(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運送会社によっては、運行データの記録形式が異なる車載器を搭載する複数の車両を所有している場合がある。通常、車載器に記録されている運行データは、複数種類のデータセンタのうち当該記録形式に対応する保存形式で運行データを保存するデータセンタに送信され保存される。従って、この場合、運送会社は、運行データの保存形式が異なる複数種類のデータセンタを利用することになる。
【0005】
通常、運行データの保存形式が異なる複数種類のデータセンタ毎に、閲覧要求を行う閲覧ソフトが異なる。従って、運行データの保存形式が異なる複数種類のデータセンタを利用する運送会社では、操作端末において、複数種類のデータセンタそれぞれに対応して複数種類の閲覧ソフトを準備し、記録形式が異なる車載器を搭載する車両の運行データを入手して閲覧するために、異なる閲覧ソフトを利用する必要があった。このため、操作端末の構成が複雑化し、且つ、運行データの閲覧作業を行う作業者の負担が大きかった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの操作端末の構成を簡素化し、且つ、運行データの閲覧作業を行うユーザの負担を低減可能な運行システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、下記(1)〜(2)を特徴としている。
(1)
車両に搭載され、前記車両の運行に係る運行データを記録すると共に無線通信機能を有する車載器と、
無線通信機能を有し、前記車載器との間での無線通信によって前記車載器から前記運行データを取得し保存すると共にユーザ操作端末との間で無線通信を行うデータセンタと、
を備える通信システムであって、
前記車載器として、前記運行データを第1の記録形式で記録する第1の車載器と、前記運行データを前記第1の記録形式と異なる第2の記録形式で記録する第2の車載器と、を備え、
前記データセンタとして、前記第1の車載器との間での無線通信によって取得した前記第1の記録形式で記録された運行データを第1の保存形式で保存する第1のデータセンタと、前記第2の車載器との間での無線通信によって取得した前記第2の記録形式で記録された運行データを前記第1の保存形式と異なる第2の保存形式で保存する第2のデータセンタと、を備え、
前記第1のデータセンタは、前記第1の保存形式で保存している前記運行データの保存形式を前記第2の保存形式に変換する変換機能を有し、
前記第2のデータセンタは、前記ユーザ操作端末から前記第1のデータセンタに保存されている前記運行データの閲覧要求を受信したとき、前記第1のデータセンタに対して前記運行データの入手要求を送信し、
前記第1のデータセンタは、前記第2のデータセンタから前記入手要求を受信したとき、前記変換機能により保存形式を前記第1の保存形式から前記第2の保存形式に変換した前記運行データを前記第2のデータセンタに送信し、
前記第2のデータセンタは、前記第1のデータセンタから前記第2の保存形式に変換された前記運行データを受信したとき、前記第2の保存形式に変換された前記運行データを前記ユーザ操作端末に送信する、通信システムであること。
(2)
上記(1)に記載の通信システムにおいて、
前記第2のデータセンタは、
前記第1のデータセンタから受信した前記運行データの受信履歴を保存するように構成された、通信システムであること。
【0008】
上記(1)の構成の通信システムによれば、第2のデータセンタに対応する(即ち、第2の保存形式に対応する)閲覧ソフトを利用して、ユーザ操作端末から、第2のデータセンタに保存されている運行データの閲覧要求を第2のデータセンタに対して行うことで、従来と同様に、第2の保存形式を有する第2の車載器を搭載する車両の運行データを入手して閲覧できる。
【0009】
更に、上記と同じ第2のデータセンタに対応する閲覧ソフトを利用して、ユーザ操作端末から、第1のデータセンタに保存されている運行データの閲覧要求を第2のデータセンタに対して行うことで、第1のデータセンタが有する変換機能を利用して、上記と同じ第2の保存形式を有する第1の車載器を搭載する車両の運行データを入手して閲覧できる。
