(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656282
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】基板構造を製造する方法、基板構造、電子部品を基板構造と結合する方法、および電子部品
(51)【国際特許分類】
H05K 3/32 20060101AFI20200220BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20200220BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
H05K3/32 Z
H01L21/52 C
H05K3/34 504B
H05K3/34 507C
【請求項の数】25
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-37437(P2018-37437)
(22)【出願日】2018年3月2日
(62)【分割の表示】特願2016-74054(P2016-74054)の分割
【原出願日】2016年4月1日
(65)【公開番号】特開2018-129518(P2018-129518A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】10 2015 105 127.3
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】10 2015 107 724.8
(32)【優先日】2015年5月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511213476
【氏名又は名称】ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフガング シュミット
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ハインリック
(72)【発明者】
【氏名】マリア イサベル バレラ−マリン
【審査官】
鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−161797(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0273046(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0256667(US,A1)
【文献】
特開2002−111191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/32
H01L 21/52
H05K 3/34
H05K 1/14
H05K 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板構造(10)を製造する方法であって、電子部品(50;51)と結合するため、第1の面(22)および第2の面(23)を有する基板(20)を準備するステップと、
前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上へ初期固着剤(30)を塗布するステップと、
前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に結合材(25)を塗布するステップとを含み、
前記基板(20)を、塗布された初期固着剤(30)と共に移送要素(35)上に位置付けるステップであって、前記基板(20)の前記第1の面(22)が前記移送要素(35)と対面して配置され、前記初期固着剤(30)および/または前記結合材(25)が、前記移送要素(35)と少なくとも接着結合されるステップをさらに含む、方法。
【請求項2】
前記結合材(25)が焼結ペーストであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板(20)上に塗布された前記初期固着剤(30)が乾燥されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記初期固着剤(30)が、前記結合材(25)の側で、前記基板(20)の前記第1の面(22)の少なくともいくつかの部分上に塗布されることを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記初期固着剤(30)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)上に塗布されて、当該初期固着剤(30)が、前記結合材(25)より厚くなることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
基板構造(10)であって、電子部品(50;51)と結合するために、第1の面(22)および第2の面(23)を有する基板(20)を備え、初期固着剤(30)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布され、
結合材(25)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布され、
移送要素(35)が、前記初期固着剤(30)および/または前記結合材(25)で少なくとも接着結合される、基板構造(10)。
【請求項7】
前記基板(20)が、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームであることを特徴とする、請求項6に記載の基板構造(10)。
【請求項8】
前記結合材(25)が焼結ペーストであることを特徴とする、請求項6に記載の基板構造(10)。
【請求項9】
前記初期固着剤(30)が、前記結合材(25)の側で、前記基板(20)の前記第1の面(22)の少なくともいくつかの部分上に塗布されることを特徴とする、請求項8に記載の基板構造(10)。
【請求項10】
前記初期固着剤(30)が、前記結合材(25)より厚いことを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の基板構造(10)。
【請求項11】
電子部品(50;51)を、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造される基板構造(10;10’)と、結合する方法であって、
