特許第6656236号(P6656236)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6656236バイオチップを検出および/または分析するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656236
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】バイオチップを検出および/または分析するための装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20200220BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   G01N35/04 B
   G01N21/01 B
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-516743(P2017-516743)
(86)(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公表番号】特表2017-530361(P2017-530361A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】CN2015000661
(87)【国際公開番号】WO2016045234
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】201410508609.X
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504278260
【氏名又は名称】キャピタルバイオ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CapitalBio Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,ユエン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,グァンビン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チェン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,カイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ユ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジン
【審査官】 永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−085537(JP,A)
【文献】 特表2002−509246(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0090490(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102042957(CN,A)
【文献】 特開2011−053043(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102004159(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0051133(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0164175(US,A1)
【文献】 特開2009−293987(JP,A)
【文献】 特表2015−503982(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0113956(KR,A)
【文献】 米国特許出願公開第2017/0127986(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1288516(CN,A)
【文献】 米国特許第06333007(US,B1)
【文献】 特表2009−530589(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0053068(US,A1)
【文献】 実開昭57−144062(JP,U)
【文献】 実開昭57−153257(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00
G01N 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシェルと、
第1のシェルに接続され、互いに係合して実質的に閉じたカートンを形成することができる第2のシェルと、
前記第1のシェルと前記第2のシェルとの間に位置する回転可能なバイオチップ支持フレームとを備え、前記回転可能なバイオチップ支持フレームは、検出および/または分析されるバイオチップを保持することができる検出ゾーンを含み、さらに、
検出器と、
前記第1のシェルまたは前記第2のシェル上に配置された光源とを備え
前記光源および前記検出器は、互いに前記回転可能なバイオチップ支持フレームの反対側に配置され、
前記第1のシェルは、保持キャビティを含み、前記保持キャビティは、前記第2のシェルに面する上部プレートを含み、前記上部プレートは、前記回転可能なバイオチップ支持フレームの前記検出ゾーンと整列可能な貫通穴を含み、
前記第1のシェルと前記第2のシェルが互いに係合して実質的に閉じたカートンを形成するとき、前記検出器、前記光源、前記検出ゾーンおよび前記貫通穴は、同一線上にある、
バイオチップ検出装置。
【請求項2】
前記回転可能なバイオチップ支持フレームは、前記第1のシェルの前記保持キャビティの前記上部プレート上に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項3】
バイオチップが前記検出ゾーン上に設置されている、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記回転可能なバイオチップ支持フレームは、検出および/または分析すべきバイオチップを各々保持することができる複数の検出ゾーンを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記検出および/または分析の結果を出力するための出力ユニットをさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記出力ユニットは、前記第1のシェル上に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記光源は、前記第2のシェル上に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器は、前記第1のシェルの前記保持キャビティ内に配置され、前記貫通穴と整列する、請求項に記載の装置。
【請求項9】
