特許第6656256号(P6656256)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6656256流動接触分解ユニットからのプロピレン回収率を高める方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656256
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】流動接触分解ユニットからのプロピレン回収率を高める方法
(51)【国際特許分類】
   C10G 70/06 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   C10G70/06
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-535085(P2017-535085)
(86)(22)【出願日】2015年12月29日
(65)【公表番号】特表2018-504483(P2018-504483A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2015081371
(87)【国際公開番号】WO2016107880
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2018年11月5日
(31)【優先権主張番号】14307211.4
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504191741
【氏名又は名称】テクニップ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】タラフダール,タンメイ
(72)【発明者】
【氏名】バブ,エヌ.シャラス
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/056712(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0172649(US,A1)
【文献】 特開平07−207280(JP,A)
【文献】 特表2003−501547(JP,A)
【文献】 特開平06−166639(JP,A)
【文献】 特開平08−311460(JP,A)
【文献】 特表平06−502416(JP,A)
【文献】 特開昭63−010693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動接触分解ユニットから生じる分解流を処理する方法であって、
− 前記流動接触分解ユニットの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮する工程、
− 部分的に凝縮されたガス流を分離して上流液体及び上流ガスを回収する工程、
− 前記上流液体を加熱する工程、
− 加熱された上流液体を上流のストリッパに導入して、前記ストリッパの最上部でC2化合物が豊富な流れを回収して、前記ストリッパの底部でC3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を回収する工程、
− C3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を第1の熱交換器に導入して、その後第2の熱交換器に導入する工程、
− 前記第2の熱交換器から回収された液体流をスタビライザ塔に導入して、前記スタビライザ塔の最上部でC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れを回収して、前記スタビライザ塔の側部からC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を回収し、前記スタビライザ塔の底部からC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流を回収する工程、
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記第1の熱交換器に導入する工程、
− 前記スタビライザ塔の底部からの液体流を主吸収器に導入して、前記上流ガスを主吸収器に導入し、前記主吸収器の最上部で第1のガス流を回収して、前記主吸収器の底部で第2の液体流を回収する工程、
− 前記流動接触分解ユニットの主精留塔からのリーンオイルをスポンジ吸収器に導入する工程、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を冷却してプロピレン吸収器に導入する工程、
− 前記第1の熱交換器からのC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を冷却する工程、
− 前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記プロピレン吸収器に導入する工程、
− 前記プロピレン吸収器の底部でC3炭化水素が豊富な液体流を回収して、前記プロピレン吸収器の最上部でC3炭化水素が乏しいガス流を回収する工程、及び
− 前記プロピレン吸収器の最上部で回収されたガス流を前記スポンジ吸収器に導入する工程