前記基板構造(10;10’)と前記電子部品(50;51)とを、前記基板(20)の前記第1の面(22)が前記電子部品(50;51)と対面して配置されるように互いに位置付けるステップと、
前記初期固着剤(30)を前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布することによって、前記基板構造(10;10’)を前記電子部品(50;51)上に初期固着するステップと、
前記基板構造(10)を前記電子部品(50;51)と結合するステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記電子部品(50;51)が、半導体、DCB基板、またはPCB基板であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板構造(10;10’)を前記電子部品(50;51)と初期固着する前記ステップの間に熱が加えられることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電子部品(50;51)と結合される場合に、前記基板構造(10;10’)が、前記電子部品(50;51)と共に焼結、プレス、またははんだ付けされることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記結合するステップの間または後に、前記初期固着剤(30)が、少なくとも部分的に取り除かれることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
電子部品(50;51)を、第1の面(22)および第2の面(23)を有する基板(20)と結合する方法であって、
第1の面(52)および第2の面(53)を有する電子部品(50;51)を準備するステップと、
初期固着剤(30)を、前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布するステップと、
結合材(25)を、前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布するステップとを含み、
移送要素(35)が、前記初期固着剤(30)および/または前記結合材(25)で少なくとも接着結合されるステップをさらに含む、方法。
【請求項17】
前記塗布された初期固着剤(30)、および/または前記塗布された結合材(25)が乾燥させられることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記初期固着剤(30)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)上に、当該初期固着剤(30)が前記結合材(25)より厚くなるように塗布されることを特徴とする、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記電子部品(50;51)を前記基板(20)と、前記電子部品(50;51)の前記第1の面(52)が前記基板(20)と対面して配置されるように互いに位置付けるステップと、
前記電子部品(50;51)を、前記初期固着剤(30)をいくつかの部分上に塗布することによって前記基板(20)に初期固着するステップと、
前記電子部品(50;51)を前記基板(20)と結合するステップとを含むことを特徴とする、請求項16〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記電子部品(50;51)を前記基板(20)と初期固着する前記ステップの間に熱が加えられることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記基板(20)と結合される場合に、前記電子部品(50;51)が、前記基板(20)と共に焼結、プレス、またははんだ付けされることを特徴とする、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記結合するステップの間または後に、前記初期固着剤(30)が、少なくとも部分的に取り除かれることを特徴とする、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
電子部品(50;51)であって、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法で基板構造(10;10’)と結合され、または、請求項16〜22のいずれか一項に記載の方法で基板(20)と結合され、前記基板(20)が、第1の面(22)および第2の面(23)を備え、初期固着剤(30)の残留物(31)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)の、いくつかの部分上に形成され、前記基板構造(10;10’)または前記基板(20)が、前記電子部品(50;51)と、前記基板(20)の前記第1の面(22)が前記電子部品(50;51)と対面して配置されるように結合される、電子部品(50;51)。
【請求項24】
結合材(25)が、前記基板(20)の前記第1の面(22)のいくつかの部分上に塗布されることを特徴とする、請求項23に記載の電子部品(50;51)。
【請求項25】
前記基板(20)が、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームであり、および/または前記電子部品(50;51)が、半導体、DCB基板、またはPCB基板であり、および/または前記初期固着剤(30)の前記残留物(31)が、はんだ、および/または接着剤の前記残留物であることを特徴とする、請求項23または請求項24に記載の電子部品(50;51)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を結合するための基板構造を製造するための方法に関する。さらに、本発明は、電子部品と結合するための基板構造に関する。本発明は、さらに、電子部品を基板構造と結合するための方法に関する。本発明はまた、電子部品を基板と結合するための方法に関する。さらに、本発明は、基板構造と結合する電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーエレクトロニクスにおいて、例えば顧客によってのみ適用される必要のある、乾燥焼結ペーストを備えた基板または構成要素を準備することは既知の技術である。生産処理において、構成要素、特に最初に乾燥された焼結ペーストで基板に取り付けられる電子部品は、当該構成要素を、取り付けられた場所から焼結される場所に搬送している間にスリップする可能性がある。
