(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記物体検知部は、カメラ、レーダ、LiDAR、ソナー、及び超音波センサの少なくともいずれかを用いて前記自移動体の周囲の物体を検知する、請求項1に記載の移動体。
前記物体情報送信部は、前記自移動体を起点とした前記物体の相対位置を示す前記位置情報を含む前記第1物体情報を前記光無線通信又は前記電波通信によって前記他移動体に送信する、請求項1又は2に記載の移動体。
前記移動制御部は、前記光無線通信の光軸に進入することが予測される物体である進入物の位置及び移動方向に基づいて、前記光無線通信の光軸に前記進入物が位置しないように前記自移動体の移動を制御する、請求項1から5のいずれか一項に記載の移動体。
前記移動制御部は、前記光無線通信又は前記電波通信によって前記他移動体と通信することにより、前記自移動体と前記他移動体とのいずれが移動するかを決定し、前記自移動体が移動すると決定した場合、前記光無線通信の光軸に前記進入物が位置しないように前記自移動体の移動を制御する、請求項6に記載の移動体。
前記移動制御部は、前記進入物の位置及び移動方向と、前記自移動体と前記自移動体の周囲の物体との位置関係と、前記他移動体と前記他移動体の周囲の物体との位置関係とに基づいて、前記自移動体と前記他移動体とのいずれが移動するかを決定する、請求項7に記載の移動体。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、無人航空機100の一例を概略的に示す。無人航空機100は、移動体の一例であってよい。無人航空機100は、他の無人航空機100との間で光無線通信を実行する機能を有する。
【0013】
本実施形態に係る無人航空機100は、周囲の物体を検知して、当該物体の位置情報を含む物体情報を光無線通信又は電波通信によって他の無人航空機100と共有し、共有情報に基づいて、無人航空機100と他の無人航空機100との間の光無線通信の光軸に物体が位置しないように、無人航空機100の移動を制御する。
【0014】
光無線通信は、高速通信が可能である、水中のように電波による通信が実行できない環境でも通信可能である、等の特徴を有し、有効な通信手段であるが、光無線通信の光軸が遮蔽されると通信できないという課題がある。本実施形態に係る無人航空機100は、周囲の物体を検知するためのセンサを搭載し、検知した物体の情報を光無線通信の通信相手と共有し、光軸を遮蔽する又は光軸を遮蔽しそうな物体を認識して、光軸の見通しを確保するように自機の移動を制御する。
【0015】
無人航空機100は、例えば、検知した物体の情報を光無線通信によって通信相手と共有する。また、無人航空機100は、検知した物体の情報を電波通信によって通信相手と共有してもよい。無人航空機100は、例えば、電波通信によって通信相手と直接通信することによって、検知した物体の情報を通信相手と共有する。電波通信の方式は、任意の方式であってよい。電波通信の方式の例として、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、及び920MHz帯を用いた機体間通信等が挙げられる。また、無人航空機100は、例えば、無線基地局及びWiFiアクセスポイント等を介した電波通信によって、通信相手と通信することによって、検知した物体の情報を通信相手と共有してもよい。無人航空機100が準拠する移動体通信方式は、3G(3rd Generation)通信方式、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれであってもよい。
【0016】
無人航空機100は、ジンバル108と、ジンバル108によって回転可能に支持された通信ユニット110とを備える。ジンバル108は、1軸以上のジンバルである。ジンバル108は、例えば、2軸ジンバル又は3軸ジンバルである。通信ユニット110は、カメラ112及び光無線通信部114を有する。また、無人航空機100は、ミリ波レーダ123及びLiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)124を備える。
【0017】
カメラ112、ミリ波レーダ123、及びLiDAR124は、無人航空機100の周囲の物体を検知するセンサの例であってよい。無人航空機100は、これらのうちの1つのみを備えてもよく、また、これらのうちの2つのみを備えてもよい。また、無人航空機100は、これら以外のセンサを備えてもよい。例えば、無人航空機100は、超音波センサを備える。また、例えば、無人航空機100は、ソナーを備える。
【0018】
光無線通信部114は、発光ポート116及び受光ポート118を有する。光無線通信部114による光無線通信に用いられる光の種類は任意の種類であってよく、例えば、赤外線から可視光線までの間の波長の光が用いられる。
【0019】
例えば、可視光を用いる場合、各種波長のLED(Light Emitting Diode)を安価に入手することができるので、多重波長の重畳による広帯域化が容易であったり、無人航空機100の製造コストを低減したりすることができる。また、例えば、赤外線を用いる場合、赤外線は波長が可視光より長いので、小出力で遠距離まで届かせることができる。また、目に安全であるとともに、肉眼では見えないので、通信していることを秘匿できる。
【0020】
