特許第6656101号(P6656101)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656101
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】カプセルユニットの制御システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20200220BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   G06Q50/12
   H04Q9/00 301B
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-137141(P2016-137141)
(22)【出願日】2016年7月11日
(65)【公開番号】特開2018-10383(P2018-10383A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2019年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】505212588
【氏名又は名称】株式会社スターベックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 昭
(72)【発明者】
【氏名】下田 哲也
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−120576(JP,A)
【文献】 特開2000−011052(JP,A)
【文献】 特開平05−248107(JP,A)
【文献】 特開2013−076235(JP,A)
【文献】 特開平11−231073(JP,A)
【文献】 特開2003−215279(JP,A)
【文献】 特開平08−075880(JP,A)
【文献】 特開平02−239365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G07C 1/00−15/00
H03J 9/00− 9/06
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカプセルユニットと、
管理コンピュータと、
を備え、
前記カプセルユニットは、
個室空間を形成する本体と、
前記個室空間を照明する照明部を含む機器と、
前記機器を操作するためのルーム操作部と、
前記機器を制御するルーム制御部と、
を有し、
前記管理コンピュータは、
全てのカプセルユニットについて、入室中、掃除待ち、掃除中及び空室を含む状態を管理する状態管理部と、
前記状態を変更する操作を受け付ける状態操作部と、
前記カプセルユニットの前記ルーム制御部と通信可能に構成され、前記ルーム制御部に対して前記機器の制御を指示する中央制御部と、
を有し、
前記状態操作部への操作によって入室中から掃除待ちに状態が変更されたことに起因して、対応するカプセルユニットの前記照明部の照明状態を、掃除待ちであることを表す所定の照明状態に変更する、カプセルユニットの制御システム。
【請求項2】
前記カプセルユニットの前記ルーム操作部に対する操作によって、掃除待ちから掃除中に状態を変更可能に構成されており、
前記掃除待ちから清掃中に状態を変更する操作に起因して、対応するカプセルユニットの前記照明部の照明状態を点灯状態に変更する、請求項1に記載のカプセルユニットの制御システム。
【請求項3】
前記カプセルユニットの前記ルーム操作部に対する操作によって、掃除中から空室に状態を変更可能に構成されており、
前記状態操作部への操作によって掃除中から空室に状態が変更されたことに起因して、対応するカプセルユニットの前記照明部の照明状態を、空室に対応する所定の照明状態に変更する、請求項2に記載のカプセルユニットの制御システム。
【請求項4】
前記機器は、時計部を有し、
前記中央制御部は、所定のタイミングで、前記時計部の時刻を修正するための時刻合わせデータを全ての前記ルーム制御部に送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のカプセルユニットの制御システム。
【請求項5】
前記ルーム操作部に対する操作によって、アラームを発動させる時刻を設定可能に構成されており、
前記ルーム制御部は、前記時計部の時刻が設定された時刻になったときに、前記照明部の照明状態を、アラーム用の所定の照明状態に変更する、請求項4に記載のカプセルユニットの制御システム
【請求項6】
前記カプセルユニットの前記ルーム操作部に対する操作によって、非常状態に状態変更可能に構成されており、
前記管理コンピュータは、外部に報知可能な報知部を有し、
前記中央制御部は、非常状態に状態が変更されたことに起因して、前記報知部を通じて非常状態であることを外部に報知する、請求項1〜5のいずれかに記載のカプセルユニットの制御システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個室空間を提供するカプセルユニットの制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、簡易宿泊用のカプセルユニットは、例えば特許文献1に示すように、6面の壁面部のうち一面に出入口を設けた横長の略直方体形状をなしており、複数のカプセルユニットが上下二段で複数個通路に面して配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−76235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カプセルユニットは、利用が終了した後、例えばホテルであればチェックアウトした後に、清掃作業が必要となる。清掃員は、どこのカプセルユニットが清掃すべきであるかを確認する必要があるが、この確認作業が煩雑である。
