特許第6656245号(P6656245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656245
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】シリコーン化合物
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/26 20060101AFI20200220BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20200220BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20200220BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20200220BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20200220BHJP
   C08G 77/388 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   C08G77/26
   C11D3/50
   C11D17/04
   C11D3/37
   C11B9/00 Z
   C08G77/388
【請求項の数】11
【全頁数】79
(21)【出願番号】特願2017-525098(P2017-525098)
(86)(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公表番号】特表2018-500405(P2018-500405A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】US2015060256
(87)【国際公開番号】WO2016077513
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年5月9日
(31)【優先権主張番号】62/079,730
(32)【優先日】2014年11月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/136,652
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/175,455
(32)【優先日】2015年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/184,977
(32)【優先日】2015年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100187207
【弁理士】
【氏名又は名称】末盛 崇明
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン、ケシャブ、パナンディカー
(72)【発明者】
【氏名】バーナード、ウィリアム、クルスナー
(72)【発明者】
【氏名】ラファエル、トルヒーリョ
(72)【発明者】
【氏名】ザイユウ、リウ
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ、アン、ランジュバン
【審査官】 中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第99/046318(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0016636(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/202591(WO,A1)
【文献】 特表2000−510527(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0120657(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/128549(WO,A1)
【文献】 特開平10−237175(JP,A)
【文献】 特開昭54−059498(JP,A)
【文献】 国際公開第1996/028497(WO,A1)
【文献】 特表2016−531166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 77/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン部分及び有益剤部分を含むシリコーン化合物であって、前記シリコーン化合物が下記の式を有する、シリコーン化合物。
[RSiO1/2(j+2l+2)[RSiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2
式中、
a)jは、0〜150の整数であり;
b)mは、250〜1500の整数であり;
c)lは、0〜150の整数であるが;
但し、j+m+lは、1以上の整数に等しく、部分R〜Rのうちの少なくとも1つ=X−Zであることを条件とし;
d)R、R、R、R、R及びR部分のそれぞれは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ及びC〜C32置換アルコキシ並びにX−Zからなる群から独立して選択され;
(i)各Xは、独立して、酸素,又は2〜12個の炭素原子を含む置換若しくは非置換二価アルキレンラジカルであり;
(ii)各Zは、以下からなる群から独立して選択され:R9,
【化1】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Yは、独立して、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり;
但し、少なくとも1つのZ部分は、R又はRを含むZ部分であり、X−Z部分のそれぞれに関してXが酸素の場合、前記X−Z部分のZ部分は、Rであることを条件とし;
少なくとも1つのZ部分が以下である。
【化2】
【請求項2】
各Zが以下からなる群から独立して選択される:R9,
【化3】
請求項1に記載のシリコーン化合物。
【請求項3】
少なくとも1つのX=酸素である、請求項1又は2に記載のシリコーン化合物。
【請求項4】
a)jが、0〜150の整数であり;
b)lが、0〜150の整数であり;
c)mが、250〜400の整数である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーン化合物。
【請求項5】
各Xが、独立して、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり、;各Zが、以下から独立して選択され:
【化4】
jが、0〜40の整数であり;
lが、0〜20の整数であり;
mが、250〜400の整数である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコーン化合物。
【請求項6】
シリコーン部分及び有益剤部分を含むシリコーン化合物であって、前記シリコーン化合物が下記の式を有する、シリコーン化合物。
[RSiO1/2(j+2l+2)[RSiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2
式中、
a)jが、0であり;
b)mが、250〜750の整数であり;
c)lが、0であるが;
但し、j+m+lは、1以上の整数に等しく、部分R〜Rのうちの少なくとも1つ=X−Zであることを条件とし;
d)R、R、R、Rのそれぞれが、Cアルキルであり;R部分の99.3%〜99.7%がCアルキル部分であり;残りのR部分は、X−Z部分であり; (i)各Xが、3個の炭素原子を含む非置換二価アルキレンラジカルであり;
(ii)各Zが、以下からなる群から独立して選択され,
【化5】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択される。
【請求項7】
前記有益剤部分が、シリコーン、香料原料、防臭剤、臭い中和剤、悪臭物、精油、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アルコール、グリコール、シリコーン炭化水素、環式炭化水素、アルデヒド化合物、テルピン、殺虫剤、防虫剤、農薬、抗菌剤、抗真菌剤、除草剤及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコーン化合物。
【請求項8】
前記有益剤部分が、ビニルエーテル化合物、ケトン化合物、ヒドロキシル化合物、アルデヒド化合物、チオール化合物、カルボキシル化合物、シラノール化合物、アルコキシ化合物、アセトキシ化合物及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む有益剤のフラグメントである、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリコーン化合物。
【請求項9】
消費者製品であって、
a.)0.001%〜10%の、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコーン化合物と;
b.)消費者製品成分とを含む、消費者製品。
【請求項10】
部位の処理及び/又は清浄方法であって、
a.)前記部位を場合により洗浄及び/又はすすぐことと;
b.)前記部位を請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコーン化合物及び/又は請求項9に記載の消費者製品と接触させることと;
c.)前記部位を場合により洗浄及び/又はすすぐことと、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコーン化合物及び/又は請求項9に記載の消費者製品で処理された部位。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、シリコーン化合物、組成物、かかるシリコーン化合物を含むパッケージ化製品及びディスプレイ、並びに、かかる有益剤送達組成物及び、かかる有益剤送達組成物を含む組成物、パッケージ化製品及びディスプレイを製造及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
香料、光沢剤、昆虫忌避剤、シリコーン、ワックス、香味料、ビタミン、及び布地柔軟化剤、スキンケア剤のような有益剤は、高価であり、パーソナルケア組成物、清浄組成物、及び布地ケア組成物において高濃度で使用される場合に効果が弱いことがある。結果として、このような有益剤の効率を最大限にすることが望ましい。かかる目的を達成する1つの方法は、かかる有益剤の送達効率を改善することである。残念ながら、このような薬剤の物理的特性又は化学的特性が失われる恐れがあるか、このような薬剤が、他の組成成分又は処理される部位と不適合である恐れがあるか、又はこのような薬剤がすすぎ若しくは乾燥などの適用後の処理中に失われる恐れがある場合、有益剤の送達効率を改善するのは難しい。有益剤の送達効率を改善するために、当業界は、香料アミン化合物及び香料チオール化合物を開発した。それらの化合物は、アルデヒド部分及び/又はケトン部分を含む香料と、一級アミン、二級アミン、及び/又はチオール部分からなる担体との反応の結果であった。残念ながら、それらの化合物は、該化合物がアルデヒド又はケトン部分を含む香料に限定されるため、限定された香りしか提供できない。加えて、それらの化合物は、該化合物が所望通りに効率よく部位に付着しなかったため、所望通りの有効性を有さなかった。
【0003】
本出願人らは、それらの化合物の香料としての限界は、担体反応部位のタイプ及びレベルに起因する一方、付着の問題は化合物の担体の水溶性に起因するものと認識した。したがって、本出願人らは、多様な反応部位(cite)タイプ及び数に適合できる、より疎水性の担体を頼りとした。その結果として、本明細書に開示されるシリコーン化合物は、数々の香料タイプの使用を可能にし、衣服などの品目に高い効率で付着する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
シリコーン化合物、かかるシリコーン化合物を含む組成物、かかるシリコーン化合物を含むパッケージ化製品及びディスプレイ、並びに、かかるシリコーン化合物を製造及び使用する方法、並びに、かかるシリコーン化合物を含む組成物、パッケージ化製品及びディスプレイを開示する。
【発明を実施するための形態】
【0005】
定義
本明細書において使用する場合、「消費者製品」は、販売される形態での使用又は消費を意図し、後続する商業的製造又は修正を意図しない、ベビーケア、ビューティケア、布地及びホームケア、ファミリーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、スナック及び/若しくは飲料製品、又は装置を意味する。こうした製品には、限定されるものではないが、おむつ、胸当て、ワイプ;毛髪(ヒト、犬、及び/又はネコ)を処理するための製品、及び/又はその処理に関連する方法のための製品(漂白、着色、染色、コンディショニング、シャンプー、スタイリングを含む);デオドラント及び制汗剤;パーソナルクレンジング;化粧品;消費者使用のためのクリーム、ローション、及び局所的に適用される他の製品の用途を含むスキンケア;並びにシェービング製品、布地、硬質表面、及び布地及びホームケア分野のその他の任意の表面の処理用の製品及び/又はそれに関連する方法であって、空気のケア、カーケア、食器洗浄、布地のコンディショニング(柔軟化を含む)、洗濯洗剤、洗濯及びすすぎ用補助剤及び/又はケア、硬質表面清浄及び/又は処理、並びに消費者又は事業者によるその他の清浄用のものを含むもの;トイレットペーパー、ティッシュ、紙製ハンカチ、及び/又はペーパータオルに関連する製品及び/又は方法;タンポン、女性用ナプキン;口腔ケアに関連する製品及び/又は方法であって、練り歯磨き、歯磨きジェル、歯すすぎ剤、入れ歯粘着剤、歯ホワイトニング剤を含むもの;市販のヘルスケア剤であって、咳止め及び風邪薬、鎮痛剤、RX医薬、ペットの健康及び栄養剤、並びに浄水剤を含むもの;主として、通常の食事の合間に摂るため又は食事に添えて食べるための加工食品製品(例としては、ポテトチップス、トルティーリャチップス、ポップコーン、プレッツェル、コーンチップス、シリアルバー、野菜チップス又はクリスプ、ミックススナック、パーティーミックス、マルチグレインチップス、クラッカースナック、チーズスナック、豚皮、コーンスナック、小球状スナック、押出し製造スナック、及びベーグルチップスが挙げられるがこれらに制限されない);並びにコーヒーが挙げられる。
【0006】
本明細書において使用する場合、「清浄及び/又は処理組成物」という用語は、別途記載のない限り、顆粒若しくは粉末状の、汎用又は「ヘビーデューティー」洗浄剤、特に、清浄用洗剤;液体、ゲル、又はペースト状の汎用洗浄剤、特に、いわゆる、ヘビーディーティー液体タイプのもの;きめの細かい布地用液体洗剤;手洗い用食器洗剤又はライトデューティー食器洗剤、特に高発泡タイプのもの;食器洗い機用洗剤であって、家庭用及び業務用の、様々な、タブレット状、粒状、液体、及びすすぎ時の泡切れ向上タイプを含む洗剤;液体清浄剤及び殺菌剤(抗菌性手洗いタイプ、清浄用バー、口腔洗液、義歯清浄剤、口中洗浄薬、車又はカーペット用シャンプー、浴室用清浄剤;毛髪用のシャンプー及びリンス剤;シャワー用ジェル、並びに浴室用及び金属用泡状洗浄剤;並びに漂白添加剤及び「ステインスティック」又は前処理タイプなどの清浄補助剤、ドライヤー添加シート、乾燥及び湿潤ワイプ及びパッド、不織布基材、並びにスポンジなどの基材付き製品;並びにスプレー及びミストを含む。
【0007】
本明細書において使用する場合、用語「布地ケア組成物」は、別途記載のないかぎり、布地柔軟化組成物、布地増強組成物、布地フレッシュニング組成物、及びこれらの組合せを含む。
【0008】
本明細書において使用する場合、用語「アミン」は、別途記載のない限り、一級、二級、三級、及び四級アミンを含む。
【0009】
本明細書において使用する場合、「a」及び「an」のような冠詞は、特許請求の範囲で使用されるときには、1以上の請求又は記載されるものを意味するものと理解される。
【0010】
本明細書において使用する場合、「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」という用語は、「含むが、これらに限定されない」という言い回しと同義であることを意味する。
【0011】
本明細書において使用する場合、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0012】
本明細書において使用する場合、用語「部位」は、紙製品、布地、衣服、硬質表面、毛髪及び皮膚を含む。
【0013】
別途指定されない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、当該構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶剤又は副生成物は除外される。
【0014】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0015】
本明細書の全体を通して記載される全ての最大数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そのようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、より高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を、そのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
【0016】
シリコーン化合物
シリコーン部分及び有益剤部分を含むシリコーン化合物を開示する。
【0017】
一態様では、前記シリコーン化合物は、下記の式を有する。
[RSiO1/2(j+2l+2)[RSiO2/2[RSiO3/2[SiO4/2
式中、
a)jは、0〜150、好ましくは1〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であり;
b)mは、0〜1500、好ましくは1〜1500、より好ましくは20〜1000、最も好ましくは20〜400の整数であり;
c)lは、0〜150、好ましくは1〜150、より好ましくは0〜50、最も好ましくは0〜20の整数であるが;
但し、j+m+lは、1以上の整数に等しく、部分R〜Rのうちの少なくとも1つ=X−Zであることを条件とし;
d)R、R、R、R、R及びR部分のそれぞれは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ及びC〜C32置換アルコキシ並びにX−Zからなる群から独立して選択され、好ましくは各R1〜6は、OH、C〜Cアルキル、C〜C置換アルキル、C〜Cアルコキシ、C〜C置換アルコキシ及びX−Zからなる群から独立して選択され;
(i)各Xは、独立して、酸素、又は2〜12個の炭素原子を含む置換若しくは非置換二価アルキレンラジカルであり、好ましくは各Xは、独立して、酸素、又は2〜6個の炭素原子を含む置換若しくは非置換二価アルキレンラジカルであり、最も好ましくは各Xは、独立して、酸素、又は2〜4個の炭素原子を含む置換若しくは非置換二価アルキレンラジカルであり;Xが、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含む場合;
(ii)各Zは、以下からなる群から独立して選択され:R9、
【0018】
【化1】
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され;
各Rは、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32アリール、C〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択され、好ましくはRは、Xに共有結合した一級、二級又は三級炭素を含み、より好ましくはRは、Xに共有結合した一級又は二級炭素を含み、最も好ましくはRは、Xに共有結合した一級炭素を含み;
各Yは、独立して、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり、好ましくは各Yは、独立して、2〜6個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり、最も好ましくは各Yは、2〜4個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであるが;
但し、少なくとも1つのZ部分は、R、又はRを含むZ部分であり、X−Z部分のそれぞれに関してXが酸素の場合、前記X−Z部分のZ部分は、Rであることを条件とし;
好ましくは、各Zは、以下からなる群から独立して選択され:
【0019】
【化2】
最も好ましくは、各Zは、以下からなる群から独立して選択され:
【0020】
【化3】
好ましくは、少なくとも1つのZが、以下から選択され:
【0021】
【化4】
前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR部分がHではない場合、前記少なくとも1つのZ部分に関して、前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR及びR部分は、一級、二級又は三級炭素を介して前記イミン部分に結合し、好ましくは、前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR又はRの少なくとも1つは、一級炭素を介して前記イミン部分に結合し、より好ましくは、前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR及びRは、一級炭素を介して前記イミン部分に結合し、好ましくは、前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR部分がHである場合、前記少なくとも1つのZのイミン部分に共有結合したR部分は、炭素−炭素二重結合における炭素結合でもある炭素原子を介して前記イミン部分に結合している。
【0022】
好ましくは、各Zは、以下からなる群から独立して選択され:R
【0023】
【化5】
より好ましくは、各Zは、以下からなる群から独立して選択され:
【0024】
【化6】
より好ましくは、各Zは、以下からなる群から独立して選択される。
【0025】
【化7】
【0026】
好ましくは、前記シリコーン化合物に関して、各Xは、独立して、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり、好ましくは各Xは、独立して、2〜6個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり、最も好ましくは各Xは、2〜4個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルであり;各Zは、以下から独立して選択され:
【0027】
【化8】
好ましくは各Zは、以下から独立して選択され:
【0028】
【化9】
より好ましくは各Zは、以下から独立して選択され:
【0029】
【化10】
jは、0〜150、好ましくは1〜100、より好ましくは0〜40の整数であり;
lは、0〜150、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜20の整数であり;
mは、0〜1500、好ましくは20〜1000、より好ましくは20〜400の整数である。
【0030】
一態様では、前記シリコーン化合物のX部分のうちの少なくとも1つは酸素であり、好ましくは前記シリコーン化合物に関して:
a)jは、0〜150、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜40の整数であり;
b)lは、0〜150、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜20の整数であり;
c)mは、0〜1500、好ましくは20〜1000、より好ましくは20〜400の整数であり、より好ましくは、前記少なくとも1つのZ部分は、以下である:
【0031】
【化11】
【0032】
前記シリコーン化合物の一態様において:
a)jは0であり;
b)mは、250〜750、好ましくは325〜675、より好ましくは400〜600の整数であり;
c)lは0であるが;
但し、j+m+lは、1以上の整数に等しく、部分R〜Rのうちの少なくとも1つ=X−Zであることを条件とし;
d)R、R、R、Rのそれぞれは、Cアルキルであり;R部分の99.3%〜99.7%、好ましくは99.4%〜99.6%、より好ましくは99.45%〜99.55%はCアルキル部分であり;残りのR部分は、X−Z部分であり;
