【実施例】
【0060】
以下の実施例は本発明を説明するのに役立ちます。特に断らない限り、温度は摂氏度で与えられ、部は質量部であり、及び百分率は質量%に関連する。質量部は、リットルに対するキログラムの割合で容量部に関連する。
【0061】
本発明に係る硬化性シーリング剤組成物の製造は、実施例1乃至8により詳細に記載されている。先行技術に従う硬化性組成物は、比較例1乃至6に従って製造された。硬化性又は硬化した組成物の特性は、以下の試験方法(1)乃至(7)により決定された。試験結果は表1に示される。試験方法(2)乃至(5)で使用された硬化した組成物の試料は、2mm厚のスペーサーを備えた石英ガラスシート上に、実施例1乃至9及び比較例1乃
至6に従って得られた硬化性組成物を塗ることによって製造した。石英シートに塗布された未硬化の組成物を、他の石英シートで覆い、そして硬化した組成物のシートを得るために2
,000mJ/cm
2の量で紫外線を照射した。試験方法(6)及び(7)に従う硬化した組成物の評価は、次期ハードディスクドライブを入れるためのダストカバーとして使用される102mm×146mmのサイズの脱脂した金属シート4の端近くにガスケットを製造することによって得た。金属シート4上のガスケット5の製造は、
図1に示されているように、X−Y−Z駆動ロボット制御装置1を備えたロボット塗布機を使用して、供給管2及びディスペンサー3を通じた硬化性組成物の塗布により実施した。この結果として、ガスケットのための組成物を、
図2に示されているように、硬化した組成物のガスケット5を備えたダストカバーを与えるために2
,000mJ/cm
2の線量で紫外線を用いて照射した。
【0062】
(1)反応性
本発明に係る組成物(実施例1乃至8)及び先行技術(比較例1乃至6)を、別々に、塗布機を使用することにより石英ガラスシート状に塗布し、そして、おおよそ100μmの厚さを有する、各々の組成物のコーティングを得た。次いで、各々の塗布された組成物を2
,000mJ/cm
2の線量で紫外線を用いて照射した。使用の硬化特性(反応性)は、それらの表面の触覚比較することによって試験した。各々の試料の特性を、以下の3つの評価に応じて与えた。
許容可能(A):タックなし
中間(M):わずかなタック
許容できない(C):かなりのタック
【0063】
(2)硬化性
ショアー硬度AをJIS K 6253に従って測定した。評価結果を、以下の二つの評価に応じて与えた。
許容可能(A):ショアーA硬度が15乃至45
許容できない(U):ショアーA硬度が45よりも大きい
15乃至45の範囲のショアー硬度Aは、硬化したシーリング剤組成物として許容できる。
【0064】
(3)伸び
伸びを、JIS K 6251に従って測定した。伸びの結果を、以下の二つの評価に応じて与えた。
許容可能(A):少なくとも200%の伸び
中間(M):100%乃至200%の伸び
許容できない(U):100%又はそれより低い伸び
シーリング剤特性は、硬化した組成物の伸びと共に改善される、即ち、高い伸び値は良好なシーリング特性と言い換えられるのに対し、低い伸び値は貧しいシーリング特性と言い換えられる。
【0065】
(4)引張強度
引張強度を、JIS K 6251に従って測定した。引張強度の数値を表1に示した。シーリング剤特性は、硬化した組成物の引張強度値の増加と共に改良される、即ち、高い引張強度値は良好なシーリング特性(A)に言い換えられるのに対し、低い引張強度値は貧しいシーリング特性(U)に言い換えられる。
【0066】
(5)引裂強度
引裂強度を、JIS K 6252に従って測定した。引裂強度に関する数値を表1に示した。シーリング剤特性は、硬化した組成物の引裂強度値の増加に伴い改良される、即ち、高い引裂強度値は良好なシーリング特性と言い換えられるのに対し、低い引裂強度は貧しいシーリング特性と言い換えられる。
【0067】
(6)気密性
ガスケットの気密性を、25℃に維持された恒温中に置かれた、
図3に示した様な試験装置を使用して評価した。その周縁にガスケット5を備えた金属シート4を、治具(示されていない)を用いることによって、気密シーリング試験ユニット6上に固定し、これによりガスケット5を試験基部6の上面と接触させ配置した。空気を、供給管7を通じて金属シート4の下表面と、基部6の上表面の間の密閉チャンバ中に吹き込んだ。エアフローを、チャンバ内の圧力が30mmの水ゲージ圧に達したときに、中止した。10分後、チャンバ圧を水ゲージ圧マノメーター8により測定した。気密性は、圧力が30mmのままの場合は許容可能(A)と評価したのに対し、気密性は、圧力が30mmの水ゲージ圧から適度に低減した場合は許容できない(U)と評価した。
【0068】
(7)耐久性
その上側の外縁にガスケット5を備えた金属板4を、大気圧中40℃の温度及び90%の相対湿度で500時間老化させた。その後、ガスケットと一緒に金属シートを、25℃
で1時間保持した。次いで、気密性を上記試験方法(6)により測定した。気密性は上記した通り評価した。
【0069】
(8)水蒸気透過率(MVTR)
MVTRを、40℃の温度及び90%RH条件で、2mm厚の試料を用いて、JIS K 7129に従って測定した。MVTRに関する数値を表1にした。この値は、SI単位でg/m
224hで表され、また24時間に領域のm
2当たりのフィルム試料を通過した水分の量に対応する。評価結果は、以下の2つの評価に応じて与えられる。
許容可能(A):MVTRが、5g/m
224hよりも低い
許容できない(U):MVTRが、5g/m
224hよりも高い
高い水蒸気透過速度値(5g/m
224hよりも高い)は、貧しいシーリング特性と言い換えられるのに対し、低い水蒸気透過速度値(5g/m
224よりも低い)は、良好なシーリング特性と言い換えられ、そして良好な水蒸気保護を意味する。
【0070】
実施例1
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール(日本曹達株式会社製のGI−1000(登録商標)、数平均分子量:1
,500)332g、(b)として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))16g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート52gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そしてこの反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、17
,000の数平均分子量Mn及び0.21mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0071】
実施例2
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール(日本曹達株式会社製のGI−1000(登録商標)、数平均分子量:1
