(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エストラジオールが約 1.0 mg の有効性成分含量を有し、及び前記プロゲステロンが約 100 mg の有効性成分含量を有する、請求項1に記載の医薬品組成物。
前記 C6-C12 の油がカプリル酸及びカプリン酸(CAPMUL(登録商標)MCM, NF)のモノグリセリド及びジグリセリドであり、前記非イオン性界面活性剤が少なくともラウロイル・マクロゴール‐32 グリセリド EP、ラウロイル・ポリオキシル‐32 グリセリド NF、又はラウロイル・ポリオキシグリセリド(GELUCIRETM 44/14, NF)の内の 1 種である、請求項1に記載の医薬品組成物。
前記エストラジオールが約 1.0 mg の有効性成分含量を有し、及び前記プロゲステロンが約 100 mg の有効性成分含量を有する、請求項9に記載の医薬品組成物。
前記 C6-C12 の油がカプリル酸及びカプリン酸(CAPMUL(登録商標)MCM, NF)のモノグリセリド及びジグリセリドであり、前記非イオン性界面活性剤が少なくともラウロイル・マクロゴール‐32 グリセリド EP、ラウロイル・ポリオキシル‐32 グリセリド NF、又はラウロイル・ポリオキシグリセリド(GELUCIRETM 44/14、NF)の内の 1 種である、請求項9に記載の医薬品組成物。
前記組成物が 200 mg のプロゲステロン・ソフト・ゲル・カプセル及び 2 mg のエストラジオール・タブレットと生物学的に同等である、請求項9に記載の医薬品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0012】
しばしば、所定の病態を治療するには医薬品のより高い推奨経口投与用量が必要である
。多くの活性成分は治療が必要な患者に完全には吸収されないためである。換言すると、
例えば、プロゲステロンのような薬剤のより良く吸収される形態、または対象間での、単
独のもしくはエストラジオールと組み合わせたプロゲステロンの吸収のより良い一貫性を
提供する形態は、現在推奨されているものより低い有効性成分含量で投与することができ
、他の潜在的な利点とともに、副作用プロファイルの低減または最小化をもたらす可能性
がある。
【0013】
(定義)
「微粒子化プロゲステロン」の語は、本明細書において用いられる場合、約15ミクロ
ン未満のX50粒径値を有する、および/または約25ミクロン未満のX90粒径値を有
する微粒子化プロゲステロンを含む。
【0014】
「X50」の語は、本明細書において用いられる場合、試料中の粒子の1/2の直径が
所定の数より小さいことを意味する。例えば、5ミクロンのX50を有する微粒子化プロ
ゲステロンは、所定の微粒子化プロゲステロンの試料について、粒子の1/2が5ミクロ
ン未満の直径を有することを意味する。同様に、「X90」の語は、試料中の粒子の90
パーセント(%)の直径が所定の数より小さいことを意味する。
【0015】
「中鎖」の語は、本明細書において用いられる場合、C4〜C18、とくにC6〜C1
2物質、グリセロールの脂肪酸エステル、脂肪酸、ならびにこうした物質のモノ、ジ、お
よびトリグリセリドを含む、いずれかの中鎖炭素含有物質を意味する。
【0016】
「均一分布」の語は、同様の有効性成分含量および同一のUSP溶解装置でプロメトリ
ウムと比較した溶解試験におけるプロゲステロンの均一な分散、可溶性、または凝集の欠
如の少なくとも1つを意味する。
【0017】
「生物学的利用能」の語は、本明細書において用いられる場合、血液(血清または血漿
)中の活性成分(例えば、プロゲステロン、エストラジオールまたはエストロン)の濃度
を意味する。相対生物学的利用能は時間に対する血液(血清または血漿)中の濃度として
測定することができる。生物学的利用能を測定および評価するには、AUC、C
max、
および任意でT
maxを含む適切なメトリクスにより割り出される他の薬物動態(pK)
指標を用いてもよい。
【0018】
「AUC」の語は、本明細書において用いられる場合、時間経過に伴うプロゲステロン
、エストラジオールまたはエストロンの血中濃度の変化を表す曲線下領域を指す。
【0019】
「C
max」の語は、本明細書において用いられる場合、時間経過に伴うプロゲステロ
ン、エストラジオールまたはエストロンの血中濃度の変化を表す曲線上に示される血中濃
度の最大値を指す。
【0020】
「T
max」の語は、本明細書において用いられる場合、プロゲステロン、エストラジ
オールまたはエストロン血中濃度が最大値に達するのにかかる時間を指す。
【0021】
総括してAUC、C
max、および任意でT
maxは、動物または人間の対象における
プロゲステロンのような特定の薬剤製品の薬物動態反応を特徴づけることができる主要な
薬物動態パラメータである。
【0022】
「可溶化剤」の語は、本明細書において用いられる場合、例えば限定なしに、溶剤、共
溶剤、界面活性剤、乳化剤、油および担体のような、適切な医薬的に許容可能な付形剤を
含む、エストラジオールの可溶性を向上させるのに用いることができるいずれかの物質ま
たは物質の混合物を意味する。
【0023】
「付形剤」の語は、本明細書において用いられる場合、医薬製品の製剤に用いられる担
体、溶剤、油、潤滑剤等のような非活性医薬成分(「API」)物質を指す。それらは一
般的には、米国食品医薬品局より公表されているものを含む、構築された政府基準による
と、人間を含む動物への投与に安全である。
【0024】
「油」の語は、本明細書において用いられる場合、本明細書に記載されるような微粒子
化プロゲステロンを含む、いずれかの適切なプロゲステロン、出発材料、または前躯体を
懸濁および/または可溶化する、ピーナッツ油以外の、いずれかの医薬的に許容可能な物
質であってもよい。より具体的には、油は、例えば限定なしに、一般的には少なくとも1
つのモノ、ジ、およびトリグリセリド、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせから
なる中鎖脂肪酸を含むことができる。
【0025】
「完全可溶化プロゲステロン」は、本明細書において用いられる場合、溶液中で約10
0%であるプロゲステロンを意味する。
【0026】
「部分可溶化プロゲステロン」は、本明細書において用いられる場合、約100%未満
のいずれかの可溶化の状態であるプロゲステロンを意味する。
【0027】
(説明)
本明細書では、以下の製剤:プロゲステロンを含まない可溶化エストラジオール;エス
トラジオールを含まない微粒子化プロゲステロン;部分可溶化プロゲステロンを含む微粒
