特許第6656316号(P6656316)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6656316ハマナツメの使用方法、ハマナツメ抽出物の使用方法及び薬物混合物の使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656316
(24)【登録日】2020年2月6日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】ハマナツメの使用方法、ハマナツメ抽出物の使用方法及び薬物混合物の使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/72 20060101AFI20200220BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20200220BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20200220BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20200220BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20200220BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20200220BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A61K36/72
   A61P1/00
   A61P1/02
   A61P1/04
   A61P31/10
   A61P37/02
   A61P43/00 105
【請求項の数】23
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2018-132095(P2018-132095)
(22)【出願日】2018年7月12日
(62)【分割の表示】特願2016-550924(P2016-550924)の分割
【原出願日】2014年10月30日
(65)【公開番号】特開2018-184432(P2018-184432A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月10日
(31)【優先権主張番号】201310528511.6
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410018576.0
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410019123.X
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410023850.3
(32)【優先日】2014年1月17日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410030860.X
(32)【優先日】2014年1月23日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410032900.4
(32)【優先日】2014年1月23日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516128555
【氏名又は名称】四川省中医薬科学院
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】徐 超群
(72)【発明者】
【氏名】李 東暁
(72)【発明者】
【氏名】舒 光明
(72)【発明者】
【氏名】阮 佳
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 雁
(72)【発明者】
【氏名】譚 ▲レイ▼
【審査官】 鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】 上海科学技術出版社 編,中薬大辞典 第四巻,株式会社 小学館,1985年,pp.2118-2119 [4318バコウシコン]
【文献】 Journal of Youjiang Medical College for Nationalities,1998年,Vol.2,p.176-177
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗線維化用の医薬製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項2】
抗真菌用の医薬製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項3】
口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の医薬製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項4】
SLE治療用の医薬製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項5】
ハマナツメはハマナツメ植物全体、根、茎、葉、花、果実の一部或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用方法。
【請求項6】
抗線維化用の薬物の製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項7】
抗真菌用の薬物の製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項8】
口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の薬物の製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項9】
SLE治療用の薬物の製造のためのハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物の使用方法であって、
ハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分とする、
使用方法。
【請求項10】
ハマナツメはハマナツメ植物全体、根、茎、葉、花、果実の一部或いはそれらの混合物を薬物の原材料として、有機溶媒で抽出されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の使用方法。
【請求項11】
前記有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、石油ベンジン、またはイソプロピルアルコールを含むことを特徴とする請求項10に記載の使用方法。
【請求項12】
ハマナツメ抽出物の主な成分にはフラボン類、トリテルペノイド類、アルカロイド類、及びクマリン類が含まれることを特徴とする請求項10に記載の使用方法。
【請求項13】
抗線維化用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として、薬学上使用可能な補材を加えて加工される製剤であることを特徴とする抗線維化用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項14】
抗真菌用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として、薬学上使用可能な補材を加えて加工される製剤であることを特徴とする抗真菌用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項15】
口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として、薬学上使用可能な補材を加えて加工される製剤であることを特徴とする口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項16】
SLE治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として、薬学上使用可能な補材を加えて加工される製剤であることを特徴とするSLE治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項17】
ハマナツメ抽出物はハマナツメ植物全体、根、茎、葉、花、果実の一部或いはそれらの混合物を薬剤の原材料として、有機溶媒で抽出されることを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の使用方法。
【請求項18】
前記有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、石油ベンジン、またはイソプロピルアルコールを含むことを特徴とする請求項17に記載の使用方法。
【請求項19】
抗線維化用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物は活性成分と薬学上使用可能な補材を含み、前記活性成分がハマナツメ(Paliurus ramosissimus)又はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として含むことを特徴とする抗線維化用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項20】
抗真菌用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物は活性成分と薬学上使用可能な補材を含み、前記活性成分がハマナツメ(Paliurus ramosissimus)又はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として含むことを特徴とする抗真菌用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項21】
口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物は活性成分と薬学上使用可能な補材を含み、前記活性成分がハマナツメ(Paliurus ramosissimus)又はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として含むことを特徴とする口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項22】
SLE治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法であって、
前記薬物混合物は活性成分と薬学上使用可能な補材を含み、前記活性成分がハマナツメ(Paliurus ramosissimus)又はハマナツメ(Paliurus ramosissimus)抽出物を単一の活性成分として含むことを特徴とするSLE治療用の薬物の製造のための薬物混合物の使用方法。
【請求項23】
ハマナツメ抽出物はハマナツメ植物全体、根、茎、葉、花、果実の一部或いはそれらの混合物を薬剤の原材料として、有機溶媒で抽出されることを特徴とする請求項19〜22のいずれか一項に記載の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬分野に属し、具体的にハマナツメ抽出物及びその精製方法と用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハマナツメ(Paliurusramosissimus (Lour.)Poir)は落葉潅木で、一般的な薬用植物である。研究によれば、枝、葉、花、果実すべてが薬用であることが報告されている。性質と味は苦く、平坦で、無毒である。除寒活血、解熱、腫れを抑え、打撲傷を治し、心腹の痛みを抑えるという。中薬大辞典及び地方薬物誌に収められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の発明者は研究過程において、ハマナツメとその抽出物には抗繊維化、抗真菌活性、抗腫瘍活性があり、口腔及び消化器炎症及び、潰瘍関連疾患を治療し、免疫機能の双方向調整作用があることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が第一に解決した技術的問題は、ハマナツメの新しい用途に関するものである。
【0005】
応用において、ハマナツメはハマナツメ全体或いはその一部を使うことである。薬用部分として根、茎、葉、花、果実のいかなる一部分或いはそれらの混合物がある。
【0006】
具体的にはハマナツメとその抽出物には抗繊維化、抗真菌活性、抗腫瘍活性があり、口腔及び消化器炎症及び、潰瘍関連疾患を治療し、免疫機能の双方向調整作用がある。
【0007】
本発明が第二に解決した技術的問題は、新しいハマナツメ抽出物を提供できることである。薬剤の採取期間と保存の利便性を鑑み、臨床で使用しやすい方法で、ハマナツメを抽出物として使用することである。
【0008】
具体的には、本発明におけるハマナツメ抽出物はハマナツメ全体或いはその一部を一般的な採取方法で薬剤の原料にすることができる。本発明で得られるハマナツメ抽出物の主な成分にはフラボン類、テルペノイド類、アルカロイド類、クマリン類が含まれている。さらにはフラボン、テルペノイド、アルカロイド、クマリンのグリコシド及び単体成分が含まれており、多糖類とセルロースも含まれている。
【0009】
本発明が解決する三つ目の技術的問題として、本発明のハマナツメ抽出物の精製方法は以下の通りである。
方法一:
A.ハマナツメ植物全体或いはその一部を薬剤の原料とする。
B.溶剤で抽出し、乾燥させることで得られる。
【0010】
上記技術プロトコルにおいて、ステップAで述べているハマナツメは新鮮なもの、冷凍乾燥品、有機溶媒処理済み品を薬剤の原料として用いている。
【0011】
上記技術プロトコルにおいて、メタノール、エタノール、イソアルコール、酢酸エチル或いはベンジンを溶剤として使用しているが、メタノールとエタノールを優先的に使用する。
【0012】
上記技術プロトコルのステップBで述べた抽出方法は浸漬、回流或いは濾過抽出である。
【0013】
上記技術プロトコルのステップBで述べた乾燥とは減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥を指す。
【0014】
方法二:
A.ハマナツメ植物全体或いはその一部を薬剤の原料とする。
B.溶剤aで抽出し、濾液を濃縮し、濃縮液を得る。
C.溶剤bを使用してステップBで得た濃縮液をさらに抽出し、液体を得て、乾燥させる。或いはステップBで得た濾液を濃集或いは乾燥させた抽出物1を溶剤bで抽出し、抽出液を乾燥させる。
【0015】
上記技術プロトコル内のステップAで述べたハマナツメは新鮮なもの、冷凍乾燥品、有機溶媒処理済み品を薬剤の原料として用いている。
【0016】
上記技術プロトコルのステップBで述べた溶剤aは、メタノール、エタノール、イソアルコールだが、メタノールとエタノールを優先的に使用する。
【0017】
上記技術プロトコルのステップCで述べた溶剤bは酢酸エチル或いはベンジンである。
【0018】
上記技術プロトコルのステップB及びステップCで述べた抽出法は浸漬法、回流法、濾過法或いは精製法を指す。
【0019】
上記技術プロトコルのステップB及びステップCで述べた乾燥方法とは減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥を指す。
【0020】
上記方法を採用して製造した抽出物は、例えば方法一で製造して取得した場合、ステップBで使用した溶剤に応じて抽出物を命名する。例えばハマナツメエタノール抽出物、ハマナツメメタノール抽出物、ハマナツメイソアルコール抽出物、ハマナツメ酢酸エチル抽出物、ハマナツメベンジン抽出物である。もし方法二に基づいて得られた場合、ステップCで使用された溶剤bに基づいて抽出物を命名する。例えばハマナツメベンジン抽出物、ハマナツメ酢酸エチル抽出物である。もし方法二のステップCに基づいて得られた場合、抽出物1は方法二のステップBで使用した溶剤aに基づいて命名する。例えばハマナツメエタノール抽出物、ハマナツメメタノール抽出物、ハマナツメイソアルコール抽出物である。
【0021】
上記技術プロトコル内において、方法一のステップBで使用する溶剤とハマナツメの使用量の関係は、溶剤添加量はハマナツメの質量の1−20倍である。優先的な溶剤添加量はハマナツメの質量の5−15倍である。さらに好ましくは、溶剤添加量の8−10倍である。
【0022】
上記技術プロトコル内において、方法二のステップBで使用する溶剤aとハマナツメの使用量の関係は、溶剤a添加量はハマナツメの質量の1−20倍である。優先的な溶剤a添加量はハマナツメの質量の5−15倍である。さらに好ましくは、溶剤a添加量の8−10倍である。
【0023】
優先的に溶剤或いは溶剤aでメタノール或いはエタノールを使用する場合、メタノール或いはエタノール添加量はハマナツメの質量の1−20倍である。優先的にメタノール或いはエタノールの添加量はハマナツメの質量の5−15倍である。さらに好ましくは、優先的にメタノール或いはエタノールの添加量はハマナツメ質量の8−10倍である。
【0024】
このうち、上記のエタノールの濃度は10−95%であり、優先的に50−95%のエタノールを使用する。最優先なのは95%のエタノールである。
【0025】
上記技術プロトコルにおいて、有機溶媒処理を行う原料のハマナツメは新鮮品或いは冷凍乾燥品である必要がある。この理由として、発明者は研究過程において、ハマナツメの干したもの、加熱乾燥品などの乾燥品には相応の活性がないことを発見したため、ハマナツメの新鮮品を原料とした。しかし新鮮品は保存、運送に適さないことから、発明者は研究の過程で冷凍乾燥品と有機溶媒処理したハマナツメの新鮮品とを採用することで、薬物活性成分を保存することができ、効果が新鮮品と同等であることを発見し、本発明のハマナツメ抽出物の新用途を満たすことができる上に、保存と運送に適していることを結論づけた。