1つ以上のマクロレンズをさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記1つ以上のマクロレンズは、前記第1のシェルの前記保持キャビティ内に配置される、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上のマクロレンズは、前記貫通穴と前記検出器との間に配置される、請求項または10に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上のマクロレンズは、前記貫通穴および前記検出器と同一線上にある、請求項11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記貫通穴と前記1つ以上のマクロレンズとの間に配置された1つ以上の光学フィルタをさらに備える、請求項12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のシェルの前記保持キャビティの前記上部プレート上に配置されるかまたは前記第1のシェルの前記保持キャビティの前記上部プレートに接続される回転軸をさらに備える、請求項に記載の装置。
【請求項15】
前記回転軸は、前記回転可能なバイオチップ支持フレーム上に配置されるか、または前記回転可能なバイオチップ支持フレームに接続される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記回転軸を回転させることができる駆動ユニットをさらに備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記駆動ユニットは、前記保持キャビティ内に配置される、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記駆動ユニットは、
前記回転軸に接続され、周囲に複数の突起を含む回転子と、
前記回転子の回転を駆動するための力を与えることができ、前記回転子の突起に嵌合するように構成され、前記保持キャビティから突出するプッシュロッドと、
前記プッシュロッドに接続され、前記プッシュロッドの位置をリセットして前記回転子を解放可能な付勢部材と、
前記保持キャビティの上部プレートの下面に接続され、前記回転子の突起に嵌合して回転子を一方向にスピンさせるネック部を含む回転子固定レバーと、
一端が前記回転子固定レバーに接続され他端が前記保持キャビティの上部プレートの下面に接続されるばねとを含む、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記プッシュロッドは、
前記保持キャビティの上部プレートの下面に配置された位置決めロッドと、
前記回転子の突起に嵌合係合可能な鋭利な先端と前記位置決めロッドに嵌合係合可能なシュートとを含む案内ロッドとを備え、前記案内ロッドは前記付勢部材に接続され、前記プッシュロッドはさらに、
一端が前記案内ロッドに接続され他端が前記保持キャビティから突出しているボタンを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記駆動ユニットは、前記回転子に接続されたダンパをさらに備える、請求項18または19に記載の装置。
【請求項21】
光源と、前記光源の周囲に配置された遮蔽板とをさらに備える、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置の検出ゾーン内にバイオチップを置くことを含む、バイオチップを検出および/または分析する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2014年12月24日にCN 104237544 Aとして公開された2014年9月28日に出願された中国特許出願第201410508609.X号に対する優先権を主張し、その内容はすべての目的のために引用により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、生化学およびバイオテクノロジーの分野に関する。特に、バイオチップのようなチップを検出および/または分析するための装置ならびに検出および/または分析のためにその装置を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
過去10年間の経済社会のフリートの発展に伴い、あらゆる種類の検出器の必要性が急速に高まっている。一方、材料科学、加工技術、マイクロエレクトロニクスの分野における画期的な進歩は、バイオチップ検出研究の進歩をまったく新しい段階に押し上げた。バイオチップ検出の応用は、少量のサンプルおよび/または試薬を処理する能力、サンプルおよび試薬の低消費、流体を制御する能力、高集積レベルならびに高速分析速度のために、多くの注目を集めている。それは生物学、医学および化学分野に広く適用されている。
【0004】
しかしながら、現在の従来のバイオチップ検出器および検出装置は、血液脂肪およびコレステロールなどの様々な生理学的指標に焦点を合わせ、一般に複雑な構造を有する。その体積が大きく、消費電力特性が高く、しかも価格が高いため、バイオチップ検査のコストが上昇することが多く、一般的および個人的な生化学的検出には有利ではない。
【0005】
したがって、解決すべき鍵となる問題は、携帯可能で安価なバイオチップ検出器を提供する方法である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
概要は、主張される主題の範囲を限定するために使用されることを意図していない。特許請求された主題の他の特徴、詳細、有用性、および利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲に開示された局面を含む詳細な説明から明らかになるであろう。
【0007】
一局面では、第1のシェルと、第1のシェルに接続された第2のシェルとを備え、第1のシェルと第2のシェルとは互いに係合して実質的に閉じたカートンを形成することができ、さらに、第1と第2のシェルとの間に位置するおよび回転可能な支持フレームを備え、回転可能な支持フレームは、検出および/または分析すべき対象物を保持することができる検出ゾーンを含み、さらに、検出器を備える装置が提供される。一実施形態では、第1のシェルは保持キャビティを含む。一実施形態では、保持キャビティは、第2のシェルに面する上部プレートを備える。別の実施形態では、回転可能な支持フレームは、第1のシェルの保持キャビティの上部プレート上に配置される。いくつかの局面では、上部プレートは、回転可能な支持フレームの検出ゾーンと整列することができる貫通穴を含む。
【0008】
一実施形態では、装置は、光源をさらに備える。いくつかの実施形態では、光源は、第1のシェルまたは第2のシェル上に配置される。他の実施形態では、光源および検出器は、回転可能な支持フレームの反対側に配置される。
【0009】
別の局面では、本明細書に開示される装置によって検出および/または分析される対象物は、バイオチップなどのチップを含む。一実施形態では、装置は、バイオチップなどのチップを検出および/または分析するための装置である。一実施形態では、回転可能な支持フレームは、各々が検出されるべき対象物および/または分析される対象物を保持することができる複数の検出ゾーンを含む。
【0010】