【0003】
この点において、構成要素が、特に電子部品が、熱を同時に適用しつつ乾燥焼結ペースト上にセットされることは既知の技術である。多くの電子部品に対して、熱を加えることによるそのような装着が不適切な搬送ロバスト性のみをもたらすことがわかっている。これは、曲がった構成要素、および/または汚染された表面、および/または不適当な表面のため、電子部品が、装着された場所から焼結された位置への搬送の信頼性を高めることを可能にするには接着性が不充分であるためである。したがって、装着はされているが、マスクもしくは金型によって未だはんだ付けまたは焼結されていない電子部品を固定すること、またはバネによって時間のかかる方法で電子部品をクランプすることは既知の技術である。
【発明の概要】
【0004】
前記先行技術に基づいて、本発明の目的は、電子部品と結合するための基板構造を製造する方法を明示することであり、電子部品が、装着された場所から焼結される位置に搬送されている間、充分な搬送ロバスト性がもたらされることである。
【0005】
さらに、本発明の目的は、電子部品と結合するための基板構造を明示することであり、基板構造は、装着はされているが、未だはんだ付けまたは焼結されていない構成が、基板構造上で充分な搬送ロバスト性を有するよう設計される。
【0006】
さらに、本発明の目的は、電子部品を基板と結合するための方法を明示することである。さらに、本発明の目的は、基板構造と結合される電子部品を明示することである。
【0007】
本発明によれば、前記目的は、電子部品と結合するための基板構造を製造するための方法に関して、請求項1の発明の主題により実現され、基板構造に関して、請求項8の発明の主題により実現され、電子部品を基板構造と結合するための方法に関して、請求項11の発明の主題により実現され、電子部品を基板と結合する方法に関して、請求項16の発明の主題により実現され、電子部品に関して、請求項23の発明の主題により実現される。
【0008】
本発明は、電子部品と結合するための基板構造を製造する方法を明示するという概念に基づいており、そのような方法は、以下のステップ、すなわち、
第1の面および第2の面を有する基板、特に、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームを準備するステップ、
基板の第1の面のいくつかの部分上へ初期固着剤を塗布するステップを含む。
【0009】
本発明の方法を用いて製造された基板構造は、電子部品とのその後の結合を可能にするよう機能する。
【0010】
本発明の方法の実施形態の好ましい形式において、結合材が、特に、初期固着剤を塗布する前に、基板の第1の面のいくつかの部分上に塗布される。結合材は、基板の第1の面を完全にはカバーしない。初期固着剤および結合材の両方が、基板の第1の面上に塗布される。
【0011】
結合材は焼結ペーストであり、特に、銀を含む焼結ペースト、はんだ、導電接着剤、または接着膜であり、基板を電子部品と実際に接着させるよう機能する。初期固着剤は、初期固着、すなわち、基板を電子部品上に、または電子部品を基板上に、一時的に取り付けるためにのみ機能する。初期固着、すなわち付着を用いて、構成要素が、装着された場所から焼結される位置に搬送されるのに充分な特性を生成する。初期固着剤は、仮固着剤である。言い換えると、初期固着剤は、基板構造、すなわち基板と、電子部品との一時的な固着を可能にする固着剤である。
【0012】
初期固着剤は、はんだおよび/または接着剤の形態とすることができる。特に、初期固着剤は、20〜45重量%の熱可塑性ポリマー、40〜70重量%の有機溶媒、10〜25重量%の無機充填剤粒子、および0〜0.5重量%の他の添加物を含む接着剤である。
【0013】
初期固着剤の熱可塑性ポリマーは、例えば、ガラス転移温度が60〜120℃である。ガラス転移温度の決定は、DDCによって、すなわちダイナミック差熱量測定によって、またはDSCによって、すなわち示差走査熱量測定によって、加熱速度10K/分で実行される。
【0014】
熱可塑性ポリマーは、特に(メタ)アクリル共重合体の形態とすることができる。熱可塑性(メタ)アクリル共重合体のモル質量範囲は、35000〜70000g/mol(Mw=35000〜70000g/mol)とすることができる。モル質量範囲は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定する。ゲル浸透クロマトグラフィーに対して、以下、すなわち、固定相としてのポリスチロールゲル、移動相としてのテトラヒドロフラン、ポリスチロール基準を適用する。
【0015】
40〜70重量%の有機溶媒は、30〜100重量%のテルピネオールを含む。
【0016】
10〜25重量%の無機充填剤粒子は、5〜20μmの、好ましくは5〜10μmの粒子サイズ(d50)を有する。前記無機充填剤粒子は、例えば酸化アルミニウムおよび/または二酸化シリコンの形態とすることができる。粒子サイズ(d50)の決定は、好ましくはレーザ回折法により行われる。
【0017】
0〜0.5重量%の他の添加物は、例えば湿潤剤の形態とすることができる。
【0018】
接着剤を用いて、特に、特定の組成、すなわち特定の配合組成を有する接着剤を用いて、均一に分散された初期固着剤点、特に接着点を、計算可能な最終高さで生成することができる。
【0019】
初期固着剤は、分注、浸漬、または噴射処理によって、基板の第1の面上に塗布することができる。特に、初期固着剤は、半球状接着点、すなわち半球状の点の形態で塗布される。
【0020】
基板上に塗布される初期固着剤、特に、基板上に塗布される初期固着剤および基板上に塗布される結合材は乾燥させることができる。言い換えると、基板は、塗布された初期固着剤、および/または塗布された結合材と共に乾燥処理を受ける。乾燥処理は、100〜150℃の対象物温度で、2〜30分間、実行することができる。
【0021】
乾燥処理、すなわち初期乾燥処理が実行されると、塗布された初期固着剤の厚さが、当該乾燥処理、すなわち初期乾燥処理によって、乾燥処理、すなわち初期乾燥処理後に薄くなる。
【0022】