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、前記プロピレン吸収器からのC3炭化水素が豊富な液体流を、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を、前記プロピレン吸収器に導入する前に、第3の熱交換器に導入する工程を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を、前記第3の熱交換器で水を用いて冷却する工程を更に有することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロピレン吸収器に導入する前に、前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を、第4の熱交換器に導入する工程を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
C3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れを凝縮器に導入する工程、
前記凝縮器から回収された流れを冷却する工程、及び
得られた流れを、前記スタビライザ塔に導入される液体流、及び液化石油ガスを回収すべく液化石油ガス処理ユニットに送られる液体流に分離する工程
を更に有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと、C2化合物が豊富な流れを混合することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと、前記第2の液体流を混合することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと、プロピレンが豊富なプロピレン回収ユニットからのガス流を混合することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のガス流を前記プロピレン吸収器に導入する前に冷却することを特徴とする請求項乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
流動接触分解ユニットから生じる分解流を処理する装置であって、
− 前記流動接触分解ユニットの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮する手段と、
− 上流液体及び上流ガスを回収するために、部分的に凝縮されたガス流を分離する分離手段と、
− 前記上流液体を加熱する手段と、
− ストリッパと、前記ストリッパの最上部でC2化合物が豊富な流れを回収して、前記ストリッパの底部でC3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を回収するために、加熱された上流液体を前記ストリッパに導入する手段と、
− 第1の熱交換器と、C3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を前記第1の熱交換器に導入する手段と、
− スタビライザ塔と、前記第1の熱交換器からのC3+ 炭化水素が豊富な液体流を前記スタビライザ塔に導入し、前記スタビライザ塔の側部からC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を回収して、前記スタビライザ塔の最上部でC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富なガス流を回収する手段と、
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記第1の熱交換器に導入する手段と、
− 前記第1の熱交換器からのC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を冷却する第1の冷却手段と、
− 主吸収器と、前記スタビライザ塔からのC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流、及び前記分離手段からの上流ガスを前記主吸収器に導入し、前記主吸収器の最上部で第1のガス流を回収して前記主吸収器の底部で液体流を回収する手段と、
− プロピレン吸収器と、C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な冷却された液体流を前記プロピレン吸収器に導入する手段と、
− スポンジ吸収器と、前記スポンジ吸収器にリーンオイルを導入する手段と、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を冷却する第2の冷却手段と、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を前記プロピレン吸収器に導入し、前記プロピレン吸収器の最上部でC3炭化水素が乏しいガス流を回収して、前記プロピレン吸収器の底部でC3炭化水素が豊富な液体流を回収する手段と、
− 前記プロピレン吸収器の最上部で回収されたC3炭化水素が乏しいガス流を前記スポンジ吸収器に導入する手段と
を備えていることを特徴とする装置。
【請求項12】
