特許第6656269号(P6656269)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6656269ピストンエアロゾルディスペンサの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656269
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】ピストンエアロゾルディスペンサの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/64 20060101AFI20200220BHJP
   B65D 83/38 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   B65D83/64
   B65D83/38
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-565089(P2017-565089)
(86)(22)【出願日】2016年6月8日
(65)【公表番号】特表2018-517627(P2018-517627A)
(43)【公表日】2018年7月5日
(86)【国際出願番号】US2016036277
(87)【国際公開番号】WO2016205023
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月15日
(31)【優先権主張番号】14/742,790
(32)【優先日】2015年6月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スコット エドワード スミス
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム マーサー ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ウィリアム フランクハウザー
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ バルトルッチ
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−162273(JP,A)
【文献】 実開昭55−024300(JP,U)
【文献】 特開昭58−001622(JP,A)
【文献】 特表2002−516796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 83/08 − 83/76
B65B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側容器であって、外側容器の内部の容積を画定し、長手軸を有するエアロゾルディスペンサに適した外側容器を製造する方法であって、前記方法は、
a.基部において終了する閉じた端底部が第1の端部に配置された下部容器部分を用意するステップであって、前記下部容器部分を通る注出口はない、ステップと、
b.第2の端部にオープンネックを有する上部容器部分を用意するステップであって、前記下部容器部分は、前記上部容器部分に接合したときに、長手軸上で測定して前記外側容器の長手方向の長さの30%以上を構成し、前記下部容器部分は、前記上部容器部分より長手方向長さが長い、ステップと、
c.前記上部容器部分内にピストンを完全に配置することを特徴とし、前記上部容器部分はドーム形であり、前記ピストンは頂部とそこから下がるスカートとを含み、前記ピストンの前記頂部は前記上部容器部分の前記ドームと一致し、前記上部容器部分は軸方向の長さを有し、前記ピストンの前記スカートは軸方向の長さが前記上部容器部分の前記軸方向の長さ以下であり、それによって、噴射剤が前記下部容器部分内に配置される間、前記ピストンは前記上部容器部分内に完全に配置され、前記ピストンの前記頂部は上方に凹状であり、弁カップにぴったり合うように適合されている、ステップと、
d.前記下部容器部分内に噴射剤を配置するステップであって、ステップc及びdは任意の順番で行なう、ステップと、
e.前記上部容器部分と前記下部容器部分とを封止可能に接合して、前記噴射剤と前記ピストンとを内部に収容するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記エアロゾルディスペンサから製品をユーザにより選択的に分配するために前記ネック内にバルブアセンブリを配置するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記上部容器部分と前記下部容器部分の少なくとも一方は、そこを通るか又はそれらの間の経路を有し、前記噴射剤は前記経路を通って前記下部容器部分内に配置される請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記経路は、前記上部容器部分と前記下部容器部分の少なくとも一方の縁部上に鋸歯状を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記上部容器部分と前記下部容器部分は両方ともプラスチックを含み、シールにおいて共に溶接することによって接合される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記下部容器部分は基部とそれと一体の側壁とを含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記上部容器部分を通して製品を分配することによって、前記ピストンを前記下部容器部分の底部の方へ強制的に押すステップを更に含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ピストンが前記下部容器部分の前記底部上に配置されるまで、前記上部容器部分を通して製品を分配するステップを含む請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記外側容器は、軸方向の長さを画定する長手方向の寸法を有し、シールは、前記第2の端部に隣接して配置された周方向のフランジを含む請求項5乃至のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記シールと噴射剤の経路とを同時に溶接するステップを含む請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ピストンは頂部とスカートとを有し、前記スカートは軸方向のスカート長さを有し、前記上部容器部分は、上部容器軸方向の長さが前記軸方向のスカート長さ以上であり、前記上部容器部分内に前記ピストンを完全に配置するステップを含む請求項7乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾルディスペンサ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾルディスペンサは当該技術分野において既知である。エアロゾルディスペンサは典型的には、残っている成分のためのフレーム、及び噴射剤の圧力容器として機能する外側容器、及び内部に収容される製品を含む。金属から作製される外側容器は、当該技術分野において既知である。しかしながら、金属容器は、高コストであり、再利用性が限定的であることから、望ましくない場合がある。プラスチックを用いる試みが当該技術分野において行なわれている。エアロゾルディスペンサにおいてプラスチックを用いる当該技術分野での関連性のある試みが、米国特許第2,863,699号、同第3,333,743号、及び米国特許出願公開第2009/0014679号に見られる。
【0003】
外側容器は、典型的には円筒形であるが、これは必須ではない。外側容器は、水平表面(例えば、棚、カウンタートップ、テーブルなど)の上に載るための底部を含んでいてもよい。外側容器の底部は、米国特許第3,403,804号に示すように凹角部分を含んでいてもよい。外側容器の形状を画定する側壁は、底部から開いた頂部へと上方に延びる。
【0004】
開いた頂部は、エアロゾルディスペンサの追加的な構成要素を受容するためのネックを画定する。業界は一般的に、様々なメーカーの構成要素の標準化のために、ネックの直径を2.54cmとしているが、20mmなど、より小さい直径も使用される。種々のネック形状が、米国特許第6,019,252号、同第7,303,087号、及び同第7,028,866号にある。
【0005】
典型的には弁カップがネックに挿入される。弁カップは、噴射剤の漏れ及び加圧の損失を阻止するように、ネックに対してシールされている。これは例えば、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,869,842号に記載されているか、又は同第8,096,327号に記載されている。弁カップは、エアロゾルディスペンサのバランスとの関係で可動の弁構成要素を保持している。
【0006】
例えば、弾力的に変形可能なバンドを用いた非エアロゾルシステムを用いる場合がある。これは本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,631,970号に記載されている。このようなシステムはパーソナルケア製品を分配する場合がある。エアロゾル容器用のピストンが、米国特許第3,433,134号、同第3,827,607号、同第4,234,108号、同第5,127,556号、及び同第8,245,888号に開示されている。他のピストンデバイスが、米国特許第3,312,378号、同第3,756,476号、同第4,641,765号、同第4,913,323号、同第4,703,875号、同第5,183,185号、同第6,230,943号、同第6,588,628号、同第6,745,920号、同第7,225,839号、同第8,088,085号に示されている。ネジを伴う昇降機が、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第5,000,356号に開示されている。
【0007】
エアロゾルディスペンサ(弁カップ及び可動の弁構成要素を有する)は、消費者が用いる製品を保持し、貯蔵し、及び分配するための異なる実施形態を含んでいてもよい。一実施形態では、製品及び噴射剤は混合される。ユーザが弁を作動させると、製品及び噴射剤が一緒に分配される。この実施形態は、ディップチューブを使用し得る。ディップチューブは、外側容器の底部から製品及び噴射剤の混合物を取り出す。この実施形態は、例えば、剃毛クリームフォームを分配するために使用されてもよい。
【0008】
