
図13、
図14に示すように、ロータ209のロータコア232は、複数の金属板91を軸方向に積層することにより形成されている。複数の金属板91は、プレス加工を施すことにより形成された4つのカシメ用のボス92を有している。これらカシメ用のボス92は、周方向に等間隔で配置されている。これらボス92を重ね合わせてカシメることにより、複数の金属板91が一体化される。
【0109】
(マグネット押え)
ここで、第2実施形態の各マグネット押え234A,234Bは、ロータコア232のボス92を利用してロータコア232に固定されるように構成されている。この点、前述の第1実施形態の各マグネット押え34A,34Bと相違する点である。
【0110】
図15は、マグネット押え234A,234Bを一方からみた斜視図、
図16は、マグネット押え234A,234Bを他方からみた斜視図である。
図15、
図16に示すように、マグネット押え234A,234Bの固定部236には、マグネット押え234A,234Bをロータコア232に固定するための固定座39(
図9参照)が一体成形されていない。この固定座39に代わって、固定部236には、ロータコア232のボス92に対応する位置に、このボス92にカシメ固定されるボス93が4つ形成されている。
【0111】
ボス93は、例えばプレス加工を施すことにより、押え爪38が突出している方向と同じ方向に向かって突出形成されている。そして、固定部236の押え爪38が突出している側とは反対側の面は、ボス93に対応する位置が、他のボス93と嵌合可能なように凹んでいる。
なお、ボス93の突出方向は限定されるものでなく、ロータコア232のボス92の突出方向に応じて突出方向を変えればよい。つまり、2つのマグネット押え234A,234Bのうち、マグネット33に形成されている凹部35側に配置された第1マグネット押え234Aの押え爪38が、凹部35に挿入可能な向きとなるように、ボス93が突出されていればよい。
【0112】
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏することができる。これに加え、ロータコア232のボス92を利用して各マグネット押え234A,234Bを固定できる。このため、前述の第1実施形態のように、ロータコア32に各マグネット押え34A,34Bを固定するためのカシメ固用定孔32b(
図8参照)を形成する必要がない。よって、ロータコア32の加工コストが低減できる。また、カシメピン30を用いる必要がないので部品点数を削減できる。これに加え、ロータコア232の軸方向両端からカシメピン30が突出しないので、ロータ209を小型化できる。
【0113】
なお、上述の第1実施形態、変形例、および第2実施形態では、マグネット33の軸方向一端に4つの凹部35を形成する場合について説明した。また、各マグネット押え34A,34B,234A,234Bは、固定部36,236と、固定部36,236の外周部から延びる4つのアーム部37と、各アーム部37の先端に設けられた押え爪38と、が一体成形されたものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、マグネット33に形成する凹部35の個数、およびマグネット押え34A,34B,234A,234Bに設けるアーム部37の個数は、任意に設定することができる。但し、マグネット33の磁極の数に応じて凹部35やアーム部37の個数を設定することが望ましい。これにより、マグネット押え34A,34B,234A,234Bに起因するマグネット33の磁束漏れを抑制できる。
【0114】
さらに、押え爪38の形状やアーム部37の形状を変更することが可能である。押え爪38は、マグネット33の軸方向端部を押えることが可能な形状であればよく、例えば軸方向平面視でリング状に形成されていてもよい。また、アーム部37は、固定部36,236と押え爪38(マグネット33の軸方向端部を押える押え部)とを連結すると共に弾性を有する構造であればよい。
【0115】
(第3実施形態)
次に、
図17〜
図21に基づいて、本発明の第3実施形態について説明する。
図17は、第3実施形態におけるロータ309の斜視図であって、回転軸31の図示を省略している。
図18は、
図17のG−G線に沿う断面図である。
図17、
図18に示すように、前述の第1実施形態と第3実施形態との相違点は、第1実施形態のマグネット押え34A,34Bの形状と第3実施形態のマグネット押え334A,334Bの形状とが異なる点にある。
【0116】
また、第3実施形態の第1実施形態と異なる点は、以下の点である。
