(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の導電層を含む積層体であって、第1領域と、前記第2方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、を含む前記積層体と、
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第1メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第2メモリ部と、
を備え、
前記複数の第1メモリ部の1つの前記第2方向における第1中心と、前記複数の第2メモリ部の1つの前記第2方向における第2中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短く、
前記複数の第1メモリ部の前記1つと、前記複数の第2メモリ部の前記1つと、の間の前記第2方向に沿う距離は、前記複数の導電層の1つの前記第1方向に沿う厚さの1.2倍以上である、半導体記憶装置。
第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の導電層を含む積層体であって、第1領域と、前記第2方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、を含む前記積層体と、
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第1メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第2メモリ部と、
を備え、
前記複数の第1メモリ部の1つの前記第2方向における第1中心と、前記複数の第2メモリ部の1つの前記第2方向における第2中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短く、
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第3メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第4メモリ部と、
をさらに備え、
前記複数の第3メモリ部の1つの前記第2方向における第3中心と、前記複数の第4メモリ部の1つの前記第2方向における第4中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短く、
前記第1ピッチをP1とし、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における前記第1中心の位置と、前記第3方向における前記第3中心の位置と、の間の前記第3方向に沿った距離をP2とし、
前記複数の第1メモリ部の前記1つの前記第2方向の長さをDxとし、
b0=[{(P1)/2}2+(P2)2]1/2−Dxとしたとき、
前記b0は、前記複数の導電層の1つの前記第1方向に沿う厚さの1.2倍よりも小さく、
前記複数の第1メモリ部の前記1つと、前記複数の第2メモリ部の前記1つと、の間の第2方向に沿う距離と、前記複数の第1メモリ部の2つの間の前記第2方向に沿う最短距離と、の差をPdとし、
b1=[{(P1+Pd)/2}2+(P2)2]1/2−Dxとしたとき、
前記b1は、前記厚さの1.2倍以上である、半導体記憶装置。
第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の導電層を含む積層体であって、第1領域と、前記第2方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、を含む前記積層体と、
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第1メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第2メモリ部と、
を備え、
前記複数の第1メモリ部の1つの前記第2方向における第1中心と、前記複数の第2メモリ部の1つの前記第2方向における第2中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短く、
複数の第5メモリ部と、
複数の第6メモリ部と、
をさらに備え、
前記積層体は、第3領域、第4領域及び第5領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第1方向と前記第2方向と交差する第3方向において前記第1領域と並び、
前記第4領域は、前記第2方向において前記第3領域と並び前記第3方向において前記第2領域と並び、
前記第5領域は、前記第1領域と前記第3領域との間、及び、前記第2領域と前記第4領域との間に位置し、
前記複数の第5メモリ部は、前記第3領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並び、
前記複数の第6メモリ部は、前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並び、
前記第5領域は、前記第2方向において連続しており、
前記第5領域の前記第3方向に沿う幅は、前記第1ピッチよりも大きい、半導体記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を例示する模式的断面図である。
図2(a)及び
図2(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を例示する模式的断面図である。
図1は、
図2(a)のA1−A2線断面図である。
図1は、
図2(b)のA3−A4線断面図でもある。
図2(a)は、
図1のB1−B2線断面図である。
図2(b)は、
図1のB3−B4線断面図である。
【0009】
図2(a)に示すように、本実施形態に係る半導体記憶装置110は、積層体SBと、複数の第1メモリ部MP1と、複数の第2メモリ部MP2と、を含む。
【0010】
積層体SBは、複数の導電層21(第1導電層21a及び第2導電層21bなど)を含む。複数の導電層21は、第1方向に並ぶ。
【0011】