本発明の実施形態のさらなる形式において、塗布された初期固着剤を伴う基板、特に、塗布された初期固着剤および塗布された結合材を伴う基板は、当該基板の第1の面が移送要素に対面して配置されるように当該移送要素上に位置付けることができ、初期固着剤および/または結合材が、移送要素と少なくとも接着結合する。したがって、基板は、移送要素上に配置することができ、基板構造は、基板、初期固着剤、任意選択的に接触材および任意選択的に移送要素を備え、別の生産施設に、または別の処理装置に移動することができる。初期固着剤のみが、移送要素と接着結合することが可能である。小さなギャップが、例えば、移送要素と、任意選択的に存在する結合材との間に存在するであろう。
【0023】
初期固着剤は、結合材の側で基板の第1の面の少なくともいくつかの部分上に塗布される。初期固着剤は、分注、浸漬、または噴射処理によって、結合材の側に塗布される。例えば、初期固着剤は、結合材の側で少なくとも1つの接着点として塗布することができる。さらに、初期固着剤は、結合材の側で棒の形態で基板の第1の面上に塗布されると考えることができる。同じように、初期固着剤によって、結合材の全ての側を囲むことが可能である。
【0024】
初期固着剤は、結合材より厚くなるように、基板の第1の面に塗布することができる。言い換えると、初期固着剤は、垂直方向に、結合材の上部に突出する。初期固着剤は、結合材より材料厚が大きい。任意選択的な乾燥処理、すなわち初期乾燥処理の前では、初期固着剤は、乾燥処理、すなわち初期乾燥処理の後より厚い。
【0025】
さらに、本発明は、電子部品と結合するための基板構造を明示するという概念に基づいており、当該基板構造は、上記した発明の方法で製造されることが好ましい。本発明の基板構造は、第1の面と第2の面とを有する基板を備え、初期固着剤が、基板の第1の面のいくつかの部分に塗布される。
【0026】
基板は、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームの形態とすることができる。
【0027】
初期固着剤は、はんだおよび/または接着剤とすることができる。特に、初期固着剤は、20〜45重量%の熱可塑性ポリマー、40〜70重量%の有機溶媒、10〜25重量%の無機充填剤粒子、および0〜0.5重量%の他の添加物を含む接着剤の形態をとる。接着剤およびその組成物に関して、ならびに接着剤の個々のパラメータを決定する方法に関して、上記した方法と関連してすでに記載した補足説明を参照する。かかる補足説明はまた、基板構造に対して適用される。
【0028】
さらに、結合材は、基板の第1の面のいくつかの部分に塗布されることが好ましい。したがって、初期固着剤および結合材の両方を、基板の第1の面上に塗布することができる。初期固着剤は、基板構造上への電子部品の初期固着において、および、電子部品に塗布するための方法においてその役割を果たす。対照的に、結合材は、実際に固定する、すなわち、基板構造と電子部品とを効率的および恒久的に結合するよう機能する。結合材は、焼結ペースト、特に銀、はんだ、導電接着剤、または接着膜を含む焼結ペーストとすることができる。
【0029】
初期固着剤は、結合材の側で基板の第1の面の少なくともいくつかの部分上に塗布される。初期固着剤は、結合材の側で、滴、半球、または棒の形態となるように設計することができる。本発明の実施形態の1つの形式において、結合材は、初期固着剤によって全ての側を囲まれることが可能である。
【0030】
初期固着剤は、結合材より厚くなるよう設計されることが好ましい。言い換えると、初期固着剤は、垂直方向において、結合材の上部に突出する。
【0031】
実施形態のさらなる形式において、基板構造は、移送要素を有し、当該移送要素は、初期固着剤、および/または結合材で少なくとも接着結合される。基板は、基板の第1の面が移送要素と対面して配置されるように、当該移送要素に対して位置付けられる。移送要素は、基板構造を第1の製造設備から別の製造設備に、または第1の製造装置から別の製造装置に搬送することを可能にするよう機能する。移送要素は、例えば接着力の低い支持膜の形態とすることができる。
【0032】
さらに、本発明は、電子部品を基板構造と結合する方法を明示するという概念に基づく。特に、基板構造は、本発明の基板構造、および/または説明する本発明の方法を用いて製造された基板構造の形態とすることができる。電子部品を基板構造と結合する本発明の方法は、以下のステップ、すなわち、
・基板構造と電子部品とを、基板の第1の面が電子部品と対面して配置されるように、互いに位置付けるステップと、
・初期固着剤を基板の第1の面のいくつかの部分に塗布することによって、電子部品に基板構造を初期固着するステップと、
・基板構造を電子部品と結合するステップとを含む。
【0033】
基板構造と電子部品とを、基板の第1の面が電子部品と対面して配置されるように、互いに位置付けるステップは、一方で、基板構造を電子部品上にセットするよう実行することができる。実施形態のさらなる形式において、電子部品が基板構造上に装着されることが考えられる。
【0034】
基板構造と電子部品とを互いに対して位置付けるステップの後、基板構造を電子部品と初期固着するステップが行われる。前記初期固着は、基板の第1の面のいくつかの部分上に塗布される初期固着剤を用いて実行される。この目的のために、熱を加えることが好ましい。加える温度は100〜150℃が好ましく、その結果、初期固着剤が熱によって活性化され、したがって、基板構造が、電子部品と初期固着することができる。初期固着処理によって、搬送ロバスト性が、初期固着において基板構造と結合された電子部品に対して実現することができ、電子部品は、ベルトコンベヤで供給された結果、揺さぶられて緩くなることを無くすことができる。代わりに、電子部品は、初期固着位置に維持される。
【0035】
電子部品は、半導体、DCB基板、またはPCB基板の形態とすることができる。時間の観点から、基板構造を電子部品と結合するステップは、初期固着処理の後に行う。基板構造を電子部品と結合するステップは、例えば、焼結、プレス、またははんだ処理によって行うことができる。基板構造は、電子部品と共に焼結されることが好ましい。この目的のために、基板構造は、結合材、特に焼結ペーストを有する。
【0036】
電子部品を基板構造と結合する本発明の方法と関連した初期固着剤に関し、初期固着剤と関連してすでに記載した補足説明を参照する。また、初期固着剤および結合材の互いの配置に関して、すでに記載した補足説明を参照する。
【0037】
