(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656169
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】内燃機関用のバルブ作動装置
(51)【国際特許分類】
F01L 13/00 20060101AFI20200220BHJP
F01L 1/047 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
F01L13/00 301U
F01L1/047
【請求項の数】21
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-564261(P2016-564261)
(86)(22)【出願日】2015年4月21日
(65)【公表番号】特表2017-514065(P2017-514065A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015058575
(87)【国際公開番号】WO2015162119
(87)【国際公開日】20151029
【審査請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】A50304/2014
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597083976
【氏名又は名称】アー・ファウ・エル・リスト・ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】AVL LIST GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ゲルター,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ツルク,アンドレアス
【審査官】
楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−185463(JP,A)
【文献】
米国特許第5999789(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0291731(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0139594(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 13/00
F01L 1/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ毎にカムシャフト(2)上で作動可能である少なくとも一つのガス交換バルブを有し、
前記カムシャフト(2)は、バルブストローク切替装置(7)を介して軸方向に変位可能かつ回転方向に固定された、少なくとも二つの異なるカム輪郭(4,5)を有する少なくとも一つのカムピース(3)を備え、
前記バルブストローク切替装置(7)は、少なくとも一つのカムシャフト軸(2a)から離間され軸方向に変位可能である、前記カムピース(3)に接続された受動部(9)と相互作用する能動部(8)を備えている往復動内燃機関用のバルブ作動装置(1)であって、
前記能動部(8)及び前記受動部(9)は回転対称に構成され、
前記能動部(8)は、前記カムシャフト軸(2a)に平行に配置されたシャフト(12)の周りで回転可能かつ変位可能に設けられ、
前記能動部(8)は、変位装置(30)によって軸方向に変位可能であり、これにより、前記カムピース(3)とともに前記受動部(9)は、前記カムシャフト(2)に沿って変位可能であり、
前記能動部(8)は、第一表面(8a)に第一曲面要素(16)を備え、
固定部に備えられ、アイドル位置(A)と作動位置(B)との間で変位可能な第一操作ピン(17)は、前記作動位置(B)において、前記第一曲面(16)の領域に迫り出され、少なくとも一つの操作ピン(17、20)が、前記シャフト(12)に半径方向に変位可能に設けられていることを特徴とするバルブ作動装置(1)。
【請求項2】
前記変位装置(30)は、少なくとも一つの曲面要素(16、19)と、前記曲面要素(16、19)に相互作用する少なくとも一つの操作ピン(17、20)とを備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項3】
前記第一曲面要素(16)は、ねじ山から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項4】
前記能動部(8)は、前記第一表面(8a)とは反対を向いた第二表面(8b)に第二曲面要素(19)を備え、
固定部に備えられ、アイドル位置(A)と作動位置(B)との間で変位可能な第二操作ピン(20)は、前記作動位置(B)において、前記第二曲面(19)の領域に迫り出されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項5】
前記第二曲面要素(19)は、ねじ山から構成されることを特徴とする請求項4に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項6】