第1方向をZ軸方向とする。第1方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
複数の導電層21は、第2方向に並ぶ。第2方向は、第1方向と交差する。この例では、第2方向は、X軸方向である。
【0013】
複数の導電層21の間には、絶縁層22が設けられている。複数の導電層21には、例えば、金属などが用いられる。絶縁層22には、例えば、酸化物(酸化シリコンなど)などが用いられる。
【0014】
積層体SBは、例えば、基体10の上に設けられる。基体10は、例えば、シリコン基板の少なくとも一部を含んでも良い。例えば、第2導電層21bと基体10との間に第1導電層21が設けられる。
【0015】
図2(a)及び
図1に示すように、積層体SBは、複数の領域を含む。複数の領域は、例えば、第1領域Rx1及び第2領域Rx2などである。第2領域Rx2は、第2方向(この例ではX軸方向)において、第1領域と並ぶ。
【0016】
複数の第1メモリ部MP1は、第1領域Rx1の中を第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の第1メモリ部MP1は、第2方向(X軸方向)に沿って、第1ピッチp1で並ぶ。
【0017】
複数の第2メモリ部MP2は、第2領域Rx2の中を第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の第2メモリ部MP2は、第2方向(X軸方向)に沿って、第1ピッチp1で並ぶ。
【0018】
複数の第1メモリ部MP1及び複数の第2メモリ部MP2は、複数のメモリ部MPに含まれる。複数のメモリ部MPの一部が、第1領域Rx1に設けられる。これが、複数の第1メモリ部MP1に対応する。複数のメモリ部MPの別の一部が、第2領域Rx2に設けられる。これが、複数の第2メモリ部MP2に対応する。
【0019】
図2(a)に示すように、複数のメモリ部MPの1つは、半導体ボディ50と、メモリ層54と、を含む。半導体ボディ50は、積層体SBのなかをZ軸方向に延びる。メモリ層54は、半導体ボディ50と、複数の導電層21と、の間に設けられる。複数の導電層21と、複数のメモリ部MPと、が交差する部分にメモリセルMCが形成される。メモリセルMCは、メモリトランジスタに対応する。複数の導電層21は、例えば、メモリトランジスタのゲート電極に対応する。半導体ボディ50は、メモリトランジスタのチャネルとなる。複数の導電層21は、例えば、ワード線として機能する。半導体ボディ50の一端(例えば下端)は、基体10と電気的に接続される。半導体ボディ50の一端、例えば、基体10を介して、ソース線(図示しない)と電気的に接続される。一方、半導体ボディ50の他端(例えば上端)は、ビット線(図示しない)と接続される。さらに、半導体ボディ50に選択ゲート(図示しない)が設けられる。ワード線、ビット線及び選択ゲートの制御により、複数のメモリセルMCが選択され、書き込み、消去及び読み出しの動作が行われる。
【0020】
実施形態において、複数の第1メモリ部MP1のピッチは、複数の第2メモリ部MP2のピッチと同じである。すなわち、複数の第1メモリ部MP1において、間隔は一定である。そして、複数の第2メモリ部MP2においても、間隔は一定である。実施形態においては、複数の第1メモリ部MP1のグループと、複数の第2メモリ部MP2のグループと、の間の間隔が、それぞれのグループにおける間隔よりも長い。
【0021】
本実施形態においては、
図1に示すように、複数の第1メモリ部MP1の1つM1は、第2方向における中心(第1中心C1)を有する。複数の第2メモリ部MP2の1つは、第2方向における中心(第2中心C2)を有する。第1中心C1と第2中心C2との間の第2方向に沿った距離q1は、第1ピッチp1よりも長い。距離q1は、第1ピッチp1の2倍よりも短い。
【0022】
複数の第1メモリ部MP1の1つM1は、複数の第1メモリ部MP1のうちで、複数の第2メモリ部MP2の1つM2に最も近い。複数の第2メモリ部MP2の1つM2は、複数の第2メモリ部MP2のうちで、複数の第1メモリ部MP1の1つM1に最も近い。このような1つM1及び1つM2において、中心間の距離が、第1ピッチp1よりも長くされる。
【0023】
例えば、1つのグループ内では、複数のメモリ部MPの間隔はできるだけ小さく設定される。これにより、1つのグループ内において、メモリセルMCの密度を高くすることができる。このとき、1つのグループ内に設けられる複数のメモリ部MPの数が過度に大きいと、導電層21の抵抗が過度に高くなる。
【0024】
一方、
図1に示すように、導電層21の端には、X軸方向に延びるストライプ状の領域が設けられる。このストライプ状の領域は、例えば、第6領域Rx6及び第7領域Rx7などである。この例では、導電層21の中心領域に、第5領域Rx5(例えば分離領域)が設けられている。この第5領域Rx5も、X軸方向に延びる。これら第5〜第7領域Rx5〜Rx7においては、メモリ部MPが設けられていない。このため、これらの領域の抵抗は低い。
【0025】
実施形態においては、複数の第1メモリ部MP1のグループと、複数の第2メモリ部MP2のグループと、の間の間隔が、それぞれのグループにおけるメモリ部MPの間隔よりも長く設定される。すなわち、第1中心C1と第2中心C2との間の第2方向に沿った距離q1は、第1ピッチp1よりも長い。これにより、複数のメモリ部MPの間の間隔が長い領域が設けられる。この領域は、例えば、上記の第5〜第7領域Rx5〜Rx7と電気的に接続されている。これにより、導電層21の抵抗の上昇が抑制できる。
【0026】
さらに、後述するように、複数の導電層21をリプレイス法により形成する場合がある。リプレイス法においては、積層体が形成される。この積層体は、複数の第1膜(例えば犠牲層)と、複数の第1膜の間に設けられた第2膜と、を含む。このような積層膜を貫通するメモリ部が形成される。そして、複数の第1膜が除去され、除去により形成された空間に導電層21となる材料が導入される。この導電材料により、複数の第1膜が形成される。複数の第2膜が絶縁層22となる。このようなリプレイス法により、積層体SBを形成する場合、複数のメモリ部MPの間が過度に狭いと、導電層21となる材料が導入し難くなる。これにより、例えばボイドが発生する。材料が導入し難くなると、例えば、導電層21の抵抗が上昇する。
