(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
100〜5000ダルトンの範囲のMwnを有するポリアルキレンイミン骨格を有する第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを含み;bは、10〜50の範囲である、請求項1に記載の洗浄組成物。
100〜5000ダルトンの範囲のMwnを有するポリアルキレンイミン骨格を有する第二のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを更に含み;bは、5〜40の範囲であり;及びcは、0である、請求項2に記載の洗浄組成物。
前記第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミンと第二のアルコキシ化ポリアルキレンアミンとの重量比が1:10〜10:1の範囲である、請求項3に記載の洗浄組成物。
前記有機変性シリコーン中の前記1つ以上のアリール部分の芳香族環が、フェニル、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ナフタレン、アントラセン部分及びそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
前記シロキサン系希釈剤が、より高い粘度を有する第一のポリジメチルシロキサンと、より低い粘度を有する第二のポリジメチルシロキサンとを含み、前記第一のポリジメチルシロキサンの前記第二のポリジメチルシロキサンに対する重量比が、1:1より大きい、請求項10に記載の洗浄組成物。
アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1種以上の界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
本願で用いる場合、請求項で用いるときの冠詞「a」及び「an」は、請求事項又は記載事項の1つ以上を意味すると解される。
【0018】
本明細書で用いる場合、用語「含むこと(comprising)」、「含む(comprise)」、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含むこと(including)」は、非限定的であることを意図したものである。
【0019】
本明細書で用いる場合、用語「〜を実質的に含まない」又は「実質的に〜不含である」は、示されている材料が、約5重量%以下、好ましくは約2%以下、より好ましくは約1重量%以下の量で存在することを意味する。
【0020】
本明細書で用いる場合、用語「〜を本質的に含まない」又は「本質的に〜不含である」は、示されている材料が、最低限、組成物に意図的に添加されないこと又は、好ましくは、分析により検出可能なレベルでそのような組成物中に存在しないことを意味する。これは、示されている材料が、組成物に意図的に添加される材料の1つ以上に対する不純物としてしか存在しない当該組成物を含み得る。
【0021】
本明細書で用いる場合、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0022】
本明細書で用いる場合、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0023】
本明細書で用いる場合、用語「液体」は、25℃及び20秒
−1の剪断断速度で約1〜約2000mPa・sの粘度を有する液体を有する流体を指す。いくつかの実施形態において、液体の粘度は、25℃及び20秒
−1の剪断断速度で約200〜約1000mPa・sの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、液体の粘度は、25℃及び20秒
−1の剪断断速度で約200〜約500mPa・sの範囲であり得る。
【0024】
本明細書における全ての温度は、別段の指示がない限り、摂氏度(℃)でのものである。別段の指定がない限り、本明細書における全ての測定は、25℃、大気圧下で行われる。
【0025】
本明細書で用いる場合、語句「洗剤組成物」、「洗浄組成物」又は「洗剤又は洗浄組成物」は、汚れた物質を洗浄するために設計された組成物及び配合剤を含む。そのような組成物としては、洗濯洗剤組成物、柔軟仕上げ組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗濯洗剤、洗濯前処理剤、洗濯用添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ用添加剤、洗い用添加剤、すすぎ後布地トリートメント剤、アイロンがけ補助剤、食器洗い用組成物、硬質面洗浄組成物、単位用量配合剤、遅延送達配合剤、多孔性基材又は不織シート上又は中に含有されている洗剤、及び本明細書の教示にかんがみて当業者には明白であり得る他の好適な形態が挙げられるが、それらに限定されない。そのような組成物は、洗浄前処理剤、洗浄後処理剤として使用されることもあり、又は洗浄過程のすすぎ若しくは洗いサイクル中に添加されることもある。洗浄組成物は、液体、粉末、単相若しくは多相単位用量若しくはパウチ形態(例えば、例えばポリビニルアルコール(PVA)若しくはそのコポリマーなどの水溶性ポリマーによって形成された、単一区画若しくは多区画水溶性パウチに収容されている液体洗剤組成物)、錠剤、ゲル、ペースト、バー又はフレークから選択される形態を有し得る。本発明の好ましい実施形態において、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、布地又は食器の手洗い又は機械洗い用に設計されている、洗濯又は食器用液体洗剤組成物である。より好ましくは、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、手洗いを目的として設計された液体洗濯又は食器用洗剤組成物である。
【0026】
本明細書で用いる場合、「泡」は、比較的少ない量の液体中の泡の非平衡分散体を示す。「泡(suds)」、「泡(foam)」及び「石鹸の泡(lather)」のような用語は、本発明の意義の範囲内で同義に用いることができる。
【0027】
本明細書で用いる場合、「泡立ちプロファイル」は、洗い及び/又はすすぎサイクル中の泡の性質に関係する洗剤組成物の特性を指す。洗剤組成物の泡立ちプロファイルとしては、洗液に溶解したときの泡の発生速度、洗いサイクル中の泡の量及び保持力、並びにすすぎサイクル中の泡の量及び消失が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
別段の指定がない限り、本明細書で用いる場合の用語「分子量」は、ポリマー組成物中のポリマー鎖の重量平均分子量(MWw)を指し、これは、次の等式を用いて計算され得る:
MWw=(ΣiNiMi
2)/(ΣiNiMi)
(式中、Niは、分子量Miを有する分子の数である)。
【0029】
本明細書で用いる場合の用語「平均数平均分子量(MWn)」は、次の等式を用いて計算される:
MWn=(ΣiNiMi)/(ΣiNi)
(式中、Niは、分子量Miを有する分子の数である)。
【0030】
本明細書で用いる場合、「mol%」は、ポリマー中の特定のモノマー構造単位の相対モル百分率を指す。本発明の意義の範囲内で、カチオン性ポリマー中に存在する全てのモノマー構造単位の相対モル百分率が当然合計100mol%になるであろうということは理解される。
【0031】
本明細書で用いる場合、用語「置換されている」は、本明細書では、ヒドロカルビル部分、とりわけ芳香族環、アルキル鎖などの1個の水素原子、2個の水素原子又は3個の水素原子を置き換えることができる部分又は単位を包むことと定義する。ある部分が「置換されている」と記載されているとき、いずれの数の水素原子が置き換えられていてもよい。例えば、単一の水素原子の置き換えを要する置換されている単位は、ハロゲン、ヒドロキシルなどを含む。2個の水素原子の置き換えは、カルボニル、オキシイミノなどを含む。隣接炭素原子からの2個の水素原子の置き換えは、エポキシなどを含む。3個の水素原子の置き替えは、シアノなどを含む。エポキシ単位は、隣接炭素上の水素原子の置き換えを要する置換されている単位の一例である。また、置換されているは、2個の隣接する炭素上の水素原子を置き換えて新たな部分又は単位を形成していることも含むことができる。
【0032】
別段の指定がない限り、本明細書で用いる場合の用語「アルキル」は、直鎖状であっても又は分岐していてもよく、置換されていても又は非置換であってもよい、C
1〜C
10ヒドロカルビルを意味する。
【0033】
本明細書で用いる場合、用語「ヒドロカルビル」は、炭素原子及び水素原子からなる、任意の有機単位又は部分と定義する。「ヒドロカルビル」の定義には、芳香族(アリール)及び非芳香族炭素環が入る。更に、複素環が用語ヒドロカルビルの範囲内に含まれる。用語「複素環」は、芳香族(ヘテロアリール)環と非芳香族環の両方を含む。
【0034】