前記第一曲面要素(16)及び前記第二曲面要素(19)は、逆方向の勾配を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項7】
少なくとも一つの曲面要素(16、19)は、前記能動部(8)の回転軸(8’)の周りに、最大で360°の角度(β)にわたって延在することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項8】
前記能動部(8)及び前記受動部(9)は、回転的に連結されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項9】
前記能動部(8)は第一歯車(10)を備え、かつ、前記受動部(9)は第二歯車(11)を備え、
前記第一及び第二歯車(10、11)は、噛合係合状態にあることを特徴とする請求項8に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項10】
前記能動部(8)又は前記受動部(9)は、それらの表面(8a、8b)の領域に、二つの、軸方向に相互に離間されたスラストワッシャー(13、14)を備え、
前記二つのスラストワッシャーが開放空間(15)を画定し、
前記受動部(9)ないし前記能動部(8)は、前記二つのスラストワッシャー(13、14)間の前記開放空間(15)内で係合することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項11】
前記スラストワッシャー(13、14)は、前記第一ないし第二歯車(10、11)の両面に配置され、
前記スラストワッシャーの直径(D)は、前記隣接する第一ないし第二歯車(10、11)の、歯底円直径(df)よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項12】
前記スラストワッシャーの直径(D)は、前記隣接する第一ないし第二歯車(10、11)の、歯先円直径(dk)よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項13】
前記受動部(9)は、前記カムピース(3)に対して押圧されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項14】
前記カムピース(3)は、ロック装置(24)によって、少なくとも一つのカム輪郭位置においてロックされることができることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項15】
前記カムピース(3)は、ロック装置(24)によって、各カム輪郭位置においてロックされることができることを特徴とする請求項14に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項16】
前記カムピース(3)の少なくとも一つのカム輪郭位置は、ストッパー(27、28)によって画定されることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項17】
前記カムピース(3)の各カム輪郭位置は、前記ストッパー(27、28)によって画定されることを特徴とする請求項16に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項18】
前記少なくとも一つのストッパー(27、28)は、前記カムシャフト(2)から構成されることを特徴とする請求項16又は17に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項19】
少なくとも一つの操作ピン(17、20)は、復元要素によって形成される復元力に抗して、油圧式に偏向可能であることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項20】
前記復元要素はスプリング(18、21)であることを特徴とする請求項19に記載のバルブ作動装置(1)。
【請求項21】
前記操作ピン(17、20)のアイドル位置(A)は、前記復元力によって画定されることを特徴とする請求項19又は20に記載のバルブ作動装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムシャフト上で作動可能である少なくとも一つのガス交換バルブを有し、前記カムシャフトは、バルブストローク切替装置を介して軸方向に変位可能かつ回転方向に固定された、少なくとも二つの異なるカム輪郭を有する少なくとも一つのカムピースを備え、前記バルブストローク切替装置は、少なくとも一つの前記カムシャフト軸から離間され軸方向に変位可能である、前記カムピース接続された受動部と相互作用する能動部を備えた、少なくとも一つのシリンダを有する往復動内燃機関用のバルブ作動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カムシャフトを備える内燃機関用のバルブドライブは、独国特許出願公開第102004055852号明細書から知られており、カムシャフトは、異なるカム輪郭を有するカム装置を備え、そのカム装置はバルブストローク切替装置を介して軸方向に変位可能である。その変位は、シフトフィンガーを介してカム装置に作用するシフトフォークを介して生じる。
