(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2側面側に設けられ、前記ドレンパンまたは前記プレートと接続され、前記ドレンパンまたは前記プレートの上方に配置され、前記第2側面の一部と向かい合う壁部を備える請求項3から6のうち、いずれか一項記載の車両用空調装置の室内機。
前記ドレンパンは、前記第1側面側に配置され、前記熱交換器の中央の下方に前記ドレン水を導く第1の傾斜面を含む第1の傾斜部と、前記第2側面側に配置され、前記熱交換器の中央の下方に前記ドレン水を導く第2の傾斜面を含む第2の傾斜部と、を有し、
前記プレート本体は、鉛直方向において、前記第1及び第2の傾斜部が形成された領域の範囲内に配置されている請求項5または6記載の車両用空調装置の室内機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
(車両の全体構成)
図1〜
図8を参照して、第1の実施形態に係る車両10について説明する。
図1〜
図8において、X方向は車両10の長手方向(進行方向)を示している。
図1及び
図3〜
図8において、Y方向はX方向に対して直交する車両10の幅方向を示している。
図1〜
図4において、Z方向はX方向及びY方向に対して直交する鉛直方向を示している。
図2において、Aは底板45の開閉方向(以下、「A方向」という)、Bは熱交換器33の中心線(以下、「中心線B」という)、CはZ方向において第1及び第2の傾斜部61,62の両方が設けられた領域である傾斜部形成領域(以下、「傾斜部形成領域C」という)、Eはドレン排出口68の中心位置(以下、「中心位置E」という)をそれぞれ示している。
図1〜
図8において、同一構成部分には同一符号を付す。
【0013】
車両10は、例えば、AGTと呼ばれる新交通システムに用いられる。車両10は、利用者を搭載する車両本体11と、車両本体11に取り付けられた車両用空調装置12と、を備える。
【0014】
(車両本体の構成)
図1に示すように、車両本体11は、箱形状をなし、その床面上には、座席15が設けられている。車両本体11は、利用者を搭載する。車両本体11のY方向中央部の領域は、通路16となっている。
この通路16の端部には、X方向両側における壁面(妻面17)を貫通する貫通口17Aにつながる妻側通路16Aが設けられている。すなわち、妻側通路16Aは、車両10の室内で、X方向の端部となる妻側端に設けられている。
また、図示を省略するが、車両本体11の下部には走行台車が設けられている。この走行台車に設けられた駆動輪が回転することで、車両10が軌道上を走行する。
【0015】
(車両用空調装置の構成)
次に、車両用空調装置12について説明する。
車両用空調装置12は、車両本体11の内部である室内を適温に保つために設けられている。車両用空調装置12は、車両本体11の外部(室外)の空気と冷媒との間で熱交換を行う室外機21と、車両本体11の内部に空調風を供給する室内機22と、室内機22の内部で生じたドレン水を排出するためのドレンホース23と、室外機21と室内機22との間で冷媒が行き来する一対の冷媒配管31と、を有する。
車両用空調装置12は、室外機21と室内機22とが離れて配置されたセパレート式の空調装置である。
【0016】
(室外機の構成)
室外機21は、車両本体11の床の下面に取り付けられている。室外機21は、本実施形態では例えば車両本体11の床下に取り付けられている。ここで、室外機21の設置場所は限定されず、室外の空気との間で熱交換可能であればよく、車両本体11の天井の上に設置されていてもよい。
図示は省略するが、室外機21は、室外ファン、室外熱交換器、圧縮機、冷媒配管、冷媒配管に設けられた各種弁装置、及び圧縮機等の運転制御を行うコントロールボックスを主に有する。
【0017】
(室内機の構成)
室内機22は、車両本体11の内部における妻側通路16Aの上方(天井)に取り付けられている。室内機22は、概ね箱状をなしており、妻側通路16Aの天井側に形成された空間に収容されている。
妻側通路16Aの上方には化粧板等で形成された天井板19が取り付けられている。室内機22は、天井板19によって妻側通路16Aの上方に区画された天井部16Aaに収容されている。
【0018】
図2に示すように、室内機22は、筐体26と、ファン28と、一対の冷媒配管31と、熱交換器33と、ドレンパン35と、プレート39と、を有する。
【0019】
(筐体の構成)
図2及び
図3に示すように、筐体26は、上板42と、第1の側板43と、第2の側板44と、第3の側板53と、第4の側板54と、底板45と、開口部46と、ヒンジ部47と、締結部材51と、を有する。
【0020】
上板42は、筐体26の天井部を形成する矩形形状の板であって、XY平面に位置するものである。第1の側板43は、矩形形状の板であって、X方向一方側に位置する上板42の端から下方(Z方向)に位置するように設けられている。
第1の側板43は、X方向において熱交換器33の第2側面33bと対向している。
第1の側板43は、複数の吹き出し口43A(開口部)を有する。複数の吹き出し口43Aは、Y方向に間隔をあけて配置されている。
【0021】
なお、
図3では、一例として、4つの吹き出し口43Aを形成した場合を例に挙げて図示したが、吹き出し口43Aの数は、これに限られず、例えば、ファン28の数に応じて適宜設定することが可能である。
【0022】
第2の側板44は、矩形形状の板であって、X方向他方側に位置する上板42の端から下方(Z方向)に位置するように設けられている。第2の側板44は、X方向において第1の側板43と向かい合っている。
