特許第6656263号(P6656263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セブ ソシエテ アノニムの特許一覧

特許6656263改善されたディスプレイを装備する調理管理器具
<>
  • 特許6656263-改善されたディスプレイを装備する調理管理器具 図000002
  • 特許6656263-改善されたディスプレイを装備する調理管理器具 図000003
  • 特許6656263-改善されたディスプレイを装備する調理管理器具 図000004
  • 特許6656263-改善されたディスプレイを装備する調理管理器具 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656263
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】改善されたディスプレイを装備する調理管理器具
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/10 20060101AFI20200220BHJP
   A47J 45/06 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A47J37/10
   A47J45/06 E
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-550722(P2017-550722)
(86)(22)【出願日】2016年3月24日
(65)【公表番号】特表2018-512937(P2018-512937A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】FR2016050665
(87)【国際公開番号】WO2016156709
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】1552638
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ルサール
(72)【発明者】
【氏名】クレール ミルズ
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0016348(US,A1)
【文献】 特開平02−045021(JP,A)
【文献】 特開2010−188122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/10
A47J 45/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理容器(1)に取り外し可能に配備されるように意図された食品調理管理器具(20)であって、前記調理管理器具(20)は、これが配備される前記調理容器(1)の種類および/または制御ユニット(27)によって作動させられるいくつかの調理サイクルを特徴付けるデータが格納された制御装置(50)を、使用者に対して視覚信号を発することを可能にするセグメント化液晶ディスプレイ(30)と共に含み、前記制御装置(50)は、格納された前記データに対応する第1の種類の調理容器および/または作動している第1の調理サイクルを表す第1のアイコン表示することを可能にするために前記ディスプレイ(30)の1つ以上のセグメント(34,35,36,37,38;40,41,42,43)を作動させ、前記制御装置(50)は、前記第1のアイコンを表示するために作動する少なくとも1つの前記セグメント(34,40)を作動させることによって、第2の種類の調理容器を表す少なくとも1つの第2のアイコンおよび/または第2の調理サイクルを表示するように設計されていることを特徴とする調理管理器具(20)。
【請求項2】
前記制御装置(50)は、フライパンを表す前記第1のアイコンを表示するため、2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメント(34)を作動させ、前記格納されたデータがフライパンを特徴付けていることを特徴とする請求項1に記載の調理管理器具(20)。
【請求項3】
前記制御装置(50)は、ソースパンまたはダッチオーブンを表す前記第2のアイコンを表示するため、2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状の前記セグメント(34)を、前記側方ブランチから延在する2本の直線形状をなすセグメント(35)と共に作動させ、前記格納されたデータがソースパンまたはダッチオーブンを特徴付けていることを特徴とする請求項2に記載の調理管理器具(20)。
【請求項4】
前記制御装置(50)は、圧力鍋を表す第3のアイコンを表示するため、2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状の前記セグメント(34)および前記側方ブランチから延在する2本の直線形状をなす前記セグメント(35)を、湾曲セグメント37と、2つのフックおよび垂直線の形状をなすセグメント38と共に作動させ、前記格納されたデータが圧力鍋を特徴付けていることを特徴とする請求項3に記載の調理管理器具(20)。
【請求項5】
前記第1,第2,第3のアイコンを形成するため、前記制御装置によって作動させられるセグメントの数が7つよりも少なく、好ましくは5つよりも少ないことを特徴とする請求項4に記載の調理管理器具(20)。
【請求項6】
前記調理容器(1)の種類を特徴付ける前記格納されたデータを使用者が修正することを可能にする手動制御装置を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の調理管理器具(20)。
【請求項7】
前記調理容器(1)の種類を特徴付ける前記格納されたデータを自発的に修正することを可能にする自動認識システム(21)を含むことを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の調理管理器具(20)。
【請求項8】
前記制御装置(50)に結合される結合手段、特にパッド(25,26,27)を含み、前記結合手段は、前記調理容器(1)に配備された温度検出器(80)と協力するように意図されていることを特徴とする請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の調理管理器具(20)。
【請求項9】
前記制御装置(50)は、ノッチを含み、調理される食品を表す前記ディスプレイのほぼ矩形のセグメント(40)を作動させ、前記制御装置(50)は、「焼く」サイクルが開始される場合に第1のアイコンを表示するために前記矩形のセグメント(40)の上方に配置される幾本かの短い線形状をなすセグメント(41)か、「入念に調理する」サイクルが開始される場合に第2のアイコンを表示するために前記ノッチの上方に配置される幾本かの短い線形状をなすセグメント(42)か、または「煮立たせる」サイクルが開始される場合に第3のアイコンを表示するために前記矩形のセグメント(40)の上方に配置されたいくつかのディスク形状をなすセグメント(43)を作動させることを特徴とする請求項1に記載の調理管理器具(20)。
【請求項10】
前記制御装置(50)は、作動している前記調理サイクルを表すアイコンを表示するために1つ以上の表示セグメントを、前記格納されたデータに対応した種類の調理容器を表す前記アイコンに加えて作動させ、前記調理サイクルを表す前記アイコンは、前記調理容器の種類を表す前記アイコンの内側に表示されるように設計されていることを特徴とする請求項1から請求項9までの何れか一項に記載の調理管理器具(20)。
【請求項11】
少なくとも1つの調理容器(1)と、請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の調理管理器具(20)とで形成されていることを特徴とするセット。
【請求項12】
前記調理容器(1)は取手(7)を含み、この取手(7)に前記調理管理器具(20)が配備されていることを特徴とする請求項11に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加熱板と協力する調理容器に取り外し可能に配備されるように意図された食品調理管理器具に関し、調理容器は、特にフライパンか、ソースパンか、ダッチオーブンか、圧力鍋である。本発明はまた、少なくとも1つの調理容器と調理管理器具とを含むセットにも関する。
【背景技術】
【0002】
我々は、特許文献1から調理容器、特にフライパンに取り外し可能に配備されるように意図された食品調理管理器具を認識している。この調理管理器具は、これが配備される調理容器の種類を記憶した記憶装置を含む。この記憶装置における調理容器の種類は、使用者によってアクセスされ、手作業にて修正されることができる。調理管理器具は、視覚信号を使用者に発するため、セグメント化されることができる液晶ディスプレイを含む。調理管理器具は、特に加熱板を制御するために意図された信号を発するように設計され、この発せられた信号は、調理管理器具によりこれが組み込まれた調理容器の種類に応じて適合させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6860192号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような調理管理器具は、これが配備された調理容器の種類の表示を何らもたらさないディスプレイを含んでいる。このため、調理管理器具を調理容器に取り付ける場合、使用者は、用いられる適正な種類の調理容器に関してこれが適切に設定されていることを忘れずに注意深く調べなければならない。さもなければ、調理中に調理管理器具によって発せられる信号は、容器の種類に対して適合せず、調理結果が希望通りにはならない。
【0005】
この発明の目的は、前述の欠点を是正し、食品の調理結果を保証するために改善された人間工学を持つ調理管理器具を提案することである。
【0006】
本発明の他の目的は、すっきりしたデザインを有し、使用することが経済的である調理管理器具を提案することである。
【0007】