【0003】
チャージ交換バルブ用の制御装置が、独国特許出願公開第4230877号明細書から知られており、カムキャリアが、基部軸に耐トルク的かつ軸方向に変位可能に配置されている。カムキャリアは、上に少なくとも一つのカムが配置される管状支持体を備え、いくつかの異なるカムトラックが共通の基準円から軸方向にオフセットするように生成される。基部軸上のカムキャリアの軸方向の変位の結果として、ガス交換バルブは、異なる形状のカムトラックによって作動され、カムトラックは、ストローク輪郭及び/又は位相位置に関して異なり得る。
【0004】
この装置のさらなる発展は、出版された独国特許出願公開第10148243号明細書に記載されており、基本カムシャフト及びカムキャリアは、軸方向に延在する複数の噛合を介して互いに接続され、カムシャフトは、外歯部噛合を備え、かつカムキャリアは、内歯部噛合を備える。
【0005】
独国特許出願公開第102011003024号明細書は、往復動内燃機関のカムシャフト上に軸方向に変位可能に配置される滑動カムを有する滑動カムシステムを記載している。操作ピンを備える固定電磁変位装置は、滑動カムの変位のために設けられており、操作ピンは、滑動カムと動作的に接続状態にある変位溝に係合する。摩擦ロックとして形成されたロック装置は、滑動カムをロックするために設けられる。
【0006】
ガス交換バルブを作動させるための内燃機関用のバルブドライブは、独国特許出願公開第102011101871号明細書から知られており、そのバルブドライブは、少なくとも一つのレバーが上に備えられたレバーシャフトと変位軸とから構成される。ガイドウェイを有するスリーブは、耐トルク的であるが、軸方向に変位可能に回転可能な変位軸上に設けられ、そのレバーは、ガイドウェイに直接的又は間接的に支持される。ハウジングに固定された係合要素は、ガイドウェイに永続的に係合しかつハウジングに対してスリーブを支持する。さらなる係合要素が、ガイドウェイに沿って径方向に沿ってガイドウェイに係合し、かつハウジングに固定された係合要素に対してオフセットされ、レバーに固定的に接続される。一群のカムの異なるカム間の切り替えは、変位軸を捻ることによって生じる。
【0007】
独国特許出願公開第102011101868号明細書は、内燃機関におけるチャージ交換バルブストロークを変化するための装置を開示しており、その装置は、カムシャフトに平行に配置される変位軸が、カムシャフト上でのカムキャリアの軸方向の変位のために設けられる。第一伝達要素は、耐トルク的であるが、軸方向に変位可能に変位軸に配置され、この伝達要素は、ガイドウェイを備える。第一係合要素は、変位軸の捻り中にガイドウェイに沿って案内され、この係合要素は、内燃機関のハウジングに固定的に接続される。第二係合要素は、変位軸の捻り中にガイドウェイに沿ってさらに案内され、この第二係合要素は、第二伝達要素上でのカムキャリアの軸方向の変位のために配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004055852号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4230877号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10148243号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102011003024号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第102011101871号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第102011101868号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、バルブストロークの単純でコンパクトな切り替えを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、本発明により、能動部及び受動部が回転対称に構成され、能動部が、カムシャフト軸に平行に配置されたシャフトの周りで回転可能かつ変位可能に設けられていることにより達成される。
【0011】
好ましくは、変位装置は、少なくとも一つの曲面要素と、曲面要素に相互作用する少なくとも一つの操作ピンとを備え、能動部は変位装置によって軸方向に変位され、これにより、カムピースとともに受動部はカムシャフトに沿って変位される。
【0012】
特に、このバルブストロークの単純な切り替えは、能動部が、第一表面に、好ましくは一つのねじ山から構成される第一曲面要素を備え、固定部に備えられ、アイドル位置と作動位置との間で変位可能な第一操作ピンは、作動位置において、第一曲面の領域に迫り出されることによって達成される。同様に、能動部も、第一表面とは反対を向いた第二表面に、好ましくは一つのねじ山から構成される第二曲面要素を備え、固定部に備えられ、アイドル位置と作動位置との間で変位可能な第二操作ピンは、作動位置において、第二曲面の領域に迫り出される。各曲面要素は、能動部の回転軸の周りに、最大で360°の角度にわたって延在する。単純な変位は、第一曲面要素及び第二曲面要素が、逆方向の勾配を備える場合に達成されることができる。少なくとも一つの操作ピンは、シャフトに半径方向に変位可能に設けられるとともに、復元要素、好ましくはスプリングによって形成される復元力に抗して、油圧式に偏向可能であり、好ましくはアイドル位置は、復元力によって画定されることが望ましい。