【0010】
即ち、第2のデータセンタに対応する1種類の閲覧ソフトを利用して、第1の車載器を搭載する車両と第2の車載器を搭載する車両の双方の運行データ(即ち、記録形式が異なる車載器を搭載する複数の車両の運行データ)を、第2の保存形式(即ち、1種類の保存形式)を有する運行データとして入手して閲覧することができる。換言すれば、1種類の閲覧ソフトを準備して利用することで、記録形式が異なる車載器を搭載する複数の車両の運行データを入手して閲覧することができる。この結果、ユーザの操作端末の構成を簡素化し、且つ、運行データの閲覧作業を行うユーザの負担が低減可能となる。
【0011】
上記(2)の構成の通信システムによれば、第2のデータセンタに対してなされた第1の車載器を搭載する車両の運行データの閲覧要求の履歴を残すことができる。この結果、その履歴を参照することで、その後の運行データの管理の参考とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザの操作端末の構成を簡素化し、且つ、運行データの閲覧作業を行うユーザの負担を低減可能な運行システムを提供できる。
【0013】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る通信システム1について説明する。
図1に示すように、通信システム1は、無線通信機能を有する車載器10と、無線通信機能を有するデータセンタ20と、を備える。
【0016】
通信システム1は、車両に搭載された車載器10に一次的に記録された車両の運行データを、広域通信網40及びインターネット通信網50を介して、所定のタイミング毎にデータセンタ20に送信して保存するようになっている。運行データとしては、速度情報、位置情報、エンジン回転速度情報などの車両運行に係る種々のデータが含まれる。
【0017】
通信システム1は、典型的には運送会社によって利用される。通信システム1を利用する運送会社では、自社が所有する複数の車両(タクシー、トラックなどの営業用の車両)の運行データの閲覧要求を、自社の事務所PC30から閲覧ソフト(ブラウザ)31を利用して、インターネット通信網50を介してデータセンタ20に行うことで、当該運行データを入手し、当該複数の車両の運行状態を管理することができる。
【0018】
(車載器10)
以下、先ず、車載器10の構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、車載器10は、マイクロコンピュータ(CPU)11、表示部12、メモリ(SRAM)13、メモリ(ROM)14、シリアルインタフェース(I/F)15、通信インタフェース16、外付け表示器17、通信モジュール18、通信アンテナ19、操作部61、音声出力部62、スピーカ63、信号処理部64、及びGPS受信機65を備える。
【0019】
マイクロコンピュータ11は、予め内部に組み込まれたプログラムやメモリ14上に存在するプログラムを実行することにより、車載器10全体の機能を実現するために必要な各種制御を行う。
【0020】
表示部12は、比較的情報量の少ない可視情報を表示する機能を有し、マイクロコンピュータ11の制御により、例えば車速、時刻、位置のような数値を表示することができる。
【0021】
メモリ13は、揮発性であり、マイクロコンピュータ11のアクセスにより、データの読み出し及び書き込みを自在に行うことができる。このメモリ13は、車両の運行データを含む様々のデータを一時的に保持するために利用される。
【0022】
メモリ14は、不揮発性であり、マイクロコンピュータ11のアクセスにより、データの読み出し及び書き込みを自在に行うことができる。このメモリ14は、車載器10の様々な機能を実現するために必要なソフトウェア、例えばファームウェアのようなプログラムや、ハザードマップのような定数データ群を保持するために利用される。
【0023】
外付け表示器17は、様々な可視情報を乗務員が視認しやすい状態で表示する機能を有している。この外付け表示器17は、シリアルインタフェース15を介してマイクロコンピュータ11と接続されている。外付け表示器17は、例えば車載器10の状態を表示し、或いは、安全運転に役立つ文字のメッセージ、車載器10に対する入力操作を促すためのメッセージなどを表示するために利用される。