本発明の他の目的は、確実かつ繰り返しの操作を伴って長期に亙り耐久性のある調理管理器具を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、調理容器に取り外し可能に配備されるように意図された調理管理器具で達成され、前記調理管理器具は、これが配備される調理容器の種類および/または制御ユニットによって作動させられるいくつかの調理サイクルを特徴付けるデータが格納された制御装置を、使用者に対して視覚信号を発することを可能にするセグメント化液晶ディスプレイと共に含み、前記制御装置は、格納された前記データに対応する第1の種類の調理容器および/または作動している第1の調理サイクルを表す第1のアイコンを表示することを可能にするため、前記ディスプレイの1つ以上のセグメントを作動させ、前記制御装置は、前記第1のアイコンを表示するために作動する少なくとも1つの前記セグメントを作動させることによって、第2の種類の調理容器を表す少なくとも1つの第2のアイコンおよび/または第2の調理サイクルを表示するように設計されている。
【0009】
「調理容器に取り外し可能に配備されるように意図された調理管理器具」は、工具を用いる必要性なく、使用者が調理容器から調理管理器具を容易に分離することができることを意味するように理解される。
【0010】
「調理容器の種類」は、調理容器の種類および/または寸法を意味するように理解される。
【0011】
「調理管理器具」は、調理の管理を可能にする調理監視器具を特に意味するように理解される。
【0012】
セグメント化液晶ディスプレイの使用は、特に、多数の入力/出力を備えたマイクロコントローラーを必要として制御するための多数の場所を有するマトリックス型液晶ディスプレイと比較すると、限られた数の入力/出力を備えたマイクロコントローラーを含む制御装置の導入を可能にする。従って、この調理管理器具を用いることは経済的である。1つのセグメントは、マイクロコントローラーの出力によって同時に制御されるアイコンまたは一連の構成要素の一部を示す1つの独立した構成要素であるように理解される。
【0013】
この調理管理器具のディスプレイは、これが配備された調理容器の種類および/または作動している調理サイクルを表すアイコンを表示する。表示されるアイコンは、調理管理器具がこれを組み込んだ調理容器のために適切に構成されていることおよび/または実際に作動している調理サイクルが実行される調理サイクルと一致していることを使用者が照合することを可能にする。従って、調理管理器具により発せられる信号は、調理容器の種類および/または実行される調理サイクルに対して常に適合させられる。結果として、発せられた信号は信頼性が高く、食品の調理結果を保証することを可能にする。
【0014】
「前記制御装置は、格納された前記データに対応する第1の種類の調理容器および/または作動している第1の調理サイクルを表す第1のアイコンを表示することを可能にするために前記ディスプレイの1つ以上のセグメントを作動させる」は、調理サイクルが作動している全期間に亙ってこのアイコンが存在していることを意味するように理解される。特に使用者に警告するための他のアイコンを、作動している調理サイクルを表すアイコンと同時に表示させることができる。1つの調理サイクルが1つの調理方法であるように理解される。
【0015】
加えて、第1および第2のアイコンを表示するため、制御装置は少なくとも1つの共通セグメントを作動させる。このような構成は、ディスプレイのセグメントの数をその寸法と共に低減させることを可能にする。
【0016】
都合が良いことに、フライパンを表す第1のアイコンを表示するため、制御装置は2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメントを作動させ、格納されたデータはフライパンを特徴付けている。
【0017】
従って、フライパンを表す第1のアイコンは、1つのセグメントを活性化することによって表示されることができる。このような構成は、フライパンを表すアイコンを非常に経済的な方法で表示することを可能にする。
【0018】
好ましくは、制御装置は、ソースパンまたはダッチオーブンを表す第2のアイコンを表示するため、2本の短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメントを、側方ブランチから延在する2本の直線形状をなすセグメントと共に作動させ、格納されたデータがソースパンまたはダッチオーブンを特徴付けている。
【0019】
従って、フライパンのアイコンを表示するために作動されられるセグメントに加えて1つのセグメントを作動させることにより、ソースパンまたはダッチオーブンを表す第2のアイコンを表示させることができる。このような構成は、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンを表す2つのアイコンを非常に経済的な方法で表示することを可能にする。
【0020】
都合が良いことに、第1および第2のアイコンを形成するために制御装置によって作動させられるセグメントの数は5よりも少なく、好ましくは3よりも少ない。
【0021】
