【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1に記載のコンテナによって解決される。
本発明の改善された更なる実施形態は、従属請求項に示される。
本発明は、道路舗装機に取り外し可能に取り付けるように設計された少なくとも1つのモジュール式道路舗装機アセンブリを保管及び提供するためのコンテナに関する。コンテナは、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントを標準化された配置でコンテナ内に配置することを可能にする保管システムを備える。
【0007】
本発明によれば、保管システムは、道路舗装機アセンブリの各コンポーネントが、道路舗装機上でのそれらの組み立て順序を考慮してコンテナの対向する境界の間で決定された順序に沿って、オペレータにより完全性について視覚的に検査されることができるように、標準化された配置を設計する。
【0008】
したがって、本発明によれば、コンテナ内における道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントの標準化された配置と道路舗装機上のそれらの組み立て順序との間に直接的な関係が存在し、それは、道路舗装機アセンブリの各コンポーネントがコンテナ内に完全に保管及び提供されているかどうかをオペレータが容易に確認するのに役に立つ。ここでのオペレータにとっての主な利点は、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントがコンテナ保管システムに欠落しているかどうかを、オペレータが組み立て順序のメンタル精神的背景に対してより容易に確認できることであり、その場合、オペレータは、建設現場での遅れを防ぐために迅速に行動することができる。
【0009】
特に、本発明は、事前に、すなわち道路舗装機アセンブリが道路舗装機に取り付けられる前に、使用が完了しているかどうかが直ちに見てわかるという利点を有する。つまり、制御されていないアセンブリを防止することができる。特に、道路舗装機上での利用を可能にするコンポーネントの適切な設置は、慣例なしでも容易に可能であるので、訓練されていない人員は、本発明によるコンテナシステムから利益を得ることができる。
【0010】
コンテナ内では、アドオン部品は、その用途に応じてグループに分けて配置することができる。それぞれのアドオン部品を、互いに対する位置合わせのために個々に容易に識別できるだけでなく、バンドルとして、すなわち機能的に一緒に属するモジュールとして、コンテナ内にグループ化して配置することが可能である。それぞれのグループ化されたアドオン部品の完全性は、例えば、RFIDトランスポンダ読み取りシステムの助けを借りたRFID技術によってチェックすることができると考えられる。変形例によれば、コンテナ、特にそこに収容されたバンドル(アドオン部品及び/又はグループ)は、所定のプロセスパラメータ、主として作業幅、トラクタユニットのタイプ、及び/又はスクリードのタイプに、明確に割り当てることができる。これは、それぞれのコンテナを適切な目的のために使用できることを意味する。したがって、特定の目的のために、適切なコンテナ、すなわち適切なコンポーネントを装備したコンテナを、正しい建設現場に送ることが可能である。
【0011】
好ましくは、コンテナは、それぞれのアドオン部品のためのファスナーを含み、作業現場で道路舗装機又はフィーダにアドオン部品を取り付けるためにファスナーを使用することができる。これらのファスナーは、例えば、ねじ、ワッシャー、クイックリリースファスナー、又は同様なファスナーである。
【0012】
また、個々のコンポーネントの標準化された配置と道路舗装機上のそれらの組み立て順序との間の関係によって、個々のコンポーネントから組み立てることができるモジュール式道路舗装機アセンブリは、コンテナ内において完全なままであり、そのコンテナは、保管された道路舗装機アセンブリと共に、異なる建設現場で確実に使用され得るということが、特に有利になる。これの主な理由は、本発明の概念が、コンテナ内での道路舗装機アセンブリの完全性についての初期コントロールに関してだけでなく、その取り外し順序及びその配置順序に関しても有利であるということである。その結果、本発明によるコンテナシステムは、長期に亘って完全で、クリーンで、十分に使用可能であり続けることができる。
【0013】