すなわち、ロータコア332には、回転軸31が挿入される貫通孔32aの周囲に、マグネット押え334A,334Bを固定するための固定用孔332bが4つ形成されている。これら固定用孔332bは、ロータコア332の軸方向に貫通形成されており、且つ周方向に等間隔で配置されている。
また、マグネット333には、軸方向両端にそれぞれ凹部35が形成されている。同一端部上に形成された各凹部35は、周方向に等間隔で4箇所形成されている。また、軸方向両端に形成された各凹部35は、それぞれ軸方向で対向するように形成されている。
【0117】
(マグネット押え)
図19は、マグネット押え334A,334Bの斜視図である。なお、ロータコア332の軸方向両端に設けられた2つのマグネット押え334A,334Bは同一構成であるので、以下の説明では、2つのマグネット押え334A,334Bのうち、第1マグネット押え334Aのみについて説明し、第2マグネット押え334Bについての説明は、必要に応じて行う。
【0118】
同図に詳示するように、第1マグネット押え334Aは、樹脂により形成されたものである。第1マグネット押え334Aは、円環状の固定部336を有している。
固定部336は、ロータコア332の軸方向両端に配置され、このロータコア332に固定されるものである。固定部336の開口部336aの直径D4は、回転軸31の軸径よりも若干大きい程度に設定されている。このような開口部336aに回転軸31が挿通され、ロータコア332の軸方向端面に固定部336が配置される。
【0119】
固定部336の外周部には、径方向外側に向かって延びる4つのアーム部337が一体成形されており、さらに、アーム部337の先端に押え爪338が一体成形されている。
4つのアーム部37は、マグネット333の凹部35に対応するように周方向に等間隔に配置されている。
【0120】
アーム部337の先端に設けられた押え爪338は、マグネット333を軸方向から押え付けるためのものである。押え爪338は、アーム部337の延在方向に対して略直角に屈曲形成され、アーム部337の先端から軸方向に沿って突出している。押え爪338は、マグネット333の凹部35の形状に対応するように、先細り形状になっている。すなわち、押え爪338は、平坦な先端338aと、周方向両側辺で、且つ先端338a側に斜めに形成された2つの傾斜辺338bと、を有している。
【0121】
また、固定部336の外周部には、各アーム部337の間に、略円柱状の4つの固定座339が一体成形されている。各固定座339は、2つのマグネット押え334A,334B同士を固定するためのものであって周方向に等間隔で配置されている。4つの固定座339の固定部336の開口部336aを挟んで対向する2つの固定座339には、段付き状の貫通孔339cが軸方向に沿って形成されている。貫通孔339cは、押え爪338が突出されている側に形成された小径孔339aと、押え爪338が突出されている側とは反対側に形成され小径孔339aよりも段差を介して拡径形成された大径孔339bと、が連通形成されてなる。小径孔339aの内径は、ロータコア332の固定用孔332bの内径とほぼ同一になるように設定されている。
【0122】
また、4つの固定座339のうち、貫通孔339cが形成されていない2つの固定座339には、それぞれ固定柱96が突設されている。固定柱96は、この固定柱96と固定座339とが協働して2つのマグネット押え334A,334B同士を固定するものである(詳細は後述する)。
【0123】
固定柱96は、押え爪338の突出方向と同一方向に向かって突出されている。また、固定柱96の長さL3は、ロータコア332の軸方向の長さL4よりも十分長い長さに設定されている。さらに、固定柱96の軸径は、固定座339に形成されている貫通孔339cの小径孔339aの内径と同一か、または若干小さい程度に設定されている。また、固定柱96の先端は、先細り部98となっている。この先細り部98は、2つのマグネット押え334A,334B同士を固定する際、熱カシメ部97(
図17参照)となる。
【0124】
さらに、固定座339の外周部には、貫通孔339cを挟んで開口部336aとは反対側に、補助押え95が一体成形されている。補助押え95は、マグネット333のガタツキを防止するためのものである。補助押え95は、固定座339の外周部から軸方向と直交する方向に沿って延出する延出部95aと、延出部95aの先端から押え爪338の突出方向と同じ方向に向かって屈曲延出する楔部95bと、が一体成形されたものである。楔部95bは、先端に向かうに従って徐々に肉厚が薄くなるように楔状に形成されている。
【0125】
(ロータの組み立て方法)
次に、ロータ309の組み立て方法について説明する。
