特許第6656003号(P6656003)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656003
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】農作業機
(51)【国際特許分類】
   A01B 35/04 20060101AFI20200220BHJP
   A01B 33/12 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A01B35/04 D
   A01B33/12 B
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-17270(P2016-17270)
(22)【出願日】2016年2月1日
(65)【公開番号】特開2016-163563(P2016-163563A)
(43)【公開日】2016年9月8日
【審査請求日】2018年11月9日
(31)【優先権主張番号】特願2015-37777(P2015-37777)
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】黒田 将仁
(72)【発明者】
【氏名】池田 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】岩松 淳司
【審査官】 門 良成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−065618(JP,A)
【文献】 特開2012−187027(JP,A)
【文献】 特開2003−023804(JP,A)
【文献】 特開2013−208089(JP,A)
【文献】 米国特許第04254834(US,A)
【文献】 特開2005−341847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/00
A01B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕耘作業をする耕耘体と、
この耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、
この整地体の前記耕耘体側の面を覆う弾性体と、
前記整地体の前記耕耘体側の面を覆う土付着防止体と、
前記整地体に対して前記弾性体の下端側および前記土付着防止体の上端側を固定する共通固定手段と、
前記整地体に設けられ、前記弾性体の上端側を保持する保持手段とを備え
前記保持手段は、前記整地体に取り付けられた部材を有し、この部材に対して前記弾性体の上端側が移動可能となっている
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
弾性体は、下端側被固定部を下端側に有し、
土付着防止体は、上端側被固定部を上端側に有し、
共通固定手段は、互いに重なり合った前記弾性体の前記下端側被固定部および前記土付着防止体の前記上端側被固定部を整地体に対して固定する
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】
共通固定手段は、整地体と弾性体との間の隙間を維持する隙間維持部材を有する
ことを特徴とする請求項1または2記載の農作業機。
【請求項4】
弾性体は、保持手段よりも上方に突出する自由端部を上端部に有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機。
【請求項5】
保持手段が有する前記部材に螺合されたボルトは、耕耘体の上方部を覆う耕耘カバー体に取り付けられた弾性板によって覆い隠されている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成の簡素化を図ることができる農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、例えば耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体の耕耘体側の面を覆う弾性体(カバー部材)と、整地体の耕耘体側の面を覆う土付着防止体(整地部材)とを備え、これら弾性体および土付着防止体がそれぞれ個別の固定手段によって整地体に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−187027号公報(図5等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の農作業機のように、弾性体および土付着防止体をそれぞれ個別の固定手段によって整地体に固定する構成では、部品点数が多くなり、構成が複雑となるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、構成の簡素化を図ることができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、耕耘作業をする耕耘体と、この耕耘体の後方で整地作業をする整地体と、この整地体の前記耕耘体側の面を覆う弾性体と、前記整地体の前記耕耘体側の面を覆う土付着防止体と、前記整地体に対して前記弾性体の下端側および前記土付着防止体の上端側を固定する共通固定手段と、前記整地体に設けられ、前記弾性体の上端側を保持する保持手段とを備え、前記保持手段は、前記整地体に取り付けられた部材を有し、この部材に対して前記弾性体の上端側が移動可能となっているものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機において、弾性体は、下端側被固定部を下端側に有し、土付着防止体は、上端側被固定部を上端側に有し、共通固定手段は、互いに重なり合った前記弾性体の前記下端側被固定部および前記土付着防止体の前記上端側被固定部を整地体に対して固定するものである。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項1または2記載の農作業機において、共通固定手段は、整地体と弾性体との間の隙間を維持する隙間維持部材を有するものである。
【0010】
請求項4記載の農作業機は、請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機において、弾性体は、保持手段よりも上方に突出する自由端部を上端部に有するものである。
【0011】
求項記載の農作業機は、請求項1ないし4のいずれか一記載の農作業機において、保持手段が有する前記部材に螺合されたボルトは、耕耘体の上方部を覆う耕耘カバー体に取り付けられた弾性板によって覆い隠されているものである
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、整地体に対して弾性体および土付着防止体を固定する共通固定手段を備えるため、構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る農作業機の側面図である。
図2】同上農作業機の平面図である。
図3】同上農作業機の整地体を示す図で、(a)が側面図、(b)が平面図である。
図4】同上農作業機の側面視部分断面図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係る農作業機の整地体を示す図で、(a)が側面図、(b)が平面図である。
図6】同上農作業機の側面視部分断面図である。
図7】本発明の第3の実施の形態に係る農作業機の側面視部分断面図である。
図8】本発明の第4の実施の形態に係る農作業機の側面視部分断面図である。
図9】本発明の第5の実施の形態に係る農作業機の側面視部分断面図である。
図10】本発明の第6の実施の形態に係る農作業機の側面視部分断面図である。
図11】本発明の第7の実施の形態に係る農作業機の部分側面図である。
図12】同上農作業機のゴムカバー板の上端側付近の側面図である。
図13】本発明の第8の実施の形態に係る農作業機の部分側面図である。
図14】本発明の第9の実施の形態に係る農作業機の部分側面図である。
図15】本発明の第10の実施の形態に係る農作業機の部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図4を参照して説明する。
【0015】
図1および図2において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結され、そのトラクタの走行により圃場を前方(進行方向)に移動しながら耕耘整地作業をするものである。
【0016】
農作業機1は、図示しないトラクタの後部の3点リンク(農作業機昇降支持装置)に脱着可能に連結された機体2を備えている。
【0017】
機体2は、前後方向の入力軸3が前方に向かって突設されたミッションケース部4を左右方向中央部に有している。なお、入力軸3は、トラクタのPTO軸にジョイント等の動力伝達手段を介して接続され、PTO軸の回転時に回転してトラクタ側からの動力を農作業機1側へ入力する。
【0018】
ミッションケース部4の左右の側部には、左右方向長手状で円筒状をなす主フレーム部であるフレームパイプ部5の内端部が取り付けられている。左側(進行方向左側)のフレームパイプ部5の外端部である左端部には伝動ケース部であるチェーンケース部6の上部が取り付けられ、右側(進行方向右側)のフレームパイプ部5の外端部である右端部には板状のブラケット部7の上部が取り付けられている。