【0027】
実施形態においては、複数のメモリ部MPの間隔が広い部分が局所的に設けられる。このため、上記のリプレイス法を用いた場合においても、間隔が局所的に広い部分を介して、導電層21となる材料が導入できる。間隔が広いので、材料が導入し易い。例えば、ボイドの発生を局所的に抑制できる。
【0028】
このように、実施形態においては、複数のメモリ部MPの配置において、特殊な構成が適用される。これにより、例えば、導電層21の抵抗の上昇が抑制できる。
【0029】
一方、複数のメモリ部MPの間隔が広い部分において、その間隔を過度に大きくすると、複数のメモリ部MPの密度が低下する。実施形態においては、上記の距離q1を、第1ピッチp1の2倍よりも短くする。これにより、複数のメモリ部MPの密度の低下が抑制できる。
【0030】
このように、実施形態においては、導電層21の抵抗を低く維持しつつ、複数のメモリ部MPの密度を向上できる。実施形態によれば、記憶密度を向上できる半導体記憶装置が提供できる。
【0031】
実施形態において、複数の第1メモリ部MP1の数は、3以上100以下である。どうように、複数の第2メモリ部MP2の数は、3以上100以下である。
図1に示した例では、この数は、6である。この数が過度に小さいと、複数のメモリ部MPの密度が過度に低くなる。この数が、100を超えると、例えば、導電層21の抵抗が過度に上昇する。この数が100を超えると、例えば、導電層21の、Y軸方向に沿った抵抗分布が過度に大きくなる場合もある。
【0032】
図1及び
図2(b)に示すように、半導体記憶装置110において、複数の第3メモリ部MP3及び複数の第4メモリ部MP4がさらに設けられる。複数の第3メモリ部MP3は、第1領域Rx1の中を第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の第3メモリ部MP3は、第2方向(X軸方向)に沿って、第1ピッチp1で並ぶ。
【0033】
複数の第4メモリ部MP4は、第2領域Rx2の中を第1方向(Z軸方向)に延びる。複数の第4メモリ部MP4は、第2方向(X軸方向)に沿って、第1ピッチp1で並ぶ。
【0034】
複数の第3メモリ部MP3の1つM3は、第2方向(X軸方向)における中心(第3中心C3)を有する。複数の第4メモリ部MP4の1つM4は、第2方向(X軸方向)における中心(第4中心C4)を有する。第3中心C3と第4中心C4との間の第2方向(X軸方向)に沿った距離q2は、第1ピッチp1よりも長く、第1ピッチp1の2倍よりも短い。
【0035】
これにより、例えば、複数の第3メモリ部MP3及び複数の第4メモリ部MP4が設けられる領域においても、導電層21の抵抗を低く維持しつつメモリ部MPの密度を向上できる。
【0036】
この例では、複数の第3メモリ部MP3の上記の1つM3は、複数の第1メモリ部MP1の上記の1つM1に対して、X軸方向に対して傾斜する方向上の位置に設けられている。複数の第4メモリ部MP4の上記の1つM4は、複数の第2メモリ部MP2の上記の1つM2に対して、X軸方向に対して傾斜する方向上位置に設けられている。
【0037】
例えば、第1中心C1の第2方向における位置は、第3中心C3の第2方向における位置と、第4中心C4の第2方向における位置と、の間にある。例えば、第4中心C4の第2方向における位置は、第1中心C1の第2方向における位置と、第2中心C2の第2方向における位置と、の間にある。
【0038】
例えば、第1方向及び第2方向と交差する方向を第3方向とする。第3方向は、例えば、Y軸方向である。第3方向における第1中心C1の位置と、第3方向における第3中心C3の位置と、の間の第3方向に沿った距離p2は、第1ピッチp1よりも短い。Y軸方向において複数のメモリ部MPの間隔を小さくすることで、複数のメモリ部MPの密度をより向上できる。
【0039】
図1に示すように、複数の第5メモリ部MP5及び複数の第6メモリ部MP6がさらに設けられる。そして、積層体SBは、既に説明した第5領域Rx5に加えて、第3領域Rx3及び第4領域Rx4をさらに含む。第3領域Rx3は、第1方向と第2方向と交差する第3方向(例えばY軸方向)において、第1領域Rx1と並ぶ。第4領域Rx4は、第2方向(X軸方向)において第3領域Rx3と並び、第3方向(Y軸方向)において第2領域Rx2と並ぶ。
【0040】
第5領域Rx5は、第1領域Rx1と第3領域Rx3との間、及び、第2領域Rx2と第4領域Rx4との間に位置する。
【0041】
複数の第5メモリ部MP5は、第3領域Rx3の中を第1方向に延び第2方向に沿って第1ピッチp1で並ぶ。複数の第6メモリ部MP6は、第2領域Rx2の中を第1方向に延び第2方向に沿って第1ピッチp1で並ぶ。
【0042】
第5領域Rx5は、第2方向(X軸方向)において連続している。例えば、第5領域Rx5は、第1方向及び第2方向を含む平面(Z−X平面)で切断したときに、連続している。一方、第1〜第4領域Rx1〜Rx4において、複数のメモリ部MPが設けられている。このため、第1〜第4領域Rx1〜Rx4は、第2方向(X軸方向)において不連続である。例えば、第1〜第4領域Rx1〜Rx4は、Z−X平面で切断したときに、不連続である。第5領域Rx5は、メモリ部MPが設けられない領域(例えば分断領域)である。
【0043】
例えば、第5領域Rx5の第3方向(例えば、Y軸方向)に沿う幅w5は、例えば、上述の距離q1よりも大きい。例えば、幅w5は、例えば、第1ピッチp1よりも大きくても良い。実施形態において、幅w5は、距離q1よりも小さくても良い。幅w5は、第1ピッチp1よりも小さくても良い。
【0044】
このような第5領域Rx5(メモリ部MPが設けられない領域)を設けることで、導電層21の抵抗を低く維持できる。
【0045】
さらに、
図1に示すように、積層体SBにおいて、第6領域Rx6及び第7領域Rx7がさらに設けられても良い。第6領域Rx6と第7領域Rx7の間に、第1〜第5領域Rx1〜Rx5が位置する。
【0046】
