特許第6656250号(P6656250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656250
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】自動車のための離散時間モデリング方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/00 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   B60W50/00
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-529739(P2017-529739)
(86)(22)【出願日】2015年11月13日
(65)【公表番号】特表2018-509324(P2018-509324A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】EP2015076558
(87)【国際公開番号】WO2016091535
(87)【国際公開日】20160616
【審査請求日】2018年5月22日
(31)【優先権主張番号】102014225123.0
(32)【優先日】2014年12月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】リンス・フェリックス
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー・ヨナス
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−287344(JP,A)
【文献】 特開2014−146338(JP,A)
【文献】 特表2008−517386(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/154513(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 − 50/16
B60R 1/00 − 99/00
G06F 1/00 − 21/88
G06Q 10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のための汎用モデリング方法であって、
‐入力信号セット(100)を供給(10)し、当該入力信号セット(100)が、自動車の然るべきセンサの信号であって、自動車の装置の制御に関連性のあり得る信号を有しており、
‐自動車のシステムアーキテクチャ(200)に応じて、入力信号セット(100)からモデリング信号セット(110)を選択(20)し、
‐モデリング信号セット(110)を考慮に入れて離散時間的で且つモジュール関数による基本フレームワークをベースにして、対応のシステム行列を用いることでプロジェクトに関して選択的に表された状態空間モデル・モデリング関数(300)を用いて出力信号セット(400)を算出(30)し、当該出力信号セット(400)が、自動車の装置の相応のアクチュエータを操作するための信号セットとしての役割をする、
ことを有する汎用モデリング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の汎用モデリング方法において、
状態空間モデル・モデリング関数(300)は、自動車の特定の動作状態を表すことのできる関数としての自動車モード関数(310)を有し、
さらに、
自動車モード関数(310)のために、自動車の自動車モードを算出(40)し、
モデリング信号セット(110)を自動車モード関数(310)に適用した結果を考慮に入れて出力信号セット(400)を算出(30)する、
ことを含む汎用モデリング方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の汎用モデリング方法であって、
状態空間モデル・モデリング関数(300)は、自動車に関する基準として使用できる関数としての、自動車の自動車特有の基準システムに対応する基準システム関数(320)をさらに有し、
モデリング信号セット(110)を基準システム関数(320)に適用した結果を考慮に入れて出力信号セット(400)を算出(30)する、
ことを含む汎用モデリング方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
状態空間モデル・モデリング関数(300)は、自動車の推定されたシステム挙動を示す観測器システム(330)をさらに有し、
モデリング信号セット(110)を観測器システム(330)に適用した結果を考慮に入れて出力信号セット(400)を算出(30)する、
ことを含む汎用モデリング方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
入力信号セット(100)には、ゼロ信号(120)がさらに含まれる汎用モデリング方法。
【請求項6】
請求項5に記載の汎用モデリング方法であって、