(i)各Xは、3個の炭素原子を含む非置換二価アルキレンラジカルであり;
(ii)各Zは、以下からなる群から独立して選択される。
【0033】
【化12】
【0034】
好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、約30Da〜約500Daの分子量、及び/又は約−2.0〜約8.0のCLogP;好ましくは、約−2.0〜約7.0のCLogP;より好ましくは、約−2.0〜約5.0のCLogPを有する有益剤のフラグメントである。
【0035】
好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、ビニルエーテル、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、チオール、カルボキシル、シラノール、アルコキシ、アセトキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む有益剤のフラグメントであり、より好ましくは該有益剤部分は、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド、チオール、アルコキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む有益剤のフラグメントであり、最も好ましくは該有益剤部分は、ケトン、ヒドロキシル、アルデヒド及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含む有益剤のフラグメントである。
【0036】
好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、シリコーン、香料原料、防臭剤、臭い中和剤、悪臭、精油、エーテル、エステル、ケトン、アルコール、グリコール、シリコーン炭化水素、環式炭化水素、アルデヒド、テルピン、殺虫剤、防虫剤、農薬、抗菌剤、抗真菌剤、除草剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントである。
【0037】
好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、ゲラニオール、メントール、(E,Z)−2,6−ノナジエン−1−オール、3,6−ノナジエン−1−オール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパン−1−オール、2−メチル−3−[(1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)オキシ]プロパン−1−オール、2−メチル−4−[(1R)−2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル]−(2E)−ブテン−1−オール、エチルトリメチルシクロペンテンブテノール、1−(4−プロパン−2−イルシクロヘキシル)エタノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン−3−オール、(Z)−3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−1−シクロペンタ−3−エニル)ペンタ−4−エン−2−オール、ウンデカベルトール、メチルジヒドロジャスモネート(E,Z)−2,6−ノナジエン−1−アール、カシュメラン、イソシクロシトラール、トリプラール、ネオブテノンα、δダマスコン、α−ピニルイソブチルアルデヒド、バニリン、リリアール、イントレレベン(intreleven)アルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、アドキサール、デュピカル、リラール、2−トリデセナール、メチル−ノニル−アセトアルデヒド、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、ジヒドロシトロネラール、シトラール、シトロネラール、イソシクロシトラール、2,4,6−トリメトキシベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、2−メチルオクタナール、パラトリルアセトアルデヒド、o−アニスアルデヒド、アニスアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、2−メチルペンタナール、ベンズアルデヒド、トランス−2−ヘキセナール、ノニルアルデヒド、ラウリンアルデヒド、βイオノン、コアボン(koavone)、タバノンクール(tabanone coeur)、ジンゲロン、L−カルボン、イオノンγメチル、ネクタリル、トリモフィックスO、ファルネソール、(E)−2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−1−シクロペンタ−3−エニル)ブタ−2−エン−1−オール、2−メチル−4−[(1R)−2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル]−(2E)−ブテン−1−オール、ネロール(800)、エチルバニリン、4−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)シクロヘキサン−1−オール、オクタリノール(octalynol)967544、(E)−3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3−メチル−4−フェニルブタン−2−オール、オイゲノール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン−3−オール、プロペニルグエトール、2−エトキシ−4−メチルフェノール、シクロペントールHC 937165、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール、セドロール原油、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール(シス&トランス)、1−メチル−3−(2−メチルプロピル)シクロヘキサノール、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン−3−オール、2−(4−メチル−1−シクロヘキサ−3−エニル)プロパン−2−オール、シクロヘキサンプロパノール、2,2−ジメチル−、3,7−ジメチル−1−オクテン−7−オール、メチルイオノン、イソジャスモンB11、α−ダマスコン、β−ダマスコン、フレウラモン(fleuramone)、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、ホルミルトリシクロデカン、6−メトキシジシクロペンタジエンカルボキシアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、8−,9及び10−ウンデセナール、異性体の混合物、トランス−4−デセナール、4−ドデセナール、4−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ブタナール、3−シクロヘキセン−1−プロパナール、β,4−ジメチル−、マンダリンアルデヒド10% CITR 965765及び4,8−ジメチル−4,9−デカンジエナール並びにこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントである。
【0038】
好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、表1の番号1〜216の香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントであり、より好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、表1の番号1〜82の香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントであり、より好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、表1の番号1〜33の香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントであり、最も好ましくは、本明細書に開示したシリコーン化合物の有益剤部分は、表1の番号1〜21の香料原料、及びこれらの混合物からなる群から選択される有益剤のフラグメントである。
【0039】
消費者製品
消費者製品組成物であって、
a.)約0.001重量%〜約10重量%の、本明細書に開示したシリコーン化合物と;
b.)消費者製品成分と、を含み、好ましくは、該消費者製品成分は、界面活性剤、色ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤増強ポリマー、pH調整剤、製品色安定剤、防腐剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白剤、漂白活性剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、抑泡剤、染料、紫外線吸収剤、香料、追加の香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造剤、布地柔軟剤、キャリア、向水性物質、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、顔料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、消費者製品組成物を開示する。
【0040】
好ましくは、該消費者製品は、清浄及び/又は処理組成物、あるいは、本明細書に開示されるシリコーン化合物と、少なくとも1つの清浄及び/若しくは処理組成物又は布地ケア補助成分とを含み得る布地ケア組成物である。
【0041】
一態様では、本明細書に開示されるシリコーン化合物は、固体粒子、特にポリマー系粒子に組み込まれてよい。そのようなポリマー粒子の例としては、ポリエチレングリコール、デンプン及び多糖、ポリビニルアルコール、セルロースを含む粒子を挙げることができる。そのような粒子は、さらに、追加の構成成分、例えば他の有益剤、無機充填剤、例えば炭酸塩、ケイ酸塩、クレイ、金属酸化物などを含んでよい。特に有用な粒子としては、ポリエチレングリコールに基づく粒子が挙げられる。
【0042】
好ましくは、上記消費者製品はパッケージを含み、該パッケージは、該パッケージに取り付けられた又は付着された本明細書に開示されるシリコーン化合物を含む。このようなパッケージは、包装紙又は容器を含む任意の形態をとることができる。一態様では、本明細書に開示されるシリコーン化合物は、このようなパッケージの外面及び/又は内面に付着されても又は取り付けられてもよい。一態様では、上記パッケージは、キャップを含む容器を含んでもよく、本明細書に開示される上記シリコーン化合物は、上記キャップの外面又は内面に付着されても又は取り付けられてもよい。
【0043】
本発明の消費者製品は、任意の好適な形態に配合され、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製され得、その非限定例は、米国特許第5,879,584号;米国特許第5,691,297号;米国特許第5,574,005号;米国特許第5,569,645号;米国特許第5,565,422号;米国特許第5,516,448号;米国特許第5,489,392号;米国特許第5,486,303号に記載され、これら特許文献の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0044】
使用方法及び処理される部位
本明細書に開示されるシリコーン化合物を含有する組成物は、ある部位、とりわけ表面又は布地を清浄又は処理するのに使用することができる。一般に、この部位の少なくとも一部を、無希釈形態で、又は液体(例えば、洗浄液)で希釈して、本出願人の組成物の実施形態と接触させた後、場合によりその部位を洗浄及び/又はすすいでもよい。一態様では、ある部位が場合により洗浄及び/又はすすがれ、本発明による粒子に又はかかる粒子を含む組成物に接触され、次に場合により洗浄及び/又はすすがれる。本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。布地は、標準的な消費者の使用条件で洗濯又は処理することが可能な、殆どの任意の布地を含んでもよい。開示される組成物を含み得る液体は、約3〜約11.5のpHを有していてよい。このような組成物は、典型的に、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水の温度は通常約5℃〜約90℃の範囲であり、部位が布地を含む場合、水対布地の比は通常約1:1〜約30:1の範囲である。
【0045】
一態様では、部位の処理及び/又は清浄方法であって、
a.)該部位を場合により洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥することと;
b.)該部位を本明細書に開示したシリコーン化合物、及び/又は本明細書に開示したシリコーン化合物を含む組成物と接触させることと;
c.)該部位を場合により洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥することと、を含む、方法を開示する。前述した乾燥は、外干し乾燥(line drying)などの受動的乾燥、及び/又はドライヤーを用いるなどの能動的乾燥であってもよい。
【0046】
一態様では、本明細書に開示されるシリコーン化合物、及び/又は本明細書に開示されるシリコーン化合物を含む組成物を開示する。
【0047】
シリコーン化合物を含むディスプレイ
一態様では、シリコーン化合物を含むディスプレイを開示する。このようなディスプレイは、消費者製品などの製品に注意を引き、製品の販売を全体的又は部分的に促進及び/又は補助するために使用されてもよい。本発明のシリコーン化合物は、このようなディスプレイの任意の場所に付着され又は取り付けられてもよい。このようなディスプレイは、ポスター、販売及び/又はマーケティング資料、又は容器を含む、任意の形態をとることができる。一態様では、本明細書に開示されるシリコーン化合物は、このようなディスプレイの外面及び/又は内面に付着される又は取り付けられる。
【0048】
【表1-1】
【0049】
【表1-2】
【0050】
【表1-3】
【0051】
【表1-4】
【0052】
【表1-5】
【0053】
【表1-6】
【0054】
上記に列挙した香料原料を含む、本明細書における香料原料は、New York,NY USAのInternational Flavors and Fragrances;Vernier SwitzerlandのGivaudan;Geneva,SwitzerlandのFirmenich;Holzminden,GermanyのSymrise;Tokyo,JapanのKao;Tokyo,JapanのTakasago;及びTel−Aviv,IsraelのFlorasynthを含む供給元から得ることができる。
【0055】
有益剤送達組成物の製造プロセス
本出願に開示されるシリコーン化合物は、本明細書に開示した教示及び例により生成されてもよい。
【0056】
シリコーン化合物に関する好適な形態としては、粒塊、エマルション、溶液、小球、ビーズ及びカプセル化物を含む固体及び流体が挙げられる。
【0057】
一態様では、シリコーン化合物は、予め作製され、消費者製品、又は消費者製品に関する中間物に添加される。
【0058】
一態様では、シリコーン化合物の構成成分は、消費者製品、又は消費者製品に関する中間物に添加され、シリコーン化合物は、その場で形成される。
【0059】
一態様では、シリコーン化合物の構成成分は、消費者製品に別々に添加され、消費者による使用の前、使用中及び/又は使用後に消費者製品中でシリコーン化合物を形成することができる。
【0060】
一態様では、追加の有益剤及び/又は有益剤送達系、例えば香料及び/又はカプセル化香料を使用して粒子、ビーズ及び/又は粒塊を形成するとき、上記追加の有益剤及び/又は有益剤送達系を上記粒子、ビーズ及び/又は粒塊に添加する前、添加中、又は添加した後に、本発明のシリコーン化合物を添加することができる。
【0061】
一態様では、追加の有益剤及び/又は有益剤送達系、例えば香料及び/又はカプセル化香料を使用するとき、上記追加の有益剤及び/又は有益剤送達系を消費者に添加する前、添加中、又は添加した後に、本発明のシリコーン化合物を添加することができる。
【0062】
本明細書に開示するプロセスで用いるのに好適な設備としては、連続攪拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン攪拌器、再循環ポンプ、パドルミキサー、プラウシェアミキサー(ploughshear mixer)、リボンブレンダー、縦軸造粒機、二軸押出成形機及びドラムミキサー(両方とも、バッチ式及び入手可能なときは連続プロセス構成である)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げることができる。このような設備は、Lodige GmbH(Paderborn,Germany)、Littleford Day,Inc.(Florence,Kentucky,U.S.A.)、Forberg AS(Larvik,Norway)、Glatt Ingenieurtechnik GmbH(Weimar,Germany)、Niro(Soeborg,Denmark)、Hosokawa Bepex Corp.(Minneapolis,Minnesota,USA)、Arde Barinco(New Jersey,USA)、Wenger(Sabetha,Kansas USA)から入手可能である。
【0063】
シリコーン化合物を含む組成物
本出願人らの組成物は、本出願に開示されるシリコーン化合物の実施形態を含む。一態様では、このような組成物は消費者製品であり得る。使用されるシリコーン化合物の正確な濃度は、かかる組成物を含む製品の種類及び最終用途に依存するが、清浄及び/又は布地処理製品を含む消費者製品は、製品の総重量を基準として、約0.001%〜約25%、約0.01%〜約5%、又は更には約0.05%〜約3%のシリコーン化合物を含むことができる。
【0064】
一態様では、本出願に開示したシリコーン化合物の実施形態は、固体粒子、特にポリマー系粒子とされる。そのようなポリマー粒子の例としては、ポリエチレングリコール、デンプン及び多糖、ポリビニルアルコール、セルロースを含む粒子を挙げることができる。そのような粒子は、さらに、追加の構成成分、例えば他の有益剤、無機充填剤、例えば炭酸塩、ケイ酸塩、クレイ、金属酸化物などを含んでよい。特に有用な粒子としては、ポリエチレングリコールに基づく粒子が挙げられる。
【0065】
補助物質
本発明の各消費者向け製品実施形態に必須ではないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本消費者向け製品での使用に好適であり、例えば、性能を補助若しくは向上させるために、清浄される基材の処理のために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてもよい。このような追加の構成成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理形態及び使用される作業の性質に依存する。好適な補助物質としては、界面活性剤、色ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤増強ポリマー、pH調整剤、製品色安定剤、防腐剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白剤、漂白活性剤、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、抑泡剤、染料、紫外線吸収剤、香料及び香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造剤、布地柔軟剤、キャリア、向水性物質、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、並びに/又は顔料が挙げられるが、それらに限られない。
【0066】
上述のように、補助成分は、本発明の各消費者向け製品実施形態に必須のものではない。したがって、本出願者らの組成物の特定の実施形態は、以下の補助成分、すなわち、界面活性剤、色調ケアポリマー、付着助剤、界面活性剤強化ポリマー、pH調節剤、製品色調安定剤、保存剤、溶媒、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白活性化剤、ポリマー分散化剤、粘土の汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、UV吸収剤、香料及び香料送達系、構造弾性化剤、増粘剤/構造化剤、布地柔軟剤、担体、向水性物質、オリゴアミン、加工助剤、色調剤、及び/又は顔料の1種以上を含有しない。しかし、1種以上の補助剤が存在する場合、このような1種以上の補助剤は、以下に詳述されているとおり存在してもよい。
【0067】
好適な布地柔軟化活性物質
本明細書に開示する液体布地強化剤組成物は、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含む。好適な布地柔軟化活性物質には、四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、粘土、多糖、脂肪酸、ソフトニングオイル、ポリマーラテックス、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
水不溶性布地ケア有益剤の非限定例としては、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックス類が挙げられる。これらの有益剤は、エマルション、ラテックス、分散液、懸濁液などの形態であることができる。一態様において、それらはエマルション及び/又はラテックスの形態である。分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスは、次のものを含むがそれらに限定されない、広範な粒径直径(χ50)を有することができる:約1nm〜約100μm;あるいは約10nm〜約10μm。それ故、分散性ポリエチレン及びポリマーラテックスの好ましい粒径は、限定ではないが一般には、シリコーン又は他の脂肪油よりも小さい。
【0069】
一般に、本発明の水不溶性布地ケア有益剤を製造するために、ポリマーエマルションの製造又はポリマーラテックスの乳化重合に好適なあらゆる界面活性剤を使用するこができる。好適な界面活性剤は、ポリマーエマルション及びラテックス用の乳化剤、ポリマー分散液用の分散剤、及びポリマー懸濁液用の懸濁剤からなる。好適な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む。一態様において、そのような界面活性剤は、非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤である。一態様において、水不溶性布地ケア有益剤中の界面活性剤のポリマーに対する比は、それぞれ約1:100〜約1:2、あるいは約1:50〜約1:5である。好適な水不溶性布地ケア有益剤は、以下に記載する例を含むが、それらに限定されない。
【0070】
クォート−好適なクォートとしては、エステルクォート、アミドクォート、イミダゾリンクォート、アルキルクォート、アミドエステル(amdioester)クォート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルクォートとしては、モノエステルクォート、ジエステルクォート、トリエステルクォート及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。一態様において、好適なエステルクォートは、脂肪酸部分対アミン部分のモル比が1.85〜1.99、脂肪酸部分の平均鎖長が炭素原子16〜18個であり、遊離脂肪酸について計算された脂肪酸部分のヨウ素価が0.5〜140、又は0.5〜60、15〜50又は15〜25である、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルスルフェートの脂肪酸エステルである。一態様では、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルスルフェートの脂肪酸エステルの不飽和脂肪酸部分の二重結合のシス−トランス比は、それぞれ55:45〜75:25である。好適なアミドクォートとしては、モノアミドクォート、ジアミドクォート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルクォートとしては、モノアルキルクォート、ジアルキルクォート、トリアルキルクォート、テトラアルキルクォート、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