本発明の全ての実施形態において、特に別段の記述がない限り、全ての百分率は、全組成物に対する重量に百分率である。特に別段の記述がない限り、
全ての比は重量比である。本明細書において開示する寸法及び値を、列挙されているまさにその数値に厳密に限られると解するべきではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような寸法の各々は、記載されている値と、その値の周辺の機能的に等価の範囲の両方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」と開示する寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0035】
本願に記載し、本願にて請求する本出願人の発明のパラメータのそれぞれの値を決定するために、本願の試験方法の節において開示する試験方法を用いなければならないことは、理解される。
【0036】
アルコキシ化ポリアルキレンイミン
本発明の洗浄組成物は、少なくとも1つ、好ましくは2つ以上のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを含有する。
【0037】
本発明のアルコキシ化ポリアルキレンイミンは、式(1)、(2)、(3)及び(4)の繰り返し単位を含有するように表されることがあり、
【0038】
【化1】
これらの式中、
#は、各場合、式(1)、(2)、(3)又は(4)の2つの隣接する繰り返し単位の窒素原子とA
1基の自由結合位置との間の結合の半分を示し、
A
1は、直鎖状又は分枝C
2〜C
6アルキレンから独立して選択され、
Eは、式(5)のアルキレンオキシ(alkylenoxy)単位から独立して選択され
【0039】
【化2】
(この式中、
*は、各場合、式(1)、(2)又は(4)の繰り返し単位の窒素原子への結合を示し、
A
2は、各場合、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン及び1,2−イソブチレンから独立して選択され、
Rは、各場合、独立して、水素及びC
1〜C
4−アルキルから選択され、
mは、0〜約2の範囲の平均値を有し、
nは、約20〜約50の範囲の平均値を有し、及び
pは、約10〜約50の有理数である);
個々のアルコキシ化ポリアルキレンイミンは、式(1)の繰り返し単位1個と、式(2)の繰り返し単位x個と、式(3)の繰り返し単位y個と、式(4)の繰り返し単位y+1個とからなり、x及びyは、各場合、0〜約150の範囲の値を有し;及び該ポリマーは、0〜約50%の四級化度を有する。アルコキシ化ポリアルキレンイミンに関するより多くの情報については、米国特許第8,097,579号明細書及び国際公開第2006/108856A1号パンフレットを何卒参照されたい。
【0040】
簡単に表現すると、本発明のアルコキシ化ポリアルキレンイミンは、ポリアルキレンイミン骨格と、該ポリアルキレンイミン骨格の窒素原子に結合している少なくとも1つの側鎖とを有すると考えることができる。
【0041】
ポリアルキレンイミン骨格は、上文に記載の、しかしアルキレンオキシ(alkylenoxy)単位Eのない、式(1)、(2)、(3)及び(4)の繰り返し単位によって形成される。本発明のアルコキシ化ポリアルキレンイミンのポリアルキレンイミン骨格は、約100〜約100,000ダルトン、好ましくは約100〜約5000ダルトン、より好ましくは約200〜約1000ダルトンの範囲の平均数平均分子量(MWn)を有する。
【0042】
上文に記載のアルキレンオキシ(alkylenoxy)単位Eによって形成される、アルコキシ化ポリアルキレンイミンの少なくとも1つの側鎖は、好ましくは、内部ポリエチレンオキシドブロック及び外部ポリプロピレンオキシドブロックを有し、これを下記実験式によって表すことができる:
−(EO)
b(PO)
c−R (I)
(このとき、EOは、エチレンオキシドであり、bは、約3〜約60の範囲の重量平均値を有し、POは、プロピレンオキシドであり、cは、0〜約60の範囲の重量平均値を有し、Rは、水素、C
1〜C
4アルキル及びそれらの組み合わせからなる群から選択される)。
【0043】
本発明の好ましい実施形態において、洗浄組成物は、約100〜約5000ダルトン、好ましくは約200〜約1000ダルトンの範囲のMwnを有するポリアルキレンイミン骨格を有する第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを含有し、bは、約10〜約50、好ましくは約15〜約40、より好ましくは約20〜約30の範囲であり、cは、約1〜約50、好ましくは約5〜約40、より好ましくは約10〜約30の範囲である。前記第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミンは、(PEI)
200〜1000(EO)
20〜30(PO)
10〜30の実験式によって表すことができる。
【0044】
必然的にではないが、好ましくは、洗浄組成物は、約100〜約5000ダルトン、好ましくは約200〜約1000ダルトンの範囲のMwnを有するポリアルキレンイミン骨格を有する第二のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを含有することがあり、bは、約5〜約40、好ましくは約10〜約30、より好ましくは約15〜約25の範囲であり、cは、0である。前記第二のアルコキシ化ポリアルキレンイミンは、(PEI)
200〜1000(EO)
15〜25の実験式によって表すことができる。そのような第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミンと第二のポリアルキレンイミンとの重量比は、約1:10〜約10:1、好ましくは約1:5〜約5:1、より好ましくは約1:2〜約2:1の範囲であり得る。
【0045】
上記アルコキシ化ポリアルキレンイミン(単数又は複数)は、本発明の洗浄組成物中に、約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.05重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の範囲の量で存在し得る。本発明の特に好ましい実施形態において、洗浄組成物は、約0.1重量%〜約5重量%の第一のアルコキシ化ポリアルキレンイミン及び0重量%〜約2重量%の第二のアルコキシ化ポリアルキレンイミンを含有する。
【0046】
アリール部分を含む有機変性シリコーン
本発明の洗浄組成物は、5員〜9員芳香族環を各々が含む1つ以上のアリール部分を含む有機変性シリコーンを更に含有する。そのような芳香族環は、置換されていても又は非置換であってもよく、ヘテロ原子のものであっても又はホモ原子のものであってもよく、単環式であっても又は多環式であってもよい。例えば、芳香族環は、フェニル、フラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、ピロール、オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ナフタレン、アントラセン部分、及びそれらの誘導体からなる群から選択することができる。好ましくは、芳香族環は、少なくとも1つの脂肪族基で置換されている。本発明の特に好ましい実施形態において、そのような1つ以上のアリール部分は、アルキルフェニル部分から選択され、より好ましくは、そのような1つ以上のアリール部分は、2−フェニルプロピル部分であり、これは一般にα−メチルスチレン部分とも呼ばれる。
【0047】
有機変性シリコーンは、1つ以上のC
2〜C
20脂肪族部分、好ましくは1つ以上のC
6〜C
10アルキル部分を更に含むことがあり、これらの部分は、置換されていても又は非置換であってもよく、ヘテロ原子のものであっても又はホモ原子のものであってもよい。
【0048】
前記有機変性シリコーンは、次の式(II)の単位を含み得る:
R
a(R
1O)
bR
2cSiO
(4−a−b−c)/2 (II)
(式中、
a)各Rは、独立して、Hと、上文に記載のアリール部分であって、少なくとも1つの脂肪族基を有する置換芳香族環を含有し、その脂肪族基によって該有機変性シリコーンのケイ素原子に共有結合しているものであるアリール部分と、場合により置換されており、場合によりヘテロ原子を含む、一価、SiC結合脂肪族炭化水素ラジカルとからなる群から選択され、
b)各R
1は、独立して、Hと、場合により置換されており、場合によりヘテロ原子を含む、一価、脂肪族炭化水素ラジカルとからなる群から選択され、
c)各R
2は、独立して、Hと、上文に記載のアリール部分であって、少なくとも1つの脂肪族基を有する置換芳香族環を含有し、その脂肪族基によって該有機変性シリコーンのケイ素原子に共有結合しているものであるアリール部分と、上文に記載のアリール部分であって、置換芳香族環を含有し、炭素環原子によって該有機変性シリコーンのケイ素原子に共有結合しているものであるアリール部分と、場合により置換されており、場合によりヘテロ原子を含む、一価、SiC結合脂肪族炭化水素ラジカルとからなる群から選択され、