子化プロゲステロン;微粒子化プロゲステロンを含む可溶化エストラジオール;部分可溶
化プロゲステロンと組み合わせた微粒子化プロゲステロンを含む可溶化エストラジオール
;および可溶化プロゲステロンを含む可溶化エストラジオールが提供される。本明細書に
おいて提供される根本的な製剤コンセプトは、他の天然または合成形態のエストラジオー
ルおよびプロゲステロンで用いてもよい。微粒子化の詳細、態様および実施形態を本明細
書においてさらに定義する。
【0028】
一般的には、本明細書に記載される医薬製剤は、充填カプセル、一般的には、例えば限
定なしに、ソフトゼラチンカプセルを含む、当技術分野において周知の1つ以上の材料の
ソフトカプセルとして調製および投与される。本明細書に記載されるような、微粒子化プ
ロゲステロンは、標準的な技術を用いてタブレットまたは他の周知の経口投与される投与
形態での投与用に調製することもできる。
【0029】
本開示の別の態様は、微粒子化プロゲステロン、部分可溶化プロゲステロンを含む微粒
子化プロゲステロンおよび完全可溶化プロゲステロンの医薬製剤を含み、前記製剤は治療
対象において、同等の有効性成分含量で投与される場合プロメトリウム(登録商標)によ
り提供される生物学的利用能と比較して増加したプロゲステロンの生物学的利用能を提供
することができる。
【0030】
各種態様および実施形態によると、可溶性割合(すなわち、溶液に入る溶質の割合)は
重要である。溶液全体の重量に対するエストラジオールの重量比も、本明細書において議
論される、意図する投与量のため重要である。とくに、カプセルによって容易に投与する
ことができるある量の溶液中のエストラジオールの標的用量を得ることが望ましい。例え
ば、カプセル中のエストラジオールの用量を約0.125mg〜約2mgとすることが望
ましい場合、約250mg〜約400mg、好適には約300mg〜約350mg、より
好適には約325mgの総溶液重量を有することも望ましい。各種実施形態では、総溶液
に対するエストラジオールの重量比は、約0.125:50mg〜約0.125:100
0mg、約1mg:500mg〜約1mg:50mg、約1mg:250mg〜約1mg
:60mg、約1mg:100mg〜約1mg:66mg、約2mg:50mg〜約2m
g:1000mgである。各種実施形態では、単回投与製品の標的は325mgであり、
複合製品(例えば、2つ以上のステロールAPI)の標的充填重量は650mgである。
【0031】
本開示の他の態様は、等用量のプロメトリウムと比較した場合、一般的には可溶化エス
トラジオールと組み合わせた、本開示のプロゲステロンの製剤におけるプロゲステロンの
より均一な溶解、ならびに患者内および患者間の血中濃度のばらつきの低減をさらに提供
する。血中濃度のばらつきは、投与後の同等のサンプリング時間でも比較される。理論に
より限定されるものではないが、これらの態様は各製剤中の可溶化プロゲステロンの割合
により影響されると考えられ、こうしたプロゲステロンのより均一な溶解、ならびにより
低い患者内および患者間の血中濃度のばらつきは、総プロゲステロンに対する可溶化プロ
ゲステロンのより大きな割合により影響される。プロゲステロンを含む本製剤は食効の低
減にも関係し得る。
【0032】
同一のUSP装置を用いる同等の有効性成分含量のプロメトリウムの溶解と比較して本
開示の製剤中のプロゲステロンのより均一な溶解は、以下の実施例に記載されるものを含
む、API溶解試験用に構築された標準的な技術を用いて測定することができる。
【0033】
プロメトリウムと比較して本開示に従って製剤されたプロゲステロンの患者内および患
者間のばらつきの低減は、以下に記載するもののような摂食バイオ実験によって示すこと
ができる。
【0034】
本開示の他の態様は、それぞれ治療が必要な対象における、それぞれ非毒性で効果的な
量での、本明細書に記載されるような製剤であって、プロゲステロンが人間を含む動物の
:子宮内膜増殖症;続発性無月経;前記動物が短い子宮頸部を有する場合、早産;および
補充プロゲステロンで治療される他の病態または病状(総括して、「プロゲステロン欠乏
状態」)を治療するための前記製剤中の少なくとも1つのAPIである、製剤の使用、な
らびに本明細書に記載されるような製剤であって、エストラジオールが人間を含む動物の
:例えば、血管運動症状を含む閉経期関連症状;例えば限定なしに、顔面紅潮および寝汗
(血管運動症状)、睡眠障害、気分変動および外陰膣萎縮を含む、低エストロゲン症関連
症状;ならびに補充エストロゲンで治療される骨粗鬆症および他の非閉経期病態または症
状(総括して、「エストロゲン欠乏状態」)を治療するための前記製剤中の少なくとも1
つのAPIである、製剤の使用を含む。本明細書において用いられる場合、「治療」の語
、またはその派生語は、本明細書に記載されるような製剤が予防的に、またはこうした製
剤が投与される病態の発症後に投与される場合の記載される病態の部分または完全抑制と
考える。本開示の目的のため、「予防」とは、本明細書に記載される障害のいずれか、お
よびその他から動物を保護するための活性成分の動物への投与を指す。
【0035】
とくに指定のない限り、「天然」とは、本明細書において本明細書で議論されるホルモ
ンを指して用いられる場合、人体において自然発生する(内因性の)ものの化学構造およ
び効果と一致するように製剤される生物学的同等ホルモンを意味する。例となる天然エス
トロゲンはエストラジオール(17β−エストラジオールおよびE2とも記載される)で
あり、天然プロゲスチンはプロゲステロンである。例となる周期/間欠処方計画は、14
〜18日間毎日約0.125mg〜約2.0mgのエストラジオールの投与、ならびにそ
の後10〜14日間毎日約0.125mg〜約2mgのエストラジオールおよび約25m
g〜約200mgのプロゲステロンの投与を含む。周期/間欠処方計画は閉経期の女性に
特に有用であり得る。本明細書に記載される製剤において用いられるエストラジオールの
他の例となる有効性成分含量としては、限定なしに、0.125、0.25、0.375
、0.50、0.625、0.75、1.00、1.125、1.25、1.375、1
.50、1.625、1.75および2.00mgが挙げられる。本明細書に記載される
製剤において用いられるプロゲステロンの他の例となる有効性成分含量としては、限定な
しに、25、50、75、100、125、150、175、200、250、300、
350および400mgが挙げられる。エストラジオールおよびプロゲステロンそれぞれ
のこれらの有効性成分含量は、本明細書に記載される製剤で単独でまたは組み合わせて投
与することができる。
【0036】