【0026】
具体的な有機溶媒処理の方法は、ハマナツメを有機溶剤に浸漬し、乾燥させることである。
【0027】
有機溶媒にはエタノール、メタノール、酢酸エチル、ベンジン、イソアルコール等が使用されるが、優先的にメタノール或いはエタノールを使用する。
【0028】
本発明の抽出物は内服(口内、舌下を含む)、経鼻、局部(頬内、舌下、経皮を含む)、消化器外(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、鞘内、病巣内、静脈内或いは皮下注射や輸液を含む)ルートの投薬が可能である。これらの製剤は薬剤学技術の既知のいかなる方法を通して、例えば活性成分と媒体或いは賦形剤と合わせて製造することができる。
【0029】
本発明が解決する第四の技術的問題は、本発明のハマナツメ抽出物の薬物製剤の製造を提供することである。本発明のハマナツメ抽出物は、薬物学上使用可能な補材を利用して、多ルート投薬ができる薬物製剤を製造することができる。より利便性を高めるため、本発明の抽出物は一般的な内服製剤、注射製剤或いは外用製剤に製造することができる。例えば内服(頬内或いは舌下を含む)、経鼻、局部(頬内、舌下、経皮を含む)、消化器外(皮下、皮内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、鞘内、病巣内、静脈内或いは皮下注射や輸液を含む)ルートから投薬することができる。この製剤は薬剤学の既知のいかなる方法を通して、例えば活性成分と媒体或いは賦形剤と合わせて製造することができる。例えば、タブレット、カプセル剤、顆粒剤、微丸剤、微球剤、滴丸、経時希釈剤、希釈製剤或いは注射剤などである。
【0030】
この製剤は、内服に適した投薬薬物製剤として独立したユニットと成り得る。例えば、カプセル、片剤、粉末或いは顆粒など、或いは水性或いは非水溶性液体の溶剤、ソリキッド、水包油型液体乳液或いは油包水型乳液などである。ユニット剤量形式で内服液、例えば溶液、シロップやそのエレキレル剤にすることが可能である。シロップは化合物を適切に調味した水溶液に溶解させることで製造できる。エレキレル剤は無毒ビークルを使用して製造することができる。溶剤や乳化剤(例えばEthyl ISO eighteen alcoholやPolyoxyethylene sorbitol ether)、防腐剤、調味添加剤(例えば薄荷油或いは天然甘味剤、或いはサッカリン或いはその他人工甘味剤)及び類似品を添加することができる。適切であれば、内服薬の剤量単位製剤を微カプセル化或いは湿布或いは顆粒を内含した集合物、蝋或いは類似物で製造し、希釈時間を延長、持続させることもできる。また、脂質体の投薬システム(SUV、LUV或いはMLV)の形式で投薬しても良い。脂質体は様々なリン脂質、例えばコロステロール、ステアリンラミネ或いはホスファチジルコリンで形成される。
【0031】
経皮投薬に適した薬物製剤は、投薬対象の表皮と緊密に長時間接触する独立貼片形剤として製造できる。局部投薬に適した薬物製剤として、軟膏剤、乳剤、ソリキッド、洗剤、粉末、溶剤、のり剤、半固形剤、噴霧剤、気化剤、湿布薬或いは油剤として製造できる。
【0032】
本発明が解決する第五の技術的問題は、本発明のハマナツメ抽出物の薬用新用途である。
【0033】
ハマナツメメタノール抽出物、ハマナツメエタノール抽出物、ハマナツメ酢酸エチル抽出物、ハマナツメベンジン抽出物を含む本発明のハマナツメ抽出物は抗繊維化、抗真菌活性、抗腫瘍活性を持っており、口腔及び消化器炎症及び/或いは潰瘍関連疾患の治療、及び双方向免疫調整作用を持っている。ハマナツメ抽出物は単独で或いはハマナツメ抽出物を主な活性成分とした薬物化合物で上記製薬の新しい用途として使える。
【0034】
そのうち:
本発明のハマナツメ抽出物を抗腫瘍活性の薬物に応用する場合、その他の腫瘍治療性中医薬、西洋医療薬を混合使用することができる。例えば放射線治療、免疫療法、DNA化学治療剤、細胞複製阻害の化学治療剤及び免疫調整薬物が含まれる。具体的にはTopoI抑制剤、TopoII抑制剤、DNAキメラ薬とフリーラジカル発生剤、干渉細胞複製の化学治療剤、TK抑制剤、プロテアーゼ抑制剤と癌の表現タンパクと結合し細胞複製を減少させる抗体、タンパク或いは酵素抑制剤が含まれる。その他腫瘍を治療する中医薬、西洋医薬からイリノテカン、トポテカン、カンプトテシン及び類似物或いは代謝物、ドキソルビシン、エトポサイドグリコシド、テニポサイドグリコシド、ダウノルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、メトトレキサート、ミトマイシンC、シクロホスファミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ベロマイシン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シトシンアラビノシドグリコシド、メルカプトプリン、チオグアニンヌクレオチド、ペントスタチン、ヒドロキシカルバミド、パクリタキセル、パクリタテルペノイド及び関連類似物、イマニチブミスレイト、ビンクリスチン、ビンかアルカロイド及び関連類似物、サリドマイド及び関連類似物、メシル酸イマチニブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、シノブホタリン、姫松茸、珍珠梅酢酸エチル抽出物、ライチ核水抽出物、当雷公藤紅素、PolyporususBellatus、carboxymethylpachyman、Alisol抽出濃縮液、甘草ペプチド、当帰総多糖、ソラレン、五味子多糖が含まれる。
【0035】
本発明のハマナツメ抽出物を抗線維化薬物製造に応用する場合、その他線維化治療の中医薬、西洋医薬を同時に使用することができる。これらの抗線維化中医薬、西洋医薬には三七人参サポニン、リグストラジン、丹参、刺五加注射液、リグストラジン注射液、紅花注射液、銀杏フラボングリコシド、生脈、丹参注射液、双黄連、香丹注射液、益気活血顆粒、抗繊顆粒、肺康顆粒、百合固金丸、powder cordyceps gecko ginseng pills、ゲンゲ、西紅花、生地黄、三七、アマチャヅル、姜黄、黄葵、アミグダリン、テトランドリン、大黄素、エンテカビル、ラミブジン、β-カロテン、ビタミンE、ホスファチジルコリン、S-腺グリコシドメチオニン、プロスタグランジン、プロスタグランジンE2、コルヒチン、エストロゲン、アンギオテンシンIIレセプター阻害剤、交感神経抑制剤、インターフェロン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼ抑制剤、ヘパリン、シルビニン、ウルソデオキシコール酸が含まれる。上記の線維化には肺線維化、腎線維化、肝線維化、心線維化が含まれる。
【0036】
本発明のハマナツメ抽出物が双方向免疫調節作用を持つ薬物に応用される場合、具体的に免疫機能低下及び/或いは自己免疫性疾患薬物への応用時、特に免疫機能異常による免疫機能低下及び/或いは自己免疫疾患の薬物の製造に応用される。上記の免疫機能異常による免疫機能低下には感冒、体のだるさ、腫瘍、エイズ等が含まれる。上記の免疫機能以外の自己免疫疾患にはリウマチ性関節炎、エリテマトーデス、硬皮症、甲状腺機能亢進、青少年糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、潰瘍性結腸炎、慢性肝疾患等が含まれる。
【0037】
上記の技術プロトコルのうち、ハマナツメ抽出物が抗腫瘍活性物として製薬される場合、ハマナツメ全体或いはそのうちの一部を薬剤の原料として使用でき、優先的に葉を原材料として使用する。
【0038】
根、茎、葉全部或いはいかなる部分を含むハマナツメ全体を原料とする場合、ハマナツメ抽出物は以下の方法で得ることができる。新鮮品、或いは冷凍乾燥品のハマナツメの根、茎、葉全部或いはハマナツメ全体のいかなる部分を採取し、使用に備える。製造時に前記の処理済みハマナツメ新鮮品或いは冷凍乾燥品を有機溶媒で抽出する。或いはハマナツメ新鮮品或いは冷凍乾燥品を直接有機溶媒で抽出し、ハマナツメ抽出物を得る。有機溶媒を用いて抽出する方法は浸漬法、回流法、濾過法等の本分野で一般的な抽出方法を使用する。
【0039】
上記のハマナツメは有機溶剤で処理する前に優先的に新鮮品或いは冷凍乾燥品を選択する。
【0040】
上記の有機溶剤はメタノール、エタノール、イソアルコール、酢酸エチル、ベンジン等で、優先的に50−95%のエタノールを選択し、最優先に95%のエタノールを使用する。
【0041】
ハマナツメ抽出物は優先的に以下の方法で製造する:
新鮮なハマナツメ全体を採取し、8−10倍量の95%エタノールに1日浸漬し、その後ハマナツメを粉砕し、さらに6−10倍量の95%エタノールに2−3日浸漬する。抽出液を収集し、減圧して溶液を回収する。得られた抽出物濃縮液を乾燥させることでハマナツメエタノール抽出物を得る。そのうち、乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥、マイクロウェイブ乾燥に限定されない。
【0042】
更に優先的には新鮮なハマナツメ茎葉を選択し、8倍量の95%エタノールに1日浸漬させ、ハマナツメを粉砕する。さらに10倍量の95%エタノールで抽出し、回流抽出し、抽出液を回収する。60℃下で減圧し、エタノールを回収し、抽出物の濃縮液を得る。乾燥後、ハマナツメメタノール抽出物を得ることができる。
【0043】
さらに、ハマナツメエタノール抽出物を水に分散させた後、ベンジン、酢酸エチルを順に使って抽出し、濃縮後に乾燥させることでベンジン抽出物或いは酢酸エチル抽出物を得ることができる。
【0044】
詳細なエタノール抽出物のステップとして、
(1)ハマナツメ葉片を採取し、5−15倍量の50%−95%エタノールに浸漬する。
(2)葉片を粉砕し、5−15倍量の50%−95%のエタノールに浸漬し、エタノール溶性成分を抽出する。
(3)抽出液を収集し、30−70℃下で減圧し、エタノール臭がしなくなるまでエタノールを回収し、抽出物を得る。
(4)抽出物濃縮液を更に冷凍乾燥させ、ハマナツメ葉片アルコール抽出物を得る。
【0045】
さらに、上記の中医薬抽出物はベンジン或いは酢酸エチルを使って抽出処理を行う。中医薬抽出物はベンジン、酢酸エチル、ブタノールによって抽出し、回収した溶剤を冷凍乾燥し、3つの極性部位の抽出物を得る。いずれもイソアルコールで溶解し、それぞれの腫瘍細胞に対する抑制効果を測定したところ、該中医薬抽出物のベンジン部分と酢酸エチル部分とに良好な抗腫瘍活性が認められ、ブタノール抽出部位には抗腫瘍活性が認められなかった。酢酸エチル部位の抗腫瘍活性が最も良かった。
【0046】
さらに、上記ハマナツメ抽出物の主な成分には三テルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類及びクマリン類が含まれる。
【0047】
上記の技術プロトコルにおいて、該ハマナツメ抽出物を抗線維化薬物に応用した場合、ハマナツメ植物全体或いは任意の一部を原材料にする場合、優先的に葉を原材料とする。
【0048】
根、茎、葉全部或いはハマナツメ全体の任意の一部を原材料にする場合、ハマナツメ抽出物は以下の方法で得られる。新鮮品或いは冷凍乾燥した根、茎、葉全部或いはハマナツメ全体の任意の一部を準備し、使用時に上記の予備処理したハマナツメ新鮮品或いは冷凍乾燥品を有機溶媒に浸漬して抽出する。或いはハマナツメ新鮮品又は冷凍乾燥品を直接有機溶媒に浸漬し、ハマナツメ抽出物を得る。有機溶媒抽出の方法は浸漬法、回流法、濾過法等に限らず、本分野の一般的な抽出方法を使用してもよい。
【0049】
上記のハマナツメに有機溶媒処理を行う場合、優先的に新鮮品或いは冷凍乾燥品を使用する。
【0050】
上記の有機溶剤はメタノール、10−100%エタノールから優先的に選び、優先的に95%のエタノールを選択する。
【0051】
ハマナツメ抽出物は以下の方法で優先的に製造する。新鮮なハマナツメ全体を採取し、8−10倍量の95%エタノールで1日浸漬し、ハマナツメを粉砕し、さらに6−10倍量の95%エタノールに2−3日浸漬し、抽出液を採取し、減圧して溶剤を回収することで、抽出物の濃縮液を得る。これを乾燥させることでハマナツメエタノール抽出物を得る。このときの乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥、マイクロウェイブ乾燥に限らない。
【0052】
優先的に新鮮なハマナツメ茎葉を選択し、8倍量の95%エタノールに1日浸漬し、ハマナツメを粉砕し、10倍量の95%エタノールで抽出し、回流抽出する。抽出液を収集し、60℃下で減圧し、アルコール臭がしなくなるまでエタノールを回収する。得られた抽出濃縮液を乾燥させた後ハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0053】
優先的に新鮮なハマナツメ茎葉を選択し、8倍量のメタノールに1日浸漬し、ハマナツメを粉砕、10倍量のメタノールで抽出し、回流抽出する。抽出液を収集し、60℃下で減圧し、アルコール臭がしなくなるまでメタノールを回収する。得られた抽出濃縮液を乾燥させた後ハマナツメメタノール抽出物を得る。
【0054】
更に説明すると、ハマナツメエタノール抽出物を水分散させた後、ベンジン、酢酸エチルで抽出し、濃縮後乾燥させることでベンジン抽出物或いは酢酸エチル抽出物を得ることができる。
【0055】
上記技術プロトコルにおいて、該ハマナツメ抽出物で抗真菌薬物を製造する場合、ハマナツメ全体或いはその一部を原材料とし、優先的に葉を原材料とする。
【0056】
ハマナツメ抽出物の製造方法:
ハマナツメ全体或いはその任意の一部を採取し、ハマナツメの体積の1−20倍量のメタノール或いはエタノールし、或いはメタノール或いはエタノール抽出物に対して酢酸エチル或いはベンジンで抽出する。抽出液を濃縮後乾燥させることで、ハマナツメ抽出物を製造できる。
【0057】
前述したハマナツメは優先的に新鮮品、冷凍乾燥品或いはメタノール或いはエタノール処理をしたサンプルを使用する。前述した抽出方法は浸漬、回流、濾過である。前述した乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥である。
【0058】
前記で製造したハマナツメ抽出物にはテルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類及びテルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類のグリコシド類と単体とが含まれる。
【0059】
前述のハマナツメ抽出物の各種製剤にはハマナツメ抽出物タブレット、顆粒剤、軟膏剤、凝固剤、塗膜剤、湿布剤、洗剤と噴霧剤が含まれる。
【0060】
本発明において、ハマナツメ抽出物の抗真菌活性と各種製剤への抗真菌活性の応用とを提供する。前述したハマナツメ抽出物はハマナツメメタノール、エタノール、酢酸エチル、ベンジン或いは類似溶媒抽出物である。ハマナツメ新鮮品、冷凍乾燥品、メタノール(エタノール)或いはその他の有機溶媒予備処理したサンプルを原料とし、有効成分の安定性を確保する。
【0061】
上記技術プロトコルにおいて、該ハマナツメ抽出物を免疫機能低下或いは/及び自己免疫性疾患の薬物に応用する場合、ハマナツメ全体或いはその一部を薬剤の原料として使用し、優先的に葉を薬剤の原料とする。
【0062】
ハマナツメ抽出物の製造方法は以下の通り。ハマナツメ全体或いは一部を採取し、ハマナツメの体積の1−20倍量のメタノール或いはエタノールで採取し、或いはメタノール或いはエタノール抽出物に対して酢酸エチル或いはベンジンで抽出する。抽出液を濃縮後乾燥させ、ハマナツメ抽出物を製造できる。
【0063】
前述したハマナツメは優先的に新鮮品、冷凍乾燥品或いはメタノール或いはエタノール処理をしたサンプルを使用する。前述した抽出方法は浸漬、回流、濾過である。前述した乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥である。
【0064】
前記で製造したハマナツメ抽出物にはテルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類及テルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類のグリコシド類と単体とが含まれる。
【0065】
前述のハマナツメ抽出物の各種製剤にはハマナツメ抽出物タブレット、顆粒剤、軟膏剤、凝固剤、塗膜剤、湿布剤、洗剤及び噴霧剤が含まれる。
【0066】
前述したハマナツメ抽出物の応用において、免疫機能低下関連疾患或いは/及び自己免疫性疾患の薬物の製造に、ハマナツメ抽出物は単独で或いはハマナツメ抽出物を主な活性成分として薬物構成や治療免疫機能低下関連疾患或いは/及び自己免疫性疾患の薬物に組み合わせて、応用できる。
【0067】
上記技術プロトコルにおいて、該ハマナツメ抽出物を口腔及び消化器炎症或いは対潰瘍の薬物に応用する場合、ハマナツメ全体或いはその一部を薬剤の原料とし、優先的に葉を薬剤の原料とする。
【0068】
ハマナツメ抽出物の製造方法は以下の通り:
ハマナツメ全体或いは一部を採取し、ハマナツメの体積の1−20倍量のメタノール或いはエタノールで抽出し、或いはメタノール或いはエタノール抽出物に対して酢酸エチル或いはベンジンで抽出する。抽出液を濃縮後乾燥させることで、ハマナツメ抽出物を製造できる。製造したハマナツメ抽出物にはテルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類及テルペノイド類、フラボン類、アルカロイド類、クマリン類のグリコシド類と単体とが含まれる。
【0069】
前述したハマナツメは優先的に新鮮品、冷凍乾燥品或いはメタノール或いはエタノール処理をしたサンプルを使用する。前述した抽出方法は浸漬、回流、濾過である。前述した乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥である。
【0070】
前述のハマナツメ抽出物の各種製剤にはハマナツメ抽出物タブレット、顆粒剤、軟膏剤、凝固剤、塗膜剤、湿布剤、洗剤及び噴霧剤が含まれる。