【0005】
本開示は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、清掃などのメンテナンスの作業効率及び利便性を向上させたカプセルユニットの制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。
【0007】
本開示のカプセルユニットの制御システムは、複数のカプセルユニットと、管理コンピュータと、を備え、前記カプセルユニットは、個室空間を形成する本体と、前記個室空間を照明する照明部を含む機器と、前記機器を操作するためのルーム操作部と、前記機器を制御するルーム制御部と、を有し、前記管理コンピュータは、全てのカプセルユニットについて、入室中、掃除待ち、掃除中及び空室を含む状態を管理する状態管理部と、前記状態を変更する操作を受け付ける状態操作部と、前記カプセルユニットの前記ルーム制御部と通信可能に構成され、前記ルーム制御部に対して前記機器の制御を指示する中央制御部と、を有し、前記状態操作部への操作によって入室中から掃除待ちに状態が変更されたことに起因して、対応するカプセルユニットの前記照明部の照明状態を、掃除待ちであることを表す所定の照明状態に変更する。
【0008】
この構成によれば、入室中から掃除待ちに状態変更されれば、対応するカプセルユニットの照明部の照明状態が、掃除待ちであることを示す所定の照明状態になるので、一目で掃除すべきユニットが分かり、メンテナンスの作業効率及び利便性を向上させることが可能となる。それでいて、カプセルユニットに必ず存在する照明部の照明状態を報知手段として利用するので、例えばカプセルユニットの通路側に別途に報知手段を設ける必要がなく、見栄えを損なわず、コストを低減することができる。また、音で報知すると他のカプセルユニットの利用者に不快感を与えるおそれがあるものの、本発明では、照明状態によって報知するので、他のカプセルユニットの利用者に与える影響を低減又は無くすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示のカプセルユニットの制御システムを示す模式斜視図。
図2】カプセルユニットの制御システムを示すブロック図。
図3】カプセルユニットのコントロールパネルを示す図。
図4】本システムの動作を示す図。
図5】本システムの動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示のカプセルユニットの制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、カプセルユニット1は、通路ROに面して上下二段で複数配置されている。図1及び図2に示すように、制御システムは、複数のカプセルユニット1と、管理コンピュータ3と、を有する。
【0012】
カプセルユニット1は、個室空間SPを形成する本体12と、個室空間SPを照明する照明部11を含む機器と、機器を操作するためのルーム操作部14と、機器を制御するルーム制御部15と、を有する。本体12は、6つの壁面ユニットが組み立てられ、横長直方体状の個室空間SPを形成している。本実施形態では、奥面にコントロールパネル10が設けられているが、奥面に限定されず、任意の壁面に設置可能である。
【0013】
コントロールパネル10は、図2及び図3に示すように、ルーム操作部14と、ルーム制御部15と、ディスプレイ16と、時計部17と、を有する。照明部11として、直接照明としてのルーム照明11aと、間接照明としてのベッド照明11bとが設けられている。照明部11以外の機器としては、テレビ13a、換気扇13bを設けてもよい。
【0014】
図3に示すように、ルーム操作部14は、アラーム機能をオンオフするためのアラームボタン14aと、アラームを発動させる時刻を設定するためのボタン14bと、ルーム照明11aの照明状態(点灯状態、消灯状態)を変更するためのボタン14cと、個室空間SPの空気を外部に排出する換気扇13bを操作するためのボタン14dと、ベッド照明11bの照明状態(点灯状態、消灯状態、調光)を変更するためのボタン14e、14fと、非常ボタン14gと、を有する。本実施形態では、図3に示すようにルーム操作部14を構成しているが、適宜変更可能である。
【0015】
ルーム制御部15は、カプセルユニット1に設けられる各機器(照明部11、テレビ13a、換気扇13b、ディスプレイ16、時計部17)を制御する。
【0016】