一実施形態では、装置は、検出および/または分析の結果を出力するための出力ユニットをさらに備える。一実施形態では、出力ユニットは、第1のシェルの保持キャビティ内などの、第1のシェル上に配置される。別の実施形態では、光源は、第2のシェル上に配置される。一実施形態では、検出器は、第1のシェルの保持キャビティ内に配置され、貫通穴と整列する。一実施形態では、第1のシェルと第2のシェルが互いに係合して実質的に閉じたカートンを形成するとき、検出器、光源、検出ゾーン、および貫通穴は同一線上にある。いくつかの実施形態では、第1および第2のシェルは互いに係合して閉じたカートンを形成する。
【0011】
1つの局面では、本明細書で開示される実質的に閉じたカートンは、カートン内の検出および/または分析が外部の環境因子、例えば光または温度によって影響されないように、カートンが閉じられることを意味する。いくつかの実施形態においては、検出および/または分析結果が、カートンが完全に閉じられているときの結果と比較して約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満異なるとき、カートンは実質的に閉じられている。
【0012】
1つの局面では、装置は、1つ以上のマクロレンズをさらに備える。一実施形態では、1つ以上のマクロレンズは、第1のシェルの保持キャビティ内に配置される。一実施形態では、1つ以上のマクロレンズは、貫通穴と検出器との間に配置される。別の実施形態では、1つ以上のマクロレンズは、貫通穴および検出器と同一線上にある。
【0013】
別の局面では、装置は、貫通穴と1つ以上のマクロレンズとの間に配置された1つ以上の光学フィルタをさらに備える。
【0014】
一実施形態では、装置は、第1のシェルの保持キャビティの上部プレート上に配置されるか、または第1のシェルの保持キャビティの上部プレートに接続される回転軸をさらに備える。一実施形態では、回転軸は、支持フレーム上に配置されるか、または支持フレームに接続される。
【0015】
一実施形態では、装置は、回転軸を回転させることができる駆動ユニットをさらに備える。一実施形態では、駆動ユニットは保持キャビティ内に配置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、駆動ユニットは、回転軸に接続された回転子であって、回転子の周囲に複数の突起を含む回転子と、回転子の回転を駆動する力を与えることができるプッシュロッドとを備え、プッシュロッドは回転子の突起を嵌合し、保持キャビティから突出するよう構成され、さらに、前記プッシュロッドに接続され、前記プッシュロッドの位置をリセットして前記回転子を解放可能な付勢部材と、前記保持キャビティの上部プレートの下面に接続された回転子固定レバーとを備え、回転子固定レバーは、回転子を一方向にスピンさせるように回転子の突起を嵌合することができるネック部を備え、さらに、一端が回転子固定レバーに接続され他端が保持キャビティの上部プレートの下面に接続されるばねを備える。
【0017】
一実施形態では、プッシュロッドは、保持キャビティの上部プレートの下面に配置された位置決めロッドと、回転子の突起に嵌合係合可能な鋭利な先端と位置決めロッドに嵌合係合可能なシュートとを含む案内ロッドとを備え、案内ロッドは付勢部材に接続され、さらに、一端が案内ロッドに接続され他端が保持キャビティから突出しているボタンを備える。
【0018】
一実施形態では、駆動ユニットは、回転子に接続されたダンパをさらに備える。一実施形態では、装置は、光源と、光源の周囲に配置された遮蔽板とをさらに備える。
【0019】
別の局面では、本開示の装置の検出ゾーンに対象物を置くことを含む、対象物を検出および/または分析する方法が本明細書で開示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の構造を示す構造図である。
図2】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の構造を示す構造図である。
図3】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の部分構造を示す図である。
図4】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の上部プレート構造を示す図である。
図5】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の回転軸接続構造を示す図である。
図6】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器の駆動構造を示す図である。
図7】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器のダンパに固定されたドライバ構造の構造図である。
図8】本開示の1つの局面によるバイオチップ検出器のドライバ構造を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
詳細な説明
特許請求された主題の1つ以上の実施形態の詳細な説明が、特許請求の範囲に記載された主題の原理を示す添付の図と共に以下に提供される。特許請求される主題は、そのような実施形態に関連して説明されるが、特定の実施形態に限定されない。特許請求の範囲に記載の主題は、様々な形態で実施されてもよく、多数の代替物、修正物および均等物を包含することが理解されるべきである。したがって、本明細書で開示された特定の詳細は、限定として解釈されるのではなく、むしろ請求項の基礎として、また当業者に特許請求された主題を実質的に任意の適切に詳細なシステム、構造、または態様で使用することを教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。本開示の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が以下の説明に示される。これらの詳細は、例示目的のために提供され、特許請求の範囲に記載された主題は、これらの特定の詳細の一部または全部を伴わずに、請求項に従って実施されてもよい。特許請求された主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的変更を行なうことができることを理解されたい。個々の実施形態の1つ以上に記載された様々な特徴および機能は、それらが記載されている特定の実施形態へのその適用性において限定されないことを理解されたい。むしろ、そのような実施形態が記載されているかどうか、またそのような特徴が記載された実施形態の一部として提示されるか否かにかかわらず、開示の1つ以上の他の実施形態に単独で、または組み合わせて適用され得る。明瞭にする目的で、特許請求の範囲に記載された主題に関連する技術分野において公知の技術的材料は、特許請求の範囲に記載された主題が不必要に不明瞭にならないように詳細には記載されていない。
【0022】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語、表記ならびに他の技術的および科学的用語または専門用語は、特許請求された主題が関係する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。場合によっては、一般的に理解される意味の用語が、明瞭化および/または容易な参照のために本明細書で定義され、ここにおけるこのような定義の包含は、当技術分野で一般的に理解されるものと実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に記載または参照される技術および手順の多くは、当業者による従来の方法論を使用してよく理解され、一般に採用されている。