前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を、前記第1の冷却手段に導入する手段を更に備えていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の冷却手段は、前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を、水を用いて冷却することを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第2の熱交換器と、前記第1の冷却手段から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記第2の熱交換器に導入する導入手段とを更に備えていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記導入手段は、前記第2の熱交換器にプロピレンの冷却流を更に導入することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
第3の熱交換器と、生じたC3+ 炭化水素が豊富な液体流を前記スタビライザ塔に導入する前に、C5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流及び前記第1の熱交換器から回収されたC3+ 炭化水素が豊富な液体流を前記第3の熱交換器に導入する手段とを更に備えていることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記スタビライザ塔からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富なガス流の処理ユニットを更に備えており、
前記処理ユニットは、
凝縮器と、C3炭化水素及びC4炭化水素が豊富なガス流を前記凝縮器に導入する手段と、
熱交換器と、前記凝縮器から回収された流れを前記処理ユニットの熱交換器に導入する手段と、
得られた流れを、前記スタビライザ塔に導入される液体流、及び液化石油ガスを回収すべく液化石油ガス処理ユニットに送られる液体流に分離する分離手段と
を有していることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、C2化合物が豊富な流れを再利用して、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する手段を更に備えていることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
生じた流れを前記上流液体及び前記上流ガスに分離する前に、前記主吸収器からの液体流を再利用して、前記主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する手段を更に備えていることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記主吸収器からの第1のガス流を、前記プロピレン吸収器に導入する前に前記第2の冷却手段に導入する手段を更に備えていることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動接触分解ユニット(FCCU)からの分解ガス流を処理する方法に関し、より具体的には、流動接触分解ユニットから生じるガス流からのプロピレン回収率を高める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロピレンは、多種多様な製品のための原料である。プロピレンは、ポリプロピレンを生成するためのモノマーとして主に使用されている。従って、プロピレンに対する市場の需要は高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
流動接触分解ユニット(FCCU)は生成物の1つとしてプロピレンを生成する。FCCUの下流側の不飽和ガスプラントは、液化石油ガス(LPG )の一部としてプロピレンを回収する。FCC のオフガスからプロピレンを回収するための処理方式が、ある程度のプロピレンポテンシャルの回収率で既に存在している。不飽和ガスプラントからのプロピレンの典型的な回収率は約94%である。しかしながら、既存の従来の方式を用いると燃料ガスのプロピレンがかなり損失する。燃料ガスは装置で再使用され得るが、装置の操業者にとって、プロピレン回収率の上昇の方がより重要である。
【0004】
そのため、流動接触分解ユニットから生じる流れからのプロピレン回収率を高めることが必要である。
【0005】
従って、本発明の目的は、従来の方法と比較して、例えば2〜3wt%のプロピレンポテンシャルの範囲内で流動接触分解ユニットから生じる流れからのプロピレン回収率を高める方法を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は更に、この方法を実施するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の主題は、流動接触分解ユニット(FCCU)から生じる分解流(ガス流及び液体流)を処理する方法であって、
− 前記流動接触分解ユニットの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮する工程、
− 部分的に凝縮されたガス流を分離して上流液体及び上流ガスを回収する工程、
− 前記上流液体を加熱する工程、
− 加熱された上流液体を上流のストリッパに導入して、前記ストリッパの最上部でC2化合物が豊富な流れを回収して、前記ストリッパの底部でC3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を回収する工程、
− C3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を第1の熱交換器に導入する工程、