カメラ112は、光無線通信部114の光無線通信方向を撮像する。カメラ112は、例えば、発光ポート116による発光方向を撮像する。光無線通信部114の光無線通信方向のベクトルと、カメラ112による撮像主方向のベクトルとは、同一であってよい。カメラ112による撮像主方向とは、例えば、カメラ112が備えるレンズの光軸の方向である。
【0021】
光無線通信は指向性が高く、通信対象同士の通信ポートの光軸が一致していなければ通信をすることができない。本実施形態に係る無人航空機100は、光無線通信部114の光軸と、通信相手の光無線通信部の光軸とを自動的に一致させるための機構を有する。
【0022】
例えば、無人航空機100(自機と記載する場合がある。)と、通信相手の無人航空機100(通信相手機と記載する場合がある。)とは、それぞれのカメラ112によって撮像される撮像画像を解析してお互いを認識し、ジンバル108によって通信ユニット110の角度を継続的に調整することによって、お互いをトラッキングする。そして、自機及び通信相手機は、カメラ112による撮像画像によって、お互いの光無線通信部114の光軸が一致していると判定した場合に、光無線通信リンクを確立する。
【0023】
光無線通信リンクが確立した後は、自機と通信相手機とが、それぞれのカメラ112によって撮像される撮像画像をお互いに認識し、ジンバル108によって通信ユニット110の角度を調整することによって、お互いのトラッキングを継続し、互いの光無線通信部114の光軸が一致している状態を維持する。
【0024】
無人航空機100は、各センサによって、無人航空機100の周囲の物体を検知する。無人航空機100は、例えば、カメラ112によって、無人航空機100の前方の物体を検知する。また、無人航空機100は、例えば、ミリ波レーダ123によって、無人航空機100の全周方向の物体を検知する。また、無人航空機100は、例えば、LiDAR124によって、無人航空機100の全周方向の物体を検知する。
【0025】
無人航空機100は、物体の位置を示す位置情報を取得してよい。無人航空機100は、例えば、無人航空機100の位置を起点とする、物体の相対位置を示す位置情報を取得する。また、無人航空機100は、物体の絶対位置を取得してもよい。無人航空機100は、物体の移動状況を取得してもよい。例えば、無人航空機100は、物体の移動方向を取得する。また、例えば、無人航空機100は、物体の移動速度を取得する。
【0026】
無人航空機100は、例えば、カメラ112によって連続して撮像された撮像画像を解析することによって、物体の位置情報及び物体の移動状況を取得する。また、無人航空機100は、LiDAR124から、物体の位置情報及び物体の移動状況を取得してもよい。
【0027】
LiDAR124は、いわゆる画像LiDARであってよい。また、LiDAR124は、いわゆるFMCW(Frequency−Modulated Continuous Wave) LiDARであってもよい。また、LiDAR124は、ドップラーLiDARであってもよい。
【0028】
図1に示す例において、一方の無人航空機100は、壁230の物体情報を光無線通信又は電波通信によって他方の無人航空機100に送信する。また、他方の無人航空機100は、航空機210の物体情報及び車両220の物体情報を光無線通信又は電波通信によって一方の無人航空機100に送信する。これにより、両方の無人航空機100が、航空機210、車両220、及び壁230の状況を把握することができる。
【0029】
図2及び
図3は、無人航空機100の移動の一例を概略的に示す。ここでは、第1の無人航空機100と第2の無人航空機100とが周囲の物体の物体情報を共有して、第1の無人航空機100と第2の無人航空機100との光無線通信の光軸115に航空機210が位置しないように第1の無人航空機100が移動する場合を例に挙げて説明する。
【0030】
第1の無人航空機100と第2の無人航空機100とは、共有している物体情報によって、航空機210が光軸115に進入することを予測する。第1の無人航空機100と第2の無人航空機100とは、光無線通信によって、航空機210が光軸115に進入しようとしていることを共有し、いずれが移動するかを決定する。
【0031】
第1の無人航空機100と第2の無人航空機100とは、いずれか一方が移動することを決定してもよく、また、両方が移動することを決定してもよい。ここでは、第1の無人航空機100が移動することを決定したものとして説明を続ける。
【0032】
第1の無人航空機100は、光軸115に航空機210が位置しないように移動する。第1の無人航空機100は、共有している物体情報を参照して、第2の無人航空機100との間で光無線通信を維持しつつ、他の物体に衝突しない移動経路を決定して、決定した移動経路を移動してよい。第1の無人航空機100が移動することによって、航空機210によって、光無線通信が遮断されてしまうことを防止でき、光無線通信を維持することができる。
【0033】
第1の無人航空機100と第2の無人航空機100とは、物体によって光軸が遮蔽されてしまっても、電波通信によってお互いの位置情報を共有し、遮蔽状態から脱する方向へ移動することで光無線通信を再接続することができる。
【0034】
図4は、無人航空機100の構成の一例を概略的に示す。無人航空機100は、本体部102、プロペラ104、脚部106、ジンバル108、通信ユニット110、ミリ波レーダ123、及びLiDAR124を備える。
【0035】