第6領域Rx6は、第2方向において連続している。第6領域Rx6は、Z−X平面で切断したときに連続している。第6領域Rx6は、メモリ部MPが設けられない領域である。第7領域Rx7は、第2方向において連続している。第7領域Rx7は、Z−X平面で切断したときに連続している。第7領域Rx7は、メモリ部MPが設けられない領域である。このような第6領域Rx6及び第7領域Rx7を設けることで、導電層21の抵抗を低く維持できる。
【0047】
例えば、第6領域Rx6と第7領域Rx7とは、第5領域Rx5を介して電気的に接続される。この電気的接続は、例えば、第1領域Rx1と第2領域Rx2との間の領域(メモリ部MPが設けられていない幅が広い領域)により行われる。例えば、第1領域Rx1、第2領域Rx2、第3領域Rx3及び第4領域Rx4においては、高い密度でメモリ部MPが設けられる。これらの周りに、第5領域Rx5、第6領域Rx6及び第7領域Rx7が設けられる。これらの領域において、導電層21の抵抗は低い。このような構造により、導電層21の抵抗を低く維持できる。
【0048】
図1に示すように、上記のような複数の導電層21の組みが、Y軸方向に並ぶ。例えば、別の導電層21Aと、別の導電層21Bとの間に、上記の導電層21が設けられる。別の導電層21A、及び、別の導電層21BもX軸方向に延びる。別の導電層21Aと、導電層21と、の間に第1導電部57Aが設けられる。別の導電層21Aと、第1導電部57Aと、の間に絶縁部57iが設けられる。導電層21と第1導電部57Aとの間に別の絶縁部57iが設けられる。別の導電層21Bと、導電層21と、の間に第2導電部57Bが設けられる。別の導電層21Bと、第1導電部57Aと、の間に別の絶縁部57iが設けられる。導電層21と第2導電部57Bとの間に別の絶縁部57iが設けられる。
【0049】
第1導電部57A及び第2導電部57Bは、X軸方向に延びる。さらに、これらの導電部は、例えば、X軸方向及びZ軸方向に沿って広がっても良い。これらの導電部の一端は、例えば、基体10と電気的に接続される。これらの導電部の他端は、例えば、ソース線(図示しない)と電気的に接続される。これらの導電部は、例えばソース線部材である。
【0050】
以下、メモリ部MPの例について説明する。
図3は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を例示する模式的断面図である。
図3は、
図1の一部を拡大した模式的断面図である。
【0051】
複数の第1メモリ部MP1の1つ(上記の1つM1)は、半導体ボディ50(50A)と、第1メモリ絶縁膜54aと、第2メモリ絶縁膜54bと、メモリ膜54cと、を含む。半導体ボディ50(50A)は、積層体SBの中を第1方向(Z軸方向)に延びる(
図2(a)参照)。第1メモリ絶縁膜54aは、半導体ボディ50(50A)と、複数の導電層21(例えば第1導電層21a)との間に設けられる。第2メモリ絶縁膜54bは、半導体ボディ50(50A)と、第1メモリ絶縁膜54aとの間に設けられる。メモリ膜54cは、第1メモリ絶縁膜54aと第2メモリ絶縁膜54bとの間に設けられる。第1メモリ絶縁膜54a、第2メモリ絶縁膜54b及びメモリ膜54cは、メモリ層54(メモリ層54A)に含まれる。第1メモリ絶縁膜54aは、例えば、ブロック絶縁膜に対応する。第2メモリ絶縁膜54bは、例えば、トンネル絶縁膜に対応する。これらの絶縁膜には、例えば、酸化シリコンなどが用いられる。メモリ膜54cは、例えば電荷蓄積膜である。この場合、メモリ膜54cは、例えば窒化シリコンなどを含む。メモリ膜54cは、フローティングゲートでも良い。この場合、メモリ膜54cは、例えば、ポリシリコンなどを含む。
【0052】
複数の第2メモリ部MP2の1つ(上記の1つM2)は、複数の第1メモリ部MP1の1つ(上記の1つM1)と同様の構成を有する。上記の1つM2は、例えば、半導体ボディ50(50B)と、メモリ層54Bと、を含む。
【0053】
図3に示すように、半導体ボディ50A及び半導体ボディ50Bは、管状でも良い。例えば、第1方向(Z軸方向)に延びるコア部55A及び55Bが設けられる。コア部55Aと導電層21(積層体SB)との間に、半導体ボディ50Aが設けられる。コア部55Bと導電層21(積層体SB)との間に、半導体ボディ50Bが設けられる。
【0054】
既に説明したように、複数の第1メモリ部MP1は、実質的に一定のピッチ(第1ピッチp1)で並ぶ。複数の第1メモリ部MP1のそれぞれの第2方向の長さDxが実質的に一定とする。このとき、複数の第1メモリ部MP1の2つどうしの間の距離wn(間隔)は、実質的に一定である。
【0055】
同様に、複数の第2メモリ部MP2は、実質的に一定のピッチ(第1ピッチp1)で並ぶ。複数の第2メモリ部MP2のそれぞれの第2方向の長さも、長さDxとする。このとき、複数の第2メモリ部MP2においても、距離(間隔)は、距離wnであり、実質的に一定である。
【0056】
この例では、複数のメモリ部MPの1つのサイズ(長さDx)は、距離wnよりも大きい。例えば、複数の第1メモリ部MPの上記の1つM1の第2方向の長さDxは、第1ピッチp1の1/2よりも長い。例えば、複数の第1メモリ部MP1の2つの間の第2方向に沿う最短距離は、第1ピッチp1の1/2よりも短い。この最短距離は、距離wnに対応する。
【0057】
一方、複数の第1メモリ部MP1の上記1つM1と、複数の第2メモリ部MP2の上記1つM2と、の間の第2方向に沿う距離wwは、上記の距離wn(複数の第1メモリ部MP1の2つの間の第2方向に沿う最短距離)よりも長い。このように、複数の第1メモリ部MP1の上記1つM1と、複数の第2メモリ部MP2の上記1つM2と、の間の第2方向に沿う距離wwが、他の部分の距離wnよりも長くされることで、導電層21の抵抗の上昇を抑制しつつ、記憶密度を向上できる。
【0058】
例えば、第5領域Rx5の第3方向(例えば、Y軸方向)に沿う幅w5は、複数の第1メモリ部MP1の2つどうしの間の距離wn(第2方向に沿った距離)の2倍よりも大きい。例えば、幅w5は、複数の第1メモリ部MP1の1つの第2方向(X軸方向)の長さDxよりも大きくても良い。幅w5は、例えば、複数の第1メモリ部MP1の1つのY軸方向(第1方向及び第2方向と交差する第3方向)の長さよりも大きくても良い。