− 前記第1の熱交換器から回収された液体をスタビライザ塔に導入して、前記スタビライザ塔の最上部でC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れを回収して、前記スタビライザ塔の側部からC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を回収し、前記スタビライザ塔の底部からC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流を回収する工程、
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記第1の熱交換器に導入する工程、
− 前記スタビライザ塔の底部からのC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流を主吸収器に導入して、上流ガスを主吸収器に導入し、前記主吸収器の最上部で第1のガス流を回収して、前記主吸収器の底部で第2の液体流を回収する工程、
− リーンオイルをスポンジ吸収器に導入する工程、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を冷却してプロピレン吸収器に導入する工程、
− 前記第1の熱交換器からのC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を冷却する工程、
− 前記第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記プロピレン吸収器に導入する工程、
− 前記プロピレン吸収器の底部でC3炭化水素が豊富な底部液体を回収して、前記プロピレン吸収器の最上部でC3炭化水素が乏しい最上部ガスを回収する工程、
− 前記プロピレン吸収器の最上部で回収された最上部ガスを前記スポンジ吸収器に導入し、好ましくは燃料ガス及びリッチオイルを回収する工程
を有する前記方法である。
【0008】
C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な流れは、更にC7+ 炭化水素が乏しい。
【0009】
有利には、本発明者らは、C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富で、C7+ 炭化水素が乏しい流れが軽いオフガスからプロピレンを吸収するのに優れた親和性を有することを発見した。従って、プロピレン吸収塔におけるプロピレン回収率を上昇させることが可能である。
【0010】
有利には、本発明者らは、C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な流れの温度を低下させることにより、軽いオフガスからより多くのプロピレンを吸収すべく流れの能力を高めることを発見した。従って、プロピレン吸収塔におけるプロピレン回収率を上昇させることが可能である。特に、プロピレン吸収塔に送られるC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な流れの温度は、20〜40℃の範囲内、好ましくは28〜32℃の範囲内である。
【0011】
有利には、本発明者らは、プロピレン吸収塔に導入する前に、主吸収器の最上部から回収されたガス流の温度を低下させることにより、プロピレンの吸収を高めることを発見した。従って、プロピレン吸収塔におけるプロピレン回収率を上昇させることが可能である。特に、プロピレンの吸収を高めるためにプロピレン吸収塔に導入する前に、主吸収器の最上部から回収されるガス流の温度は、40℃以下の温度、好ましくは25〜40℃の温度、更に好ましくは38〜40℃の温度である。
【0012】
本発明に係る方法は、生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、プロピレン吸収器からのC3炭化水素、特にプロピレンが豊富な液体を、主精留塔からのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する更なる工程を有することができる。この更なる工程によって、従来の方式と比較して、C3炭化水素、特にプロピレンの回収を向上させることが可能になる。
【0013】
本発明に係る方法は、単独で又は技術的に可能な全ての組み合わせに応じて、以下の特徴の1又は複数を更に有してもよい。
【0014】
− 本方法は、第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体を第2の熱交換器に導入して水で冷却し、その後、プロピレン吸収器に導入する前に第3の熱交換器に導入して、有利にはプロピレン回収ユニットからのプロピレンの冷却流を用いて冷却する工程を有する。
【0015】
− 本方法は、
スタビライザ塔の最上部からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れを凝縮器に導入する工程、
凝縮器から回収された流れを冷却する工程、
得られた流れを、スタビライザ塔に還流として導入される液体流、及び液化石油ガス(LPG )を回収すべく液化石油ガス処理ユニットに送られる液体流に分離する工程
を有する。
【0016】
− 生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと、C2化合物が豊富な流れを混合する。
【0017】
