(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656224
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】動作パラメータを検出するためのセンサを備えた吸込ロール
(51)【国際特許分類】
F16C 13/00 20060101AFI20200220BHJP
B30B 15/00 20060101ALI20200220BHJP
G01L 5/00 20060101ALI20200220BHJP
B30B 15/28 20060101ALI20200220BHJP
B30B 3/00 20060101ALI20200220BHJP
D21F 3/10 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
F16C13/00 Z
B30B15/00 B
G01L5/00 C
B30B15/28 A
B30B3/00 B
D21F3/10
【請求項の数】11
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-508675(P2017-508675)
(86)(22)【出願日】2015年9月8日
(65)【公表番号】特表2017-537270(P2017-537270A)
(43)【公表日】2017年12月14日
(86)【国際出願番号】US2015048863
(87)【国際公開番号】WO2016040276
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】62/049,600
(32)【優先日】2014年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/168,362
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/823,460
(32)【優先日】2015年8月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511136119
【氏名又は名称】ストウ・ウッドワード・ライセンスコ,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(72)【発明者】
【氏名】グスタフソン,エリック・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】リーヴス,ザ・サード,サミュエル・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,クリストファー
【審査官】
日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−312808(JP,A)
【文献】
特表2012−516985(JP,A)
【文献】
特開2012−47335(JP,A)
【文献】
特表2005−539179(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/126100(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 13/00
B30B 3/00,15/00,15/28
D21F 3/10
G01L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側表面および内部空間を有する円筒形のシェルと、
前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するポリマーカバーであって、前記シェルおよびポリマーカバーが、前記内部空間と大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、
感知システムとを備え、前記感知システムが、
前記ポリマーカバーに埋め込まれた複数のセンサであって、工業用ロールの動作パラメータを感知して、前記動作パラメータに関する信号を提供するように構成され、前記センサの少なくともいくつかは、開口を含み、前記ポリマーカバーの前記貫通穴のいくつかは、前記センサのそれぞれの開口を通って延在している、複数のセンサと、
前記センサの前記開口を通って前記貫通穴の中に挿入される複数のセンタリング部材であって、前記センタリング部材のそれぞれが、前記内部空間と大気との間の流体連通を可能にする内部の穴を有する複数のセンタリング部材と、
前記センサによって提供される信号を処理する、前記センサと作動的に関連しているプロセッサと
を備える、工業用ロール。
【請求項2】
前記開口が、内部開口である、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項3】
前記センサが、円形である、請求項2に記載の工業用ロール。
【請求項4】
前記センサが、圧電材料で作られる、請求項3に記載の工業用ロール。
【請求項5】
前記感知システムが、前記複数のセンサのそれぞれを相互接続する2本の電気的導線をさらに備える、請求項4に記載の工業用ロール。
【請求項6】
前記電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの底面に接触する、請求項5に記載の工業用ロール。
【請求項7】
前記電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの底面に接触する、請求項6に記載の工業用ロール。
【請求項8】
前記センサが、圧力を感知するように構成される、請求項7に記載の工業用ロール。
【請求項9】
前記ポリマーカバーが、前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するベース層と、前記ベース層の上に円周方向に被覆する上面ストック層とを含み、前記センサが、前記ベース層の中に埋め込まれている、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項10】