アミン−好適なアミンには、アミドエステルアミン、アミドアミン、イミダゾリンアミン、アルキルアミン、アミドエステル及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なエステルアミンとしては、モノエステルアミン、ジエステルアミン、トリエステルアミン及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアミドクォートとしては、モノアミドアミン、ジアミドアミン及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルアミンとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミンクォート、トリアルキルアミン及びこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
一態様において、布地柔軟化活性物質は、すすぎ工程での布地の柔軟化に好適な四級アンモニウム化合物である。一実施形態では、布地柔軟化活性物質は、脂肪酸とアミノアルコールとの化合物から形成され、これはモノ−、ジ−、及び一実施形態では、トリエステル化合物の混合物を生じる。別の実施形態において、布地柔軟化活性物質は、モノアルキル四級アンモニウム化合物、ジアルキル四級アンモニウム化合物、ジアミド四級化合物、ジエステル四級アンモニウム化合物、又はこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の柔軟剤四級アンモニウム化合物を含む。
【0073】
一態様において、布地柔軟化活性物質は、ジエステル四級アンモニウム又はプロトン化ジエステルアンモニウム(以降、「DQA」)化合物組成物を含む。本発明の特定の実施形態において、DQA化合物の組成物はまた、ジアミド布地柔軟化活性物質と、混合アミド及びエステル結合並びに上述のジエステル結合を有する布地柔軟化活性物質とを包含し、これらの全てを本明細書ではDQAと呼ぶ。
【0074】
一態様において、上記布地柔軟化活性物質は、主要活性物質として、次式の化合物を含み得る。
{R4−m−N+−[X−Y−R1]m}X− (1)}
式中、各Rは、水素、短鎖C〜C、一態様では、C〜Cのアルキル基又はヒドロキシアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチルなど、ポリ(C2〜3のアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、又はこれらの混合物のいずれかを含み;各Xは、独立して、(CH)n、CH−CH(CH)−又はCH−(CH)−CH−であり;各Yは、−O−(O)C−、−C(O)−O−、NR−C(O)−、又は−C(O)−NR−を含み得;各mは、2又は3であり;各nは、1〜約4、一態様では2であり;各R1中の炭素数の合計(Yが−O−(O)C−又は−NR−C(O)−であるときには1を加える)は、C12〜C22、又はC14〜C20であり得、各R1は、ヒドロカルビル、又は置換ヒドロカルビル基であり得;X−は任意の柔軟剤相溶性アニオンを含み得る。一態様では、柔軟剤相溶性アニオンは、クロリド、ブロミド、メチルスルフェート、エチルスルフェート、スルフェート、及びニトレートを含み得る。別の態様では、柔軟剤相溶性アニオンは、クロリド又はメチルスルフェートを含み得る。
【0075】
別の態様では、布地柔軟化活性物質は、下記一般式を有し得る。
[RN+CHCH(YR1)(CHYR1)]X−
式中、各Y、R、R1、及びX−は、前記と同じ意味を有する。そのような化合物としては、次式:
[CH N(+)[CHCH(CHO(O)CR1)O(O)CR1]C1(−) (2)
(式中、各Rは、メチル基又はエチル基を含み得る)を有するものが挙げられる。一態様では、各R1は、C15〜C19基を含み得る。本明細書で使用する場合、ジエステルが明記されているとき、それは存在するモノエステルを含むことができる。
【0076】
これらのタイプの薬剤及びそれらの一般的な製造方法は、米国特許第4,137,180号に開示されている。好適なDEQA(2)の例は、式1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリドを含む「プロピル」エステル四級アンモニウム布地柔軟剤活性物質である。
【0077】
第3のタイプの有用な布地柔軟化活性物質は、下記式を有する。
[R4−m−N+−R1m]X− (3)
式中、R、R1、m及びX−はそれぞれ、前記と同じ意味を有する。
【0078】
更なる態様において、布地柔軟化活性物質は、下記式を有し得る。
【0079】
【化13】
式中、各R、R1、及びA−は、上記に与えられた定義を有し;R2はC1〜6のアルキレン基を含み得、一態様ではエチレン基を含み得;Gは酸素原子又は−NR−基を含み得る。
【0080】
更なる態様において、布地柔軟化活性物質は、下記式を有し得る。
【0081】
【化14】
式中、R1、R2及びGは、上記のように定義される。
【0082】
更なる態様では、布地柔軟化活性物質は、脂肪酸とジアルキレントリアミンとの例えば分子量比約2:1の縮合化合物を含み得、該化合物は、次式の化合物を含有する。
R1−C(O)−NH−R2−NH−R3−NH−C(O)−R1 (6)
式中、R1、R2は上記のように定義され、R3は、C1〜6アルキレン基、一態様ではエチレン基を含んでもよく、化合物は、場合により、硫酸ジメチルなどのアルキル化剤の添加により四級化され得る。そのような四級化化合物の更なる詳細は、米国特許第5,296,622号に記載されている。
【0083】
更なる態様において、布地柔軟化活性物質は、下記式を有し得る。
[R1−C(O)−NR−R2−N(R)2−R3−NR−C(O)−R1]+A− (7)
式中、R、R1、R2、R3及びA−は上記のように定義される。
【0084】
更なる態様では、布地柔軟化活性物質は、脂肪酸とヒドロキシアルキルアルキレンジアミンとの分子量比約2:1の化合物を含み得、前記化合物は次式の化合物を含有する。
R1−C(O)−NH−R2−N(R3OH)−C(O)−R1 (8)
式中、R1、R2、及びR3は上記のように定義される。
【0085】
更なる態様において、布地柔軟化活性物質は、下記式を有し得る。
【0086】
【化15】
式中、R、R1、R2、及びA−は、上記のように定義される。
【0087】
更なる態様において、布地柔軟化活性物質は、下記式を有し得る:
【0088】
【化16】
式中:
は、C2〜3アルキル基、一態様ではエチル基であり;
及びXは、独立して、C1〜6の線状又は分枝状アルキル又はアルケニル基、一態様では、メチル、エチル又はイソプロピルであり;
及びRは、独立して、C8〜22の線状又は分枝状アルキル又はアルケニル基であり;
以下のことを特徴とする:
A及びBは、−O−(C=O)−、−(C=O)−O−、又はこれらの混合物からなる群から独立して選択され、一態様では−O−(C=O)−である。
【0089】
式(1)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タロウオイル−オキシ−エチル)N,Nジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N−(2ヒドロキシエチル)N−メチルアンモニウムメチルスルフェートである。
【0090】
式(2)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、1,2−ジ(ステアロイル−オキシ)3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリドである。
【0091】
式(3)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロウジメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルスルフェート、及びこれらの混合物などのジアルキレンジメチルアンモニウム塩を含む。本発明で使用可能な市販のジアルキレンジメチルアンモニウム塩の例は、Witco Corporationから商品名Adogen(登録商標)472として入手可能なジオレイルジメチルアンモニウムクロリド、及びAkzo Nobel Arquad 2HT75から入手可能なジハードタロージメチルアンモニウムクロリドである。
【0092】
式(4)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウムメチルスルファートであり、式中、R1は非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、R2はエチレン基であり、GはNH基であり、R5はメチル基であり、A−はメチルスルファートアニオンであり、Witco Corporationから商品名Varisoft(登録商標)として市販されている。
【0093】
式(5)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、1−タローイルアミドエチル−2−タローイルイミダゾリンであり、式中、R1は、非環式脂肪族C15〜C17炭化水素基であり、R2はエチレン基であり、GはNH基である。
【0094】
式(6)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、脂肪酸とジエチレントリアミンとの分子量比約2:1の化合物であり、該化合物混合物は、次式のN,N”−ジアルキルジエチレントリアミンを含有する。
R1−C(O)−NH−CH2CH2−NH−CH2CH2−NH−C(O)−R1
式中、R1は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物を供給源として得られた市販の脂肪酸のアルキル基であり、R2及びR3は二価のエチレン基である。
【0095】
一態様において、上記脂肪酸は、全部又は一部分、再生可能資源から
、植物材料の抽出によって、植物材料からの発酵によって得てもよく、及び/又は藻類若しくは酵母などの遺伝子修飾生物によって得てもよい。
【0096】
化合物(7)の非限定例は、次式を有するジ脂肪酸アミドアミン系柔軟剤である。
[R1−C(O)−NH−CH2CH2−N(CH3)(CH2CH2OH)−CH2CH2−NH−C(O)−R1]+CH3SO4−
式中、R1は、アルキル基である。このような化合物の例は、Witco Corporationから、例えば商品名Varisoft(登録商標)222LTで市販されているものである。
【0097】
式(8)を有する布地柔軟化活性物質の例は、脂肪酸とN−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミンとの分子量比約2:1の化合物であり、該化合物混合物は、次式の化合物を含有する。
R1−C(O)−NH−CH2CH2−N(CH2CH2OH)−C(O)−R1
式中、R1−C(O)は、Henkel Corporationから入手可能なEmersol(登録商標)223LL又はEmersol(登録商標)7021などの、植物又は動物供給源から誘導された市販の脂肪酸のアルキル基である。
【0098】
式(9)を有する布地柔軟化活性物質の例は、次式:
【0099】
【化17】
(式中、R1は、脂肪酸に由来する)を有するジ四級化化合物である。このような化合物は、Witco Companyから入手可能である。
【0100】
式(10)を有する布地柔軟化活性物質の非限定例は、ジアルキルイミダゾリンジエステル化合物であり、この化合物は、N−(2−ヒドロキシエチル)−1,2−エチレンジアミン又はN−(2−ヒドロキシイソプロピル)−1,2−エチレンジアミンと、脂肪酸でエステル化されたグリコール酸との、化合物であり、この脂肪酸は、(水素添加)タロウ脂肪酸、パーム脂肪酸、水素添加パーム脂肪酸、オレイン酸、ナタネ脂肪酸、水素添加ナタネ脂肪酸又は上記のものの混合物である。
【0101】
上で開示した柔軟剤活性物質の組み合わせが、本発明における使用に好適であることは理解されるであろう。
【0102】
アニオンA
本明細書におけるカチオン性窒素塩において、アニオンA−は、任意の柔軟剤相溶性アニオンを含み、電気的中性をもたらす。殆どの場合、これらの塩において電気的中性をもたらすために使用されるアニオンは、強酸からのものであり、特にハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、又はヨウ化物である。しかし、他のアニオン、例えばメチルスルフェート、エチルスルフェート、アセテート、ホルメート、スルフェート、カーボネート、脂肪酸アニオンなどを使用することができる。一態様では、アニオンAは、クロリド又はメチルスルフェートを含み得る。いくつかの態様では、アニオンは、二重電荷を有し得る。この態様では、A−が、基の半分を表す。
【0103】
一実施形態では、布地柔軟化剤は、以下のうちの少なくとも1つから選択される:該布地柔軟化活性物質材料は、ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−ジメチルアンモニウムメチルスルファート脂肪酸エステル、1,2−ジ(アシルオキシ)−3−トリメチルアンモニオプロパンクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(タローオイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)−N−(2ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムメチルスルファート、N,N−ビス−(ステアロイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルスルファート、N,N−ビス−(タローオイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルスルファート、N,N−ビス−(パルミトイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムメチルスルファート、N,N−ビス−(ステアロイル−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド、1,2−ジ−(ステアロイル−オキシ)3−トリメチルアンモニウムプロパンクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド、ジカノーラジメチルアンモニウムメチルスルファート、1−メチル−1−ステアロイルアミドエチル−2−ステアロイルイミダゾリニウムメチルスルファート、1−タローイルアミドエチル−2−タローイルイミダゾリン、ジパルミルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルファート、及びこれらの混合物からなる群から選択される布地柔軟化活性物質を含む。
【0104】
多糖
本発明の一態様は、布地柔軟化活性物質としてカチオン性デンプンを含む布地強化剤組成物を提供する。一態様において、本発明の布地ケア組成物は、一般に、該組成物の約0.1重量〜約7重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%、あるいは約0.3重量%〜約3重量%、あるいは約0.5重量%〜約2.0重量%のレベルでカチオン性デンプンを含む。本組成物での使用に好適なカチオンデンプンは、Cerestarから商品名CBOND(登録商標)で、及びNational Starch and Chemical Companyから商品名CATO(登録商標)2Aで市販されている。
【0105】
ショ糖エステル
非イオン性布地ケア有益剤は、ショ糖エステルを含むことができ、典型的にはショ糖及び脂肪酸から誘導される。ショ糖エステルは、ヒドロキシル基の1つ又は2つ以上がエステル化されているショ糖部分で構成されている。
【0106】
ショ糖は次式を有する二糖である。
【0107】
【化18】
【0108】
代替的に、ショ糖分子を式M(OH)(式中、Mは二糖主鎖である)によって表すことができ、この分子中には合計8個のヒドロキシル基がある。
【0109】
したがって、ショ糖エステルを次式によって表すことができる。
M(OH)8−x(OC(O)R
式中、xは、エステル化されているヒドロキシル基の数である一方で、(8−x)は、未変化のままであるヒドロキシル基であり;xは1〜8、代替的に2〜8、代替的に3〜8、又は4〜8から選択される整数であり;R部分は、C〜C22のアルキル又はC〜C30のアルコキシから独立して選択され、線状又は分枝状であり、環式又は非環式であり、飽和又は不飽和であり、置換又は非置換である。
【0110】
一実施形態において、R部分は、独立して選択される様々な鎖長を有する線状アルキル又はアルコキシ部分を含む。例えば、Rは、直鎖の約20%よりも多くがC18であり、代替的に直鎖の約50%よりも多くがC18であり、代替的に直鎖の約80%よりも多くがC18である直鎖状アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含むこともある。
【0111】
別の実施形態では、R部分は、飽和及び不飽和アルキル又はアルコキシ部分の混合物を含み;不飽和度は、標準AOCS法によって測定されるような「ヨウ素価」(以降「IV」と呼ぶ)によって測定することができる。本明細書における使用に好適なショ糖エステルのIVは、約1〜約150、又は約2〜約100、又は約5〜約85の範囲である。R部分を水素添加して、不飽和度を低減させてもよい。より高いIV、例えば、約40〜約95、が好ましい場合には、オレイン酸、並びにダイズ油及びキャノーラ油から誘導された脂肪酸が出発材料である。
【0112】
更なる実施形態において、不飽和R部分は、不飽和部位について「シス」型と「トランス」型の混合物を含み得る。「シス」/「トランス」比は、約1:1〜約50:1、又は約2:1〜約40:1、又は約3:1〜約30:1、又は約4:1〜約20:1の範囲であってよい。
【0113】
分散性ポリオレフィン
一般に、布地ケアの恩恵をもたらすあらゆる分散性ポリオレフィンを、本発明において水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。該ポリオレフィンは、ワックス、エマルション、分散液又は懸濁液の形態であることができる。非限定例を以下に記載する。
【0114】
一実施形態では、ポリオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はそれらの組み合わせから選択される。ポリオレフィンは、カルボキシル、アルキルアミド、スルホン酸、又はアミド基のような様々な官能基を含有するように、少なくとも部分的に変性され得る。別の実施形態では、ポリオレフィンは少なくとも部分的にカルボキシ変性されており、又は言い換えると、酸化されている。
【0115】
配合を容易にするために、分散性ポリオレフィンは、乳化剤の使用により分散されたポリオレフィンの懸濁液又はエマルションンとして導入され得る。ポリオレフィン懸濁液又はエマルションは、約1重量%〜約60重量%、代替的に約10重量%〜約55重量%、代替的に約20重量%〜約50重量%のポリオレフィンを含み得る。ポリオレフィンは、約20°〜約170℃、代替的に約50°〜約140℃のワックス滴点を有し得る(ASTM D3954− 94,volume 15.04−−−「Standard Test Method for Dropping Point of Waxes」を参照のこと)。好適なポリエチレンワックスは、Honeywell(A−Cポリエチレン)、Clariant(Velustrol(登録商標)エマルション)、及びBASF(LUWAX(登録商標))を含むがこれらに限定されない供給元から市販されている。
【0116】
エマルションを分散性ポリオレフィンと併用する場合には、乳化剤は、いずれの好適な乳化剤であってもよい。非限定例としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性界面活性剤、又はそれらの組み合わせが挙げられる。しかしながら、ほぼ全て好適な界面活性剤又は懸濁剤を乳化剤として使用してもよい。分散性ポリオレフィンは、乳化剤をポリオレフィンワックスに対してそれぞれ約1:100〜約1:2、代替的に約1:50〜約1:5の比で使用することにより分散される。
【0117】
ポリマーラテックス
ポリマーラテックスは、1つ以上のモノマー、1つ以上の乳化剤、反応開始剤、及び当業者には馴染みの他の構成成分を含む、乳化重合によって製造される。一般に、布地ケアの恩恵をもたらすあらゆるポリマーラテックスを本発明の水不溶性布地ケア有益剤として使用することができる。付加的な非限定例としては、以下のものなどの、ポリマーラテックスの製造に使用されるモノマーが挙げられる:(1)100%すなわち純粋なブチルアクリレート;(2)少なくとも20%(重量モノマー比)のブチルアクリレートを有する、ブチルアクリレートとブタジエンの混合物;(3)ブチルアクリレートと20%未満(重量比)の他のモノマー(ブタジエンを除く);(4)C又はそれより大きいアルキル炭素鎖を有するアクリルアクリレート;(5)C又はそれより大きいアルキル炭素鎖を有するアクリルアクリレートと、50%(重量モノマー比)の他のモノマー;(6)上述のモノマー系に添加される第3のモノマー(重量モノマー比20%未満);及び(7)これらの組み合わせ。
【0118】
本発明において好適な布地ケア有益剤類であるポリマーラテックス類としては、約−120℃〜約120℃、代替的に約−80℃〜約60℃のガラス転移温度を有するものが挙げられ得る。好適な乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。好適な開始剤は、ポリマーラテックスの乳化重合に好適であるものを含む。ポリマーラテックスの粒径直径(χ50)は、約1nm〜約10μm、代替的に約10nm〜約1μm、又は更には約10nm〜約20nmであることができる。
【0119】
脂肪酸
本発明の一態様は、遊離脂肪酸などの脂肪酸を含む布地柔軟化組成物を提供する。用語「脂肪酸」は、脂肪酸の非プロトン化又はプロトン化形態を含むように本明細書では最も広い意味で使用され、別の化学的部分に結合した又は未結合の脂肪酸、並びに脂肪酸のこれらの種の様々な組み合わせを含む。当業者は、脂肪酸がプロトン化されるか、プロトン化されないかが、一部は、水性組成物のpHによって決まることを容易に理解するであろう。別の実施形態において、脂肪酸は、その非プロトン化形態、すなわち塩形態であり、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなど(しかしこれらに限定されない)の対イオンを伴う。用語「遊離脂肪酸」は、別の化学部分に対して別の化学部分に結合(共有結合又は別様に結合)していない脂肪酸を意味する。
【0120】
一実施形態において、脂肪酸は、脂肪部分が約10〜約22個、約12〜約18個、又は更には約14(ミッドカット)〜約18個の炭素原子を含有する、約12〜約25個、約13〜約22個、又は更には約16〜20個の全炭素原子を含有するものを含み得る。
【0121】
本発明の脂肪酸は、以下のものに由来し得る:(1)動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪、例えば牛脂、ラードなど;(2)植物油及び/又は部分水素添加植物油、例えば、カノーラ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、ナタネ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、トール油、米ぬか油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、他の熱帯パーム油、アマニ油、キリ油など;(3)熱、圧力、アルカリ異性化反応及び触媒処理を経た亜麻仁油又はキリ油などの加工油及び/又はボディイド油(bodied oil);(4)飽和(例えばステアリン酸)、不飽和(例えばオレイン酸)、多不飽和(リノール酸)、分枝状(例えばイソステアリン酸)又は環状(例えば、多不飽和酸の飽和又は不飽和α−二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生じさせるための、上記のものの混合物。
【0122】
異なる脂肪源からの脂肪酸の混合物を使用することができる。
【0123】