− 生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、主精留塔からのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと、主吸収器の底部で回収された第2の液体流を混合する。
【0018】
有利には、第1のガス流を、プロピレン吸収器に導入する前に冷却する。このため、液相へのより多くのプロピレンの吸収のために熱力学平衡をシフトすることが可能になる。有利には、プロピレン吸収器に導入する前の第1のガス流の温度は、35〜50℃の範囲内であり、好ましくは38〜43℃の範囲内であり、更に好ましくは38〜40℃の範囲内である。
【0019】
有利には、スポンジ吸収器は、主吸収器からのガスで失われる場合があるガソリンの範囲内の原料、主にC5化合物を捕捉することができる。生じた流れは、主精留塔に送られ得るリッチオイルである。
【0020】
有利には、スタビライザ塔の底部から回収されるC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流は、2つの液体流、つまり、貯蔵され得る安定化ガソリン及び主吸収器に送られ得る再生ガソリンに分離され得る。
【0021】
この方法を実施することにより、従来の方法と比較して、流動接触分解ユニットから生じるガス流からのプロピレン回収率を2〜3wt%の範囲内で高めることが可能になる。
【0022】
本発明の主題は更に、流動接触分解ユニット(FCCU)から生じる分解流(ガス流及び液体流)を処理する装置であって、
− 前記流動接触分解ユニットの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流を圧縮して部分的に凝縮する手段と、
− 部分的に凝縮されたガス流を分離して上流液体及び上流ガスを回収する手段と、
− 前記上流液体を加熱する手段と、
− ストリッパと、前記ストリッパの最上部でC2化合物が豊富な流れを回収し、前記ストリッパの底部でC3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を回収するために、加熱された上流液体を前記ストリッパに導入する手段と、
− 第1の熱交換器と、前記第1の熱交換器にC3+ 炭化水素が豊富な第1の液体流を導入する手段と、
− スタビライザ塔と、前記第1の熱交換器からのC3+ 炭化水素が豊富な液体流を前記スタビライザ塔に導入して、前記スタビライザ塔の側部からC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な第1の液体流を回収し、前記スタビライザ塔の底部でC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な第2の液体流を回収して前記スタビライザ塔の最上部でC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富なガス流を回収する手段と、
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な第1の液体流を前記第1の熱交換器に導入する手段と、
− 前記第1の熱交換器からのC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を冷却する手段と、
− 主吸収器と、前記スタビライザ塔からのC5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体流、及び前記分離器からの上流ガスを前記主吸収器に導入して、前記主吸収器の最上部で第1のガス流を回収して前記主吸収器の底部で液体流を回収する手段と、
− プロピレン吸収器と、C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な冷却された液体流を前記プロピレン吸収器に導入する手段と、
− スポンジ吸収器と、前記スポンジ吸収器にリーンオイルを導入する手段と、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を冷却する手段と、
− 前記主吸収器からの第1のガス流を前記プロピレン吸収器に導入し、前記プロピレン吸収器の最上部でC3炭化水素が乏しいガス流を回収して、前記プロピレン吸収器の底部でC3炭化水素が豊富な液体流を回収する手段と、
− 前記プロピレン吸収器の最上部で回収されたC3炭化水素が乏しいガス流を前記スポンジ吸収器に導入し、好ましくは前記スポンジ吸収器の最上部で燃料ガスを回収して前記スポンジ吸収器の底部でリッチオイルを回収する手段と
を備えたタイプの前記装置である。
【0023】
本装置は、生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、プロピレン吸収器からのC3炭化水素が豊富な液体流を再利用して、主精留塔からのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する手段を更に備えてもよい。
【0024】
本発明の装置は、単独で又は技術的に可能な全ての組み合わせに応じて、以下の特徴の1又は複数を更に有してもよい。
【0025】
− 第2の熱交換器、並びに第1の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流を前記第2の熱交換器に導入する手段
【0026】