前記ベース層が、内側ベース層および外側ベース層を含み、前記センサが、前記内側ベース層の上に載っており、前記外側ベース層の下にあるように配置される、請求項9に記載の工業用ロール。
【請求項11】
前記ベース層が、ゴムまたはエポキシベースの複合材料を含む、請求項9に記載の工業用ロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2014年9月12日出願の米国仮特許出願第62/049,600号および2015年5月29日出願の同第62/168,362号からの優先権とその便益とを請求し、これにより、これらの仮特許出願の開示内容全体を本明細書に援用する。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、概略的には工業用ロール、より詳細には製紙用ロールに関する。
【背景技術】
【0003】
円筒形ロールは、いくつかの工業用途、特に製紙関連用途で利用される。そのようなロールは、一般的には、ロールが、高い動荷重および高温と、侵食性または腐食性を有する化学薬剤とに曝される可能性のある厳しい環境で使用される。一例として、典型的な製紙工場では、ロールは、繊維状のウェブシートを処理ステーションの間で輸送するためだけでなく、プレスセクションおよびカレンダロールの場合には、ウェブシート自体を加工処理して紙にするためにも使用される。
【0004】
製紙機械は、(加圧フェルトなどの)ベルトおよび/または繊維ウェブから水分を引き出すために機械の中のさまざまな位置に配置される1つまたは複数の吸込ロールを含むことができる。各吸込ロールは通常、複数の穴がそれを通って半径方向に延在しているポリマーカバーによって被覆された金属製シェルから構築される。真空圧が、吸込ロールシェルの内部に位置付けられた吸込ボックスを用いて加えられる。水は、半径方向に延在する穴に吸い込まれ、それらが吸込帯から出て行った後、穴から遠心力で移動される、または吸込ロールシェルの内部から、適切な流体導管または配管を通って輸送される。穴は通常、一連の複数の穴を同時に形成するマルチビットドリルにより格子状のパターンに形成される(例えばドリルは、50個の一直線に並んだ穴を同時に形成することができる)。多くの格子パターンでは、穴の行および列がロールの縦軸に対して斜角になるように、穴は配置される。
【0005】
紙ウェブが製紙機械を通って運ばれる際に、紙ウェブによって経験された圧力プロファイルが分かることは、非常に重要であり得る。圧力の変動はウェブから排出される水量に影響を与える可能性があり、それは、最終的なシート含水率、厚さ、およびその他の性能に影響を及ぼし得る。したがって、吸込ロールを用いて加えられた圧力の大きさは、抄紙機で生産された紙の品質に影響を与え得る。
【0006】
吸込ロールの他の特性も、同様に重要であり得る。例えば、ロールカバーが幅方向に経験する応力および歪は、カバーの耐久性および寸法安定性についての情報を提供することができる。さらに、ロールの温度プロファイルは、カバーの潜在的問題区域を識別することに役立ち得る。
【0007】
工業用ロールのカバーには圧力センサおよび/または温度センサが含まれることが知られている。例えば、Moschel他による米国特許第5,699,729号には、ロールのポリマーカバーに埋め込まれた複数の圧力センサを含む、螺旋状に配置された繊維を備えたロールが記載されている。しかしながら、上記の種類の吸込ロールは、従来型のロールが呈していない技術的挑戦を呈している。例えば、吸込ロールの穴パターンは通常、穴のいくつかが、センサの一部の上にかかる程密集して設計される。従来では、センサおよび付随する信号キャリヤ(例えば、繊維またはケーブル)は、ポリマーカバーを適用する前に、金属製シェルに適用され、吸込穴は、カバーを適用して硬化処理した後に穿設される。したがって、従来様式でカバーに穿孔すると、ほぼ確実にセンサを損傷することになり、信号キャリヤにかなりの損傷を与える可能性がある。また、カバーを硬化処理する間、ポリマー材料は、コア上で僅かに位置がずれる場合が多く、ひいては、信号キャリヤおよびセンサの位置をずらす可能性がある。したがって、カバーの下にある信号キャリヤおよびセンサの位置を正確に確定させることは、必ずしも可能ではなく、コアの位置ずれが、センサまたは信号キャリヤを穴の真下の位置に移動させる場合がある。さらに、通常、光ファイバは、適切な性能のために相対的に高い最小曲げ半径を有しており、したがって、光ファイバが、信号キャリヤとして使用される場合に、ロールの予想される穴の間に光ファイバをかけようとすることで、ファイバ内に不適格な光伝送が生じる可能性がある。
【0008】
センサを吸込ロールの中で使用することへの1つの取り組みが、Gustafsonによる米国特許第6,981,935号に記載されており、この特許は、信号キャリヤが、吸込ロールの穿孔パターンの斜角に進む経路を辿ることを提唱している。この装置は、外層カバーを適用する前に、信号キャリヤをロールカバーのベース層に適用することを可能にし、水抜穴を穿孔する間も、信号キャリヤへの損傷を回避する。いくつかの実施形態では、センサは、それが水抜穴の間の空間の中にはまらない程十分に大きくてもよい。そのような例では、盲ドリル孔は、カバーの穴パターンが妨げられないように、貫通穴ではなく、センサを覆うカバーに形成され得る。しかしながら、この解決策が、全てのロールカバーにとって最適であり得るわけではない。1つの取り組みでは、アパーチャを備えたセンサを利用しており、水抜穴がアパーチャと位置合わせされている(Gustafsonによる米国特許第7,572,214号を参照されたく、これにより、同特許の開示内容全体を本明細書に援用する。)。この取り組みは有望であるが、設計を改良する修正が望まれる。
【発明の概要】
【0009】