第2の側板44は、X方向において熱交換器33の第1側面33a(第2側面33bの反対側に配置された側面)と向かい合っている。
第2の側板44は、吸い込み口44Aを有する。吸い込み口44Aには、フィルター48が配置されている。これにより、筐体26の外部の空気は、フィルター48を介して、筐体26の内部に導入される。
【0023】
第3の側板53は、
図3に示すように、矩形形状の板であって、Y方向一方側に位置する上板42の端から下方(Z方向)に位置するように設けられている。第3の側板53は、Y方向一方側に配置された第1及び第2の側板43,44の端部と接続されている。第3の側板53は、ドレンパン35を取り付け可能とするため、ドレンパン35の取り付け位置となる下端が筐体26の内側方向(Y方向)に折り曲げられている。
【0024】
第4の側板54は、第3の側板53と対をなすものであり、矩形形状の板であって、Y方向他方側に位置する上板42の端から下方(Z方向)に位置するように設けられている。第4の側板54は、Y方向他方側に配置された第1及び第2の側板43,44の端部と接続されている。第4の側板54は、ドレンパン35を取り付け可能とするため、ドレンパン35の取り付け位置となる下端が筐体26の内側方向(Y方向)に折り曲げられている。
【0025】
底板45は、
図2に示すように、底板本体45Aと、垂直部45Bと、突出部45Cと、を有する。
底板本体45Aは、矩形形状の板であり、上板42と対向する。X方向一方側に配置された底板本体45Aの端部は、ヒンジ部47を介して、第1の側板43の下端部と接続されている。これにより、底板45は、筐体26の下側を開閉させることが可能な構成とされている。
底板45は、ボルト等の締結部材51により、筐体26を構成する他の構成要素に固定されている。X方向における底板本体45Aの長さは、筐体26内に上部側が収容された熱交換器33に到達しない長さである。
【0026】
垂直部45Bは、X方向他方側に位置する底板本体45Aの端部に設けられている。垂直部45Bは、矩形形状の板である。垂直部45Bは、X方向他方側に位置する底板本体45Aの端部から上方(鉛直方向)に設けられている。
【0027】
突出部45Cは、矩形形状の板であり、垂直部45Bの上端部に設けられている。突出部45Cは、垂直部45Bの上端部から熱交換器33の第2側面33bに向かう方向(X方向)に突出して配置されている。X方向他方側に位置する突出部45Cの端部は、熱交換器33から離れた位置に配置されている。
すなわち、上記構成とされた底板45の長さは、X方向において熱交換器33に到達しない長さである。
【0028】
突出部45Cは、開口部46のX方向一方側を区画する筐体26の端部である。突出部45Cは、熱交換器33の第2側面33bに配置されたドレンパン35の上端(第2の側壁部65の上端65A)よりも上方に配置されている。
【0029】
図2及び
図3に示すように、開口部46は、突出部45C、第2の側板44の下端、第3の側板53の下端、及び第4の側板54の下端で区画されている。開口部46には、その開口を覆うように、ドレンパン35が取り付けられる。
【0030】
ヒンジ部47は、X方向一方側に配置された底板本体45Aの端部と第1の側板43の下端部とを接続する。ヒンジ部47は、A方向に底板45を開閉させる。
【0031】
図3に示すように、締結部材51は、筐体26から底板45を除いた構造体に底板45を固定している。締結部材51は、例えば、ボルト等であってもよい。
【0032】
なお、締結部材51は、クォーターターン等の着脱容易な部材であってもよい。クォーターターンは、スタッドを4分の1回転させるのみで締め付けることが可能な締結具である。また、締結部材51は、例えば、抜け止めのリテーナ等であってもよい。
【0033】
(突出部の作用効果)
上記構成とされた突出部45Cを有することで、ドレンパン35に溜められたドレン水が底板45側に飛び出したとしても、ドレン水がファン28側に移動することを抑制可能となる。これにより、底板45とドレンパン35との間に形成された隙間からドレン水が漏れたり、ファン28を介して、筐体26の外側にドレン水が吹き出されたりすることを抑制できる。
【0034】
(ファンの構成)
図2に示すように、ファン28は、吹き出し口43Aと同じ数(第1の実施形態の場合、4つ)設けられている。複数のファン28は、第2側面33bと向かい合うように筐体26内に収容されている。複数のファン28は、ドレンパン35及びプレート39よりも高い位置に配置されている。複数のファン28は、Y方向に間隔をあけて配置されている。
各ファン28は、吹き出し部28Aを有する。各吹き出し部28Aは、1つの吹き出し口43Aに連通している。
【0035】
ファン28は、筐体26外の空気(室内の空気)を筐体26内に取り込むとともに、吹き出し口43Aを介して、熱交換器33により生成された空調風を車両本体11の室内に吹き出させる。ファン28は、例えば、シロッコファンであってもよい。
【0036】
なお、詳細な図示は省略するが、車両本体11の天井部16Aaには、複数の吹き出し口43AをX方向一方側から覆うルーバーRが設けられていてもよい。
【0037】
(一対の冷媒配管31)
図1及び
図2に示すように、一対の冷媒配管31は、室外機21を構成する冷媒配管(図示せず)と接続されている。一対の冷媒配管31は、筐体26を貫通することで、一部が筐体26内に配置されている。一対の冷媒配管31のうち、筐体26内に配置された部分は、熱交換器33を構成する伝熱管(図示せず)と接続されている。
一対の冷媒配管31のうち、一方が室外機21から熱交換器33に冷媒を供給し、他方が室内機22を通過した冷媒を室外機21に戻す。