− 第3の熱交換器、並びに第2の熱交換器から回収されたC5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体流、及び有利には好ましくはプロピレン回収ユニットからのプロピレンの冷却流を前記第3の熱交換器に導入する手段
【0027】
− 第4の熱交換器、並びにC3+ 炭化水素が豊富な生じた流れをスタビライザ塔に導入する前に、C5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な液体及び第1の熱交換器から回収されたC3+ 炭化水素が豊富な液体流を前記第4の熱交換器に導入する手段
【0028】
− スタビライザ塔からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な液体流の処理ユニットであって、
凝縮器、並びにスタビライザ塔の最上部からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な液体流を前記凝縮器に導入する手段、
熱交換器、並びに凝縮器から回収された流れを熱交換器に導入する手段、
得られた流れを、スタビライザ塔に導入される液体流、及び液化石油ガス(LPG )を回収すべく液化石油ガス処理ユニットに送られる液体流に分離する分離手段
を有する前記処理ユニット
【0029】
− 生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、C2化合物が豊富な流れを再利用して、主精留塔からのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する手段
【0030】
− 生じた流れを上流液体及び上流ガスに分離する前に、主吸収器からの液体流を再利用して、主精留塔からのガス流を圧縮して部分的に凝縮することにより得られた流れと混合する手段
【0031】
本出願で印加される圧力は、計器で測定される相対的な内圧に相当し、bargで示される。
P(barg)(つまり相対圧力)=絶対圧力(バール)−大気圧(バール)
【0032】
本発明の方法及び装置は、単独で又は技術的に可能な全ての組み合わせに応じて、以下の好ましい特徴によって更に定められてもよい。
【0033】
− FCCUの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流は、好ましくは30〜50℃の範囲内の温度であり、好ましくは38〜43℃の範囲内の温度である。
【0034】
− FCCUの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流は、好ましくは1〜2bargの範囲内の圧力である。
【0035】
− FCCUの主精留塔のオーバーヘッドレシーバからのガス流内のプロピレンのモル含有率は、好ましくは15〜50 mol%の範囲内であり、好ましくは25〜45 mol%の範囲内である。
【0036】
− 圧縮器/凝縮器からの流れは14〜16bargの範囲内の圧力である。
【0037】
− 圧縮器/凝縮器からの流れの液体のモル比は、70 mol%より高く、好ましくは70〜80 mol%の範囲内である。
【0038】
− ストリッパに導入される加熱された流れは、50〜70℃の温度であり、好ましくは55〜65℃の温度である。
【0039】
− ストリッパは、14〜17bargの範囲内の圧力、好ましくは15〜16bargの範囲内の圧力で好ましくは動作する。
【0040】
− ストリッパの最上部からのC2炭化水素が豊富な流れのC3+ 炭化水素のモル含有率は45 mol%未満である。
【0041】
− ストリッパの最上部からのC2炭化水素が豊富な流れのC1炭化水素及びC2炭化水素のモル含有率は、20〜50 mol%の範囲内であり、好ましくは30〜40 mol%の範囲内である。
【0042】
− ストリッパの最上部からのC2炭化水素が豊富な流れは、50〜70℃の温度であり、好ましくは60〜65℃の温度である。
【0043】
− ストリッパの底部からのC3+ 炭化水素が豊富な流れは、85〜110 ℃の温度であり、好ましくは95〜100 ℃の温度である。
【0044】
− ストリッパの底部からのC3+ 炭化水素が豊富な流れのC3+ 炭化水素のモル含有率は、95 mol%より高く、好ましくは99 mol%より高い。
【0045】
− 第1及び第2の熱交換器の後のストリッパの底部からのC3+ 炭化水素が豊富な流れは、105 ℃より高い温度である。
【0046】
− スタビライザ塔は、10.5〜12.5bargの範囲内、好ましくは11〜12bargの範囲内の圧力で一般に動作する。
【0047】
− スタビライザ塔からのC5炭化水素及びC6炭化水素のモル含有率は、93 mol%より高い。
【0048】
− スタビライザ塔の側流からのC7+ 炭化水素のモル含有率は、22 mol%より低い。
【0049】
− スタビライザ塔の最上部からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れのC5+ 炭化水素のモル含有率は1mol%より低い。
【0050】
− スタビライザ塔の最上部からのC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れのC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は98 mol%より高い。
【0051】