d)表示aは、0、1、2又は3であり、
e)表示bは、0、1、2又は3であり、及び
f)表示cは、0、1、2又は3である)。
【0049】
a+b+cの合計は、通常は3以下であり、平均約1.5〜2.4、より好ましくは平均約1.8〜約2.3、最も好ましくは約1.9〜約2.1である。有機変性シリコーンは、約5〜約10,000、好ましくは約10〜約5,000、より好ましくは約50〜約1,000、最も好ましくは約100〜約500の、式(I)のシロキサン単位を含み得る。
【0050】
本発明の好ましい実施形態において、有機変性シリコーンは、いずれのフェニルプロピル部分も、及びいずれのC
6〜C
10アルキル部分も、同じケイ素原子に結合していないことを条件として、2−フェニルプロピル部分が結合しているシロキサン単位約1mol%〜約75mol%及びC
6〜C
10アルキル部分が結合しているシロキサン単位約1mol%〜約20mol%をもたらすために好ましいアリール部分を含む十分な数のR及びR
2を含む。より好ましくは、有機変性シリコーンは、2−フェニルプロピル部分が結合しているシロキサン単位約5mol%〜約50mol%又は約10mol%〜約40mol%、及びC
6〜C
10アルキル部分が結合しているシロキサン単位約2mol%〜約15mol%又は約3mol%〜約10mol%を含有する。最も好ましくは、有機変性シリコーンは、約15mol%〜約25mol%の2−フェニルプロピル部分及び約4mol%〜約8mol%のC
6〜C
10アルキル部分を含有する。有機変性シリコーン中の、置換されている又は非置換である全てのシロキサン単位の総mol%が合計100mol%になることに何卒留意されたい。
【0051】
本発明の有機変性シリコーンの重量平均分子量(MWw)は、約1,000〜約500,000、好ましくは約5,000〜約200,000、より好ましくは約10,000〜約150,000、最も好ましくは約50,000〜約100,000ダルトンの範囲であり得る。本発明の有機変性シリコーンの数平均分子量は、約1,000〜約500,000、好ましくは約2,000〜約200,000、より好ましくは約5,000〜約100,000、最も好ましくは約10,000〜約50,000ダルトンの範囲であり得る。
【0052】
有機変性シリコーンは、本発明の洗浄組成物中に、約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.005重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約2重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約0.5重量%の範囲の量で存在することができる。
【0053】
シロキサン系希釈剤
本発明の洗浄組成物は、上記有機変性シリコーンへの約0.8〜約1.25の(下文にて説明する溶解度指数試験に従って計算される)溶解度指数を特徴とするシロキサン系希釈剤を更に含有する。好ましくは、シロキサン系希釈剤は、約0.85〜約1.2、より好ましくは約0.9〜約1.1、最も好ましくは約0.95〜約1.0の溶解度指数を特徴とする。
【0054】
本発明の必然的ではないが好ましい実施形態において、シロキサン系希釈剤は、20秒
−1の剪断速度及び25℃で測定して、約0.5mm
2/秒〜約10,000mm
2/秒(0.5cSt〜約10,000cSt)、好ましくは約1mm
2/秒〜約1,000mm
2/秒(1cSt〜約1,000cSt)、より好ましくは約2mm
2/秒〜約100mm
2/秒(約2cSt〜約100cSt)、最も好ましくは約5mm
2/秒〜約15mm
2/秒(5cSt〜約15cSt)の範囲の粘度を有する、1つ以上のポリジメチルシロキサン(PDMS)を含有する。PDMSは、直鎖状であっても、分岐していても、環状であっても、グラフトされていても、又は架橋若しくは環状構造であってもよいが、直鎖状PDMSが特に好ましい。
【0055】
シロキサン系希釈剤は、本発明の洗浄組成物中に、約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.002重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約2重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約0.5重量%の範囲の量で存在することができる。
【0056】
本発明の特に好ましい実施形態において、シロキサン系希釈剤は、異なる粘度の2種以上のPDMSの組み合わせを含有することがある。例えば、シロキサン系希釈剤は、20秒
−1の剪断速度及び25℃で測定したとき、約8mm
2/秒〜約12mm
2/秒(8cSt〜約12cSt)の、より高い粘度を有する、第一のポリジメチルシロキサンと、約5mm
2/秒〜約10mm
2/秒(約5cSt〜約10cSt)の、より低い粘度を有する、第二のポリジメチルシロキサンとを含むことがある。具体的には、PDMSは、洗剤又は洗浄組成物の総重量に対して約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.002重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約0.25重量%の範囲の量で存在し、及び第二のポリジメチルシロキサンは、洗浄組成物の総重量に対して0重量%〜約10重量%、好ましくは約0.002重量%〜約2.5重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約0.25重量%の範囲の量で存在する。より好ましくは、第一のPDMSの第二のPDMSに対する重量比は、約1:1より大きい。
【0057】
疎水性シリカ
本発明の必然的ではないが好ましい実施形態において、洗浄組成物は、疎水変性シリカ粒子を更に含む。そのような疎水変性シリカ粒子は、(1)BET測定法によって測定して約50m
2/g〜約800m
2/g、好ましくは約80〜約200m
2/gの表面積、及び(2)約0.5〜約50マイクロメートル、好ましくは約1〜約40マイクロメートル、より好ましくは約2〜約30マイクロメートル、最も好ましくは約5〜約25マイクロメートルの範囲の平均粒径を有し得る。
【0058】
シリカ粒子は、通常は疎水性の性質であるため、疎水変性シリカ粒子は、疎水化剤でのシリカ粒子の表面処理によって形成される。シリカ粒子は、好ましくは、加熱によって(例えばフュームドシリカ)、又は沈降によって、又はゾルゲル法によって調製されるが、沈降シリカ粒子が特に好ましい。好適な疎水化剤としては、メチル置換有機ケイ素材料、脂肪酸、ポリジメチルシロキサン、シラノール又はケイ素結合アルコキシ基で末端封鎖されているジメチルシロキサンポリマー、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、及び有機ケイ素樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。シリカ粒子の疎水化は、通常、少なくとも80℃の温度で行われる。市販されている疎水性シリカ粒子としては、Degussa AG(ドイツ)から商品名Sipernat(登録商標)D10又はSipernat(登録商標)D13で販売されているものが挙げられる。
【0059】
疎水性シリカは、本発明の洗剤又は洗浄組成物中に、約0.0001重量%〜約1重量%、好ましくは約0.0004重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.15重量%、最も好ましくは約0.002重量%〜約0.05重量%の範囲の量で存在することができる。
【0060】
シリコーン樹脂
必然的にではないが好ましくは、本発明の洗浄組成物は、シリコーン樹脂を更に含むことがある。シリコーン樹脂は、下記式(III)の単位を含み得る:
R
3d(R
4O)
eSiO
(4−d−e)/2 (III)
(式中、
a)各R
3は、独立して、Hと、場合により置換されており、場合によりヘテロ原子を含む、一価、SiC結合脂肪族炭化水素ラジカルと、脂肪族基によってシリコーン樹脂のケイ素原子に共有結合している芳香族ラジカルとからなる群から選択され、
b)各R
4は、独立して、Hと、場合により置換されており、場合によりヘテロ原子を含む、一価脂肪族炭化水素ラジカルとからなる群から選択され、
c)表示dは、0、1、2又は3であり、及び
d)表示eは、0、1、2又は3である)。
【0061】
d+eの合計は、通常、3以下、好ましくは約30%未満であり、又はより好ましくは、シリコーン樹脂中の式(III)の全てのシロキサン単位の約5%未満がd+eの合計=2を有する。
【0062】
より好ましくは、dの値は、3又は0である。このように、本発明のシリコーン樹脂は、R
33SiO
1/2(M)単位及びSiO
4/2(Q)単位から本質的に成り、このときのR