プロゲステロン活性医薬成分は、当業者により一般的に用いられる複数の方法のいずれ
か1つによって微粒子化することができる。各種実施形態では、微粒子化プロゲステロン
は約15ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、および/または約3ミ
クロン未満のX50粒径値を有する。各種実施形態では、微粒子化プロゲステロンは約2
5ミクロン未満、約20ミクロン未満、および/または約15ミクロン未満のX90粒径
値を有する。
【0037】
粒径はいずれかの適切な方法で測定することができる。例えば、ベックマン・コールタ
ーLS13320レーザー回析式粒度分布測定装置(「ベックマン装置」)を用いて粒径
を測定することができる。上述したように、粒径は各種メトリクス、例えば、X50粒径
、および/もしくはX90粒径、または同様の粒径の記載により表すことができる。
【0038】
ベックマン装置は分析用の試料を導入するためのさまざまなモジュールとともに用いる
ことができる。ベックマン装置はLS13320ユニバーサルリキッドモジュール(「U
LM」)とともに用いることができる。ULMは0.017μm〜2000μmのサイズ
範囲内の試料を懸濁させることができる。ULMは試料を感知ゾーンへ送達することがで
きる液体ベースのモジュールである。ULMは試料をベックマン装置中に再循環させる。
ULMは2つのホース、液体送達用の1つと排出用のもう1つを備える。用いられる総体
積は125mL以下であり得る。約1mg〜約10gの試料質量を用いることができる。
ULMは、ULM上のスロットに取り付けられたピンによってベックマン装置と相互作用
することができる。ULMはさまざまな懸濁液、例えば、水、ブタノール、エタノール、
クロロホルム、ヘプタン、トルエン、プロパノール、コールター1Bタイプ分散剤(「コ
ールター1B」)、およびさまざまな他の懸濁液を用いることができる。界面活性剤を用
いることもできるが、ポンプ速度は過剰なバブリングを抑制するように調節されるべきで
ある。コールター1Bはアセトアルデヒド、エチレンオキシド、および/または1,4−
ジオキサンの1つ以上を含むことができる。ベックマン装置は、フラウンホーファー光学
モデルおよびミー理論を含む、さまざまな光学理論を用いるように構成することができる
。
【0039】
ベックマン装置はULMの使用中にベックマン装置を制御するためのソフトウェアを備
えることができる。ソフトウェアは、例えば特に、ポンプ速度、気泡除去手順、洗い流し
手順、超音波処理手順、および充填手順の使用を制御することができる。試料分析に関す
るパラメータを構成することもできる。例えば、分析時間を設定することができる。いず
れかの適切な分析時間を用いることができるが、各種実施形態では、30秒〜120秒、
好適には30秒〜90秒の時間を用いることができる。
【0040】
ベックマン装置はLS13320マイクロリキッドモジュール(「MLM」)とともに
用いることができる。MLMは0.4μm〜2000μmのサイズ範囲内の試料を懸濁さ
せることができる。MLMは試料を感知ゾーンへ送達することができる液体ベースのモジ
ュールである。MLMは撹拌器を備える。用いられる総体積は12mL以下であり得る。
MLMは、水性および非水性両方の、さまざまな懸濁液を用いることができる。
【0041】
本明細書に記載されるようなエストラジオールおよびプロゲステロンのそれぞれは、以
下の教示に従って単独で製剤することができる。これらの製剤は経口投与用に調製するこ
とができ、または相溶性に基づき、単一経口単位投与形態でのエストラジオールおよびプ
ロゲステロンの共投与用に組み合わせることができる。
【0042】
本開示のプロゲステロン製剤は医薬的に許容可能な油とのブレンドによって調製され、
一般的には、油は少なくとも1つの中鎖脂肪酸、例えば少なくとも1つのモノ、ジ、もし
くはトリグリセリド、これらの誘導体、またはこれらの組み合わせからなる中鎖脂肪酸を
含む。例えば、限定なしに抗酸化剤、潤滑剤等を含む、他の付形剤が任意で添加される。
微粒子化プロゲステロンの懸濁液を形成、または代替ではプロゲステロンを可溶化するの
に十分な油が用いられる。
【0043】
医薬的に許容可能な油は、限定なしに、カプロン脂肪酸;カプリル脂肪酸;カプリン脂
肪酸;タウリン酸;ミリスチン酸;リノール酸;コハク酸;グリセリン;モノ、ジ、また
はトリグリセリド、これらの組み合わせおよび誘導体;ポリエチレングリコール;ポリエ
チレングリコールグリセリド(ゲルシール(Gelucire;登録商標);GATTE
FOSSE SAS、サン−プリースト、フランス);プロピレングリコール;カプリル
酸/カプリン酸トリグリセリド(ミグリオール(Miglyol;登録商標);SASO
L Germany GMBH、ハンブルグ;ミグリオールとしてはミグリオール810
、812、816および829が挙げられる);カプロン酸/カプリル酸/カプリン酸/
ラウリン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド;カプ
リル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド;プロピレングリコールモノカプリレート
;プロピレングリコールモノカプレート:(キャプムル(Capmul;登録商標)PG
−8および10;キャプムルブランドはABITEC、オハイオ州コロンバスが所有);
プロピレングリコールジカプリレート;プロピレングリコールジカプリレート;中鎖モノ
およびジグリセリド(キャプムルMCM);ジエチレングリコールモノエステル(2−(
2−エトキシエトキシ)エタノール;トランスクトール(Transcutol)を含む
);ジエチレングリコールモノエチル;飽和ココナッツおよびパーム核油のエステルおよ
びこれらの誘導体;分留植物脂肪酸のトリグリセリド、これらの組み合わせおよび誘導体
の少なくとも1つの使用を含む。
【0044】
他の態様および実施形態では、プロゲステロンは、例えば限定なしに、十分な量の:ト
ランスクトールおよびミグリオール;トランスクトール、ミグリオール、キャプムルPG
8および/またはPG10;キャプムルMCM;キャプムルMCMおよび非イオン性界面
活性剤;ならびにキャプムルMCMおよびゲルシールを用いて完全に可溶化される。
【0045】
これらの油のさまざまな比をプロゲステロンの完全可溶化に用いることができる。キャ
プムルMCMおよび非イオン性界面活性剤は、例えば限定なしに:65:35、70:3
0、75:25、80:20、85:15および90:10を含む比で用いることができ