管理コンピュータ3は、状態管理部30と、状態操作部31と、中央制御部32と、ディスプレイ33と、を有する。状態管理部30は、全てのカプセルユニットについて、「入室中」、「掃除待ち」、「掃除中」及び「空室」を含む状態を管理する。状態操作部31は、状態管理部30が管理する各カプセルユニットの状態を変更する操作を受け付ける。具体的には、状態操作部31は、管理コンピュータ3に接続されたキーボードやマウス、タッチパッドなどの操作部が挙げられる。管理コンピュータ3以外のコンピュータから遠隔で操作可能に構成されている場合は、遠隔操作を実現する各種プログラム、インターフェイスも状態操作部31に含まれる。状態管理部30は、カプセルユニットを識別するための識別子(部屋番号等)と状態データとを関連づけて記憶しておき、状態操作部31への操作に応じて、状態データを変更する。ディスプレイ33は、報知手段の一種であり、例えば、各カプセルユニット1の状態を、ユニットの配置地図とともに表示する。
【0017】
中央制御部32は、カプセルユニット1のルーム制御部15と通信可能に構成され、ルーム制御部15に対して機器の制御を指示可能に構成されている。図2に示すように、カプセルユニット1のコントロールパネル10と、管理コンピュータ3とは有線で接続されており、両者の間に中央制御基板2が配置されている。中央制御基板2と管理コンピュータ3との間はRS232C通信が行われており、中央制御基板2とコントロールパネル10との間はRS485通信が行われている。そのため、中央制御基板2は、プロトコル変換を行うゲートウェイとしての機能を有する。本実施形態では、中央制御基板2は、RS485通信として4チャネル有するが、任意に変更可能である。1チャネルで複数のコントロールパネル10が直列接続されており、各コントロールパネル10は通信経路を共有している。各々のコントロールパネル10は、部屋番号に対応する識別子が予め設定されており、通信においては識別子を用いて通信相手を識別する。勿論、本実施形態では、コントロールパネル10と管理コンピュータ3との通信にシリアル通信が用いられているが、これに限定されない。管理コンピュータ3とコントロールパネル10とが互いに通信可能であれば、有線でも無線でもよい。プロトコルとしても、IPプロトコル、WiFi(登録商標)などを利用してネットワークを構成していてもよい。
【0018】
次に、制御システムの動作の一例を説明する。
【0019】
図4に示す例は、101号室のカプセルユニットの利用者がチェックアウトするときの動作である。
【0020】
ステップST100において、管理コンピュータ3の状態操作部31に対して、チェックアウト操作、すなわち101号室のカプセルユニットの状態を入室中から掃除待ちに状態変更する操作がなされる。すると、次のステップST101において、状態管理部30は、入室中から掃除待ちに状態を変更して記憶する。次のステップST102において、中央制御部32は、対応するカプセルユニット1(101号室)のルーム制御部15に対し、照明部11及びディスプレイ16を「掃除待ち」に対応する駆動状態にする指示を送信する。次のステップST103において、ルーム制御部15は、照明部11の照明状態を、掃除待ちであることを示す所定の照明状態に変更すると共に、ディスプレイ16を「掃除待ち」に対応する駆動状態(例えばOUTと表示)に変更する。すなわち、状態操作部31への操作によって入室中から掃除待ちに状態がされたことに起因して、対応するカプセルユニット1の照明部11の照明状態を、掃除待ちであることを表す所定の照明状態に変更するように構成されている。
【0021】
本実施形態において、掃除待ちであることを示す所定の照明状態(第1の照明状態)は、点滅状態に設定されており、ルーム照明11a及びベッド照明11bが共に1秒ごとに点滅状態になる。勿論、点滅状態に限定されず、発色を所定の色に変更することが挙げられる。第1の照明状態は、点灯、消灯以外であり且つ「入室中」状態で設定できる照明状態と異なるように設定されていることが、見分けやすいので好ましい。
【0022】
「清掃待ち」状態において、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)が操作されると(ステップST104)、次のステップST105において、ルーム制御部15は、管理コンピュータ3に対し、清掃中へ状態変更する操作がなされた旨を通知する。すると、次のステップST106において、状態管理部30は、清掃待ちから掃除中に状態を変更して記憶する。すなわち、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)に対する操作によって、掃除待ちから掃除中に状態を変更可能に構成されている。勿論、アラームボタン14aに限定されない。
一方、カプセルユニット1では、アラームボタン14aの操作がなされることに起因して、ルーム制御部15は、照明部11の照明状態を点灯状態に変更すると共に、ディスプレイ16を「掃除中」に対応する駆動状態(例えばCLEと表示)に変更する(ステップST107)。
【0023】
「清掃中」状態において、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)が操作されると(ステップST108)、次のステップST109において、ルーム制御部15は、管理コンピュータ3に対し、空室へ状態変更する操作がなされた旨を通知する。すると、次のステップS110において、清掃中から空室に状態を変更して記憶する。すなわち、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)に対する操作によって、掃除中から空室に状態を変更可能に構成されている。勿論、アラームボタン14aに限定されない。