第1の態様として、本発明の実施形態は、工業用ロールに着眼する。工業用ロールは、外面および内部ルーメンを有する実質的に円筒形のシェルと、シェル外面の上に円周方向に載っているポリマーカバーであって、シェルおよびカバーが、ルーメンと大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、感知システムとを備える。感知システムは、カバーに埋め込まれた複数のセンサを備え、センサは、ロールの動作パラメータを感知して、動作パラメータに関する信号を提供するように構成される。少なくとも1つの信号担持部材が、センサの少なくとも1つと接続されており、信号担持部材は、シェルおよびカバーの貫通穴のいくつかと少なくとも一部位置合わせされる開口を含む。センサによって提供される信号を処理するプロセッサは、センサと作動的に関連している。
【0010】
第2の態様として、本発明の実施形態は、工業用ロールに着眼し、工業用ロールは、外面および内部ルーメンを有する実質的に円筒形のシェルと、シェル外面の上に円周方向に載っているポリマーカバーであって、シェルおよびカバーが、ルーメンと大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、感知システムとを備える。感知システムは、カバーに埋め込まれた複数のセンサを備え、センサは、ロールの動作パラメータを感知して、動作パラメータに関する信号を提供するように構成され、センサの少なくともいくつかが、アパーチャを含み、カバーの貫通穴のいくつかは、センサのそれぞれのアパーチャを通って延在している。複数のセンタリング部材が、センサのアパーチャを通って貫通穴の中に挿入され、センタリング部材のそれぞれが、ルーメンと大気との間の流体連通を可能にする内ボアを有する。センサによって提供される信号を処理するプロセッサは、センサと作動的に関連している。
【0011】
第3の態様として、本発明の実施形態は、工業用ロールに着眼し、工業用ロールは、外面および内部ルーメンを有する実質的に円筒形のシェルと、シェル外面の上に円周方向に載っているポリマーカバーであって、シェルおよびカバーが、ルーメンと大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有し、貫通穴が、行および列のアレイで配置されている、ポリマーカバーと、感知システムとを備える。感知システムは、カバーに埋め込まれた複数のセンサを備え、センサは、ロールの動作パラメータを感知して、動作パラメータに関する信号を提供するように構成され、センサの少なくともいくつかが、アパーチャを含み、カバーの貫通穴のいくつかは、センサのそれぞれのアパーチャを通って延在しており、センサによって提供される信号を処理するプロセッサは、センサと作動的に関連しており、少なくとも1つの信号担持部材が、センサの少なくとも1つと接続されており、信号担持部材は、2列の貫通穴の間に配索される第1のセグメントと、2行の貫通穴の間に配索される第1のセグメントと結合した第2のセグメントとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の吸込ロールおよび検出システムのゲージ図である。
【
図2】
図1の吸込ロールの穴のパターンの中でのセンサの拡大図である。
【
図3】
図1の吸込ロールの製造中に形成されるシェルおよび内側ベース層のゲージ斜視図である。
【
図4】
図2のシェルおよび内側ベース層がドリルを用いて刻み目が付けられているゲージ斜視図である。
【
図5】
図1の吸込ロール用のセンサおよび取付リベットの拡大斜視図である。
【
図6】カバーベース層上に配置されたリード線および
図5の2つのセンサの拡大図であり、
図4に示す刻み目を付ける手順で形成された刻まれた円の1つを囲むようにセンサが配置されている。
【
図7】表面ストック層が、
図1の吸込ロールの外側ベース層の上に適用されているゲージ斜視図である。
【
図8】
図7の表面ストック層と、
図3および
図7のシェルと内側ベース層および外側ベース層とがドリルを用いて穿設されているゲージ斜視図である。
【
図9】本発明の追加的な実施形態によるカウンタボアを備えた吸込ロールの一部のゲージ図である。
【
図10】センサがカウンタボアにある
図9の吸込ロールの一部のゲージ図である。
【
図11】リード線がセンサに取り付けられている
図9の吸込ロールの一部のゲージ図である。
【
図12】本発明の実施形態によって使用され得る位置合わせペグの正面図である。
【
図13】本発明の実施形態による電気的リード線に使用されるメッシュ材の上面図である。
【
図15】本発明の実施形態による穴のパターンの中でのセンサと
図14に示すようなメッシュリード線との上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下添付の図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明してゆく。本発明は、図示する実施形態に限定されるようには意図されてなく、むしろ、これらの実施形態は、本発明を当業者に十分にかつ完全に開示することを目的とするものである。図面では、類似の番号は、全体を通して類似の要素を指している。いくつか構成要素の厚さおよび寸法は、明瞭になるように誇張されている場合がある。
【0014】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書における発明の記述で使用される用語は、特有の実施形態を説明するためのものにすぎず、本発明を制限することを目的とするものではない。本発明の説明および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテキストが特に明示しない限り、複数形も含むように意図されている。ここで使用しているように、「および/または」という用語は、関連する列挙品目の1つまたは複数のありとあらゆる組合せを含む。使用される場合、「取り付けられた」、「接続された」、「相互接続された」、「接触している」、「結合された」、「搭載された」などの用語は、特に明記しない限り、要素間の直接的または間接的な取り付けまたは接触を意味することができる。