る。キャプムルMCMおよびゲルシールは、例えば限定なしに、6:4、7:3、8:2
および9:1を含む比で用いることができる。他の組み合わせとともに、本明細書におい
て定義されるような、これらの油および/または可溶化剤、ならびにこれらの組み合わせ
を用い、本開示のエストラジオールおよびプロゲステロンの複合製剤を形成することがで
きる。
【0046】
これらの油の組み合わせは、プロゲステロンの所望の単位用量に応じて、部分可溶化プ
ロゲステロンを生成することができる。単位投与形態当たりのプロゲステロンの量が多い
ほど、より少ないプロゲステロンが可溶化され得る。単位用量当たりの有効性成分含量の
上限は、一般的には最終投与形態の実際のサイズによってのみ制限される。
【0047】
各種実施形態では、エストラジオールは部分的に、実質的に、または完全に可溶化され
る。可溶化エストラジオールは、溶剤中で約:90%可溶性;93%可溶性;95%可溶
性;97%可溶性;99%可溶性;および100%可溶性であるエストラジオールを含む
ことができる。可溶性は質量画分(%w/w)として表すことができる。
【0048】
各種実施形態では、可溶化剤は溶剤または共溶剤の少なくとも1つから選択される。適
切な溶剤および共溶剤としては、いずれかのモノ、ジまたはトリグリセリドおよびグリコ
ール、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
エストラジオールの可溶化剤として用いることもできる、プロゲステロンについて上で
参照した油に加えて、他の可溶化剤としては、例えば限定なしに、グリセリルモノおよび
ジカプリレート、プロピレングリコールならびに1,2,3−プロパントリオール(グリ
セロール、グリセリン、グリセリン)が挙げられる。
【0050】
エストラジオール、プロゲステロンまたはこれらの組み合わせを含有する現在開示され
ている製剤の他の実施形態では、アニオン性および/または非イオン性界面活性剤を用い
ることができる。特定の実施形態では、非イオン性界面活性剤が用いられる。例となる非
イオン性界面活性剤としては、例えば限定なしに、オレイン酸、リノール酸、パルミチン
酸、およびステアリン酸の1つ以上を挙げることができる。さらなる実施形態では、非イ
オン性界面活性剤としては、商標トゥイーン(TWEEN)80(登録商標)で市販され
るポリソルベート80(Sigma Aldrich、ミズーリ州セントルイス)を含む
、ポリエチレンソルビトールエステルを挙げることができる。ポリソルベート80は約6
0%〜70%のオレイン酸を含み、残部は主にリノール酸、パルミチン酸、およびステア
リン酸を含む。ポリソルベート80は製剤総質量の約5〜50%の範囲内、特定の実施形
態では約30%の量で用いることができる。
【0051】
さまざまな他の実施形態では、非イオン性界面活性剤は、長鎖脂肪酸のグリセロールお
よびポリエチレングリコールエステル、例えば、例えばゲルシール44/11およびゲル
シール44/14を含む、ゲルシールとして市販される、ラウロイルマクロゴール−32
グリセリド、および/またはラウロイルポリオキシル−32グリセリドの1つ以上から選
択される。これらの界面活性剤は約0.01%より高い濃度で、一般的には約0.01%
〜10.0%、10.1%〜20%、および20.1%〜30%のさまざまな量で用いる
ことができる。
【0052】
他の実施形態では、潤滑剤が用いられる。例えばレシチンのような、いずれかの適切な
潤滑剤を用いることができる。レシチンはリン脂質の混合物を含むことができる。
【0053】
さらなる実施形態では、抗酸化剤が用いられる。例えば限定なしにブチル化ヒドロキシ
トルエンのような、いずれかの適切な抗酸化剤を用いることができる。
【0054】
例えば、各種実施形態では、医薬製剤は、約20重量%〜約80重量%の担体、約0.
1重量%〜約5重量%の潤滑剤、および約0.01重量%〜約0.1重量%の抗酸化剤を
含む。
【0055】
付形剤の選択は、特定の投与モード、付形剤の可溶性および安定性に対する効果、なら
びに投与形態の性質のような要素に大きく左右される。各種実施形態に用いられる付形剤
としては、着色剤、着香剤、防腐剤および矯味剤を挙げることができる。着色剤は、例え
ば、約0.1重量%〜約2重量%で含むことができる。防腐剤はメチルおよびプロピルパ
ラベンを、例えば、約10:1の比で、および約0.005重量%〜0.05重量%の割
合で含むことができる。
【0056】
本明細書に記載される製剤において用いられるすべての油、可溶化剤、付形剤およびそ
の他の添加剤は同様に、それぞれ非毒性および医薬的に許容可能でなければならない。
【0057】
上記で参照したように、本開示の製剤は通常、一般的には、例えば、ソフトカプセルの
ようなカプセルによって、経口投与される。本製剤を用い、当技術分野において知られる
標準的な技術を用いて経皮パッチを形成することもできる。本発明の可溶化製剤は、当技
術分野において周知の技術を用いて腹腔内投与用に製剤することもできる。
【0058】
各種実施形態によると、製剤はピーナッツ油を含まない。ピーナッツ油を含まないこと
でピーナッツ系アレルギーを有する対象が負うリスクを排除する。
【0059】
本明細書に記載される各種実施形態によると、カプセルの28日または1ヶ月の処方計
画は、とりわけ、コンプライアンスを向上し、関連症状を低減するため、投与日を記載し
た単一のキット(例えば、ブリスターパック)に包装することができる。カプセルの1つ
以上は、例えば、エストラジオールおよび/またはプロゲステロンを含有しない場合があ
り得る。エストロゲンまたはプロゲステロンAPIを含まないカプセルはプラセボと称す
ることができる。ブリスターパックはブリスターパックを28日に分ける複数の切り込み
または切り取り線を有することができる。各日の単一のブリスターまたは複数のブリスタ
ーをさらに含むことができる。各種実施形態では、各単位用量は微粒子化、部分可溶化も
しくは完全可溶化プロゲステロンおよび/または可溶化エストラジオールを本明細書にお
いて上述した量で含有してもよいが、他の用量範囲を考慮してもよい。加えて、本明細書
では他の構成を有するキットも考慮される。例えば、限定なしに、こうしたブリスターパ
ックを有するキットはいくつかのカプセルを含有することができる。
【0060】
微粒子化および/または部分可溶化もしくは完全可溶化プロゲステロンを含有する本開
示の経口投与製剤は、子宮内膜増殖症、続発性無月経および補充プロゲステロンで治療さ
れる他の病態の治療にも用いられる。一般的には、本明細書に記載されるプロゲステロン
含有製剤は、単独でまたは本開示の可溶化エストラジオールもしくは他のエストロゲン含