3は上文の中で定義した通りである。このような樹脂は、通常、MQ樹脂と呼ばれる。M単位のQ単位に対するモル比は、好ましくは約0.5〜約2.0、より好ましくは約0.6〜約1.0である。これらのMQ樹脂は、最大10重量%のヒドロキシル基又はアルコキシ基も含有し得る。MQ樹脂は室温で固体であるほうが好ましいが、約1.2以上のM/Q比を有する液体MQ樹脂もうまく使用することができる。
【0063】
本発明のシリコーン樹脂は、好ましくは、不揮発性溶剤を含有する溶液として供給される。好適な不揮発性溶剤としては、様々な油、アルコール、及びカルボン酸のエステル、例えば脂肪酸エステルが挙げられる。好ましい溶剤としては、カルボン酸のエステル、例えば、フタル酸ジオクチル、コハク酸ジエチル、カプロン酸メチル、ペラルゴン酸ブチル(butyl perlargonate)、ステアリン酸エチル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸ドデシル、メリシン酸メチルなどが挙げられる。
【0064】
有機変性シリコーン、シロキサン系希釈剤、疎水変性シリカ、シリコーン樹脂及び溶剤に関するより多くの詳細については、米国特許出願公開第2011/0209291号明細書、米国特許第7,566,750号明細書及び米国特許第8,536,109号明細書を何卒参照されたい。
【0065】
シリコーン樹脂は、本発明の洗浄組成物中に、約0.0001重量%〜約1重量%、好ましくは約0.0002重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.002重量%〜約0.05重量%の範囲の量で存在することができる。
【0066】
シリコーン樹脂用の溶剤
必然的にではないが好ましくは、本発明の洗浄組成物は、シリコーン樹脂用の溶剤を更に含むことがある。好適な乳化剤は、不揮発性溶剤であり、これには、アルコール、例えばドデカノール、2−ブチル−オクタノールなど、又は脂肪酸エステル、例えばステアリン酸オクチル、ステアリン酸2−エチルヘキシルなどが含まれる。特に好ましい溶剤は、ステアリン酸2−エチルヘキシルである。
【0067】
溶剤は、本発明の洗浄組成物中に、0重量%〜約0.5重量%、好ましくは約0.0002重量%〜約0.2重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.1重量%、最も好ましくは約0.002重量%〜約0.05重量%の範囲の量で存在することができる。
【0068】
洗浄組成物
本発明の洗浄組成物は、改善されたすすぎ泡プロファイルを有する生成物の恩恵を受け得るパーソナルケアクリーナー、例えば、シャンプーを石鹸をはじめとする健康及び美容領域において使用されるものであることができる。別の態様において、洗浄組成物は、様々な硬質面、例えば、硬質木材、タイル、セラミック、プラスチック、皮革、金属、ガラスなどの洗浄に好適である。洗浄組成物は、食器洗いに、自動機械食器洗い用洗剤として又は食器手洗い用洗剤として使用するのにも好適である。更に、本発明の洗浄組成物は、布地の自動機械洗い若しくは手洗いを含む布地洗浄用途に、又は洗浄助剤、例えば、漂白剤、すすぎ補助剤、添加剤若しくは前処理タイプのものなどに好適である。
【0069】
洗浄組成物は、任意の形態、すなわち、液体の形態、固体、例えば粉末、顆粒、凝集塊、ペースト、錠剤、パウチ、バー、ゲルの形態、エマルジョンの形態、二区画又は多区画の容器又はパウチに供給されたタイプの形態、スプレー又は泡洗剤の形態、ウェットタイプの拭き取り繊維(すなわち、不織素材と併用での洗浄組成物)の形態、消費者によって水で有効化されるドライタイプの拭き取り繊維(すなわち、不織素材と併用での洗浄組成物)の形態、及び他の均質又は多相消費者洗浄製品形態であることができる。
【0070】
洗濯組成物は、好ましくは液体洗濯又は食器用洗剤であり、完全配合選択又は食器用洗剤製品であることができる。カプセル化された及び/又は単位用量の製品に含有される液体組成物が含まれ、2つ以上の別個の、しかし一緒に施すことができる部分を含む組成物も含まれる。より好ましくは、液体洗剤組成物は、改善された泡の恩恵又は優れた泡立ちプロファイルが消費者に最もはっきりとわかる手洗い用に設計された液体洗濯又は食器用洗剤組成物である。液体洗濯又は食器用洗剤組成物は、好ましくは水を水性担体として含有し、担体(単数又は複数)として水のみ又は水と有機溶剤(単数若しくは複数)の混合物を含有することができる。好適な有機溶剤は、直鎖状又は分岐低級C
1〜C
8アルコール、ジオール、グリセロール又はグリコール、低級アミン溶剤、例えばC
1〜C
4アルカノールアミン、及びそれらの混合物である。例示的有機溶剤としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンが挙げられる。担体は、通常、液体組成物中に、該液体組成物の総重量に対して約0.1%〜約98%、好ましくは約10%〜約95%、より好ましくは約25%〜約75%の範囲のレベルで存在する。いくつの実施形態において、水は、担体の約85〜約100重量%である。他の実施形態において、水は不在であり、組成物は無水である。本発明によってもたらされる非常に好ましい組成物は、透明な等方性の液体である。
【0071】
本発明の液体洗剤組成物は、約1〜約2000センチポワズ(1〜2000mPa・秒)、又は約200〜約800センチポワズ(200〜800mPa・秒)の粘度を有する。この粘度は、ブルックスフィールド粘度計、2番スピンドルを使用して60RPM/秒で判定することでき、25℃で測定される。
【0072】
上文に記載の成分に加えて、本発明の洗浄組成物は、1種以上の界面活性剤を、該組成物の総重量に対して約1%〜約80%、好ましくは約1%〜約50%、より好ましくは約5%〜約30%の範囲の量で含むことがある。用いられる洗浄性界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、双性イオン性、両性若しくはカチオン性タイプのものであることができ、又はこれらのタイプの相容性混合物を含むことができる。
【0073】
アニオン性界面活性剤が好ましい。有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体が、いくつか異なるタイプのものであることができる。例えば、石鹸以外の合成アニオン性界面活性剤は、ここでの使用に特に好適であり、それらには、約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基(この用語「アルキル」にはアシル基のアルキル部分が含まれる)とスルホン酸又は硫酸エステル基とを分子構造内に有する有機イオウ反応生成物の水溶性塩、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が含まれる。この群の合成アニオン性界面活性剤の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:a)直鎖状又は分岐炭素鎖を有するアルキル硫酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、特に、高級アルコール(C
10〜C
20炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、例えば、獣脂又はヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるもの;b)直鎖状又は分岐炭素鎖を有するアルキルエトキシ硫酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、特に、アルキル基が約10〜約20個、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有し、エトキシ化された鎖が、平均で、約0.1〜約5、好ましくは約0.3〜約4、より好ましくは約0.5〜約3のエトキシ化度を有するもの;c)アルキル基が、約10〜約20個の炭素原子を直鎖状又は分岐炭素鎖形状、好ましくは直鎖状炭素鎖形状で含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びカリウム;d)アルキル基が、約10〜約20個の炭素原子を直鎖状又は分岐炭素鎖形状で含有する、アルキルスルホン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム;e)アルキル基が、約10〜約20個の炭素原子を直鎖状又は分岐炭素鎖形状で含有する、アルキルリン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム;f)アルキル基が、約10〜約20個の炭素原子を直鎖状又は分岐炭素鎖形状で含有する、アルキルカルボン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、並びにこれらの組み合わせ;g)アルキルエステルスルホン酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、例えば、式R−CH(SO