【0023】
本出願で言及されたすべての刊行物は、あたかも個々の刊行物が個別に引用により援用されるのと同程度に、あらゆる目的のためにその全体が引用により援用される。
【0024】
すべての見出しは読者の便宜のためであり、そうであると特定されない限り、見出しに続く文章の意味を限定するよう使用されるべきではない。
【0025】
この開示を通して、特許請求される主題の様々な局面が範囲形式で提示される。範囲の形式の記載は、便宜上のものであり、簡潔さのためのものであり、特許請求する主題の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、ある範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な下位範囲および個々の数値を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、ある範囲の値が与えられている場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値およびその記載された範囲内の他の記載値または介在値は、特許請求される主題内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、記載された範囲内の任意の具体的に除外された限界を条件として、特許請求される主題内に包含されてもよい。記載された範囲に限界の1つまたは両方が含まれる場合、含まれる限界のいずれかまたは両方を除外した範囲も特許請求された主題に含まれる。これは範囲の幅に関係なく適用される。例えば、1〜6のような範囲の記載は、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、3、4、5および6を含む。
【0026】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、他に示されない限り、複数の参照を含む。例えば、「ある(a)」対象物は、1つ以上の対象物を含む。
【0027】
本明細書に記載された開示の局面および実施形態は、局面および実施形態「からなること」および/または局面および実施形態「から本質的になること」を含むことが理解される。
【0028】
本開示の他の目的、利点および特徴は、添付の図面と併せて以下の明細書から明らかになるであろう。
【0029】
本開示は、保持キャビティを有する第1のシェルを含み、第1のシェルが第2のシェルに接続されている、バイオチップ検出装置を提供する。1つの局面では、保持キャビティの上部プレートが第2のシェルに面している。1つの局面では、装置は、バイオチップを保持する検出ゾーンを有するバイオチップの回転可能な支持フレームをさらに含む。1つの局面では、支持フレームは上部プレート上にセットされ、上部プレートはさらに、検出ゾーンに面することができる貫通穴を有する。別の局面では、装置は、バイオチップのための光を供給する光源をさらに備え、光源は、第1のシェルまたは第2のシェルのいずれかにセットすることができる。1つの局面では、装置は、バイオチップの試験ゾーンを検出するバイオチップ検出器をさらに備え、検出器は、光源が配置される側に応じて、第1のシェルまたは第2のシェルのいずれかに配置される。1つの局面では、検出器および光源は、支持フレームの反対側にセットされる。1つの局面では、装置は、検出結果を出力する装置をさらに備え、出力装置またはユニットは、第1のシェルの保持キャビティ内に固定される。1つの局面では、バイオチップを最初にバイオチップ支持フレーム上に置くことができる。その後、試験ゾーンを貫通穴の下に露出させて、バイオチップ検出器の試験動作を可能にし、光源を要求に基づいて利用することができる。1つの局面では、装置は、構造の単純さ、相対的に小さな体積、および携帯可能性のような特徴を有し、バイオテックへのアクセスが制限された遠隔地での屋外操作が可能となり、適用範囲が広がる。
【0030】
1つの局面では、以下の構成要素の全部または一部を含むバイオチップ検出装置が本明細書に開示される:
2つの接続されたシェル、すなわち第1のシェルと第2のシェルとを有し、第1のシェルは保持キャビティを有し、保持キャビティの上部プレートは第2のシェルに面する。
【0031】
回転可能な支持フレーム−支持フレームは、バイオチップを保持する検出ゾーンを有し、上部プレートにセットされ、上部プレートは、検出ゾーンに面することができる貫通穴を有する。
【0032】
光源−光源は、第1のシェルまたは第2のシェルのいずれかにセットされるバイオチップのための照明を提供する。
【0033】
バイオチップ検出器−バイオチップ検出器は、バイオチップの検出ゾーンが光源が位置する側に応じて第1のシェルまたは第2のシェルのいずれかに配置されることを検出する。1つの局面では、検出器および光源は、支持フレームの反対側にセットされる。
【0034】
出力ユニットまたは装置−この装置は検出結果を出力し、第1のシェルの保持キャビティ内に固定される。
【0035】
1つの局面では、光源を第2のシェル上に配置することができ、バイオチップ検出器を貫通穴に面する第1のシェルの保持キャビティ内に配置することができる。
【0036】
1つの局面では、バイオチップ検出装置はさらに、第1のシェルの保持キャビティ内に固定された1つ以上のマクロレンズを含み、マクロレンズは貫通穴に面し、貫通穴と検出器との間にセットされる。
【0037】
1つの局面では、バイオチップ検出装置は、貫通穴とマクロレンズとの間に配置された光学フィルタも備える。
【0038】
1つの局面では、前記バイオチップ検出装置は、前記第1のシェルの前記保持キャビティの上部プレートにセットされた回転軸を備え、前記回転軸上に前記バイオチップ支持フレームが固定されている。
【0039】
1つの局面では、バイオチップ検出装置は、さらに、回転軸を回転させるための駆動装置を備え、駆動装置は保持キャビティ内に固定される。
【0040】
1つの局面では、駆動装置は、
回転軸に接続され、回転子の周囲に複数の突起が設けられた回転子と、
回転子の回転を駆動するために力を与えるサブアセンブリとして、回転子の突起に嵌合するように設計され、保持キャビティから突出するプッシュロッドと、
プッシュロッドに接続され、プッシュロッドの位置をリセットして回転子を解放する付勢部材と、
保持キャビティの上部プレートの下面に接続され、回転子の突起に嵌合して回転子を一方向にスピンさせるネック部を有する回転子固定レバーと、
一端が回転子固定レバーに接続され他端が保持キャビティの上部プレートの下面に接続されたばねとを備える。
【0041】
1つの局面では、プッシュロッドは、
保持キャビティの上部プレートの下面に固定された位置決めロッドと、
位置決めロッドに嵌合するシュートを有する回転子の突起に鋭利な先端が嵌合され、付勢部材に接続される案内ロッドと、
一端が案内ロッドに接続され他端が保持キャビティから突出しているボタンとを備える。