又は、折り畳み式の可撓性バッグが、弁カップの底面上の開口部にシールされている場合があるか又は弁カップと容器との間に配置されている場合がある。このようなバッグによって、バッグの中身とバッグの外側構成要素とが混合することが制限されるか又は阻止されることさえある。したがって、製品はバッグ内に収容されてもよい。噴射剤が、バッグの外側と、外側容器の内側との間に配置されてもよい。弁の作動の際、バッグの外への流路が形成される。この実施形態は一般的にバッグオンバルブと言われ、例えば、シェイビングクリームジェルの分配に使われる場合がある。内部にバッグを有するエアロゾル容器を、二重層プリフォーム(複数の層が配置されていて、一方が他方の内部にある)から形成してもよい。当該技術分野での関連性のある試みとしては、米国特許第3,450,254号、同第4,330,066号、同第6,254,820号、第RE 30093 E号、国際公開第9108099号、及び米国特許出願公開第2011/0248035(A1)号が挙げられる。
【0009】
しかしバッグオンバルブ又はディップチューブ構成を有するエアロゾル容器は、高粘度製品の分配には良好には適していない。高粘度製品は多くの形態で生じる、例えばムース、練り歯磨き、充填剤、剃毛ジェル、ボディローション、シャンプー、制汗剤などである。
【0010】
ピストン構成が高粘度製品に適している場合があり、エアロゾル施工を霧化するために用いてもよい。ピストンエアロゾルディスペンサでは、可動ピストンが外側容器の底部と並置されている。ユーザが駆動部を動作させると、ピストンの下の噴射剤から推進力が出てピストンを容器の頂部に向けて前進させ、その結果、製品が分配される。
【0011】
しかし、ピストンディスペンサは、噴射剤充填及び後続のシーリングのために、容器の底部に注出口又は一方向弁が必要である。しかし注出口及び弁によって漏れに対する経路が生じる。
【0012】
しかし漏れを懸念して注出口及び弁をなくすと、従来のピストンディスペンサでは、組み立ての間に閉じ込められた空気を出す必要がある。閉じ込められた空気を考慮しないと、完全なピストン移動が行なわれない場合がある。関連性のある試みとしては、米国特許第6,343,713号、同第6,708,852号、同第7,182,227号、同第7,225,839号、同第8,353,845号、及び同第8,905,271号が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第2,863,699号
【特許文献2】米国特許第3,333,743号
【特許文献3】米国特許出願公開第2009/0014679号
【特許文献4】米国特許第3,403,804号
【特許文献5】米国特許第6,019,252号
【特許文献6】米国特許第7,303,087号
【特許文献7】米国特許第7,028,866号
【特許文献8】米国特許第8,869,842号
【特許文献9】米国特許第8,096,327号
【特許文献10】米国特許第8,631,970号
【特許文献11】米国特許第3,433,134号
【特許文献12】米国特許第3,827,607号
【特許文献13】米国特許第4,234,108号
【特許文献14】米国特許第5,127,556号
【特許文献15】米国特許第8,245,888号
【特許文献16】米国特許第3,312,378号
【特許文献17】米国特許第3,756,476号
【特許文献18】米国特許第4,641,765号
【特許文献19】米国特許第4,913,323号
【特許文献20】米国特許第4,703,875号
【特許文献21】米国特許第5,183,185号
【特許文献22】米国特許第6,230,943号
【特許文献23】米国特許第6,588,628号
【特許文献24】米国特許第6,745,920号
【特許文献25】米国特許第7,225,839号
【特許文献26】米国特許第8,088,085号
【特許文献27】米国特許第5,000,356号
【特許文献28】米国特許第3,450,254号
【特許文献29】米国特許第4,330,066号
【特許文献30】米国特許第6,254,820号
【特許文献31】第RE 30093 E号
【特許文献32】国際公開第9108099号
【特許文献33】米国特許出願公開第2011/0248035(A1)号
【特許文献34】米国特許第6,343,713号
【特許文献35】米国特許第6,708,852号
【特許文献36】米国特許第7,182,227号
【特許文献37】米国特許第7,225,839号
【特許文献38】米国特許第8,353,845号
【特許文献39】米国特許第8,905,271号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、新しいアプローチが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、エアロゾルディスペンサに適した外側容器の製造方法と、対応するエアロゾルディスペンサの製造方法とに関する。本方法は、
閉じた端底部が第1の端部に配置された下部容器部分を用意するステップであって、閉じた端底部を通る注出口はない、ステップと、第2の端部にオープンネックを有する上部容器部分を用意するステップとを含む。軸方向に移動可能なピストンを上部容器部分内に配置する。噴射剤を下部容器部分内に配置する。上部容器部分と下部容器部分とを、それらの間の相補的シールにおいて互いに接合する。エアロゾルディスペンサの場合、バルブアセンブリを上部容器部分に加えて、製品をバルブアセンブリを通して配置してもよい。その結果、ピストンが噴射剤に対して、バルブアセンブリから離れるように強制的に押し付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面は、特に断らない限り一定の比率である。