一態様において、本発明の布地柔軟化組成物中に存在する脂肪酸の少なくとも大部分、例えば、該組成物中に存在する脂肪酸の総重量の約40重量%〜100重量%、好ましくは約55重量%〜約99重量%、より好ましくは約60重量%〜約98重量%は不飽和であるが、完全飽和の及び部分飽和脂肪酸を使用することもできる。したがって、本発明の組成物の全脂肪酸の多不飽和脂肪酸の総レベル(TPU)は、本組成物中に存在する脂肪酸の総重量の約0重量%〜約75重量%であり得る。
【0124】
不飽和脂肪酸のシス/トランス比は、重要であり得、(C18:1材料の)シス/トランス比は、少なくとも約1:1、少なくとも約3:1、約4:1以上、又は更には約9:1以上である。
【0125】
イソステアリン酸などの分枝状脂肪酸もまた、それらが、酸化並びに結果として生じる色及び臭気の質の悪化に対してより安定であり得るので、好適である。
【0126】
ヨウ素価すなわち「IV」は、脂肪酸中の不飽和度の測定単位となる。本発明の一実施形態において、脂肪酸は、約10〜約140、約15〜約100、又は更には約15〜約60のIVを有する。
【0127】
脂肪酸エステル布地ケア活性物質のもう1つのクラスは、植物油(例えばダイズ、ヒマワリ、及びカノーラ)、炭化水素系油(天然及び合成石油潤滑油、一態様ではポリオレフィン、イソパラフィン、及び環状パラフィン)、トリオレイン、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪アミド、及び脂肪酸エステルアミンを含む(しかしこれらに限定されない)、ソフトニングオイルである。油を脂肪酸柔軟化剤、粘土、及びシリコーンと併用することができる。
【0128】
粘土
本発明の一実施形態において、布地ケア組成物は、布地ケア活性物質として粘土を含み得る。一実施形態において、粘土は柔軟剤であることができ、又は別の柔軟化活性物質、例えばシリコーンとの共柔軟剤であることができる。好適な粘土としては、地質学的にスメクタイトに分類される材料が挙げられる。
【0129】
シリコーン
一実施形態において、布地柔軟化組成物は、シリコーンを含む。シリコーンの好適なレベルは、組成物の約0.1重量%〜約70重量%、代替的に約0.3重量%〜約40重量%、代替的に約0.5重量%〜約30重量%、代替的に約1重量%〜約20重量%を含み得る。有用なシリコーンは、任意のシリコーン含有化合物であり得る。一実施形態において、シリコーンポリマーは、環状シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノシリコーン、カチオン性シリコーン、シリコーンポリエーテル、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、シリコーンは、ポリジアルキルシリコーン、代替的にポリジメチルシリコーン(ポリジメチルシロキサン又は「PDMS」)、又はこれらの誘導体である。別の実施形態において、シリコーンは、アミノ官能性シリコーン、アミノ−ポリエーテルシリコーン、アルキルオキシル化シリコーン、カチオン性シリコーン、エトキシ化シリコーン、プロポキシ化シリコーン、エトキシ化/プロポキシ化シリコーン、四級シリコーン、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0130】
別の実施形態において、シリコーンは、次式を有するランダム又はブロック状オルガノシリコーンポリマーから選択され得る。
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
式中、
jは、0〜約98の整数であり、一態様では、jは、0〜約48の整数であり;一態様では、jは、0であり;
kは、0〜約200の整数であり、一態様では、kは、0〜約50であり、k=0であるとき、R、R、又はRのうちの少なくとも1つは、−X−Zであり;
mは、4〜約5,000の整数であり、一態様では、mは、約10〜約4,000の整数であり、別の態様では、mは、約50〜約2,000の整数であり;
、R及びRは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ及びX−Zからなる群から各々独立して選択され;
各Rは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、及びC〜C32置換アルコキシからなる群から独立して選択され;
該アルキルシロキサンポリマー中の各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み、一態様では、各二価アルキレンラジカルは、−(CH−からなる群から独立して選択され、sは約2〜約8、約2〜約4の整数であり;一態様において、該アルキルシロキサンポリマー中の各Xは、以下のものからなる群から選択される置換二価アルキレンラジカルであり:−CH−CH(OH)−CH;−CH−CH−CH(OH)−;及び
【0131】
【化19】
各Zは、
【0132】
【化20】
からなる群から独立して選択されるが、但し、Zがクォートであるとき、Qはアミド、イミン、又は尿素部分であることができないこと、及びQが、アミド、イミン、又は尿素部分である場合には、該アミド、イミド、又は尿素部分と同じ窒素に結合されている付加的なQはいずれも、H又はC〜Cアルキルでなければならず、一態様では該付加的なQがHであることを条件とし;Zに関し、An−は、好適な電荷平衡アニオンである。一態様において、An−は、Cl−、Br−、I−、メチルスルフェート、トルエンスルホネート、カルボキシレート、及びホスフェートからなる群から選択され;該オルガノシリコーン中の少なくとも1つのQは、以下のものから独立して選択され:
−CH−CH(OH)−CH−R
【0133】
【化21】
該オルガノシリコーン中の更なるQ各々は、以下のものから独立して選択され:H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−CH−CH(OH)−CH−R
【0134】
【化22】
式中、各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−L及びシロキシ残基からなる群から独立して選択され;
各Rは、H、C〜C18アルキルから独立して選択され、各Lは、−C(O)−R又はRから独立して選択され;
wは、0〜約500の整数であり、一態様では、wは、1〜約200の整数であり;一態様では、wは、約1〜約50の整数であり;
各Rは、以下のものからなる群から独立して選択され:H、C〜C32アルキル;C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール及びシロキシ残基;
各Tは、H、及び
【0135】
【化23】
から独立して選択され;
式中、該オルガノシリコーンの各vは、1〜約10の整数であり、一態様では、vは1〜約5の整数であり、該オルガノシリコーンの各Qの全ての添え字vの合計は、1〜約30、又は1〜約20、又は更には1〜約10の整数である。
【0136】
別の実施形態において、シリコーンは、次式を有するランダム又はブロック状オルガノシリコーンポリマーから選択され得る。
[RSiO1/2(j+2)[(RSi(X−Z)O2/2[RSiO2/2[RSiO3/2
(式中、
jは、0〜約98の整数であり;一態様では、jは、0〜約48の整数であり;一態様では、jは、0であり;
kは、0〜約200の整数であり、k=0であるとき、R、R、又はRのうちの少なくとも1つは、−X−Zであり;一態様では、kは、0〜約50の整数であり;
mは、4〜約5,000の整数であり;一態様では、mは、約10〜約4,000の整数であり;別の態様では、mは、約50〜約2,000の整数であり;
、R及びRは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ及びX−Zからなる群から各々独立して選択され;
各Rは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、及びC〜C32置換アルコキシからなる群から独立して選択され;
各Xは、2〜12個の炭素原子を含む置換又は非置換二価アルキレンラジカルを含み;一態様において、各Xは、以下のものからなる群から独立して選択され:−(CH−O−;−CH−CH(OH)−CH−O−;
【0137】
【化24】
式中、各sは独立して約2〜約8の整数であり、一態様では、sは、約2〜約4の整数であり;
該オルガノシロキサン中の少なくとも1つのZは、以下のものからなる群から選択され:R
【0138】
【化25】
但し、Xが
【0139】
【化26】
であるときには、X=−OR又は
【0140】
【化27】
であることを条件とし;
は、好適な電荷平衡アニオンである。一態様において、Aは、Cl、Br、I、メチルスルフェート、トルエンスルホネート、カルボキシレート及びホスフェートからなる群から選択され、該オルガノシリコーン中の追加の各Zは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、R
【0141】
【化28】
からなる群から独立して選択されるが、但しXが
【0142】
【化29】
の場合、Z=−OR又は
【0143】
【化30】
であり;
各Rは、H;C〜C32アルキル;C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール又はC〜C32アルキルアリール、又はC〜C32置換アルキルアリール、−(CHR−CHR−O−)−CHR−CHR−L及びシロキシル残基からなる群から独立して選択され、各Lは、O−C(O)−R又は−O−R
【0144】
【化31】
から独立して選択され;
wは0〜約500の整数であり、一態様では、wは0〜約200の整数であり、一態様では、wは0〜約50の整数であり;
各Rは、H又はC〜C18アルキルから独立して選択され;
各Rは、以下のものからなる群から独立して選択され:H;C〜C32アルキル;C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、及びC〜C32置換アルキルアリール、並びにシロキシル残基;
各Tは、以下のものから独立して選択され:H;
【0145】
【化32】
該オルガノシリコーンの各vは、1〜約10の整数であり、一態様では、vは1〜約5の整数であり、該オルガノシリコーンの各Zの全ての添え字vの合計は、1〜約30、又は1〜約20、又は更には1〜約10の整数である。
【0146】
一実施形態において、シリコーンは比較的大きな分子量を有するものである。シリコーンの分子量を記述するための好適な方法としては、その粘度の記述が挙げられる。高分子量シリコーンは、約10mm/s〜約3,000,000mm/s(約10cSt〜約3,000,000cSt)、又は約100mm/s〜約1,000,000mm/s(約100cSt〜約1,000,000cSt)、又は約1,000mm/s〜約600,000mm/s(約1,000cSt〜約600,000cSt)、又は更には約6,000mm/s〜約300,000mm/s(約6,000cSt〜約300,000cSt)の粘度を有するものである。
【0147】
一実施形態において、シリコーンは、次式を有するブロック状カチオン性オルガノポリシロキサンを含む。

式中、
M=[SiR1/2]、[SiR1/2]、[SiR1/2]、[SiG1/2]、又はこれらの組み合わせであり;
D=[SiR2/2]、[SiR2/2]、[SiG2/2]、又はこれらの組み合わせであり;
T=[SiR3/2]、[SiG3/2]、又はこれらの組み合わせであり;
Q=[SiO4/2]であり;
w=1〜(2+y+2z)の整数であり;
x=5〜15,000の整数であり;
y=0〜98の整数であり;
z=0〜98の整数であり;
、R及びRは、H、OH、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、C〜C32置換アルキルアリール、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキルアミノ、並びにC〜C32置換アルキルアミノからなる群から各々独立して選択され;
M、D、又はTの少なくとも1つは、少なくとも1つのG、G、又はG部分を組み込んでおり;並びにG、G、又はGは、各々独立して、次式から各々独立して選択され:
【0148】
【化33】
式中、
Xは、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32又はC〜C32アリーレン、C〜C32又はC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Xが、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、Xは、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;
各Rは、H、C〜C32アルキル、C〜C32置換アルキル、C〜C32又はC〜C32アリール、C〜C32又はC〜C32置換アリール、C〜C32アルキルアリール、及びC〜C32置換アルキルアリールからなる群から独立して選択される、同一の又は異なる一価ラジカルを含み;
Eは、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32又はC〜C32アリーレン、C〜C32又はC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、Eが、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、Eは、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;
E’は、C〜C32アルキレン、C〜C32置換アルキレン、C〜C32又はC〜C32アリーレン、C〜C32又はC〜C32置換アリーレン、C〜C32アリールアルキレン、C〜C32置換アリールアルキレン、C〜C32アルコキシ、C〜C32置換アルコキシ、C〜C32アルキレンアミノ、C〜C32置換アルキレンアミノ、開環エポキシド及び開環グリシジルからなる群から選択される二価ラジカルを含むが、但し、E’が、繰り返しアルキレンオキシド部分を含まない場合には、E’は、P、N及びOからなる群から選択されるヘテロ原子を更に含むことができることを条件とし;
pは、1〜50から独立して選択される整数であり;
nは、1又は2から独立して選択される整数であり;
、G又はGのうちの少なくとも1つが、正電荷を有するとき、A−tは、好適な電荷平衡アニオン(単数又は複数)であり、したがって、電荷平衡アニオン(単数又は複数)の全電荷であるkは、G、G又はG部分の正味電荷と大きさが等しく、かつ符号が反対であり;tは1、2、又は3から独立して選択される整数であり;k≦(p2/t)+1であり;したがって、カチオン電荷の総数は、オルガノポリシロキサン分子中のアニオン電荷の総数と釣り合い;
並びに少なくとも1つのEは、エチレン部分を含まない。
【0149】
界面活性剤
いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤を含む。いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1種以上のアニオン性界面活性剤から本質的になってもよく、又は更には1種以上のアニオン性界面活性剤からなってもよい。
【0150】
好適なアニオン性界面活性剤の具体的な非限定例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。
【0151】
アルコキシル化アルキルサルフェート材料は、アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても既知のエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含む。エトキシル化アルキルサルフェートの例としては、水溶性塩、特に約8個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基並びにスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機硫黄化合物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる。用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。いくつかの例では、アルキル基は、約15個の炭素原子〜約30個の炭素原子を含有する。別の例では、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、約12〜30個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長、及びいくつかの例では約12〜15個の炭素原子の平均炭素鎖長、並びに約1mol〜4molのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度、及びいくつかの例では約1.8molから約4molのエチレンオキシドの平均(算術平均)エトキシル化度を有する、アルキルエーテルサルフェートの混合物であってもよい。更なる例では、アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、約10個の炭素原子〜約18個の炭素原子の炭素鎖長、及び約1〜約6モルのエチレンオキシドのエトキシル化度を有してもよい。更なる例では、本アルキルエーテルサルフェート界面活性剤は、ピークのあるエトキシル化分布を含んでもよい。
【0152】
非エトキシル化アルキルサルフェートはまた、開示されている清浄組成物に添加されて、アニオン性界面活性剤の構成成分として使用されてもよい。非アルコキシル化、例えば非エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤の例としては、高級C8〜20脂肪族アルコールの硫酸化により生成されるものが挙げられる。いくつかの例では、一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式ROSOを有し、式中、Rは典型的には、線状C〜C20ヒドロカルビル基であり(この基は、直鎖であっても、分岐鎖であってもよい)、Mは水溶化カチオンである。いくつかの例では、RはC10〜C15アルキルであり、Mはアルカリ金属である。別の例では、RはC12〜C14アルキルであり、Mはナトリウムである。
【0153】
他の有用なアニオン性界面活性剤は、アルキル基が約9〜約15個の炭素原子を直鎖(線状)又は分岐鎖の構成で含有するアルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩を含むことができる。いくつかの例では、アルキル基は線状である。そのような線状アルキルベンゼンスルホネートは「LAS」として既知である。別の例では、線状アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11〜14個の平均炭素原子数を有してもよい。具体的な例では、線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有し得、C11.8 LASと略称され得る。
【0154】
好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の線状アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、商品名Isochem(登録商標)としてSasolにより供給されているもの又はPetresaにより商品名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商品名Hyblene(登録商標)としてSasolにより供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0155】
洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝状アニオン性洗浄性界面活性剤、一態様では、中鎖分枝状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝状アルキルベンゼンスルホネート、例えば、中鎖分枝状アルキルサルフェートであってもよい。一態様では、中鎖分枝は、C1〜4アルキル基、通常、メチル及び/又はエチル基である。
【0156】
本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8〜約24個(いくつかの例では、約12〜18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び二級アルカンスルホネートの水溶性塩;アルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にC8〜18アルコール(例えば、獣脂及びココナッツ油由来のもの)のこれらのエーテルである。アルキルベンゼンスルホネートと、上述のパラフィンスルホネート、二級アルカンスルホネート及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。更なる好適なアニオン性界面活性剤としては、メチルエステルスルホネート及びアルキルエーテルカルボキシレートが挙げられる。
【0157】
アニオン性界面活性剤は酸形で存在してもよく、中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えばNaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形のアニオン性界面活性剤の更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の他の線状又は分枝状アルカノールアミンが挙げられる。好適なアルカノールアミンは、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールを含む。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、及びアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0158】
非イオン性界面活性剤
いくつかの態様では、追加の界面活性剤は、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約40%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約15%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。更なる態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.3%〜約10%の、1つ以上の非イオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。
【0159】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含んでもよい。これらには、例えば、アルコキシル化脂肪族アルコール、及びアミンオキシド界面活性剤が含まれ得る。いくつかの例では、本清浄組成物は、エトキシル化非イオン性界面活性剤を含有してもよい。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、Rは、約8〜約17個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5〜約15である)のエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され得る。一例では、非イオン性界面活性剤は、アルコール中に平均約24個の炭素原子及びアルコール1モルあたりエチレンオキシド約9モルの平均エトキシル化度を有するエトキシル化アルコールから選択される。
【0160】
本明細書で有用な、非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C〜C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤(Shell)など);アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はそれらの混合物であり得る、C〜C12のアルキルフェノールアルコキシレート;C12〜C18アルコール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC〜C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標)(BASF)など);C14〜C22中鎖分枝状アルコール、アルキルポリ多糖、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びエーテルキャップされた(capped)ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0161】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤はまた、アルキルポリグルコシド及びアルキルアルコキシル化アルコールを含む。好適な非イオン性界面活性剤はまた、商品名Lutensol(登録商標)としてBASFから販売されているものを含む。