‐入力信号セット(100)からのモデリング信号セット(110)の選択(20)は、‐入力信号セット(100)からの信号でモデリング信号セット(110)に必要とされないものをゼロ化(21)し、ゼロ化(21)は、ゼロ信号(120)を用いることで、入力信号セット(100)からの信号で信号セット(110)に必要とされないものがゼロ信号(120)の値に相当するようにして行われることを含む汎用モデリング方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
自動車のシステムアーキテクチャの割り当て表を用いて自動車モードの算出(40)が行われる汎用モデリング方法。
【請求項8】
請求項4、請求項4を引用する請求項5、その請求項5を引用する請求項6、これらの請求項4,5,6のいずれかを引用する請求項7のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
観測器システム(330)は、自動車の物理的なシステム記述を有する汎用モデリング方法。
【請求項9】
請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4、または、その請求項4を直接ないし間接的に引用する請求項5から8のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
出力信号セット(400)の算出(30)は、
‐モデリング信号セット(110)を自動車モード関数(310)に適用した結果、
‐モデリング信号セット(110)を基準システム関数(320)に適用した結果、および
‐モデリング信号セット(110)を観測器システム(330)に適用した結果
を制御関数(340)に適用することを有し、
制御関数(340)は、離散時間的で選択的な状態空間モデル・モデリング関数(300)の一部として機能する汎用モデリング方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の汎用モデリング方法であって、
モデリング信号セット(110)を離散時間的で選択的な状態空間モデル・モデリング関数(300)に適用した結果を算出するためのモデリング信号セット(110)と異なる信号が、自動車モード関数(310)、基準システム関数(320)および/または観測器システム(330)に使用され、これらの結果を制御関数(340)に供給する
汎用モデリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の制御装置を開発するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両において制御装置を開発する際には、基本的に、各制御装置のデータスタンド(Datenstand)とプログラムスタンド(Programmstand)とは区別される。
【0003】
プログラムスタンドは、いわゆるソフトウェアフレームワーク(Softwaregeruest)であり、例えば、二つの信号の加算、固定値による信号の乗算、或いはバスシステムへの信号の書き込み/バスシステムからの信号の読み出しといった実行すべき演算に関するあらゆる命令を保持する。
【0004】
データスタンドは、特には例えば上述の固定値といったようないわゆるアプリケーションラベル(Applikationslabel)を含むことで、制御装置ソフトウェアを個別の車両に適合させることを可能にする。典型的な例は、質量、車軸間隔(Radstand)、剛性といった物理的な車両パラメータの適合化や、例えばアクセルペダルの解釈といったような特質形成関数(機能)(charakterpraegenden Funktionen)の微調整である。
【0005】
開発プロセスは、プログラムスタンドとデータスタンドとで著しく異なる。
【0006】
相乗効果を高めるために、同一のプログラムスタンドをできるだけ長く、多くのプロジェクトにわたって共有に保とうとする取り組みがなされている。いわゆるソフトウェアモジュール(Baukastensoftware)である。このために摺合わせの手間と開発サイクル(Entwicklungsschleifen)の期間が増える。というのも、一つの変更が、数多くの委員会や上層部の了承を得なければならないからである。
【0007】
これに対して、定義によりデータスタンドは、プロジェクト別であり、通常はオーバーヘッド(Overhead)なしにプロジェクトの遅い時期でさえも変更がきく。
【0008】
ソフトウェアモジュール、−つまり従来の関数フレームワーク(Funktionsgeruest)では、ここで目的の違いによる競合が生じる。つまり、次のどちらかになる:
一つは、関与する全てのプロジェクトに厳密に共通するものしかモジュールが含まないというもの。この場合には、個別のプロジェクトの個々の要件は、いわゆるバルコニー式ソリューション(Balkonloesung)として組み込まれなければならない。
もう一つは、モジュールが全てのプロジェクトを合わせたものを含むというもの。この場合には、不要な内容がデータ入力不可にされなければならず、そのために資源が無駄になる。
【0009】