有製剤と組み合わせて投与されるかにかかわらず、補充エストロゲンの投与の効果に対処
するのに用いられる。さまざまな他の実施形態では、本開示の製剤を含有するカプセル、
例えばソフトゲルカプセルは膣中または周りに適用することができる。
【0061】
可溶化エストラジオールを含有する本開示の製剤は、例えば、血管運動症状、例えば限
定なしに、顔面紅潮および寝汗(血管運動症状)、睡眠障害、気分変動、外陰膣萎縮を含
む低エストロゲン症関連症状、ならびに骨粗鬆症および補充エストロゲンで治療される他
の非閉経期病態を含む、エストロゲン欠乏状態を治療するのに用いられる。
【0062】
可溶化エストラジオールを含有する本開示の製剤は、萎縮性膣炎または外陰膣萎縮を治
療または予防するのに用いることができる。各種実施形態では、カプセル、例えばソフト
ゲルカプセルを膣中または周りに適用することができる。
【0063】
本開示のさらなる目的としては、使いやすさによる患者コンプライアンスの向上;使用
方法のわかりやすさと不適切な使用による副作用の心配の少なさによる医師採用の増加;
誤用による副作用の減少(不正出血の減少);適切な使用による症状のより良好な効能制
御;一般的に用いられる合成プロゲスチンの、単独でまたはエストロゲン(ノルエチンド
ロン酢酸エステル、メドロキシプロゲステロン酢酸エステル、等)と組み合わせて投与さ
れる場合の、例えば、脳卒中、心臓発作、血栓および乳癌を含む、代謝および血管副作用
の低減の提供が挙げられる。
【実施例】
【0064】
(実施例1:エストラジオール可溶性)
各種実験では、所望の目標をエストラジオールについて〜20mg/gの可溶性を達成
することとし、100mgの充填物質中2mgをエストラジオールとするのに十分な可溶
性を提供するために適切な溶剤を決定した。エストラジオールを各種溶剤と混合し、溶液
をエストラジオールで飽和し、少なくとも3日間平衡化し、未溶解粒子を濾過し、HPL
Cによりエストラジオールの溶解量について透明な浮遊物を分析することにより、初期可
溶性実験を行った。
【0065】
エストラジオール可溶性実験を行った。この表から、少なくとも1つの品目(例えばプ
ロピレングリコール)はカプセル化には適さないことがわかる。
【0066】
【表1】
【0067】
(実施例2)
200mgの総カプセル充填物質中2mgのエストラジオールを可溶化することもでき
る媒体中での50mgのプロゲステロンの懸濁を達成することが望ましかった。この製剤
を達成するため、必要なエストラジオールの可溶性は〜10mg/gでなければらない。
200mgの総充填重量はサイズ5の楕円形ソフトゼラチンカプセルに適していると考え
られた。
【0068】
ソフトゼラチンカプセル化により適している可能性のある溶剤混合物を見出すため、さ
らなる可溶性実験を行った。可溶性実験は、キャプムルPG8およびキャプムルMCMを
用い、エストラジオールを各種溶剤システムと混合し、前と同様に濾過後HPLCにより
エストラジオールの溶解量について分析することにより行った。これらの実験の結果を表
2に示す。これらの結果から、50%のミグリオール:キャプムルPG8;およびまた単
独のまたは20%のポリソルベート80と組み合わせたキャプムルMCMを含有する混合
物が、10mg/gの標的を満たすのに十分な可溶性を達成することができることは明ら
かである。15および30%濃度でミグリオールと混合したキャプムルPG8は十分な可
溶性を提供しなかった。
【0069】
【表2】
【0070】
(実施例3)
さらなる実験を行い、表3に報告するように、溶剤混合物中のエストラジオール(4〜
6mg)の安定性を評価した。4%のトランスクトールを有するミグリオール812は温
/冷サイクルで96時間後に沈殿したが、30および50%のミグリオール:キャプムル
のブレンド中、または単独のキャプムルMCM中に可溶化させたエストラジオールは、同
じ条件下で少なくとも14日間沈殿しなかった。
【0071】
【表3】
【0072】
50:50のミグリオール:キャプムルPG8、キャプムルMCM、およびトランスク
トール:ミグリオール:キャプムルPG8の混合物中に可溶化させた12mgのエストラ
ジオールは安定であり、少なくとも12日間沈殿しない。
【0073】
【表4】
【0074】
(実施例4)
時間経過に伴うエストラジオール溶液の物理的安定性の測定に加えて、カプセル化プロ
セス中に充填材料が安定であるかを測定することが必要である。これらの製剤を試験する
1つの方法は、充填物質への水の添加である。表5でわかるように、ポリエチレングリコ
ール400およびキャプムルMCM中6mg/gの濃度のエストラジオール溶液は少なく
とも7%の水を再結晶化なしに吸収することができるが、ミグリオール812:キャプム
ルPG8(75:25)中の同濃度の溶液は沈殿する。
【0075】
ポリエチレングリコール400およびキャプムルMCM中12mg/gの濃度のエスト
ラジオール溶液は少なくとも7%の水を再結晶化なしに吸収することができる。すべての
キャプムルPG8含有製剤は水の添加後に濁る。しかしながら、エストラジオール再結晶
化は見られず、(いずれのエストラジオールも含まない)単独のキャプムルPG8も水の
添加後に濁ることに留意すべきである。
【0076】
【表5】
【0077】
(実施例5)
例となる実施形態では、以下の充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0078】
【表6】
【0079】
(実施例6)
例となる実施形態では、以下の充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0080】
【表7】
【0081】
例となる実施形態では、以下の充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0082】
【表8】
【0083】
上記製剤を以下のように調製する:エストラジオールをキャプムルMCMに添加し、溶
解するまで混合する。
【0084】
(実施例7:プロゲステロン可溶性)
各種実施形態では、エストラジオールおよびプロゲステロンの両方を溶剤中に溶解する
ことができる。各種実施形態では、エストラジオールおよびプロゲステロンの両方の可溶
性は、適当なサイズの物質で治療効果的な用量を得ることができるように、好適にはサイ
ズ3〜22の楕円形または長円形カプセル中への封入に適している一般的には1mg〜1
200mgと考えられる。例えば、各種実施形態では、50mg〜100mgのプロゲス
テロンはある体積の溶剤中に溶解することができる;すなわち、可溶性はカプセル当たり
50mg〜100mgである。ミグリオールを試したところ、プロゲステロンの良好な担