電子部品と固着された基板構造は、当該基板構造を電子部品と結合するために処理炉に搬送されることが好ましい。処理炉は、例えば、加圧焼結炉、リフロー炉、またはラミネート窯の形態とすることができる。焼結処理の間、または加圧焼結処理の間、初期固着剤の有機成分および/またはポリマー成分は、そのほとんどが蒸発する。
【0038】
初期固着剤の有機成分および/またはポリマー成分は、気化する、および/または熱分解される。基板構造を電子部品と結合するステップの間、初期固着剤によって形成された電子部品との結合は取り除かれ、特に、焼失および/または溶解される。
【0039】
基板構造を電子部品と結合するステップの後、特に、焼結、または加圧焼結、および/またははんだ付け、および/またはプレス処理の後、初期固着剤の無機充填剤材料が、基板構造の第1の面でのほとんどの部分に、すなわち、排他的に、存在している。したがって、ほとんどの部分に対して、すなわち、排他的に、初期固着剤の無機充填剤材料が残っている。言い換えると、説明したような初期固着剤は、仮固着剤の形態をとり、実際の結合の後、すなわち、基板構造を電子部品と実際に恒久的に結合した後、ほとんどの部分に対して、または、完全に、取り除かれる。
【0040】
初期固着剤の組成物において、20〜45重量%の熱可塑性ポリマーが選択されることが好ましく、ガラス転移温度が、初期固着処理の間に基板構造に作用する温度未満であるような、特に100〜150℃の温度未満であるようなガラス転移温度であることが好ましい。
【0041】
本発明のさらなる態様は、電子要素を基板、特に、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームと結合する方法に基づき、基板は、第1の面と第2の面とを有し、本方法は、以下のステップ、すなわち、
・第1の面および第2の面を有する電子部品を準備するステップと、
・電子部品の第1の面の、および/または基板の第1の面のいくつかの部分上へ初期固着剤を塗布するステップとを含む。
【0042】
基板の第1の面の、および/または電子部品の第1の面のいくつかの部分に、特に、初期固着剤を塗布する前に、結合材を塗布することが可能である。結合材は、基板の第1の面を、および/または電子部品の第1の面を、完全にはカバーしない。初期固着剤および結合材の両方を、基板の第1の面上に塗布することができる。
【0043】
結合材は焼結ペーストであり、特に、銀を含む焼結ペースト、はんだ、導電接着剤、または接着膜であり、基板を電子部品と実際に接着させるよう機能する。初期固着剤は、初期固着、すなわち、基板を電子部品上に、または電子部品を基板上に、一時的に取り付けるためにのみ機能する。初期固着、すなわち付着を用いて、構成要素が、装着された場所から焼結される位置に搬送されるのに充分な特性を生成する。初期固着剤は仮固着剤である。言い換えると、初期固着剤は、基板と電子部品との一時的な固着を可能にする固着剤である。
【0044】
初期固着剤は、はんだおよび/または接着剤の形態とすることができる。特に、初期固着剤は、20〜45重量%の熱可塑性ポリマー、40〜70重量%の有機溶媒、10〜25重量%の無機充填剤粒子、および0〜0.5重量%の他の添加物を含む接着剤である。
【0045】
初期固着剤の熱可塑性ポリマーは、例えば、60〜120℃のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度の決定は、DDCによって、すなわち、ダイナミック差熱量測定によって、またはDSCによって、すなわち、示差走査熱量測定によって、加熱速度10K/分で実行される。
【0046】
熱可塑性ポリマーは、特に(メタ)アクリル共重合体の形態とすることができる。熱可塑性(メタ)アクリル共重合体のモル質量範囲は、35000〜70000g/mol(Mw=35000〜70000g/mol)とすることができる。モル質量範囲は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定する。ゲル浸透クロマトグラフィーに対して、以下の、すなわち、固定相としてのポリスチロールゲル、移動相としてのテトラヒドロフラン、ポリスチロール基準を適用する。
【0047】
40〜70重量%の有機溶媒は、30〜100重量%のテルピネオールを含む。
【0048】
10〜25重量%の無機充填剤粒子は、5〜20μmの、好ましくは、5〜10μmの、粒子サイズ(d50)を有する。前記無機充填剤粒子は、例えば、酸化アルミニウムおよび/または二酸化シリコンの形態とすることができる。粒子サイズ(d50)の決定は、好ましくはレーザ回折法により行われる。
【0049】
0〜0.5重量%の他の添加物は、例えば湿潤剤の形態とすることができる。
【0050】
接着剤を用いて、特に特定の組成、すなわち、特定の配合組成を有する接着剤を用いて、均一に分散された初期固着剤点、特に接着点を、計算可能な最終高さで生成することができる。
【0051】
初期固着媒体は、電子部品の第1の面上に、および/または基板の第1の面上に、分注、浸漬、または噴射処理によって塗布することができる。特に、初期固着剤は、半球状接着点、すなわち半球状の点の形態で塗布される。
【0052】
塗布された初期固着剤、特に、塗布された初期固着剤および塗布された結合材は乾燥させることができる。言い換えると、電子部品、および/または基板は、塗布された初期固着剤、および/または塗布された結合材と共に、乾燥処理を受ける。乾燥処理は、100〜150℃の対象物温度で、2〜30分間、実行することができる。
【0053】
乾燥処理、すなわち初期乾燥処理が実行されると、塗布された初期固着剤の厚さが、当該乾燥処理、すなわち初期乾燥処理によって、乾燥処理、すなわち初期乾燥処理後に薄くなる。
【0054】
初期固着剤は、結合材の側で、電子部品の第1の面の、および/または基板の第1の面の、少なくともいくつかの部分上に塗布することができる。初期固着剤は、分注、浸漬、または噴射処理によって、結合材の側に塗布される。例えば、初期固着剤は、結合材の側で少なくとも1つの接着点として塗布することができる。さらに、初期固着剤は、結合材の側で棒の形態で基板の第1の面上に塗布されると考えることができる。同じように、初期固着剤によって、結合材の全ての側を囲むことが可能である。
【0055】
初期固着剤は、結合材より厚くなるように、電子部品の、および/または基板の第1の面に塗布することができる。言い換えると、初期固着剤は、垂直方向において、結合材の上部に突出する。初期固着剤は結合材より材料厚が大きい。任意選択的な乾燥処理、すなわち初期乾燥処理の前は、初期固着剤は、乾燥処理、すなわち初期乾燥処理の後より厚い。