このため、改善されたモジュール式ソリューションを提供する解決手段を用意することが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、従来技術で公知の欠点の少なくとも一部を解消するか或いは少なくとも低減する解決手段を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の課題は、独立請求項に記載の方法によって解決される。
【0012】
独立請求項の対象は、自動車のための汎用モデリング方法に関する。この汎用モデリング方法は、以下を有する:
入力信号セットを供給する。この入力信号セットは、自動車の然るべきセンサの信号であって、自動車の装置を制御するために関連性のあり得る信号を有する。
自動車のシステムアーキテクチャに応じて入力信号セットからモデリング信号セットを選択する。
そして、モデリング信号セットを考慮に入れて離散時間的で選択的な状態空間モデル・モデリング関数を用いて出力信号セットを算出する。
この出力信号セットは、自動車の装置の相応のアクチュエータを操作するための信号セットとしての役割を担う。
【0013】
ここで、この方法の工程は、自動的に行うものでもよい。
【0014】
信号とは、本発明においては、センサにより検出される或る量であって、電気的な値に変換できるものとしてよい。
【0015】
自動車の装置を制御するとは、本発明においては、自動車の装置を操作することになるようなプロセスを意味する。この場合、好ましくは自動車の走行性に影響を与え得る装置である。
【0016】
自動車のシステムアーキテクチャとは、本発明においては、自動車をモデル化したもの、特に、自動車の走行性に影響を与え得る自動車側装置をモデル化したものであるとしてよい。
【0017】
出力信号セットとは、本発明においては、汎用モデリング方法の成果物となり得る複数の電気信号を意味するものとしてよい。この電気信号セットは、一または複数の自動車側装置の一または複数のアクチュエータのための入力変数としての役割をすることができる。最も簡単な場合、出力信号セットは、その値がゼロ信号とは異なる値を持つ電気信号だけを有するものでよい。しかしながら、出力信号セットは、入力信号セットと同じ次元(Dimension)を有するのでもよい。この場合、不要な出力信号はすべてゼロに設定することができる。
【0018】
本発明の教示により、自動車のアクチュエータの操作量のためのモデリング方法に関して汎用的な手段を提供できるという利点が得られる。したがって、汎用モデリング方法は、あらゆる自動車タイプと自動車モデルに適用することができる。
【0019】
本発明の実施形態が以下に詳細に説明される前に、まず、本発明は記載された構成要素または記載された方法工程に限定されないことに留意すべきである。さらに、使用される用語は限定を意図するものではなく、専ら例示的な性質を有するに過ぎない。明細書および特許請求の範囲において単数形が用いられるとすれば、文脈が明示的に排除しない限り、そこにはそれぞれ複数形も含まれている。文脈が明示的に除外しない限り、任意の方法工程を自動的に実行することができる。
【0020】
本発明による方法のさらなる例示的な実施形態を以下に説明する。
【0021】
第一の例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、状態空間モデル・モデリング関数が自動車モード関数を有することがさらに含まれる。汎用モデリング方法には、自動車モード関数のために、自動車の自動車モードを算出することがさらに含まれる。このとき、出力信号セットは、モデリング信号セットを自動車モード関数に適用した結果を考慮に入れて算出される。
【0022】
自動車モード関数とは、本発明においては、自動車の特定の動作状態を表すことのできる関数を意味するものとしてよい。例えば、一つの自動車モードが、自動車の振動減衰を意味することもある。この場合、ギア段、クラッチ状態、走行開始等を表すことができる関数を使用することができる。全てを合わせると自動車の振動減衰のための相応の自動車モード関数を作ることができる。
【0023】
この実施形態は、自動車の様々のモードを同じ方法で表現することができ、したがって、相応の自動車の装置であって、関係する複数の装置を操作できるという利点を有する。
【0024】
汎用モデリング方法には、状態空間モデル・モデリング関数が、自動車の自動車特有の基準システムに対応する基準システム関数を有することがさらに含まれる。そして、この場合、出力信号セットは、モデリング信号セットを基準システム関数に適用した結果を考慮に入れて算出される。
【0025】
基準システム関数とは、本発明においては、一般に自動車に関する基準として使用できる関数を意味するものとしてよい。この種の関数は、関数群(Funktionenschar)を有することもできる。
【0026】
この実施形態は、自動車を数学的関数として複合的に表すことができ、これにより、自動車のモデル化がより正確なものになり得るという利点を有する。
【0027】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、状態空間モデル・モデリング関数が、自動車の推定されたシステム挙動(Systemverhalten)を示す観測器(オブザーバ)システム(Beobachtersystem)をさらに有することがさらに含まれる。この場合、出力信号セットは、モデリング信号セットを観測器システムに適用した結果を考慮に入れて算出される。