【0038】
(熱交換器の構成)
図2に示すように、熱交換器33は、筐体26内に配置され、下端部が開口部46の下方に突出している。熱交換器33は、複数のファン28により筐体26内に導かれた空気と熱交換器33内を流れる冷媒とを熱交換させることで、空調風を生成する。熱交換器33は、空気を冷却することで空調風として冷風を生成する。
熱交換器33の下端は、ドレンパン35の底面58aよりも上方に配置されている。
(ドレンパンの底面よりも上方に熱交換器を配置させる効果)
このように、熱交換器33の下端をドレンパン35の底面58aよりも上方に配置させることで、ドレンパン35の底面58aに熱交換器33を接触させて配置した場合と比較して、ドレンパン35に溜めることの可能なドレン水の容量を確保することができる。
また、熱交換器33の下端をドレンパン35の底面58aよりも上方に配置させることで、ドレンパン35の底面58Aに熱交換器33を配置させる場合と比較して、ドレン水と熱交換器33との接触が抑制されるため、熱交換器33の性能の低下を回避できる。
【0039】
(一対の固定部材の構成)
図2に示すように、一対の固定部材34は、L字形状とされた部材であり、ボルト等により上板42の下面側に固定されている。一対の固定部材34は、X方向に間隔(X方向における熱交換器33の厚さと等しい間隔)をあけて配置されている。
一対の固定部材34は、熱交換器33の上端部を挟み込んで固定する。一対の固定部材34は、ボルト等により熱交換器33の上端部と固定されている。これにより、熱交換器33は、上板42の下方に吊り下げられている。
【0040】
(ドレンパンの構成)
図2に示すように、ドレンパン35は、Z方向において、開口部46と向かい合うように、開口部46の下方に設けられている。ドレンパン35は、熱交換器33の下方に空間を介在させて配置されている。
図3に示すように、ドレンパン35は、クォーターターン等の締結部材36によって筐体26に対して着脱可能に設けられている。
ドレンパン35は、熱交換器33で空気中の水分が凝縮することで生成されたドレン水を受け止めることが可能な形状(受け皿形状)である。
【0041】
図2〜
図4に示すように、ドレンパン35は、底板部58と、第1の傾斜部61と、第2の傾斜部62と、第1の側壁部64と、第2の側壁部65と、第3の側壁部66と、第4の側壁部67と、ドレン排出口68と、返し部69と、を有する。
【0042】
図4に示すように、底板部58は、矩形形状であり、Y方向に位置するように配置されている。底板部58は、熱交換器33の下端の下方に配置されている。底板部58は、筐体26の底板45よりも下方に配置されている。底板部58は、Z方向において熱交換器33の下端と向かい合う底面58aを有する。底面58aは、Z方向に対して直交する平面である。底面58aと熱交換器33の下端との間には、空間が形成されている。
【0043】
図4に示すように、第1の傾斜部61は、X方向他方側に位置する底板部58の端部と接続されている。第1の傾斜部61は、熱交換器33の第1側面33a側に配置されている。第1の傾斜部61は、X方向他方側に位置する底板部58の端部から第2の側板44の下端側に向かう方向に傾斜して配置されている。
第1の傾斜部61は、開口部46側に配置された第1の傾斜面61aを有する。第1の傾斜面61aは、底面58aと一体とされている。第1の傾斜面61aは、底面58aに対して傾斜した面である。第1の傾斜面61aは、第1の傾斜面61aにドレン水が滴下された際、底面58a側にドレン水を導く。
【0044】
第2の傾斜部62は、X方向一方側に位置する底板部58の端部と接続されている。第2の傾斜部62は、熱交換器33の第2側面33b側に配置されている。第2の傾斜部62は、X方向一方側に位置する底板部58の端部から垂直部45Bに向かう方向に傾斜して配置されている。
第2の傾斜部62は、開口部46側に配置された第2の傾斜面62aを有する。第2の傾斜面62aは、底面58aと一体とされている。第2の傾斜面62aは、底面58aに対して傾斜した面である。第2の傾斜面62aは、第2の傾斜面62aにドレン水が滴下された際、底面58a側にドレン水を導く。
【0045】
図2に示すように、第1及び第2の側壁部64,65は、X方向に配置されている。第1の側壁部64は、底板部58と接続された端部とは反対側に位置する第1の傾斜部61の端部からZ方向に配置されている。
【0046】
第2の側壁部65は、底板部58と接続された端部とは反対側に位置する第2の傾斜部62の端部からZ方向に配置されている。第2の側壁部65の上端65Aは、突出部45Cの下面と向かい合っている。筐体26にドレンパン35が固定された際、第2の側壁部65の上端65Aと突出部45Cとの間には、隙間が形成される。
【0047】
図3に示すように、第3の側壁部66は、Y方向一方側に配置された底板部58、第1の傾斜部61、第2の傾斜部62、第1の側壁部64、及び第2の側壁部65の端部と接続されている。第3の側壁部66は、Y方向外側に位置するように配置されたフランジ部66Aを有する。
【0048】
第4の側壁部67は、Y方向他方側に配置された底板部58、第1の傾斜部61、第2の傾斜部62、第1の側壁部64、及び第2の側壁部65の端部と接続されている。第4の側壁部67は、Y方向外側に位置するように配置されたフランジ部67Aを有する。
【0049】
ドレン排出口68は、第3及び第4の側壁部66,67からY方向(第3及び第4の側壁部66,67の外側)に突出して設けられている。ドレン排出口68は、ホースバンド24を用いてドレンホース23の一方の端と連結されている。ドレン排出口68の内側は、円柱形状とされている。