【0162】
いくつかの態様では、非イオン性界面活性剤は、C18アルキルアルコキシル化アルコール、例えば、C18アルキルエトキシル化アルコールなどのアルキルアルコキシル化アルコールから選択される。アルキルアルコキシル化アルコールは、約1〜約50、又は約1〜約30、又は約1〜約20、又は約1〜約10の平均アルコキシル化度を有することができる。特定の態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、約1〜約10、又は約1〜約7、又は約1〜約5、又は約3〜約7の平均エトキシル化度を有するC18アルキルエトキシル化アルコールである。アルキルアルコキシル化アルコールは、線状又は分枝状、置換又は非置換であり得る。
【0163】
カチオン性界面活性剤
いくつかの例では、追加の界面活性剤は、1つ以上のカチオン性界面活性剤を含む。
【0164】
特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。特定の態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.1%〜約7%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。更なる態様では、洗剤組成物は、本組成物の重量基準で、約0.3%〜約5%の、1つ以上のカチオン性界面活性剤から選択される追加の界面活性剤を含む。いくつかの態様では、本発明の清浄組成物は、カチオン性界面活性剤、及びpH7未満又はpH6未満でカチオン性となる界面活性剤を実質的に含まない。
【0165】
カチオン性界面活性剤の非限定例としては、四級アンモニウム界面活性剤(最高26個の炭素原子を有することができ、アルコキシル化四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリドを含む);ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤及びアミノ界面活性剤、詳細には、アミドプロピルジメチルアミン(APA)及び/又はトリメチルアンモニウムC8〜16アルキル塩が挙げられる。
【0166】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0167】
好適カチオン性浄性界面活性剤は、下記の一般式を有する四級アンモニウム化合物である。
(R)(R)(R)(R)N
式中、Rは線状又は分枝状、置換又は非置換C6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R及びRは、互いに独立して、メチル又はエチル部分から選択され、Rはヒドロキシ、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは電荷の中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えばクロリドのようなハロゲン化物;サルフェート;及びスルホネートが挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C6〜18のアルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリドである。高度に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C8〜10のアルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル四級アンモニウムクロリドである。
【0168】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。具体例としては、C〜C18(例えば、C12〜C18)アミンオキシド、並びにN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインが挙げられる(ここで、アルキル基は、C〜C18、特定の実施形態ではC10〜C14とすることができる)。
【0169】
両性界面活性剤
両性界面活性剤の例としては、二級又は三級アミンの脂肪族誘導体、又は複素環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体(脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つが少なくとも約8個の炭素原子、通常、約8〜約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基の少なくとも1つはアニオン性水溶性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェートを含む)が挙げられる。この定義に入る化合物の例は、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホネート、ナトリウム2−(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2−(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、ジナトリウム3−(N−カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1−スルホネート、ジナトリウムオクタデシル−イミノジアセテート、ナトリウム1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾール、及びナトリウムN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンである。好適な両性界面活性剤としては、また、サルコシネート、グリコシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0170】
分枝状界面活性剤
いくつかの例では、界面活性剤は分枝状界面活性剤であってもよく、好適な分枝状界面活性剤としては、分枝状サルフェート又は分枝状スルホネート界面活性剤、例えば、分枝状アルキルサルフェート、分枝状アルキルアルコキシル化サルフェート、及び分枝状アルキルベンゼンスルホネートから選択され、1つ以上のランダムアルキル分枝、例えば、C1〜4アルキル基、通常、メチル基及び/又はエチル基を含む、アニオン性分枝状界面活性剤が挙げられる。
【0171】
いくつかの態様では、分枝状洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状洗浄性界面活性剤、通常、中鎖分枝状アニオン性洗浄性界面活性剤、例えば、中鎖分枝状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分枝状アルキルベンゼンスルホネートである。いくつかの態様では、洗浄性界面活性剤は、中鎖分枝状アルキルサルフェートである。いくつかの態様では、中鎖分枝は、C1〜4アルキル基、通常、メチル基及び/又はエチル基である。
【0172】
酵素
本明細書に記載の清浄組成物は、清浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす1つ以上の酵素を含み得る。好適な酵素の例としては、以下に限定されないが、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、キシログルカナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、又はそれらの混合物が挙げられる。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。前述の追加の酵素は、洗剤組成物中に存在する場合、洗剤組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質レベルで存在し得る。
【0173】
一態様では、好ましい酵素は、プロテアーゼを含む場合がある。好適なプロテアーゼには、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えばサブチリシン(EC 3.4.21.62)のような、中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼが含まれる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。一態様では、こうした好適なプロテアーゼは、微生物由来のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってもよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのバチルスから誘導されたものを含む)。
(b)トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(フサリウム(Fusarium)プロテアーゼなど)。
(c)メタロプロテアーゼ(Bacillus amyloliquefaciensから誘導されたものを含む)。好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusから誘導されたものが挙げられる。
【0174】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)より、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor Internationalより、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay Enzymesより、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraより入手可能なもの、すなわちBLAP(以下の変異S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の図29で示される配列、以下BLAPという)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemiraより入手可能);並びに花王のKAP(突然変異体A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィルス由来のサブチリシン)が挙げられる。
【0175】
好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学的に又は遺伝的に修飾された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルスの菌種から、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のバチラス種、例えばバチルス種、NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378、KSM K36、若しくはKSM K38などの、バチルスの菌株に由来する。好ましいアミラーゼとしては次のものが挙げられる。
(a)国際公開第96/23874号において配列番号2として列挙されている酵素に対して、位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408、及び444の1つ以上において置換を有する変異体。
(b)配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183及びG184の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722からの野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、とりわけ183及び184位に欠損を有する変異体、及び参照により本明細書中に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されている変異体。
(d)バチルス属707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)からの野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261を1つ以上含むもの。好ましくは、該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202Tの突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号において配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を有する変異体、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophiluss)に由来する野生型酵素又はその切断版。
【0176】
好適な市販のα−アミラーゼとしては:DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark));KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria);RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California);並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、〒103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0177】
一態様では、こうした酵素は、「第1サイクルのリパーゼ」を含む、リパーゼからなる群から選択することができる。一態様では、リパーゼは第1洗浄用リパーゼ、好ましくはT231R変異及びN233R変異のうちの1つ以上を含む、サーモマイセスラヌギノサス由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ)由来の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、商品名Lipex(登録商標)及びLipolex(登録商標)で販売されているものが挙げられる。
【0178】
一態様では、他の好ましい酵素としては、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を呈する微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられ、それには米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、更には99%の同一性の配列を有するバチルス属のメンバー及びこれらの混合物に対して内因性である細菌ポリペプチドが含まれる。好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0179】
他の好ましい酵素としては、商品名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、及び商品名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))で販売されているマンナーゼが挙げられる。
【0180】
酵素安定化系
本明細書に記載されている酵素含有組成物は、場合により、該組成物の重量基準で、約0.001%〜約10%、いくつかの例では、約0.005%〜約8%、及び別の例では、約0.01%〜約6%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。そのような系は、他の配合物活性分によって本質的に提供されてもよく、又は洗剤に使用可能な酵素の配合者若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。そのような安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白剤捕捉剤及びそれらの混合物が含むことができ、清浄組成物のタイプ及び物理形態に応じて様々な安定化問題に対処するように設計される。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸及びこれらの誘導体を含むホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2−プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0181】
ビルダー
本発明の清浄組成物は、場合により、ビルダーを含んでもよい。ビルダー入り清浄組成物は、典型的には、組成物の全重量に対して、少なくとも約1重量%のビルダーを含む。液体清浄組成物は、該組成物の総重量の最大約10%、及び一部の例では、最大8%のビルダーを含み得る。顆粒清浄組成物は、該組成物の重量基準で、最大約30%、及びいくつかの例では、最大5%のビルダーを含み得る。
【0182】
アルミノシリケート(例えば、ゼオライトA、ゼオライトP、及びゼオライトMAPなどのゼオライトビルダー)及びシリケートから選択されるビルダーは、洗浄水の鉱物質硬度、特にカルシウム及び/又はマグネシウムの制御、又は表面からの微粒子汚れの除去を助ける。好適なビルダーは、ポリリン酸塩(例えばナトリウムトリ−ポリリン酸塩)、特にそのナトリウム塩などのリン酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及び炭酸ナトリウム又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラカルボキシレート、特に、酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態の水溶性非界面活性剤カルボキシレート、並びに脂肪族及び芳香族の種類を含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボキシレート、並びにフィチン酸からなる群から選択されてもよい。これらは、例えば、pH緩衝化の目的のためのホウ酸塩によって、又は硫酸塩、とりわけ硫酸ナトリウム、及び安定な界面活性剤及び/又はビルダー含有清浄組成物の工学に重要となり得る任意の他の充填剤又は担体によって補完されてもよい。更なる好適な洗剤ビルダーは、クエン酸、乳酸、脂肪酸、ポリカルボキシレートビルダー、例えばアクリル酸のコポリマー、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はマレイン酸、及び多様な種類の追加の官能基を有するその他の好適なエチレン系モノマーのコポリマーから選択されてもよい。また、本明細書のビルダーとしての使用に好適なものは、鎖構造を有し、次の一般的な無水物形態x(MO)・ySiO・zM’Oによって表される組成を有する、合成された結晶性イオン交換材料又はその水和物であり、式中、MはNa及び/又はKであり、M’はCa及び/又はMgであり;y/xは、0.5〜2.0であり;z/xは、0.005〜1.0である。
【0183】
あるいは、組成物はビルダーを実質的に含まなくてもよい。
【0184】
構造剤/増粘剤
i.ジ−ベンジリデンポリオールアセタール誘導体
流体洗剤組成物は、約0.01重量%〜約1重量%、又は約0.05重量%〜約0.8重量%、又は約0.1重量%〜約0.6重量%、又は更に約0.3重量%〜約0.5重量%のジベンジリデンポリオールアセタール誘導体(DBPA)を含み得る。一態様では、DBPA誘導体は、ジベンジリデンソルビトールアセタール誘導体(DBS)を含んでもよい。該DBS誘導体は、以下からなる群から選択され得る:1,3:2,4−ジベンジリデンソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−クロロベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(2,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール;1,3:2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール;及び1,3:2,4−ジ(3,4−ジメチルジベンジリデン)ソルビトール又はこれらの混合物。
【0185】
ii.細菌セルロース
また、流体洗剤組成物は、約0.005重量%〜約1重量%の細菌セルロース網状構造物を含み得る。用語「細菌セルロース」は、CPKelco U.S.によるCELLULON(登録商標)などのアセトバクター属の細菌の発酵によって生成された任意の種類のセルロースを包含し、かつ、ミクロフィブリル化セルロース、網目状細菌セルロースなどと一般に称される材料を含む。一態様では、その繊維の断面寸法は、1.6nm〜3.2nm×5.8nm〜133nmである。更に、細菌セルロース繊維の平均ミクロ繊維長は、少なくとも約100nm、又は約100〜約1,500nmである。一態様では、細菌セルロースミクロ繊維は、約100:1〜約400:1、又は更には約200:1〜約300:1のアスペクト比、すなわち、平均ミクロ繊維の長さをミクロ繊維の最大断面幅で除したものを有する。
【0186】
iii.被覆された細菌セルロース
一態様では、細菌セルロースは、高分子増粘剤で少なくとも部分的に被覆される。一態様では、少なくとも部分的に被覆された細菌セルロースは、約0.1重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約3重量%の細菌セルロース;及び約10重量%〜約90重量%の高分子増粘剤を含む。好適な細菌セルロースは、上述の細菌セルロースを含み、好適なポリマー増粘剤は、カルボキシメチルセルロース、カチオン性ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む。
【0187】
iv.非細菌セルロース由来のセルロース繊維
一態様では、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約5重量%のセルロース繊維を更に含み得る。該セルロース繊維は野菜、果物又は木材から抽出され得る。市販の例は、FMCのAvicel(登録商標)、FiberstarのCitri−Fi、又はCosunのBetafibである。
【0188】
v.非高分子結晶性ヒドロキシ官能性材料
一態様では、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約1重量%の非高分子結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤を更に含み得る。該非高分子結晶質ヒドロキシル官能性構造化剤は、一般的に、最終流体洗剤組成物への分散を補助するために予め乳化が可能な結晶性グリセリドを含み得る。一態様では、結晶性グリセリドとしては、液体洗剤組成物において結晶化させることができる限り、硬化ヒマシ油又は「HCO」又はその誘導体が挙げられる。
【0189】
vi.高分子構造剤
本発明の流体洗剤組成物は、約0.01重量%〜約5重量%の天然由来及び/又は合成の高分子構造化剤を含み得る。本発明で用いる天然由来のポリマー構造剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖誘導体は、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物を含む。本発明で用いる合成ポリマー構造剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、疎水性変性エトキシル化ウレタン、疎水性変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。一態様では、該ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物である。別の態様では、ポリアクリレートは、不飽和モノ−又はジ−炭酸と、(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーである。該コポリマーは、商品名Carbopol Aqua 30としてNoveon incから入手可能である。
【0190】
vii.ジアミドゲル化剤