【0059】
この例では、複数の導電層1の1つ(例えば第1導電層21a)は、第1部分21W及び第2部分21Rを含む。第2部分21Rは、第1部分21Wと、複数のメモリ部MPのそれぞれと、の間に設けられる。第1部分21Wは、例えば、タングステンを含む。第2部分21Rは、例えばTiNを含む。第2部分21Rは、例えばバリアメタルとして機能する。
【0060】
以下、半導体記憶装置110の製造方法の例について説明する。
図4(a)〜
図4(e)、及び、
図5(a)〜
図5(e)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0061】
図4(a)に示すように、基体10の面10a(例えば上面)の上に、積層膜SBfを形成する。基体10の面10aに対して垂直な方向が、第1方向(Z軸方向)に対応する。積層膜SBfは、Z軸方向に並ぶ複数の第1膜61と、複数の第1膜61の間に設けられた第2膜62と、を含む。第1膜61は、例えば窒化シリコン膜である。第2膜62は、例えば酸化シリコン膜である。後述するように、積層膜SBfから積層体SBが形成される。
【0062】
図4(a)及び
図4(c)に示すように、積層膜SBfに複数のメモリホールMHを形成する。複数のメモリホールMHは、積層膜SBfをZ軸方向に貫通する。複数のメモリホールMHは、例えば、基体10に到達する。後述するように、複数のメモリホールMHの位置に、メモリ部MPが形成される。従って、複数のメモリホールMHの位置は、例えば、
図1に関して説明した複数のメモリ部MPの位置とされる。
【0063】
図4(d)に示すように、複数のメモリホールMHに、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜を順次形成し、残余の空間にシリコン膜を形成する。シリコン酸化膜、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜は、メモリ層54の少なくとも一部となる。2つのシリコン酸化膜の1つが、第1メモリ絶縁膜54aの少なくとも一部となる。2つのシリコン酸化膜の別の1つが、第2メモリ絶縁膜54bとなる。シリコン窒化膜は、メモリ膜54cとなる。シリコン膜が、半導体ボディ50となる。シリコン膜の形成の後の残余の空間に絶縁膜が形成されても良い。この絶縁膜は、コア部55A及び55Bなどとなる。
【0064】
このようにして、複数の第1メモリ部MP1及び複数の第2メモリ部MP2が形成される(
図1参照)。複数の第1メモリ部MP1は、積層膜SBfの第1領域Rx1の中を第1方向(Z軸方向)に延び、第1方向と交差する第2方向(X軸方向)に第1ピッチp1で並ぶ(
図1及び
図2(a)参照)。複数の第2メモリ部MP2は、積層膜SBfの第2領域Rx2の中を第1方向(Z軸方向)に延び、第2方向(X軸方向)に第1ピッチp1で並ぶ(
図1及び
図2(a)参照)。第2領域Rx2は、第2方向において第1領域Rx1と並ぶ。複数の第1メモリ部MP1の1つM1の第2方向における第1中心C1と、複数の第2メモリ部MP2の1つM2の第2方向における第2中心C2と、の間の第2方向に沿った距離q1は、第1ピッチp1よりも長い(
図1参照)。距離q1は、第1ピッチp1の2倍よりも短い(
図1参照)。
【0065】
図4(e)に示すように、積層膜SBfに孔STを形成する。この例では、孔STは、スリットである。孔STは、Z−Y平面に沿って広がる。孔STは、基体10に到達する。
【0066】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、孔STを介して複数の第1膜61を除去する。
【0067】
図5(c)に示すように、複数の第1膜61が除去されて形成された空間SP1に、導電層21となる材料を導入する。例えば、下地膜54d(例えば、酸化アルミニウム膜)を形成し、導電層21の第2部分21R(例えばTiN膜)を形成し、導電層21の第1部分21W(例えばタングステン膜)を形成する。これらの膜の形成には、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)などが用いられる。これにより、複数の導電層21が形成される。第2膜62が絶縁層22となる。
【0068】
図5(d)及び
図5(e)に示すように、孔STの部分に形成されている上記のTiN膜及びタングステン膜をエッチバックして除去する。この後、孔STの表面に絶縁部57i、及び、導電部(第1導電部57A及び第2導電部57Bなど)を形成する。さらに、配線などを形成して、半導体記憶装置110が形成される。
【0069】
図6(a)及び
図6(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置の製造途中の状態を例示する模式的斜視図である。
図6(a)は、
図5(a)の工程後で
図5(c)の工程の前の状態を例示している。
図6(b)は、
図5(c)の工程の後の状態を例示している。
図6(b)においては、図を見やすくするために、第2膜62(絶縁層22)が省略されている。
【0070】
図6(a)に示すように、複数の第1膜61が除去され、空間SP1が形成される。
図6(b)に示すように、その空間SP1に導電層21となる材料を導入して導電層21が形成される。このとき、この材料の膜は、空間SP1の壁面から成長する。この材料の膜により、空間SP1が部分的にふさがれ場合がある。これにより、ボイド21vが形成される場合がある。この材料(ガス)が通る断面積が小さい部分においてふさがりが生じやすい。
【0071】
例えば、
図1に例示した導電層21において、複数のメモリ部MPが設けられる領域ではボイド21vが生じやすい。一方、メモリ部MPが設けられない領域(第5〜第7領域Rx5〜Rx7など)においては、ボイド21vは生じにくい。第6領域Rx6及び第7領域Rx7は、孔ST(第1導電部57A及び第2導電部57B)との距離が短い。このため、第6領域Rx6及び第7領域Rx7においては、ボイド21vが特に生じにくい。
【0072】