【0056】
本発明の実施形態のさらなる形式において、塗布された初期固着剤、特に、塗布された初期固着剤および/または塗布された結合材を伴う電子部品は、電子部品の第1の面が移送要素と対面して配置されるように当該移送要素上に位置付けることができ、初期固着剤および/または結合材が、移送要素と少なくとも接着結合する。したがって、電子部品は、移送要素上に配置することができ、この構造を別の製造設備に、または別の製造装置に搬送することができる。初期固着剤のみが移送要素と接着結合することが可能である。小さなギャップが、例えば、移送要素と、任意選択的に存在する結合材との間に存在し得る。
【0057】
電子部品を結合する方法は、さらに、以下のステップ、すなわち、
・電子部品と基板とを、電子部品の第1の面が基板と対面して配置されるように、互いに位置付けるステップと、
・初期固着剤をいくつかの部分上に塗布することによって電子部品を基板と初期固着するステップと、
・電子部品を基板と結合するステップとを含む。
【0058】
電子部品と基板とを互いに位置付けるステップは、一方で、基板が電子部品上にセットされるように実行することができる。実施形態のさらなる形式において、電子部品が基板上に取り付けられることが考えられる。
【0059】
基板と電子部品とを互いに位置付けるステップの後、電子部品を基板と初期固着するステップが行われる。前記初期固着は、いくつかの部分上に塗布される初期固着剤を用いて実行される。この目的のために熱を加えることが好ましい。印加温度は100〜150℃が好ましく、その結果、初期固着剤が加えられた熱によって活性化され、したがって、電子部品は基板と初期固着することができる。
【0060】
初期固着処理によって、搬送ロバスト性が、基板と初期固着された電子部品に対して実現することができ、電子部品、および/または基板は、ベルトコンベヤで供給された結果、揺さぶられて緩くなることを無くすことができる。代わりに、電子部品、および/または基板は初期固着位置に維持される。
【0061】
電子部品は、半導体、DCB基板、またはPCB基板の形態とすることができる。時間の観点から、電子部品を基板と結合するステップは、初期固着処理の後に行う。基板を電子部品と結合するステップは、例えば、焼結、プレス、またははんだ処理によって行うことができる。基板は、電子部品と共に焼結されることが好ましい。この目的のために、基板および/または電子部品は、結合材、特に焼結ペーストを有する。
【0062】
電子部品を基板と結合する本発明の方法と関連した初期固着剤に関し、初期固着剤と関連してすでに記載した補足説明を参照する。
【0063】
電子部品と固着された基板は、電子部品を基板と結合するために処理炉に搬送されることが好ましい。処理炉は、例えば、加圧焼結炉、リフロー炉、またはラミネート窯の形態とすることができる。焼結処理の間または加圧焼結処理の間、初期固着剤の有機成分および/またはポリマー成分は、そのほとんどが蒸発する。初期固着剤の有機成分および/またはポリマー成分は、気化する、および/または熱分解される。電子部品を基板と結合するステップの間、初期固着剤によって形成された結合は取り除かれ、特に、焼失および/または溶解される。
【0064】
電子部品を基板と結合するステップの後、特に、焼結、または加圧焼結、および/またははんだ付け、および/またはプレス処理の後、初期固着剤の無機充填剤材料が、基板の第1の面での、または電子部品の第1の面での、ほとんどの部分に、すなわち、排他的に、存在している。したがって、当該ほとんどの部分に対して、すなわち、排他的に、初期固着剤の無機充填剤材料が残っている。言い換えると、説明したような初期固着剤は、仮固着剤の形態をとり、実際の結合の後、すなわち、電子部品を基板と実際に恒久的に結合した後、ほとんどの部分に対して、または、完全に、取り除かれる。
【0065】
初期固着剤の組成物において、20〜45重量%の熱可塑性ポリマーが選択されることが好ましく、ガラス転移温度が初期固着処理の間に作用する温度未満であるような、特に100〜150℃の加熱温度未満であるようなガラス転移温度を伴うことが好ましい。
【0066】
さらに、本発明は、基板構造または基板と結合される電子構造を明示するという概念に基づく。基板構造は、本発明の基板構造、すなわち本発明の方法を用いて製造された基板構造の形態とすることができる。特に、電子部品は、発明の方法を用いて基板構造と結合される。あるいは、電子部品は、本発明の方法により基板と結合されている。
【0067】
基板、特に、基板構造の基板は、第1の面および第2の面を備え、基板の第1の面で、および/または基板と対面する電子部品の第1の面で、初期固着剤の残留物が、いくつかの部分に形成される。基板構造または基板が、当該基板の第1の面が電子部品と対面して配置されるように電子部品と結合される。さらに、結合材は、基板の第1の面のいくつかの部分に塗布することができる。
【0068】
基板は、DCB基板、PCB基板、またはリードフレームとすることができる。電子部品は、半導体、DCB基板、またはPCB基板とすることができる。初期固着剤の残留物は、はんだおよび/または接着剤の残留物とすることができる。接着剤は、当初は熱可塑性(メタ)アクリル共重合体の形態とすることができる。ほとんどの部分に対して、特に、完全に、無機充填剤粒子、特に酸化アルミニウムおよび/または酸化シリコンが、基板の第1の面に、および/または基板と対面する電子部品の面に形成される。
【0069】
以下、本発明を、添付の概略図を参照しつつ、実施形態の例を用いてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】基板構造を製造する方法の個々のステップを示す図である。
【
図2】基板構造を製造する方法の個々のステップを示す図である。
【
図3】基板構造を製造する方法の個々のステップを示す図である。
【
図4】基板構造を製造する方法の個々のステップを示す図である。
【
図5】基板構造を製造するためのさらなるオプションのステップを示す図である。
【
図6】基板構造を製造するためのさらなるオプションのステップを示す図である。
【
図7】実施形態の第1の形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【
図8】実施形態の第1の形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【