【0071】
ハマナツメ抽出物は単独で或いはハマナツメ抽出物を主な活性成分として薬物と組み合わせて、口腔消化器或いは/及び潰瘍薬物に応用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0072】
以下に実例を通した具体的な実施方法を紹介する。本発明の上記内容に対してさらに詳細な説明を行う。説明は本発明を制限しない。
【0073】
以下は本発明のハマナツメ抽出物の成分研究である。
提供したサンプル試液の配合:
抽出物のサンプル1gを採取し、25mlの無水エタノールに溶かし、遠心分離する。上澄み液2mlを採取し、無水エタノールで5倍に希釈する。最終濃度は0.008g/mlである。
【0074】
(1)三テルペノイド類成分の検査
A.L−B反応
サンプルを無水酢酸中に溶かし、濃硫酸-無水酢酸(1:20)を数滴加え、黄色>赤>紫>青等の変化を確認し、最後色あせることを確認する。これは三テルペノイド類化合物が含まれていることを表している。
B.Kahlenberg反応
サンプルのクロロホルム或いはアルコール溶液を濾紙の上にたらし、20%の五塩化アンチモンのクロロホルム溶液(或いは五塩化アンチモンが飽和したクロロホルム溶液)を吹きかけ、乾燥させた後60−70℃に加熱し、青くなった場合、三テルペノイド類化合物が含まれていることを示す。
C.R−H反応
サンプル溶液を濾紙の上にたらし、25%トリクロロ酢酸エタノール溶液を吹きかけ、100℃まで加熱して、赤色を呈し、少しずつ紫色に変化すれば、三テルペノイド類化合物が含まれていることを示す。
D.Salkowki反応
サンプルをクロロホルムに溶かし、濃硫酸を加えたあと、硫酸層で赤色或いは青色を示し、クロロホルム層に蛍光色が出現すれば、三テルペノイド類化合物が含まれていることを示す。
E.Tshμgaeff反応
サンプル溶液を無水酢酸に溶かし、塩化アセチル数滴及び塩化亜鉛結晶を数個加え、微加熱して淡い赤色或いは紫色を呈すれば、三テルペノイド類化合物が含まれていることを示す。
【0075】
(2)フラボン類成分の検査
A.塩酸-マグネシウム粉末還元反応(還元反応)
少量のサンプルを1mlエタノール中にとかし、少量のマグネシウム粉末と濃塩酸を加え、容器を振って液体の色を観察する。赤紫色になった場合、フラボン類化合物が含まれていることを示す。
B.三塩化アルミニウム反応(金属イオンの絡合反応)
ガラス棒でサンプル溶液をすくい、濾紙に塗る。風乾させ、1%の三塩化アルミニウムエタノール溶液を吹きかけ、乾燥させ、観察する。紫外線ライト下で鮮明な黄色になった場合、フラボン類化合物が含まれていることを示す。
C.三塩化鉄反応(金属イオンの絡合反応)
ガラス棒でサンプル溶液をすくい、濾紙に塗る。風乾させ、3%の三塩化鉄エタノール溶液を吹きかけ、乾燥させると、暗い青色の蛍光斑点が現れ、これにアンモニアを吹きかけると茶色の蛍光斑点になった場合、フラボン類化合物が含まれていることを示す。
D.アルカリ性試験剤
ガラス棒でサンプル溶液をすくい、濾紙にぬる。乾燥させた後、水酸化ナトリウム水溶液を吹きかけるか、アンモニア蒸気中に曝露し、蛍光灯下で観察すると、アンモニア蒸気がサンプルの色を黄色に変色させるならば、フラボン類化合物が含まれていることを示す。
【0076】
(3)アルカロイド類成分の検査
A.ドラーゲンドルフ法
1.次硝酸ビスマス0.85gを無水酢酸10mlと40mlの水に溶かす。2.ヨウ化カリウム8gを20mlの水に溶かす。溶液1と溶液2を等量混合し、遮光瓶に移し貯蔵液とする。使用前に1mlの貯蔵液、4mlの無水酢酸と12mlの水と混合する。サンプル溶液を前述の試験溶剤に加えると、赤茶色になり、蒸留水を加え振ると沈殿が見られるならば、アルカロイド類化合物が含まれていることを示す。
B.ヨード-ヨウ化カリウム(Wagner)法
ヨード1gとヨウ化カリウム10gを50mlの水に溶かし、2mlの酢酸を加え、水を100mlまで加える。上記試験剤を適量採取し、1mlのサンプル溶液を加えて茶色になった場合、アルカロイド類化合物があることを示す。
C.タングストケイ酸(Bertrand)法
5gのタングストケイ酸を100mlの水に溶かし、濃塩酸少量を加えpH=2前後に調整する。上記試験剤を適量採取し、1mlのサンプル液を加え褐色になった場合、アルカロイド類化合物が含まれていることを示す。
【0077】
(4)クマリン類成分の検査
A.ヒドロキサム酸鉄反応
1a.塩酸ヒドロキシルアミン20gを50mlの水に溶かし、エタノールを用いて200mlに希釈し、冷蔵する。1b.水酸化カリウム50gを少量の水に溶かし500mlのエタノールを加える。2.塩化鉄(FeCl・6HO)10gを20mlの36%の塩酸溶液中に溶かし、ジエチルエーテル200mlを加え、混合し、密封容器に保存する。使用時に試液1aと1bを1:2の割合で混合し、沈殿物を濾過し、濾液を冷蔵庫に保管する。ガラス棒でサンプルをすくい取り濾紙に塗り、ab混合液を噴霧し、乾かし、再度試液2を噴霧した時、赤色を呈すれば、クマリン類化合物を含まれていることを示す。
B.ジアゾ化反応
1.2-ニトロアニリン0.35gを濃塩酸5mlに加え、水を50mlまで加える。
2.亜硝酸ナトリウム5gに水50mlを加え、1、2液を等量採取し、コールドウォーターバス内で混合する。少量のサンプル液を採取し、ジアゾ化試験剤を加え、赤オレンジ色を呈した場合、クマリン類化合物が含まれていることを示す。
上記の研究により、本発明ハマナツメ抽出物の主な成分にはフラボン類、テルペノイド類、アルカロイド類、クマリン類、また、上記のフラボン、テルペノイド、アルカロイド、クマリンのグリコシド体及び単体成分の他に多糖類和セルロースが含まれていることが分かった。
【0078】
I.ハマナツメ葉抽出物の抗腫瘍活性
1.ハマナツメ葉片抽出
(1)ハマナツメ新鮮葉1kgを採取し、8−10倍量の95%エタノールに1−2日浸漬(作用:1.新鮮な葉の活性酵素を無効化し、有効成分の破壊を防ぐ、2.新鮮葉の硬度を高め、粉砕に有利にする)し、新鮮葉を粉砕する。再度10倍量の95%エタノール(60−100%のエタノール抽出)で3日間浸漬し、エタノール溶性成分を抽出する。抽出物を収集し、30−40℃にてエタノールをアルコール臭がない状態まで回収し、得た抽出物濃縮液をさらに冷凍乾燥させることで、ハマナツメの新鮮葉エタノール抽出物を得る。
(2)残滓を陰干しし、8−10倍の水で3日間浸漬し水溶性成分を採取する。採取液を収集し、冷凍乾燥させることでハマナツメ新鮮葉水抽出物を得る。
(3)ハマナツメ葉乾燥品(室温自然乾燥)を上記の方法で抽出し、ハマナツメ葉乾燥エタノール抽出物と水抽出物を得る。
(4)ハマナツメ新鮮葉をエタノール浸漬し、陰干しすることで、干し葉片を得る。得られたハマナツメをエタノール浸漬させ、陰干したものを上記の方法で抽出し、エタノール及び水抽出物を得る。
【0079】
2.抗腫瘍活性
ハマナツメ葉片抽出物の抗腫瘍活性研究を比較した。成長期の多種腫瘍細胞を採取(子宮頸癌株Hela、ヒト肝癌細胞株SMMC−7721、ヒト肺癌細胞株A549、ヒト結腸癌細胞株Caco−2、白血病細胞株KS562、胃癌細胞株MGC−803を使用)し、2000rpmで5分間遠心分離し、10%の胎牛血清を含む相応の培養液で沈殿細胞の濃度を1×10個/mlの細胞懸濁液に調整した後、細胞を96ウェルの培養プレートに接種する。各ウェルに細胞懸濁液200μl注入し、その後一定濃度の無菌抽出物溶液を加える。各ウィルの抽出物最終濃度を0.02、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、1.0、2.0mg/mlにし、混合後37℃、5%COの培養器の中で24時間培養したあと、培養液を吸い出しPBSで二度洗浄する。再度各ウィルに5mg/mlのMTTリン酸緩衝液29μlと150μlの培養液を加え、同様の条件下で4時間培養し、培養を終了する。2000rpmで5分間遠心分離し、培養プレートのウィル内の培養液を捨て、各ウィルに150μlのDMSOを加え、10分間振動させ、形成されたホルマザン顆粒を十分に溶解させた後、酵素計測器で吸光度を計測する。選択する波長は570nmである。抽出物の腫瘍細胞に対するIC50を計算した。結果は表1を参照する。
【0080】
【表1】
【0081】
結果からわかるように、ハマナツメ新鮮葉エタノール抽出物及びハマナツメ葉片のエタノール浸漬及び陰干しエタノール抽出物は良好な腫瘍抑制作用を持つが、その他の抽出物は抗腫瘍活性を持たなかった。分析の結果、活性抽出物の溶解性と安定性に原因があると思われる。
【0082】
3.ハマナツメ葉片エタノール抽出物の成分含有量測定
(1)三テルペノイド類成分含有量の測定
本サンプル粉末を0.1gずつ、3サンプル採取し、10ml容器内に移す。酢酸エチルを一定値まで加え、精密に4mlの溶液を採取し、10mlの容器に移す。溶剤を揮発させた後、5%バニリン-無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え混ぜ合わせる。酢酸エチルで一定値まで希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、冷却して室温に戻す。10mlの容器に移し、酢酸エチルを一定値まで加えて希釈し、混ぜ合わせる。540nmの波長で吸光度を計測し、サンプル溶液中の総三テルペノイド含有量(三テルペノイドはceanothic acidとして計算する)を試算する。結果、1gのエタノール抽出物には三テルペノイド類は0.052±0.010g含まれていた。
(2)フラボン類成分含量測定
本サンプル粉末を0.1gずつ、3サンプル(2gの生薬に相当)精密に採取し、50ml容器内に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷したエタノールを一定値まで加え、混ぜ合わせる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移し、水を一定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、吸光度を測定し、サンプル溶液中の総フラボン含有量(フラボンの量はルチンで計算する)を算出する。結果、1gのエタノール抽出物にはフラボンが0.325±0.043g含まれていた。
(3)アルカロイド類成分含有量測定
サンプル粉末を1gずつ、3サンプル精密に採取し、密封できるフラスコに移す。18%のアンモニア水2mlで1時間湿潤させ、ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(24:8:2.5)の混合溶液30mlを加える。超音波で20分抽出し、傾けて上澄み液をフラスコから出し、再度上記混合溶剤30mlを加え、30分冷蔵する。再度超音波振動で20分抽出し、濾過し、同じ溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄する。濾液と併せてフラスコ内に移す。60℃のウォーターバスで乾燥させ、正確に10ml採取したクロロホルムで完全に溶かし、再度正確に5mlを採取し、漏斗に移す。6mlのクロロホルムを加え、2mlの緩衝液(pH=5.0、0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTB溶液で滴定しながら混ぜ合わせ、終点に近付いたらクロロホルム層を分離させ、再度新たにクロロホルム5mlを加え、再度滴定しながら混ぜ合わせる。静止させ分離させ、水の層が黄色くなり始めたら終点である。アルカロイド総数(アルカロイドはハマナツメアルカリBで計算する)を計算した。結果、1gのエタノール抽出物のアルカロイド類含有量は0.028±0.007gであった。
(4)クマリン類成分含有量測定
測定後のクマリン類成分含有量:1%−10%。
【0083】
4.ハマナツメ葉片エタノール抽出物の3つの極性部位の抗癌活性研究
ハマナツメ葉片エタノール抽出物をベンジン、酢酸エチル、n−ブチルアルコールの順で抽出し、溶剤を回収した後冷凍する。3つの極性部位の抽出物はイソアルコールで溶解させる。成長期の各種癌細胞を採取(子宮頸癌株Hela、ヒト肝癌細胞株SMMC−7721、ヒト肺癌細胞株A549、ヒト結腸癌細胞株Caco−2、白血病細胞株K562、胃癌細胞株MGC−803を使用)し、2000rpmで5分間遠心分離し、10%の胎牛血清を含む相応の培養液で沈殿細胞の濃度を1×10個/mlの細胞懸濁液に調整した後、細胞を96ウェルの培養プレートに接種する。各ウェルに細胞懸濁液200μl注入し、その後一定濃度の無菌抽出物溶液を加える。各ウィルの抽出物最終濃度を0.02、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、1.0、2.0mlにし、混合後37℃、5%COの培養器の中で24時間培養したあと、培養液を吸い出しPBSで二度洗浄する。再度各ウィルに5mg/mlのMTTリン酸緩衝液20μlと150μlの培養液を加え、同様の条件下で4時間培養し、培養を終了する。2000rpmで5分間遠心分離し、培養プレートのウィル内の培養液を捨て、各ウィルに150μlのDMSOを加え、10分間振動させ、形成されたホルマザン顆粒を十分に溶解させた後、酵素計測器で吸光度を計測する。選択する波長は570nmである。抽出物の腫瘍細胞に対するIC50を計算した。結果は表2を参照する。結果からハマナツメ葉片抽出物のベンジン部分と酢酸エチル部位の活性が良く、特に酢酸エチル部位の活性が良かった。n−ブチルアルコールの採取部位は実験濃度範囲内においてIC50を計測できなかった。我々はさらに酢酸エチルの部分について研究を進める予定である。
【0084】
【表2】
【0085】
5.酢酸エチル極性部位の対EACマウスの作用効果研究
腫瘍S180を移植したマウスに対する抑制作用:
昆明種マウスの右腋皮下にS180懸濁液0.2ml(約1×10の腫瘍細胞)を上記接種し、接種24時間後、マウスを分類、ナンバリングし、対照グループとして10匹、及び実験グループを計3グループに分け、それぞれ大量グループ、中量グループ、低量グループとして各10匹を振り分け、それぞれのグループに対して胃へのカテーテル投薬を1日1回、計14回行った。陽性対照グループにはシクロホスファミド(85mg/kg)を毎日胃へのカテーテル投薬を行った。投薬量、回数、時間は実験グループと同じ条件で行った。最終投薬後24時間後に実験動物を殺処分し、体重計量後、完全に腫瘍を剥離し計量して腫瘍率を調べた。結果は表3を参照する。
【0086】
【表3】
【0087】
II.ハマナツメ全体抽出物の抗腫瘍活性
(実施例1)
ハマナツメ全体1kgを採取し、8倍量の95%エタノールに1日浸漬し、粉砕する。再度10倍量の95%エタノールに2日間浸漬し、抽出液を採取する。50℃下で減圧し、アルコール臭がなくなるまでエタノールを回収し、乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0088】
(実施例2)
ハマナツメ茎葉1kgを採取し、10倍量の95%エタノールに1日浸漬し、粉砕する。再度10倍量の95%エタノールを加え回流抽出し、抽出液を得る。60℃下で減圧し、アルコール臭がなくなるまでエタノールを回収し、乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。ハマナツメエタノール抽出物に水を加え分散させた後、ベンジン、酢酸エチルで抽出し、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0089】
(実施例3)
ハマナツメ全体1kgを採取し、10倍量のメタノールに1日浸漬し、粉砕する。再度8倍量のメタノールで2日間浸漬し、抽出液を得る。40℃下でアルコール臭がなくなるまでメタノールを回収し、乾燥後ハマナツメメタノール抽出物を得る。ハマナツメメタノール抽出物に水を加え、ベンジン、酢酸エチルで順次抽出し、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0090】
(実施例4)
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移す。酢酸エチルを一定量加え、精密に4ml溶液を採取し、10ml容器内に移す。溶剤が揮発したあと、5%のバニリン-無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え混ぜ合わせ、酢酸エチルで一定量まで希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱したあと、室温まで冷却する。10mlの容器に移し酢酸エチルで一定量まで希釈し、混ぜ合わせ、540nmの波長で吸光度を計測する。試験液の三テルペノイド含有量(三テルペノイドはceanothic acidとして計算する)を算出する。1gのハマナツメ抽出物に含まれる三テルペノイド類成分の含有量は23mgであった。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷し、エタノールを一定量加え混ぜ合わせる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。水を一定量入れ混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移す。510nmの波長で吸光度を計測し、サンプル中のフラボン含有量(フラボン量はルチンで計算する)を計測する。結果1gのハマナツメ抽出物にはフラボンが合計103mg含まれていた。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、コルク付きのフラスコに移す。18%のアンモニア水で1時間湿潤させ、ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)の割合の混合溶剤30mlを加え、超音波抽出を20分行う。フラスコを傾け、上澄み液を破棄し、再度上記の混合剤を30ml加え、30分放置する。再度超音波振動で20分抽出し、濾過する。同じ溶剤15mlで残滓と濾紙を3回洗浄し、フラスコ内の濾液と合わせる。60℃のウォーターバスで乾燥させ、正確に採取した10mlのクロロホルムを使って全て溶かし、正確に5ml採取し、漏斗内に移す。6mlのクロロホルム、2mlの緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定し、常に揺らし混ぜながら終点に近づいたときにクロロホルム層を分離し、再度新しいクロロホルムを5ml加え、滴定を続けながら揺らし混ぜる。静止させ分離させて水が黄色くなれば終点である。アルカロイドの総含有量を調べる(アルカロイドはハマナツメアルカリBで計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物のアルカロイド含有量は21mgであった。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷し、エタノールを一定量加え混ぜる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す。70%のエタノールを一定量加え、混ぜ合わせる。3mlを精密に採取し、25mlの容器に移す。340nm波長で吸光度を測定する。溶液中のクマリン含有量を調べる(クマリン含有量はウンベリフェロンの量で計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物にはクマリンが10.2mg含まれていた。