例えば、複数の導電層21の1つ(例えば第1導電層21a)は、第6領域Rx6に含まれる部分と、第1領域Rx1に含まれる部分と、を含む。第6領域Rx6に含まれる部分におけるボイド21vの密度は、第1領域Rx1に含まれる部分におけるボイド21vの密度よりも低い。または、第6領域Rx6に含まれる部分は、ボイド21vを含まない。例えば、第6領域Rx6に含まれる部分におけるボイド21vの体積の、第6領域Rx6に含まれる部分の体積に対する比は、第1領域Rx1に含まれる部分におけるボイド21vの体積の、第1領域Rx1に含まれる部分の体積に対する比よりも低い。
【0073】
例えば、複数の導電層21の1つ(例えば第1導電層21a)は、第5領域Rx5に含まれる部分をさらに含む。第5領域Rx5に含まれる部分におけるボイド21vの密度は、第1領域Rx1に含まれる部分におけるボイド21vの密度よりも低い。または、第5領域Rx5に含まれる部分は、ボイド21vを含まない。第5領域Rx5に含まれる部分におけるボイド21vの体積の、第5領域Rx5に含まれる部分の体積に対する比は、第1領域Rx1に含まれる部分におけるボイド21vの体積の、第1領域Rx1に含まれる部分の体積に対する比よりも低い。
【0074】
図7(a)及び
図7(b)は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置を例示する模式的断面図である。
図7(a)に示すように、複数の第1メモリ部MP1の1つM1の第1中心C1と、複数の第2メモリ部MP2の1つM2の第2中心C2と、の間の距離q1は、第1ピッチp1よりも大きく、第1ピッチp1の2倍よりも小さい。
【0075】
複数の第1メモリ部MP1の上記1つM1と、複数の第2メモリ部MP2の上記1つM2と、の間の第2方向に沿う距離wwは、複数の第1メモリ部MP1の2つの間の第2方向に沿う最短距離(距離wn)よりも大きい。最短距離(距離wn)は、例えば、第1ピッチp1の1/2よりも短い。
【0076】
一方、
図7(b)に示すように、複数の導電層21の1つの第1方向(Z軸方向)に沿う長さ(厚さ)を厚さH1とする。例えば、上記のようなリプレイス法により導電層21を形成する場合、導電層21となる材料(ガス)の流入経路PG(
図7(a)参照)の高さは、上記の厚さH1に対応する。
【0077】
実施形態においては、距離wwは、複数の導電層21の1つの第1方向(Z軸方向)に沿う厚さH1よりも長い。これにより、ボイド21vが形成されにくい。一方、複数の第1メモリ部MP1の2つの間の第2方向に沿う最短距離(距離wn)は、厚さH1以下である。これにより、複数の第1メモリ部MP1を高い密度で配置できる。このとき、複数の第1メモリ部MP1の間においては、導電層21においてボイド21vが形成される場合がある。複数の第1メモリ部MP1の数を適切な値にすることで、このボイド21vによる導電層21の抵抗の上昇の実用的な問題が抑制できる。
【0078】
実施形態においては、ww>H1であることが好ましい。wn≦H1であることが好ましい。実施形態において、ww≧H1であり、wn<H1でも良い。プロセスのばらつきを考慮すると、ww>(1.2×H1)であることが好ましい。wn≦(1.2×H1)であることが好ましい。実施形態において、ww≧(1.2×H1)であり、wn<(1.2×H1)でも良い。これにより、ボイド21vによる複数の導電層21の抵抗の上昇を実用的な範囲に抑えつつ、複数のメモリ部MPの密度を上昇できる。
【0079】
一方、複数の第1メモリ部MP1の上記の1つM1と、複数の第4メモリ部MP4の上記の1つM4と、の間の距離b1は、複数の第1メモリ部MP1の上記の1つM1と、複数の第3メモリ部MP3の上記の1つM3と、の間の距離b0よりも長い。距離b0は、複数の第2メモリ部MP2の上記の1つM2と、複数の第4メモリ部MP4の上記の1つM4と、の間の距離に対応する。
【0080】
例えば、実施形態において、b1>H1であることが好ましい。b0≦H1であることが好ましい。実施形態において、b1≧H1であり、b0<H1でも良い。例えば、プロセスのばらつきを考慮すると、b1>(1.2×H1)であることが好ましい。b0≦(1.2×H1)であることが好ましい。実施形態において、b1≧(1.2×H1)であり、b0<(1.2×H1)でも良い。これにより、ボイド21vによる複数の導電層21の抵抗の上昇を実用的な範囲に抑えつつ、複数のメモリ部MPの密度を上昇できる。
【0081】
例えば、第1ピッチp1をP1とする。一方、第3方向(第1方向及び第2方向と交差する方向であり、例えばY軸方向)における第1中心C1の位置と、第3方向における第3中心C3の位置と、の間の第3方向に沿った距離をP2とする。複数の第1メモリ部MP1の上記の1つM1の第2方向(X軸方向)の長さをDxとする。
【0082】
実施形態において、上記の距離b0は、
b0=[{(P1)/2}
2+(P2)
2]
1/2−Dx
で表される。
【0083】
このとき、距離b0は、複数の導電層21の1つの第1方向に沿う厚さH1の1.2倍よりも小さいことが好ましい。
【0084】
複数の第1メモリ部MP1の上記の1つM1と、複数の第2メモリ部MP2の上記の1つM2と、の間の第2方向に沿う距離(距離ww)と、複数の第1メモリ部MP1の2つの間の第2方向に沿う最短距離(距離wn)と、の差をPdとする。
【0085】
実施形態において、上記の距離b1は、
b1=[{(P1+Pd)/2}
2+(P2)
2]
1/2−Dx
で表される。
【0086】
実施形態において、距離b1は、上記の厚さH1の1.2倍よりも大きいことが好ましい。
【0087】
実施形態において、例えば、複数のメモリ部MPどうしの間隔(距離wn)と、導電層21の厚さH1と、の関係が適切に定められる。例えば、第5領域Rx5の埋め込みが完了する前に、複数のメモリ部MPどうしの間の空間が塞がれることが抑制される。第5領域Rx5におけるボイド21vの発生が抑制される。第5領域Rx5の抵抗の上昇が抑制される。
【0088】