一方、カプセルユニット1では、アラームボタン14aの操作がなされることに起因して、ルーム制御部15は、照明部11の照明状態を、空室に対応する所定の照明状態(第2の照明状態)に変更すると共に、ディスプレイ16を「空室」に対応する駆動状態(例えば時計表示)に変更する(ステップST111)。
【0024】
本実施形態において、空室に対応する所定の照明状態(第2の照明状態)は、ルーム照明11aが消灯状態であり、ベッド照明11bが最小で点灯状態に設定されている。勿論、これに限定されず、種々変更可能である。第2の照明状態は、省エネルギーを図るために、全点灯状態以外であることが好ましく、より好ましくは、消灯状態又は最小点灯状態が挙げられる。
【0025】
図5に示す例は、カプセルユニットの利用者が非常通報をするときの動作である。
【0026】
ステップST200において、カプセルユニット1のルーム操作部14(非常ボタン14g)が操作されると、次のステップST201において、ルーム制御部15は、管理コンピュータ3に対し、非常状態へ状態変更する操作がなされた旨を通知する。すると、次のステップST202において、状態管理部30は、非常状態へ状態を変更して記憶する。すなわち、カプセルユニット1のルーム操作部14(非常ボタン14g)に対する操作によって、非常状態に状態変更可能に構成されている。
一方、カプセルユニット1では、非常ボタン14gの操作がなされることに起因して、ルーム制御部15は、ディスプレイ16を「非常状態」に対応する駆動状態(例えばSOSと表示)に変更する(ステップST204)。
【0027】
次のステップST203において、中央制御部32は、報知部としてのディスプレイ33に「非常通報」を表示して、外部に報知する。本実施形態では、報知部をディスプレイとしているが、これに限定されない。例えば、報知部を、音を出力するスピーカにしてもよく、メールを送信するようにしてもよい。
【0028】
「非常状態」において、管理コンピュータ3に非常解除操作がなされると(ステップST205)、次のステップST206において、状態管理部30は、非常状態から入室中へ状態を変更して記憶する。次のステップST207において、中央制御部32は、カプセルユニット1のルーム制御部15に非常解除されたことを通知する。すると、ルーム制御部15は、ディスプレイ16を時刻表示に戻す(ステップST208)。
【0029】
他の動作として、アラーム機能がある。図2及び図3に示すように、カプセルユニット1には、機器として時計部17が設けられている。ルーム操作部14(アラームボタン14a及びボタン14b)に対する操作によって、アラームを発動させる時刻が設定可能に構成されている。図3の例では、アラーム発動時刻が8時30分に設定されている。ルーム制御部15は、時計部17の時刻(現在時刻)が設定されたアラーム時刻になったときに、照明部11の照明状態を、アラーム用の所定の照明状態(第3の照明状態)に変更する。第3の照明状態としては、照明部11の点灯、点滅や色変化をさせることが挙げられる。本実施形態では、照明部11の照明状態を変更しているが、これと同時に又はこれに変えて、振動装置を振動させてアラームを発動してもよい。
【0030】
他の動作として、時刻調整機能がある。図2に示すように、管理コンピュータ3の中央制御部32は、所定のタイミング(毎日所定時刻)で、時計部17の時刻を修正するための時刻合わせデータを全てのルーム制御部15に送信するように構成されている。
【0031】
以上のように、本実施形態のカプセルユニットの制御システムは、複数のカプセルユニット1と、管理コンピュータ3と、を備える。カプセルユニット1は、個室空間SPを形成する本体12と、個室空間SPを照明する照明部11を含む機器と、機器を操作するためのルーム操作部14と、機器を制御するルーム制御部15と、を有する。管理コンピュータ3は、全てのカプセルユニット1について、入室中、掃除待ち、掃除中及び空室を含む状態を管理する状態管理部30と、状態を変更する操作を受け付ける状態操作部31と、カプセルユニット1のルーム制御部15と通信可能に構成され、ルーム制御部15に対して機器の制御を指示する中央制御部32と、を有する。状態操作部31への操作によって入室中から掃除待ちに状態が変更されたことに起因して、対応するカプセルユニット1の照明部11の照明状態を、掃除待ちであることを表す所定の照明状態に変更する。
【0032】
この構成によれば、入室中から掃除待ちに状態変更されれば、対応するカプセルユニット1の照明部11の照明状態が、掃除待ちであることを示す所定の照明状態になるので、一目で掃除すべきユニット1が分かり、メンテナンスの作業効率及び利便性を向上させることが可能となる。それでいて、カプセルユニット1に必ず存在する照明部11の照明状態を報知手段として利用するので、例えばカプセルユニット1の通路側に別途に報知手段を設ける必要がなく、見栄えを損なわず、コストを低減することができる。また、音で報知すると他のカプセルユニット1の利用者に不快感を与えるおそれがあるものの、本発明では、照明状態によって報知するので、他のカプセルユニット1の利用者に与える影響を低減又は無くすことが可能となる。
【0033】