図4に示すように、ドレン排出口68の中心位置Eは、熱交換器33の下端よりも下方に配置されている。2つのドレン排出口68は、Y方向において互いの中心位置Eが向かい合うように配置されている。
後述するプレート本体71は、例えば、ドレン排出口68の中心位置Eよりも下方に配置させることが好ましい。
【0050】
なお、
図3では、一例として、2つのドレン排出口68を設けた場合を例に挙げて説明したが、1つのドレン排出口68のみを設けてもよい。
【0051】
図2に示すように、返し部69は、熱交換器33の第1側面33a側に配置された第1の側壁部64の上端に設けられている。返し部69は、第1の側壁部64の上端から熱交換器33の第1側面33a側に向かう方向に突出している。返し部69は、第1側面33a側に位置するドレンパン35の上端部を構成している。
【0052】
(返し部の効果)
このような構成とされた返し部69を有することで、熱交換器33の第1側面33a側において、ドレンパン35からドレン水が飛び出した際、熱交換器33の第1側面33a側に位置する筐体26とドレンパン35との隙間からドレン水が漏れることを抑制できる。
【0053】
図3に示すように、締結部材36は、筐体26に対してドレンパン35を固定するための部材である。締結部材36は、ドレンパン35のフランジ部66A,67Aに挿入されて、第3及び第4の側板53,54の下端に固定されている。締結部材36としては、例えば、ボルト等を用いることが可能である。
なお、締結部材36として、例えば、抜け止めのリテーナ等を用いてもよい。
【0054】
(プレートの構成)
図4に示すように、プレート39は、ドレンパン35の内部に配置されている。プレート39は、プレート本体71と、第1の固定部73と、第2の固定部74と、を有する。
プレート本体71は、底面58aよりも上方で、かつ熱交換器33の下端よりも下方に配置されている。プレート本体71は、第1及び第2の傾斜部61,62の両方が設けられた傾斜部形成領域Cに配置されている。プレート本体71は、第1の傾斜面61aから第2の傾斜面62aに亘るようにX方向に配置されている。
プレート本体71は、金属板76に複数の貫通部75A〜75Cが形成された金属製プレートである。貫通部75A〜75Cとしては、例えば、貫通孔を用いることが可能である。
【0055】
金属板76は、下面76aと、上面76bと、を有する。下面76aは、Z方向において底面58aと向かい合っている。上面76bは、Z方向において熱交換器33の下端と向かい合っている。
【0056】
図4に示すように、プレート本体71は、第1の領域71Aと、第2の領域71Bと、第3の領域71Cと、を有する。
第1の領域71Aは、熱交換器33の第1側面33a側に配置されている。金属板76のうち、第1の領域71Aに対応する部分には、例えば、
図5に示すように、貫通部75Aが格子状に配置されている。
第2の領域71Bは、熱交換器33の第2側面33bに配置されている。金属板76のうち、第2の領域71Bに対応する部分には、例えば、
図6に示すように、貫通部75Bが格子状に配置されている。
貫通部75A,75Bは、ドレン水が通過する際に抵抗を付与することで、ドレン水の液面に発生する波を小さくする。
貫通部75A,75Bの開口面積S
1,S
2は、ドレン水の波打ち具合に応じて異ならせてもよい。
【0057】
なお、
図5及び
図6では、一例として、貫通部75Bの開口面積S
2を貫通部75Aの開口面積S
1よりも小さくした場合を図示したが、貫通部75Bの開口面積S
2を貫通部75Aの開口面積S
1の大きさを大きくしてもよい。
【0058】
また、
図7及び
図8に示すように、第1の領域81に対応する金属板76に複数の貫通部81Aを形成し、第2の領域82に対応する金属板76に貫通部81Aと同じ開口面積とされた貫通部82Aを形成し、さらに第1及び第2の領域81,82に形成された貫通部81A,82Aの密度を異ならせてもよい。
【0059】
図7及び
図8では、一例として、貫通部82Aの密度を貫通部81Aの密度よりも低くした場合を図示したが、ドレン水の波打ち具合に応じて、貫通部82Aの密度を貫通部81Aの密度よりも高くしてもよい。さらに、貫通部81Aの開口面積と貫通部82Aの開口面積とを異ならせてもよい。
【0060】
図4に示すように、第3の領域71Cは、第1の領域71Aと第2の領域71Bとの間に配置されている。第3の領域71Cは、X方向において第1の領域71Aと第2の領域71Bとを接続している。
第3の領域71Cは、熱交換器33の下方に配置されている。第3の領域71Cは、Z方向において熱交換器33の下端と向かい合っている。金属板76のうち、第3の領域71Cに対応する部分には、複数の貫通部75Cが格子状に配置されている。貫通部75Cは、先に説明した貫通部75A,75Bと同様な機能を有する。
上記複数の貫通部75A〜75Cが形成されたプレート本体71は、通水性を有する。
【0061】
複数の貫通部75Cの開口面積は、例えば、貫通部75A,75Bのうち、少なくとも一方の開口面積と同じでもよいし、貫通部75A,75Bの開口面積と異なっていてもよい。
複数の貫通部75Cの密度は、例えば、貫通部75A,75Bのうち、少なくとも一方の密度と同じでもよいし、貫通部75A,75Bの密度と異なっていてもよい。
【0062】
第1の固定部73は、X方向他方側に配置されたプレート本体71の一方の端に設けられている。第1の固定部73は、第1の傾斜面61aに沿ってプレート本体71から離れる方向に配置されている。
第1の固定部73には、ボルト85が挿入されるボルト孔73Aが形成されている。第1の固定部73は、ボルト85により第1の傾斜部61に固定されている。