【0019】
そして、互いに左右に離間対向するチェーンケース部6の下部およびブラケット部7の下部間には、所定方向すなわち例えばダウンカット方向に回転しながら耕耘作業をする耕耘体(ロータリ)8が回転可能に架設されている。つまり、機体1には、耕耘作業をする耕耘体8が回転可能に設けられている。
【0020】
耕耘体8は、入力軸3側からの動力で所定方向に回転する左右方向の耕耘軸9と、この耕耘軸9に取り付けられた複数の耕耘爪10とを有している。なお、耕耘体8は、ダウンカット方向に回転して耕耘作業をするものには限定されず、アップカット方向に回転して耕耘作業をするものでもよい。
【0021】
また、耕耘体8の上方には、その耕耘体8の上方部を覆う板状の耕耘カバー体11が配設されている。この耕耘カバー体11は、例えば上方に向かって凸の湾曲板状をなすもので、機体2に固設されている。なお、耕耘カバー体11の耕耘体8側の面(下面)は、例えば弾性板であるゴム板12にて覆われている。つまり、ゴム板12が耕耘カバー体11の下面側に取り付けられている。
【0022】
そして、耕耘カバー体11の後端部には、耕耘体8の後方で整地作業をする板状の整地体(均平板)16が左右方向の回動中心軸線(回動支点)Xを中心として上下方向に回動可能に設けられている。つまり、整地体16の上端部が耕耘カバー体11の後端部に複数(例えば3つ)の連結部材である蝶番17を介して回動可能に取り付けられている。
【0023】
また、図3および図4にも示すように、農作業機1は、整地体16の耕耘体8側の面(前面)の上部を覆う1枚板状の土付着防止用の弾性変形可能な弾性体であるゴムカバー板21と、整地体16の耕耘体8側の面(前面)の下部を覆う1枚板状の土付着防止体であるステンレス板22と、これらゴムカバー板21およびステンレス板22を整地体16の上下方向中間部の固定受け部15に対して同時に共締め固定する共通固定手段23とを備えている。
【0024】
つまり、整地体16には、整地体16に比べて土が付着しにくい低付着性の板状部材(ゴムカバー板21およびステンレス板22)が整地体16の前面全体を覆うように脱着可能(交換可能)に取り付けられている。このため、整地体16の耕耘体8側の面には、耕耘土が直接接触しない。
【0025】
なお、ゴムカバー板21と整地体16の前面との間には、ゴムカバー板21を弾性変形させるための所定の大きさの隙間20が形成されている。つまり、ゴムカバー板21は、整地体16の前面との間に弾性変形用の隙間20が形成されるように整地体16に取り付けられている。一方、ステンレス板22は、整地体16の前面に面状に直接接触した状態となるように整地体16に取り付けられている。
【0026】
ここで、ゴムカバー板21は、下端側被固定部31を下端側に有し、この下端側被固定部31には、左右方向に間隔をおいて並ぶ複数の孔部32が形成されている。なお、ゴムカバー板21の上端部は、固定手段24にて整地体16の上端部に解除可能に固定されている。
【0027】
ステンレス板22は、上端側被固定部36を上端側に有し、この上端側被固定部36には、ゴムカバー板21の孔部32と対応するように左右方向に間隔をおいて並ぶ複数の孔部37が形成されている。なお、ステンレス板22は、上方側へ半円弧状に曲げられた断面C字状の曲板部38を下端側に有し、この曲板部38が整地体16の下端部に解除可能に嵌合されている。
【0028】
共通固定手段23は、例えば複数のボルト(皿ボルト)41と、複数のナット42と、複数のワッシャ43と、複数の環状部材であるカラー部材(隙間維持部材)44と、複数の押さえ部材(ボルト頭部受け部材)45とにて構成されている。
【0029】
カラー部材44は、ボルト挿通孔部である孔部46を有する円形環状をなすものであって、整地体16の耕耘体8側の面とゴムカバー板21との間の隙間20を維持する隙間維持部材である。なお、整地体16の板状の固定受け部15には、左右方向に間隔をおいて並ぶ複数の孔部47が形成されている。
【0030】
そして、ボルト41がゴムカバー板21の下端側被固定部31の孔部32、隙間維持部材であるカラー部材44の孔部46、ステンレス板22の上端側被固定部36の孔部37、整地体16の固定受け部15の孔部47およびワッシャ43に挿入され、この挿入されたボルト41にナット42が螺合されることにより、ゴムカバー板21の下端側被固定部31およびステンレス板22の上端側被固定部36が互いに前後に対向した状態となって整地体16の固定受け部15に対して同時に共締め固定されている。
【0031】