都合が良いことに、圧力鍋を表す第3のアイコンを表示するため、制御装置は、2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメントおよび側方ブランチから延在する2本の直線形状をなすセグメントを、湾曲セグメントと、2つのフックおよび垂直線の形状をなすセグメントと共に作動させ、格納されたデータが圧力鍋を特徴付けている。
【0022】
従って、フライパンのアイコンを表示するために作動させられるセグメントと、ソースパンのアイコンまたはダッチオーブンのアイコンを表示するために作動させられるセグメントとに加え、2つのセグメントを作動させることにより、圧力鍋を表す第3のアイコンを表示させることができる。このような構成は、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンまたは圧力鍋を表す3つのアイコンを非常に経済的な方法で表示することを可能にする。
【0023】
好ましくは、第1,第2,第3のアイコンを形成するために制御装置によって作動させられるセグメントの数は7よりも少なく、好ましくは5よりも少ない。
【0024】
都合が良いことに、調理容器の種類を表すアイコンを表す1つのセグメントまたは複数のセグメントをこれが作動させられる場合、調理サイクルを表すアイコンを表示するため、制御装置は、ディスプレイの少なくとも1つのセグメントを作動させる。
【0025】
好ましくは、調理管理器具は、使用者が調理容器の種類を特徴付ける格納されたデータを修正すること可能にする手動制御装置を含む。
【0026】
都合が良いことに、調理管理器具は、調理容器の種類を特徴付ける格納されたデータを自発的に修正することを可能にする自動認識システムを含む。
【0027】
従って、調理管理器具は、これが配備された調理容器の種類を自発的に識別する。従って、調理管理器具のディスプレイによって発せられる信号は、識別された調理容器の種類に対して常に適合する。
【0028】
好ましくは、調理管理器具は、制御装置に結合される結合手段、特にパッドを含み、この結合手段は調理容器に配備された温度検出器と協力するように意図されている。
【0029】
従って、制御装置は、食品の調理温度を表すデータをもたらす温度検出器に対して電気的かつ取り外し可能に結合されている。この制御装置は、検出器が取得した測定値に従ってディスプレイにより発せられる信号を調節することができる。
【0030】
都合が良いことに、制御装置は、ディスプレイのノッチを含み、調理される食品を表すほぼ矩形のセグメントを作動させ、この制御装置は、「焼く」サイクルが開始される場合に第1のアイコンを表示するために矩形のセグメントの上方に配置される幾本かの短い線形状をなすセグメントか、「入念に調理する」サイクルが開始される場合に第2のアイコンを表示するためにノッチの上方に配置される幾本かの短い線形状をなすセグメントか、または「煮立たせる」サイクルが開始される場合に第3のアイコンを表示するために矩形のセグメントの上方に配置されるいくつかのディスク形状をなすセグメントを作動させる。
【0031】
従って、制御装置は、作動している調理サイクルに対応した第1および第2および第3のアイコンを表示するため、少なくとも1つの共通セグメントを作動させる。このような構成は、ディスプレイのセグメントの数をその寸法と共に低減させることを可能にする。
【0032】
都合が良いことに、制御装置は、作動している調理サイクルを表すアイコンを表示するために1つ以上の表示セグメントを、格納されたデータに対応した種類の調理容器を表すアイコンに加えて作動させ、調理サイクルを表すアイコンは、調理容器の種類を表すアイコンの内側に表示されるように設計されている。
【0033】
調理管理器具のディスプレイは、調理容器の種類を表すアイコンと、選択された調理サイクルを表すアイコンとを組み合わせたアイコンを表示する。選択された調理サイクルを表すアイコンは、調理容器の種類を表すアイコンの内側に挿入されている。従って、ディスプレイの表面積を減少させることができる。
【0034】
本発明はまた、少なくとも1つの調理容器と、上述したような調理管理器具とで形成されたセットに関する。
【0035】
都合が良いことに、調理容器が取手を含み、この取手に調理管理器具が配備されている。
【0036】
取手がフライパンに配備された長い取手か、ソースパンまたはダッチオーブンに配備されるループハンドルであってよいことが理解される。
【0037】
このような構成は、一連の調理容器に組み込まれることができる調理管理器具を経済的な方法で製造することを可能にする。実際、調理管理器具が取手に装着される部分は、それぞれの調理容器に関して全く同一である。
【0038】
本発明は、添付図面に例示された決して限定されない実施形態を考慮してより完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の特定な一実施形態による調理管理器具を含んだ調理容器の立体投影図を例示している。
図2】図に例示した調理管理器具を含む調理容器の取手の分解立体投影図を例示している。
図3図1に例示した調理管理器具の平面図をディスプレイと共に例示している。