【0063】
第2の固定部74は、X方向一方側に配置されたプレート本体71の他方の端に設けられている。第2の固定部74は、第2の傾斜面62a及び第2の側壁部65の内面65aに沿ってプレート本体71から離れる方向に配置されている。
第2の固定部74には、ボルト86が挿入されるボルト孔74Aが形成されている。第2の固定部74は、ボルト86により第2の側壁部65に固定されている。
【0064】
なお、第1の実施形態では、一例として、平面視した状態で円形とされた貫通部75A〜75C,81A,82Aを例に挙げて説明したが、貫通部の形状はこれに限定されない。貫通部の形状は、例えば、平面視した状態で、三角形や四角形(矩形も含む)でもよい。
【0065】
(プレートの作用効果)
第1の実施形態の室内機22によれば、底面58aよりも上方で、かつ熱交換器33の下端よりも下方に、プレート39を構成するプレート本体71を設けることで、ドレン水の液面がプレート本体71よりも下方にあるときに波が発生した場合には、プレート本体71を蓋として機能させることが可能となる。
【0066】
一方、ドレン水の液面がプレート本体71の上面よりも上方にあるときに波が発生した場合には、貫通部75A〜75Cを上下方向にドレン水が移動する際にドレン水に抵抗を付与することで、波を小さくすることが可能となる。
これにより、ドレンパン35と筐体26との境界部分にドレン水が飛散することを抑制可能となるので、ドレンパン35に溜められたドレン水が室内機22,90の外部に漏れ出ることを抑制できる。
【0067】
また、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった場合でも、プレート本体71によりドレンパン35に溜められたドレン水の液面が波打つことを抑制することが可能となる。
これにより、ファン28側に飛散したドレン水が、ファン28を介して、筐体26の外部に吹き出されることを抑制できる。
【0068】
(プレートとして金属製プレートを用いる効果)
上記プレート39としては、例えば、金属製プレートを用いることが可能である。このように、プレート39として金属製プレートを用いることで、ドレン水に対するプレート39の耐久性を向上させることが可能となるので、プレート39の交換頻度を低減できる。
(貫通部の開口面積及び密度を異ならせることによる作用効果)
上述したように、プレート本体71を第2側面33b側から第1側面33a側にわたって配置させるとともに、第1の領域71A,81及び第2の領域71B,82において、貫通部75A,75B,81A,82Aの開口面積、及び貫通部75A,75B,81A,82Aの密度のうち少なくとも一方を異ならせることで、例えば、ドレン水の波が立ちやすい領域において波の発生の抑制効果を高めることができる。
【0069】
(プレート本体を第2側面側に設ける場合の作用効果)
第1の実施形態では、一例として、熱交換器33の第1側面33a側、第2側面33b側、及び下方にプレート本体71を配置させた場合を例に挙げて説明したが、例えば、プレート本体71を熱交換器33の第2側面33bのみに設けてもよい。
【0070】
このように、熱交換器33の第2側面33bのみにプレート本体71を設けることで、第2側面33b側において、ドレン水の液面が波打つことを抑制することが可能となる。
これにより、ファン28側に位置するドレンパン35と筐体26との境界部分にドレン水が飛散したり、ファン28側に飛散したドレン水がファン28により筐体26の外部に吹き出されたりすることを抑制できる。
【0071】
(プレート本体を傾斜部形成領域に配置させる作用効果)
上述した第1及び第2の傾斜部61,62を有することで、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間(傾斜部形成領域Cに対応する部分)にはドレン水が溜まりやすくなる。つまり、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった際、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間に溜められたドレン水の液面が波打ちやすくなる。
【0072】
そこで、Z方向において、第1及び第2の傾斜部61,62が形成された傾斜部形成領域Cの範囲内にプレート本体71を配置させることで、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった際、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間に溜められたドレンの液面が波打つことを抑制できる。
【0073】
(ドレン排出口の中心位置よりもプレート本体を下方に配置させる作用効果)
上述したように、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつドレン排出口68の中心位置よりも下方にプレート本体71を配置させることで、ドレンパン35に溜められたドレン水が室内機22の外部に漏れ出ることを抑制できるとともに、ドレン排出口68が詰まり傾向になることを抑制できる。
【0074】
なお、第1の実施形態では、一例として、プレート39として金属製プレートを用いた場合を例に挙げて説明したが、例えば、プレート39として金属製プレート以外の通水性を有する部材(例えば、多孔質部材や繊維材等)を用いてもよい。
【0075】