図9】実施形態の第1の形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【
図10】実施形態のさらなる形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【
図11】実施形態のさらなる形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【
図12】実施形態のさらなる形式に係る、電子部品を基板構造と結合する発明の方法の個々のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、同様の部品および同様に動作する部品に対して同じ参照番号が使用される。
【0072】
図1は基板20を示す。基板20は、構造化された形態で存在し、すなわち、個々の基板部分21、21’が形成される。基板は、例えば、リードフレーム、DCB基板、またはPCB基板の形態とすることができる。さらに、基板20の一方または両方の面をコーティング処理することができる。コーティングは、例えば、金属コーティング、または金属合金コーティングとすることができる。基板20は、第1の面22と、第2の面23とを有する。図示した例において、基板20の第1の面22は、当該基板20の反対側の第2の面23と平行になるよう設計される。
【0073】
図2は、基板20の第1の面22上への結合材25の塗布を示す。結合材25は、はんだ、導電接着剤、または接着膜の形態とすることができる。特に、結合材25は、焼結ペーストの形態をとる。焼結ペーストは、銀、または銀合金を含むことが好ましい。結合材25は、印刷、特に、スクリーン印刷、および/またはステンシル印刷によって、ならびに/もしくはスキージーを用いて、ならびに/もしくは、スプレー、および/または噴射、および/または分注処理によって、基板20の第1の面22上に塗布することができる。
【0074】
基板構造10の製造状況において、結合材25は、電子部品50、51との結合をもたらすように作用する。特に、結合材25は、基板構造10を電子部品50、51と恒久的に結合するよう機能する。
【0075】
図3は、初期固着剤30を、結合材25の側ないし側部で基板20の第1の面22上に塗布する方法を示す。初期固着剤30は、滴の形態で基板20の第1の面22上に塗布される。図示した例において、初期固着剤30の4つの滴が塗布されている。初期固着剤30は、左側の基板部分21上と、右側の基板部分21’上との両方に塗布される。初期固着剤30は、結合材25の側辺ないし側縁26付近の基板20の第1の面22上に塗布される。ギャップが、初期固着剤30と、結合材25の側縁26との間に形成され得る。さらに、初期固着剤30を、棒の形態で塗布することも考えられる。さらに、初期固着剤30で、結合剤25の全ての側縁を取り囲むことが可能である。この状況において、結合材25が初期固着剤30によって全ての側縁を取り囲まれた場合、ギャップが初期固着剤30と結合材25との間に形成されることも考えられる。初期固着剤30は、以下の組成物を含むことが好ましい。
・20〜45重量%の熱可塑性ポリマー、特に、例えば、60℃〜120℃のガラス転移温度を有する熱可塑性(メタ)アクリル共重合体。
・40〜70重量%の有機溶媒。前記有機溶媒は、30〜100重量%のテルピネオールを含むことが好ましい。
・10〜25重量%の無機充填剤粒子であって、粒子サイズ(d50)が5〜20μm、特に5〜10μmである粒子。無機充填剤粒子は、酸化アルミニウムおよび/または二酸化ケイ素の形態であることが好ましい。
・0〜0.5重量%の他の添加物、例えば、湿潤剤。
【0076】
初期固着剤30は、分注、浸漬、または噴射処理によって、基板20の第1の面22上に塗布することができる。初期固着剤30は、半球状接着点の形態で基板20の第1の面22上に塗布されることが好ましい。初期固着剤30の厚さd
VF1は、結合材25の厚さd
KMよりも値が大きい。言い換えると、初期固着剤30の厚さd
VF1は、結合材25の厚さd
KMよりも大きい。
図3において、初期固着剤30は、非乾燥状態であり、より詳しくは乾燥していない。
【0077】
図4は基板構造10を示しており、本方法のこの段階では、当該基板構造10は、基板20、および結合材25と共に初期乾燥状態にある初期固着剤30を備えている。初期固着剤30および結合材25の乾燥は、100〜150℃の対象物温度で、2〜30分間、実行することが好ましい。初期乾燥処理、すなわち乾燥処理の後、初期固着剤30の厚さd
VF1は、乾燥処理前の初期固着剤30の厚さd
VF1より薄くなる。したがって、厚さd
VF1は乾燥処理の過程で減少する。しかしながら、乾燥処理の後でも、厚さd
VF2は結合材25の厚さd
KMより大きいことが好ましい。
【0078】
基板構造10は、
図4に示されるように、中間生成物であり、例えば、第1の製造機械から、別の製造機械に搬送され得る。さらに、この中間生成物は、別の製造設備に、または顧客に搬送されることが考えられる。
【0079】
図5によれば、任意選択的に、基板構造10が移送要素35を備えるよう処理することができる。移送要素35は、例えば、移送膜の形態とすることができる。基板20は、塗布された初期固着剤30および塗布された結合材25を伴い、基板20の第1の面22が支持部材35と対面して位置するように、移送要素35に対して配置される。言い換えると、基板20の第1の面22は、移送要素35に向けられる。図示した例において、少なくとも初期固着剤30は、移送要素35と接着結合される。結合材25が、同様に、移送要素35と接着結合することも可能である。
【0080】
接着力が、初期固着剤30と移送要素35との間に働き、基板10の搬送が容易になり、基板20が、搬送中に、移送要素35から外れないようにすることができる。しかしながら、初期固着剤30と移送要素35との間の接着力は、構成要素が基板構造10と結合される場合に、基板20を、初期固着剤30および結合材25と共に、移送要素35から取り外すことができるように充分に小さい。基板部分21および基板部分21’の両方が、移送要素35に配置される。言い換えると、複数の基板部分21、21’を、適切な初期固着剤30および結合材25により、移送要素35に配置することができる。
【0081】
図6では、基板構造10が示され、当該基板構造10は、ノズル40を用いて移送要素35から取り外すことができる。初期固着剤30および結合材25を伴う基板20の移送要素35からの取り外しは、例えば、ノズル40を用いて、ピックアンドプレース処理の要領で、実行することができる。