図4図3に例示したディスプレイによって表示され、調理容器の種類および調理サイクルによるアイコンの一覧を例示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1図2に見られるように、調理容器1は、底3と側壁4とを含んだボウル2を含んでいる。このボウル2は、例えば円板の打ち出しか、あるいは鋳造により、非磁性材料、特にアルミニウムで作られている。底3は、温度検出器80、特に熱電対または負温度係数抵抗器が嵌め込まれる厚さを呈している。この調理容器1は、調理管理器具20が取り外し可能に配備される取手7を含む。調理管理器具20は、底3の温度を示す情報を受け入れるため、温度検出器80に対し、例えば電気的に結合されている。この調理管理器具は、ディスプレイ30と、特にこのディスプレイ30の制御装置50とを含んでいる。
【0041】
図2に見られるように、取手7は、コネクター60に配備される空隙70を含む。この空隙70は、カバー71で塞がれている。コネクター60には、第1接点部61と第2接点部62とが装備されている。これら第1接点部61および第2接点部62は、2つの導電性部品63,64によって温度検出器80に結合されている。調理管理器具20は、制御装置50に結合されて第1接点部61および第2接点部62と協力するように意図された第1パッド25および第2パッド26を含んでいる。取手7は、貫通穴9が装備されたハウジング8を含む。調理管理器具20は、取手7に対して調理管理器具20を保持すると共に、第1パッド25および第2パッド26を第1接触領域61および第2接触領域62と接触状態に保持するため、貫通穴9と協力するように意図された脚部29を含んでいる。この脚部29は、調理管理器具20の供給電池(図示せず)を保持することができる。都合が良いことに、貫通穴9は、調理容器1を吊り下げるためのリングを形成するように意図されている。
【0042】
制御装置50は、調理管理器具20が配備された調理容器1の種類を自動的に認識するためのシステム21を含む。この自動認識システム21は、ディスプレイ30により発せられる信号を認識された調理容器1の種類に応じて適合させるように、ディスプレイ30に作用する。
【0043】
調理管理器具20は、温度検出器80、特に調理容器の種類の固有抵抗分布域特性を持つ熱電対をそれぞれ含む異なる種類の調理容器と協力するように意図されている。自動認識システム21は、抵抗値分布域が格納された記憶装置22を含み、それぞれの分布域は、調理容器の種類を特徴付けるデータと関連付けられている。自動認識システム21は、熱電対の抵抗値を検出し、格納された階級区分に基づいて調理容器の種類を特徴付けるデータを決定し、これを記憶装置22に格納するように設計されている。制御装置50は、記憶装置22に格納されたデータに従ってディスプレイ30を制御する。
【0044】
調理管理器具20は、オン/オフボタン28を含む。この器具がオンに切り替えられる度に、自動認識システム21は調理管理器具20が組み込まれている調理容器の種類を検出するために作動させられる。
【0045】
図3によると、ディスプレイ30は、調理容器の種類を表すアイコンと調理サイクルを表すアイコンとを表示するように意図された特定配列のセグメントを示す領域31を含む。調理アイコンは記憶装置22に格納され、調理管理器具20は調理サイクルを作動させることを可能にする制御ユニット27を含む。制御装置50は、作動している調理サイクルを表すアイコンを領域31に表示する。
【0046】
図4は、調理容器の種類および選択された調理サイクルに従ってディスプレイ30の領域31により表示されるアイコンの一覧を例示する。都合が良いことに、調理サイクルを表すアイコンは、調理容器を表すアイコンの内側に入り込んでいる。
【0047】
記憶装置22にIとして参照されるデータにより特徴付けられた調理容器の種類は、フライパンに対応する。制御装置50は、フライパンを表すアイコンを表示するため、ディスプレイ30の2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメント34を作動させる。
【0048】
IIとして参照されるデータにより特徴付けられた調理容器の種類は、ソースパンまたはダッチオーブンに対応する。制御装置50は、ソースパンまたはダッチオーブンを表すアイコンを表示するため、2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメント34を、この側方ブランチから延在する2本の直線形状をなすセグメント35と共に作動させる。
【0049】
IIIとして参照される調理容器の種類は、圧力鍋に対応している。制御装置50は、圧力鍋を表す第3のアイコンを表示するため、セグメント34,セグメント35を、湾曲セグメント36と、2つのフックおよび垂直線の形状をなすセグメント38と共に作動させる。フックはふたの固定を表し、垂直線は蒸気排気弁を表している。
【0050】
Aとして参照される調理サイクルは、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンと相性がよい「焼く」サイクルに対応する。制御装置50は、ディスプレイのノッチを含み、調理される食品を表すほぼ矩形のセグメント40と、矩形のセグメント40の上方に配置されて熱の放出を表す幾本かの短い線形状をなすセグメント41とを作動させる。