また、本発明によるコンテナは、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントが失われる危険性を低減する。保管システムにおけるそれらの標準化された所定の配置は、道路舗装機アセンブリのすべてのコンポーネントが、使用後にコンテナ内の所期の保管場所に移動されたかどうかを明らかに示す。コンポーネントが存在しないことは、保管システム内のギャップから容易に検出することができる。
【0014】
機能アセンブリは、本発明で使用する道路舗装機アセンブリと見なされ、特定の組み立てプランに従って道路舗装機に組み立て又は取り付けることができるいくつかのコンポーネントを含むモジュールとして、道路舗装機に取り付けることができ、また、機能アセンブリの使用がもはや必要でなくなれば、道路舗装機によって段階的に取り除くことができる。そのようなアドオンモジュールは、標準バージョンにこれらの機能モジュールを持たない道路舗装機を特別な用途のために改造することを可能にする。
【0015】
本発明に係るコンテナによる保管及び提供のためのオプション取り付け可能な道路舗装機モジュールは、例えば、測定ビーム装置、装填プロセス用のドッキングアセンブリ、作業幅を作り出すためのコンポーネント、例として舗装スクリード用拡幅モジュール、舗装材料の混合を改善するための材料バンカー設置モジュール、夜間作業のためのアドオンモジュール、具体的には道路舗装機に取り付ける照明ユニット、スクリードの前における横向きの材料移送を任意に広げるための拡張オーガーモジュール、及び/又は問題になっている新たな舗装層の個々の測定値を生成及び処理するためのサーモグラフィーモジュールを含む。
【0016】
道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントの標準化された配置は、保管システムにおけるそれらの配置が恣意的ではなく、各コンポーネントに特別な空間が設けられることを意味する。したがって、個々のコンポーネントを常に適切な場所に適切なタイミングで見つけることができる。
【0017】
好ましくは、保管システムは、道路舗装機への取り付けのための所定の組み立て手順に従って、コンテナから取り外すために道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントを配置することによって、少なくとも部分的に組み立てプランとして標準化された配置を定める。これにより、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントを順にコンテナから取り外すことができるので、それらを道路舗装機に直接取り付けることができる。これにより、個々のコンポーネントが計画なしにコンテナから取り出され、そして、予め定められた組み立て手順とは逆にコンポーネントがコンテナから取り出されたという理由で、道路舗装機に取り付けられる前にコンポーネントが地面に最初に置かれる、といったことが防止される。このようなことは、高感度で高価なセンサユニットでは特に望ましくない。保管システムは、コンテナ内に順序が作成されることを確実にするだけでなく、道路舗装機上のアセンブリのための正しい順序で各コンポーネントがコンテナから取り外され、道路舗装機に連続的に取り付けることができるように支援する。言い換えれば、コンテナ内における道路舗装機アセンブリの各コンポーネントの配置は、道路舗装機から各コンポーネントを取り外す順序を決定するように選択される、すなわち、それぞれのコンポーネントが道路舗装機に適切に取り付けられるように、どの取付順序を実行すべきかをオペレータに視覚的に指示する。反対に、コンテナ内のそれぞれの保管場所の標準化された配置は、オペレータが、コンポーネントをコンテナ内に適切に戻すために、道路舗装機からそれぞれのコンポーネントを取り外すのを助けることもできる。
【0018】
保管システムが、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントをコンテナ内に取り外しのために昇順又は降順で配置する場合、及び/又は、保管システムが、道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントを、取り外しのためにコンテナの対向する側壁の間で定められた方向に沿って設けられるように、コンテナ内に互いに隣接して配置する場合は、特に理解しやすい。道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントをコンテナから取り外すか、又は次にそれらをコンテナ内に配置するオペレータは、(それらを反対方向に配置するときに、)道路舗装機上の個々のコンポーネントの配置順序に対応した取り外し又は配置の方向が与えられる。