3M)−CH
2COOR’のもの、又はアルキルエステル硫酸ナトリウム、カリウム及びアンモニウム、例えば、式R−CH(OSO
3M)−CH
2COOR’のもの(ここで、Rは、C
10〜C
20、好ましくはC
10〜C
16直鎖状又は分岐アルキルラジカルを表し、R’は、C
1〜C
6、好ましくはC
1〜C
3アルキルラジカルを表し、及びMは、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムカチオンを表す)。
【0074】
本発明の実施に特に好ましいのは、C
10〜C
20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、約0.1〜約5(洗剤組成物の泡立ちプロファイルの改善に特に有利である、好ましくは約0.3〜約4及びより好ましくは約0.5〜約3)の範囲のエトキシ化度を有するC
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルエトキシスルフェート、又はそれらの混合物を含有する、アニオン性界面活性剤系である。アニオン性界面活性剤を、本発明の洗浄組成物に、該組成物の総重量に対して1%〜約80%、より好ましくは約1%〜約50%、より好ましくは約5%〜約30%の範囲のレベルで備えさせることができる。
【0075】
1つの特に好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、C
10〜C
20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、0.1〜5.0の範囲の平均エトキシ化度を有するC
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルエトキシスルフェート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルスルフェート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルエステルスルフェート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルスルホネート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルエステルスルホネート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルホスフェート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルホスホネート、C
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルカルボキシレート、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、約1重量%〜50重量%の1種以上のアニオン性界面活性剤を含有する、液体洗濯又は食器用洗剤組成物である。より好ましくは、前記1種以上のアニオン性界面活性剤は、C
10〜C
20直鎖状アルキルベンゼンスルホネート、約0.5〜約3の範囲のエトキシ化度を有するC
10〜C
20直鎖状又は分岐アルキルエトキシスルフェート、C
10〜C
20洗浄又は分岐アルキル基を有するメチルエステルスルホネート、及びそれらの混合物からなる群から選択され、液体洗濯又は食器用洗剤組成物の約5重量%〜約30重量%の範囲の量で存在する。
【0076】
高級脂肪酸類の水溶性塩、すなわち「石鹸」もまた、本発明の洗浄組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これには、アルカリ金属石鹸、例えば、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム及びアルキルアンモニウム塩が含まれる。石鹸は、脂肪及び油の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸の混合物のナトリウム及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココナッツ石鹸である。しかし、本発明の洗浄組成物は、好ましくは、石鹸を比較的低レベルで、例えば、約3重量%以下、より好ましくは約2重量%又は1重量%以下で含有し、最も好ましくは、前記洗浄組成物は石鹸を本質的に含まない。
【0077】
式R
1(OC
2H
4)
nOH(式中、R
1は、C
8〜C
18アルキル基又はアルキルフェニル基であり、nは、約1〜約80である)のものを含む非イオン性界面活性剤も、本発明の界面活性剤系に含めることができる。特に好ましいのは、約1〜約20の平均アルコキシ化度を有するC
8〜C
18アルキルアルコキシ化アルコールである。非イオン性界面活性剤を、洗浄組成物に、約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約5重量%の範囲のレベルで備えさせることができる。しかし、本発明の特定の好ましい実施形態において、洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤を比較的低レベルで、例えば、約3重量%以下、より好ましくは約2重量%又は1重量%以下で含有し、最も好ましくは、前記洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤を本質的に含まない。
【0078】
ここで有用な他の界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤を含む。このような界面活性剤は、洗濯又は食器用洗剤での使用について周知であり、通常、約0.2重量%、0.5重量%又は1重量%〜約10重量%、20重量%又は30重量%のレベルで存在する。
【0079】
本発明の必然的ではないが好ましい実施形態において、洗浄組成物は、約0.5重量%〜約20重量%の1種以上の両性及び/又は双性イオン性界面活性剤を含有する、食器用液体洗剤組成物である。
【0080】
好ましい両性界面活性剤は、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、及び特にココジメチルアミノオキシドなどの、アミンオキシド界面活性剤からなる群から選択される。アミンオキシドは、直鎖状アルキル部分を有することもあり、又は中等度に分岐しているアルキル部分を有することもある。典型的な直鎖状アミンオキシドは、式R
1−N(R
2)(R
3)−O(式中、R
1は、C
8〜18アルキルであり、R
2及びR
3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル及び3−ヒドロキシプロピルなどの、C
1〜3アルキル及びC
1〜3ヒドロキシアルキルからなる群から独立して選択される)を特徴とする。本明細書で用いる場合、「中等度に分岐している」は、アミンオキシドが、n1炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、該アルキル部分上にn2炭素原子を有する1つのアルキル分枝があることを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素からのα炭素上に位置する。アミノオキシドのこのタイプの分岐は、当技術分野では内部アミンオキシドとしても知られている。n1とn2の総計は、約10〜約24炭素原子、好ましくは約12〜約20、より好ましくは約10〜約16である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分枝が対称になるように、1つのアルキル部分についての炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分枝(n2)とほぼ同じ炭素原子数であるべきである。本明細書で用いる場合、「対称」は、|n1−n2|が、本明細書で用いる中等度に分岐しているアミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%において炭素原子5以下、好ましくは4以下、最も好ましくは0〜4であることを意味する。特に好ましい両性界面活性剤は、C
10〜C
14アルキルジメチルアミンオキシドである。
【0081】
好ましい双性イオン性界面活性剤は、ベタイン界面活性剤、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(スルタインとも呼ばれる)及びホスホベタインなどである。特に好ましいベタインは、ココアミドプロピルベタインである。
【0082】
本明細書に記載の液体洗剤組成物は、該組成物の総重量に対して約0.001%〜約1.0%、好ましくは約0.05%〜約0.5%、より好ましくは約0.1%〜約0.3%の範囲の量で存在し得る外部構造化剤も含有することがある。好適な外部構造化剤としては、例えば米国特許出願公開第2007/169741号及び同第2005/0203213号明細書に記載されているものが挙げられる。本発明の実施に特に好ましい外部構造化剤は、トリヒドロキシステアリンとも呼ばれ、商品名Thixin(登録商標)で市販されている、硬化ヒマシ油である。