【0091】
(実施例5)
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移し、酢酸エチルを加える。再度精密に4ml採取し10mlの容器に移す。溶剤を揮発させた後、5%のバニリン-無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加えて混ぜ合わせ、酢酸エチルを一定量入れて希釈する。70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、室温まで冷ます。10mlの容器に移し、酢酸エチルを加えて希釈し、混ぜ合わせる。540nmの波長で吸光度を計測し、サンプル中の三テルペノイド含有量を算出する(三テルペノイドはceanothic acidとして計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物には三テルペノイド類成分が108mg含まれていた。
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量いれ、混ぜ合わせる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す。水を一定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、510nmの波長で吸光度を計測する。試験サンプル溶液中のフラボン含有量を調べる(フラボン量はルチンで計算)。その結果1gのハマナツメ抽出物にはフラボンが合計で497mg含まれていた。
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルク付きのフラスコに移す。18%のアンモニア水で1時間湿潤させる。ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)の混合液30mlを加える。超音波抽出を20分行い、濾過する。同様の溶剤で15分間3回残滓と濾紙を洗浄し、フラスコ内に濾過する。60℃のウォーターバスで乾燥させ、10mlのクロロホルムで全部溶かし、再度正確に5ml採取し、漏斗に移し、6mlのクロロホルム、2ml緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定し、つねに揺らし混ぜながら終点に近づいたときにクロロホルム層を分離し、再度新たにクロロホルムを5ml加え、滴定を続けながら揺らし混ぜる。静止させ分離させて水が黄色くなれば終点である。アルカロイドの総含有量を調べる(アルカロイドはハマナツメアルカリBで計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物のアルカロイド含有量は107mgであった。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷し、エタノールを一定量加え混ぜる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す。70%のエタノールを一定量加え、混ぜ合わせる。3mlを精密に採取し、25mlの容器に移す。340nm波長で吸光度を測定する。溶液中のクマリン含有量を調べる(クマリン含有量はウンベリフェロンの量で計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物にはクマリンが186mg含まれていた。
【0092】
1.ハマナツメエタノール抽出物の体外抗腫瘍活性研究
成長期の各種癌細胞を採取(子宮頸癌株Hela、ヒト肝癌細胞株SMMC−7721、ヒト肺癌細胞株A549、ヒト結腸癌細胞株Caco−2、白血病細胞株K562、胃癌細胞株MGC−803を使用)し、2000rpmで5分間遠心分離し、10%の胎牛血清を含む相応の培養液で沈殿細胞の濃度を1×10個/mlの細胞懸濁液に調整した後、細胞を96ウェルの培養プレートに接種する。各ウェルに細胞懸濁液200μl注入し、その後一定濃度の無菌抽出物溶液を加える。各ウィルの抽出物最終濃度を0.02、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、1.0、2.0mg/mlにし、混合後37℃、5%COの培養器の中で24時間培養したあと、培養液を吸い出しPBSで二度洗浄する。再度各ウィルに5mg/mlのMTTリン酸緩衝液20μlと150μlの培養液を加え、同様の条件下で4時間培養し、培養を終了する。2000rpmで5分間遠心分離し、培養プレートのウィル内の培養液を捨て、各ウィルに150μlのDMSOを加え、10分間振動させ、形成されたホルマザン顆粒を十分に溶解させた後、酵素計測器で吸光度を計測する。選択する波長は570nmである。抽出物の腫瘍細胞に対するIC50を計算した。結果は表4を参照する。結果、ハマナツメ全体抽出物が良好な腫瘍抑制効果を示した。
【0093】
【表4】
【0094】
2.実施例2の3種類のハマナツメ抽出物の体外抗腫瘍活性研究
実施例1のハマナツメエタノール抽出物に対して、順次、ベンジン、酢酸エチル、n−ブチルアルコールを用いて抽出した。回収溶液は乾燥させ、ハマナツメベンジン、酢酸エチル、n−ブチルアルコール抽出物のそれぞれについて、いずれもイソアルコールに溶解させる。成長期の各種癌細胞を採取(子宮頸癌株Hela、ヒト肝癌細胞株SMMC−7721、ヒト肺癌細胞株A549、ヒト結腸癌細胞株Caco−2、白血病細胞株K562、胃癌細胞株MGC−803を使用)し、2000rpmで5分間遠心分離し、10%の胎牛血清を含む相応の培養液で沈殿細胞の濃度を1×10個/mlの細胞懸濁液に調整した後、細胞を96ウェルの培養プレートに接種する。各ウェルに細胞懸濁液200μl注入し、その後一定濃度の無菌抽出物溶液を加える。各ウィルの抽出物最終濃度を0.02、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、1.0、2.0mg/mlにし、混合後37℃、5%COの培養器の中で24時間培養したあと、培養液を吸い出しPBSで二度洗浄する。再度各ウィルに5mg/mlのMTTリン酸緩衝液20μlと150μlの培養液を加え、同様の条件下で4時間培養し、培養を終了する。2000rpmで5分間遠心分離し、培養プレートのウィル内の培養液を捨て、各ウィルに150μlのDMSOを加え、10分間振動させ、形成されたホルマザン顆粒を十分に溶解させた後、酵素計測器で吸光度を計測する。選択する波長は570nmである。抽出物の腫瘍細胞に対するIC50を計算した。結果は表5を参照する。結果からハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物に良好な抗腫瘍活性が認められた。特に酢酸エチル部位が良く、n−ブチルアルコール抽出物は実験濃度範囲内ではIC50を測定できなかった。
【0095】
【表5】
【0096】
3.ハマナツメエタノール、メタノール、ベンジン及び酢酸エチル抽出物のS180マウスの影響
S180腫瘍細胞を8d接種した健康状態が良好な腫瘍源マウスを採取し、腹部皮膚を消毒した後、腹水を採取し、無菌生理食塩水を利用し1:4(腹水体積:生理食塩水)の混合懸濁剤を準備する。18−20gのオスの昆明種マウス82匹を体重毎にランダムに7グループに振り分け、それぞれモデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(シクロホスミファミド、CTX)、酢酸エチル抽出物少量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループとした。それぞれの右腋皮下に0.2mlの前述した懸濁液を接種した。2時間後、モデル対照グループと薬物グループにそれぞれ被験物或いは懸濁剤の胃へのカテーテル投薬を毎日1回、14日間連続で行った。陽性対照グループはCTXの腹腔注射を隔日1回、計7回行った。最終投薬後24時間後に頸椎脱臼でマウスを殺処分し、腫瘍を剥離、計量し、腫瘍抑制率を算出した。((1−実験グループ平均腫瘍重量/モデル対照グループ平均腫瘍重量)*100%)、結果は表6を参照する。
【0097】
【表6】
【0098】
結果、ハマナツメ全体抽出物の酢酸エチル抽出物1.6g/kgの胃管投薬は、S180のマウス体内の成長を明確に抑制でき、尚且つ1.6g/kgの投薬強度とシクロホスファミド40mg/kgの隔日腹腔投与はエタノール、メタノール、ベンジン抽出物4.8g/kgと同じように腫瘍重量減少、腫瘍抑止率ともに50%を超えており、これら4種類の抽出物は比較的良い抗腫瘍活性を示している。
【0099】
4.ハマナツメエタノール、メタノール、ベンジン及び酢酸エチル抽出物のEACマウスに対する影響
EACを8d接種した健康状況の良好なEACマウスを採取し、腹部皮膚を消毒後、腹水を抽出する。無菌食塩水を利用し懸濁液4×10/mlを準備する。18−20gのオスの昆明種マウス82匹を体重毎に分け、7組にランダムで振り分ける。それぞれモデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(シクロホスファミド、CTX)、酢酸エチル抽出物低量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、エタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループとする。それぞれに腹腔内に前述した0.2ml懸濁液を接種する。2時間後、モデル対照グループ及び各薬物グループにそれぞれサンプル又は懸濁液を1日1回胃管投薬し、実験動物が瀕死するまで継続的に投薬を続ける。陽性対照グループの腹腔注射には隔日1回、CTXを計7回行った。動物が瀕死時には頸椎脱臼で処理し、瀕死時間は生存時間に含める。殺処分後に体重を図り、腹水を出し切り、再度体重を図る。その差を腹水の重量とする。結果は表7である。
【0100】
【表7】
【0101】
実験結果として、ハマナツメ全体抽出物酢酸エチル抽出部は、0.4g/kg及びそれ以上の投薬量の胃管投薬で、顕著にEACマウスの成長を抑制でき、動物の生存時間を延長できた。尚且つ1.6g/kgの投薬量の腹水抑制作用強度とシクロホスファミドとは類似しているが、後者は動物の生存時間を延長できず、一定のメリットを有していた。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物の4.8g/kgも効果的に生存時間を延長し、腹水製造を抑制した。これら四種の抽出物は効果的な抗腫瘍活性である。
【0102】
5.ハマナツメ酢酸エチル抽出物とパクリタキセル及びシノブホタリンの同時投薬によるS180マウスへの影響
S180を8d接種した健康状況の良好な腫瘍源マウスを採取し、腹部皮膚を消毒したあと、腹水を採取し、無菌生理食塩水を利用し1:4(腹水体積:生理食塩水体積)の混濁液を準備する。18−20gのオス昆明種マウス84匹を体重毎に分け、7組にランダムで振り分ける。それぞれモデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(シクロホスファミド、CTX)、酢酸エチル抽出物グループ、パクリタキセルグループ、シノブホタリン抽出物グループとパクリタキセル同時投薬グループと、シノブホタリン同時投薬グループに分け、それぞれ右側腋皮下に0.2mlの前述混濁液を接種する。2h後モデル対照グループと薬物グループにそれぞれ胃管投薬と静脈注射でサンプル或いは混濁液を毎日1回、連続14日間行う。陽性対照グループ腹腔注射にはCTXを隔日1回計7回行う。最終投薬後、24時間で頸椎脱臼させ殺処分し、腫瘍を剥離し重量を図り、腫瘍抑制率を算出する((1-実験組平均腫瘍重量/モデル対照グループ平均腫瘍重量)*100%)。結果は表8を参照する。
【0103】
【表8】
【0104】
実験結果によれば、ハマナツメ全体酢酸エチル抽出物の0.4g/kgの胃管投薬では、S180のマウス体内成長に対して明確な抑制作用は見られなかった。パクリタキセル5mg/kg、シノブホタリン1ml/kgは一定の効果を示した。しかし同投薬量のハマナツメ全体酢酸エチル抽出物をパクリタキセル5mg/kg、シノブホタリン1ml/kgを同時使用したところ、パクリタキセルの腫瘍抑制率より高い結果を示し、ハマナツメ全体抽出物とその他の抗腫瘍薬物との同時使用は該薬物の抗腫瘍薬効を高めることが分かった。
【0105】
III.ハマナツメ抽出物の抗繊維化活性
(実施例1)
ハマナツメ全体1kgを採取し、8倍量の95%エタノールに1日浸漬した後、粉砕し、さらに10倍量の95%のエタノールに2日間浸漬し、抽出液を採取する。50℃でアルコール臭がなくなるまでエタノールを減圧回収し、乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0106】
(実施例2)
ハマナツメ茎葉1kgを、10倍量の95%エタノールに1日浸漬した後、粉砕し、さらに10倍量の95%エタノールを加え、回流抽出し、抽出液を回収する。ハマナツメエタノール抽出物に水を加えた後、ベンジン、酢酸エチルで抽出し、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0107】
(実施例3)
ハマナツメ全体1kgを採取し、10倍量のメタノールに1日浸漬した後、粉砕し、再度8倍量のメタノールに2日間浸漬し、抽出液を得る。40℃下でメタノールを減圧回収し、乾燥後ハマナツメメタノール抽出物を得る。ハマナツメメタノール抽出物に水を加え、ベンジン、酢酸エチルで抽出したあと、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0108】
(実施例4)
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10ml容器に移し、酢酸エチルを一定量まで追加し、精確に4mlの溶液を採取し、10mlの容器に移し、溶剤を揮発させ、5%バニリン-無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え、混ぜ合わせ、酢酸エチルを規定量まで加え、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱する。室温まで冷まし、10mlの容器に酢酸エチルを規定量まで加え、540nmの波長で吸光度を測定する。サンプル溶液中の三テルペノイド含有量(三テルペノイドはceanothic acidとして計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物には三テルペノイド類成分が23mg含まれていた。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷し、エタノールを一定量加え混ぜる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す。3mlを精密に採取し、25mlの容器に移す。510nm波長で吸光度を測定し、溶液中のフラボン含有量を調べる(フラボン有量はルチンの量で計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物にはフラボンが103mg含まれていた。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルク付きのフラスコ内に移す。18%のクロロホルムで1時間湿潤させ、ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)の混合溶剤30mlを加える。20分超音波抽出し、フラスコ内の上澄み液を採取し、さらに前述の混合溶剤30mlを加え、30分冷蔵保存し、20分超音波振動で抽出する。濾過した後15mlの同じ溶剤で残滓と濾紙を3回洗浄し、それらと濾液をフラスコ内に移す。60℃のウォーターバスで乾燥させ、正確に10mlのクロロホルムですべてを溶解させ、再度正確に5ml採取し、漏斗に移す。6mlのクロロホルムと2mlの緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定し、絶えず揺らし混ぜる。終点に近づいた後、クロロホルム層を分離し、再度新たにクロロホルム5mlを加え、滴定しつつ絶えず揺らし混ぜあわせる。静止させて分離させ、水層が黄色くなったら終点である。アルカロイドの総含有量(ハマナツメアルカリBをアルカロイドの含有量として計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物にはアルカロイドが21mg含まれていた。