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な流れを第2の熱交換器で、50℃未満の温度に、好ましくは42℃未満の温度に冷却する。
【0052】
− C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な流れを第3の熱交換器で、20〜40℃の温度に、好ましくは28〜32℃の温度に冷却する。
【0053】
− プロピレンの熱流は一般に、25〜35℃の温度であり、好ましくは28〜30℃の温度である。
【0054】
− 主吸収器からのガス流を、40℃未満の温度に冷却する。
【0055】
− プロピレン吸収器は、12.5〜14bargの範囲内、好ましくは12.9〜13.5bargの範囲内の圧力で一般に動作する。
【0056】
− プロピレン吸収器の底部からの流れのC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は、一般に10 mol%より高く、好ましくは13 mol%より高い。
【0057】
− プロピレン吸収器の最上部からの流れのC3炭化水素のモル含有率は、10 mol%より低く、好ましくは7mol%より低い。
【0058】
− プロピレン吸収器は、12.5〜14bargの範囲内、好ましくは13〜13.6bargの範囲内の圧力で一般に動作する。
【0059】
− スタビライザ塔の最上部からの流れのC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は98 mol%より高い。
【0060】
本発明は、添付図面を参照して、単に一例として挙げられた以下の説明を読むと更に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明に係る方法を適用するように構成された本発明に係る装置を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
以下の全てにおいて、同一の参照番号は、導管を流れる流れ、及びこの流れを搬送する導管を示す。更に、特に示されていない場合、圧力は相対的なバールで示されていることを意図している。
【0063】
本発明に係る装置が図1に示されている。この装置は、圧縮器/凝縮器2 と、分離器3 と、C2化合物が豊富な流れ104 及びC3+ 炭化水素が豊富な流れ105 を生成するためのストリッパ6 とを備えている。この装置は、C3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れ110 と、C5化合物及びC6化合物が豊富な側流106 と、C5化合物、C6化合物及びC7+ 化合物が豊富な底流107 とを生成するためのスタビライザ塔9 を更に備えている。この装置は、主吸収器13と、C3炭化水素、特にプロピレンが豊富な液体流115 を回収することが可能なプロピレン吸収器15とを更に備えている。スポンジ吸収器16が、ガソリンの範囲内の原料(C5+ 化合物)をリーンオイル117 に吸収してリッチオイル119 及び燃料ガス118 を生成することが可能である。
【0064】
この装置は、C3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れ110 の処理ユニットを任意に備えている。この処理ユニットは、凝縮器17、並びにC3炭化水素及びC4炭化水素を含むLPG 120 とC3炭化水素及びC4炭化水素を含むスタビライザ塔9 への還流としての流れ121 とを生成するためのスタビライザレシーバ19を有している。
【0065】
この装置では、プロピレン吸収器15は主吸収器13とスポンジ吸収器16との間に配置されている。
【0066】
本発明に係る方法は、FCCUの主精留塔のオーバーヘッドレシーバ1 からC1〜C7+ の広範囲の炭化水素を有して窒素、CO2 、H2S 、水蒸気などの不純物を含むガス流101 を供給することにより開始する。ガス流101 は一般に、30℃〜50℃の範囲内、好ましくは38℃〜43℃の範囲内の温度、及び一般に0.5 〜2.5 bargの範囲内、特に1.0 〜2.0 bargの範囲内の圧力を有する。このガス流のプロピレンのモル含有率は一般に、15〜50 mol%の範囲内、好ましくは25〜45 mol%の範囲内である。ガス流101 を圧縮器/凝縮器2 内で圧縮して部分的に凝縮する。圧縮されたガス流の圧力は、例えば14barg〜16bargの範囲内であり、液体のモル含有率は70 mol%より高く、好ましくは70〜80 mol%の範囲内である。
【0067】
上流液体102 及び上流ガス103 を回収することが可能な分離器3 に、生じた流れを導入する。分離器3 は、好ましくは高圧レシーバであり、例えば14bargより高い圧力で動作する。上流液体102 をポンプ4 によって送出し、有利にはスタビライザ塔の底流107 と共に熱交換器5 内で加熱する。好ましくは50〜70℃の範囲内の温度、好ましくは55〜65℃の範囲内の温度に加熱された流れを上流のストリッパ6 に導入して、ストリッパ6 の最上部でC2化合物が豊富な流れ104 を回収してストリッパ6 の底部でC3+ 炭化水素が豊富な液体流105 を回収する。ストリッパ6 は一般に、14〜17bargの範囲内、好ましくは15〜16bargの範囲内の圧力で動作する。
【0068】