体とみなすことができるが、単独では所望レベルのエストラジオールの可溶化は提供しな
かった(例えば、各種実施形態では12mg/gの可溶性が望ましくあり得る)。よって
、ミグリオールはプロゲステロンの懸濁液を含む実施形態では用いることができるが、ミ
グリオールは単体では完全可溶化プロゲステロンおよび/またはエストラジオールを有す
る実施形態において用いるには望ましくない。
【0085】
表9でわかるように、キャプムルMCM中でのプロゲステロンの可溶性は〜73mg/
gである。従って、400mgの溶剤中に200mgのプロゲステロンを懸濁させると、
用量の一部(〜14%)はすでに溶解しているが、残りはまだ懸濁液である。いくつかの
態様および実施形態では、再結晶化の可能性を最小化するため、製剤中のプロゲステロン
の部分可溶性を最小化することが望ましい。
【0086】
73mg/gの可溶性に基づき、50mgの可溶化プロゲステロンのカプセルを製造す
るのに必要なカプセルサイズは685mgである。従って、50mgのプロゲステロンお
よび2mgのエストラジオールの可溶化製剤を製造することは実行可能であると示された
。ミグリオールはもっとも低い可溶性を有したが、その溶剤はエストラジオールを溶解す
ることができず、従ってさらなる実験は2番目に低いキャプムルMCMで進めることを決
定した。2mgのエストラジオールは685mgのキャプムルMCM中に溶解することも
できることも見出した。
【0087】
【表9】
【0088】
加えて、9:1の比で組み合わされたゲルシール44/14およびキャプムルMCMの
溶剤中のプロゲステロンの可溶性は約86mg/gまで増加することを見出した。従って
、各種実施形態では、プロゲステロンおよび/またはエストラジオールをキャプムルMC
Mおよびゲルシール44/14の、キャプムルMCMのゲルシール44/14に対する比
が9:1である、システム中に溶解することができる。
【0089】
【表10】
【0090】
(実施例7)
例となる実施形態では、以下の完全可溶化プロゲステロンおよびエストラジオールを有
する充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0091】
【表11】
【0092】
表11に示したようなカプセルはいずれかの適切な方法で製造することができる。この
実施例の目的のため、混合は羽根車、撹拌器、または他の適切な手段により促進すること
ができる。またこの実施例の目的のため、加熱および/または混合は、窒素ガスN
2のよ
うな、不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行うことができる。この実施例の目的
のための混合および/または加熱は、ステンレススチール容器のような、いずれかの適切
な容器内で行うことができる。
【0093】
例えば、キャプムルMCMは30℃〜50℃、より好適には35℃〜45℃、より好適
には40℃+/−2℃まで加熱することができる。ゲルシール44/14をキャプムルM
CMに添加し、溶解するまで混合することができる。添加はすべて一度で行ってもよく、
または時間をかけて徐々に行ってもよい。熱はゲルシール44/14およびキャプムルM
CMの混合中に継続して加えることができる。
【0094】
熱はゲルシール44/14およびキャプムルMCM混合物から除去することができる。
エストラジオール半水和物を混合物に添加することができる。添加はすべて一度で行って
もよく、または時間をかけて徐々に行ってもよい。微粒子化プロゲステロンを次にゲルシ
ール44/14、キャプムルMCMおよびエストラジオール半水和物の混合物に添加し、
溶解するまで混合することができる。添加はすべて一度で行ってもよく、または時間をか
けて徐々に行ってもよい。
【0095】
(実施例8)
例となる実施形態では、以下の懸濁化プロゲステロンを有する充填材料を含有するカプ
セルが提供される。
【0096】
【表12】
【0097】
上記製剤を以下のように調製する:ミグリオールを約45℃まで加熱する。ゲルシール
44/14を添加し、溶解するまで混合する。BHTを添加し、溶解するまで混合する。
プロゲステロンを懸濁させ、コロイドミルに通す。得られた充填物質はカプセル化に用い
ることができる。
【0098】
例となる実施形態では、以下の部分可溶化プロゲステロンを有する充填材料を含有する
カプセルが提供される。
【0099】
【表13】
【0100】
プロゲステロンおよび部分可溶化プロゲステロンの懸濁液について、ゲルシール44/
14を1%〜2%w/wで添加し、粘度を増加させることができる。上記製剤を以下のよ
うに調製する:キャプムルMCMを約65℃まで加熱する。ゲルシール44/14を添加
し、溶解するまで混合する。熱を除去する。プロゲステロンを添加し、混合物をコロイド
ミルに通す。得られた充填物質はカプセル化に用いることができる。
【0101】
(実施例9)
例となる実施形態では、以下の懸濁化プロゲステロンを有する充填材料を含有するカプ
セルが提供される。
【0102】
【表14】
【0103】
各種実施形態では、ミグリオールは約35〜95重量%;ゲルシール44/14は約0
.5〜30重量%;およびBHTは約0.01〜0.1重量%の範囲内の量で存在し得る
。
【0104】
(実施例10)
この実施例の目的のため、粒径分析はベックマン装置を用いることにより行う。各種実
施形態による微粒子化プロゲステロンを含むAPI試料を分析用に提供する。
【0105】
約0.01gの各種実施形態によるAPI試料をコールター1Bおよび10mLの脱イ
オン水と組み合わせた。超音波処理を15秒間行った。ULMを備えたベックマン装置で
90秒間分析を行った。ベックマン装置はフラウンホーファー光学モデルを用いるように
構成した。ベックマン装置は、試料が4.279μmのX50、7.442μmのX75
、および1.590μmのX25を有することを示した。ベックマン装置は、平均粒径が
4.975μmであり、中間粒径が4.279μmであり、モード粒径が6.453μm
であり、標準偏差が3.956μmであることも示した。得られた粒子分布のグラフを図
4に示す。
【0106】
(実施例11)
約200mgの微粒子化プロゲステロンおよび2mgのエストラジオールを有する製剤
試料を油で分散させた。MLMを備えるベックマン装置で60秒間分析を行った。ベック
マン装置はフラウンホーファー光学モデルを用いるように構成した。ベックマン装置は、
試料が11.0μmのX50、17.3μmのX75、および5.3μmのX25を有す
ることを示した。ベックマン装置は、平均粒径が11.8μmであり、中間粒径が11.