実施例2のハマナツメベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し50ml容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷却して、エタノールを規定量追加し、混ぜ合わせる。1ml精密に採取し、10mlの容器に移し、70%エタノールを規定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移す。340nmの波長で吸光度を測定する。サンプル中のクマリン含有量を調べる(クマリン含有量はウンベリフェロンの量で計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物にはクマリンが10.2mg含まれていた。
【0109】
(実施例5)
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移す。酢酸エチルを規定量まで加え、4mlの溶液を精密に採取し10mlの容器に移す。溶剤を揮発させた後、5%のバニリン-無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え、酢酸エチルを規定量加えて希釈する。70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、室温まで冷まし、10mlの容器に移す。酢酸エチルを規定量加えて希釈し、よく混ぜあわせ、540nmの波長で吸光度を測定する。サンプル中の三テルペノイド含有量を算出する(三テルペノイドはceanothic acidとして計算する)。結果、1gのハマナツメ抽出物には三テルペノイド類成分が108mg含まれていた。
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷やす。エタノールを規定量加え、混ぜ合わせる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。水を規定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移す。510nmの波長の吸光度を計測してサンプル液中の総フラボン含有量を計測する(ルチンの量でフラボン量を測定する)。結果、1gのハマナツメ抽出物にはフラボンが497mg含まれていた。
実施例2のハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルクが付けられる容器に移す。18%のアンモニア水2mlで1時間湿潤させ、ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(24:8:2.5)の混合溶液30mlを加える。超音波で20分抽出を行い、傾けて上澄み液をフラスコから出し、再度上記混合溶剤30mlを加え、30分冷蔵する。再度超音波振動で20分抽出し、濾過し、同じ溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄する。濾液と併せてフラスコ内に移す。60℃のウォーターバスで乾燥させ、正確に10mlのクロロホルムで完全に溶かし、再度正確に5mlを採取し、漏斗に移す。6mlのクロロホルムを加え、2mlの緩衝液(pH=5.0、0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTB溶液で滴定しながら混ぜ合わせ、終点に近付いたらクロロホルム層を分離させ、再度新たにクロロホルム5mlを加え、再度滴定しながら混ぜ合わせる。静止させ分離させ、水の層が黄色くなり始めたら終点である。アルカロイド総数を計算した(アルカロイドはハマナツメアルカリBで計算する)。結果、1gのエタノール抽出物のアルカロイド類含有量は107mgだった。
ハマナツメ酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、50mlの容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量入れ、混ぜる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す。70%のエタノールを一定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、340nmの波長で吸光度を計測し、試験サンプル溶液中のクマリン含有量を調べる(クマリン量はウンベリフェロンで計算)。その結果1gのハマナツメ抽出物にはフラボンが合計で186mg含まれていた。
【0110】
1.肝繊維化ラットへの影響
SDラット60匹(200−240g、オス)を体重毎に分け、ランダムで空白対照グループ(0.5%トラガント)、モデル対照グループ(0.5%トラガント)、陽性対照グループ(デキサメタゾン,1mg/kg)、ハマナツメ抽出物(実施例1の方法で得た)低量投薬グループ(0.4g/kg)、中量投薬(0.8g/kg)、大量投薬(1.6g/kg)にわける。空白対照グループ以外、1ml/kgの40%四塩化炭素植物油溶液を毎週2回、3ヶ月連続で皮下注射し、同時に高脂肪飼料と5%エタノール水溶液を与える。検査物を毎日1回、3ヶ月連続で胃管投薬する。投薬終了後、翌日腹部大動脈から採血し、血漿を分離し、ALT、PC−III、HA、LHレベルを調べる。動物を殺処分し、肝臓を採取して病理検査を行う。血清検査の結果は表9を参照する。
【0111】
【表9】
【0112】
結果、モデルグループに比べ、ハマナツメ抽出物の投薬量が0.8g/kg及び1.6g/kgの時、40%四塩化炭素植物油溶液による肝臓繊維化に対して一定の保護作用がみられた。特に大量投薬時、血液検査指数が明らかに改善された。
病理結果において、モデルグループの肝臓細胞の水様変性が顕著で、明確な肝細胞壊死と脂肪変性がみられ、肝細胞化は明確であることがわかった。ハマナツメ抽出物の大量投薬と中量投薬グループの肝細胞水様変性と脂肪変性程度は明らかに抑制されており、肝細胞の繊維化に対して良好な抑制効果があることがわかった。
【0113】
2.ラット肺繊維化に対する影響
SDラット(200−240g、オス)60匹を体重毎に分け、ランダムで仮手術対照グループ(0.5%トラガント)、モデル対照グループ(0.5%トラガント)、陽性対照グループ(デキサメタゾン,1mg/kg)、ハマナツメ抽出物(実施例1の方法で得たもの)低量投薬グループ(0.4g/kg)、中量投薬(0.8g/kg)、大量投薬(1.6g/kg)にわける。全ての実験動物に対して、10%抱水クロラール(350mg/kg)を腹腔注射して麻酔を行い、気管を分離する。仮手術対照グループ以外、5ml/kgのブレオマイシン生理食塩水溶液0.4ml、仮手術対照グループには生理食塩水を投薬する。を毎週2回、3ヶ月連続で皮下注射し、同時に高脂肪飼料と5%エタノール水溶液を与える。検査物を毎日1回、3ヶ月連続で胃管投薬する。投薬終了後、翌日腹部大動脈から採血し、血漿を分離し、ALT、PC−III、HA、LHレベルを調べる。動物を殺処分し、肝臓を採取して病理検査を行う。血清検査の結果は表9を参照する。術後翌日から毎日1回、連続30日間投薬する。頸椎脱臼で殺処分した動物から、肺を取り出し、部分臓器を粉砕して、ヒドロキシプロリン含有量を測定し、一部は病理観察を行う。肺組織のヒドロキシプロリン含有量測定結果は表10を参照する。
【0114】
【表10】
【0115】
結果、モデルグループと比べ、ハマナツメ抽出物は0.8g/kg及び1.6g/kg投薬時に効果的にラット肺組織中のヒドロキシプロリン含有量を低下させることができ、肺線維化に良好な抑制作用があることを示した。
病理検査結果によると、モデルグループのラットには明確な肺線維化病変が見られ、肺間質の大量線維化細胞や大範囲繊維結合組織沈着、肺胞構造破壊、一部肺胞腔消失を呈した。モデルグループと比べ、ハマナツメ抽出物の各投薬量グループのラットの線維結合組織の沈着は少なく、肺間質繊維細胞も少なかった。投薬量が大きいグループほどこの傾向が顕著で、本抽出物が一定の潜在的な肺線維化治療薬物であることを示した。
【0116】
3.ハマナツメ抽出物とポリエンホスファチジルコリンの同時投薬のラット肝線維化に対する影響
SDラット60匹(200−240g、オス)を体重毎に分け、ランダムで空白対照グループ、モデル対照グループ、陽性対照グループ(デキサメタゾン,1mg/kg)、ハマナツメ抽出物グループ(実施例1の方法で得たもの、0.8g/kg)、ポリエンホスファチジルコリングループ(1ml/kg)、同時投薬グループ(ハマナツメ抽出物0.8g/kg+ポリエンホスファチジルコリン1ml/kg)にわける。空白対照グループ以外、1ml/kgの40%四塩化炭素植物油溶液を毎週2回、3ヶ月連続で皮下注射し、同時に高脂肪飼料と5%エタノール水溶液を与える。検査物を毎日1回、3ヶ月連続で胃管投薬する。投薬終了翌日に腹部大動脈から採血し、血漿を分離し、ALT、PC−III、HA、LHレベルを調べる。動物を殺処分し、肝臓を採取して病理検査を行う。血清検査の結果は表11を参照。
【0117】
【表11】
【0118】
4.ハマナツメ抽出物とリグストラジン同時投薬によるラット肺線維化への影響
SDラット60匹(200−240g、オス)を体重毎に分け、ランダムで空白対照グループ、モデル対照グループ、陽性対照グループ(デキサメタゾン,1mg/kg)、ハマナツメ抽出物グループ(実施例1の方法で得たもの、0.8g/kg、op)、リグストラジングループ(1ml/kg、ip)、同時投薬グループ(ハマナツメ抽出物0.8g/kg、op;リグストラジン注射液40mg/kg、ip)に分ける。すべての動物に10%抱水クロラール(350mg/kg)を腹腔注射で麻酔を行い、気管を分離し、仮手術対照グループ以外のそれぞれに5mg/kgのブレオマイシン生理食塩水溶液0.4mlを注入し、仮手術対照グループには生理食塩水を注入する。手術後翌日よりサンプルを毎日1回、連続30日間胃管投薬或いは注射する。頸椎脱臼で動物を殺処分し、肺を採取し、一部を粉砕し、ヒドロキシプロリン含有量を測定し、一部に対して病理検査を行う。肺組織中のヒドロキシプロリン含有量測定値結果は表12を参照。
【0119】
【表12】
【0120】
結果、単独でリグストラジン40mg/kgを投与しても実験的肺線維化には明確な効果はみられなかったが、同時投薬によって効果的にモデルラット肺組織中のヒドロキシプロリン含有量を低下させることができ、リグストラジン40mg/kgに比べ明確な差が見られた。ハマナツメ抽出物には肺線維化治療薬物の治療効果を効果的に向上させることができることが示された。
【0121】
IV.ハマナツメ抽出物の抗真菌活性
(I)実施例 ハマナツメ抽出物の製造
1.ハマナツメエタノール抽出物の製造
(1)ハマナツメ全体1kgを採取し、8倍量の95%エタノールに1−2日浸漬した後、葉、根、茎を粉砕し、さらに12倍量の95%のエタノールに3日間浸漬し、抽出液を採取する。エタノールを減圧回収し、濃縮液を冷凍乾燥後、ハマナツメエタノール抽出物を得る。
(2)ハマナツメ全体の新鮮品1kg(或いはその一部)を粉砕し、ハマナツメ8倍量の95%エタノールで3回回流抽出し、抽出液を収集する。エタノールを減圧回収し、濃縮液を冷凍乾燥後、ハマナツメメタノール抽出物を得る。
(3)ハマナツメ全体の新鮮品(根、茎、葉等)1kgを採取し、冷凍乾燥後粉砕(粉砕後に冷凍乾燥するのも可)し、ハマナツメ10倍量の95%エタノールを加え、3回回流抽出し、抽出液を回収する。エタノールを減圧回収し、濃縮液を冷凍乾燥させて、ハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0122】
2.ハマナツメメタノール抽出物の製造
ハマナツメ植物全体の新鮮品1kgを採取、粉砕しハマナツメ体積6倍量のメタノールを加え、3回回流抽出する。メタノールを減圧回収し、濃縮液を冷凍乾燥させてハマナツメメタノール抽出物を得る。
【0123】
3.ハマナツメベンジン抽出物の製造
(1)ハマナツメエタノール抽出物の濃縮液体をベンジンで抽出し、ベンジンを回収してから乾燥させる。
(2)ハマナツメメタノール抽出物乾燥サンプルに10倍量の水混濁液を加え、ベンジンで抽出し、ベンジンを回収してから乾燥させる。
(3)ハマナツメエタノール抽出物の乾燥品に10倍量のベンジンで回流抽出し、ベンジンを乾燥させて回収する。
【0124】
4.ハマナツメ酢酸エチル抽出物の製造
(1)ハマナツメエタノール抽出物の濃縮液体に対して10倍量のベンジンで抽出物を得た後さらに10倍量の酢酸エチルで抽出する。酢酸エチルを回収後、乾燥させる。
(2)ハマナツメメタノール抽出物の乾燥品に10倍量の水混濁液を加え、10倍量のベンジンを回収した後、10倍量の酢酸エチルを抽出する。酢酸エチルを回収後、乾燥させる。
(3)ハマナツメエタノール抽出物の乾燥サンプルに対して、6倍量のエチル回流を2回行う。酢酸エチルを回収してから乾燥させる。
【0125】
5.ハマナツメ酢酸エチルの抽出物タブレットの製造
300gハマナツメ酢酸エチル抽出物を採取し、粉砕後、40ウィルで濾過し、100g微晶質セルロース、57.5g乳糖、20gクロスカルメロースナトリウムを加え、噴射体積濃度を混ぜあわせ95%エタノール溶液を適量使い、顆粒に圧縮し、24ウィルのフィルターに通して50℃で乾燥させ、20gクロスカルメロースナトリウムと2.5gのステアリン酸マグネシウムを加え、十分に混ぜ合わせ、圧縮し、ハマナツメ酢酸エチル抽出物タブレットを得る。
【0126】
6.ハマナツメエタノール抽出物顆粒剤の製造
1000gのハマナツメエタノール抽出物を採取し、粉砕したあと40ウィルでフィルタリングし、4000gの粉砂糖を加える。混ぜた後、均等に95%濃度のエタノール溶液を噴霧し、顆粒状にこねる。24ウィルでフィルタリングし、50℃で乾燥させた後、顆粒にし、ハマナツメエタノール抽出物顆粒剤を得る。
【0127】
7.ハマナツメメタノール抽出物軟膏剤の製造
115gのステアリルアルコールを採取し、115g白ワセリン、70gグリセリンモノステアラートを加熱溶解し、油状物を得る。40gのハマナツメメタノール抽出物を加える。別途100gのグリセリン、15gのラウリル硫酸ナトリウム、0.01gの塩酸L−システインに650mlの水を加え溶解させ、水状物を得る。それぞれ75−80℃に加熱し攪拌した後、水状物をゆっくりと油状物に加え、15分攪拌し続ける。ハマナツメメタノール抽出物軟膏剤を得る。
【0128】
8.ハマナツメエタノール抽出物ジェル剤の製造
10gカルボマーを420mlの純水に加え、攪拌する。100mlのプロピレングリコールを加え攪拌、18gのトリエタノールアミンを加え、ジェル状にする。別途100gハマナツメエタノール抽出物を採取し、2gのエチルパラベンと共に350mlのエタノールに溶かし、攪拌してからジェル状物に加え、攪拌する。
【0129】
9.ハマナツメエタノール抽出物塗膜剤の製造
40gのポリビニルアルコール124を採取し、400mlの純水に溶かす。別途100gのハマナツメエタノール抽出物を400mlのエタノール中にとかし、さらに100mlのグリセリンを加え攪拌する。ゆっくりとポリビニルアルコール溶液中に溶かし、攪拌してから濾過し、濾過器にエタノールを1000ml加える。
【0130】
10.ハマナツメベンジン抽出物湿布剤の製造
100gハマナツメベンジン抽出物の粉末を乳鉢に加え、500mlのピーナツオイルを加え、さらにゆっくりと水酸化カルシウム溶液を1000mlまで加え、白色乳状物を得る。
【0131】
11.ハマナツメエタノール抽出物洗剤の製造
100gのハマナツメエタノール抽出物を乳鉢に加え、50mlのグリセリンと適量の純水を加える。ノリ状に練り、少しずつ純水を加えて全量が均等になれば完成である。
【0132】
(II)ハマナツメ抽出物の真菌活性研究
実施例1(1)で製造したハマナツメエタノール抽出物1gを採取し、5%のイソアルコール溶液に溶解させ、10mlの溶液を作る。0.22umのフィルターで除菌する。1mlの除菌した上記溶液を採取し、溶解冷却して50℃にした9mlのPDA培養液に加える。十分に混ぜ合わせ、迅速に直径6cmの培養プレートに流し込み、静止させ、10mg/mlのハマナツメ抽出物が含まれるPDA培養プレートを作る。同様体積の5%イソアルコール溶液で空白対照PDA培養プレートを作る。
採取した菌コロニーを上記薬品が含まれたPDA培養プレートに接種し、25℃で恒温培養する。対照グループのコロニーが培養プレートの縁に到達するのを待ち、十字交差法ですべての培養プレート上のコロニー直径を計測し、校正して菌抑制率を算出する。
【0133】
結果は表13の通りである。ハマナツメエタノール抽出物は各種真菌に対して明確な抑制作用を見せた。真菌はどれも代表的な発病菌である。結論として、ハマナツメエタノール抽出物には強力な抗真菌活性があり、真菌類薬物の製造に応用できる可能性が高い。
【0134】
【表13】
【0135】
V.ハマナツメ葉抽出物による免疫機能低下及び/或いは自己免疫疾の治療
(I)ハマナツメ抽出物の製造
1.全体エタノール抽出物の製造
ハマナツメ全体1kgを採取し8倍量の95%エタノールに1日浸漬し、粉砕する。さらに10倍量の95%エタノールに2日間浸漬し、抽出液を採取する。アルコール臭がなくなるまでエタノールを50℃下で減圧回収し、乾燥させることでハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0136】
2.茎葉エタノール、ベンジンと酢酸エチル抽出物の製造
ハマナツメ茎葉1kgを採取し、10倍量の95%エタノールに1日浸漬し、粉砕する。10倍量の95%エタノールで回流採取し、抽出液を得る。アルコール臭がなくなるまでエタノールを60℃下で減圧回収し、乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。ハマナツメエタノール抽出物に水を加え、ベンジン、酢酸エチルでそれぞれ抽出することで、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0137】
3.全体ベンジンと酢酸エチル抽出物の製造
ハマナツメ全体1kgを10倍量のエタノールに1日浸漬し、粉砕する。さらに8倍量のメタノールに2日浸漬し、抽出液を得る。40℃下でメタノールを減圧回収し、乾燥させてハマナツメエタノール抽出物を得る。ハマナツメエタノール抽出物に水を加えベンジン、酢酸エチルでそれぞれ抽出することで、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0138】