つまり、ゴムカバー板21およびステンレス板22に対して共通の共通固定手段23によって、互いに前後に対向した下端側被固定部31および上端側被固定部36が整地体16に対して解除可能に同時に固定されている。
【0032】
そして、この固定状態において、左右方向に間隔をおいて並ぶ複数のカラー部材44は、前側の下端側被固定部31と後側の上端側被固定部36とにて挟持されてこれら両被固定部31,36間に位置しており、このカラー部材44によって隙間20が形成されて維持されるようになっている。また、ステンレス板22の上端側被固定部36は、カラー部材44と整地体16の固定受け部15とにて挟持されている。さらに、ボルト41の頭部は、ゴムカバー板21の下端側被固定部31の孔部32内に位置しており、ゴムカバー板21から前方に突出しておらず、このため、ボルト41の頭部から土が成長することがない。また、互いに隣り合うカラー部材44間には間隙部50があるため、隙間20に入り込んだ土がその間隙部50を通って逃げるようになっている(図3(b)参照)。
【0033】
なお、整地体16の後面には背板51が立設され、この背板51と機体2との間には整地体16の接地圧を調整するための接地圧調整手段52が設けられている。また、機体2の前部には、耕耘体8の耕耘深さを調整するためのゲージ輪53が設けられている。
【0034】
次に、農作業機1の作用等を説明する。
【0035】
トラクタの後部に農作業機1を連結してトラクタを前方に走行させると、農作業機1全体がトラクタとともに前方に移動しつつ、耕耘体8が耕耘作業をし、この耕耘体8の後方で整地体16が整地作業をする。
【0036】
ここで例えば、磨耗や損傷等のため、ゴムカバー板21およびステンレス板22を交換する必要が生じた場合には、作業者Xは、固定手段24および共通固定手段23による固定を解除して、その古いゴムカバー板21およびステンレス板22を整地体16から取り外す。その後、作業者Xは、固定手段24および共通固定手段23を用いて、新しいゴムカバー板21およびステンレス板22を整地体16に取り付けて固定する。
【0037】
そして、農作業機1によれば、整地体16に対してゴムカバー板21の下端側被固定部31およびステンレス板22の上端側被固定部36を同時に固定する共通固定手段23を備えるため、ゴムカバー板21およびステンレス板22をそれぞれ個別の固定手段によって整地体16に固定する構成に比べて、部品点数が少なくなり、構成の簡素化を図ることができ、また、ゴムカバー板21およびステンレス板22の交換作業も容易である。
【0038】
また、共通固定手段23は、整地体16の耕耘体8側の面とゴムカバー板21との間の隙間20を維持するスペーサ部材としてのカラー部材44を有するため、例えば隙間20を維持するための部材を別途設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
【0039】
次に、本発明の第2の実施の形態について図5および図6を参照して説明する。
【0040】
この第2の実施の形態に係る農作業機1の共通固定手段23は、複数のカラー部材44の代わりに、左右方向長手状で板状の1本の長手状部材であるバー部材(隙間維持部材)55を有している。
【0041】
バー部材55は、長手方向である左右方向に間隔をおいて並ぶ複数のボルト挿通孔部である孔部(カラー部材44の孔部46に相当)56を有する細長板状をなすものであって、整地体16の耕耘体8側の面とゴムカバー板21との間の隙間20を維持する隙間維持部材である。このバー部材55の長手方向長さ寸法は、整地体16の左右方向長さ寸法と同一(略同一を含む)であり、整地体16およびゴムカバー板21間の隙間20に土が入り込まない構成となっている。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と基本的に同じである。
【0042】
そして、この第2の実施の形態に係る農作業機1によれば、第1の実施の形態の構成よりも部品点数が少なく、構成の簡素化をより一層図ることができる。なお、バー部材55の本数は、1本が好ましいが、複数本に分割した構成でもよい。
【0043】
次に、本発明の第3の実施の形態について図7を参照して説明する。
【0044】
この第3の実施の形態に係る農作業機1の共通固定手段23は、ナット42およびワッシャ43を有さず、孔部(バカ孔部)46の代わりにねじ孔部(ねじ溝を有する孔部)57がバー部材55に形成されている。また、このねじ孔部57を有するバー部材55は、溶接等によって整地体16の固定受け部15の前面に固着されている。このため、ステンレス板22の上端側被固定部36は、バー部材55とゴムカバー板21の下端側被固定部31とにて挟持されている。なお、その他の構成は、第1の実施の形態と基本的に同じである。