【0028】
この実施形態は、自動車のモデル化がさらに正確になり得るという利点を有する。
【0029】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、入力信号セットもまたゼロ信号を有することがさらに含まれる。
【0030】
ゼロ信号とは、本発明においては、ゼロ値として作用し得る電気信号であるとしてよい。例えば、ゼロ信号は、電圧として信号が使える場合には、基準電位またはゼロ電位に相当し得る。例えば、電流として信号が形成されている場合、ゼロ信号は0Aの値となり、したがって無電流である。ゼロ信号は、汎用モデリング方法の基準量として用いることができる。
【0031】
この実施形態は、汎用モデリング方法に一つの基準量が使用できることで、信号がより小さな公差を持つことができるという利点を有する。これにより、本方法をより正確なものにできる。
【0032】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、入力信号セットからのモデリング信号セットの選択が、入力信号セットからの信号でモデリング信号セットに必要とされないものをゼロ化することを有することがさらに含まれる。この場合、ゼロ化は、ゼロ信号を用いることで、入力信号セットからの信号でモデリング信号セットに必要とされないものがゼロ信号の値に相当するようにして行われる。
【0033】
この実施形態は、信号エラーを低減できるという利点を有する。
【0034】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、自動車のシステムアーキテクチャの割り当て表を用いて自動車モードを算出することがさらに含まれる。
【0035】
つまり、この実施形態は、簡単な方法で、自動車のシステムアーキテクチャから特定の自動車モードが表現可能になり得るという利点を有する。
【0036】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、観測器システムが自動車の物理的なシステム記述(physikalische Systembeschreibung)を有することがさらに含まれる。
【0037】
物理的なシステム記述とは、本発明においては、自動車の物理的な振る舞い(挙動)を表現するものとしてよい。物理的な振る舞いを特徴付けることができる物理量は、例えば、モデル化する自動車の加速性、トラクション力等に関する記述であることもある。
【0038】
この実施形態は、汎用モデリング方法が、自動車の物理的な状況の一層正確な表現を使用できるという利点を有する。
【0039】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、出力信号セットの算出が、モデリング信号セットを自動車モード関数に適用した結果と、モデリング信号セットを基準システム関数に適用した結果と、モデリング信号セットを観測器システムに適用した結果とを制御関数に適用することを有することがさらに含まれる。このとき、制御関数は、離散時間的で選択的な状態空間モデル・モデリング関数の一部として機能する。
【0040】
制御関数とは、本発明においては、一または複数の然るべきレギュレータをモデリング信号セットに関して使用可能にできる関数であるとしてよい。
【0041】
この実施形態は、自動車の一の自動車側装置または複数の自動車側装置の制御を提供できるという利点を有する。
【0042】
さらなる例示的な実施形態によれば、汎用モデリング方法には、モデリング信号セットを自動車モード関数に適用した結果を算出するためのモデリング信号セットが、モデリング信号セットをモデリング関数に適用した結果を算出するためのモデリング信号セットとの違いを有することがさらに含まれる。これは、それぞれのモデリング信号セットについて、入力信号セットから信号を別異に選択したことにより生じる。
【0043】
この形態は、自動車モード関数、基準システム関数、および観測器システムに対して個々のモデリング信号セットを使用できるという利点を有する。この結果、汎用モデリング方法により、より正確な結果を生成することができる。
【0044】
したがって、本発明によれば、汎用モデリング方法を使用することで、任意の自動車モードおよび自動車を表現して自動車側の相応の装置に対して然るべき制御を行なうことが可能になる。
【0045】
以下に、本発明を図面に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の例示的な実施形態による提案された方法の概略図である。
図2】本発明のさらなる例示的な実施形態による提案された方法の概略図である。
図3図1による本発明の例示的な実施形態による提案された方法のさらなる概略図である。
図4図2による本発明の例示的な実施形態による提案された方法のさらなる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、本発明の例示的な実施形態による提案された方法の概略図を示す。
【0048】
図1は、自動車の汎用モデリング方法の概略図を示している。
この汎用モデリング方法は、次を有する:
入力信号セット100の供給10を行う。この入力信号セット100は、自動車の然るべきセンサの信号であって、自動車の装置を制御するために関連性のあり得る信号を有している。
入力信号セット100からのモデリング信号セット110の選択20を行う。
モデリング信号セット110を考慮に入れて、離散時間的で選択的な状態空間モデル・モデリング関数300を用いて出力信号セット400の算出30を行う。このとき、出力信号セット400は、自動車の装置の相応のアクチュエータを操作するための信号セットとしての役割をする。
【0049】
図2は、本発明のさらなる例示的な実施形態による提案された方法の概略図を示す。
【0050】
図2は、図1の方法に対して拡張された方法の概略図を示す。前に図1を参照して説明したことは、図2に対しても当てはまる。
【0051】
図2から分かるように、汎用モデリング方法には、さらに、状態空間モデル・モデリング関数300が自動車モード関数310を有することが含まれる。また、汎用モデリング方法は、次を含む:自動車モード関数310のために、自動車の自動車モードの算出40を行う。ここで、出力信号セット400の算出30は、モデリング信号セット110を自動車モード関数310に適用した結果を考慮に入れて行われる。
【0052】
図3及び図4は、然るべき方法を信号経路の観点から示す。楕円のフィールドは、相応の信号に導く方法工程を示す。
【0053】
図3は、図1による本発明の例示的な実施形態による提案された方法のさらなる概略図を示す。
【0054】
図3は、図1による方法に対して拡張された方法のさらなる概略図を示す。前に図1について述べたことは、図3についても相応に当てはまる。
【0055】
図3では、自動車のシステムアーキテクチャ200に応じて入力信号セット100からモデリング信号セット110の選択20が行われる。
【0056】
図4は、図2による本発明の例示的な実施形態による提案された方法のさらなる概略図を示す。
【0057】
図4は、図2による方法に対して拡張された方法のさらなる概略図を示す。前に図2について述べたことは、図4についても相応に当てはまる。
【0058】
図4から分かるように、状態空間モデル・モデリング関数300は、自動車モード関数310、基準システム関数320、観測器システム330、および制御関数340を含む。然るべきモデリング信号セット110と同一または異なる信号が、自動車モード関数310、基準システム関数320、および観測器システム330に使用され、これらの結果を制御関数に供給する。この結果が、出力信号セット400の算出30へと導かれる。
【0059】
本発明の思想は、次のようにまとめることができる。モジュール関数を作成することが可能になり得る方法が提供される。モジュール関数のプログラムコードは、単に一つまたは複数の抽象的な状態空間モデルの置き換え(実装)(Umsetzung)を提供するに過ぎない。ここで、個別のデータ入力(Bedatung)がされていないプログラムコードは、全く機能しない。この基本フレームワークをベースにして、プロジェクトに対する置き換えは、ただデータベース上でのみ、対応のシステム行列を用いて表すことができる。とりわけ、以下の関数タイプ、がこの種の置き換えに適している(もっとも、これに限るわけではない。):制御関数、フィルタ関数、調整関数(Koordinationsfunktion)、走行体験切り替えモード(Fahrerlebnisschalter−Modus)に依存する関数。したがって、共有のソフトウェアにより任意の数の動的システムを表現することができる。その結果、基本機能(関数)に何ら変更を加えることなく、プロジェクト別に且つ遅い段階まで機能(関数)の開発を進めることができる。アプリケーションパラメータとして格納されるシステム行列は、例えばMatlabといったような一般に出回っているツールを使用して算出および設定することができる。最終的に、自動車のシステム/デバイスに対して正確な制御が、各自動車に対して独自のバルコニー式ソリューションを用意しなくても実現することができる。したがって、開ループ制御ソフトウェアまたは閉ループ制御ソフトウェアを特定の車両に適合させることができる。典型的な例は、例えば、質量、車軸間隔、剛性などの物理的な車両パラメータの適合化や、例えばアクセルペダルの解釈といったような特質形成関数(charakterpraegenden Funktion)の微調整である。
【0060】
このとき、状態空間モデルの基本フレームワークは、共有の計算規則に基づく任意の動的システムを表すのに適している。さらに、多くの機能(関数)について多数の動作モードがある。これらはまた、システム行列の適切な切り替えによって同じように表すことができる。
【符号の説明】
【0061】
10 入力信号セットの供給
20 モデリング信号セットの選択
21 信号のゼロ化
20 出力信号セットの算出
40 自動車の自動車モードの算出
100 入力信号セット
110 モデリング信号セット
120 ゼロ信号
200 システムアーキテクチャ
300 状態空間モデリング関数
310 自動車モード関数
320 基準システム関数
330 観測器システム
340 制御関数
400 出力信号セット
図1
図2
図3
図4