04μmであり、モード粒径が13.6μmであり、標準偏差が7.8μmであることも
示した。
【0107】
(実施例12)
最終溶液中でのプロゲステロンの可溶性を増加させるため、ゲルシール44/14を約
10%w/wで添加した。
定量配合:バッチサイズ10,000カプセル
【0108】
【表15】
【0109】
最終製剤の例を表15に提供する。製造プロセスは以下のとおりである。キャプムルM
CMを40℃まで加熱する。ゲルシール44/14を添加し、溶解するまで混合する。熱
を除去する。エストラジオールを添加し、溶解するまで混合する。微粒子化プロゲステロ
ンを次に添加し、溶解するまで混合する。
【0110】
(実施例13)
例となる実施形態では、以下の完全可溶化エストラジオールおよび部分可溶化プロゲス
テロンを有する充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0111】
【表16】
【0112】
製造プロセスは以下のとおりである。キャプムルMCMを65℃まで加熱する。ゲルシ
ール44/14を添加し、溶解するまで混合する。熱を除去する。エストラジオールを添
加し、溶解するまで混合する。微粒子化プロゲステロンを次に添加し、分散させる。混合
物を次にコロイドミルに通す。得られた充填物質はカプセル化に用いることができる。
【0113】
(実施例14)
例となる実施形態では、以下の完全可溶化エストラジオールおよび部分可溶化プロゲス
テロンを有する充填材料を含有するカプセルが提供される。
【0114】
【表17】
【0115】
製造プロセスは以下のとおりである。キャプムルMCMを65℃まで加熱する。ゲルシ
ール44/14を添加し、溶解するまで混合する。熱を除去する。エストラジオールを添
加し、溶解するまで混合する。微粒子化プロゲステロンを次に添加し、分散させる。混合
物を次にコロイドミルに通す。得られた充填物質はカプセル化に用いることができる。
【0116】
(実施例15:摂食条件下でのプロゲステロンおよびエストラジオールの複合物の実験)
この以下の実験プロトコルを用い、24人の正常で健康な成人の閉経後期の女性被験者
に摂食条件下で投与した、実施例14に記載されるプロセスによって調製されたプロゲス
テロン(200mg)およびエストラジオール(2.0mg)を含む本開示の複合製品に
ついて生物学的利用能および生物学的同等性のパラメータを構築し、200mgのプロメ
トリウム(PROMETRIUM;登録商標)(Catalent Pharmaceu
ticals、フロリダ州セントピーターズバーグ)および2.0mgのエストレース(
ESTRACE;登録商標)(Bristol−Myers Squibb Co.、ニ
ュージャージー州プリンストン)と比較した。
【0117】
実験デザイン:オープンラベル、バランス、ランダム、2処理、2期間、2連続、単回
服薬、2方向クロスオーバーである。
【0118】
被験者は、各期間、服薬前少なくとも11.00時間〜服薬後少なくとも48.00時
間臨床施設に収容され、次の服薬日まで少なくとも14日をウォッシュアウト期間とした
。
【0119】
被験者は少なくとも約10.00時間断食した後、高脂肪、高カロリーの朝食を取り、
その後服薬し、服薬後さらに04.00時間断食した。
【0120】
標準的な食事が服薬後それぞれ約04.00、09.00、13.00、25.00、
29.00、34.00および38.00時間に提供された。
【0121】
水は(服薬中に与えられる水以外)服薬前少なくとも約01時間〜服薬後約01時間制
限された。その他の時間、飲み水は自由に提供された。
【0122】
被験者はカフェインおよび/またはキサンチン含有製品(すなわち、コーヒー、お茶、
チョコレート、およびカフェイン含有ソーダ、コーラ、等)の摂取を服薬前少なくとも約
24.00時間および実験中、グレープフルーツおよび/またはそのジュースならびにポ
ピー含有食品の摂取を服薬前少なくとも約48.00時間および実験中は控えるよう指導
された。
【0123】
被験者は服薬後最初の約4.00時間はまっすぐ座ったままとし、この期間は必要な動
作のみ許可された。その後被験者は実験の残りの期間は自由に動き回ることを許可された
。被験者は制限期間中(有害事象後に医師の指示があった場合を除き)横になることを許
可されなかった。
【0124】
被験者は実験開始前14日以内および実験中はいずれの処方薬も服用しないよう指導さ
れた。被験者は実験開始前7日以内および実験中はいずれの市販の医薬製品、ハーブ薬、
等も服用しないよう指導された。
【0125】
少なくとも約10.00時間の一晩の断食後、高脂肪高カロリーの朝食が実験製品の投
与の約30分前に出された。すべての被験者は出されてから約30分以内に朝食を全部食
べる必要があり、(ランダムスケジュールにより)プロゲステロン200mgおよびエス
トラジオール2mgのタブレットの試験製品(T)またはプロメトリウム(登録商標)(
プロゲステロン)ソフトゲルカプセル200mgおよびエストレース(登録商標)(エス
トラジオール)タブレット2mgの対照製品(R)の単回用量が摂食条件下、各期間周囲
温度で、座った姿勢で、約240mLの水で投与された。服薬コンプライアンスを評価す
るため十分なマウスチェックが行われた。
【0126】
すべての被験者は実験の最後にまたは必要に応じて臨床検査について評価された。
【0127】
各期間、23の血液試料が回収された。服薬前血液試料(10mL)は−01.00、
−00.50、00.00時間、服薬後血液試料(各0.8mL)は00.25、00.