【0045】
そして、この第3の実施の形態に係る農作業機1によれば、第1の実施の形態の構成よりも部品点数が更に少なく、構成の簡素化をより一層図ることができる。なお、例えば図示しないが、ねじ孔部を有する複数のカラー部材44を溶接等により整地体16の前面に固着するようにしてもよい。
【0046】
また、例えば図8に示す第4の実施の形態のように、互いに重なり合った両被固定部31,36の前後関係を逆にして、ゴムカバー板21の下端側被固定部31をバー部材(カラー部材44でもよい)55とステンレス板22の上端側被固定部36とにて挟持するようにしてもよい。
【0047】
さらに、例えば図9に示す第5の実施の形態や図10に示す第6の実施の形態のように、隙間維持部材(カラー部材44、バー部材55)を用いずに、ボルト41、ナット42、ワッシャ43および押さえ部材45からなる共通固定手段23にて、互いに重なり合った両被固定部31,36を整地体16に対して同時に固定するようにしてもよい。なお、例えば図示しないが、ナット42を整地体16に溶接等により固着した構成や、整地体16にねじ孔部を形成した構成等でもよい。
【0048】
また、図11および図12には、本発明の第7の実施の形態を示す。
【0049】
この実施の形態に係る農作業機1は、弾性体であるゴムカバー板21の上端側を整地体16に対して前後方向(略前後方向を含む)に移動可能に保持する保持手段61を備え、この保持手段61は整地体16の上端側に設けられている。
【0050】
そして、この保持手段61は、耕耘体8の上方部を覆う耕耘カバー体11の下面側に取り付けられた弾性板であるゴム板12の後端部によって覆い隠されている。
【0051】
ここで、保持手段61は、整地体16の上端側に溶接等で固着された止めピン62を有し、この止めピン62の軸部63にはねじ孔部64が形成されている。ゴムカバー板21の上端側には、軸部用孔部65が形成されている。
【0052】
止めピン62の軸部63がそのゴムカバー板21の軸部用孔部65に挿入され、ボルト66がねじ孔部64に螺合されることで、ゴムカバー板21の上端側が両座金67,68間において止めピン62の軸部63の外周面に沿って移動可能となっている。なお、整地体16とゴムカバー板21との間の離間距離は、例えば3mm〜30mmである。
【0053】
そして、この第7の実施の形態によれば、ゴムカバー板21の上端側が整地体16に対して移動するため、ゴムカバー板21には土が付着しにくく、また付着しても落ちやすい。また、保持手段61が耕耘カバー体11側のゴム板12によって覆い隠されているため、保持手段61のボルト66等には土が付着しにくい。
【0054】
なお、例えば図13に示す第8の実施の形態のように、保持手段61が耕耘カバー体11側のゴム板12によって覆い隠されていない構成でもよい。
【0055】
また、例えば図14に示す第9の実施の形態や図15に示す第10の実施の形態のように、隙間維持部材であるカラー部材44を含む共通固定手段23を用いて、ゴムカバー板21の上端側および下端側に隙間20が存在するようにしてもよい。つまり、図14図15の実施の形態では、整地板16とゴムカバー板21との間には略全体にわたって隙間20が形成されている。このため、ゴムカバー板21には土が付着しにくく、また付着しても落ちやすい。なお、例えばカラー部材44ではなく、バー部材55を用いてもよい。
【0056】
なお、上記のいずれの実施の形態においても、共通固定手段は、ボルトではなく、例えばピン等を用いるものでもよい。
【0057】
さらに、弾性体は、ゴムカバー板21等のゴム製には限定されず、樹脂製や金属製等でもよい。また同様に、土付着防止体は、ステンレス板22等の金属製には限定されず、ゴム製や樹脂製等でもよい。
【0058】
なお、本発明のいくつかの実施の形態およびその変形例について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、前記各実施の形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 農作業機
8 耕耘体
11 耕耘カバー体
12 弾性板であるゴム板
16 整地体
20 隙間
21 弾性体であるゴムカバー板
22 土付着防止体であるステンレス板
23 共通固定手段
31 下端側被固定部
36 上端側被固定部
44 隙間維持部材であるカラー部材
46,56 ボルト挿通孔部である孔部
55 隙間維持部材であるバー部材
61 保持手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15