一態様では、本外部構造化系は、分子量が約150g/モル〜約1,500g/モル、又は更には約500g/モル〜約900g/モルのジアミドゲル化剤を含み得る。このようなジアミドゲル化剤は、少なくとも2個の窒素原子を含んでよく、該窒素原子のうちの少なくとも2個は、アミド官能性置換基を形成する。一態様では、アミド基は異なるものである。別の態様では、アミド官能性基は同じものである。
【0191】
有用なジアミドゲル化剤の非限定例は、
N,N’−(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジイソニコチンアミド;
ジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(プロパン−1,3−ジイルビス(アザンジイル))ビス(3−メチル−1−オキソブタン−2,1−ジイル)ジカルバメート;及び
ジベンジル(2S,2’S)−1,1’−(ドデカン−1,12−ジイルビス(アザンジイル))ビス(1−オキソ−3−フェニルプロパン−2,1−ジイル)ジカルバメートである。
【0192】
ポリマー分散剤
洗剤組成物は1つ以上のポリマー分散剤を含んでもよい。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸塩などのポリカルボン酸塩、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーである。
【0193】
洗剤組成物は、次の一般構造:ビス((CO)(CO)n)(CH)−N−CX2X−N−(CH)−ビス((CO)(CO)n)、(式中、n=20〜30、及びx=3〜8である)有する化合物、又はその硫酸塩化又はスルホン化種などの1つ以上の両親媒性清浄ポリマーを含んでもよい。
【0194】
本洗剤組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース清浄ポリマーを含んでよい。本発明の両親媒性アルコキシル化グリース清浄性ポリマーの具体的な実施形態は、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含む。これらは、例えば内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含み得る。このような材料としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものが挙げられるがこれに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も包含させることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例としては、NH当たり20EO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアがあり、BASFより入手可能である。本明細書において記載されている清浄組成物は、清浄組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.1%〜約8%、及び別の例では、約0.1%〜約6%のアルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。
【0195】
ポリアクリレートから作製されるものなどの、アルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加的なグリース除去性能を提供するのに有用である。化学的に、これらの材料は、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CHCHO)(CHCHを有し、式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である。ポリアクリレート「主鎖」に側鎖がエステル結合すると、「櫛形」ポリマー型構造がもたらされる。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。本明細書において記載されている洗剤組成物は、清浄組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.25%〜約5%、及び別の例では、約0.3%〜約2%のアルコキシル化ポリカルボキシレートを含んでもよい。
【0196】
好ましい好適な両親媒性グラフトコポリマーには、両親媒性グラフトコポリマーが、(i)ポリエチレングリコール骨格と;(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含むことが含まれる。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されるSokalan(登録商標)HP22である。好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリビニルアセテート側鎖とを有するポリビニルアセテートグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、典型的には約6000であり、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルとの重量比は、約40〜60であり、エチレンオキシド単位50当たり1グラフト点を超えない。
【0197】
カルボキシレートポリマー−本発明の洗剤組成物は、また、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含んでもよい。一態様では、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da、又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。
【0198】
汚れ放出ポリマー−本発明の洗剤組成物はまた、以下の構造(I)、(II)又は(III)の1つにより定義される構造を有する1種以上の汚れ放出ポリマーを含んでもよい。
(I) −[(OCHR−CHR−O−OC−Ar−CO−]
(II) −[(OCHR−CHR−O−OC−sAr−CO−]
(III) −[(OCHR−CHR−OR
式中、
a、b、及びcは、1〜200であり;
d、e、及びfは、1〜50であり;
Arは、1,4−置換フェニレンであり;
sArは、5位がSOMeにより置換されている1,3−置換フェニレンであり;
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C〜C18アルキル又はC〜C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり;
、R、R3、、R及びRは、H又はC〜C18 n−又はイソ−アルキルから独立して選択され;Rは、線状若しくは分枝状C〜C18アルキル、又は線状若しくは分枝状C〜C30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC〜C30アリール基、又はC〜C30アリールアルキル基である。
【0199】
好適な汚れ遊離ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ遊離ポリマーである。他の好適な汚れ遊離ポリマーとしては、Texcareポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325など)が挙げられる。他の好適な汚れ遊離ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0200】
セルロースポリマー−本発明の消費者製品はまた、アルキルセルロース、アルキルアルコキシルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1種以上のセルロースポリマーを含んでもよい。一態様では、セルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0201】
アミン
本明細書で記載される清浄組成物において、汚れた素材からのグリース及び粒子の除去を向上するために様々なアミンが使用され得る。本明細書において記載されている洗剤組成物は、清浄組成物の重量基準で、約0.1%〜約10%、いくつかの例では、約0.1%〜約4%、及び別の例では、約0.1%〜約2%の追加アミンを含み得る。アミンの非限定例としては、以下に限定されないが、ポリアミン、オリゴアミン、トリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン、ポリエーテルアミン、又はそれらの組合せが挙げられる。好適な追加アミンの具体例としては、テトラエチレンペンタアミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、ポリエーテルアミン、又はそれらの混合物が挙げられる。好適なポリエーテルアミンは、式(I)の構造により表される。
【0202】
【化34】
式中、R〜Rのそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つはHとは異なり、R〜Rのうちの少なくとも1つは、典型的には2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的にはZ及びZは、各々NHであり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約4〜約6の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1である。
【0203】
好適な別のポリエーテルアミンは、式(II)の構造により表される。
【0204】
【化35】
式中、R〜R12のそれぞれは、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから独立して選択され、R〜R12のうちの少なくとも1つはHとは異なり、R〜R12のうちの少なくとも1つは、典型的には2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、2〜18個の炭素原子、典型的には2〜10個の炭素原子、より典型的には2〜5個の炭素原子を有する線状又は分枝状アルキレンから独立して選択され、Z〜Zのそれぞれは、OH又はNHから独立して選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的にはZ及びZのそれぞれは、NHであり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、典型的には約2〜約20又は約3〜約20、より典型的には約2〜約10又は約3〜約8又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1及びy≧1である。
【0205】
好適な別のポリエーテルアミンは、式(III)の構造により表される。
【0206】
【化36】
【0207】
溶媒−好適な溶媒としては、以下に限定されないが、水、アルコール、パラフィン、グリコール、グリセロール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0208】
漂白剤−本発明の洗剤組成物は、1つ以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒以外の好適な漂白剤は、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物を含む。一般に、漂白剤を用いる場合、本発明の洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含み得る。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物。
(2)予め形成させた過酸:適切な予め形成させた過酸としては、以下に限定されないが、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えば、Oxone(登録商標)、並びにそれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられる。好適な過カルボン酸としては、式R−(C=O)O−O−M(式中、Rはアルキル基であり、場合により分岐しており、過酸が疎水性の場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有しており、過酸が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有しており;Mは、対イオン、例えば、ナトリウム、カリウム又は水素である)を有する疎水性及び親水性過酸が挙げられる。
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩及びそれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。本発明の一態様では、無機過水和物の塩は、過ホウ酸ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。無機過水和物の塩は、使用する場合、通常、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05重量%〜40重量%、又は1重量%〜30重量%の量で存在し、通常、コーティングされ得る結晶性固体としてこうした布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩(ケイ酸、炭酸若しくはホウ酸のアルカリ金属塩、又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる。
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(式中、Rはアルキル基であり、場合により分枝しており、漂白活性化剤が疎水性である場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有しており、漂白活性化剤が親水性である場合、6個未満の炭素原子又は更には4個未満の炭素原子を有しており、Lは脱離基である)。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、とりわけベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤類としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。いかなる好適な漂白活性化剤も使用してもよいが、本発明の一態様では、対象の洗剤組成物は、NOBS、TAED又はそれらの混合物を含んでもよい。
【0209】
過酸及び/又は漂白活性剤は、存在する場合、一般に、布地ケア及びホームケア製品に対して、約0.1重量%〜約60重量%、約0.5重量%〜約40重量%、又は更には約0.6重量%〜約10重量%の量で洗剤組成物中に存在する。1種以上の疎水性過酸又はその前駆体は、1種以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用することができる。
【0210】
過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、有効酸素(過酸化物源由来)と過酸とのモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1になるよう選択することができる。
【0211】
漂白触媒−本発明の洗剤組成物はまた、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取り、その酸素原子を酸化可能な基質に移送することができる1つ以上の漂白触媒を含み得る。好適な漂白触媒は、イミニウムカチオン及びポリイオン;イミニウム双性イオン;修飾アミン;修飾アミンオキシド;N−スルホニルイミン;N−ホスホニルイミン;N−アシルイミン;チアジアゾールジオキシド;ペルフルオロイミン;環状糖ケトン、及びこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0212】
一態様では、漂白触媒は、以下の一般式に対応する構造を有する。
【0213】
【化37】
(式中、R13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される。)
【0214】
増白剤
光学増白剤若しくはその他の増白剤、又は白化剤は、組成物の重量基準で、約0.01%〜約1.2%のレベルで本明細書に記載されている清浄組成物に配合することができる。本発明に好適な市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、ベンゾキサゾール、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な物質の誘導体を含むが、これらに限定されない。
【0215】
いくつかの例では、本明細書の蛍光増白剤は、式(1)の化合物を含む。
【0216】
【化38】
式中、X、X、X、及びXは−N(R)Rであり、式中、R及びRは、水素、フェニル、ヒドロキシエチル、又は非置換若しくは置換C〜Cアルキルから独立して選択されるか、又は−N(R)Rは複素環を形成し、好ましくはR及びRは水素又はフェニルから独立して選択されるか、又は−N(R)Rは非置換又は置換モルホリン環を形成し;Mは水素又はカチオンであり、好ましくはMはナトリウム又はカリウムであり、より好ましくはMはナトリウムである。
【0217】
いくつかの例では、蛍光増白剤は、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート(増白剤15、商品名Tinopal AMS−GXとしてCiba Geigy Corporationにより市販)、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−(N−2−ビス−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート(商品名Tinopal UNPA−GXとしてCiba−Geigy Corporationにより市販)、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−(N−2−ヒドロキシエチル−N−メチルアミノ)−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート(商品名Tinopal 5BM−GXとしてCiba−Geigy Corporationにより市販)からなる群から選択される。より好ましくは、蛍光増白剤は、ジナトリウム4,4’−ビス{[4−アニリノ−6−モルホリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネートである。
【0218】
増白剤は、粒子の形で又は好適な溶剤、例えば非イオン性界面活性剤、モノエタノールアミン、プロパンジオールとのプレミックスとして添加されてもよい。
【0219】
水溶性フィルム
本発明の組成物はまた、水溶性フィルム内にカプセル化されてもよい。好ましいフィルム材料は、好ましくは高分子材料である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。
【0220】
パウチ材料としての使用に好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含するポリサッカライド、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマーの濃度、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。ポリマー混合物もパウチ材料として使用することができる。
【0221】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムも、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性、すなわち放出特性を呈し得ることである。
【0222】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSolの参照品であるM8630、M8900、H8779で公知の、PVAフィルムである。
【0223】
また、本明細書のフィルム材料には、1つ以上の添加剤成分を含有させてもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤が挙げられる。
【0224】
増泡剤
高起泡性が望ましい場合、本清浄組成物に、C10〜C16アルカノールアミドなどの増泡剤を、該清浄組成物の約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で配合することができる。いくつかの例としてはC10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドが挙げられる。所望の場合、更なる泡をもたらして、グリース除去性能を高めるために、MgCl、MgSO、CaCl、CaSOなどの水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、清浄組成物の約0.1重量%〜約2重量%のレベルで加えてもよい。
【0225】
コンディショニング剤
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含み得る。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0226】
高融点脂肪化合物は、濡れた毛髪に施用している間のすべすべ感、乾いた毛髪での柔らかさ及びしっとり感などの、改善されたコンディショニング上の利益をもたらす観点から、組成物中に、該組成物の約0.1重量%〜約40重量%、好ましくは約1重量%〜約30重量%、より好ましくは約1.5重量%〜約16重量%、約1.5重量%〜約8重量%のレベルで含まれる。
【0227】
本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してもよい。組成物中のカチオン性ポリマーの濃度は、通常、約0.05%〜約3%、別の実施形態では、約0.075%〜約2.0%、更に別の実施形態では、約0.1%〜約1.0%の範囲に及ぶ。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図される使用のpHが、一般に、約pH3〜約pH9、一実施形態では約pH4〜約pH8の間の範囲において、少なくとも約0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも約0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも約1.2meq/gm、更に別の実施形態では少なくとも約1.5meq/gmであるが、一実施形態ではやはり約7meq/gm未満、及び別の実施形態では約5meq/gm未満の正電荷密度を有することになる。本明細書において、ポリマーの「正電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数とポリマーの分子量との比を指す。こうした好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は一般に、約10,000〜10,000,000であり、一実施形態では、約50,000〜約5,000,000であり、別の実施形態では、約100,000〜約3,000,000である。
【0228】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はプロトン化されたカチオン性アミノ部分を含有する。ポリマーが、水中、組成物中、又は組成物のコアセルベート相中に溶解した状態を保ち、かつ対イオンが該組成物の必須構成成分と物理的及び化学的に適合することができるか、又はそうでなければ、製品の性能、安定性又は審美性を過度に損なわないかぎり、任意のアニオン性対イオンを、カチオン性ポリマーと併せて使用することができる。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0229】
本組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーには、ポリサッカライドポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロースのコポリマー、グアー及びデンプンが含まれる。本発明におけるカチオン性ポリマーは、使用される場合、本組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤成分によって形成される本組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、本組成物中の他の荷電物質により形成することもできる。