図1A】本発明によるエアロゾルディスペンサの斜視図である。
図1B図1のエアロゾルディスペンサの分解図である。
図1C】線分1C−1Cに沿って見た図1Bのエアロゾルディスペンサの垂直断面図である。
図2A】線分2A−2Aに沿って見た図1のエアロゾルディスペンサの垂直断面図であり、開始位置にピストンを有する図である。
図2B】中間位置にピストンを有する図2Aのエアロゾルディスペンサである。
図2C】最終位置にピストンを有する図2Aのエアロゾルディスペンサである。
図3A】上部容器部分の中にピストンが入れ子になっている図である。
図3B図3Aの線分3B−3Bに沿って見た垂直断面図である。
図4】本発明によるエアロゾルディスペンサの代替的な実施形態の部分垂直断面図であり、2つのバルブアセンブリに対する開口部を伴う任意的な長手方向のネジを有し、バルブアセンブリは明瞭にするために省略してある図である。
図5】注出口を有する下部容器部分の瞬間的な垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1A、1B、及び1Cを参照して、長手軸を有するエアロゾルディスペンサ20を示す。エアロゾルディスペンサ20は、このようなディスペンサに対して利用できる加圧可能な外側容器22を含んでいる。外側容器22は、液密関係で接合された上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとを含んでいてもよい。ピストン55は、以下に説明する軸方向運動に対して、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの両方の内部に摺動しながらぴったり合う。
【0018】
外側容器22は、当該技術分野で知られているとおり、金属又は好ましくはプラスチックを含んでいてもよい。プラスチックが好ましい。それは金属は時々くぼむためである。くぼむと、噴射剤40が逃れるか又はピストン55の移動を妨げる可能性がある。外側容器22は、開口部を有し得る。開口部は典型的に、加圧可能な容器がその使用位置にあるときに、加圧可能な容器の頂部にある。開口部によってネック24が画定される。ネック24に対して他の構成要素をシール状態で接合してもよい。
【0019】
外側容器22の上部付近において、外側容器22は、ネック24を有し得る。ネック24は、肩部25によって容器側壁に接続されてもよい。肩部25は、より具体的には、半径により側壁に接続され得る。肩部25は、環状の平坦部を有し得る。ネック24は、差厚をもたらすために、外側容器22の上部において、ネック24のより低い部分におけるよりも大きな厚さを有することがある。このような差厚は、内側に段差付きのネック24の厚さを有することによって達成され得る。
【0020】
弁カップ26は、以下で更に詳述されるように、外側容器22の開口部にシールされ得る。弁カップ26を、クラス1のTPE材料(Kraiburg TPE GmbH & Co KG(ドイツ、ヴァルトクライブルク)からHcc8791−52という名前で販売)を用いて外側容器22のネックにシールしてもよい。
【0021】
必要に応じて、弁カップ26を、圧入、締まり嵌め、溶剤溶接、レーザ溶接、振動溶接、スピン溶接、接着剤又はそれらの任意の組み合わせを用いて、容器にシールしてもよい。中間の構成要素(例えば、スリーブ又はコネクタ)を任意的に、弁カップ26とネック24との中間に又は外側容器22の頂部に配置してもよい。このようないずれかの構成は、圧力を維持するために十分なシールが生じる限りにおいて適切である。
【0022】
バルブアセンブリ28それ自体は、弁カップ26内に配置してもよい。バルブアセンブリ28は、製品42がユーザによって選択的に分配されるまで、製品42をエアロゾルディスペンサ20内に保持する。バルブアセンブリ28を駆動部によって選択的に駆動してもよい。ノズル及び関係するバルブアセンブリ28構成要素を、所望の分配及び噴霧特性に応じて任意的に含めてもよい。バルブアセンブリ28は従来及び既知の手段を用いて取り付けてもよい。バルブアセンブリ28と駆動部とは従来のものであってよく、請求に係る発明の一部を構成していない。
【0023】
バルブアセンブリ28を選択的に駆動することによって、ユーザは要求に応じて所望の量の製品42を分配することができる。例示的で非限定的な製品42としては、剃毛クリーム、剃毛フォーム、ボディスプレー、ボディウォッシュ、芳香剤、化粧落とし、消臭剤、収れん剤、食品、塗料などが挙げられる。
【0024】
好ましくは、製品送出デバイスはピストン55を含んでいる。ピストン55は外側容器22の内部に摺動しながらぴったり合う。摺動しながらぴったり合うことによって、ピストン55は、外側容器22の底部又はその付近の近位又は開始位置から、外側容器22の頂部又はその付近の遠位又は最終位置まで移動することができる。ピストン55が開始位置から最終位置まで移動すると、製品42がノズルから噴霧液で放出される。
【0025】
エアロゾルディスペンサ20及びその構成要素は、長手軸を有していてもよく、任意的に一定の丸い断面を伴う軸対称であってもよい。代替的に、外側容器22、ピストン55、バルブアセンブリ28などは偏心していてもよく、また四角形、楕円形、又は他の一定の断面積を有していてもよい。