【0015】
次に図を参照すると、概括的に20と称される吸込ロールが、
図1に示される。吸込ロール20は、中空円筒形のシェルまたはコア22(
図3参照)と、シェル22を取り囲むカバー24(通常1つまたは複数のポリマー材料で作られる)とを含む。関連する圧力、温度、水分、またはいくつかの他の動作パラメータを感知するための感知システム26は、1対の電気的リード線28a、28bと、複数のセンサ30(
図2および
図6参照)とを含み、センサ30はそれぞれ、カバー24に埋め込まれている。ここで使用しているように、センサがカバーに「埋め込まれている」ということは、センサが、カバー24の中に完全に含有されている、またはセンサが、コア22上に載置されていて、カバー24によって完全に被覆されていることを意味する。感知システム26は、センサ30によって生成される信号を処理するプロセッサ32をさらに含む。
【0016】
シェル22(
図3)は通常、ステンレス鋼または青銅などの耐腐食性金属材料で作られる。吸込ボックス(図示せず)は通常、シェル22のルーメンの中に配置されて、シェル22およびカバー24の穴を介して陰圧(すなわち吸引力)を加える。一般的に、シェル22は、カバー24の貫通穴82と後に位置合わせされる貫通穴をすでに含んでいる。例示的なシェルと吸込ボックスの組合せは、Huttunenによる米国特許第6,358,370号で図と共に説明されており、これにより、同特許開示内容の全体を本明細書に援用する。
【0017】
カバー24は、吸込ロールと使用するのに適切であると当業者に認識される、任意の形状をとることができ、何らかのポリマー材料および/またはエラストマー材料で作られることができる。例示的な材料には、天然ゴム、ネオプレン、スチレン−ブタジエン(SBR:Styrene−butadiene)、ニトリルゴムなどの合成ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(「CSPE:Chlorosulfonated Polyethylene」、商品名HYPALONとしても知られている)、EDPM(エチレン−プロピレンジエン単量体で作られたエチレン−プロピレン三量体に付与された名前)、エポキシ、およびポリウレタンが含まれる。多くの例において、カバー24は、多層を備える。
図3および
図7は、内側ベース層42a、外側ベース層42b、および表面ストック層70が適用されていることを示す。ベース層および表面ストック層、42a、42b、70の間の「連結」層、およびシェル22と内側ベース層42との間の接着層などの追加的な層が、さらに含まれる場合もある。カバー24は、補強材、充填材、添加物などをさらに含むことができる。例示的な追加材料は、Stephensによる米国特許第6,328,681号およびJonesによる同第6,375,602号、およびGustafsonによる米国特許第6,981,935号に記載されており、これにより、これらの特許それぞれの開示内容全体を本明細書に援用する。
【0018】
カバー24は、従来通り吸込ロールと共に使用される穴パターン、またはそれがロール20の上で移動する際に、上層の製紙業者のフェルトまたはファブリック、および/または紙ウェブに吸引を適用するのに適切であると認識される穴パターンのいずれであってもよい穴のパターンを有する(貫通穴82を含み、さらに盲ドリル孔を含む場合がある)。一般的に、穴は、直径が約1.524ミリメートル(0.060インチ)から6.35ミリメートル(0.250インチ)の間であり、互いに約1.524ミリメートル(0.060インチ)から9.525ミリメートル(0.375インチ)までの間隔で離間されている。1つの例示的な穴パターンの部分86は、
図2に示される。部分86は、パターンの高さまたは周辺の広がり(この寸法は、一般的に約12.7ミリメートル(0.5インチ)から38.1ミリメートル(1.5インチ)までである)を表すフレームと、パターンの幅または軸方向広がり(この寸法は、一般的に約25.4ミリメートル(1.0インチ)から76.2ミリメートル(3.0インチ)までである)を表すドリル間隔とによって画定されることができる。従来通り、穴82の列は、ロール20の縦軸に対して垂直である平面に対する斜角θ(一般的に約5度と20度との間)を画定している。
【0019】
図2を次に参照すると、そこに示されるセンサ30は、上記Gustafsonで説明したように、内部アパーチャ31を有しており、電気的リード線28a、28bを取り付けるための翼部33をさらに含む。センサ30は、関連する動作パラメータ(例えば応力、歪、圧力、または温度)を検出するのに適切であると当業者に認識される任意の形状をとることができる。例示的な圧力センサには、圧電センサ(特に、PZT型チタン酸ジルコン酸鉛、水晶、合成水晶、電気石、正リン酸ガリウム、CGG(Ca
3Ga
2Ge
4O