【0083】
本発明の更に別の好ましい実施形態において、液体洗剤組成物は、約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%、より好ましくは約1重量%〜約1.5重量%の1つ以上の脂肪酸及び/又はそのアルカリ塩を更に含有する。本発明において使用することができる好適な脂肪酸及び/又は塩としては、C
10〜C
22脂肪酸又はそれらのアルカリ塩が挙げられる。そのようなアルカリ塩としては、一価又は二価アルカリ金属塩、例えばナトリウム、カリウム、リチウム及び/又はマグネシウム塩、並びに脂肪酸のアンモニウム及び/又はアルキルアンモニウム塩、好ましくはナトリウム塩が挙げられる。
【0084】
本発明の洗浄組成物の残分は、通常、約5重量%〜約70重量%、又は約10重量%〜約60重量%補助成分を含有する。
【0085】
洗濯洗剤製品の好適な補助成分としては、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、レオロジー調整剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、形成済みの過酸、高分子分散剤、泥汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、光漂白剤、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、担体、向水性物質、加工助剤、溶剤、色調剤、抗微生物剤、無香料油、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限らない。下記開示に加えて、このような他の補助成分の好適な例及び使用量は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812号及び同第6,326,348号明細書において見つけられる。液体洗濯洗剤組成物中のこれら補助成分の正確な性質及びそれらのレベルは、該組成物の具体的なタイプ、及び該組成物が使用されることになる洗浄操作の性質のような因子に依存することになる。
【0086】
食器用洗剤製品の好適な補助成分としては、ビルダー、キレート剤、コンディショニングポリマー、洗浄用ポリマー、表面改質用ポリマー、汚れ凝集用ポリマー、構造化剤、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚再生活性物質、酵素、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白活性化剤、香料、悪臭防除剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、有機及び無機カチオン(例えば、Ca/Mgイオンなどのアルカリ土類金属、及びジアミン)、抗菌剤、保存薬及びpH調整剤、並びに緩衝化手段が挙げられる。
【0087】
本発明の洗浄組成物を粉末形態で提供する場合、該粉末が低レベルのビルダーを含む、又は更にはビルダーを本質的に含まないことが特に好ましいこともある。用語「本質的に含まない」は、組成物が、その材料の「意図的に加えられた量を含まない」ことを意味する。好ましい実施形態において、本発明の洗浄組成物は、ビルダーを含まない。
【0088】
洗浄組成物の製造方法
本発明の洗浄組成物への上記成分及び上文に記載の様々な他の成分の組み込みは、任意の好適な手法で行うことができ、一般に、任意の混合又は添加順序を伴うことができる。
【0089】
例えば、製造業者から受け取ったままのアルコキシ化ポリアルキレンイミン(単数又は複数)、有機変性シリコーン、シロキサン系希釈剤、疎水変性シリカ、シリコーン樹脂及び溶剤を、先ず、界面活性剤、例えば、約0.1〜約5.0の範囲の重量平均エトキシ化度を有するアルキルアルコキシスルフェート、好ましくはアルキルエトキシスルフェートと混合して、泡制御又は消泡剤組成物を形成することができ、次いでそれを2種以上の他の成分と混合して、最終洗剤又は洗浄組成物を形成する。別の例では、アルコキシ化ポリアルキレンイミン(単数又は複数)、有機変性シリコーン、シロキサン系希釈剤、疎水変性シリカ、シリコーン樹脂及び溶剤を、2種以上の他の成分と同時に混合して、最終洗浄組成物を1混合工程で形成することができる。更に別の例では、アルコキシ化ポリアルキレンイミン(単数又は複数)を乳化剤、分散剤又は懸濁剤と予混して、エマルジョン、ラテックス、分散液、懸濁液などを形成することができ、次いでそれを、有機変性シリコーン、シロキサン系希釈剤、疎水変性シリカ、シリコーン樹脂及び溶剤を予混することによって形成された泡制御組成物と混合し、その後、他の成分との更に別の混合工程を行って、最終洗浄組成物を形成する。これらの成分を任意の順序で、及び最終組成物の調製プロセスの任意の時点で、添加することができる。
【0090】
洗浄組成物の使用方法
1つの態様において、本発明は、布地を洗浄するための上記洗浄組成物の使用方法に関し、この方法は、以下の工程を含む:(i)上記の洗浄組成物を用意する工程;(ii)前記洗浄組成物を水で希釈することにより洗濯液を作る工程;(iii)前記洗濯液で布地を洗う工程;及び(iv)前記布地を水ですすぐ工程(2回以下のすすぎ後、好ましくは1回のすすぎ後、洗濯液は泡を実質的に含まず、又は洗濯液の表面積の少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは約95%、よりいっそう好ましくは約99%は泡不含である)。前記布地洗濯方法を、トップローディング型若しくはフロントローディング型自動洗濯機で実施してもよく、又は手洗い洗濯用途に用いることができ、これは本発明において特に好ましい。
【0091】
別の態様において、本発明は、食器を洗浄するための上記洗浄組成物の使用方法に関する。前記方法は、洗浄組成物、好ましくは液体形態の洗浄組成物を、希釈形態又は無希釈形態で食器表面に塗布し、その後すすぐ工程を含む。「無希釈形態」とは、洗浄組成物が、塗布直前に一切希釈されることなく、処理すべき食器類表面に直接塗布されること、及び/又は洗浄道具、例えばディッシュクロス、スポンジ若しくはブラシに塗布されることを意味する。「希釈形態」とは、洗浄組成物が使用者によって適切な溶剤、通常は水で希釈されることを意味する。
【0092】
試験方法
カチオン性ポリマーを含む本発明の組成物の特性を判定するための様々な技法が当技術分野において公知である。しかし、本願に記載し、本願にて請求する本発明が十分に理解され得るために、以下のアッセイを用いなければならない。
【0093】
試験1:溶解度指数試験−有機変性シリコーンへの材料の混和性又は溶解度のUV−Vis透過率%による測定
溶解度指数は、透過モードで動作するUV−Vis分光光度計を使用して、480nmで、1cm光路長キュベットを使用して、下記の手順に従って試料の光透過率の百分率を測定することによって決定する。好適な計器としては、Beckman Coulter model DU 800 UV−Vis Spectrophotometer(Beckman Coulter Inc.、米国カリフォルニア州ブレア)が挙げられる。
【0094】
全ての試料調製及び分析を22℃+/−2℃の気温を有する実験室で行う。ガラス製シンチレーションバイアルの中で、組成物中に存在する主要有機相溶性シリコーンを、試験すべき材料(例えば、ポリジメチルシロキサン)と、比率80:20容量/容量で併せる。バイアルにキャップをし、最高速度に設定した卓上ボルテックスミキサーを使用して前記材料を5分間、入念に混合する。混合後にバイアル内に2層以上の異質な材料層がはっきりと目に見える場合には、試験材料の溶解度指数は、この方法によって判定できないと考えられる。異質の層がはっきりと目に見えない場合には、分析を続ける。
【0095】
分光光度計ランプをつけ、測定開始前に30分間放置して温める。480nmの波長で透過率(%T)モードで測定値を収集するように計器を設定する。全ての試料を1cm光路長プラスチック製キュベットに入れる。キュベット内に気泡が見えた場合、測定前に、ピペットを使用して気泡を除去するか、又は気泡をキュベットから沈降させる。
【0096】
未希釈シリコーンが入っているキュベットを脱イオン(DI)水が入っているキュベットと共に使用することによって、有機相溶性シリコーンの未希釈試料についてのベースラインをゼロに設定する。未希釈有機相溶性シリコーンの%Tを測定する。前の説示に従って調製した、有機相溶性シリコーンと試験試料の混合物の%Tを測定する。有機相溶性シリコーンと試験化合物の混合物の%Tを、(ベースラインとしてDI水ブランクを使用して測定した)無希釈有機変性シリコーンの%Tと比較する。
【0097】