【0013】
能動部及び受動部は、回転的に連結されていると有利である。回転的に連結されるとは、本開示の範囲内において、能動部の回転移動が、受動部に伝達されること、及びその逆であることを意味する。回転的な連結は、能動部が第一歯車を備え、かつ、受動部が第二歯車を備え、第一及び第二歯車が、噛合係合状態にある、という特に単純な方法で生じ得る。
【0014】
能動部及び受動部の間の軸方向の連結は、能動部又は受動部が、それらの表面の領域に、二つの、軸方向に相互に離間されたスラストワッシャーを備え、二つのスラストワッシャーが開放空間を画定し、受動部ないし能動部が、二つのスラストワッシャー間の開放空間内で係合する場合に、簡単に達成される。軸方向の連結は、本開示の範囲内では、能動部の軸方向への変位に伴い、受動部が変位すること、及びその逆であることを意味する。スラストワッシャーは、たとえば能動部に配置され、その結果、能動部は、スラストワッシャーによってフォークのように受動部を囲む。なお、スラストワッシャーが受動部に配置されることによって、運動学的な反転も可能もある。
【0015】
好ましくは、スラストワッシャーは、第一ないし第二歯車の両面に配置され、スラストワッシャーの直径は、隣接する第一ないし第二歯車の、歯底円直径、好ましくは歯先円直径、よりも大きい。その結果、スラストワッシャーは、変位過程において、係合する歯車の側面に作用し、したがって、好ましくはカムピースと締り嵌めにより接続された受動部を変位する。
【0016】
カムピースは、ロック装置によって、少なくとも一つのカム輪郭位置、好ましくは各カム輪郭位置においてロックされることができ、少なくとも一つのカム輪郭位置、好ましくは各カム輪郭位置は、たとえば、カムシャフトから構成されるストッパーによって画定される。
【0017】
その変位は、第一又は第二操作ピンの迫り出しによって開始される。作動位置において、第一ないし第二操作ピンはそれぞれ第一ないし第二曲面と接触する。カムシャフトの回転は、二つの歯車を介して能動部へ伝達される。ねじ山として形成された曲面は、固定的に備えられた操作ピンに接し、能動部は、能動部及び曲面の回転移動によって、軸方向に偏向される。能動部の軸方向の偏向は、スラストワッシャーを介して受動部へ伝達され、それによって、カムシャフト上のカムピースは軸方向に変位され、これにより、各ガス交換バルブを作動させるために並置された二つのカム輪郭の間で切り替えることができる。原理的には、三つ以上のカム輪郭の間における切り替えも、本発明に係る解決策を用いて、追加の操作ピンを設けることによって可能である。
【0018】
本発明は、図面に示される本発明を制限しない実施形態を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るバルブ作動装置を斜視図で示す図である。
【
図2】バルブ作動装置を長手方向の断面図で示す図である。
【
図3】第一実施形態における能動部とシャフトを平面図で示す図である。
【
図4】この能動部とシャフトを
図3の線IV−IVに沿う断面図で示す図である。
【
図5】第二実施形態における能動部と軸を平面図で示す図である。
【
図6】能動部とシャフトを
図5の線VI−VIに沿う断面図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1及び
図2は、詳細は図示しない往復動内燃機関用のバルブ作動装置1を示し、バルブ作動装置1は、カムピース3を有し、カムシャフト軸2aの周りに回転可能なカムシャフト2を備え、カムピース3は、カムシャフト2に耐トルク的に接続されるが、カムシャフト2の軸方向に変位可能に配置される。カムピース3は、軸方向に互いに並置される少なくとも二つの異なるカム輪郭4、5を備え、図示されないガス交換バルブを作動するために、二つのカム輪郭4、5のいずれかが常に一つのカムフォロワー6、たとえば、ローラータペットと噛み合っている。
【0021】
二つのカム輪郭4、5の切り替えのために、バルブストローク切替装置7が設けられ、バルブストローク切替装置は、能動部8と、カムピース3に固定的に接続される受動部9とを備え、能動部8及び受動部9は回転対称に構成される。
【0022】
能動部8は第一歯車10を備え、かつ、受動部9は第二歯車11を備え、その際、能動部8及び第一歯車10は、固定的なシャフト12に回転可能かつ軸方向に変位可能に設けられ配置される。第一歯車10及び第二歯車11は、互いに噛合係合状態にあり、したがって、回転的に連結される。スラストワッシャー13、14は、能動部8の各表面8a、8bに配置され、スラストワッシャー13、14は、直接第一歯車10に隣接している。スラストワッシャー13、14の直径Dは、本実施形態においては、等しい大きさ(しかしながら、異なっていてもよい)であり、第一歯車10の歯底円直径d
fよりも大きく、特に歯先円直径d