【0024】
通信モジュール18は、通信アンテナ19を利用して、例えば移動体通信事業者が提供する所定の広域通信網40との間で無線通信を行ってデータ通信用の無線通信回線を確保するために必要な通信機能を搭載している。この通信モジュール18は、通信インタフェース16を介してマイクロコンピュータ11と接続されている。
【0025】
操作部61は、乗務員が操作可能な複数の操作ボタン(図示せず)を有している。マイクロコンピュータ11は、操作部61の各操作ボタンの状態の変化を読み取ることにより、乗務員の入力操作を検出できる。
【0026】
音声出力部62は、テキスト形式のメッセージから疑似音声信号を合成することができる。音声出力部62が生成した疑似音声信号は、スピーカ63から音声のメッセージとし出力される。例えば、乗務員に安全運転を促す音声メッセージ、効率的な車両運行に役立つ音声メッセージ、入力操作を促すための音声メッセージなどを出力することが可能である。
【0027】
信号処理部64は、車両の運行状態を表す複数の信号SG1、SG2、及びSG3を処理してマイクロコンピュータ11に与えることができる。具体的には、車両のイグニッションのオンオフ状態を表す信号、車速を表すパルス信号、エンジン回転数を表すパルス信号などが、信号SG1、SG2、及びSG3として入力される。
【0028】
GPS受信機65は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、受信した時間の情報に基づいて受信地点、すなわち車両の位置(緯度/経度)を算出することができる。
【0029】
したがって、マイクロコンピュータ11は、信号処理部64から入力される信号に基づいて、イグニッションのオンオフ状態、車速、エンジン回転数などを把握することができ、GPS受信機65の出力から車両の現在位置を把握することもできる。また、例えば操作部61のボタン操作の検出結果等に基づき、車両の運行状態の違いを表す「実車」、「空車」を把握することもできる。また、これらの情報を、マイクロコンピュータ11がメモリ14上に自動的に保存し、或いは、広域通信網40を経由してデータセンタ20に転送することができる。
【0030】
(データセンタ20)
次に、データセンタ20の構成について、
図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、データセンタ20は、サーバ本体21、大容量記憶装置22、ユーザ管理部24、車載器管理部25、ユーザ側通信インタフェース26、及び車載器側通信インタフェース27を備えた総体を意味する。
【0031】
サーバ本体21は、所定のコンピュータにより構成されており、車載器側通信インタフェース27、並びに、インターネット通信網50及び広域通信網40を介して各車両の車載器10との間で必要に応じてデータ通信を行う。また、サーバ本体21はユーザ側通信インタフェース26、並びに、インターネット通信網50を介して各ユーザの事務所PC30との間で必要に応じてデータ通信を行う。
【0032】
また、サーバ本体21は事前に定めた処理手順に従い、又は事務所PC30から入力された要求を解析した結果に従い様々な処理を行う。例えば、各車載器10から必要なタイミングでデータを取得したり、取得したデータを大容量記憶装置22に蓄積したり、取得したデータに対して所定の分析処理を施したり、取得したデータを事務所PC30に転送することができる。また、事務所PC30が送信したメッセージを車載器10に転送することもできる。
【0033】
大容量記憶装置22は、多数の車載器10の各々から取得した大量のデータを蓄積し、或いは、分析結果のデータを蓄積することができる。
【0034】
ユーザ管理部24は、データセンタ20のサービスを利用するユーザを管理するために必要な情報を保持している。すなわち、事前に登録した各々のユーザを識別するために必要なユーザIDや、認証のために必要なユーザ毎の固有のパスワードなどをユーザ管理部24が保持している。
【0035】