【0042】
1つの局面では、本明細書に開示される装置はさらに、回転子に接続されるダンパを備える。
【0043】
1つの局面では、本明細書に開示された装置は、光源の周辺に配置された遮蔽板も含む。
【0044】
さらに、先の実施形態のいずれかの装置の検出ゾーンに対象物を置くことを含む、対象物を検出および/または分析する方法が本明細書で提供される。
【0045】
1つの局面において、本開示は、構造が単純化され、体積が小さくなり、携帯性が高いバイオチップ検出装置を提供する。
【0046】
ここで開示された方法および装置の特徴は、図面を参照して本明細書に記載される。図1図8に示すように、いくつかの局面では、本開示は、第2のシェル(例えば、図1または図2の1)に接続された第1のシェル(例えば、図1または図2の2)を含む、あるタイプのバイオチップ検出装置を提供する。別の局面では、装置は、支持フレーム(例えば、図1または図2の5)をさらに備える。いくつかの実施形態では、支持フレームは、回転可能なバイオチップ支持フレームである。別の局面では、装置は、光源(例えば、図1または図2の6)をさらに備える。さらに別の局面において、装置は、検出器(例えば、図3の7)をさらに備える。さらに別の局面では、装置は、検出結果出力装置をさらに備える。
【0047】
1つの局面では、第1のシェルは保持キャビティを含む。いくつかの実施形態では、第1のシェルは、上部プレート(例えば、図1または図2の3)を含むカートン本体構造を含む。一実施形態では、第2のシェルは、例えば閉鎖システムを形成するために第1のシェルのカートン本体構造とインターロックするように構成されたカートンカバー構造を含む。1つの局面では、閉鎖システムは制御可能に閉鎖されたシステムであり、(システムを閉鎖するために)カートン本体構造と係合するよう、および/または(システムを開放するために)カートン本体構造から係合解除するよう、カートンカバー構造を制御することができる。いくつかの実施形態では、システムの閉鎖および/または開放の制御は自動化される。他の実施形態では、制御可能に閉鎖されたシステムは、汚染または環境温度変動などの外部要因による装置内の検出構造および/または反応に対する影響を回避または低減する。
【0048】
1つの局面では、支持フレーム(バイオチップの回転可能な支持フレームなど)は第1のシェルの上部プレート上にセットされる。いくつかの実施形態では、支持フレームは検出領域を含む。特定の実施形態では、検出領域は、バイオチップのような、分析および/または検出される対象物を各々保持することができる複数の検出ゾーンを含む。いくつかの実施形態において、支持フレームは、約1個〜約5個、約5個〜約10個、約10個〜約50個、約50個〜約100個、または約100個より多い検出ゾーンを含む。検出ゾーンは、同じまたは異なるサイズまたは形状とすることができる。また、複数の検出ゾーンにバイオチップ等の、同一または異なる種類のチップを設置することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示された装置は、各々が複数の検出ゾーンのうちの1つ上に位置する、複数の同じ物質または異なる物質の検出を可能にする。
【0049】
いくつかの実施形態では、バイオチップ支持フレームが固定されている第1のシェルの保持キャビティ内の上部プレート上に回転軸(例えば、図1または図2の4)がセットされる。いくつかの実施形態では、上部プレートは、検出領域の検出ゾーンに面することができる貫通穴(例えば、図4の8)を含む。検出プロセス中、いくつかの局面では、バイオチップ支持フレームを回転軸の周りで回転させることによって検出ゾーン(例えば、検出ゾーンに設置されたバイオチップを有する)が貫通穴に面するように検出領域を調整することができる。このようにして、検出器は貫通穴を通してバイオチップの検出および/または分析を開始することができる。支持フレームに取り付けられたバイオチップは、支持フレームと共に回転する。
【0050】
バイオチップの検出および/または分析のための光およびバイオチップ上の反応を与えるために、いくつかの実施形態では、光源が提供される。任意の適切な光源、例えば、レーザビームまたは発光ダイオード(LED)を使用することができる。いくつかの実施形態では、光源はランプまたは自然光である。光源が通常のランプビーズの場合、光源はバイオチップを照射し、バイオチップからの情報を受け取る検出器によって発色反応(生化学反応など)が検出され、検出プロセスが完了する。いくつかの実施形態では、検出器は、試験を必要とするバイオチップの部分に関する情報を検出するために使用される。いくつかの実施形態では、検出器は、第1のシェルまたは第2のシェルのいずれかにセットされ、光源は、検出器および光源がバイオチップの異なる側にあるように他方のシェルにセットされる。
【0051】
1つの局面では、検出結果出力装置は有線または無線である。いくつかの実施形態では、出力装置は、第1のシェルの保持キャビティ内に取り付けられる。いくつかの実施形態では、無線出力装置はブルートゥース(登録商標)に基づいている。他の実施形態では、有線出力装置はUSBポータルを含む。必要に応じて、任意の適切な出力装置を使用することができる。
【0052】
1つの局面では、バイオチップは支持フレーム上に置かれ、この装置が動作するために試験ゾーンが貫通穴に面し、検出器はバイオチップの試験部分を検出および/または分析する。別の局面では、光源は要求に応じて利用される。例えば、光源は、検出および/または分析が開始されるときに、手動または自動のいずれかでオンにすることができる。1つの局面では、バイオチップ中のサンプル(例えば、バイオマス、組織、細胞、ウイルス、分子複合体、または生体分子)の検出および/または分析は、光源および検出器が同一線上にあることを必要とする。いくつかの局面では、本明細書に開示された装置は、バイオテックへのアクセスが制限された遠隔地での屋外操作を可能にする構造上の単純さ、相対的に小さな体積、および大きな携帯性を有し、それによって適用範囲が広がる。
【0053】
1つの局面において、光源は、第2のシェル上にセットまたは取り付けられ、検出器は第2のシェルの保持キャビティ内にセットまたは取り付けられ、検出器は貫通穴に面する。いくつかの局面では、第1のシェルと第2のシェルとがヒンジ結合されているので、第1のシェルと第2のシェルとが互いに係合して、例えば、光源が検出器およびバイオチップの試験領域と同時に同一線上にあることを確実にする封止されたケーシングを形成し、そのとき、2つのシェルを座屈させてカートンを形成する。光源および検出器の位置は入れ替え可能である。
【0054】
さらなる局面では、レンズ光路に基づく光学装置を使用することを避けるために、本開示で提供されるバイオチップ検出器は、貫通穴に面し、第1のシェルの保持キャビティ内に固定されたマクロレンズ(例えば、図3の17)を備える。特定の実施形態では、マクロレンズは、検出器と上部プレートの貫通穴との間に配置される。特定の実施形態では、マクロレンズは、顕微鏡サンプルを検出する目的を達成するために対象物(例えば、バイオチップ内のサンプル)を拡大する。1つの局面では、マクロレンズのような小さな体積の装置が、検出および/または分析されるべき対象物を増幅するために使用される。一実施形態では、マクロレンズは、より高い倍率を得るために、光学レンズの組み合わせまたは組み合わせの形態であってもよい。