14)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ロシェル塩、および硫酸リチウム一水和物などの圧電セラミックで作られた圧電センサ)、力抵抗性センサ、膜センサなどが含まれる。内部アパーチャ31は、カバー24の関連する貫通穴82より大きい寸法になっており、アパーチャ31の典型的な寸法は、約2.032ミリメートル(0.080インチ)から12.7ミリメートル(0.5インチ)の間である。センサ30の外部寸法は、センサ30が、周囲の貫通穴82のいずれかの上に載らないように、またはその中に延在しないように選択され、センサ30の典型的な外部寸法は、約3.175ミリメートル(0.125インチ)から7.62ミリメートル(0.300インチ)の間である。図示した実施形態では、内部アパーチャ31が円形であるように、センサ30は環状である。しかしながら、他の形状のセンサおよび/またはアパーチャも、適切であり得る。例えば、センサ30自体が、正方形、長方形、三角形、楕円形、六角形、八角形などであってもよく、さらにアパーチャが、これらの形状のいずれかの形状をとっていてもよい。あるいは、アパーチャ31が、センサ30の内部ではなく(すなわちアパーチャ31が閉周辺部を有している)、アパーチャ31は、センサ30が「U」字または「C」字形状をとるように、終端開口していてもよい。センサ30は、センサ30の大部分が、相互に、概略的に円周方向に等距離であるように、ロール20の円周周辺に分散されており、1つまたは複数のセンサ30が、ロール20の回転位置を決定するために、違った間隔で離間されることができる。米国特許第8,346,501号を参照されたく、これにより、同特許の開示内容全体を本明細書に援用する。
【0020】
センサ30の翼部33は、それらが、センサ30の本体の下側面から半径方向外向きに延在し、実質的に相互に同一平面上にあるように形成され、この構成および利点は、米国特許第8,236,141号に記載されており、これにより、同特許の開示内容全体を本明細書に援用する。
【0021】
図2で分かるように、各センサ30は、アパーチャ31が、カバー24の貫通穴82と位置合わせされるように、位置付けられる。センサ30の位置決めに役立つために、リベット60(
図5に示す)は、センサ30のアパーチャ31から下層の貫通穴82の中に挿入されることができる。シャフトの直径が、アパーチャ31の直径より僅かに小さいように寸法決めされたリベット60を使用することで、貫通穴が、損傷を受けることなく、その位置の周囲に形成され得る位置にセンサ30を維持することができる。リベット60が、センサ30から、貫通穴82の中に挿入されると、孔62が、リベット60の中心に穿設されて、貫通穴82を再形成する。
【0022】
上記米国特許第6,981,935号に記載されているように、感知システムを含んだいくつかの従来の吸込ロールでは、センサをプロセッサに接続するリード線は、水抜穴を穿孔する間、リード線への損傷を防止するために、水抜穴の間に(すなわち水抜穴の列と同じ角度θに)配索される。この構成は、一般的に、リード線が、ロールの周囲に複数の渦または「コイル」を備えた巻き線を形成する必要がある。この取り組みの1つの欠点は、リード線の長さを追加する必要があることにより、信号の強度および正確さが低下し、システムを損傷/故障し易くさせることである。
【0023】
代替的なリード線を配索する取り組みが、
図6に示される。この取り組みでは、センサ30自体が、ロールの長手方向に沿った単一の螺旋コイルを画定している(非吸込ロールのセンサとほぼ同じ様式で。例として、米国特許第8,346,501号参照されたい。これにより、同特許の開示内容全体を本明細書に援用する)。リード線28a、28bは、リード線28a、28bが第1のセグメントの貫通穴82の列の間で角度θを辿り、次いで、パターン角度θに対して実質的に垂直である第2のセグメントの貫通穴82の行の間を通過して、センサの間の2つのセグメント経路を辿ることによって、貫通穴の間に配索されている。
【0024】
図6で分かるように、リード線28a、28bの配索は、その上にセンサ30が載置される貫通穴82を識別し、次いで、リード線28a、28bを貫通穴82の行および列の間に配索することを可能にする位置合わせペグ90を適切な貫通穴82の中に配置することによって行うことができる。
図12で分かるように、位置合わせペグ90は、位置合わせの間リード線を受けることができる溝94を備えたばね負荷式ステム92を有することができる。リード線28a、28bのこの装置は、センサの単一の螺旋コイルを備えた非吸込ロールのものより長いけれども、装置は、Gustafsonで示されたものなどの、多重コイル巻き線よりずっと短い。
【0025】
再び
図6を参照すると、感知システム26のリード線28a、28bは、吸込ロール内の電気信号の通路に適していると当業者に認識される任意の信号担持部材であり得る。代替案として、Mooreによる米国特許第7,392,715号に記載されるものなどの無線システムを使用してもよい。
【0026】
再度
図1を参照すると、プロセッサ32は、一般的にパーソナルコンピュータ、またはセンサ30と作動的に関連付けられ、センサ30からの信号を処理して有用な容易によく理解される情報にすることができる、製紙工場の流通制御システムなどの類似のデータ交換装置である。RF信号伝達などの無線通信モードを使用して、センサ30から収集されたデータを処理装置32に伝送すれば好ましい。他の代替構成は、信号をセンサ30からプロセッサ32に伝送することを可能にするスリップリングコネクタを含む。適切な例示的処理装置は、Mooreによる米国特許第5,562,027号および同第7,392,715号と、Gustafson他による同第6,752,908号とに記載されており、これにより、これらの特許の開示内容全体を本明細書に援用する。
【0027】
吸込ロール20は、以下に記載され、
図3から
図8に図示される様式で製造することができる。この方法では、最初に、シェル22は、カバー24の一部(内側ベース層42aなどの)で被覆される。
図3で分かるように、内側ベース層42aは、押出ノズル40を用いて適用することができるが、内側ベース層42aは、当業者に知られている他の技術によって適用されてもよい。吸込ロールでは一般的に、内側ベース層42aは、ゴムまたはエポキシベースの複合材料で作られる。当業者であれば、さらに理解されるように、以下に記載され、
図3および
図4に図示される段階が、内側ベース層42a上で実行されるように示されているが、カバー24の他の内層(外側ベース層42bまたは連結層などの)が、リード線28a、28bおよびセンサ30用の下層面の役割を果たすこともできる。
【0028】
図4を次に参照すると、カバー24の内側ベース層42aは、例えばマルチビットドリル46を用いて、ロール20に最終的に形成される穴82の所望のパターンに該当する刻み印44の刻み目が付けられる、または他の方法で印が付けられる。穴が最終的に形成される場所を示すためには、刻み印44は、可視的であるように十分に深いものでなければならないが、それよりもより深い必要はない。
【0029】
図5および
図6を次に参照すると、刻み印44が内側ベース層42aに形成された後、リード線28a、28bおよびセンサシステム26のセンサ30は、据え付けられる。センサ30の場所は、指定された経路(一般的に単一のコイル状巻き線)に沿って図に表されている。センサ30ごとに、最も近い刻み印44が決定され、そこに穴が穿設される。さらに、適切な刻み印44が、刻み印44の列および行の間でセンサ30の間にリード線28a、28bを配索することを可能にする位置合わせペグ90の設置のために位置決めされる。
【0030】
リベット60は、挿入されてセンサ30のアパーチャ31を貫通し、次いで指定された穴に差し込まれる。リベット60は、センサ30を穴の上の実質的な中心に、かつ隣接した穴82から離して留めることを可能にする。いくつかの実施形態では、リベット60は、エポキシを利用して載置され、エポキシは、製紙の間、水からセンサ30を保護することができる。リベット60およびセンサ30が指定された穴上に載置されると、穴が、リベット60によって穿設されて、貫通穴82として役立つ。リード線28a、28bは、そのように載置するのに適切であると知られた何らかの様式で、内側ベース42aに載置される。いくつかの実施形態では、リード線28a、28bは、ワニスを用いて所定の位置に密封され、リード線28a、28bとセンサ30の翼部33との間のはんだ継手が、エポキシで保護されている。
【0031】
図7を次に参照すると、センサ30およびリード線28a、28bが、配置されて、内側ベース層42aに付着された後、カバー24の残りの部分が、適用される。
図7は、押出ノズル72を用いた表面ストック層70の適用を図示し、類似の技術を用いて、外側ベース層42bを内側ベース層42aの上に適用することができる。いくつかの例では、内側ベース層42aおよび外側ベース層42bの一方または両方は、次の上層を適用する前に研削され得る。当業者であれば理解されるように、外側ベース層42bおよび表面ストック層70の適用は、そのような適用に適切であると認められる任意の技術で実行されることができる。典型的な吸込ロールでは、外側ベース層42bは、ゴムまたはエポキシベースの複合材料で作られ、表面ストック層70は、ゴムまたはポリウレタンで作られる。上記のように、本発明は、ベース層および表面ストック層だけを含むカバーを有するロール、ならびに追加的な中間層を備えたカバーを有するロールを含むように意図されている。表面ストック層70の適用の後に、硬化処理が続き、これに関する技術は、当業者にはよく知られており、本明細書で詳細に説明するに及ばない。
【0032】
図8を次に参照すると、表面ストック層70が硬化処理された後、貫通穴82および任意の盲ドリル孔が、カバー24に形成され、貫通穴82がシェル22にすでに形成されていない場合には、さらにそこに形成される。貫通穴82は、当業者に知られている任意の技術で形成されることができるが、しかし、マルチビットドリル80を用いて形成されれば好ましい(ドリルの一例は、イタリア、ポルデノーネのSafopから入手可能なDRILLMATIC機械である)。いくつかの実施形態では、センサ30と関連付けられる貫通穴82は、手動で穿設されてもよい。
【0033】
上で説明したセンサの実施形態は、吸込ロールによって提示される問題のいくつかに対処し得ると考えられる。その中に貫通穴が延在することができる、センサのアパーチャを含むことによって、本発明のロールは、吸込ロールの穴パターンと干渉することを回避することができ、センサを覆う位置に盲ドリル穴を有しないで済む。リベット60を含んでいることは、センサ30を中心に置いて、ひいてはそれを保護することに役立つことができる。さらに、隣接したセンサ30の間でリード線28a、28bが辿る2つのセグメント経路は、センサデータの信号経路全体を短縮することができ、それによって、信号品質および性能を改良する。
【0034】
図9〜
図11を次に参照すると、そこには、本発明の追加的な実施形態によるロールの一部が、概括的に120と称されて示される。このロール120では、カウンタボア184が、その上にセンサ130がある貫通穴182の周囲に形成されている(
図9参照)。センサ130は、センサ130の本体130aが、カウンタボア184の中に落ち着くように、ロール20の方向とは逆になっており、センサ130の翼部133は、内側ベース層142aの表面に載っている(
図10参照)。この装置では、センサ130の本体130aは、内側ベース層142aの表面より上に突出しておらず、結果的に、外側ベース層142bは、適用後の研磨を必要としなくてもよい。さらに、カウンタボア184の存在により、リベットが、センサ130を中心に置いて、その位置を維持することが不要になる。
【0035】
図11で分かるように、リード線128a、128bは、上で検討したように翼部133に取り付けることができる。図示する実施形態では、リード線128a、128bは、貫通穴182の列および行の間の3つのセグメントの「ヘリンボン」型経路を辿る。当業者であれば理解されるように、センサの間のリード線は、それらが貫通穴の行および列の間に配索されるので、追加的な数のセグメントを使用する場合がある。さらに、穴の「列」および「行」は、垂直な軸に沿って配置される必要はないことが分かる。一例として、
図9〜
図11に示す穴は、約60度だけ回転された軸上に配置されている。
【0036】
リード線配置および管理についての問題に対処するための別の技術では、センサシステムの電気的導線228として、
図13〜
図15に示されるような導電性メッシュ材を利用することができる。導電性メッシュ材のリード線228は、ロールに適用されて、上で検討した、