溶解度指数は、少数として報告され、無希釈有機相溶性シリコーンの%Tで割った、有機相溶性シリコーンと試験試料の混合物の%Tとして算出される。例えば、特定の試験試料Aの溶解度指数=有機相溶性シリコーン中のABCの%T/有機相溶性シリコーンの%T=85%/98%
=0.867
【実施例】
【0098】
実施例1:シリコーン消泡剤A1
シリコーン消泡剤A1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、71.14gのポリマー
1と、20.06gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、3.8gのオルガノシロキサン樹脂
2とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.00gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0099】
実施例2:シリコーン消泡剤B1
シリコーン消泡剤B1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、69.05gのポリマー
1と、23.70gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.25gのオルガノシロキサン樹脂
2とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.00gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0100】
実施例3:シリコーン消泡剤C1
シリコーン消泡剤C1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、67.68gのポリマー
1と、22.55gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.25gのオルガノシロキサン樹脂
2とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、7.52gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0101】
実施例4:シリコーン消泡剤D1
シリコーン消泡剤D1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、70.56gのポリマー
1と、3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシル
4に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、3.80gのオルガノシロキサン樹脂
2と、17.64gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.00gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全に組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0102】
実施例5:シリコーン消泡剤E1
シリコーン消泡剤E1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、67.68gのポリマー
1と、22.55gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.25gのオルガノシロキサン樹脂
2とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.00gの沈降シリカ
5を添加し、2.52gヒュームドシリカ
6を添加し、その混合物をシリカの完全に組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0103】
実施例6:シリコーン消泡剤F1
シリコーン消泡剤F1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、42.70gのポリマー
1と、2.40gのステアリン酸2−エチルヘキシル
4に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、2.40gのオルガノシロキサン樹脂
2と、28.50gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3と、20.00gの7mm
2/秒(7cSt)ポリジメチルシロキサン
7とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、4.00gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全に組み込みが達成されるまで撹拌する。
【0104】
実施例7:シリコーン消泡剤G1
シリコーン消泡剤G1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、20〜24モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、65.52gのポリマー
1と、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する6.0gのオルガノシロキサン樹脂
2とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.25gのSipernat 35沈降シリカ
5及び1.75gのAerosil 200フュームドシリカ
5添加し、その混合物をシリカの完全に組み込みが達成されるまで撹拌する。次いで、0.79gのカリウムメトキシドを添加し、混合物を4時間、200℃で撹拌し、周囲温度に冷却し、18.48gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3及び3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシルを添加し、完全組み込みが達成されるまで撹拌して、粘稠な半透明液体を得る。
【0105】
実施例8:シリコーン消泡剤H1
シリコーン消泡剤H1は、攪拌機を装着した250ml容器に、おおよそ65,000の分子量を有し、71〜75モル%ジメチルシロキサン基、27〜33モル% 2−フェニルプロピルメチルシロキサン基、3〜7モル%オクチルメチルシロキサン基を含み、末端にトリメチルシリル基を有する、70.56gのポリマー
1と、3.00gのステアリン酸2−エチルヘキシル
4に溶解された、トリメチルシロキサン単位とSiO
2単位を約0.65/1〜0.67/1のM/Q比で有する、3.80gのオルガノシロキサン樹脂
2と、17.64gの10mm
2/秒(10cSt)ポリジメチルシロキサン
3とを投入することによって調製する。その混合物を樹脂混合物の完全組み込みまで撹拌する。次いで、5.00gの沈降シリカ
5を添加し、その混合物をシリカの完全に組み込みが達成されるまで撹拌する。
1 Shin−Etsu Silicones of America(オハイオ州アクロン)によって供給される
2 Wacker Silicones(ミシガン州エードリアン)によって商品名Belsil(登録商標)803で供給される
3 Shin−Etsu Silicones of America(オハイオ州アクロン)によって供給される
4 Wako Chemicals USA,Inc(バージニア州リッチモンド)によって供給される
5 Evonik Degussa Corporation(ニュージャージー州パーシッパニー)から入手可能
6 Evonik Degussa Corporation(ニュージャージー州パーシッパニー)から入手可能
7 Gelest,Inc.(ペンシルバニア州モリスビル)から入手可能
【0106】
実施例9:アルコキシ化ポリアルコキシレンイミン(PEI)とシリコーン消泡剤(SA)の併用によって達成される相乗的に改善されるすすぎ泡プロファイル
以下のものを含む四(4)つの液体洗濯洗剤組成物を調製する:(A)いずれのアルコキシ化ポリアルコキシレンイミンも、いずれの消泡剤プレミックスも含有しない、対照組成物;(B)本発明のアルコキシ化ポリアルコキシレンイミンを前記対照組成物に添加することによって形成した、しかしいずれの消泡剤プレミックスも含まない、第一の比較組成物;(C)実施例4のシリコーン消泡剤D1を前記対照組成物に添加することによって形成した、しかしいずれのアルコキシ化ポリアルコキシレンイミンも含まない、第二の比較組成物;及び(D)本発明のアルコキシ化ポリアルコキシレンイミン及び実施例4のシリコーン消泡剤1を前記対照組成物に添加することによって形成した本発明の組成物。これら4つの試料組成物の詳細な組成の内訳を次の通り表Iに収載する:
【0107】
【表1】
【0108】
これら4つの試料組成物を使用して布地の手洗いして、それによってその手洗い過程の間に生じた泡プロファイルを観察する。試料組成物ごとに、以下の手洗い試験プロコルに従う:
先ず、直径40cm、深さ19cmの赤いプラスチック製たらいに、0.171g/L(12gpg)水硬度及び4:1のCa/Mg比を有する室温の5リットルの水で満たす。二十五(25)グラムの試料液体洗剤組成物を計量し、たらいに注入する。その洗濯溶液を手で円を描くように10回撹拌して、十分な溶解を確保する。各試料液体洗剤組成物によって洗うための布地洗濯物は、(1)サイズ40cm×40cm、重量125gのニット綿4片、(2)0.4グラムの泥微粒子が付いている望ましい10.5cm×10.5cmサイズを有する汚した綿生地見本、及び(3)消費者パネルから集めた重量190グラムの汚れた白い綿シャツを含む。試験したシャツは、全て同じブランド及びサイズのものであり、消費者パネルが同じ期間、着用したものである。襟の汚れレベルが類似している汚れたシャツを選択して、ばらつきを最小にする。
【0109】
各ニット綿片、汚した綿生地見本を10回のこすり洗いで手洗いする。汚れたシャツを襟については20回のこすり洗い、シャツの胴体部分については10回のこすりシ洗いで手洗いする。洗い終わりに洗液面の泡の高さを定規で測定する。
【0110】
その後、ニット綿4片、綿生地見本及びシャツを洗液から取り出し、990gの持ち越し液重量(すなわち、濡れた布地全体が1440g)になるように絞る。
【0111】
第1のすすぎを開始するために、絞った布地洗濯物を、上文に記載のものと同じ硬度を有する7Lの水が入っているすすぎ用たらいに入れる。3回のこすり洗いを各布片に適用する。布地を取り出した後、すすぎ用たらいの上から写真を撮る。すすぎ液の表面に浮いている泡は、次の3つの異なる泡被覆率カテゴリーに分類することができる:(i)高密度層(不透明白色、赤いたらいの底が視界から遮断される)、(ii)低密度層(半透明白色、赤いたらいの底がぼんやりと見える)、(iii)水層(透明な水、たらい底がはっきりと見える)。泡被覆率のこれら3つカテゴリーは、グレースケール撮像の際、別個の明度を表示する。泡の密度が高いほど、撮像明度は明るくなる。すすぎ泡画像を撮像分析ソフトウェアによって処理して、高密度の泡がすすぎ液面に存在する領域に対応する、被定義閾値より明るい画素の数をカウントすることにより、高密度泡層(i)の表面積を算出する。高密度泡層の算出表面積が小さいほど、試料組成物は、すすぎ中の泡を低減させる効率が大きい。
【0112】
次の表IIは、試験した四(4)つの試料液体洗濯洗剤組成物の各々についてのすすぎ後の高密度泡層の算出表面積(たらいの全表面積に対する%)を含む。更に、比較試料(B)及び(C)並びに本発明の試料(D)の測定結果を対照試料(A)の測定結果に対して正規化して相対すすぎ泡低減指数(ΔE)を得、これは、試料組成物の高密度すすぎ泡表面積−対照組成物の高密度すすぎ泡表面積として算出する。
【0113】
【表2】
【0114】
本発明のアルコキシ化ポリアルキレンイミンと、有機変性シリコーンを含有するシリコーン消泡剤と、シロキサン系希釈剤とが一緒に作用して、対照液体洗濯洗剤組成物のすすぎ泡を相乗的に低減させることは、上記の結果から明らかである。
【0115】
実施例10−例示的液体洗濯洗剤組成物
下に列挙する成分を下に示す比率で混合することによって液体洗濯洗剤組成物10A〜10Eを製造する:
【0116】
【表3】
1 Shell Chemicals(テキサス州ヒューストン)から入手可能。
2 Huntsman Chemicals(ユタ州ソルトレイクシティー)から入手可能。
3 Sasol Chemicals(南アフリカ、ヨハネルブルク)から入手可能
4 Evonik Corporation(バージニア州ホープウェル)から入手可能。
5 The Procter & Gamble Company(オハイオ州シンシナティ)から入手可能。
6 Sigma Aldrich chemicals(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手可能
7 Genencor International(カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)から入手可能。
8 Ciba Specialty Chemicals(ノースカロライナ州ハイポイント)から入手可能
9 BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から入手可能な、−NH当たり20個のエトキシレート基を有する分子量600g/molのポリエチレンイミン骨格。
10 −NH当たり24個のエトキシレート基及び−NH当たり16個のプロポキシレート基を有する、分子量600g/molのポリエチレンイミン骨格。BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から入手可能。
11 国際公開特許第01/05874号に記載されており、BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から入手可能
12 商品名ThixinRでElementis Specialties(ニュージャージー州ハイツタウン)から入手可能
【0117】
実施例11:液体又はゲル状洗剤
下に列挙する成分を下に示す比率で混合することによって液体又はゲル状布地ケア洗剤組成物11A〜11Eを調製する:
【0118】
【表4】
13 Novozymes(デンマーク、コペンハーゲン)から入手可能。
14 PEG−PVAグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、BASF(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン)から入手可能なポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は、約40対60である。
【0119】
実施例12:リンス添加型布地ケア組成物
下に示す成分を混合することによって、リンス添加型布地ケア組成物12A〜12Dを調製する:
【0120】
【表5】
15 N,Nジ(タロイルオキシエチル)−Evonik Corporation(バージニア州ホープウェル)から入手可能なN,Nジメチルアンモニウムクロリド
16 Evonik Corporation(バージニア州ホープウェル)から入手可能な、結果としてN,N−ジ(タロイルオキシエチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリドとN−(タロイルオキシエチル)N−ヒドロキシエチルN,N−ジメチルアンモニウムクロリドの2.5:1モル混合物になる、脂肪酸とメチルクロリドで四級化されたメチルジエタノールアミンとの反応生成物。
17 25%〜95%アミロース及び0.02〜0.09の置換度を有し、並びに50〜84の値を有する水流動性として測定される粘度を有する、一般的なトウモロコシデンプン又はジャガイモデンプンに基づくカチオン性デンプン。National Starch(ニュージャージー州ブリッジウォーター)から入手可能。
18 BASF,AG(ルートヴィヒスハーフェン)から商品名Sedipur 544として入手可能な、アクリルアミド/[2−(アクリロイルアミノ)エチル]トリ−メチルアンモニウムクロリド(四級化ジメチルアミノエチルアクリレート)のコポリマーなどの、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー。
19 ウィスコンシン州アップルトンのAppleton Paperから入手可能。
【0121】
実施例13:粉末洗濯洗剤組成物
下に示す成分を混合することによって、粉末洗濯洗剤組成物13A〜13Cを調製する:
【0122】
【表6】
【0123】
表14:液体食器用洗剤組成物
下に示す成分を混合することによって、液体食器用洗剤組成物14A〜13Gを調製する:
【0124】
【表7】
【0125】
本明細書に引用する全ての文献は、一切の相互参照出願又は関連出願を含めて、明示的除外又は別段の限定がない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。いずれの文献の引用も、本願にて開示若しくは請求するいずれかの発明に対する先行技術であることを承認するものではなく、また、単独で、若しくは他のいずれかの参照文献(単数若しくは複数)との任意の組み合わせで、当該発明のいずれかを教示、示唆若しくは開示していることを承認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれている文献における同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する場合は、本文書においてその用語に付与する意味又は定義を優先するものとする。
【0126】
本発明の特定の実施形態を例証し、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に存するそのような変更及び修正は全て、添付の特許請求の範囲に包含されると解釈される。