また、第1の実施形態では、プレート本体71を配置する位置として、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、熱交換器33の下端及びドレン排出口68の中心位置Eよりも下方で、かつ傾斜部形成領域C内に配置させた場合を例に挙げて説明したが、プレート本体71を配置する位置は、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつ熱交換器33の下端よりも下方でもよいし、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつドレン排出口68の中心位置Eよりも下方でもよいし、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつ傾斜部形成領域C内でもよい。
このような位置にプレート本体71を配置させることで、ドレンパン35に溜められたドレン水が室内機22の外部に漏れ出ることを抑制できる。
【0076】
さらに、第1の実施形態では、ドレンパンの一例として、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間に底板部58を有するドレンパン35を例に挙げて説明したが、例えば、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62とが直接接続されたドレンパン(底板部58を有していないドレンパン)を用いてもよい。
【0077】
<第2の実施形態>
(室内機の構成)
第2の実施形態の室内機90について説明する。
図9において、
図4に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
図9に示すように、室内機90は、第1の実施形態の室内機22を構成するプレート39に替えて、プレート92を有するとともに、さらに壁部91を備えること以外は、室内機22と同様に構成されている。
【0078】
壁部91は、熱交換器33の第2側面33bに設けられている。壁部91の下端91Bは、第2の傾斜部62の第2の傾斜面62aと接続されている。壁部91は、プレート92からプレート92の上方に配置されており、X方向において熱交換器33の第2側面33bと向かい合っている。壁部91の上端91Aは、突出部45Cよりも上方に配置されている。
壁部91は、例えば、ドレンパン35と一体に形成してもよいし、ドレンパン35に対してボルト等で固定してもよい。
【0079】
プレート92は、プレート39の構成から第2の固定部74を除くとともに、X方向における第2の領域71Bの長さを短くしたこと以外は、プレート39と同様に構成されている。
X方向一方側に位置するプレート92の端は、熱交換器33側に位置する壁部91の側面と接続されている。
上記構成とされたプレート92は、例えば、ボルト等により壁部91に固定することが可能である。
【0080】
(壁部の作用効果)
第2の実施形態の室内機90によれば、上記構成とされた壁部91を備えることで、ドレン水による波が発生した際、壁部91に波を衝突させて、波を小さくすることができる。また、壁部91の高さを第2側面33bと向かい合うことの可能な高さにすることで、壁部91によりドレン水がファン28側に移動することを抑制できる。
【0081】
なお、壁部91と接続させるプレート92は、例えば、熱交換器33の第2側面33bのみに配置させてもよい。
【0082】
以上、本開示の好ましい実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本開示の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0083】
なお、第1及び第2の実施形態では、一例として、ドレンパン35が第1及び第2の傾斜部61,62を有する場合を例に挙げて説明したが、例えば、Z方向に位置するように配置された側壁により周囲が囲まれたドレンパン(第1及び第2の傾斜部61,62を有していないドレンパン)にも適用可能である。
また、第1及び第2の実施形態では、一例として、底板45が底板本体45A、垂直部45B、及び突出部45Cで構成される階段状の場合を例に挙げて説明したが、垂直部45Bを有していない底板本体45Aと突出部45Cとが連続した平面形状とされた底板を用いてもよい。
【0084】
<付記>
各実施形態に記載の車両用空調装置12の室内機22,90は、例えば、以下のように把握される。
【0085】
(1)第1の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、車両10の室内の天井部16Aaに設けられた筐体26と、前記筐体26内に収容され、前記筐体26内の空気を熱交換させて空調風を生成する熱交換器33と、前記熱交換器33の下方に空間を介在させて配置され、前記熱交換器33で生成されたドレン水を受け止めるドレンパン35と、前記ドレンパン35の内部であって、前記ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつ前記熱交換器33の下端よりも下方に配置されて前記ドレンパン35に溜められたドレン水の波打ちを抑制する通水性のプレート本体71を含むプレート39と、を備える。
【0086】
このように、ドレンパン35の底面58aよりも上方に配置されたプレート39よりもさらに上方に熱交換器を配置させることで、ドレンパン35の底面58Aに熱交換器33を配置させる場合と比較して、ドレンパン35に溜めることの可能なドレン水の容量を確保しつつ、熱交換器33の性能の低下を回避できる。