【0055】
別の局面では、本明細書に開示される装置は、貫通穴とマクロレンズとの間に配置される光学フィルタ(例えば、図3の18)を備える。この装置は、光源が共通の光源である場合に発色による生化学反応を試験するために使用することができるが、異なる波長による検出が必要な場合には、1つ以上の光学フィルタを用いて光源をフィルタ処理して、所望の波長の、または所望の波長範囲内にある光を得る。例えば、被験物質が核酸を含む場合、核酸の検出のために光学フィルタを用いて260nmの波長の光を得ることができる。
【0056】
生体反応を試験することに加えて、この装置は、細胞計数および/または選別のような多くの他の分野でも使用することができる。いくつかの局面では、バイオチップのユニット内のサンプルは、1つ以上の生体物質、例えば核酸、タンパク質、脂質、および炭水化物を含み得、サンプル内の異なる生体物質の検出および/または分析は、異なる波長の光のような異なる屈折率を使用して、同時にまたは逐次的に行われ得る。チップを用いて検出および/または分析するのに適した任意の化学的または生体反応は、本開示の範囲内である。
【0057】
さらなる実施形態では、本明細書に開示される装置は、バイオチップ支持フレームが固定される第1のシェルの保持キャビティにおける上部プレート上にセットされた回転軸(例えば、図1または図2の4)を含む。1つの局面では、回転軸は支持フレームに接続され、回転軸および支持フレームの同期回転が、回転軸のそれ自体の軸の周りの回転によって達成される。1つの局面では、回転軸の軸の周りの支持フレームの回転は、支持フレームの異なる試験ゾーン(および試験ゾーンに配置されたチップ)を、チップの検出および/もしくは分析、またはチップの異なる位置での検出および/もしくは分析のために、上部プレートの貫通穴(例えば、図4に示すような上部プレート3の貫通穴8)に晒す。1つの局面では、支持フレームは回転軸に固定され、支持フレームおよび回転軸は全体として上部プレートに対して回転する。あるいは、回転軸は、上部プレートを伴う相対的に固定された構造であり(例えば、上部プレートおよび回転軸は全体として回転する)、支持フレームは回転軸を中心に回転することができる。前述の実施形態のいずれにおいても、軸受接合部を使用して、上部プレートに対する支持フレームの回転を実現することができる。軸受は、回転軸と直進軸とを備えることができる。
【0058】
さらに別の局面では、本明細書で開示される装置は、回転軸を作動させる駆動装置を備える。一実施形態では、駆動装置は、第1のシェルの保持キャビティ内にセットされる。1つの局面では、駆動装置は、ステッピングモータなどのモータを備える。
【0059】
前述の実施形態のいずれにおいても、本明細書に開示される装置は、回転軸に接続された回転子(例えば、図6または図8の11)と、回転子を回転させるためのプッシュロッド(例えば、図6の21)と、プッシュロッドを元の位置に戻す付勢部材(例えば、図6の14)と、回転子を固定する回転子固定レバー(例えば、図6または図8の13)と、ばね(例えば、図6の15)とを含む。特定の実施形態では、様々な構成要素の構成は以下の通りである。
【0060】
1つの局面では、回転軸は、結合軸(例えば、図5の16)によって保持キャビティ内に収容された回転子に接続され、回転子の周囲にはいくつかの突起があり、それらは、回転子を駆動して回転させるよう、応力をかけられたサブアセンブリである。力を与えるためのサブアセンブリとして、プッシュロッドは回転子の突起に嵌合するように設計されている。プッシュロッドを押すプロセスは、回転子の回転をもたらし、回転軸の回転をさらに駆動し、これにより支持フレームの回転に至る。1つの局面では、手動操作を容易にするために、プッシュロッドの一端が保持チャンバから突出する。プッシュロッドを駆動するには、オペレータは、プッシュロッドを保持チャンバに向けて押して、装置を作動させるだけでよい。別の実施形態では、プッシュロッドに接続された付勢部材は、回転子を解放するためにプッシュロッドの位置をリセットすることができる。1つの局面では、付勢部材は、動作の利便性のために、プッシュロッドを、収容するキャビティから再突出させる。これは、1つの局面では、オペレータがプッシュロッドを押した後にプッシュロッドと回転子とを分離して、プッシュロッドが次の突起と吻合することができるようにする必要があるからである。特定の実施形態では、付勢部材は、戻しばねなどのばねを含む。
【0061】
さらなる局面では、回転子固定レバーは、上部プレートの下表面に接続され、回転子固定レバーは、回転子の突起に嵌合することができるネック部を備える。上部プレートの下面に接続されていない回転子固定レバーの他端は、ばね(例えば、図6の15)、例えば、ばねの一端に接続されている。1つの局面では、ばねの他端は、保持キャビティの上部プレートの下面に接続されている。回転子が回転しているとき、つまりネック部および突起が分離されているとき、ばねは回転子固定レバーを緊張させて、ネック部凸部を張力で次の突起と嵌め合わせる。回転子固定レバーとばねとの協調動作は、ラチェットポール構造に類似している回転子の単一方向の回転を確実にする。オペレータは、参照としてラチェットポール構造を使用して装置を設定することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、バイオチップ支持フレームの一部は、第1のシェルおよび第2のシェルの閉じたカートンから突出することができ、それは、バイオチップ支持フレームの半径は、回転軸と第2のシェルの一方のフリンジと間の距離よりも大きくすることができることを意味する。必要なときにオペレータが手動でバイオチップ支持フレームを回転させることができる。回転軸を回転させることができる他の構造は、本開示の範囲内である。いくつかの実施形態では、駆動装置が使用される場合、バイオチップ支持フレームは、支持フレームと外部の物質または構造との衝突を防止するために、第1のシェルおよび第2のシェルにより形成された閉じたカートン内に完全に位置することができる。
【0063】
さらなる実施形態では、プッシュロッドは、位置決めロッド(例えば、図6の20)、案内ロッド(例えば図6の10)、およびボタン(例えば図6の9)を備える。1つの局面では、位置決めロッドは、保持キャビティの上部プレートの下面に固定される。別の局面では、案内ロッドは、位置決めロッドと嵌合するシュートを備え、それは、上部プレート上にセットされる位置決めロッドによる案内ロッドの移動の案内および制御を可能にする。回転子を駆動するために、1つの局面では、案内ロッドは、回転子の突起に嵌合される鋭利な先端を含み、その先端部分は突起と衝突して回転子を案内ロッドの移動により回転させることができる。さらなる実施形態では、付勢部材は、案内ロッドに接続される。1つの局面では、案内ロッドを駆動する力が解放されると、案内ロッドが自動的に、付勢部材の復元力により、回転子から取り外される。さらに、操作を容易にするために、1つの局面では、プッシュロッドはさらに、ボタンを含み、その一端は案内ロッドに接続され、他端は保持キャビティから突出する。1つの局面では、オペレータは、回転子をステップ駆動するのに、ボタンを押して解放するだけでよい。
【0064】