図8は、第1の実施形態に係る別の半導体記憶装置を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る別の半導体記憶装置111においても、複数の第1メモリ部MP1の1つM1の第2方向(X軸方向)における第1中心C1と、複数の第2メモリ部MP2の1つM2の第2方向における第2中心C2と、の間の第2方向に沿った距離q1は、第1ピッチp1よりも長く第1ピッチp1の2倍よりも短い。半導体記憶装置111においては、第3方向(第1方向及び第2方向と交差する方向であり、例えばY軸方向)における第1中心C1の位置と、第3方向における第3中心C3の位置と、の間の第3方向に沿った距離p2は、第1ピッチp1と同じである。これ以外は、半導体記憶装置110と同様なので説明を省略する。半導体記憶装置111においても、記憶密度を向上できる半導体記憶装置が提供できる。
【0089】
(第2の実施形態)
本実施形態は、半導体記憶装置の製造方法に係る。
本製造方法は、例えば、
図4(a)〜
図4(e)、及び、
図5(a)〜
図5(e)に関して説明した処理の少なくとも一部を含む。
【0090】
本製造方法において、例えば、基体10の面10a上に、面10aに対して垂直な第1方向(Z軸方向)に並ぶ複数の第1膜61と、複数の第1膜61の間に設けられた第2膜62と、を含む積層膜SBfを形成する(
図4(a)参照)。
【0091】
複数の第1メモリ部MP1及び複数の第2メモリ部MP2を形成する(
図1及び
図4(d)参照)。複数の第1メモリ部MP1は、積層膜SBfの第1領域Rx1の中を第1方向(Z軸方向)に延び、第1方向と交差する第2方向(X軸方向)に第1ピッチp1で並ぶ(
図1及び
図2(a)参照)。複数の第2メモリ部MP2は、積層膜SBfの第2領域Rx2の中を第1方向(Z軸方向)に延び、第2方向(X軸方向)に第1ピッチp1で並ぶ(
図1及び
図2(a)参照)。第2領域Rx2は、第2方向において第1領域Rx1と並ぶ。複数の第1メモリ部MP1の1つM1の第2方向における第1中心C1と、複数の第2メモリ部MP2の1つM2の第2方向における第2中心C2と、の間の第2方向に沿った距離q1は、第1ピッチp1よりも長い(
図1参照)。距離q1は、第1ピッチp1の2倍よりも短い(
図1参照)。
【0092】
積層膜SBfに孔STを形成する(
図4(e)参照)。さらに、孔STを介して複数の第1膜61を除去する(
図5(a)参照)。
【0093】
複数の第1膜61が除去されて形成された空間SP1に導電層21となる材料を導入する(
図5(c)参照)。
本製造方法によれば、記憶密度を向上できる半導体記憶装置の製造方法が提供できる。
【0094】
実施形態は、例えば、以下の構成を含んでも良い。
(構成1)
第1方向に並び前記第1方向と交差する第2方向に延びる複数の導電層を含む積層体であって、第1領域と、前記第2方向において前記第1領域と並ぶ第2領域と、を含む前記積層体と、
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第1メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第2メモリ部と、
を備え、
前記複数の第1メモリ部の1つの前記第2方向における第1中心と、前記複数の第2メモリ部の1つの前記第2方向における第2中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短い、半導体記憶装置。
(構成2)
前記複数の第1メモリ部の数は、3以上100以下である、構成1記載の半導体記憶装置。
(構成3)
前記複数の第1メモリ部の前記1つと、前記複数の第2メモリ部の前記1つと、の間の第2方向に沿う距離は、前記複数の導電層の1つの前記第1方向に沿う厚さの1.2倍以上である、構成1または2に記載の半導体記憶装置。
(構成4)
前記複数の第1メモリ部の2つの間の前記第2方向に沿う最短距離は、前記厚さの1.2倍よりも短い、構成3記載の半導体記憶装置。
(構成5)
前記複数の第1メモリ部の前記1つと、前記複数の第2メモリ部の前記1つと、の間の第2方向に沿う距離は、前記複数の第1メモリ部の2つの間の前記第2方向に沿う最短距離よりも長い、構成1または2に記載の半導体記憶装置。
(構成6)
前記第1領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って第1ピッチで並ぶ複数の第3メモリ部と、
前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並ぶ複数の第4メモリ部と、
をさらに備え、
前記複数の第3メモリ部の1つの前記第2方向における第3中心と、前記複数の第4メモリ部の1つの前記第2方向における第4中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短い、構成1〜5のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成7)
前記第1中心の前記第2方向における位置は、前記第3中心の前記第2方向における位置と、前記第4中心の前記第2方向における位置と、の間にある、構成6記載の半導体記憶装置。
(構成8)
前記第4中心の前記第2方向における前記位置は、前記第1中心の前記第2方向における前記位置と、前記第2中心の前記第2方向における位置と、の間にある、構成7記載の半導体記憶装置。
(構成9)
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における前記第1中心の位置と、前記第3方向における前記第3中心の位置と、の間の前記第3方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも短い、構成6〜8のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成10)
前記第1ピッチをP1とし、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向における前記第1中心の位置と、前記第3方向における前記第3中心の位置と、の間の前記第3方向に沿った距離をP2とし、
前記複数の第1メモリ部の前記1つの前記第2方向の長さをDxとし、
b0=[{(P1)/2}
2+(P2)
2]
1/2−Dxとしたとき、