【0026】
外側容器22はプラスチック製の加圧可能容器を含んでいてもよい。プラスチックはポリマーであってもよく、特にPETを含んでもよい。バルブアセンブリ28と任意的な弁カップ26とを、外側容器22のネック24に既知の方法で接合してもよい。
【0027】
任意の数の既知のバルブアセンブリが、本発明とともに利用可能な場合がある。1つの好適な非限定的な例が示される。この例では、硬いスリーブをバッグの頂部に、不浸透性シールを用いて取り付けてもよい。弾力的に変形可能な栓をスリーブ内にしっかりと挿入してもよい。栓を長手方向に(下向き方向にスリーブ内を)移動させると、製品42が選択的に分配されてもよい。スリーブを任意的な弁カップ26に不浸透的に接合してもよい。弁カップ26は次に、外側容器22のネック24に接合されてもよい。好適な栓及びスリーブ型バルブアセンブリ28を、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,511,522号の教示により形成してもよい。
【0028】
加圧可能な容器は噴射剤40を更に含んでもよい。噴射剤40は、窒素、空気及びこれらの混合物を含んでいてもよい。米国連邦官報49 CFR 1.73.115、クラス2、ディビジョン2.2に列記された噴射剤40も許容できると考えられる。噴射剤40は特に、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン、及び任意にCAS番号1645−83−6ガスを含む場合がある。1つのこのような噴射剤40は、Honeywell International(Morristown,New Jersey)から商標名HFO−1234ze又はGWP−6で市販されている。
【0029】
所望により、噴射剤40は、凝縮性であり得る。全般的に、最も高い圧力が発生するのは、エアロゾルディスペンサ20に製品42を充填した後だが、その製品42をユーザが最初に分配する前である。凝集性噴射剤40は、製品42が使用中に消耗する際に、減圧曲線を平坦化する利益をもたらす。凝縮性噴射剤40によって、所定の圧力で容器内に配置するガスの体積を大きくしてもよいという利益も得られる。
【0030】
図1C及び2A〜2Cを参照して、構成要素をより詳細に考察すると、加圧可能な容器は外側容器22を含んでいてもよい。外側容器22はネックを有し、ネックは弁カップ26が内部にあるか又は内部に配置可能である。ユーザ起動のバルブアセンブリ28を、弁カップ26内に配置してもよい。製品供給装置は、弁カップ26に接合されてもよい。噴射剤40を外側容器22の底部とピストン55の底部との間に配置してもよい。噴射剤40を保持し、分配はしなくてもよい。
【0031】
必要に応じて、外側容器22、弁カップ26、バルブアセンブリ28、及び/又はピストン55はポリマーであってもよい。ポリマーによって意味するのは、構成要素がプラスチック(例えば、ポリマー、及び/又は特にポリオレフィン、ポリエステル、又はナイロン、より詳細にはPET)である材料で形成されているということである。こうして、エアロゾルディスペンサ20全体又はその特定の構成要素は、金属フリーであってもよく、電子レンジで加熱できてもよい。エアロゾルディスペンサ20又はそれに対する加圧可能な容器を電子レンジ加熱すると、製品42が分配前に加熱される。分配前の製品42の加熱は、製品42が皮膚に塗布される場合(低粘度でより効果的となるので)又は食される場合には、より望ましい場合がある。
【0032】
弁カップ26は、ネック24周辺部に対して補完的な弁カップ26周辺部を有し得る。弁カップ26及び/又は容器ネック24の少なくとも一方は、そこを通る1つ以上の経路50があってもよい。それに加えて又はその代わりに、経路50を弁カップ26と容器ネック24との間の界面に形成してもよい。特に、上部容器部分22Uの下端と下部容器部分22Lの上端とは他方に対して相補的である。経路50を不規則(例えば、小円鋸歯状、マーリン(merlins)、鋸歯状、ノッチ、歯など)によって、上部容器部分22Uの下端及び/又は下部容器部分22Lの上端上及びそれらの間に形成してもよい。
【0033】
外側容器22及びすべての他の構成要素(TPEシール以外)は、DOT SP 14223を満たすために、PET、PEN、Nylon EVOH、又はそれらのブレンドを含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなっていてもよい。このような材料を、SPIが定める前述した単一クラスの再利用可能材料から選択してもよい。ピストン55は、個別プラスチック、熱可塑性プラスチック、エラストマー、ゴム、シリコーン、LDE/PET、PET/TPE、PE、PP、ナイロン及び/又はそれらの化合物若しくは混合物であって、所望の剛性及びシール性能を可能にするものを含んでいてもよい。
【0034】
必要に応じて、外側容器22及び/又はピストン55は、透明であってもよいし又は実質的に透明であってもよい。このような仕組みによって、製品42が枯渇に近づくときを消費者が知り、製品42の特性(例えば、色彩、粘度など)を伝達することが改善できるという効果が得られる。また、容器のラベル付け又は他の装飾が施される背景が透明であれば、そのような装飾がよりはっきりと見える。
【0035】