【0082】
図7〜
図9は、本発明の実施形態の第1の形式による、電子部品50を基板構造10と結合する方法を示す。この場合、基板構造10は、まず、ノズル40を用いて、移送要素35から取り外される。ついで、ノズル40を用いて、基板構造10は、電子部品50上に位置付けられ、基板20の第1の面22が電子部品50と対面して配置される。ノズル40は、基板20の第2の面23に作用する。
図7に示されるように、基板構造10は、電子部品50上にセットされ、初期固着剤30だけが電子部品50と接し、すなわち、初期固着剤30だけが電子部品50と結合する。図示した部品50は、例えば、シリコン半導体の形態とすることができる。ギャップが結合材25と部品50との間に形成され、当該ギャップは、初期固着剤と結合材との厚さが異なることにより形成される。
【0083】
図8では、ノズル40は、基板構造10からすでに取り外されている。100〜150℃の熱が加えられる。これによって、初期固着剤30が活性化され、その結果、基板構造10と電子部品50との初期固着が実行される。初期固着処理は、基板20、特に、基板20の第1の面22と、電子部品50、特に基板20と対面する電子部品50の面52との間の接着結合の形式であることが好ましく、かかる接着結合は、初期固着剤30を用いて生成される。
【0084】
この時点で、初期乾燥処理、すなわち、
図4に示したような乾燥ステップはオプションであることに留意されたい。初期固着剤30を基板20の第1の面22上に塗布し、その直後に、電子部品50、51と基板構造10との初期固着を実行することもできる。移送要素35の設置は、この場合では不要である。この場合、初期固着剤30が、電子部品50、51の装着の直前に、すなわち、電子部品50、51の基板20上への装着の直前に塗布される。
【0085】
初期固着の後、
図8に図示されるように、基板構造10と電子部品50との実際の結合を実行する。「結合」は、基板構造10と電子部品51との接合として理解されよう。結合は、はんだ付け、プレス、または焼結処理によって実行することができる。ここで、基板構造10は、処理炉で、例えば、加圧焼結炉、リフロー炉またはラミネート窯で、電子部品50と共に焼結されると考えられる。加圧焼結処理の間、初期固着剤30の有機/ポリマー成分は、そのほとんどが蒸発する。言い換えると、結合処理の間、または結合処理の後、初期固着剤30は、少なくとも部分的に取り除かれ、特に、焼失および/または溶解される。熱分解によって、および/または生じる気化によって、初期固着剤30の有機/ポリマー成分を取り除く。したがって、焼結、および/またはプレス、および/またははんだ付け処理の後、基板20と部品50との間の接着結合は、もはや形成されていない。
【0086】
電子部品50の上には、および/または基板20の上には、特に基板20の第1の面22の上には、残留物31、特に有機初期固着剤30の無機充填剤材料のみが、ほとんどの部分に対して、または好ましくは排他的に形成される。図示した例において、初期固着剤30の残留物31は、電子部品50の第1の面52上に形成される。
【0087】
図10〜
図12は、実施形態のさらなる例に係る、電子部品50および51を基板構造10と結合する方法を示す。
【0088】
図10は、基板構造10を示しており、当該基板構造10は、2つの基板部分21および21’を備え、第1の電子部品50および第2の電子部品51と適合される。基板部分21および基板部分21’の両方は、結合材25と、結合材25の側ないし側部に形成された初期固着剤30とを備える。
【0089】
第1の電子部品50および第2の電子部品51の両方が、基板構造10に対してノズル40および40’を用いて位置付けられ、基板20の第1の面22が、第1の電子部品50および第2の電子部品51と対面して配置される。第1の電子部品50は、シリコン半導体の形態とすることができる。第2の電子部品51は、第1の面52および第2の面53の両方にコーティング54を有する。
【0090】
図11に示されるように、基板構造10と第1の電子部品50および第2の電子部品51との初期固着は、基板20の第1の面22のいくつかの部分に塗布された初期固着剤30により実行される。
図1〜
図9に関連してすでに記載した、初期固着剤30に関する補足説明を適用する。初期固着剤30による初期固着のために、基板構造10に、第1の電子部品50および第2の電子部品51とともに、熱、特に100〜150℃の温度の熱が加えられる。接着結合が、第1の電子部品50と基板20との間に、特に、第1の電子部品50と基板20の第1の面22との間に形成される。さらに、接着結合が、第2の電子部品51と基板20、特に、基板20の第1の面22との間に形成される。
【0091】
初期固着の後、結合が、第1の電子部品50および第2の電子部品51と基板構造10との間で実行される。結合処理、好ましくは、焼結処理の間、初期固着剤30が、少なくともいくつかの部分から取り除かれ、特に、焼失および/または溶解される。
【0092】
図12に示されるように、初期固着剤30の残留物31のみが、基板20の第1の面22に残る。初期固着剤30の前記残留物31は、当初の初期固着剤30の無機充填剤材料の形態であることが好ましい。
【0093】
図12において、電子部品50は、第2の電子部品51と共に、基板構造10と完全に結合される。基板構造10は、第1の面22と第2の面23とを伴う基板20を有する。当初の初期固着剤30の残留物31は、基板20の第1の面22に配置される。
【0094】
この時点で、
図1〜
図12に係る実施形態の形式と関連して説明した、上記の全ての方法ステップおよび要素は、個別に、または任意の組み合わせで、特に、図に示した詳細は、本発明にとって本質的なものとして特許請求されることに留意されたい。請求項1〜8の1つに係る方法ステップと、請求項21〜31の1つに係る方法ステップとの任意の選択された組み合わせもまた可能である。
【符号の説明】
【0095】
10、10’ 基板構造
20 基板
21、21’ 基板部分
22 基板の第1の面
23 基板の第2の面
25 結合材
26 側縁
30 初期固着剤
35 移送要素(移送膜)
40、40’ ノズル
50 電子部品
51 電子部品
52 電子部品の第1の面
53 電子部品の第2の面
54 コーティング
d
VF1 乾燥前の初期固着剤の厚さ
d
VF2 乾燥後の初期固着剤の厚さ
d
KM 結合材の厚さ