【0230】
本発明の組成物は、非イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含み得る。約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが、本明細書において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0231】
【化39】
(式中、R95は、H、メチル、及びそれらの混合物からなる群から選択される。)コンディショニング剤、及び特にシリコーンが本組成物に含まれ得る。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、通常、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。本組成物に使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組合せとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。こうしたコンディショニング剤は、物理的及び化学的に本組成物の必須構成成分と適合すべきであり、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なうべきではない。
【0232】
本組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング上の利点をもたらすのに十分となるべきである。こうした濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均サイズ、他の構成成分のタイプ及び濃度、並びに他の同様の要因により様々となり得る。
【0233】
布地色調剤
本組成物は、布地色調剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色調剤は布地に青又は紫の色合いをもたらす。色調剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用して、特定の色調の色合いを作り出し、かつ/又は異なる種類の布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色調剤は、任意の既知の化学分類の染料から選択されてよく、これらは、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予備金属化(premetallized)されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0234】
好適な布地色調剤は、染料、染料−粘土複合体(dye-clay conjugate)、並びに有機及び無機顔料を含む。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料は、例えば、ブルー、バイオレット、レッド、グリーン、又はブラックに分類され、単独で又は組み合わせのいずれかで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料若しくは加水分解した反応性染料、溶剤染料又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料を含む。別の態様では、好適な低分子染料としては、色指数(Society of Dyers and Colourists、Bradford、英国))番号:ダイレクトバイオレット染料(9、35、48、51、66及び99など)、ダイレクトブルー染料(1、71、80及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88、及び150など)、アシッドバイオレット染料(15、17、24、43、49及び50など)、アシッドブルー染料(15、17、25、29、40、45、75、80、83、90及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシックバイオレット染料1、3、4、10、及び35など、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75及び159など)、分散又は溶媒染料、及びそれらの混合物からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、C.I.番号が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0235】
好適なポリマー染料は、例えばポリマーと色原体とを共重合してポリマーの主鎖にしたものなどの、共有結合した(複合したと呼ばれる場合もある)色原体を含有するポリマー(染料−ポリマー複合体)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料を含む。
【0236】
別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分及びそれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成される染料−ポリマー複合体からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料は、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme,Wicklow,Irelandから商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と複合しているCMCなどのリアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニール−メタンポリマー着色料、アルコキシル化チオフェンポリマー着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料を含む。
【0237】
好適な染料粘土複合体は、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料粘土複合体を含む。別の態様では、好適な染料粘土複合体は、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11からなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの混合物sからなる群から選択される粘土と、からなる群から選択される、染料粘土複合体を含む。更に別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。
【0238】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を含む塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(そのイミド基は、非置換であっても、C1〜C3−アルキル基又はフェニル基又は複素環式基によって置換されていてもよく、そのフェニル基及び複素環式基は、水溶性を付与しない置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子当たり最大2個の塩素原子を含んでよい銅フタロシアニン、1分子当たり最大14個の臭素原子を含むポリクロロ−銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0239】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0240】
上記の布地色調剤は、組み合わせて用いることができる(布地色調剤のいずれの混合物も用いることができる)。
【0241】
香料−好適な補助香料原料としては、下記の表2に列挙される香料原料が挙げられる。そのような補助香料原料は、本明細書に開示したシリコーン化合物に加えて使用することができる。例えば、そのような補助香料原料は、ニート香料の一部又は全部を配合するのに使用することができる。
【0242】
【表2-1】
【0243】
【表2-2】
【0244】
【表2-3】
【0245】
【表2-4】
【0246】
追加の香料送達技術−消費者製品は、香料成分が、処理された基材に付着し、基材から放出されるのを安定化し向上させる1つ又は2つ以上の香料送達技術を含んでもよい。このような香料送達技術を使用し、処理された基材から香料が放出する寿命を長くすることもできる。香料送達技術、特定の香料送達技術を製造する方法、及びこの種の香料送達技術の使用は、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。
【0247】
一態様では、液体布地強化剤組成物は、約0.001重量%〜約20重量%、又は約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.05重量%〜約5重量%、又は更には約0.1重量%〜約0.5重量%の香料送達技術を含んでよい。一態様において、該香料送達技術は、香料マイクロカプセル、プロ香料、ポリマー粒子、官能基化されたシリコーン、ポリマー支援型送達、分子支援型送達、繊維支援型送達、アミン支援型送達、シクロデキストリン、デンプンに包まれたアコード(accord)、ゼオライト及び無機キャリア、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0248】
一態様において、該香料送達技術は、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に包み込むことによって形成されるマイクロカプセルを含んでもよい。該有益剤としては、3−(4−t−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(4−t−ブチルフェニル)−プロパナール、3−(4−イソプロピルフェニル)−2−メチルプロパナール、3−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−2−メチルプロパナール、及び2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、β−ダマセノン、6,7−ジヒドロ−1,1,2,3,3−ペンタメチル−4(5H)−インダノン、メチル−7,3−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−3−オン、2−[2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル−1−イル)プロピル]シクロペンタン−2−オン、2−sec−ブチルシクロヘキサノン、及びβ−ジヒドロイオノン、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロリナロール、及びジヒドロミルセノールなどの香料;シリコーンオイル、ポリエチレンワックスのようなワックス;魚油、ジャスミン、カンファー、ラベンダーのような精油;メントールのような皮膚冷却剤、乳酸メチル;ビタミンA及びEのようなビタミン類;日焼け止め剤;グリセリン;マンガン触媒又は漂白剤触媒のような触媒;過ホウ酸塩のような漂白剤粒子;シリコンジオキシド粒子;制汗剤活性物質;カチオン性ポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料が挙げられ得る。好適な有益剤は、Givaudan Corp(Mount Olive,New Jersey,USA)、International Flavors & Fragrances Corp.(South Brunswick,New Jersey,USA)、又はQuest Corp.(Naarden,Netherland)から入手することができる。一態様では、マイクロカプセル壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリル酸エステル系材料、ゼラチン、スチレンリンゴ酸無水物、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物を含んでもよい。一態様では、該メラミン壁材料は、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン、ホルムアルデヒドで架橋したメラミン−ジメトキシエタノール、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様では、該ポリスチレン壁材料は、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンを含んでいてもよい。一態様では、該ポリウレア壁材料は、ホルムアミドで架橋した尿素、グルタルアルデヒドで架橋した尿素、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。一態様では、上記ポリアクリレート系壁材料は、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレートから形成されたポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレート並びに強酸から形成されたポリアクリレート、カルボン酸アクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びに強塩基から形成されたポリアクリレート、アミンアクリレート及び/又はメタクリレートモノマー並びにカルボン酸アクリレート及び/又はカルボン酸メタクリレートモノマーから形成されたポリアクリレート、並びにこれらの混合物を含み得る。
【0249】
一態様では、上記ポリアクリル酸エステル系壁材料は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキル及び/又はグリシジルエステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、ヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基及びアリルグルコンアミドを有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルによって形成されたポリアクリル酸エステル、及びこれらの混合物を含んでもよい。
【0250】
一態様では、上記芳香族アルコール系壁材料は、アリールオキシアルカノール、アリールアルカノール、及びオリゴアルカノールアリールエーテルを含んでもよい。更に、少なくとも1つの遊離ヒドロキシ基を有する、特に好ましくは直接芳香族結合した少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基を有する芳香族化合物を含んでもよく、特に少なくとも2つの遊離ヒドロキシ基が芳香族環に直接結合していることが好ましく、更に互いにメタ位にあると好ましい。芳香族アルコールが、フェノール、クレゾール(o−、m−、及びp−クレゾール)、ナフトール(α−及びβ−ナフトール)及びチモール、並びに、エチルフェノール、プロピルフェノール、フルオロフェノール、及びメトキシフェノールから選択されることが好ましい。
【0251】
一態様では、上記ポリ尿素壁材料は、ポリイソシアネートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、該ポリイソシアネートは、フェニル、トルオイル、キシリル、ナフチル、又はジフェニル部分を含有する芳香族ポリイソシアネート(例えば、トルエンジイソシアネートのポリイソシアヌレート、トルエンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、又はキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物)、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット)、又はこれらの混合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット及びキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の混合物)である。更に別の実施形態では、該ポリイソシアネートは架橋されていてもよく、ここで架橋剤はポリアミン(例えば、ジエチレントリアミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、分枝状ポリエチレンイミン、キトサン、ナイシン、ゼラチン、1,3−ジアミノグアニジン一塩酸塩、1,1−ジメチルビグアニド塩酸塩、又はグアニジン炭酸塩)である。
【0252】
一態様では、該ポリビニルアルコール系壁材料は、架橋された、疎水的に改質されたポリビニルアルコールを含んでもよく、このポリビニルアルコールは、i)2,000〜50,000Daの分子量を有する第1デキストランアルデヒドと、ii)50,000超〜2,000,000Daの分子量を有する第2デキストランアルデヒドと、を含む架橋剤を含む。
【0253】
一態様では、香料マイクロカプセルは、堆積助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はこれらの混合物でコーティングされていてもよい。好適なポリマーは、ポリビニルホルムアルデヒド、部分ヒドロキシル化ポリビニルホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。好適な付着助剤については既に述べたが、「付着助剤」と題した項でも述べる。一態様において、マイクロカプセルは、香料マイクロカプセルであってもよい。一態様では、1以上の種類のマイクロカプセル、例えば2種類のマイクロカプセルであって、一方が(a)他方とは異なる壁材料からなる壁を有する;(b)他方とは異なる量の壁材料又はモノマーを含む壁を有する;(c)他方とは異なる量の香油原料を含有する;又は(d)異なる香油を含有する、といったものを使用してもよい。
【0254】
一態様において、該香料送達技術は、アミン化合物(ARP)又はチオ化合物を含んでいてもよい。アミン及び/又はチオ官能基が、1つ以上のPRMと予備反応して、化合物を形成する、「反応性」のポリマー性アミン及び/又はポリマー性チオを使用することもできる。典型的には、反応性アミンは、一級及び/又は二級アミンであり、ポリマーの一部であってもモノマー(非ポリマー)であってもよい。また、このようなARPは、付加的なPRMと混合されてポリマー支援型送達効果及び/又はアミン支援型送達効果を提供することもできる。ポリマー性アミンの非限定例としては、ポリエチレンイミン(PEI)などのポリアルキルイミン、又はポリビニルアミン(PVAm)に基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定例としては、ヒドロキシルアミン(例えば、2−アミノエタノール)及びそのアルキル置換誘導体、並びに香料族アミン(例えば、アントラニレート)が挙げられる。ARPは、香料と予め混合しておいてもよく、リーブオン用途又はリンスオフ用途では別個に添加してもよい。別の態様において、例えば、酸素、リン又はセレンなどの窒素及び/又は硫黄以外のヘテロ原子を含有する材料をアミン化合物の代わりに使用することができる。更に別の態様では、前述の代替化合物をアミン化合物と併用してもよい。更なる別の態様では、1つの分子が、アミン部分と、代替ヘテロ原子部分(例えば、チオール、ホスフィン、及びセレノール)のうちの1つ以上とを含んでもよい。その効果としては、香料の送達が向上すること、並びに香料の放出制御が挙げられる。
【0255】
移染防止剤
布地清浄組成物はまた、清浄工程中に、ある布地から別の布地に染料が移るのを阻止するのに有効な1種以上の物質を含んでもよい。一般に、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられ得る。使用する場合、これらの剤は、組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、いくつかの例では、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、及び別の例では、組成物の約0.05重量%〜約2重量%の濃度で使用され得る。
【0256】
キレート剤
本明細書に記載の洗浄組成物は、また、1つ以上の金属イオンのキレート剤を含有してもよい。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。そのようなキレート剤は、ホスホネート、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、スクシネート、多官能置換された芳香族キレート剤、2−ピリジノール−Nーオキシド化合物、ヒドロキサム酸、カルボキシメチルイヌリン及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。キレート剤は、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、及びこれらの混合物を含む、酸又は塩の形で存在することができる。
【0257】
キレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA);N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート(HEDTA);ニトリロトリアセテート(NTA);エチレンジアミンテトラプロピオネート;トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミン−ペンタアセテート(DTPA);メチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸二酢酸(GLDA);エタノールジグリシン;トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA);N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA);ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG);エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0258】
リン含有キレート化剤としては、以下に限定されないが、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP CAS 15827−60−8);エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(EDTMP CAS 1429−50−1);2−ホスホノブタン1,2,4−トリカルボン酸(Bayhibit(登録商標)AM);ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS 56744−47−9);ヒドロキシ−エタンジホスホン酸(HEDP CAS 2809−21−4);ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸;2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸(CAS 37971−36−1);2−ヒドロキシ−2−ホスホノ−酢酸(CAS 23783−26−8);アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP CAS 6419−19−8);P,P’−(1,2−エタンジイル)ビス−ホスホン酸(CAS 6145−31−9);P,P’−メチレンビス−ホスホン酸(CAS 1984−15−2);トリエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(CAS 28444−52−2);P−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−ホスホン酸(CAS 4167−10−6);ビス(ヘキサメチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))(CAS 34690−00−1);N2,N2,N6,N6−テトラキス(ホスホノメチル)−リシン(CAS 194933−56−7、CAS 172780−03−9)、それらの塩、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、これらのアミノホスホネートは、約6個を超える炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基を含有しない。