外側容器22は、エアロゾルディスペンサ20の長手方向軸を画定してもよい。外側容器22は図のように軸対称であってもよく、又は偏心であってもよい。丸い断面が示されているが、本発明はこれに限定されない。断面は、四角形、楕円形、不規則などであってもよい。更に、断面は、図示するように略一定であってもよいし、又は可変であってもよい。変断面が選択される場合、外側容器22は、バレル形、砂時計型、又は単調にテーパ状であってもよい。
【0036】
外側容器22の軸方向高さは6〜40cmの範囲であってもよく、丸い設置面積が選択された場合の直径は4〜60cmであり得る。外側容器22は、製品供給装置などの内部のあらゆる構成要素を除き、115〜1000ccの範囲の容積を有してもよい。外側容器22は、射出延伸吹込成形されてもよい。この場合、射出延伸吹込成形プロセスは、8、8.5、9、9.5、10、12、15、又は20などの伸張比率を提供してもよい。
【0037】
外側容器22は、基部上に位置してもよい。基部は外側容器22、及びエアロゾルディスペンサ20の底部上に配置される。好適な基部としては、基部カップとともに用いる花弁状の基部、シャンパン底、半球又は他の凸状の基部が挙げられる。又は外側容器22は、任意的な平底を伴う概ね平坦な基部であってもよい。
【0038】
外側容器22は2つ以上の別個の部分、特に上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとを有していてもよい。上部容器部分22Uと下部容器部分22Lはそれぞれ、モノリシックであり単一の一体部片で形成されていてもよいし、又は上部容器部分22U若しくは下部容器部分22Lをそれぞれ作るために複数の部片を一つに組み立てたものからなっていてもよい。
【0039】
上部容器部分22Uは概ねドーム形状で真下が凹形であってもよく、ピストン55を一致して受け取る容積を形成していてもよい。製造中に及び/又は製品寿命の終わりに、ピストン55が上部容器部分22Uの内部に入れ子になっていて、ピストン55のどの部分もそこから外側に広がっていない状態であってもよい。
【0040】
下部容器部分22Lは、外側容器22に対して概ね閉じた端底部であってもよい。下部容器部分22Lは、上部容器部分22Uよりも長手方向長さが長くてもよい。下部容器部分22Lは、上部容器部分22Uに接合したときに、長手軸上で測定して外側容器22の長手方向長さの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、又は90%を構成していてもよい。上部容器部分22Uは外側容器22のバランス(balance)を構成していてもよい。
【0041】
上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとはシール58で接合していてもよい。シール58は上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間の液密接合部である。上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間にシール58があり、シール58は外側容器22の頂部付近に配置されていると図示しているが、当業者であれば本発明はそのように限定されないことを理解するであろう。シール58は、外側容器22の壁に対する環状の外側に配置された周方向のフランジを含んで、内径を一定断面積に維持して、ピストン55の下部容器部分22Lから上部容器部分22Uへの軸方向運動を妨げないようになっていてもよい。また外側フランジによって、後述するように、噴射剤40の充填に対する経路50の好都合な配置が得られる。
【0042】
シール58は、外側容器22の頂部と底部との間の任意の好適な位置に配置してもよい。必要なのは、ピストン55が下部容器部分22Lと好ましくは上部容器部分22Uの一方の中に挿入可能であり、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとが液体関係で密閉可能であるということだけである。
【0043】
ピストン55の頂部から環状スカート55Sが下がっていてもよい。スカート55Sは軸方向の深さを有している。スカート55Sによって、ピストン55が外側容器22内を動くときのピストン55の上ぞり又は軸外配向が最小限になる場合がある。これは特に、ピストン55が下部容器部分22Lから上部容器部分22Uまでシール58を渡って摺動可能に動くときに何らかの不規則が生じる場合にそうである。頂部は上部容器部分22Uの底面内に一致して収まってもよく、上部容器部分22Uの底面にぴったり合っていてもよい。ピストン55の頂部又はその中央及び同心部分を、バルブアセンブリ28に向けて、特に弁カップ26に対して相補的に、上方に凹に配向してもよい。
【0044】
好ましくは、スカート55Sの軸方向寸法は上部容器部分22Uの軸方向寸法以下である。この相対的な寸法によって、後述するように優位な噴射剤充填が得られる。
【0045】
マニフォールドによって噴射剤を、加圧下で、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間の少なくとも1つの経路を通して供給してもよい。マニフォールドをショルダ25の上方に、引き込むように配置してもよい。マニフォールドをショルダと接触させて、それらの間に一時的なシール58を形成してもよい。好適な経路は特に、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,869,842号(Smith)の図8、欄7、行57〜欄8、行2、及び欄8、行44〜60に記載されている。