流れ104 のC3+ 炭化水素のモル含有率は一般に45 mol%未満である。流れ104 のC1炭化水素及びC2炭化水素のモル含有率は、例えば20〜50 mol%の範囲内、好ましくは30〜40 mol%の範囲内である。流れ104 は一般に、50〜70℃の範囲内の温度であり、好ましくは60〜65℃の範囲内の温度である。流れ105 は一般に、85〜110 ℃の範囲内の温度であり、好ましくは95〜100 ℃の範囲内の温度である。流れ105 のC3+ 炭化水素のモル含有率は一般に95 mol%より高く、好ましくは99 mol%より高い。
【0069】
C2化合物が豊富な流れ104 を任意に再利用して、圧縮器/凝縮器2 からの流れと混合する。
【0070】
C3+ 炭化水素が豊富な液体流105 を第1の熱交換器7 に導入して任意に第2の熱交換器8 に導入し、105 ℃を超える温度に加熱し、生じた流れを上流のスタビライザ塔9 に導入し、C5炭化水素及びC6炭化水素が豊富な液体の側流106 、C5炭化水素、C6炭化水素及びC7+ 炭化水素が豊富な第2の液体の底流107 、及びC3炭化水素及びC4炭化水素が豊富なガス流110 を回収する。スタビライザ塔は、10.5〜12.5bargの範囲内、好ましくは11〜12bargの範囲内の圧力で一般に動作する。流れ106 及び流れ107 のC3炭化水素のモル含有率は実際にはゼロである(10 ppmより低い)。流れ106 のC5炭化水素及びC6炭化水素のモル含有率は一般に93 mol%より高い。流れ106 のC7+ 炭化水素のモル含有率は一般に22 mol%より低い。流れ110 のC5炭化水素及びC6炭化水素のモル含有率は一般に1mol%より低い。流れ110 のC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は一般に98 mol%より高い。
【0071】
液体流107 を第2の熱交換器8 に導入して、90〜120 ℃の範囲内の温度、好ましくは100 〜110 ℃の範囲内の温度に冷却し、生じた流れを、2つの流れ、つまり貯蔵のための安定化ガソリンの流れ108 、及び例えば主吸収器13に導入され得る再生ガソリンの流れ109 に分離することができる。流れ107 を熱交換器5 で更に使用して流れ102 を加熱することができる。
【0072】
流れ106 を第1の熱交換器7 に導入し、生じた流れをポンプ11により冷却器10に導入して50℃未満の温度、好ましくは42℃未満の温度に冷却された流れ106 を熱交換器12に導入し、好ましくはプロピレン回収ユニット(PRU )からのプロピレンの冷却流113 を用いて20〜40℃の範囲内の温度、好ましくは28〜32℃の範囲内の温度に冷却する。冷却された流れ106 を回収する。この流れは一般に、40℃未満の温度、好ましくは31℃未満の温度である。流れ106 をプロピレン吸収器15に導入し、一般に20〜35℃の温度、好ましくは28〜30℃の温度のプロピレン114 の熱流をプロピレン回収ユニットに戻すことができる。
【0073】
スタビライザ塔の底部からの再生ガソリンの流れ109 を主吸収器13に導入して、第1のガス流111 及び液体流112 を回収し、液体流112 を、ポンプ22によって再利用して圧縮器/凝縮器2 からの流れ101 と混合することができる。ガス流111 を熱交換器14内で、好ましくは水を用いて有利には40℃未満の温度に好ましくは冷却した後にプロピレン吸収器15の底部に導入し、好ましくは再利用されて圧縮器/凝縮器2 からの流れ101 と混合されるC3炭化水素が豊富な液体留分115 をプロピレン吸収器15の底部で回収し、プロピレン吸収器15の最上部でガス流116 を回収する。プロピレン吸収器は、12.5〜14bargの範囲内、好ましくは12.9〜13.5bargの範囲内の圧力で一般に動作する。流れ115 のC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は一般に10 mol%より高く、好ましくは13 mol%より高い。ガス流116 のC3炭化水素のモル含有率は一般に10 mol%より低く、好ましくは7 mol%より低い。
【0074】
その後、12.5〜14bargの範囲内、好ましくは13〜13.6bargの範囲内の圧力で一般に動作するスポンジ吸収器16にガス流116 を導入し、リーンオイルをスポンジ吸収器16に更に導入して、スイートニングのために送られ得る燃料ガス118 、及びFCCUの主精留塔で再利用され得るリッチオイル119 を回収する。
【0075】
10.5〜12bargの範囲内、好ましくは11〜11.3bargの範囲内の圧力で一般に動作するスタビライザ凝縮器17に、C3炭化水素及びC4炭化水素が豊富な流れ110 を導入することが可能であり、生じた流れをスタビライザレシーバ19に導入し、その後、2つの流れ、つまりLPG 処理ユニットにポンプ20によって送られ得るLPG の流れ120 、及び還流ポンプ21によってスタビライザ塔9 で再利用される液体流121 に分離する。流れ110 のC3炭化水素及びC4炭化水素のモル含有率は有利には98 mol%より高い。
【0076】
温度、圧力及び流量の例を、以下の表に特定の実施形態に関して挙げる。
【0077】
【表1】
【0078】
本発明に係る方法の結果を、以下の表に詳述する。
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
プロピレン吸収器を設けることにより、低い投資資金でプロピレン回収率が2.5 %より高い割合で大幅に上昇する。
【0082】
本発明に係る方法及び装置は、動作が特に効率的且つ容易であり、既存の装置の機能向上及び/又は非常に有益な新たな装置の構想を可能にする。
図1