各ユーザが最初にデータセンタ20のサーバ本体21にアクセスする時には、サービスを利用するユーザを特定し、認証を行う必要がある。この際に、事務所PC30からサーバ本体21に入力されるユーザID、パスワード等の情報と、ユーザ管理部24上に保持されている情報とを照合することにより、正規のユーザか否かを識別できる。
【0036】
車載器管理部25は、各ユーザが所有もしくは管理している車両に搭載した各車載器10をユーザ毎に把握するために必要な情報(具体的には、車載器管理テーブル等)を保持している。車載器管理部25を利用することにより、サーバ本体21はユーザの管理下の各車載器10をユーザ毎に把握することができる。
【0037】
(通信システム1)
図1に示す事務所PC30を所有する運送会社では、運行データを第1の記録形式(データフォーマット)で記録する車載器10Aを搭載する(1台以上の)車両と、運行データを第1の記録形式と異なる第2の形式(データフォーマット)で記録する車載器10Bを搭載する(1台以上の)車両と、を少なくとも所有する。この運送会社が、車載器10A,10Bとは異なる1種類又は複数種類の車載器を搭載する車両を更に所有していてもよいことはもちろんである。
【0038】
車載器10Aに第1の記録形式で記録されている運行データは、車載器10Aに対応する広域通信網40A、及びインターネット通信網50を介して、複数種類のデータセンタ20のうち第1の記録形式に対応する第1の保存形式(データフォーマット)で運行データを保存するデータセンタ20Aに送信され保存される。車載器10Bに第2の記録形式で記録されている運行データは、車載器10Bに対応する広域通信網40B、及びインターネット通信網50を介して、複数種類のデータセンタ20のうち第2の記録形式に対応する第2の保存形式(データフォーマット)で運行データを保存するデータセンタ20Bに送信され保存される。
【0039】
従って、
図1に示すように、この運送会社が利用する通信システム1は、車載器10として、運行データの記録形式が異なる車載器10A及び車載器10Bを少なくとも備え、データセンタ20として、運行データの保存形式が異なるデータセンタ20A及びデータセンタ20Bを少なくとも備える。
【0040】
データセンタ20Aに第1の保存形式で保存されている運行データの閲覧要求は、原則、第1の保存形式に対応する閲覧ソフト(ブラウザ)31Aを利用する必要がある。データセンタ20Bに第2の保存形式で保存されている運行データの閲覧要求は、原則、第2の保存形式に対応する閲覧ソフト(ブラウザ)31Bを利用する必要がある。このため、この運送会社は、事務所PC30に保存される閲覧ソフト31として、閲覧ソフト31A及び閲覧ソフト31Bを少なくとも備える。
【0041】
この運送会社の作業者は、車載器10Aを搭載する車両の運行データの閲覧を行う場合、事務所PC30の閲覧ソフト31Aを利用して、データセンタ20Aに対して閲覧要求を行う。具体的には、この閲覧要求は、車載器10Aの番号又は車載器10Aを搭載する車両の番号を特定して行われる。この閲覧要求を受信したデータセンタ20Aは、大容量記憶装置22内に保存されている膨大なデータの中から、第1の保存形式で保存されている当該番号に対応する車両の運行データを特定して、事務所PC30に送信する。この結果、事務所PC30を操作する作業者は、第1の保存形式を有する特定された車載器10Aを搭載する車両の運行データを入手して閲覧することができる。
【0042】
同様に、この運送会社の作業者は、車載器10Bを搭載する車両の運行データの閲覧を行う場合、事務所PC30の閲覧ソフト31Bを利用して、データセンタ20Bに対して閲覧要求を行う。具体的には、この閲覧要求は、車載器10Bの番号又は車載器10Bを搭載する車両の番号を特定して行われる。この閲覧要求を受信したデータセンタ20Bは、大容量記憶装置22内に保存されている膨大なデータの中から、第2の保存形式で保存されている当該番号に対応する車両の運行データを特定して、事務所PC30に送信する。この結果、事務所PC30を操作する作業者は、第2の保存形式を有する特定された車載器10Bを搭載する車両の運行データを入手して閲覧することができる。
【0043】
(データセンタ20Aが有する変換機能)