【0046】
一時的なシール58をマニフォールドとショルダとの間に設ける間、噴射剤40を上部容器部分22U及び/又は下部容器部分22L内に充填してもよい。外側容器22に噴射剤40を充填するための好適なプロセスが、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,869,842号(Smith)の図9と欄8、行15〜35とに記載されている。
【0047】
外側容器22を、内部ゲージ圧力が100〜1300、110〜490、又は270〜420kPaになるまで加圧してもよい。あるエアロゾルディスペンサ20が、初期噴射剤40圧力が1100kPAで終期噴射剤40圧力が120kPa、初期噴射剤40圧力が900kPAで終期噴射剤40圧力が300kPa、初期噴射剤40圧力が500kPAで終期噴射剤40圧力が0kPaなどであってもよい。
【0048】
上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間に永続的なシール58を望む場合には、シール58を溶接してもよい。特に、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとがポリマーで、適合性のあるメルトインデックスを有する場合、このような構成要素を溶接によってシールして、内部に噴射剤を保持してもよい。好適な溶接プロセスとしては、音波、超音波、スピン、及びレーザ溶接を挙げてもよい。溶接は市販の溶接機を用いて行なってもよい。例えばBranson Ultrasonics Corp.(コネチカット州、ダンベリー)から販売されているものである。その代わりに又はそれに加えて、経路を予言的(prophetically)に、栓によって塞いでもよいし又は接着剤結合によってシールしてもよい。好適なシーリングプロセスは特に、本出願の譲受人に共通に譲渡された米国特許第8,869,842号(Smith)の図9及び欄8、行30〜43に記載されている。
【0049】
取り外し可能なシール58を望む場合には、シール58をネジ接続を用いて形成してもよい。ネジ接続は外側容器22の内部であってもよいし又は外部であってもよい。特に、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとを、それらの間のシール58において取り外し可能に互いにネジ込まれてもよい。
【0050】
また外側容器22の側壁によって内径が画定される。好ましくは、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lの内径を一致させて、ピストン55がそれらの間を難なく動けるようにする。特に、重要なのは、ピストン55が、下部容器部分22Lの基部に並置された近位位置から、上部容器部分22Uの頂部に並置された遠位位置へと移動できることである。
【0051】
図2Bを参照して、ピストン55をより詳細に考察すると、ピストン55は2つの対向面を有している。上面は容器22の頂部の方を向き、広く対向する下面は容器22の底部の方を向いている。ピストン55のサイズは、噴射剤40を製品42からシールする一方で容器22の穴内に摺動可能に収まるように取る。
【0052】
図2Aを参照して、ピストン55の下面は概ね下方に凹であり、下面と下部容器部分22Lの基部の内部との間に室を形成している。この室を用いて噴射剤40を収容する。室は概ね環状形状であってもよい。この形状は、ピストン55に対して半径方向外側の力を与えて、ピストン55と下部容器部分22L/上部容器部分22Uの内側面との間の一致を向上させて漏れを最小限にすると考えられる。
【0053】
噴射剤40は、ピストン55が下部容器部分22Lの中を、そして下部容器部分22Lから上部容器部分22Uへと前進するように推進力を与える。その結果、製品42がユーザ要求に応じて分配される。噴射剤40を収容する室の容積は、ピストン55が開始又は近位位置にあるときに最小である。ピストン55が前進すると、噴射剤40室は大きくなって、ボイルの法則により内部圧力は下がる。
【0054】
図2Cを参照して、ピストン55の上面は上部容器部分22Uの頂部の内部と一致していてもよい。このような配置によって、遠位又は最終位置までのピストン55の移動が最大になる。ピストン55の上面が上部容器部分22Uの底面と接触しているとき、それらの間にある製品42はすべて分配され、エアロゾルディスペンサ20の有効期限の終わりに残っているわずかな残余製品は最小限になっているため優位である。
【0055】
必要に応じて、図示するように、上部容器部分22Uはテーパ状ショルダ25がなく、これを有していなくもよい。このような幾何学的形状が一定断面積と結びつくと、ピストン55が上部容器22Uの頂部まで自由に移動してすべての製品42が分配されることが確実になり得るという効果が得られる。
【0056】
図3A及び3Bを参照して、エアロゾルディスペンサ20は優位に以下のように製造してもよい。ピストン55を上部容器部分22U内のその最終位置に入れ子にしてもよい(すなわち、取り外し可能に配置する)。上部容器部分22Uを下部容器部分22Lよりも近位に配置して、そこを通る経路がある。