また、ドレンパン35の内部であって、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつ熱交換器33の下端よりも下方に配置されてドレンパン35に溜められたドレン水の波打ちを抑制する通水性のプレート本体71を含むプレートと39を備えることで、ドレン水の液面がプレート本体71よりも下方にあるときにドレン水の波が発生した場合には、プレート本体71を蓋として機能させることが可能となる。
一方、ドレン水の液面がプレート本体71の上面よりも上方にあるときにドレン水の波が発生した場合には、プレート本体71を通水するドレン水に抵抗を付与することで、ドレン水の波を小さくすることが可能となる。
これにより、ドレンパン35と筐体26との境界部分にドレン水が飛散することを抑制可能となるので、ドレンパン35に溜められたドレン水が室内機22,90の外部に漏れ出ることを抑制できる。
【0087】
(2)第2の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(1)の車両用空調装置12の室内機22であって、前記熱交換器33は、前記筐体26内の空気を取り込む第1側面33a、及び前記第1側面33aと対向し、前記空気を熱交換して生成された空調風を出す第2側面33bを有し、前記筐体26は、前記第2側面33bと向かい合う部分に形成された吹き出し口43Aを有しており、前記第2側面33bと向かい合うように前記筐体26内に収容され、前記筐体26外の空気を前記筐体26内に吸い込むとともに、前記吹き出し口43Aを介して、前記空調風を前記筐体26外に吹き出すファン28を備えてもよい。
【0088】
このような構成とされたファン28を有することで、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった場合でも、プレート本体71によりドレンパン35に溜められたドレン水の液面が波打つことを抑制することが可能となる。
これにより、ファン28側に飛散したドレン水が、ファン28を介して、筐体26の外部に吹き出されることを抑制できる。
【0089】
(3)第3の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(2)の車両用空調装置12の室内機22であって、前記プレート本体71は、前記第2側面33b側に設けられていてもよい。
【0090】
このように、熱交換器33の第2側面33b側にプレート本体71を設けることで、第2側面33b側において、ドレン水の液面が波打つことを抑制することが可能となる。
これにより、ファン28側に位置するドレンパン35と筐体26との境界部分にドレン水が飛散したり、ファン28側に飛散したドレン水がファン28により筐体26の外部に吹き出されたりすることを抑制できる。
【0091】
(4)第4の態様に係る車両用空調装置12の室内機22は、(2)の車両用空調装置12の室内機22であって、前記プレート本体71は、前記第2側面33b側から前記第1側面33a側にわたって配置されていてもよい。
【0092】
このように、プレート本体71を第2側面33b側から第1側面33a側にわたって配置させることで、第1側面33a側、第2側面33b側、及び熱交換器33の下方側にプレート本体71を配置させることが可能となる。これにより、ドレンパン35に溜められたドレン水の液面全面においてドレン水の波を小さくすことができる。
【0093】
(5)第5の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(4)の車両用空調装置12の室内機22であって、前記プレート本体71は、前記第1側面33a側に配置された第1の領域71A,81と、前記第2側面33b側に配置された第2の領域71B,82と、を有し、前記第1及び第2の領域71A,81,71B,82には、それぞれ貫通部75A〜75C,81A,82Aが形成されており、前記第1及び第2の領域71A,81,71B,82において、前記貫通部75A〜75C,81A,82Aの開口面積、及び前記貫通部75A〜75C,81A,82Aの密度のうち少なくとも一方を異ならせてもよい。
【0094】
このように、第1の領域71A,81及び第2の領域71B,82において、貫通部75A,75B,81A,82Aの開口面積、及び貫通部75A,75B,81A,82Aの密度のうち少なくとも一方を異ならせることで、例えば、ドレン水の波が立ちやすい領域において波の発生の抑制効果を高めることができる。
【0095】
(6)第6の態様に係る車両用空調装置の室内機90は、(2)から(5)のうち、いずれか一項の車両用空調装置の室内機90であって、前記第2側面33b側に設けられ、前記ドレンパン35または前記プレート39と接続され、前記ドレンパンまたは前記プレートの上方に配置され、前記第2側面33bの一部と向かい合う壁部91を備えてもよい。
【0096】
このように、上記構成とされた壁部91を備えることで、ドレン水による波が発生した際、壁部91に波を衝突させて、波を小さくすることができる。また、壁部91の高さを第2側面33bと向かい合うことの可能な高さにすることで、壁部91によりドレン水がファン28側に移動することを抑制できる。
【0097】
(7)第7の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(4)または(5)のうち、いずれか一項の車両用空調装置の室内機22であって、前記ドレンパン35は、前記第1側面33a側に配置され、前記熱交換器33の中央の下方に前記ドレン水を導く第1の傾斜面61aを含む第1の傾斜部61と、前記第2側面33b側に配置され、前記熱交換器33の中央の下方に前記ドレン水を導く第2の傾斜面62aを含む第2の傾斜部62と、を有し、前記プレート本体71は、鉛直方向において、前記第1及び第2の傾斜部61,62が形成された領域の範囲内に配置されていてもよい。