上述のように、通信システム1の通常の機能を利用する場合、記録形式が異なる車載器10A,10Bを搭載する車両の運行データを入手して閲覧するために、異なる閲覧ソフト31A,31Bを利用する必要がある。このため、事務所PC30の構成が複雑化し、且つ、運行データの閲覧作業を行う作業者の負担が大きかった。
【0044】
この問題に対処するため、通信システム1では、データセンタ20A(のサーバ本体21)が、大容量記憶装置22内にて第1の保存形式で保存している運行データの保存形式を第2の保存形式に変換する変換機能を更に有している。この変換機能を利用することで、事務所PC30を操作する作業者は、1種類の閲覧ソフト31Bを利用して1種類のデータセンタ20Bに対して閲覧要求を行うことで、記録形式が異なる車載器10A,10Bを搭載する何れの車両の運行データも入手して閲覧できるようになる。
【0045】
以下、この点について、
図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。事務所PC30を操作する作業者が、閲覧ソフト31Bを利用して、或る車両の運行データの閲覧要求をデータセンタ20Bに対して送信すると(S11)、データセンタ20B(のサーバ本体21)は、インターネット通信網50を介して、その閲覧要求を受信する(S21)。
【0046】
その閲覧要求を受信したデータセンタ20Bは、その閲覧要求が、車載器10Aを搭載する車両の運行データの閲覧要求であるか、車載器10Bを搭載する車両の運行データの閲覧要求であるか、を判定する(S22)。
【0047】
データセンタ20Bが、車載器10Bを搭載する車両の運行データの閲覧要求であると判定した場合、自身の大容量記憶装置22に保存されている運行データの中から、第2の保存形式で保存されている当該閲覧要求に対応する車載器10Bを搭載する車両の運行データを特定して、特定された運行データを事務所PC30に対して送信する(S23)。
【0048】
事務所PC30は、インターネット通信網50を介して、特定された車載器10Bを搭載する車両の運行データを受信する(S12)。これにより、事務所PC30の作業者は、第2の保存形式を有する、特定された車載器10Bを搭載する車両の運行データを閲覧可能となる。
【0049】
一方、データセンタ20Bが、車載器10Aを搭載する車両の運行データの閲覧要求であると判定した場合、当該車載器10Aを搭載する車両の運行データの入手要求をデータセンタ20Aに対して送信する(S24)。
【0050】
この場合、データセンタ20A(のサーバ本体21)は、インターネット通信網50を介して、その入手要求を受信する(S31)。その入手要求を受信したデータセンタ20Aは、自身の大容量記憶装置22に保存されている運行データの中から、第1の保存形式で保存されている当該入手要求に対応する車載器10Aを搭載する車両の運行データを特定して、特定された運行データの保存形式を、第2の保存形式に変換し(S32)、変換した運行データをデータセンタ20Bに対して送信する(S33)。
【0051】
データセンタ20Bは、インターネット通信網50を介して、第2の保存形式に変換された車載器10Aを搭載する車両の運行データを受信し(S25)、受信した車載器10Aを搭載する車両の運行データを事務所PC30に対して送信する(S26)。
【0052】
事務所PC30は、インターネット通信網50を介して、第2の保存形式に変換された車載器10Aを搭載する車両の運行データを受信する(S13)。これにより、事務所PC30の作業者は、第2の保存形式を有する、特定された車載器10Aを搭載する車両の運行データを閲覧可能となる。
【0053】
(作用・効果)
以上説明したように、本実施形態に係る通信システム1によれば、データセンタ20Bに対応する1種類の閲覧ソフト31Bを利用して、車載器10Aを搭載する車両と車載器10Bを搭載する車両の双方の運行データ(即ち、記録形式が異なる車載器10を搭載する複数の車両の運行データ)を、第2の保存形式(即ち、1種類の保存形式)を有する運行データとして入手して閲覧することができる。換言すれば、1種類の閲覧ソフトを準備して利用することで、記録形式が異なる車載器10を搭載する複数の車両の運行データを入手して閲覧することができる。