【0057】
噴射剤40を、前述したように、経路を通して充填する。好ましくは、経路は、前述したように、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間にある。噴射剤40は好ましくは、ピストン55の真下で下部容器部分22L(又は下部容器部分22Lと上部容器部分22Uとの何らかの組み合わせ)の中に充填する。好ましくは、ピストン55の上方には噴射剤40を充填しない。噴射剤充填が終了した後で、前述したように、経路をシールしてもよい。
【0058】
経路50をシールする前又は後で、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとを互いに接合して、液密シール58を形成してもよい。経路50が上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとの間にある場合、経路50と上部容器部分22Uから下部容器部分22Lまでとをシーリングすることが、単一ステップで行なわれる場合がある。
【0059】
シール58を閉じ、上部容器部分22Uと下部容器部分22Lとを取り外し不能に互いに接合した後で、製品42をエアロゾルディスペンサ内に挿入してもよい。製品42の充填を、噴射剤40の充填と同じ工場で行なってもよいし又は異なる製造現場で行なってもよい。
【0060】
特に、製品42を上部容器部分22U内にバルブアセンブリ28を通して既知の方法で挿入してもよい。製品42が上部容器部分22Uに入ったら、ピストン55を下部容器部分22Lの基部に向けて下方にずらす。このようなずらしによって噴射剤40が圧縮されて、ボイルの法則により圧力が増加する。圧力は最終的に、使用条件に対して所望の開始圧力まで増加させてもよい。
【0061】
エアロゾルディスペンサ20は、ユーザに与えられた時点では、初期圧力を有していてもよい。初期圧力は、特定の充填操作において生じる最高圧力であり、製品供給装置から製品42がまだ分配されない状態に対応する。製品42が消耗すると、外側容器22は最終圧力に近づく。最終圧力は、製品供給装置からのわずかな残りを除き、実質的に全製品42の消耗に対応する。本発明の効果の1つは、残余製品(期限の終わりに残っている)が予想外に最小限であることである。
【0062】
このような仕組みによって、噴射剤40が充填される圧力が所望の開始圧力よりも小さくなり、噴射剤40の充填時間が短くなり、充填機械に印加される圧力が小さくなるという効果が得られる。別の効果は、エアロゾルディスペンサ20が販売又は使用に対して準備ができたときに、噴射剤40が最終用途に対する所望の位置に配置されていることである。
【0063】
図4を参照して、必要に応じて、エアロゾルディスペンサに長手方向のネジ31を設けてもよい。ネジ31は長手軸と一致してもよいし、ナット32にネジ接続されてもよい。ナット32自体は、ピストン55に堅固に接合してもよい。必要に応じて、高粘度の潤滑剤をネジ31とナット32との間の界面に配置して、ピストン55に渡る漏れを最小限にしてもよい。
【0064】
噴射剤40の圧力下でピストン55が長手方向に前進すると、図示するように、ピストン55がその最終位置に達するまで、ピストン55は回転及び軸方向への前進を同時に行なう。このような回転によって、分配中の製品42に渦巻きが与えられて、噴霧が改善されると予言的に考えられる。また図4には、本発明のエアロゾルディスペンサ20とともに二重弁システムが利用できることが示されている。
【0065】
図5を参照して、必要に応じて、下部容器部分22Lは、栓57又は一方向弁を伴う注出口56を、基部を通して又は基部と並置して有していてもよい。注出口56によって、ピストン55の真下の室が既知の方法で充填される。好ましくは、下部容器部分22Lは、基部にもその下部側壁部分にも、注出口56を有していない。注出口56を有していないことで、漏れ経路及び後続の塞ぎ動作の両方がなくなるという効果が得られる。同様に、下部容器部分の基部及び側壁を、例えば単一片の材料から一体に形成すると、別の漏れ経路及び後続の接合動作がなくなる。
【0066】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は「約40mm」を意味することが意図されており、「約1100kPa」と開示された圧力は、1103.2kPaを含むことが意図されている。
【0067】
相互参照される又は関連する特許又は出願等の、本願に引用されるすべての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本願に援用される。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。範囲を規定するものとして本明細書で示したすべての限定を、範囲を規定する任意の他の限定とともに用いてもよい。すなわち、ある範囲の上限を別の範囲の下限とともに用いてもよく、逆もまた同様である。
【0068】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の様々な変更及び修正を行なうことができることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのようなすべての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5