kよりも大きい。受動部9は、二つのスラストワッシャー間に形成された開放空間15内で係合する。受動部9の噛合係合している部分は二つのスラストワッシャー13、14によって両側が囲まれており、これによって、能動部8による受動部9の軸方向の変位が可能となる。したがって、能動部8及び受動部9は、このように軸方向に連結される。
【0023】
能動部8は、変位装置30によって軸方向に変位され、その結果、受動部9及びカムピース3も、カムシャフト2に沿って変位される。能動部8は、第一表面8aの領域に、スラストワッシャー13の外側に、ねじ山が形成された第一曲面要素16を備えている。
第一操作ピン17は、アイドル位置Aと作動位置Bとの間で半径方向に変位可能に、シャフト12に設けられる。アイドル位置Aにおいて、第一操作ピン17は完全にシャフト12内にあり、第一操作ピン17は、また完全にシャフト12内に配置された、第一復元スプリング18の形態の第一復元要素によってアイドル位置Aに保持される。同様に、能動部8は、第二表面8bの領域に、スラストワッシャー14の外側に、ねじ山が形成された第二曲面要素19を備えている。
【0024】
本発明の範囲内において、曲面要素16、19は、シャフト12の外側に延在するガイドウェイを有する要素として理解され、該ガイドウェイは、第一歯車10に近くに配置された始点から、軸方向(シャフト12の回転軸8’)に出発し、第一歯車10からさらに遠くに配置された終点まで、歯車10から離れる方向に高まり、シャフト12の周囲に巻かれる。ガイドウェイは、ある一定の、又は可変の勾配を備える。ねじ山の場合、ガイドウェイは、一定の勾配でシャフト12の周囲に巻かれる。
【0025】
第二操作ピン20もまた、アイドル位置Aと作動位置Bとの間で変位可能に、シャフト12に設けられる。アイドル位置Aにおいて、第二操作ピン20は完全にシャフト内にあり、第二操作ピン20は、また完全にシャフト12内に配置された、第二復元スプリング21の形態の第二復元要素によってアイドル位置Aに保持される。
【0026】
第一曲面要素16及び第二曲面要素19は、能動部8ないしそのスラストワッシャー13、14に固定的に接続される。第一曲面要素16及び第二曲面要素19のねじ山は、
図3から
図6に示されるように逆方向の勾配を備える。二つの曲面要素16、19のそれぞれは、能動部8の回転軸8’の周りに、最大で360°の角度βにわたって延在する。
図3及び
図4は、高まる曲面要素16、19が、略半周にわたって延在する、即ち、回転軸8’の周りの角度βは、約180°である実施形態を示す。
図5と
図6に示される実施形態においては、曲面要素16、19は、それぞれ完全なねじ山によって形成され、したがって、回転軸8’の周りに約360°の角度βにわたって延在する。
【0027】
各操作ピン17、20は、オイルが供給される圧力室22、23に隣接する。操作ピン17、20のアイドル位置Aは、各圧力室22、23に圧力がかからない状態によって定義される。圧力室22、23内の圧力が増加すると、第一操作ピン17ないし第二操作ピン20のそれぞれは、アイドル位置Aから作動位置Bへ、半径方向外側に押圧され、第一ないし第二曲面要素16、19の領域に突出する。第一曲面要素16ないし第二曲面要素19の領域は、ここでは、シャフト12に沿う軸方向の部分として理解され、該領域は、各曲面要素16、19が、能動部8の回転軸8’の周りに(少なくとも)一回転する間に通過する部分である。
【0028】
カムシャフト2と連結された、能動部8及び曲面要素16、19の回転移動によって、第一曲面要素16又は第二曲面要素19は、対応する操作ピン17、20に押圧される。能動部8は、シャフト12に軸方向に変位可能に設けられているので、能動部8は、操作ピン17、20と曲面要素16、19との相互作用によって軸方向に変位される。能動部8の変位により、受動部9も、したがって、カムピース3も変位される。第一操作ピン17及び第二操作ピン20は正反対に作動され、その結果、二つの操作ピン17、20の一方はアイドル位置Aに位置し、他方は作動位置Bに位置する。
【0029】
カムピース3を各位置に保つためにロック装置24が設けられ、該ロック装置は少なくとも一つのスプリングクリップ25を備え、該スプリングクリップはカムピース3の溝26、26’内に弾性的に係合する。カムピース3のカム輪郭層は、カムシャフト2のストッパー27、28によってさらに画定され、該ストッパーは、受動部9ないしカムピース3の対向する面に配置される。スプリングクリップ25は、ストッパー27、28の少なくとも一方の領域において、カムシャフト2に固定される。
【0030】
カムピース3の変位は、第一操作ピン17又は第二操作ピン20の迫り出しによって開始される。作動位置Bにおいて、第一ないし第二操作ピン17、20は、対応する第一ないし第二曲面要素16、19と接触する。カムシャフト2の回転は、二つの歯車10、11を介して能動部8に伝達される。曲面16又は19は、固定的に備えられた操作ピン17、20に接し、能動部8は、能動部8及び曲面16、19の回転移動によって、軸方向に偏向される。能動部8の軸方向の偏向は、スラストワッシャー13、14を介して受動部9に伝達され、それによって、カムピース3は、カムシャフト2上を軸方向に変位され、その結果、各ガス交換バルブを作動するためにカム輪郭4、5間で切り替えることができる。