,500)361g、(b)として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))9g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート30gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そしてこの応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そしてこの混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、20
,000の数平均分子量Mn及び0.12mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0072】
実施例3
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール(日本曹達株式会社製のGI−2000(登録商標)、数平均分子量:2
,000)322g、(b)として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))18g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート60gを、温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そしてこの反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、19
,000の数平均分子量Mn及び0.24mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0073】
実施例4
(i)(a)として水添イソプレンオリゴマージオール(出光興産株式会社製のEPOL
(登録商標)、数平均分子量:2
,500)319g、(b)として、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))19g及び(c)としてイソホロンジイソシアネート62gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そしてこの反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、21
,000の数平均分子量Mn及び0.25mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0074】
実施例5
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール(日本曹達株式会社製のGI−1000(登録商標)、数平均分子量:1
,500)340g、(b)としてプロプレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(共栄社化学株式会社製のエポキシエステル70PA(登録商標))14g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート46gを、温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そしてこの反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、17
,000の数平均分子量Mn及び0.21mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0075】
実施例6
イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94gの混合物の代わりに、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート200g及びシクロヘキシルアクリレート176gの混合物を成分(b)として使用した以外は、他の全ての条件は同じまま、実施例1に記載されたのと同じ手順で実施した。このようにして、硬化性組成物の全質量に基づいて、17
,000の数平均分子量Mn及び0.21mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0076】
実施例7
イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94gの混合物の代わりに、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート300g及びイソボルニルアクリレート76gの混合物を成分(b)として使用した以外は、その他の全ての方法は同じままで、実施例1に記載された同じ手順で実施した。これにより、硬化性組成物の全質量に基づいて、17
,000の数平均分子量Mn及び0.21mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%、を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0077】
実施例8
2リットルのプラネタリーミキサーを、実施例1で製造されたのと同じ放射線硬化性シーリング剤組成物600g、及び成分(D)としてシリカ粉末(日本アエロジル株式会社から入手可能な“アエロジル200”)48gで満たした。内容物を60℃で約6時間撹拌し、成分(A)、(B)及び(C)の合計100質量部及び充填材(成分(D))8質量部を含む活性エネルギー線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0078】
比較例1
上記実施例1(i)に記載された、水添ブタジエンオリゴマージオール(a)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(b)及びイソホロンジイソシアネート(c)の反応により製造された不飽和基含有ウレタンオリゴマー(A)にかえて、ポリエーテルベースのウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製の紫光UV−6640B(登録商標)、重量平均分子量:5
,000)400gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。この混合物に、イソノニルアクリレート282g、フェノキシエチルアクリレート94g(B)及び光−重合開始剤(C)としてイルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを加え、そしてこの混合物を、完全に溶解するまで60℃で1時間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、ウレタンアクリレートオリゴマー50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%及び光重合開始剤(C)3質量%を含む、放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0079】
比較例2