50、00.67、00.83、01.00、01.33、01.67、02.00、0
2.50、03.00、04.00、05.00、06.00、07.00、08.00
、10.00、12.00、18.00、24.00および48.00時間で、被験者の
前腕の静脈の1つに設置された留置カニューレによってラベルをつけたK2EDTAバキ
ュテナーに回収された。各静脈内留置カニューレはできる限りその場に保持され、通常の
生理食塩水溶液中10IU/mLのヘパリン約0.5mLを注入することにより、服薬後
試料の回収のために維持された。こうした場合、血液試料はヘパリン含有血液の最初の0
.5mLを排出した後回収された。各カニューレは24.00時間試料が回収された後も
しくはそれより早く、または詰まった場合除去された。
【0128】
実験の最後に、試料は、試料の完全性を維持するため十分なドライアイスを含有するボ
ックスに入れてバイオ分析施設へ移された。これらの試料は分析までバイオ分析施設に−
70℃±20℃の温度で保存された。
【0129】
血漿試料中のプロゲステロン(補正および未補正)、エストラジオール(非抱合)およ
びエストロン(合計)を、有効なLC−MS/MS法を用いてアッセイする。
【0130】
このプロトコルを用いる断食実験も行われた。しかしながら、試験および対照薬剤の投
与前の高脂肪の食事ではなく、各被験者は用量投与前少なくとも12時間断食した。
【0131】
(実施例16)
各種実施形態による製造方法を
図1〜3に示す。
図1を参照すると、充填材料の製造方
法100が示される。ステップ102は油性担体を40℃±5℃まで加熱することを含む
。加熱はいずれかの適切な手段によって達成することができる。加熱は、ステンレススチ
ール容器のような、いずれかの適切な容器で行うことができる。油性担体は、本明細書に
記載されるいずれかの油性担体、例えば、キャプムルMCMであってもよい。
【0132】
ステップ104はゲルシール44/14を油性担体と混合することを含む。混合は羽根
車、撹拌器、または他の適切な手段により促進することができる。ステップ102は、窒
素ガスN
2のような、不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行うことができる。混
合は、ステンレススチール容器のような、いずれかの適切な容器で行うことができる。
【0133】
ステップ106は、エストラジオールを油性担体およびゲルシール44/14の混合物
中に混合することを含む。混合はスチールタンクまたはバットにおいて行うことができる
。混合は羽根車、撹拌器、または他の適切な手段により促進することができる。ステップ
106は、窒素ガスN
2のような、不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行うこと
ができる。
【0134】
ステップ108は、室温まで冷却することを含む。冷却は操作なしで行うことができ、
または冷却は冷却システムの適用により補助することができる。
【0135】
ステップ110は、微粒子化プロゲステロンを油性担体、エストラジオールおよびゲル
シール44/14の混合物中に混合することを含む。混合はスチールタンクまたはバット
において行うことができる。混合は羽根車、撹拌器、または他の適切な手段により促進す
ることができる。ステップ110は、窒素ガスN
2のような、不活性または比較的不活性
なガス雰囲気下で行うことができる。ステップ112は脱ガス化を含む。ステップ112
から得られる混合物は、ソフトゲルカプセルへの製造に適した充填材料を含む。
【0136】
図2を参照すると、ソフトゲルカプセル、すなわち、ゲル物質製造200が示される。
ステップ202は、グリセリンを水と混合することを含む。ステップ202において用い
られる水は、逆浸透、オゾン化、(例えば、炭素カラムを通す)濾過、等のような、いず
れかの適切な手段により精製することができる。混合は羽根車、撹拌器、または他の適切
な手段により促進することができる。ステップ202は、窒素ガスN
2のような、不活性
または比較的不活性なガス雰囲気下で行うことができる。加熱は温度が80℃±5℃に達
するまで行うことができる。
【0137】
ステップ204は、グリセリン水混合物へのゼラチンの添加を含む。混合は羽根車、撹
拌器、または他の適切な手段により促進することができる。ステップ204は、窒素ガス
N
2のような、不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行うことができる。ステップ
204では真空を引き、脱気することができる。
【0138】
ステップ206は染料のような着色剤の添加を含む。着色剤としては、商標OPATI
NTで販売される製品または他の適切な着色剤を挙げることができる。ステップ206は
、窒素ガスN
2のような、不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行うことができる
。ステップ208は脱ガス化を含む。ステップ208から得られる混合物は、ソフトゲル
カプセルの製造においてゲルカプセルとして用いるのに適したゲルカプセル材料を含むこ
とができる。
【0139】
図3を参照すると、ソフトゲルカプセル組み立てプロセス300が示される。ステップ
302は充填材料を加熱することを含む。充填材料はいずれかの適切な温度まで加熱する
ことができる。各種実施形態では、充填材料を30℃±3℃まで加熱する。充填材料は充
填ホッパーにおいて加熱することができる。充填ホッパーはある体積の充填材料を保持、
および/または充填材料を制御体積で分注するように構成された装置を備えることができ
る。
【0140】
ステップ304はゲル物質を充填することを含む。ゲル物質は
図2のステップ208に
おいて製造されたゲルカプセル材料から得ることができる。充填は、充填材料をゲルカプ
セル材料により画定される体積内に注入、配置、またはそうでなければ堆積することによ
り行うことができる。充填はエンキャプスレータにおいて行うことができる。スプレッダ
ーボックスは55℃±10℃の温度であり得る。ウェッジ温度は38℃±3℃であり得る
。ドラム冷却温度は4℃±2℃であり得る。エンキャプスレータはミグリオール812ま
たは他の適切な潤滑剤を用いて潤滑化することができる。ステップ304はこうして1つ
以上のソフトゲルカプセルを製造する。充填はスプレッダーボックスノブを用いる厚さ0
.85mm±0.05mmのリボンの製造を含む。充填材料をゲルに注入し、標的重量±
5%(すなわち、650±33mgおよび325±16.3mg)を有する充填重量をも
たらすことができる。
【0141】
ステップ306はソフトゲルカプセルの乾燥を含む。乾燥はタンブルドライヤー、トレ
イドライヤー、またはこれらの組み合わせで行うことができる。例えば、乾燥は約10分
〜約120分間タンブルドライバスケットで行うことができる。乾燥は乾燥室で約24時
間〜約72時間継続することができる。ステップ308は検査および/または研磨を含む
ことができる。研磨はイソプロピルアルコールで行うことができる。ステップ310は包
装を含むことができる。包装はいずれかの適切な手段によって達成することができる。包
装は、ソフトゲルカプセルをブリスターパック、ボトル、ボックス、パウチ、または他の
許容可能なパッケージに包装することを含む。