4.成分定量分析
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移す。酢酸エチルを一定量加える。4mlを精密に採取し、10mlの容器に移す。溶剤を揮発させた後、5%のバニリン−無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え混ぜ合わせ、酢酸エチルを一定量加え、希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱する。室温まで冷却し、10ml容器に移し、酢酸エチルを一定量加えて希釈する。よく混ぜ合わせた後、540nm波長の吸光度を測定し、トリテルペノイドの総含有量(アメリカンカテキンでトリテルペノイドの含有量を計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物におけるトリテルペノイド類の含有量は23mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、50mlの容器に移し、エタノールを適量加える。超音波で溶解したあと、冷し、エタノールを一定量加え、混ぜ合わせる。精密に1ml採取し、10ml容器に移し、水を一定量加え、混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、510nmの波長で吸光度を計測し、サンプル溶液中の総フラボン含有量(ルチンでフラボン量を計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物のフラボン含有量は103mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルク付きのフラスコに移す。18%のアンモニア水2mlを加え、1時間湿潤させ、ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)の混合溶剤30mlを加える。超音波抽出を20分行い、上澄み液を捨て、再度上記混合溶剤を30ml加え、30分冷蔵し冷ます。さらに超音波振動で20分抽出を行い、同じ溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄し、濾液とフラスコ内の溶液を混ぜる。60℃のウォーターバスで加熱乾燥させ、正確に10mlのクロロホルムで全部溶かし、正確に5mlを採取し少量分液漏斗に移す。6mlのクロロホルムと2ml緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定しつつ絶え間なく振動させ、終点に近づいた時点で、クロロホルム層を分離し、新たにクロロホルムを5ml再度加える。滴定を続け、絶え間なく振動させて混ぜ合わせる。水層が黄色くなったら終点である。アルカロイド(ハマナツメアルカリBでアルカロイドを計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物のアルカロイド含有量は21mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル、精密に採取し、50mlの容器に移す。エタノール適量を加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量加え、よく混ぜ合わせる。精密に1mlを採取し、10mlの容器に移す70%のエタノールを一定量加え、よく混ぜ合わせる。精密に3mlを採取し、25mlの容器に移す。340nmの波長で吸光度を測定する。サンプル溶液中のクマリン含有量(クマリンの量はウンベリフェロンが計算)を算出する。クマリン含有量(ウンベリフェロンでクマリンの量を算出する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物の総クマリン含有量は10.2gだった。
ハマナツメ茎葉酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器内に移し、酢酸エチルを一定量加える。そこから精密に4mlの溶液を採取し、10mlの容器に移す。溶剤が揮発したあと、5%のバニリン−無水酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを混ぜ合わせる。酢酸エチルを一定量加え、希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、室温に冷まし、10mlの容器に移す。酢酸エチルを一定量加え、希釈し、よく混ぜ合わせた後、540nmの波長の吸光度を測定し、サンプル溶液中のトリテルペノイド総含有量(アメリカンカテキンでトリテルペノイドの量を計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物に含まれるトリテルペノイド類成分は108mgだった。
ハマナツメ茎葉酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50mlの容器に移し、エタノールを適量加え、超音波で溶解させる。冷まし、エタノールを一定値加え、混ぜ合わせる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移し、水を一定量加えて混ぜ合わせる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、510nmの波長の吸光度を計測し、サンプル溶液中の総フラボン含有量(ルチンでフラボン量を計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物に含まれるフラボンは497mgだった。
ハマナツメ全体酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、コルク付きのフラスコに移し、18%のアンモニア水2mlで1時間湿潤させる。ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)の混合溶剤30mlを加え、超音波抽出を20分行い、フラスコ内の上澄み液を捨て、さらに上記混合溶剤を30ml加える。3分ほど冷却し、再度超音波振動で20分抽出を行い、濾過し、同じ溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄する。洗浄液と濾液をフラスコ内で混ぜ合わせ、60℃のウォーターバスで蒸発させ、10mlのクロロホルムを正確に採取して加え、すべて溶解させた後、再度5mlを採取し少量分液漏斗に移す。6mlのクロロホルムと、2ml緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定し、断続的に揺らし混ぜ合わせる。終点に近付いたらクロロホルム層を分離させ、新たに5mlのクロロホルムを加え、滴定中も絶え間なく揺らし混ぜ合わせる。静止させて水層が黄色くなったら終点である。総アルカロイド(ハマナツメアルカリBでアルカロイドを計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物中のアルカロイド含有量は107mgだった。
ハマナツメ全体酢酸エチル抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50ml容器内に移す。エタノールを適量加え、混ぜ合わせる。3mlを精密に採取し、25mlの容器に移し、340nmの波長の吸光度を測定し、サンプル溶液の総クマリン含有量(ウンベリフェロンでクマリン量を計算)を算出する。結果、1gハマナツメ抽出物の総クマリン含有量は186mgだった。
【0139】
(II)ハマナツメ製剤の製造
1.タブレット剤の製造
ハマナツメ全体エタノール抽出物を300g採取し、適切な補材、例えば100g微晶質セルロース、57.5g乳糖、20gクロスカルメロースナトリウム等を加え、タブレット剤を製造する。
【0140】
2.カプセル剤の製造
ハマナツメ茎葉酢酸エチル抽出物を採取し、適切な補材を加える。例えば乳糖、加圧性澱粉、カルボキシメチル澱粉、微晶質セルロース等でカプセル剤を製造する
【0141】
3.顆粒剤の製造
ハマナツメ全体メタノール抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えば、乳糖、澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、微粉シリコン等で顆粒剤を製造する。
【0142】
4.軟膏剤の製造
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えばステアリルアルコール、グリセロールモノステアレート、グリセリン、ステアレート等で軟膏剤を製造する。
【0143】
5.栓剤の製造
ハマナツメ全体エタノール抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えば混合脂肪酸グリセリド、PEG、蜜ろう等で栓剤を製造する。
【0144】
(III)体外細胞学研究
1.ハマナツメ抽出物のマウス体外増殖脾臓リンパ細胞に対する影響
1.1.マウス脾臓リンパ細胞の製造
無菌で昆明マウスの脾臓を採取し、RPMI1640を適量加えた培養プレート内に置く。注射器針で細かく砕き、200ウィルのフィルターでろ過したあと、遠心管に移し、RPMI1640で洗浄したあと、細胞を収集する。1mlのヘモグロビン裂解液を加える。4℃下で5−10分放置したあと、1500r/分で5分間遠心分離し、上澄み液を捨てる。RPMI1640培養ベースで2回洗浄し、最後に細胞懸濁液を1mlのRPMI1640完全培養プレートに浮かせる。トリパンブルー染色測定で生存率を測定し、結果、脾臓組織の生存率は95%以上だった。上記の脾臓組織懸濁液を細胞密度2×10個/mlに希釈する。
【0145】
1.2.ハマナツメ抽出物のマウス体外増殖リンパ細胞に対する影響
2×10個/mlの脾臓細胞懸濁液を100μl/ウィルの96ウィルプレートに加える。空白グループ、対照グループとハマナツメ抽出物グループに分ける。対照グループの各ウィルには100μlのRPMI1640完全培養ベースを加える。ハマナツメ抽出物には各ウィルにさらに100μlの異なる濃度のハマナツメ抽出物のRPMI1640完全培養ベース溶液を加える。別途空白グループをつくり、培養ベースのみを加える。上記の96ウィルプレートを5%CO、37℃の培養器内にて60時間培養する。ウィルプレートを取り出し、各ウィルの液体を吸い出し、PBSで3回洗浄した後、100μlの培養ベースと20μlのIMTT液(5mg・ml−1)を加える。再度37℃、5%COの培養器(体積比で5%COを含む湿度環境)で4時間培養し、培養プレートを取り出す。上澄み液を吸い出し、150μlのジメチルスルホキシドを加える。ウィルプレートを微孔振動機で10分振動させ、結晶ホルマザンを十分に溶解させた後、酵素免疫検査機上で490nmの色彩比較を行った結果、公式(1)でハマナツメ抽出物のマウス体外脾臓細胞平均生存率を算出する。
平均生存率(%)=(実験グループ値−空白グループ値)/(対照グループ値−空白グループ値)× 100% (1)
【0146】
結果、ハマナツメ抽出物濃度が0.004mg/ml、0.02mg/ml、0.2mg/mlの時、マウス脾臓細胞の平均生存率が117.85%、107.21%及び77.46%となった。結果から低濃度のハマナツメ抽出物はマウスの体外脾臓細胞増殖を促進することができ、高濃度のハマナツメ抽出物は脾臓細胞の増殖に一定の抑制作用があった。
【0147】
2.ハマナツメ抽出物のConA誘導された脾臓細胞体外増殖の影響
2×10個/mlの脾臓細胞懸濁液を100μl/ウィルの96ウィルプレートに加える。空白グループ、対照グループとハマナツメ抽出物グループに分ける。対照グループの各ウィルには100μlのRPMI1640完全培養ベースを加える。ConAグループにはさらに100μlのConAが25μg/ml含まれるRPMI1640完全培養ベース溶液を加える。ハマナツメ抽出物には各ウィルにさらに100μlの異なる濃度のハマナツメ抽出物のRPMI1640完全培養ベース溶液を加える(溶液中に25μg/ml ConAが含まれている)。別途空白グループを作り、培養ベースのみ加える。上記96ウィルプレートを5%CO、37℃の培養器内で60時間培養する。ウィルプレートを取り出し、各ウィル内の液体を吸い出し、PBSで3回洗浄し、100μlの培養ベースと20μlのIMTT液(5mg・ml−1)を加え、さらに37℃、5%COの培養器(体積比で5%COを含む湿度環境)で4時間培養した後、細胞培養プレートを取り出し、上澄み液を吸い出し、150μlジメチルスルホキシドを加え、培養プレートを微孔板振動機に10分間かける。結晶ホルマザンが十分に溶解した後、酵素免疫計測器にて490nmで彩色比較する。公式(1)に基づいてConAグループとハマナツメ抽出物グループのマウスの脾臓組織体外平均生存率を計算した。再度公式(2)でハマナツメ抽出物のConA誘導のマウス脾臓細胞体外増殖の増殖率を計算した。
相対増殖率(%)=(実験グループ/ConA対照グループ−1)×100% (2)
【0148】
結果、ハマナツメ抽出物濃度が0.004mg/ml、0.02mg/ml、0.2mg/ml時、ConAグループに比べると、相対増殖率はそれぞれ15.11%、5.69%と−14.35%だった。結論として低濃度のハマナツメ抽出物はConA誘導と比べてマウス脾臓細胞体外増殖に促進作用が認められ、高濃度時の抑制作用がより突出していることが分かった。
【0149】
3.ハマナツメ抽出物のLPS誘導による脾臓細胞体外増殖に対する影響
96ウィルのウィルプレートに2×10個/mlの脾臓細胞懸濁液を100μl/ウィル加える。空白グループ、対照グループ、LPSグループ及びハマナツメ抽出部グループに分ける。対照グループの各ウィルには100μlのRPMI1640完全培養ベースを加える。LPSグループにはさらに100μlのLPSが20μg/ml含まれるRPMI1640完全培養ベース溶液を加える。ハマナツメ抽出物グループの各ウィルには100μlの異なる濃度のハマナツメ抽出物を含むRPMI1640完全培養ベース溶液(溶液中には同時に20μg/mlのLPSが含まれる)を加える。別途空白グループを作り、培養ベースのみを加える。上記の96ウィルプレートを5%CO、37℃の培養器にて60時間培養する。プレートを取り出し、ウィル内の液体を吸い出し、PBSで3回洗浄し、100μl培養ベースと20μlMTT液(5mg・ml−1)を加え、再度37℃、5%COの培養器(体積比で5%COを含む湿度環境)で4時間培養する。プレートを取り出し、上澄み液を吸い出し、150μlのジメチルスルホキシドを加え、プレートを微孔振動機に10分掛ける。結晶物ホルマザンが十分に溶解した後、酵素免疫計測器で490nmの色彩比較を行う。記録に対して公式(1)を用いてLPSグループとハマナツメ抽出物のマウス脾臓細胞の体外平均生存率を算出する。再度公式(2)を用いてハマナツメ抽出物のLPS誘導のマウス脾臓細胞体外増殖の増殖率を調べた。
結果、ハマナツメ抽出物の濃度が0.004mg/ml、0.02mg/ml、0.2mg/ml時、LPSグループの相対増殖率はそれぞれ34.37%、20.48%と−15.60%で、ハマナツメ抽出部低濃度時、LPS誘導マウス脾臓細胞体外増殖率には促進作用があり、高濃度時には抑制作用があることが分かった。これはハマナツメ抽出物のConA誘導の脾臓細胞体外増殖に双方向性免疫調節機能がある結論と一致している。
【0150】
(IV)薬理学検証
1.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物の免疫低下非特異性免疫機能に対する影響(腹腔マクロファージ呑噬法)
KMマウス80匹を体重に基づき8グループ、それぞれ懸濁剤グループ(0.5%トラガカント)、モデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(カワラタケ多糖類)、酢酸エチル抽出物低量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。サンプル薬物或いは懸濁剤を毎日1回、連続14日間、胃管投薬する。懸濁剤対照グループ以外、投薬第8、10、12日に25mg/kgのシクロホスファミド生理食塩水溶液を腹腔注射し、免疫低下を引き起こす。第13日、14日にそれぞれ6%澱粉溶液を腹腔注射する。第14日目の最終投薬1時間後、5%トリヘモグロビン生理食塩水懸濁液1mlを腹腔注射する。30分後、頸椎脱臼で殺処分し、腹腔に生理食塩水2mlを注入し、腹部を軽くマッサージする。1分後腹部を切開し、腹腔洗浄液1mlを吸い取り、2枚のスライドに均等に乗せ、37℃の保温器内で30分培養する。生理食塩水で洗浄し、陰干しし、1:1のアセトン-メタノール溶液に固定し、4%(v/v)Giemsa−PBSで3分染色する。蒸留水で洗浄し、陰干しし、顕微鏡でマクロファージのパーセントを算出する。
【0151】
【表14】
【0152】
結果は表14の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物は0.1g/kg及びそれ以上の薬物を14日間胃管投薬した場合、顕著に免疫機能を高め、マウス腹腔マクロファージの貪食機能を抑制した。尚且つ0.4g/kgの投薬強度とカワラタケ多糖類グループの結果に有意差が見られなかった。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kgも免疫低下マウス腹腔マクロファージの貪食機能を効果的に増強することが分かった。該四種類の抽出物は免疫低下動物に対して効果的に免疫増強作用があることを示している。
【0153】
2.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物の免疫低下マウスの特異性免疫機能に対する影響(2,4−ジフルオロフェニル硝酸による耳腫脹法)