上記実施例1(i)に記載された、水添ブタジエンオリゴマージオール(a)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(b)及びイソホロンジイソシアネート(c)の反応により製造した不飽和基含有ウレタンオリゴマー(A)にかえて、ポリエステルベースのウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製の紫光(登録商標)UV−3000B、重量平均分子量:18
,000)400gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。この混合物に、イソノニルアクリレート282g、フェノキシエチルアクリレート94g(B)及び光−重合開始剤(C)としてイルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを添加し、そして混合物を、完全に溶解するまで60℃で1時間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、ウレタンアクリレートオリゴマー50質量%、アクリル酸
エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0080】
比較例3
(i)水素化ブタジエンオリゴマージオールの代わりに(a)としてポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業株式会社製の“PCL−220N”;数平均分子量:2
,000)322g、(b)として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))18g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート60gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そして反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、20
,000の数平均分子量Mn及び0.24mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%及び光重合開始剤(C)3質量%を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た
【0081】
比較例4
(i)(b)として1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(四日市合成株式会社製の16HD(D)−DEXA(登録商標))280g、及び(c)としてイソホロンジイソシアネート120gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオールは使用していない。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そして反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、4
,000の数平均分子量Mn及び3.8mol/kgの不飽和度を有する不飽和基含有ウレタンアクリレートオリゴマー(A)50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0082】
比較例5
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール360g(日本曹達株式会社製のGI−2000(登録商標)、数平均分子量:2
,000)及び(c)としてイソホロンジイソシアネート40gを温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。(b)としての分子中に二つのヒドロキシル基及び二つのエチレン性不飽和基を有する二官能エポキシ(メタ)アクリレートは使用しない。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そして反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、
放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。20
,000の数平均分子量Mn及び0mol/kgの不飽和度を有する不飽和基を含まないウレタン樹脂50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、光重合開始剤(C)3質量%を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0083】
比較例6
(i)(a)として水素化ブタジエンオリゴマージオール(日本曹達株式会社製のGI−2000(登録商標)、数平均分子量:2
,000)325g、成分(b)の代わりにグリシジルメタクリレート25gのアクリル酸付加物(新中村化学工業株式会社から入手できる“NK Ester 701A”)、(c)としてイソホロンジイソシアネート50gを、温度計、冷却管、及び撹拌機を備えた1リットルの四つ口フラスコに入れた。
(ii)この混合物に、イソノニルアクリレート282g及びフェノキシエチルアクリレート94g(B)を希釈剤として添加し、そして反応混合物を70℃で約48時間撹拌した。反応の完了を、赤外分光法(イソシアネート吸収シグナルの消失)によって確認した。得られた反応混合物に、イルガキュア(登録商標)184(バスフ コーポレーション)24gを光重合開始剤(C)として添加し、そして混合物を、開始剤を溶解させるために30分間撹拌した。硬化性組成物の全質量に基づいて、15
,000の数平均分子量Mn及び0.56mol/kgの不飽和度を有する不飽和基を含まないウレタン樹脂50質量%、アクリル酸エステルモノマー(B)47質量%、及び光重合開始剤(C)3質量%を含む放射線硬化性シーリング剤組成物を得た。
【0084】
応用例
102mm×146mmのサイズを有する、磁器ハードディスクドライブ装置に設けられたダストカバーのための金属シートを、脱脂し、そしてガスケットを、
図1に示されている様なロボット塗布機を用いてディスペンサー3を通じて金属シート4の周縁上に実施例1乃至8(又は比較例1乃至6)の何れか一つで製造された放射線硬化性シーリング剤組成物を配置することによって、金属シート4の周縁上に形成した。ガスケットのための
組成物に2
,000mJ/cm
2の線量で紫外線を照射し、
図2に示されている様に硬化したシーリング材組成物のガスケット5が付いたダストカバー得た。
図2に示されている様に金属シート4の周縁に形成されたガスケット5は、2mmの幅(ここで、ガスケットは金属シートと接触している)及び金属シート4の表面から1mmの高さを有する。ガスケットのためのシーリング剤組成物は、紫外線で照射することによって硬化し、そしてガスケットは約半円状の形状の断面を有する。ガスケットを、成形と同時に所定の位置で固定して硬化した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】