本実施形態では、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)に対する操作によって、掃除待ちから掃除中に状態を変更可能に構成されており、清掃待ちから清掃中に状態を変更する操作に起因して、対応するカプセルユニット1の照明部11の照明状態を点灯状態に変更する。
【0034】
この構成によれば、清掃員が管理コンピュータ3を操作しなくても、清掃すべきカプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)を操作するだけで、状態変更できる。さらに、照明状態が清掃に適した点灯状態になるので、作業効率及び利便性を向上させることが可能となる。
【0035】
本実施形態では、カプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)に対する操作によって、掃除中から空室に状態を変更可能に構成されており、状態操作部31への操作によって掃除中から空室に状態が変更されたことに起因して、対応するカプセルユニット1の照明部11の照明状態を、空室に対応する所定の照明状態に変更する。
【0036】
この構成によれば、清掃員が管理コンピュータ3を操作しなくても、清掃すべきカプセルユニット1のルーム操作部14(アラームボタン14a)を操作するだけで、状態変更できる。さらに、照明状態が、空室に対応する所定の照明状態に変更されるので、照明が全点灯状態で付けっぱなしになるといったことを設定次第で防ぐことが可能となる。
【0037】
本実施形態では、機器は、時計部17を有し、中央制御部32は、所定のタイミングで、時計部17の時刻を修正するための時刻合わせデータを全てのルーム制御部15に送信する。
【0038】
この構成によれば、多数のカプセルユニット1の時刻を一括で修正でき、メンテナンスの作業効率を向上させることが可能となる。
【0039】
本実施形態では、ルーム操作部14(アラームボタン14a、ボタン14b)に対する操作によって、アラームを発動させる時刻を設定可能に構成されており、ルーム制御部15は、時計部17の時刻が設定された時刻になったときに、照明部11の照明状態を、アラーム用の所定の照明状態に変更する。
【0040】
この構成によれば、音を使用せず、照明状態によって報知するので、他のカプセルユニット1の利用者に与える影響を低減又は無くすことが可能となる。
【0041】
本実施形態では、カプセルユニット1のルーム操作部14(非常ボタン14g)に対する操作によって、非常状態に状態変更可能に構成されており、管理コンピュータ3は、外部に報知可能な報知部(ディスプレイ33)を有し、中央制御部32は、非常状態に状態が変更されたことに起因して、報知部(ディスプレイ33)を通じて非常状態であることを外部に報知する。
【0042】
この構成によれば、非常通報を適切に実現することができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0044】
例えば、管理コンピュータ3からカプセルユニット1の機器を遠隔操作可能に構成してもよい。遠隔操作の対象としては、照明部11、テレビ13a、換気扇13b等が挙げられる。
【0045】
例えば、ターミナル端末やタブレット端末と管理コンピュータ3とを通信可能に構成して、管理コンピュータ3の機能や表示内容を遠隔で閲覧及び操作可能に構成することが挙げられる。
【0046】
例えば、コントロールパネル10のルーム操作部14を、タッチパネル液晶やタブレット端末に置き換えてもよい。その際に、表示される言語を切り替え可能にして多言語対応することが挙げられる。また、操作パネルを操作しやすくするために、タッチパネル液晶やタブレット端末をカプセルユニット1の本体12に対して脱着式にすることが挙げられる。
【0047】
例えば、カプセルユニット1に、ドップラーセンサーや赤外線センサ、感圧式のスイッチ装置等のセンサを設け、個室空間SPに人がいるかどうかを検出可能に構成し、客(人)の在室、不在を管理コンピュータ3において管理(記憶)することが挙げられる。
【0048】
例えば、カプセルユニット1に、ドップラーセンサーを設け、客(人)の健康状態を管理コンピュータ3において管理(記憶)することが挙げられる。
【0049】
例えば、防犯のために、カプセルユニット1に防犯スイッチと、カーテンの開閉動作を検知する検知部とを設け、防犯スイッチが押されて防犯モードが有効になっているときにカーテンが開けられたときに、カーテンが外部から開けられたとして管理コンピュータ3に通知し、防犯面を向上させることが挙げられる。
【0050】
例えば、防犯のために、上記防犯スイッチの代わりに、カーテンよりも内側に赤外線センサや通過センサなどの近接センサを設け、客がセンサで検出されずにカーテンの開閉が検出されたとき(外部からカーテンが開けられた場合)に、管理コンピュータ3に通知し、センサ検知された後でカーテンの開閉が検出されたときは、管理コンピュータ3に通知しないように構成することが挙げられる。
【0051】

上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…カプセルユニット
11…照明部
12…本体
14…ルーム操作部
15…ルーム制御部
17…時計部
3…管理コンピュータ
30…状態管理部
31…状態操作部
32…中央制御部
33…ディスプレイ(報知部)
図1
図2
図3
図4
図5