KMマウス80匹を体重に基づき8グループ、それぞれ懸濁剤グループ(0.5%トラガカント)、モデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(カワラタケ多糖類)、酢酸エチル抽出物低量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。サンプル薬物或いは懸濁剤を毎日1回、連続14日間、胃管投薬する。懸濁剤対照グループ以外に、投薬第8、10、12日に25mg/kgのシクロホスファミド生理食塩水溶液を腹腔注射し、免疫を低下させる。第9日目に1% 2,4−ジフルオロフェニル硝酸(DNFB)溶液(100mg DNFBを採取して1:1のアセトン−植物油混合物を混ぜ合わせる。10ml)25μlをマウス腹部に塗る。第13日の投薬1時間後に10μlの1%DNFB溶液をマウス左耳に塗布する。塗布後24時間、最終投薬後1時間後に頸椎脱臼で殺処分し、耳を切除、重さを量り、耳の腫脹度を測る。
【0154】
【表15】
【0155】
結果は表15の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物は免疫低下マウスのDNFBによる耳腫脹程度を増加させ、免疫低下動物の細胞免疫機能に対して増強作用を示した。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kg、及び酢酸エチル抽出物の作用は類似しており、該四種類の抽出物はともに免疫低下動物の特異性免疫作用を効果的に強化することを示した。
【0156】
3.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物の正常マウスの非特異性免疫機能への影響(腹腔マクロファージ貪食法)
KMマウス80匹を体重に基づき8グループ、それぞれ懸濁剤グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(カワラタケ多糖類)、抑制作用陽性対照グループ、酢酸エチル抽出物低量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。抑制作用陽性対照グループに第13日目に一過性皮下注射を行う以外、サンプル薬物或いは懸濁剤を毎日1回、連続14日間、胃管投薬する。第13日目、14日目にそれぞれ6%澱粉溶液を腹腔注射する。第14日目の最終投薬1時間後、5%トリヘモグロビン生理食塩水懸濁液1mlを腹腔注射する。30分後、頸椎脱臼で殺処分し、腹腔に生理食塩水2mlを注入し、腹部を軽くマッサージする。1分後腹部を切開し、腹腔洗浄液1mlを吸い取り、2枚のスライドに均等に乗せ、37℃の保温器内で30分培養する。生理食塩水で洗浄し、陰干しし、1:1のアセトン-メタノール溶液に固定し、4%(v/v)Giemsa−PBSで3分染色する。蒸留水で洗浄し、陰干しし、顕微鏡でマクロファージのパーセントを算出する。
【0157】
【表16】
【0158】
結果は表16の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物0.4g/kg 14日間の胃管投薬はある程度正常マウス腹腔マクロファージの貪食作用を抑制できたが、0.1g/kgにおいて明確な作用は見られなかった。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kgもそれぞれ程度が異なる抑制効果をみせ、四種類の抽出物が正常動物に対しても軽度の免疫抑制作用があることが分かった。
【0159】
4.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物の正常マウスの特異性免疫機能に対する影響(2,4−ジフルオロフェニル硝酸による耳腫脹法)
KMマウス80匹をそれぞれ懸濁剤グループ(0.5%トラガカント)、抑制作用対照グループ(シクロホスファミド)、陽性対照グループ(カワラタケ多糖類)、酢酸エチル抽出物低量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。抑制作用陽性グループが第13日目に一過性皮下注射を行う以外、その他のグループはサンプル薬物或いは懸濁剤を毎日1回、連続14日間、胃管投薬する。投薬第9日目に1% 2,4−ジフルオロフェニル硝酸(DNFB)溶液(100mg DNFBを採取して1:1のアセトン-植物油混合物を混ぜ合わせる。10ml)25μlをマウス腹部に塗る。第13日目に投薬1時間後、10μlの1% DNFB溶液をマウス左耳に塗布する。塗布後24時間、最終投薬後1時間後に頸椎脱臼で殺処分し、耳を切除、重さを量り、耳の腫脹度を測る。
【0160】
【表17】
【0161】
結果は表17の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物は0.1g/kgで正常マウスのDNFBによる耳腫脹を抑制しており、正常動物に対しても一定の免疫機能抑制作用を持つことが分かった。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kg及び酢酸エチル抽出物の作用は類似しており、四種の抽出物はどれも一定の特異性免疫抑制作用を持つことが分かった。
【0162】
5.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物のSLE実験用マウスに対する治療作用及び細胞免疫に関する影響
KMマウス80匹を体重に基づき8グループ、それぞれ懸濁剤対照グループ(0.5%トラガカント)、モデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(TWHF)、酢酸エチル抽出物少量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。懸濁液対照グループ以外は0.5mlのプリスタンを腹腔注射し、サンプル或いは混濁液を毎日1回、連続30日間胃管投薬する。最終投薬24時間後に目の縁から採血した後、4℃冷凍遠心分離で血清を分離し、ELISA測定で血清中の抗dsDNA抗体レベルを測定する。
別途同様のグループでモデルをコピーし、プリスタンを注射した後第24日目に、懸濁剤対照グループ以外、各グループの腹腔に5%のトリヘモグロビン生理食塩懸濁液を0.2ml注射し、第30日目までプリスタンを投薬し続ける。最終投薬24時間後、目の縁から20μl採決し、1ml生理食塩水の中に加える。その後それぞれ4%のトリヘモグロビン生理食塩水懸濁液0.5mlと10%ラット血清0.5mlに加え、混ぜ合わせたあと、0.5時間37℃で培養し、3000rpmで10分遠心分離する。上澄み液1mlを採取し、3mlのブロー氏液を加え、540nmで色彩比較をする。
【0163】
【表18】
【0164】
結果は表18の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物0.4g/kgは効果的に実験的SLEマウスの血清中のdsDNA抗体レベルを抑制することができた。これはSLEに対する治療作用があることを示している。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kg及び酢酸エチル抽出物の作用は類似している。これは四種の抽出物がそれぞれSLEに対して一定の作用を持つことを示している。SLEは体液免疫の異常な上昇といえる。本実験においてモデル動物の溶血素レベルは正常動物より明らかに高く、ハマナツメ酢酸エチル抽出物0.1g/kgは効果的に異常上昇した溶血素レベルを下げることができた。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kg及び酢酸エチル抽出物の作用は類似しており、4種の抽出物は免疫機能異常亢進に対して顕著な抑制作用があることを示した。
【0165】
VI.ハマナツメ抽出物の口腔及び消化器炎症と潰瘍の治療
(I)ハマナツメ抽出物の製造
1.全体エタノール抽出物の製造
ハマナツメ全体1kgを採取し、8倍量の95%エタノールに1日浸漬させた後、粉砕し、再度10倍量の95%エタノールに2日間浸漬させ、抽出液を収集する。アルコール臭がなくなるまでエタノールを50℃下で減圧回収する。乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。
【0166】
2.茎葉エタノール、ベンジンと酢酸エチル抽出物の製造
ハマナツメ茎葉1kgを採取し、10倍量の95%エタノールに1日浸漬させた後、粉砕し、再度10倍量95%エタノールを加え、回流抽出し、抽出液を得る。アルコール臭がなくなるまでエタノールを60℃下で減圧回収し、乾燥後ハマナツメエタノール抽出物を得る。ハマナツメエタノール抽出物に水を加え、ベンジン、酢酸エチルでそれぞれ抽出することでハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0167】
3.全体ベンジンと酢酸エチル抽出物の製造
ハマナツメ全体1kgを採取し、10倍量のメタノールで1日浸漬した後、粉砕し、さらに8倍量のメタノールに2日間浸漬し、抽出液を得る。メタノールを40℃下で減圧回収し、乾燥後ハマナツメメタノール抽出物を得る。ハマナツメメタノール抽出物に水を加え、ベンジン、酢酸エチルで抽出することで、ハマナツメベンジン抽出物と酢酸エチル抽出物を得る。
【0168】
4.成分定量分析
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移す。酢酸エチルを一定量加え、再度4mlの溶液を精密に採取し10mlの容器に移し、溶剤を揮発させる。5%バニリン−氷酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え、混ぜ合わせる。酢酸エチルを一定量加えて希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、室温まで冷ます。10mlの容器内に酢酸エチルを一定量加えて希釈し、混ぜ合わせ、540nmの波長の吸光度を測定する。被験薬溶液中の総トリテルペノイド含有量(トリテルペノイドはアメリカンカテキンで計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物にはトリテルペノイド類成分が23mg含まれていた。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し50ml容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量加えよく混ぜる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。水を一定量加え、よく混ぜる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、510nm波長の吸光度を測定し、被験薬溶液中の総フラボン含有量(フラボンはルチンで計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物の総フラボン含有量は103mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルク付きのフラスコに移し、18%アンモニア水2mlで1時間湿らせる。ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)混合溶剤30mlを加え、超音波振動に20分掛け、上澄み液を捨て、さらに上記混合溶剤を30ml加え、30分冷し、超音波振動に20分掛け、濾過し、同様の溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄し、フラスコに戻す。60℃のウォーターバスで乾燥させ、10mlのクロロホルムを使用してすべて溶解させる。5mlを正確に採取し、少量分液漏斗に移し、6mlのクロロホルムと2ml緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定しつつ絶え間なく振動させ、終点に近づいた時点で、クロロホルム層を分離し、新たにクロロホルムを5ml再度加える。滴定を続け、絶え間なく振動させて混ぜ合わせる。水層が黄色くなったら終点である。アルカロイド(ハマナツメアルカリBでアルカロイドを計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物のアルカロイド含有量は21mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50ml容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量加えよく混ぜる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。70%エタノールを一定量加え、よく混ぜる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、340nm波長の吸光度を測定し、被験薬溶液中の総クマリン含有量(クマリンはウンベリフェロンで計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物の総クマリン含有量は10.2mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、10mlの容器に移す。酢酸エチルを一定量加え、再度4mlの溶液を精密に採取し10mlの容器に移し、溶剤を揮発させる。5%バニリン−氷酢酸0.4ml、過塩素酸1.6mlを加え、混ぜ合わせる。酢酸エチルを一定量加えて希釈し、70℃の恒温ウォーターバスで15分加熱し、室温まで冷ます。10mlの容器内に酢酸エチルを一定量加えて希釈し、混ぜ合わせ、540nmの波長の吸光度を測定する。被験薬溶液中の総トリテルペノイド含有量(トリテルペノイドはアメリカンカテキンで計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物にはトリテルペノイド類成分が108mg含まれていた。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し50ml容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量加えよく混ぜる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。水を一定量加え、よく混ぜる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、510nm波長の吸光度を測定し、被験薬溶液中の総フラボン含有量(フラボンはルチンで計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物の総フラボン含有量は497mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル精密に採取し、コルク付きのフラスコに移し、18%アンモニア水2mlで1時間湿らせる。ジエチルエーテル:クロロホルム:エタノール(25:8:2.5)混合溶剤30mlを加え、超音波振動に20分掛け、上澄み液を捨て、さらに上記混合溶剤を30ml加え、30分冷し、超音波振動に20分掛け、濾過し、同様の溶剤15mlで3回残滓と濾紙を洗浄し、フラスコに戻す。60℃のウォーターバスで乾燥させ、10mlのクロロホルムを使用してすべて溶解させる。5mlを正確に採取し、少量分液漏斗に移し、6mlのクロロホルムと2ml緩衝液(pH=5.0,0.2Mフタル酸水素カリウム緩衝液)を加える。1mmol・L−1のBTBで滴定しつつ絶え間なく振動させ、終点に近づいた時点で、クロロホルム層を分離し、新たにクロロホルムを5ml再度加える。滴定を続け、絶え間なく振動させて混ぜ合わせる。水層が黄色くなったら終点である。アルカロイド(ハマナツメアルカリBでアルカロイドを計算)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物のアルカロイド含有量は107mgだった。
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を0.1gずつ、3サンプル採取し、50ml容器に移す。エタノールを適量加え、超音波で溶解させ、冷ます。エタノールを一定量加えよく混ぜる。精密に1ml採取し、10mlの容器に移す。70%エタノールを一定量加え、よく混ぜる。精密に3ml採取し、25mlの容器に移し、340nm波長の吸光度を測定し、被験薬溶液中の総クマリン含有量(クマリンはウンベリフェロンで計算する)を算出する。結果、1gのハマナツメ抽出物の総クマリン含有量は186mgだった。
【0169】
(II)ハマナツメ製剤の製造
1.タブレット剤の製造
ハマナツメ全体エタノール抽出物を300g採取し、適切な補材、例えば100g微晶質セルロース、57.5g乳糖、20gクロスカルメロースナトリウム等を加え、タブレット剤を製造する。
【0170】
2.カプセル剤の製造
ハマナツメ茎葉酢酸エチル抽出物を採取し、適切な補材を加える。例えば乳糖、加圧性澱粉、カルボキシメチル澱粉、微晶質セルロース等でカプセル剤を製造する。
【0171】
3.顆粒剤の製造
ハマナツメ全体メタノール抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えば、乳糖、澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、微粉シリコン等で顆粒剤を製造する。
【0172】
4.軟膏剤の製造
ハマナツメ茎葉ベンジン抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えばステアリルアルコール、グリセロールモノステアレート、グリセリン、ステアレート等で軟膏剤を製造する。
【0173】
5.栓剤の製造
ハマナツメ全体エタノール抽出物を採取し、適量の補材を加える。例えば混合脂肪酸グリセリド、PEG、蜜ろう等で栓剤を製造する。
【0174】
(III)ハマナツメ抽出物の用途の薬理学検証
1.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物の幽門結紮によるラットの実験的胃潰瘍に対する影響