1つの局面では、本明細書に開示されたバイオチップ検出器の駆動装置は、回転子の回転速度を制御または低減するために回転子の回転を緩衝することができる、回転子に接続されたダンパ(たとえば、図7または図8の12)を含む。
【0065】
1つの局面では、本明細書に開示された装置は、光源の周囲に配置される遮蔽板を含む(例えば、図1または図2の19)。1つの局面では、遮蔽板は、エッジ効果の発生を回避するために、光源の周辺光線を遮断する機能を有する。いくつかの実施形態では、光源の下で遮蔽板を介して形成される光スポットの直径は、検出ゾーンの直径よりも大きい。
【0066】
特定の実施形態では、検出器は、カメラ、もしくはカメラを含むカメラシステム、画像処理ユニット、および/または表示ユニットを備える。いくつかの実施形態では、バイオチップ検出装置の光源およびカメラが、機能するための電力を必要とする唯一の装置であるので、装置は、電源ソケットまたは通常の外部バッテリのいずれかからその電力供給を得ることができる。具体的な実施形態では、検出および/または分析されるべき物質または目標が、それ自体発光することが可能な場合には、光源は、検出または分析のために必要とされなくてもよい。
【0067】
特定の実施形態では、本明細書に開示された装置は、発色反応に基づいてサンプルを検出および/または分析するために使用することができる。特定の実施形態では、本明細書に開示される装置は、色または色の変化、例えばサンプルの色特性値(CCV)または反応によるサンプルのCCVにおける変化に基づいて、サンプルを検出および/または分析するために使用することができる。
【0068】
特定の一実施形態では、血糖が関与する反応のための1つ以上の試薬がバイオチップ(例えば、バイオチップの反応ユニット)に配置され、発色反応は、サンプルを添加した後、バイオチップで生じてもよい。反応の色変化は、その後、検出することができる。その後、オペレータは、支持フレーム上にバイオチップを置き、第1のシェルを閉じ、装置を電源に接続し、光源をオンにしてLEDランプとカメラとをオンし、そしてバイオチップを保持しているバイオチップ支持フレームを回転させることができ、その一方で、カメラは、バイオチップおよびその反応ユニットを検出ゾーンを介してリアルタイムで監視し、データを記録し、分析を実行する。
【0069】
いくつかの実施形態では、バイオチップの検出装置は、サンプル中の核酸の濃度を判断するために使用される。例えば、260nmの波長の光源を、光学フィルタを使用して得ることができる。核酸の検出に関連付けられる試薬が、バイオチップ試験ゾーンに配置される。バイオチップにサンプルを加えた後、オペレータは、支持フレームにバイオチップを固定し、第2のシェルを閉じて、装置を電源に接続し、光源をオンにしてLEDランプおよびカメラをオンにし、第1のシェルの側面においてボタンを押してバイオチップを回転させることができる。ボタンをクリックするごとに、1つの試験ゾーンを次の試験ゾーンに切り替える1回のバイオチップの回転が生じる。一方、カメラは、検出ゾーンを介してバイオチップを監視し、データを記録し、および分析を行なう。
【0070】
1つの局面では、本明細書で開示されるのは、第1のシェルと、第1のシェルに接続された第2のシェルと含む装置であって、第1および第2のシェルは、実質的に閉じたカートンを形成するために互いに係合可能である。1つの局面では、装置はさらに、第1のシェルと第2のシェルとの間に位置する回転可能な支持フレームを備える。1つの局面では、回転可能な支持フレームは、検出および/または分析すべき対象物を保持することが可能な検出ゾーンを備える。先行する実施形態のいずれでも、装置は、さらに検出器を備えることができる。
【0071】
先行する実施形態のいずれにおいても、第1のシェルは、保持キャビティを備えることができる。
【0072】
先行する実施形態のいずれにおいても、保持キャビティは第2のシェルに面する上部プレートを含むことができる。
【0073】
先行する実施形態のいずれにおいても、回転可能な支持フレームは、第1のシェルの保持キャビティの上部プレート上に配置することができる。
【0074】
先行する実施形態のいずれにおいても、上部プレートは、回転可能な支持フレームの検出ゾーンと整列することが可能な貫通穴を備えることができる。
【0075】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置はさらに光源を備えることができる。
先行する実施形態のいずれにおいても、光源は、第1のシェルまたは第2のシェル上に配置することができる。
【0076】
先行する実施形態のいずれにおいても、光源および検出器は、回転可能な支持フレームの反対側に配置することができる。
【0077】
先行する実施形態のいずれにおいても、対象物は、バイオチップなどのチップを含むことができる。
【0078】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、バイオチップのようなチップを検出および/または分析するためのものであることができる。
【0079】
先行する実施形態のいずれにおいても、回転可能な支持フレームは、検出および/または分析すべき対象物を各々保持することができる複数の検出ゾーンを備えることができる。
【0080】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、さらに、検出および/または分析の結果を出力するための出力ユニットを備えることができる。
【0081】
先行する実施形態のいずれにおいても、出力ユニットは、第1のシェルの保持キャビティにおけるような、第1シェル上に配置することができる。
【0082】
先行する実施形態のいずれにおいても、光源は、第2のシェル上に配置することができ、検出器は、第1のシェルの保持キャビティ内に配置され、貫通穴に整列することができる。
【0083】
先行する実施形態のいずれにおいても、第1および第2のシェルが実質的に閉じたカートンを形成するために互いに係合したときに、検出器、光源、検出ゾーン、および貫通穴は同一線上にあることができる。
【0084】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、1つ以上のマクロレンズを備えることができる。
【0085】
上記の実施形態のいずれにおいても、1つ以上のマクロレンズは、第1のシェルの保持キャビティ内に配置することができる。
【0086】
上記の実施形態のいずれにおいても、1つ以上のマクロレンズは、貫通穴と検出器との間に配置することができる。
【0087】
上記の実施形態のいずれにおいても、1つ以上のマクロレンズは、貫通穴と検出器と同一線上にあることができる。
【0088】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、貫通穴と1つ以上のマクロレンズとの間に配置された1つ以上の光学フィルタを備えることができる。
【0089】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、さらに、第1のシェルの保持キャビティの上部プレート上に配置されるかまたはそれに接続される回転軸を備えることができる。
【0090】