図15に示されるようなセンサに接続されることができ、リード線228は、センサ230の翼部233に取り付けられる。メッシュリード線228が、比較的幅の広い周辺寸法(例えば1.27ミリメートル(0.5インチ))を有しており、ロールの貫通穴282のアレイの少なくとも隣接した行および/または列の間に延在しているので、貫通穴282は、リード線228を通って形成されることができ、そこには、貫通穴282と位置合わせされた開口が作成される。しかしながら、リード線228がこの幅であることにより、リード線228が接触している状態のままであることを可能にし、したがって、それらの電気的完全性を維持することを可能にする。そのようなものとして、リード線228は、吸込穴282の行および列の間に配索される必要はなく、図に示すように任意の望ましい配置でロール上に簡単に敷設することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、リード線228は、管として形成され、その後ロールに適用する前に平らにされる。いくつかの実施形態では、リード線228は、銅、ニッケル、銅ニッケル合金、銀、金、または同種のものなどの延性を有する金属材料で作られる。いくつかの実施形態では、メッシュは、単鎖ワイヤで作られた、編んだメッシュである。リード線用の例示的なメッシュ材は、ParkerChomerics(マサチューセッツ州、ウォーバーン)から入手可能なMONEL(登録商標)材料である。
【0038】
メッシュ材をロールに適用する前に、メッシュ材は、電気的特性を改善するために、加工処理されることができる。例えば、メッシュ材は、スズ鉛はんだ槽、または同種のもので浸漬はんだ処理され得る。そのようなハンダ付け処理は、ワイヤの撚り線を結合させて、メッシュ材の電気的完全性を改善することができる。
【0039】
センサは、軟ろう付け、溶接、導電性エポキシまたは導電性Z軸テープの内の1つまたは複数によって、導電性メッシュ材に接続され得る。現在の最高水準の技術に基づいて、他の方法を利用してもよい。
【0040】
特に、メッシュに開口または隙間があることで、ロールカバーをコアに接着するのに使用されるエポキシまたは他の材料は、メッシュを通り抜けることができ、それによって、接着性は向上し、ロールカバーがロールから層間剥離する可能性が低下する。
【0041】
リード線に関して幅を拡張させる概念は、他の可能性があるリード材料にも適用され得る。例えば、メッシュ材は、編まれた材料というよりも組み上げられた材料であり得る。あるいは、リード線は、前述のエポキシが接着目的で貫流することを可能にするために、貫通穴(パーフォレーション)または他の開口を含む何らかの幅の平坦な条片(例えば厚さ0.0508ミリメートル(0.002インチ)〜0.254ミリメートル(0.010インチ)および幅12.7ミリメートル(0.5インチ))であってもよい。いくつかの実施形態では、平坦な条片は、穴(パーフォレーション)がなくてもよい。これらの変型例のいずれにおいても、幅が拡張されたリード線は、吸込ロールの貫通穴が、リード線を完全にまたは部分的に貫通して形成された後であっても、電気的完全性を維持することができる。少なくとも20/1の幅対厚さのアスペクト比が、望ましい場合がある。
【0042】
前述の内容は、本発明の例証を示しており、それを制限するものとして解釈されるべきではない。本発明の例示的な実施形態を記載してきたが、当業者であれば容易に理解されるように、例示的な実施形態に、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく多くの修正を加えることが可能である。したがって、全てのそのような修正は、特許請求の範囲において画定される本発明の範囲に含まれるように意図されている。本発明は、以下の特許請求の範囲によって画定され、特許請求の範囲の等価物がそれに含まれる。
以下に本発明の実施の形態を列挙する。
[実施形態1]
外側表面および内部空間を有する円筒形のシェルと、
前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するポリマーカバーであって、前記シェルおよびポリマーカバーが、前記内部空間と大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、
感知システムとを備え、前記感知システムが、
前記ポリマーカバーに埋め込まれた複数のセンサであって、工業用ロールの動作パラメータを感知して、前記動作パラメータに関する信号を提供するように構成される複数のセンサと、
前記センサの少なくとも1つと接続された少なくとも1つの信号担持部材であって、前記シェルおよびポリマーカバーの前記貫通穴のいくつかと少なくとも一部位置合わせされる開口を含む、少なくとも1つの信号担持部材と、
前記センサによって提供される信号を処理する、前記センサと作動的に関連しているプロセッサと
を備える、工業用ロール。
[実施形態2]
前記センサの少なくともいくつかが、開口を含み、前記カバーの前記貫通穴のいくつかが、前記センサのそれぞれの開口を通って延在している、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態3]
前記開口が、内部開口である、実施形態2に記載の工業用ロール。
[実施形態4]
前記センサが、円形である、実施形態2に記載の工業用ロール。
[実施形態5]
前記センサが、圧電材料で作られる、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態6]
電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの表面に接触する、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態7]