前記b0は、前記複数の導電層の1つの前記第1方向に沿う厚さの1.2倍よりも小さい、構成6〜9のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成11)
前記複数の第1メモリ部の前記1つと、前記複数の第2メモリ部の前記1つと、の間の第2方向に沿う距離と、前記複数の第1メモリ部の2つの間の前記第2方向に沿う最短距離と、の差をPdとし、
b1=[{(P1+Pd)/2}
2+(P2)
2]
1/2−Dxとしたとき、
前記b1は、前記厚さの1.2倍以上である、構成10記載の半導体記憶装置。
(構成12)
複数の第5メモリ部と、
複数の第6メモリ部と、
をさらに備え、
前記積層体は、第3領域、第4領域及び第5領域をさらに含み、
前記第3領域は、前記第1方向と前記第2方向と交差する第3方向において前記第1領域と並び、
前記第4領域は、前記第2方向において前記第3領域と並び前記第3方向において前記第2領域と並び、
前記第5領域は、前記第1領域と前記第3領域との間、及び、前記第2領域と前記第4領域との間に位置し、
前記複数の第5メモリ部は、前記第3領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並び、
前記複数の第6メモリ部は、前記第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に沿って前記第1ピッチで並び、
前記第5領域は、前記第2方向において連続している、構成1〜11のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成13)
前記第5領域の前記第3方向に沿う幅は、前記複数の第1メモリ部の2つどうしの間の距離よりも大きい、構成12記載の半導体記憶装置。
(構成14)
前記積層体は、第6領域及び第7領域をさらに含み、
前記第6領域と前記第7領域の間に前記第1〜第5領域が位置し、
前記第6領域は、前記第2方向において連続しており、
前記第7領域は、前記第2方向において連続している、構成12または13に記載の半導体記憶装置。
(構成15)
前記複数の導電層の1つは、前記第6領域に含まれる部分と、前記第1領域に含まれる部分と、を含み、
前記第6領域に含まれる前記部分におけるボイドの体積の、前記第6領域に含まれる前記部分の体積に対する比は、前記第1領域に含まれる前記部分におけるボイドの体積の、前記第1領域に含まれる前記部分の体積に対する比よりも低い、または、
前記第6領域に含まれる前記部分は、ボイドを含まない、構成14記載の半導体記憶装置。
(構成16)
前記複数の導電層の前記1つは、前記第5領域に含まれる部分をさらに含み、
前記第5領域に含まれる前記部分におけるボイドの体積の、前記第5領域に含まれる前記部分の体積に対する比は、前記第1領域に含まれる前記部分におけるボイドの前記体積の、前記第1領域に含まれる前記部分の前記体積に対する前記比よりも低い、または、
前記第5領域に含まれる前記部分は、ボイドを含まない、構成15記載の半導体記憶装置。
(構成17)
前記複数の第1メモリ部の前記1つの前記第2方向の長さは、前記第1ピッチの1/2よりも長い、構成1〜16のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成18)
前記複数の第1メモリ部の2つの間の前記第2方向に沿う最短距離は、前記第1ピッチの1/2よりも短い、構成1〜17のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成19)
前記複数の第1メモリ部の前記1つは、
前記積層体の中を前記第1方向に延びる半導体ボディと、
前記半導体ボディと前記複数の導電層との間に設けられた第1メモリ絶縁膜と、
前記半導体ボディと前記第1メモリ絶縁膜との間に設けられた第2メモリ絶縁膜と、
前記第1メモリ絶縁膜と前記第2メモリ絶縁膜との間に設けられたメモリ膜と、
を含む、構成1〜18のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
(構成20)
基体の面上に、前記面に対して垂直な第1方向に並ぶ複数の第1膜と、前記複数の第1膜の間に設けられた第2膜と、を含む積層膜を形成し、
前記積層膜の第1領域の中を前記第1方向に延び前記第1方向と交差する第2方向に第1ピッチで並ぶ複数の第1メモリ部と、前記積層膜の第2領域の中を前記第1方向に延び前記第2方向に前記第1ピッチで並ぶ複数の第2メモリ部と、を形成し、前記第2領域は前記第2方向において前記第1領域と並び、前記複数の第1メモリ部の1つの前記第2方向における第1中心と、前記複数の第2メモリ部の1つの前記第2方向における第2中心と、の間の前記第2方向に沿った距離は、前記第1ピッチよりも長く前記第1ピッチの2倍よりも短く、
前記積層膜に孔を形成し、前記孔を介して前記複数の第1膜を除去し、
前記複数の第1膜が除去されて形成された空間に導電層となる材料を導入する、半導体記憶装置の製造方法。
【0095】
実施形態によれば、記憶密度を向上できる半導体記憶装置及びその製造方法を提供する。
【0096】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0097】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体記憶装置に含まれる導電層、絶縁層、積層体、メモリ部、半導体ボディ、メモリ層、メモリ絶縁膜、メモリ膜及び基体などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0098】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0099】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体記憶装置及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体記憶装置及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0100】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。