まず、回転軸31(第3実施形態では不図示、
図5参照)にロータコア332を外嵌固定し、続いて着磁前のマグネット333をロータコア332の外周面に嵌合する。この際、ロータコア332とマグネット333との間には、接着剤等を塗布する必要はない。
【0126】
次に、ロータコア332の軸方向一端側から、このロータコア332の任意の2つの固定用孔332bに第1マグネット押え334Aの固定柱96を挿入する。また、ロータコア332の軸方向他端側から、ロータコア332の残りの2つの固定用孔332bに第2マグネット押え334Bの固定柱96を挿入する。
このとき、
図17、
図18に示すように、マグネット333の各凹部35に、各マグネット押え334A、334Bの押え爪338を挿入する。また、ロータコア332の外周面とマグネット333の内周面との間に、各マグネット押え334A、334Bの補助押え95の楔部95bを挿入する。
【0127】
図20は、
図18のH部拡大図である。
同図に示すように、楔部95bは、先端に向かうに従って徐々に肉厚が薄くなるように楔状に形成されているので、ロータコア332の外周面とマグネット333の内周面との間にスムーズに挿入できる。ロータコア332の外周面とマグネット333の内周面との間に楔部95bが挿入されることにより、ロータコア332に対してマグネット333に径方向外側に向かう力が作用する。
【0128】
図21は、ロータコア332の軸方向両端にそれぞれマグネット押え334A,334Bを取り付けた状態を示し、ロータコア332の図示を省略した斜視図である。
同図に示すように、ロータコア332の軸方向両端にそれぞれマグネット押え334A,334Bを取り付けた状態では、2つのマグネット押え334A,334Bの一方の貫通孔339cに、他方の固定柱96が挿入される。そして、各固定柱96の先端は、それぞれ貫通孔339cの小径孔339aを介し、大径孔339b内に突出している。
【0129】
このような構成のもと、各固定柱96の先細り部98を加熱すると共に加圧し、各固定柱96の先端(先細り部98)に熱カシメ部97(
図17参照)を形成する。熱カシメ部97は、貫通孔339cの大径孔339b全体に広がるように拡径変形されてなる。このため、熱カシメ部97は、貫通孔339cの小径孔339aから抜け落ちることがない。これにより、ロータコア332、マグネット333、および各マグネット押え334A,334Bが一体化される。この後、マグネット333を着磁してロータ9の組み立てが完了する。
【0130】
このように、上述の第3実施形態では、ロータコア332の両端にそれぞれマグネット押え334A,334Bを設けている。マグネット押え334A,334Bは、円環状の固定部336と、固定部336の外周部から径方向外側に向かって延びる4つのアーム部337と、アーム部337の先端に設けられた押え爪338と、を有している。そして、ロータコア332の軸方向両端からそれぞれ固定用孔332bに第1マグネット押え334Aの固定柱96を挿入すると共に、第2マグネット押え334Bの固定柱96を挿入する。そして、各固定柱96の先端(先細り部98)に熱カシメ部97を形成するだけでロータコア332にマグネット333を固定できる。
【0131】
このように、接着剤等を用いることなく回転軸31にマグネット333を固定できるので、ロータコア332へのマグネット333の組み付けを容易化でき、且つ製造コストを抑えることができる。また、マグネット333の軸方向両端にそれぞれ凹部35を形成し、これら凹部35に、各マグネット押え334A,334Bの押え爪338を挿入させている。このため、各マグネット押え334A,334Bとマグネット333との係合力を高めることができると共に、ロータコア332に対してマグネット333が周方向にずれてしまうことを防止できる。よって、ロータコア332へのマグネット333の固定力を確実に高めることができる。
【0132】
さらに、マグネット押え334A,334Bの押え爪338は、平坦な先端338aと、周方向両側辺で、且つ先端338a側に斜めに形成された2つの傾斜辺338bと、を有している。このため、凹部35の傾斜面35b(第3実施形態では不図示、
図7参照)と押え爪338の傾斜辺338bとが当接することにより、押え爪338のマグネット333を押え付ける力が、マグネット333の周方向にも作用する。よって、マグネット押え334A,334Bとマグネット333との周方向の相対位置を高精度に決めることが可能になる。さらに、マグネット押え334A,334Bに対するマグネット333のガタツキを防止できる。
【0133】