【0259】
本明細書でやはり使用することができる生分解性キレート化剤は、エチレンジアミンジスクシネート(「EDDS」)である。いくつかの例では、[S,S]異性体であるが、当然ながらこの特定の例に限定されない。別の例では、EDDAの三ナトリウム塩を使用できるが、マグネシウム塩などの他の形態も有用となり得る。BASFからのTrilonP(登録商標)などのポリマーキレート化剤も有用となり得る。
【0260】
多官能性置換芳香族キレート剤も、清浄組成物において使用することができる。酸形態のこのタイプの化合物は、Trionとしても知られている1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンなどのジヒドロキシジスルホベンゼンである。他のスルホン酸化カテコールも使用されてもよい。二スルホン酸に加えて、用語「trion」はまた、例えば、スルホン酸二ナトリウム塩などの、一又は二スルホン酸塩を含むことができ、これらの塩は、同じコア分子構造を二スルホン酸と共有する。
【0261】
本発明による洗剤組成物は、キレート剤として置換又は非置換の2−ピリジノール−N−オキシド化合物、又はその塩を含有することができる。この化合物の互変異性体、例えば1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノンは、キレート剤として本発明の範囲内に含まれる。特定の態様では、洗剤組成物は、以下からなる群から選択される2−ピリジノール−N−オキシド化合物を含む:2−ヒドロキシピリジン−1−オキシド;3−ピリジンカルボン酸、2−ヒドロキシ−、1−オキシド;6−ヒドロキシ−3−ピリジンカルボン酸、1−オキシド;2−ヒドロキシ−4−ピリジンカルボン酸、1−オキシド;2−ピリジンカルボン酸、6−ヒドロキシ−、1−オキシド;6−ヒドロキシ−3−ピリジンスルホン酸、1−オキシド;及びこれらの混合物。特定の態様では、洗剤組成物は、以下からなる群から選択される1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン化合物を含む:1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリジノン(CAS 822−89−9);1,6−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−6−オキソ−3−ピリジンカルボン酸(CAS 677763−18−7);1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−オキソ−4−ピリジンカルボン酸(CAS 119736−22−0);1,6−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−6−オキソ−2−ピリジンカルボン酸(CAS 94781−89−2);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピロリドン(CAS 50650−76−5);6−(シクロヘキシルメチル)−1−ヒドロキシ−4−メチル−2(1H)−ピロリドン(CAS 29342−10−7);1−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−2(1H)−ピリジノン(CAS29342−02−7);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドンモノエタノールアミン(CAS68890−66−4);1−ヒドロキシ−6−(オクチルオキシ)−2(1H)−ピリジノン(CAS162912−64−3);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリジノンエタノールアミン塩(CAS 41621−49−2);1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリジノン(CAS 29342−05−0);6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−オキソ−4−ピリジンカルボン酸、メチルエステル(CAS 36979−78−9);1−ヒドロキシ−5−ニトロ−2(1H)−ピリジノン(CAS 45939−70−6);並びにこれらの混合物。これらの化合物は、例えばSigma−Aldrich(St.Louis,MO)、Princeton Building Blocks(Monmouth Junction,NJ)、3B Scientific Corporation(Libertyville,IL)、SynFine Research(Richmond Hill,ON)、Ryan Scientific,Inc.(Mt.Pleasant,SC)、及び/又はAces Pharma(Branford,CT)から市販されている。
【0262】
ヒドロキサム酸は、ヒドロキシルアミンがカルボン酸に挿入されて、キレート剤として使用される化学化合物のクラスである。ヒドロキサム酸の一般的な構造は、下記の通りである。
【0263】
【化40】
【0264】
好ましいヒドロキサメートは、RがC〜C14アルキル、好ましくはノルマルアルキル、最も好ましくは飽和であるもの、その塩及びそれらの混合物である。C8物質を使用する場合、それはオクチルヒドロキサム酸と呼ばれる。
【0265】
本明細書での使用に好適なキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、及びMonsanto,Akzo−Nobel,DuPont,Dowのキレート剤、BASF及びNalcoのTrilon(登録商標)シリーズである。
【0266】
キレート剤は、本開示の洗剤組成物の約0.005重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3.0重量%、約0.2重量%〜約0.7重量%、又は約0.3重量%〜約0.6重量%で、本開示の洗剤組成物中に存在してよい。
【0267】
衛生及び悪臭
本発明の組成物はまた、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASFのLupasol(登録商標)など)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag又はナノ銀分散体をゆっくり遊離するように設計されているもののうちの1つ以上も含み得る。
【0268】
充填剤及び担体
本明細書において記載されている清浄組成物に、充填剤及び担体を用いてもよい。本明細書において使用する場合、用語「充填剤」及び「担体」は、同じ意味を有し、互換的に使用できる。
【0269】
液体清浄組成物、及び液体構成成分を含む他の形態の清浄組成物(液体含有単位分量の清浄組成物など)は、水及び他の溶媒を充填剤又は担体として含んでもよい。好適な溶剤としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルなどのグリセリン誘導体、ペルフッ素化アミン、ペルフッ素化及びヒドロフルオロエーテル溶剤、低揮発性非フッ素化有機溶剤、ジオール溶剤、及びこれらの混合物を含む、親油性流体も挙げられる。
【0270】
メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の一級又は二級アルコールが好適である。いくつかの例では、一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するために使用されてもよく、2〜約6個の炭素原子と2〜約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオール)もまた使用され得る。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのアミン含有溶剤も使用されてもよい。
【0271】
清浄組成物は、該組成物の重量基準で、約5%〜約90%、及びいくつかの例では、約10%〜約50%のこうした担体を含有してもよい。コンパクト又はスーパーコンパクト強力液体又は他の形態の清浄組成物では、水の使用は、該組成物の約40重量%未満、又は約20重量%未満、又は約5重量%未満、又は約4重量%未満、又は約3重量%未満、又は約2重量%未満の遊離水とすることができ、又は遊離水が実質的に不含(すなわち、無水)とすることができる。
【0272】
粉末又は棒状の清浄組成物、又は固体若しくは粉末構成成分を含む形態(粉末含有単位用量の清浄組成物など)の場合、好適な充填剤としては、以下に限定されないが、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、粘土、又は他の不活性固体成分が挙げられる。充填剤は、また、バイオマス又は脱色バイオマスを含み得る。顆粒、棒状、又は他の固体清浄組成物中の充填剤は、清浄組成物の約80重量%未満、及びいくつかの例では、清浄組成物の約50重量%未満を構成する。コンパクト又はスーパーコンパクト粉末又は固体清浄組成物は、清浄組成物の重量で約40%未満、又は約20%未満、又は約10%未満の充填剤を含んでもよい。
【0273】
コンパクト又はスーパーコンパクト液体又は粉末の清浄組成物、又は他の形態のいずれかの場合、製品中の液体又は固体充填剤のレベルが低減されて、コンパクト化されていない清浄組成物と比べて、同量の活性化学物質が洗浄液に送達され得るか、又はいくつかの例では、清浄組成物が一層効率的となり、コンパクト化されていない組成物と比べて、より少量の活性化学物質が洗浄液に送達される。例えば、洗浄液は、洗浄液中の清浄組成物の濃度が0g/L〜約6g/L超となるような量で、清浄組成物を水に接触させることにより形成することができる。いくつかの例では、濃度は、約0.5〜約5g/L、0.5〜約3.0g/L、0.5〜約2.5g/L、0.5〜約2.0g/L、若しくは0.5〜約1.5g/L、又は約0g/L〜約1.0g/L、若しくは約0g/L〜約0.5g/Lであり得る。これらの投与量は限定を意図するものではなく、その他の投与量を使用することもできることは当業者には明白である。
【0274】
緩衝系
本明細書において記載されている清浄組成物は、水性清浄操作において使用する間、洗浄水が約7.0〜約12の間、及びいくつかの例では約7.0〜11の間のpHを有するように配合され得る。推奨される使用レベルでpHを調整する技術としては、緩衝剤、アルカリ、酸などの使用が挙げられ、これらは当業者には周知である。これらの技術としては、炭酸ナトリウム、クエン酸、若しくはクエン酸ナトリウム、乳酸若しくは乳酸塩、モノエタノールアミン若しくは他のアミン、ホウ酸若しくはホウ酸塩、及び当該技術分野において既知の他のpH調整化合物の使用が挙げられるが、これらに限定されない。
【0275】
本明細書における清浄組成物は、動的なインウオッシュpHプロファイルを含んでもよい。このような清浄組成物は、(i)水と接触した約3分後に、洗浄液のpHが10を超える;(ii)水と接触した約10分後に、洗浄液のpHが9.5未満である;(iii)水と接触した約20分間後に、洗浄液のpHが9.0未満である;及び(iv)場合により、洗浄液の平衡pHが、約7.0〜約8.5の範囲である、ように、ワックスで覆われたクエン酸粒子を他のpH調整剤と共に使用してもよい。
【0276】
UV吸収剤−本発明の特定の消費者製品の実施形態では、本発明の光感応性封入体は、好適なUV吸収成分を該組成物に配合することによって、保管中に十分な波長の光に暴露することにより早期放出に対して安定化することができる。任意の好適なUV吸収組成物を使用することができるが、組成物に不快な色及び匂いを付与せず、かつ製品のレオロジーに悪影響を及ぼさないものが特に好ましい。UV吸収成分の非限定例には、アボベンゾン、シノキセート、エカムシュル(ecamsule)、アントラニル酸メンチル、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、オキシベンゾン、スリソベンゾン、及びこれらの組合せが挙げられる。本出願人らは、驚くべきことに、本発明の封入体の光活性化性能が、こうしたUV吸収成分の使用により損なわれないことを見出した。理論により拘束されることを望むものではいが、多数の消費者製品の用途、例えば洗濯用洗剤、シャンプー及びボディーウオシュを含めた清浄組成物では、UV吸収成分は排水に洗い流される一方、本発明の封入体は、対象の表面に有効量で残留し、該封入体は、その後の十分な波長の光に対して暴露した際に、それらの内容物を放出することができると考えられる。他の清浄組成物又はリーブオン型(leave-on)消費者製品、例えば、用清浄組成物、カーテン及び室内装飾用消臭剤、ボディーローション、並びにヘアスタイリング製品では、UV吸収成分は、施用後に乾燥して薄膜となり、これにより、本発明の封入体は頂部に留まるか、又は該薄膜上に広がることが可能となる。これにより、有効な量の所望の波長の光が封入体に到達し、有益剤の放出を行うことが可能になる。
【実施例】
【0277】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
【0278】
(実施例1)
アミノメトキシ官能性ポリジメチルシロキサン、OFX−0536流体(100g;Dow Corning Corporation,Midland,MI製のXiameterから入手可能)を、アルコール、ゲラニオール(40.58g;Sigma−Aldrich,St.Louis、MOから入手可能)、及びナトリウムメトキシド(2.03g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で16時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0279】
【化41】
である。
【0280】
(実施例2)
アミノメトキシ官能性ポリジメチルシロキサン、OFX−0536流体(30g;Dow Corning Corporation,Midland,MI製のXiameterからから入手可能)を、アルコール、メントール(12.33g;Symrise,Holzminden,Germanyから入手可能)、及びナトリウムメトキシド(1.00g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で72時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0281】
【化42】
である。
【0282】
(実施例3)
アミノメトキシ官能性ポリジメチルシロキサン、OFX−0536流体(50g;Dow Corning Corporation,Midland,MI製のXiameterからから入手可能)を、アルコール、(E,Z)−2,6−ノナジエン−1−オール(18.45g;Bedoukian Research,Inc,Danbury,Connecticutから入手可能)、及びナトリウムメトキシド(1.00g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で16時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0283】
【化43】
である。
【0284】
(実施例4)
メトキシ官能性シラン、ジメトキシジメチルシラン(170g;Gelest,Morrisville,PAから入手可能)を、アルコール、ゲラニオール(46.41g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)、ナトリウムメトキシド(3.50g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)及び水(45.49g)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら60℃で2時間加熱した後、125℃で16時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0285】
【化44】
である。
【0286】
(実施例5)
メトキシ官能性シラン、ジメトキシジメチルシラン(150g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)及びアミノメトキシ官能性シラン、3−アミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン(30.57g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能を、ゲラニオール、アルコール、(49.29g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)、ナトリウムメトキシド(3.50g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)及び水(44.92g)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら60℃で2時間加熱した後、125℃で16時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0287】
【化45】
である。
【0288】
(実施例6)
アミノメトキシ官能性ポリジメチルシロキサン、OFX−0536流体(20g;Dow Corning Corporation,Midland,MI製のXiameterから入手可能)を、アルコール、3,6−ノナジエン−1−オール(7.38g;Bedoukian Research,Inc,Danbury,Connecticutから入手可能)、及びナトリウムメトキシド(0.41g、メタノール中25%;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で16時間加熱する。アルコキシ化合物を遠心分離機にかけ、透明液体としてデカントし、プロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0289】
【化46】
である。
【0290】
(実施例7)
アミノシリコーン、KF−393(3200g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、下表の材料を含む香料アコード(perfume accord)(751.19g):
【0291】
【表3】
及びp−トルエンスルホン酸一水和物(4g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、以下のように様々である。
【0292】
(実施例8)
アミノシリコーン、KF−393(100g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、アルデヒド、ピニルイソブチルアルデヒド、α(9.27g;IFF,New York,NYから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0293】
【化47】
である。
【0294】
(実施例9)
アミノシリコーン、KF−393(100g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、アルデヒド、バニリン(19.56g;Sigma−Aldrich,St.Louis,MOから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0295】
【化48】
である。
【0296】
(実施例10)
アミノシリコーン、KF−393(100g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、アルデヒド、2−(4−tert−ブチルベンジル)プロピオンアルデヒド(26.27g;Innospec LTD,Englewood,COから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0297】
【化49】
である。
【0298】
(実施例11)
アミノシリコーン、KF−393(100g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、アルデヒド、イントレレベン(intreleven)アルデヒド(21.63g;Givaudan,Vernier,Switzerlandから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0299】
【化50】
である。
【0300】
(実施例12)
アミノシリコーン、X−22−3908A−Base(100g;America Inc.,Akron,OHのShin−Etsu Siliconesから入手可能)を、アルデヒド、イントレレベン(intreleven)アルデヒド(7.57g;Givaudan,Vernier,Switzerlandから入手可能)と組み合わせる。この混合物を、アルゴンスイープ及び撹拌しながら125℃で4時間加熱して、透明液体イミンを提供し、これをプロトンNMRにより分析する。X−Z部分は、
【0301】
【化51】
である。
【0302】
(実施例13)−シリコーン化合物を含有している製品の配合物の非限定例を、下表に要約する。
【0303】
【表4】
残部
N,N−ジ(タローオイルオキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド。
メチルビス(タローアミドエチル)2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート。
脂肪酸とメチルジエタノールアミンとのモル比1.5:1での化合物を塩化メチルで四級化して得られる、N,N−ビス(ステアロイル−オキシ−エチル)N,N−ジメチルアンモニウムクロリドとN−(ステアロイル−オキシ−エチル)N−ヒドロキシエチルN,Nジメチルアンモニウムクロリドとの1:1モル混合物。
National Starchから商品名CATO(登録商標)で入手可能なカチオン性高アミローストウモロコシデンプン。
米国特許第5,574,179号、第15段、1〜5行目に記載の式を有する、エチレンオキシドとテレフタレートとのコポリマーであって、式中、各Xはメチルであり、各nは40であり、uは4であり、各R1は本質的に1,4−フェニレン部分であり、各R2は、本質的にエチレン、1,2−プロピレン部分、又はこれらの混合物である。
Wacker製SE39。
ジエチレントリアミン五酢酸
Rohm and Haas Co.から入手可能なKATHON(登録商標)CG。「PPM」は、「百万分の一」。
グルタルアルデヒド(Gluteraldehyde)
DC2310の商品名でDow Corning Corp.から入手可能なシリコーン消泡剤。
Rohm and Haasから商品名Aculan 44で入手可能な疎水変性エトキシル化ウレタン。
【0304】
(実施例14):ドライ洗濯配合におけるシリコーン化合物
【0305】
【表5】
【0306】
(実施例15)−シリコーン化合物を含む液体洗濯配合物(HDL)
【0307】
【表6】
【0308】
(実施例16)
本発明によるシリコーン化合物及び/又はマイクロカプセルを含む自由流動性粒子製品の実施例。下の表はまた、遊離しているか又はマイクロカプセル中の香料も含む組合せ、あるいは悪臭低減物質及び/又は組成物を含む上述の組合せとこれらの組合せも例示する。この表はまた、本質的に「無香料」の製品を提供するために芳香剤を殆ど又は全く含まない、遊離しているか又はマイクロカプセル中の悪臭低減物質及び/又は組成物だけを有する組成物、並びにその組合せも例示する。
【0309】
【表7】
【0310】
【表8】
(1)PEG
(2)粘土
(3)尿素
(4)多糖、大部分がデンプン、未加工デンプン、デンプン誘導体、酸加工デンプン及びκカラゲナン
(5)ゼオライト
(6)デンプン/ゼオライト−SEA
(7)金属酸化物−非限定例−TiO2、ZnO、MnO
(8)金属触媒
(9)乳白剤
【0311】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指定されないかぎり、こうした寸法はそれぞれ、列挙した値と、その値の周辺の機能的に等価な範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0312】
「発明を実施するための形態」の中で引用された全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により援用されている。いかなる文書の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本文献における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が優先するものとする。
【0313】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。