前記センサが、圧力を感知するように構成される、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態8]
前記ポリマーカバーが、前記シェルの上に円周方向に載っているベース層と、前記ベース層の上に円周方向に載っている表面ストック層とを含み、前記センサが、前記ベース層の中に埋め込まれている、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態9]
前記ベース層が、内側ベース層および外側ベース層を含み、前記センサが、前記内側ベース層の上に載っており、前記外側ベース層の下にあるように配置される、実施形態8に記載の工業用ロール。
[実施形態10]
前記外側ベース層が、ゴムまたはエポキシベースの複合材料で作られている、実施形態9に記載の工業用ロール。
[実施形態11]
前記表面ストック層が、ゴム、またはポリウレタンから構成される群から選択された材料で作られる、実施形態8に記載の工業用ロール。
[実施形態12]
前記信号担持部材としての導電性メッシュ材が、金属製メッシュを備え、前記開口が、前記金属製メッシュにある開口または隙間を含む、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態13]
前記信号担持部材が、穴を備えた条片を備える、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態14]
前記貫通穴が、行および列の配列で配置されており、前記信号担持部材が、少なくとも隣接した行または隣接した列の間に延在する幅を有する、実施形態1に記載の工業用ロール。
[実施形態15]
外側表面および内部空間を有する円筒形のシェルと、
前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するポリマーカバーであって、前記シェルおよびポリマーカバーが、前記内部空間と大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、
感知システムとを備え、前記感知システムが、
前記ポリマーカバーに埋め込まれた複数のセンサであって、工業用ロールの動作パラメータを感知して、前記動作パラメータに関する信号を提供するように構成され、前記センサの少なくともいくつかは、開口を含み、前記ポリマーカバーの前記貫通穴のいくつかは、前記センサのそれぞれの開口を通って延在している、複数のセンサと、
前記センサの前記開口を通って前記貫通穴の中に挿入される複数のセンタリング部材であって、前記センタリング部材のそれぞれが、前記内部空間と大気との間の流体連通を可能にする内部の穴を有する複数のセンタリング部材と、
前記センサによって提供される信号を処理する、前記センサと作動的に関連しているプロセッサと
を備える、工業用ロール。
[実施形態16]
前記開口が、内部開口である、実施形態15に記載の工業用ロール。
[実施形態17]
前記センサが、円形である、実施形態16に記載の工業用ロール。
[実施形態18]
前記センサが、圧電材料で作られる、実施形態17に記載の工業用ロール。
[実施形態19]
前記感知システムが、前記複数のセンサのそれぞれを相互接続する2本の電気的導線をさらに備える、実施形態18に記載の工業用ロール。
[実施形態20]
前記電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの底面に接触する、実施形態19に記載の工業用ロール。
[実施形態21]
前記電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの底面に接触する、実施形態19に記載の工業用ロール。
[実施形態22]
前記センサが、圧力を感知するように構成される、実施形態15に記載の工業用ロール。
[実施形態23]
前記ポリマーカバーが、前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するベース層と、前記ベース層の上に円周方向に被覆する上面ストック層とを含み、前記センサが、前記ベース層の中に埋め込まれている、実施形態15に記載の工業用ロール。
[実施形態24]
前記ベース層が、内側ベース層および外側ベース層を含み、前記センサが、前記内側ベース層の上に載っており、前記外側ベース層の下にあるように配置される、実施形態23に記載の工業用ロール。
[実施形態25]
前記ベース層が、ゴムまたはエポキシベースの複合材料を含む、実施形態23に記載の工業用ロール。
[実施形態26]
前記上面ストック層が、ゴム、ポリウレタン、から構成される群から選択された材料で作られる、実施形態23に記載の工業用ロール。
[実施形態27]
外側表面および内部空間を有する円筒形のシェルと、
前記シェルの前記外側表面の上に円周方向に被覆するポリマーカバーであって、前記シェルおよびポリマーカバーが、前記内部空間と大気との間に流体連通を提供する複数の貫通穴を有するポリマーカバーと、
感知システムとを備え、前記感知システムが、
前記ポリマーカバーに埋め込まれた複数のセンサであって、工業用ロールの動作パラメータを感知して、前記動作パラメータに関する信号を提供するように構成され、前記センサの少なくともいくつかは、開口を含み、前記貫通穴のいくつかは、段付き穴を含み、前記センサがそれぞれ、それぞれの段付き穴の中にあり、前記ポリマーカバーの前記貫通穴は、前記センサのそれぞれの内部開口を通って延在している、複数のセンサと、
前記センサによって提供される信号を処理する、前記センサと作動的に関連しているプロセッサと
を備える、工業用ロール。
[実施形態28]
前記感知システムが、前記複数のセンサのそれぞれを相互接続する少なくとも2本の電気的導線をさらに備える、実施形態27に記載の工業用ロール。
[実施形態29]
前記電気的導線のそれぞれが、前記センサの1つの上面に接触し、表面の前記上面が、前記段付き穴から離れる方向に面する、実施形態28に記載の工業用ロール。