【0054】
即ち、
図1に示す例では、事務所PC30に保存される閲覧ソフト31として、閲覧ソフト31Aを削除することが可能となる。この結果、事務所PC30の構成を簡素化し、且つ、運行データの閲覧作業を行うユーザの負担が低減可能となる。
【0055】
<他の態様>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、データセンタ20Aに、第1の保存形式で保存している運行データの保存形式を第2の保存形式に変換する変換機能を持たせることで、データセンタ20Bに対応する1種類の閲覧ソフト31Bを利用して、車載器10Aを搭載する車両と車載器10Bを搭載する車両の双方の運行データを、第2の保存形式を有する運行データとして入手して閲覧することができる。これに対し、データセンタ20Bに、第2の保存形式で保存している運行データの保存形式を第1の保存形式に変換する変換機能を持たせることで、データセンタ20Aに対応する1種類の閲覧ソフト31Aを利用して、車載器10Aを搭載する車両と車載器10Bを搭載する車両の双方の運行データを、第1の保存形式を有する運行データとして入手して閲覧することができるように構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態において、データセンタ20Bが、データセンタ20Aから受信した運行データの受信履歴を保存するように構成されてもよい。これによれば、データセンタ20Bに対してなされた車載器10Aを搭載する車両の運行データの閲覧要求の履歴を、データセンタ20Aに残すことができる。この結果、その履歴を参照することで、その後の運行データの管理の参考とすることができる。
【0058】
ここで、上述した本発明に係る通信システム1の実施形態の特徴を以下(1)〜(2)に簡潔に纏めて列記する。
(1)
車両に搭載され、前記車両の運行に係る運行データを記録すると共に無線通信機能を有する車載器(10)と、
無線通信機能を有し、前記車載器(10)との間での無線通信によって前記車載器(10)から前記運行データを取得し保存すると共にユーザ操作端末(30)との間で無線通信を行うデータセンタ(20)と、
を備える通信システム(1)であって、
前記車載器(10)として、前記運行データを第1の記録形式で記録する第1の車載器(10A)と、前記運行データを前記第1の記録形式と異なる第2の記録形式で記録する第2の車載器(10B)と、を備え、
前記データセンタ(20)として、前記第1の車載器(10A)との間での無線通信によって取得した前記第1の記録形式で記録された運行データを第1の保存形式で保存する第1のデータセンタ(20A)と、前記第2の車載器(10B)との間での無線通信によって取得した前記第2の記録形式で記録された運行データを前記第1の保存形式と異なる第2の保存形式で保存する第2のデータセンタ(20B)と、を備え、
前記第1のデータセンタ(20A)は、前記第1の保存形式で保存している前記運行データの保存形式を前記第2の保存形式に変換する変換機能(S32)を有し、
前記第2のデータセンタ(20B)は、前記ユーザ操作端末(30)から前記第1のデータセンタ(20A)に保存されている前記運行データの閲覧要求を受信したとき(S22でNo)、前記第1のデータセンタ(20A)に対して前記運行データの入手要求を送信し(S24)、
前記第1のデータセンタ(20A)は、前記第2のデータセンタ(20B)から前記入手要求を受信したとき(S31)、前記変換機能(S32)により保存形式を前記第1の保存形式から前記第2の保存形式に変換した前記運行データを前記第2のデータセンタ(20B)に送信し(S33)、
前記第2のデータセンタ(20B)は、前記第1のデータセンタ(20A)から前記第2の保存形式に変換された前記運行データを受信したとき(S25)、前記第2の保存形式に変換された前記運行データを前記ユーザ操作端末に送信する(S26)、通信システム(1)。
(2)
上記(1)に記載の通信システム(1)において、
前記第2のデータセンタ(20B)は、
前記第1のデータセンタ(20A)から受信した前記運行データの受信履歴を保存するように構成された、通信システム(1)。