言い換えれば、最初にコンテナから取り外されるべきコンポーネントが道路舗装機に最初に取り付けられるか、又は舗装機によって最初に取り外される最初のコンポーネントが、取り外し方向に対してコンテナ内に戻される。オペレータは、コンテナの保管システム内の個々のコンポーネントの配置を考慮して、アセンブリマスタープランが既に与えられているので、特にこの設計の恩恵を受ける。コンポーネントを取り外すとき、保管システム、その構造、及びコンポーネントを取り外すべき方向は、それぞれのコンポーネントがコンテナ内に適切に保管されるべき場所をもオペレータに知らせる。
【0019】
保管システムは、好ましくは、測定ビーム装置、アドオンモジュール、及び/又は舗装スクリードの作業幅を作り出すコンポーネント、具体的には道路舗装機の舗装スクリード用拡張部品を、モジュール式舗装機アセンブリとして、コンテナ内に収容するように設計される。コンテナ内の個々のコンポーネントの標準化された配置と道路舗装機上のそれらの組み立て順序との提携は、道路舗装機への段階的な設置にかなりの利点をもたらす。
【0020】
コンテナ内の道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントは、保管システムが棚ユニットとして構成されていることによって、特に明確な方法で利用可能とすることができる。また、これはコンテナのコンパクトな設計に関して利点を提供する。
【0021】
保管システムは、道路舗装機アセンブリのそれぞれのコンポーネントを支持するための複数の側面プレートを有するのが有利である。これらは製造が容易であり、コンテナの総重量にほとんど寄与しない。さらに、側面プレートは、安定性をも与えるような方法でコンテナの内部に配置することができる。それぞれの側面プレートは、好ましくは、コンテナ内に取り外し可能に固定され、輸送される道路舗装機アセンブリに応じて他の側面プレートによって交換又は補充することができ、保管システム、すなわちコンテナの「内部の仕組み」は、容易に変換又は改造することができる。
【0022】
好ましくは、複数のレセプタクルがそれぞれの側面プレートに形成され、その各々の形状は、その中に収容されるコンポーネントの断面に基本的に適合される。これにより、コンポーネントを輸送用のコンテナに安全に保管することができる。
【0023】
道路舗装機アセンブリの個々のコンポーネントは、好ましくは、工具なしで保管システムにロックすることができる。特に、個々のコンポーネントは、工具なしで保管することができ、及び/又は工具なしで保管システムから取り外すことができる。これは、コンテナにストックすると共にコンテナを空にする時間を節約し、また、個々のコンポーネントが輸送のためにコンテナ内に固定されることを保証する。
【0024】
コンテナの構造を簡素化するために、個々のコンポーネント及び/又はモジュール式道路舗装機アセンブリのサブアセンブリは、コンテナ内の少なくとも一方向にそれらのために設けられた保管場所に自重によって固定してもよい。この目的のために、例えば、各コンポーネントのベアリング突出部が係合可能である、形状の適合した支持体をコンテナ内に形成することができる。ばね鋼ロックを使用して、個々のコンポーネント、特に、スクリードの拡張部分などのスクリードの部品を固定することができる。ばね鋼ロックを用いて、個々のコンポーネント、特に、アドオン部品及び/又はアセンブリを、コンテナの底に滑らない方法で固定することができる。
【0025】
道路舗装機アセンブリの長いコンポーネントを取り外し及び保管するために、コンテナが少なくとも1つの側壁、特に長手方向の側壁からアクセス可能であると特に有利である。そこから、道路舗装機アセンブリがコンテナ内に完全に積まれているかどうかを確認することも容易である。
【0026】
すべての保管されたコンポーネントが、保管システムにおいて直接アクセス可能で視覚的に配置されている場合、特に有利である。言い換えれば、コンポーネントの取り扱いは、別のコンポーネントに依存しない。
【0027】
実用的なオプションは、コンテナが固定されたルーフを有することである。その中に収容された個々のコンポーネントのために、固定されたルーフは、トラック上のコンテナの輸送中であろうと建設現場にある間であろうと、優れた保護機能、具体的には雨除けを提供する。
【0028】