【0098】
このように、上記構成とされた第1及び第2の傾斜部61,62を有することで、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間にはドレン水が溜まりやすくなる。つまり、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった際、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間に溜められたドレン水の液面が波打ちやすくなる。
【0099】
そこで、Z方向において、第1及び第2の傾斜部61,62が形成された領域(傾斜部形成領域C)の範囲内にプレート本体71を配置させることで、ファン28の吸い込む力が強くなり、筐体26内が負圧となった際、第1の傾斜部61と第2の傾斜部62との間に溜められたドレンの液面が波打つことを抑制できる。
【0100】
(8)第8の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(2)から(7)のうち、いずれか一項の車両用空調装置12の室内機22,90であって、前記ドレンパン35は、前記第1側面33a側に配置された前記ドレンパン35の上端部を構成するとともに、前記第1側面33aに向かう方向に突出する返し部69を有してもよい。
【0101】
このような構成とされた返し部69を有することで、ドレン水が飛び出した際、第1側面33a側に位置する筐体26とドレンパン35との隙間からドレン水が漏れることを抑制できる。
【0102】
(9)第9の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(2)から(8)のうち、いずれか一項の車両用空調装置12の室内機22,90であって、前記筐体26の下面側には、前記ドレンパン35と向かい合う開口部46が形成されており、前記開口部46を区画する前記筐体26の端部のうち、前記第2側面33bと向かい合う部分は、前記ドレンパン35の上方を覆ってもよい。
【0103】
このような構成とされた突出部45Cを有することで、ドレン水が飛び出した際、ドレン水がファン28側に移動することを抑制可能となる。これにより、第2側面33b側に位置する筐体26とドレンパン35との隙間からドレン水が漏れたり、ファン28を介して、筐体26の外側にドレン水が吹き出されたりすることを抑制できる。
【0104】
(10)第10の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(1)から(10)のうち、いずれか一項の車両用空調装置12の室内機22,90であって、前記ドレンパン35は、前記ドレン水を排出するドレン排出口68を側部に有し、前記熱交換器33の下端は、前記ドレン排出口68の中心位置Eよりも上方に配置されており、前記プレート本体71は、前記ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつ前記ドレン排出口68の中心位置Eよりも下方に配置されていてもよい。
【0105】
このように、ドレンパン35の底面58aよりも上方で、かつドレン排出口68の中心位置Eよりも下方にプレート本体71を配置させることで、ドレンパン35に溜められたドレン水が室内機22,90の外部に漏れ出ることを抑制できるとともに、ドレン排出口68が詰まり傾向になることを抑制できる。
【0106】
(11)第11の態様に係る車両用空調装置12の室内機22,90は、(1)から(10)のうち、いずれか一項の車両用空調装置12の室内機22,90であって、前記プレート39は、複数の貫通孔が設けられた金属製プレートであってもよい。
【0107】
このように、プレート39として複数の貫通孔が設けられた金属製プレートを用いることで、ドレン水の液面がプレート39よりも下方にあるときにドレン水の波が発生した場合には、プレート39を蓋として機能させることができる。
一方、ドレン水の液面がプレート39の上面よりも上方にあるときにドレン水の波が発生した場合には、貫通孔を通水するドレン水に抵抗を付与することで、ドレン水の波を小さくすることができる。また、プレート39として金属製プレートを用いることで、プレート39の耐久性を向上させることが可能となるので、プレート39の交換頻度を低減させることができる。
【0108】
(12)第12の態様に係る車両10は、(1)から(11)のうち、いずれか一項記載の室内機22,90と、前記室内機22,90と接続され、前記車両10の室外に配置された室外機21と、前記室内機22及び前記室外機21が取り付けられた車両本体11と、を備えてもよい。
【0109】
このような構成とされた車両10では、室内機22,90からのドレン水の飛び出しを抑制することができる。
【課題】本開示は、ドレンパンに溜めることの可能なドレン水の容量を確保しつつ、かつ熱交換器の性能低下を回避して、ドレンパンに溜められたドレン水が室内機の外部に漏れ出ることを抑制可能な車両用空調装置の室内機、及び車両を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用空調装置の室内機は、筐体内に収容され、筐体内の空気を熱交換させて空調風を生成する熱交換器と、熱交換器の下方に空間を介在させて配置され、熱交換器で生成されたドレン水を受け止めるドレンパンと、ドレンパンの内部であって、ドレンパンの底面よりも上方で、かつ熱交換器の下端よりも下方に配置されてドレンパンに溜められたドレン水の波打ちを抑制する通水性のプレート本体を含むプレートと、を備える。