【0051】
Bとして参照される調理サイクルは、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンと相性がよい「入念に調理する」サイクルに対応する。制御装置50は、セグメント40と、ノッチの上方に配置されて食品の中からの熱の放出を表す幾本かの短い線形状をなすセグメント42とを作動させる。
【0052】
Cとして参照される調理サイクルは、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンと相性がよい「煮立たせる」サイクルに対応する。制御装置50は、セグメント40と、矩形のセグメント40の上方に配置されるいくつかのディスク形状をなし、蒸気気泡の放出を表すセグメント43とを作動させる。制御装置50はまた、調理容器がフライパンの場合、ふたを表す湾曲セグメント37を作動させる。調理容器がソースパンまたはダッチオーブンの場合、この制御装置50は、いくつかのディスク形状をなすセグメント44と、ふたを表す湾曲セグメント36とを作動させる。
【0053】
Dとして参照される調理サイクルは、フライパンまたはソースパンまたはダッチオーブンと相性がよい「加熱する」サイクルに対応する。制御装置50は、セグメント40と、調理容器の上方に配置されて加熱符号を表す円形矢印形状をなすセグメント45,46とを作動させる。この制御装置50はまた、湾曲セグメント36または湾曲セグメント37をも作動させる。
【0054】
Eとして参照される調理サイクルは、ソースパンまたはダッチオーブンと相性がよい「沸騰する」サイクルに対応する。制御装置50は、波線形状をなすセグメント47と、この線の上方に配置されて液体食品の上方に蒸気気泡の放出を表すいくつかのディスク形状をなすセグメント48とを作動させる。この制御装置50はまた、湾曲セグメント37をも作動させる。
【0055】
Fとして参照される調理サイクルは、圧力鍋と相性がよい「圧力調理」サイクルに対応する。制御装置50は、蒸気気泡の放出を表すいくつかのディスク形状をなすセグメント44,48を作動させる。
【0056】
図3に見られるように、ディスプレイ30は、選択された調理サイクルに関する調理容器の調理温度状態の情報を持つ領域32を含む。この領域32は、ディスプレイ30に印刷された3つのカラーアイコン10,11,12、すなわち青色アイコン10と緑色アイコン11と赤色アイコン12とを含む。制御装置50は、調理温度が適正であることを使用者に示すため、緑色アイコン10を取り囲む環状のセグメント13を作動させる。制御装置50は、調理温度が低すぎていて、 使用者が加熱出力を増大させることができることを使用者に示すため、青色アイコン11を取り囲む環状のセグメント14を作動させる。制御装置50は、調理温度が高すぎることを使用者に示し、使用者が調理出力を低減させることを促すため、赤色アイコン12を取り囲む環状のセグメント15を作動させる。
【0057】
ディスプレイ30は、調理時間を表示するためのタイマーを形成する領域33を含んでいる。
【0058】
使用中、使用者は、使用者が調理することを望む食品の大きさおよび/または種類に適合した、例えばフライパンの如き調理容器1を選択し、使用者は調理管理器具20をこの調理容器に取り付ける。次に、使用者は調理管理器具20を電源投入して温度検出器80の抵抗値を検出する自動認識システム21を作動させる。次に、自動認識システム21は、これがフライパンに配備されていることを決定し、制御装置50は、フライパンを表すアイコンを表示するため、ディスプレイの2つの短い側方ブランチを有する偏平な「U」字形状のセグメント34を作動させる。次に、使用者は、制御ユニット27を用いて例えば「焼く」サイクルの如き調理サイクルを選択する。制御装置50は、ディスプレイのノッチを含み、調理される食品を表すほぼ矩形のセグメント40と、矩形のセグメント40の上方に配置されて熱の放出を表す幾本かの短い線形状をなすセグメント41とを作動させる。次に、使用者は、使用者があらかじめ通電状態に切り替えている加熱板に調理容器1を置く。食品の調理中、制御装置50は、調理温度状態を使用者に示し、必要に応じて使用者が加熱出力を調整することを可能にするため、カラーアイコン10,11,12の一つを取り囲む環状のセグメント13,14,15の一つを選択された熱サイクルに応じて作動させよう。
【0059】
もちろん、本発明は、記述されると共に例示された実施形態に決して限定されず、これらは単なる例として与えられている。本発明の保護の範囲から逸脱することなく、特に種々の構成部品の組み立ての観点から、あるいは等価技術の置換によって、諸変更がなおかつ可能である。
【0060】
従って、一変形例において、調理管理器具20は、レシピを含むアプリケーションを持ち、それぞれのレシピが調理サイクルと関連した遠隔端末、特にスマートフォンと提携するための無線送受信器、特にブルートゥース(登録商標)トランシーバーを含む。
図1
図2
図3
図4