これに加え、マグネット押え334A,334Bは、補助押え95を有しており、この補助押え95の楔部95bが、ロータコア332の外周面とマグネット333の内周面との間に挿入される。楔部95bによって、マグネット333には、ロータコア332に対して径方向外側に向かう力が作用する。このため、ロータコア332に対するマグネット333のガタツキを防止しつつ、ロータコア332にマグネット333を確実に固定できる。
【0134】
なお、上述の第3実施形態では、各マグネット押え334A,334Bに固定柱96を立設している。そして、2つのマグネット押え334A,334Bの一方の貫通孔339cに、他方の固定柱96を挿入し、各固定柱96の先端(先細り部98)に熱カシメ部97を形成することにより、ロータコア332に各マグネット押え334A,334Bを固定している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ロータコア332に各マグネット押え334A,334Bの固定部336が固定可能な構造であればよく、固定柱96を設けなくてもよい。例えば、各マグネット押え334A,334Bの固定部336に、ロータコア332の固定用孔332bに圧入可能な凸部を設けてもよい。
【0135】
また、上述の第3実施形態では、マグネット333の軸方向両端にそれぞれ4つの凹部35を形成する場合について説明した。さらに、各マグネット押え334A,334Bは、固定部336と、固定部336の外周部から延びる4つのアーム部337と、各アーム部337の先端に設けられた押え爪338と、が一体成形されたものである場合について説明した。しかしながら、これらに限られるものではなく、マグネット333に形成する凹部35の個数、およびマグネット押え334A,334Bに設けるアーム部337の個数は、任意に設定することができる。
【0136】
さらに、押え爪338の形状やアーム部337の形状を変更することが可能である。押え爪338は、マグネット333の軸方向端部を押えることが可能な形状であればよく、例えば軸方向平面視でリング状に形成されていてもよい。また、アーム部337は、固定部336と押え爪338(マグネット333の軸方向端部を押える押え部)とを連結可能な構成であればよい。
【0137】
また、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源となるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな用途に減速機付モータ1を使用することができる。
【0138】
また、上述の実施形態では、熱伝導プレート67におけるプレート本体68の短手方向の幅が、このプレート本体68によってパワーモジュール65の上面全体が覆われる程度の大きさに設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、熱伝導プレート67の大きさを任意に設定することが可能である。例えば、熱伝導プレート67(プレート本体68)の大きさを、コントローラ基板62の全体を覆う大きさに設定してもよい。
このように熱伝導プレート67を形成することにより、コントローラ基板62に搭載、または接続された電子部品から放出される放射ノイズを、熱伝導プレートによって吸収することが可能になる。つまり、熱伝導プレート67の役割を、コントローラ部4の放熱のためとするだけでなく、コントローラ基板62の放射ノイズの低減のためとすることができる。
【0139】
また、上述の実施形態では、モータ部2において、インシュレータ23の内周壁23cの高さH1は、外周壁23bの高さH2よりも高く設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくともインシュレータ23のモータ側放熱シート25が設けられる側において、内周壁23cの軸方向の高さH1が、外周壁23bの軸方向の高さH2よりも高く設定されていればよい。
【0140】
さらに、上述の実施形態では、第2モータケース7の底部13とステータ8に巻回されているコイル24との間に、モータ側放熱シート25を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、第2モータケース7の底部13を底上げし、この底上げした箇所を、コイル24の熱を第2モータケース7へと伝達させる熱伝導部材として構成してもよい。つまり、この熱伝導部材を、第2モータケース7の底部13に一体成形してもよい。
【0141】
また、上述の実施形態では、第2モータケース7を有底筒状に形成した場合について説明したが、第2モータケース7の底部13に放熱フィン等を設け、第2モータケース7の放熱性をさらに向上させてもよい。