SDラット80匹を体重に基づき8グループ、それぞれモデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(ラニチジン)、酢酸エチル抽出物少量投薬グループ、酢酸エチル抽出物中量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分類する。被験薬を毎日1回、3日間胃管投薬する。最終投薬から1時間後幽門結紮術を行い、術後15時間後に動物を頸椎脱臼で殺処分する。胃を採取し、1%ホルムアルデヒドで20分固定した後解剖する。顕微鏡で粘膜損傷状況を観察し、潰瘍指数と潰瘍抑制率を算出する。
【0175】
【表19】
【0176】
結果は表19の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物は0.2g/kg及びそれ以上の胃管投薬3回で明確に幽門結紮によるラットの胃潰瘍を抑制し、尚且つ0.4g/kg投薬量グループの作用強度はラニチジン60mg/kgと比べて顕著な差異は認められなかった。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kgも効果的に胃潰瘍を抑制でき、四種の抽出物は胃潰瘍に対してよい作用をもたらすことが分かった。
【0177】
2.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物の2,4,6−トリニトロトルエンスルホン酸(TNBS)によるラットの実験的結腸炎に対する影響
SDラット90匹を体重に基づき9グループ、それぞれ仮手術対照グループ(0.5%トラガカント)、モデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(デキサメタゾン)、酢酸エチル抽出物少量投薬グループ、酢酸エチル抽出物中量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。動物には絶食24時間後ペントバルビタールナトリウムで麻酔を行い、TNBSと40%エタノールで浣腸し、実験的結腸炎モデルを再現する。再現後6時間から被験薬を投薬する。投薬後5日、尾静脈から採血し、白血球数を算出する。第6日にウレタン麻酔を行い腹主動脈から採血した後、頸椎脱臼で殺処分する。肛門から口側に向かって9cmの結腸を採取し、冷水のウォーターバスにて腸膜を切開、内容物を洗浄し、潰瘍面積を計測し、潰瘍面積%を算出する。結腸の重さを測った後、結腸粘膜を採取し、ELISAで腫瘍壊死因子(TNF−a)濃度を測定する。
【0178】
【表20】
【0179】
結果は表21の通りである。TNBSによるラットの実験的結腸炎は炎症細胞の増加、炎症細胞因子レベルの上昇と結腸表面の潰瘍を引き起こす。ハマナツメ酢酸エチル抽出物0.2g/kg及びこれ以上の投薬量は白血球及び重要な発炎因子TNF−aの増加と潰瘍面積を抑制できた。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kgと酢酸エチル抽出物の作用とは類似しており、四種類の抽出物は比較的良好な抗結腸炎作用を有していた。
【0180】
3.エタノール、メタノール、ベンジン抽出物及び酢酸エチル抽出物のアンモニア水によるラット実験的慢性胃炎に対する影響
SDラット120匹を体重に基づき10グループ、それぞれ正常対照グループ(0.5%トラガカント)、モデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(三九胃泰顆粒)、酢酸エチル抽出物少量投薬グループ、酢酸エチル抽出物中量投薬グループ、酢酸エチル抽出物大量投薬グループ、エタノール抽出物グループ、メタノール抽出物グループ、ベンジン抽出物グループに分ける。全ての動物に対して0.02%のアンモニア水を毎日1回、90日間、胃管投薬する。同時に被験薬を1日1回、連続90日胃管投薬する。最終投薬の翌日に動物を頸椎脱臼で殺処分する。胃上辺を採取し、10%のホルマリンで固定、パラフィン埋蔵し、切片をHE及びPASで染色する。HE染色で炎症反応状況をカウントし、胃体部粘膜の厚さを計測する。PAS染色は陽性層の厚さと粘液層の厚さを測定する。
【0181】
【表21】
【0182】
結果は表21の通りである。ハマナツメ酢酸エチル抽出物はアンモニア水による実験的慢性胃炎に対する炎症抑制レベル、胃粘膜と粘液層の厚さに対する増加効果、特に炎症抑制及び粘液層の増加に顕著な効果があった。エタノール、メタノール、ベンジン抽出物1.2g/kg及び酢酸エチル抽出物の作用は類似しており、四種の抽出部は良好な抗慢性胃炎があることがわかった。
【0183】
4.酢酸エチル抽出物と三九胃泰併用の幽門結紮によるラットの実験的胃潰瘍の影響
SDラット50匹を体重に基づき5グループ、それぞれモデル対照グループ(0.5%トラガカント)、陽性対照グループ(ラニチジン)、酢酸エチル抽出物グループ、三九胃泰グループ、同時投薬グループに分ける。胃管で被験薬を毎日1回、3回投薬する。最終投薬後1時間後に幽門結紮術を行い、術後15時間で頸椎脱臼による殺処分を行う。胃を採取し、1%ホルムアヒデビドで20分固定した後解剖する。顕微鏡で粘膜損傷程度を観察し、潰瘍指数と潰瘍抑制率を算出する。
【0184】
【表22】
【0185】
結果は表22の通りである。ハマナツメ酢酸エチルは0.2g/kgの胃管投薬3回で幽門結紮によるラットの胃潰瘍に顕著な抑制効果を見せた。単独で使用した三九胃泰は特に影響はなかったが、本発明の抽出物と併用すると顕著な抗胃潰瘍効果をみせた。抗胃潰瘍薬物或いは併用に協同作用が見られた。
【0186】
5.酢酸エチル抽出物と三九胃泰併用のアンモニア水によるラットの実験的慢性胃炎に対する影響
本試験は薬効学試験2と同時に行った。結果は表21を参照する。正常対照グループ及びモデル対照グループは共用した。結果、三九胃泰は顕著に粘膜層の厚みを増加させ、炎症を抑制したが、粘膜層の厚みに影響は見られなかった。本発明の抽出物と併用した後、三九胃泰の効果をある程度強化し、粘膜層の厚みを効果的に増加させた。他の慢性胃炎薬物とは協同作用があるとみられる。
【0187】
上記を総括すると、本発明のハマナツメ抽出物或いは原型薬剤ハマナツメには顕著な抗腫瘍活性、抗真菌活性、抗繊維化と双方向免疫調整作用があり、口腔及び消化器炎症と潰瘍に対する治療効果があることがわかる。
【0188】
(付記)
(付記1)
ハマナツメの医薬製造における抗線維化の使用。
【0189】
(付記2)
ハマナツメの医薬製造における抗真菌活性の使用。
【0190】
(付記3)
ハマナツメの医薬製造における抗腫瘍活性の使用。
【0191】
(付記4)
ハマナツメの医薬製造における口腔及び消化器炎症或いは/及び潰瘍関連疾患治療の使用。
【0192】
(付記5)
ハマナツメの医薬製造における双方向免疫調整作用の使用。
【0193】
(付記6)
ハマナツメはハマナツメ植物全体或いは任意の一部を使用し、
好ましくは、前記一部が根、茎、葉、花、果実の一部或いはそれらの混合であり、
さらに好ましくは、前記一部が葉の部分、であることを特徴とする付記1−5のいずれか一つに記載の用途。
【0194】
(付記7)
ハマナツメ植物全体或いはその一部を薬剤の原材料として、一般的な方法で製造すること、を特徴とするハマナツメ抽出物の製造方法。
【0195】
(付記8)
製造方法一は、
A、ハマナツメ植物全体或いはその一部を薬剤の原材料とし、
B、溶剤で抽出し、乾燥させることで得られることを含むこと、を特徴とする付記7に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0196】
(付記9)
製造方法二は、
A.ハマナツメ植物全体或いはその一部を薬剤の原材料とし、
B.溶剤aで抽出し濾過濃縮することで、濃縮液を得、
C.溶剤bを用いてステップBで得た濃縮液を抽出し、液体状物を得、乾燥することで得られ、或いはステップBで得られた濃縮液を乾燥させることで抽出物1を得、溶剤bで抽出、乾燥させることで得られる、を含むこと、を特徴とする付記7に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
ステップAで述べた原材料薬とするハマナツメはその新鮮品、冷凍乾燥品、有機溶媒処理品であり、
好ましくは、有機溶媒処理品の製造方法はハマナツメを有機溶媒で浸漬させ、
さらに好ましくは、有機溶媒はエタノール、メタノール、酢酸エチル、ベンジン、イソアルコール等であり、さらに好ましくはメタノールまたはエタノールを含むこと、を特徴とする付記7または8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0197】
(付記10)
前記有機溶媒処理品の有機溶媒はメタノール、エタノール、イソアルコール、酢酸エチル或いはベンジンを含み、好ましくはメタノール或いはエタノールを含むこと、を特徴とする付記9に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0198】
(付記11)
前記製造方法一のステップBにおいて、前記溶剤にはメタノール、エタノール、イソアルコール、酢酸エチル或いはベンジンが含まれ、好ましくはメタノール或いはエタノールを含むこと、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0199】
(付記12)
前記製造方法一のステップBにおいて、採用する方法は浸漬、回流または滲出であること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0200】
(付記13)
前記製造方法一のステップBにおいて、乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥であること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0201】
(付記14)
前記製造方法二のステップBにおいて、前記溶剤aにはメタノール或いはエタノール、イソアルコールが含まれ、好ましくはメタノール或いはエタノールを含むこと、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0202】
(付記15)
前記製造方法二のステップCにおいて、前記溶剤bには酢酸エチルまたはベンジンが含まれること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0203】
(付記16)
前記製造方法二のステップB及びステップCにおいて、抽出方法は浸漬法、回流法滲出法或いは抽出法であること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0204】
(付記17)
前記製造方法二のステップB及びステップCにおいて、乾燥方法は減圧乾燥、冷凍乾燥、噴霧乾燥或いはマイクロウェイブ乾燥であること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0205】
(付記18)
前記製造方法一のステップBにおいて、溶剤とハマナツメの用量関係について、溶剤添加量はハマナツメ質量の1−20倍であり、
好ましくは、溶剤添加量はハマナツメ質量の5−15倍であり、
更に好ましくは、溶剤添加量はハマナツメ質量の8−10倍であり、
溶剤としてメタノール或いはエタノールを採用した場合、メタノール或いはエタノール添加量はハマナツメ質量の1−20倍であり、
前記製造方法二のステップBにおいて、溶剤aとハマナツメの用量関係は、溶剤a添加量はハマナツメ質量の1−20倍であり、
好ましくは溶剤a添加量はハマナツメ質量の5−15倍であり、
更に好ましくは溶剤a添加量はハマナツメ質量の8−10倍であること、を特徴とする付記8に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0206】
(付記19)
エタノールの濃度は10−95%であり、
好ましくはエタノール濃度が50−95%のものを採用し、
更に好ましくは、エタノール濃度が95%のものを採用すること、を特徴とする付記10、11、14或いは18に記載のハマナツメ抽出物の製造方法。
【0207】
(付記20)
付記7−19のいずれか一つに記載の製造方法で得るハマナツメ抽出物。
【0208】
(付記21)
主な成分にはフラボン類、テルペノイド類、アルカロイド類、クマリン類が含まれ、
好ましくは前記フラボン類、テルペノイド類、アルカロイド類、クマリン類グリコシド及びその単体成分及び多糖類とセルロースが含まれること、を特徴とする付記20に記載のハマナツメ抽出物。
【0209】
(付記22)
ハマナツメ抽出物の活性成分に薬学上使用可能な補材を加えて製剤に加工すること、を特徴とする付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の薬物混合物。
【0210】
(付記23)
前記製剤は内服製剤、注射製剤、外用製剤、放出制御製剤或いは希釈製剤であり、
好ましくは、内服製剤はタブレット剤、カプセル剤、顆粒剤、微丸剤、微球剤、または滴丸剤であり、
好ましくは、外用製剤は貼り薬、軟膏剤、ジェル剤、塗膜剤、湿布剤、栓剤、洗剤或いは噴霧剤であること、を特徴とする付記22に記載のハマナツメ抽出物の薬物混合物。
【0211】
(付記24)
抗繊維化薬物の製造における付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の用途。
【0212】
(付記25)
前記線維化は肺線維化、腎線維化、肝線維化、および心筋線維化を含むこと、を特徴とする付記24に記載の用途。
【0213】
(付記26)
線維化を治療する中医薬と西洋医薬とを併用すること、を特徴とする付記24に記載の用途。
【0214】
(付記27)
前記中医薬、西洋医薬は、三七人参サポニン、リグストラジン、丹参、刺五加注射液、リグストラジン注射液、紅花注射液、銀杏フラボングリコシド、生脉、丹参注射液、双黄連、香丹注射液、益气活血顆粒、抗繊顆粒、肺康顆粒、百合固金丸、powder cordyceps gecko ginseng pills、ゲンゲ、西紅花、生地黄、三七、絞股藍、姜黄、黄葵、アミグダリン、テトランドリン、大黄素、エンテカビル、ラミブジン、β-カロテン、ビタミンE、ホスファチジルコリン、S−腺グリコシドメチオニン、プロスタグランジン、プロスタグランジンE2、コルヒチン、エストロゲン、アンギオテンシンIIレセプター阻害剤、交感神経系統抑制剤、インターフェロン、プロリル−4−ヒドロキシラーゼ抑制剤、ヘパリン、シルビニン、ウルソデオキシコール酸からなる群より選択されるものであること、を特徴とする付記26に記載の用途。
【0215】
(付記28)
抗腫瘍活性の薬物の製造における付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の用途。
【0216】
(付記29)
腫瘍治療効果がある中医薬または西洋医薬を加えること、を特徴とする付記28に記載の用途。
【0217】
(付記30)
前記中医薬または西洋医薬は放射線治療、免疫治療、DNA損傷の化学療法剤、インターフェロン複製の化学療法剤と免疫調節薬物であり、
好ましくは、TopoI抑制剤、TopoII抑制剤、アルキル化剤、DNA嵌合剤、DNA嵌入剤とフリーラジカル発生剤、細胞複製を阻害する化学療法剤、TK抑制剤、プロテアーゼ抑制剤、癌の表現タンパクと結合して細胞複製力を低下させる抗体、タンパク或いは酵素抑制剤、その他腫瘍を治療する中医薬、西洋医薬はイリノテカン、トポテカン、カンプトテシン及びその類似物或いは代謝物、ドキソルビシン、エトポサイドグリコシド、テニポサイドグリコシド、ダウノルビシン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、メトトレキサート、ミトマイシンC、シクロホスファミド、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン、ベロマイシン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シトシンアラビノシドグリコシド、メルカプトプリン、チオグアニンヌクレオチド、ペントスタチン、ヒドロキシカルバミド、パクリタキセル、イチイテルペノイド及びその関連類似物、ビンクリスチン、ビンかアルカロイド及び関連類似物、サリドマイド及びその関連類似物、メシル酸イマチニブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、華蟾素、姫松茸、珍珠梅酢酸エチル抽出物、ライチ核水提液、当雷公藤紅素、Polyporusus Bellatus、カルボキシメチル、Alisolエキス濃縮物、甘草多糖、アンジェリカ・シネンシス多糖類、ソラレン、五味子多糖からなる群より選択されるものであること、を特徴とする付記29に記載の用途。
【0218】
(付記31)
抗真菌活性の薬物の製造における付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の用途。
【0219】
(付記32)
口腔及び消化器炎症或いは/及び関連疾患の薬物の製造における付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の用途。
【0220】
(付記33)
双方向免疫調節作用の薬物の製造における付記20或いは21に記載のハマナツメ抽出物の用途。
【0221】
(付記34)
双方向免疫調節作用は免疫機能異常によって引き起こされる免疫機能低下或いは/及び自己免疫疾患のためであること、を特徴とする付記33に記載の用途。
【0222】
(付記35)
免疫機能異常の免疫機能低下には風邪、だるさ、腫瘍或いはエイズが含まれること、を特徴とする付記34に記載の用途。
【0223】
(付記36)
免疫機能異常の自己免疫疾患にはリウマチ性関節炎、SLE、強皮症、甲状腺機能亢進、青少年糖尿病、原発性血小板紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、潰瘍性結腸炎或いは慢性肝炎が含まれること、を特徴とする付記34に記載の用途。