1つの変形例は、コンテナが下方から開放されているか、又は開口部を有している。道路舗装機アセンブリの個々の又はいくつかのコンポーネントがコンテナ内に濡れて保管されていても、水分はいくつかの場所で開いた底部を通してコンテナから逃げることができる。したがって、コンテナの内部を確実に乾燥状態に保つことができる。また、確実な排水が行えるように、コンテナの底部をわずかな傾斜で形成することも考えられる。その結果、粘着性物質又は収納水をコンテナから容易に取り除くことができる。
【0029】
コンテナは、物流目的で積み重ね可能に設計することができる。したがって、個々のコンテナは、スペースを節約するために、建設現場及び/又は倉庫で一方を他方の上に重ねて置くことができる。好ましくは、コンテナはフォークリフト輸送用に設計される。この目的のために、フォークリフトのフォークを底に係合させるための少なくとも1つのレベリング補助器具を有することができる。
【0030】
1つの実施形態によれば、コンテナを持ち上げるために、少なくとも1つのアイレットがコンテナ、特に固定されたルーフの上に形成される。したがって、コンテナは、クレーンによって、特にそれをトラックから持ち上げることによって、容易に移動させることができる。
【0031】
好ましくは、コンテナは、本質的に、横に並んだ2つのユーロパレットに対応する、1つのサイズ及び形状のスタンド領域を備える。これにより、トラックでの輸送が容易になる。
【0032】
コンテナは、建設現場での安全な使用のためにロック可能に設計することができる。好ましくは、コンテナは軽量構造で作られている。具体的に、コンテナの外壁はリベット留めされているので、それらに塗布された塗装は損傷を受けない。
【0033】
1つの変形例によれば、コンテナは、保管システムを照明するための少なくとも1つの照明ユニットを有する。これは、建設現場の夜間作業に特に便利である。照明ユニットが、道路舗装機上の設置順序に従って、保管システムに保管された道路舗装機アセンブリの各コンポーネントを順番に照らすように構成されている場合、夜間の制御された取り扱いにも有用である。例えば、コンテナに取り付けられたLEDアセンブリが考えられる。
【0034】
コンテナは、好ましくは、特に小さなパーツ及び軽量なコンポーネントについて、手動による取り外しが可能なように構成される。また、コンテナが重いコンポーネントの取り外しを可能にする場合、すなわちクレーンホイストで上からアクセス可能である場合にも有利である。しかしながら、より重いコンポーネントは、人間工学的に手でコンテナから取り外すことができるような方法でコンテナに保管することもできる。
【0035】
1つの実施形態によれば、コンテナはユニバーサルパッケージとして利用可能である、すなわち、複数の異なる道路舗装機アセンブリを収容するように構成される。あるいは、コンテナは、道路舗装機及び/又はスクリードのタイプに応じて、特定の道路舗装機アセンブリを提供するようにのみ設計されてもよい。
【0036】
改善された完全性チェックを提供するために、目に見えるプレースホルダをコンテナ内部に設けることができるので、現場要員は、コンテナによって提供されるパッケージが完全であるかどうかを一目で確かめることができる。特に、作業の開始前に装備されなければならないコンテナ内部の場所は、所定のカラーコード、具体的には少なくとも部分的に緑色でマークされるようにすることができる。
【0037】
道路舗装機アセンブリの各コンポーネントのロックが、シグナルカラー、具体的には少なくとも部分的に赤色でマークされている場合には、さらに視覚的にアピールする効果を達成することができる。したがって、現場要員は、コンテナ内でコンポーネントを何処に固定する必要があるかを容易に識別することができる。さらに、すべてのコンポーネントがしっかりとロックされているかどうかを簡単な視覚的チェックによって素早く点検するためにそれを使用することができる。
【0038】
好ましくは、コンテナの内部に設けられたロックは自己ロック式である。すなわち、ロックは、工具なしで取り外すことができず、誤って紛失する可能性があるように取り付けられている。
【0039】
コンテナ自体及び/又はそれに取り外し可能に取り付けられた保管プレートは、好ましくは、スクリード拡張部などのような個々のコンポーネント及び/又は道路舗装機アタッチメントを、道路舗装機を操縦することによって取り外すことができるように構成される。横方向スクリード付加部品がコンテナ内の保管位置に直接配置されるように、道路舗装機のスクリードを持ち上げて横に延ばすことができると考えられる。