先行する実施形態のいずれにおいても、回転軸は、支持フレーム上に配置され得るか、またはそれに接続されることができる。
【0091】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、回転軸を回転させることができる駆動ユニットを備えることができる。
【0092】
先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、保持キャビティ内に配置することができる。
【0093】
先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、回転軸に接続された回転子を備えることができ、回転子は、回転子の周囲に複数の突起を備える。先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、さらに、回転子の回転を駆動するための力を与えることが可能であるプッシュロッドを含むことができ、プッシュロッドは、回転子の突起に嵌合し、保持キャビティから突出するように構成される。先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、さらに、回転子を解放するためにプッシュロッドの位置をリセットすることが可能な、プッシュロッドに接続された付勢部材を備えることができる。先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、保持キャビティの上部プレートの下面に接続された回転子固定レバーを含むことができ、回転子固定レバーは、回転子の突起を嵌合することが可能なネック部を備え、一方向に回転子をスピンさせる。先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、さらに、一端が回転子固定レバーに接続され他端が保持キャビティの上部プレートの下面に接続されるばねを備えることができる。
【0094】
先行する実施形態のいずれにおいても、プッシュロッドは、保持キャビティの上部プレートの下面に配置された位置決めロッドを備えることができる。先行する実施形態のいずれにおいても、プッシュロッドはさらに回転子の突起に嵌合係合可能な鋭利な先端を含む案内ロッドを備えることができる。先行する実施形態のいずれにおいても、プッシュロッドは位置決めロッドと嵌合係合可能なシュートを備えることができ、案内ロッドは付勢部材に接続される。先行する実施形態のいずれにおいても、プッシュロッドは、一端が案内ロッドに接続され他端が保持キャビティから突出しているボタンを備えることができる。
【0095】
先行する実施形態のいずれにおいても、駆動ユニットは、回転子に接続されたダンパを備えることができる。
【0096】
先行する実施形態のいずれにおいても、装置は、光源と、光源の周囲に配置された遮蔽板とを備えることができる。
【0097】
いくつかの局面において、本明細書で提供されるのは対象物を検出および/または分析する方法である。いくつかの実施形態において、この方法は、先行する実施形態のいずれかの装置の検出ゾーンにおいて対象物を置くことを含む。
【0098】
さらなる実施形態は、本開示を例示するために本明細書において提供される。
実施形態1:バイオチップ検出装置は以下を特徴とする。
【0099】
2つの接続されたシェル:保持キャビティを伴う第1のシェル[2]、および第2のシェル[1]。保持キャビティの上部プレート〔3〕は第2のシェル[1]に面する。
【0100】
上部プレートにセットされているバイオチップを保持する検出ゾーンを有する、バイオチップの回転可能な支持フレーム[5]。上部プレート[3]はさらに、検出ゾーンに面することができる貫通穴[8]を有する。
【0101】
第1のシェル[2]または第2のシェル[1]のいずれかにセットされるバイオチップ用の照明を提供する光源[6]。
【0102】
バイオチップの試験領域を検出するバイオチップ検出部[7]は、光源が配置される側に応じて、第1のシェル[2]または第2のシェル[1]のいずれかに配置される。同時に、検出器[7]および光源[6]は、支持フレーム[5]の反対側にセットされる。
【0103】
第1のシェル[2]の保持キャビティ内に固定された、検出結果を出力する装置。
実施形態2:光源[6]は、第2のシェル[1]上に配置され、バイオチップ検出器[7]は第1のシェル[2]の保持キャビティ内に配置され、貫通穴[8]に面する、実施形態1に記載のバイオチップ検出器。
【0104】
実施形態3:装置は、さらに、第1のシェル[2]の保持キャビティ内に固定されるマクロレンズ[17]を含み、マクロレンズ[17]は貫通穴[8]に面し、貫通穴[8]と検出器[7]との間にセットされる、実施形態2に記載のバイオチップ検出器。
【0105】
実施形態4:光学フィルタ[18]が、貫通穴[8]とマクロレンズ[17]との間にセットされている、実施形態3に記載のバイオチップ検出器。
【0106】
実施形態5:回転軸[4]は第1のシェル[2]の保持キャビティの上部プレート[3]上にセットされ、バイオチップ支持フレーム[5]は回転軸[4]上に固定される、実施形態1に記載のバイオチップ検出器。
【0107】
実施形態6:回転軸[4]を回転させるために使用される駆動装置が、保持キャビティ内に固定されている、実施形態5に記載のバイオチップ検出装置。
【0108】
実施形態7:駆動装置は、さらに、
回転軸[4]に接続された回転子[11]であって、回転子[11]の周囲に複数の突起がある回転子[11]と、
回転子[11]の回転を駆動するために力を与えるサブアセンブリとして、回転子[11]の突起に嵌合するように設計され、保持キャビティから突出するプッシュロッド[21]と、
回転子[11]を解放するためにプッシュロッドの位置をリセットする、プッシュロッド[21]に接続された付勢部材[14]と、
保持キャビティの上部プレートの下面に接続され、回転子[11]の突起に嵌合して回転子を一方向にスピンさせるネック部を有する回転子固定レバー[13]と、
一端が回転子固定レバー[13]に接続され他端が保持キャビティの上部プレートの下面に接続されたばね[15]とを備える、実施形態6に記載のバイオチップ検出装置。
【0109】
実施形態8:プッシュロッド[21]は、
保持キャビティの上部プレートの下面に固定された位置決めロッド[20]と、
位置決めロッド[20]と嵌合するシュートを有する回転子の突起に鋭利な先端が嵌合され、付勢部材[14]に接続される案内ロッド[10]と、
一端が案内ロッド[10]に接続され他端が保持キャビティから突出しているボタン[9]とを備える、実施形態7に記載のバイオチップ検出装置。
【0110】
実施形態9:バイオチップ検出器の駆動装置は、回転子[11]に接続されたダンパ[12]をさらに備える、実施態様7に記載のバイオチップ検出装置。
【0111】
実施形態10:バイオチップ検出器はさらに、光源[6]の周囲に配置された遮蔽板[19]を含む、実施形態1〜9のいずれかに記載のバイオチップ検出装置。
【0112】
本開示の装置における様々な実施形態は、進歩的な態様で記載される。様々な実施形態の共通の構造は記載から参照することができる一方で、様々な実施形態の違いは、その仕様において強調される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8