本体部102は、GNSSユニット120、加速度センサ121、ジャイロセンサ122、及び制御装置130を備える。GNSSユニット120は、無人航空機100の位置を特定して、位置情報を出力する。加速度センサ121は、加速度を検出する。ジャイロセンサ122は、角速度を検出する。
【0036】
制御装置130は、無人航空機100を制御する。制御装置130は、移動制御部132、通信制御部134、及び物体検知部136を有する。
【0037】
移動制御部132は、無人航空機100の移動を制御する。移動制御部132は、各種センサから出力される情報に基づいてプロペラ104を制御することによって、無人航空機100の飛行制御を実行する。移動制御部132は、外部からの操縦に従って、無人航空機100の移動を制御してよい。また、移動制御部132は、運行計画を示す情報を参照して、運行計画で定められた経路を飛行するように無人航空機100の移動を制御してもよい。
【0038】
通信制御部134は、無人航空機100の通信を制御する。通信制御部134は、光無線通信部114による光無線通信を制御する。
【0039】
通信制御部134は、不図示のアンテナを介して、他の無人航空機100と電波通信してよい。通信制御部134は、例えば、WiFi通信によって、他の無人航空機100と電波通信する。また、通信制御部134は、例えば、Bluetooth通信によって、他の無人航空機100と電波通信する。また、通信制御部134は、例えば、920MHz帯を用いた機体間通信によって、他の無人航空機100と電波通信する。
【0040】
通信制御部134は、不図示のアンテナを介して、無線基地局と通信してもよい。通信制御部134は、無線基地局を介して、移動体通信ネットワークを介した通信を実行してよい。移動体通信ネットワークは、3G(3rd Generation)通信方式、LTE(Long Term Evolution)通信方式、5G(5th Generation)通信方式、及び6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式のいずれに準拠していてよい。通信制御部134は、WiFi(登録商標)アクセスポイント等を介して、移動体通信ネットワークにアクセスしてもよい。
【0041】
物体検知部136は、無人航空機100(自機と記載する場合がある。)の周囲の物体を検知する。物体検知部136は、カメラ112、ミリ波レーダ123、及びLiDAR124の少なくともいずれかを用いて、自機の周囲の物体を検知してよい。
【0042】
物体検知部136は、物体の移動状況を検知してもよい。物体検知部136は、例えば、物体の移動方向を検知する。また、物体検知部136は、例えば、物体の移動速度を検知する。
【0043】
通信制御部134は、物体検知部136が検知した物体の位置情報を含む物体情報(自機物体情報と記載する場合がある。)を、光無線通信の通信相手である無人航空機100(通信相手機と記載する場合がある。)に送信してよい。通信制御部134は、例えば、自機物体情報を、光無線通信部114による光無線通信によって通信相手機に送信する。また、通信制御部134は、例えば、自機物体情報を、電波通信によって通信相手機に送信する。物体の位置情報は、自機を起点とした物体の相対位置を示してよい。また、物体の位置情報は、絶対位置を示してもよい。通信制御部134は、物体検知部136が検知した物体の移動状況をさらに含む物体情報を通信相手機に送信してもよい。通信制御部134は、物体情報送信部の一例であってよい。
【0044】
通信制御部134は、また、通信相手機の周囲の物体の位置情報を含む物体情報(他機物体情報と記載する場合がある。)を、通信相手機から受信してよい。通信制御部134は、例えば、他機物体情報を、光無線通信部114による光無線通信によって通信相手機から受信する。また、通信制御部134は、例えば、他機物体情報を、電波通信によって通信相手機から受信する。物体の位置情報は、通信相手機を起点とした物体の相対位置を示してよい。また、物体の位置情報は、絶対位置を示してもよい。通信制御部134は、物体の移動状況をさらに含む物体情報を通信相手機から受信してもよい。通信制御部134は、物体情報受信部の一例であってよい。
【0045】
移動制御部132は、自機物体情報及び他機物体情報に基づいて、光無線通信部114による光無線通信の光軸に物体が位置しないように、自機の移動を制御してよい。移動制御部132は、自機物体情報に含まれる物体の位置情報及び移動状況と、他機物体情報に含まれる物体の位置情報及び移動状況とを用いて、光無線通信部114の光軸115に物体が進入することを予測してよい。ここでいう進入は、物体が移動することによって光軸115に進んで入ることも、自機及び通信相手機の少なくともいずれかが移動することによって物体が光軸115に進んで入ることも、物体と、自機及び通信相手機の少なくともいずれかが移動することによって物体が光軸115に進んで入ることも含む。
【0046】
移動制御部132は、光無線通信部114の光軸115に進入することが予測される物体である進入物の位置に基づいて、光無線通信部114の光軸115に進入物が位置しないように自機の移動を制御してよい。移動制御部132は、進入物の位置、移動方向、及び移動速度に基づいて、光無線通信部114の光軸115に進入物が位置しないように自機の移動を制御してもよい。
【0047】
移動制御部132は、通信制御部134を介して、光無線通信部114による光無線通信によって通信相手機と通信することにより、自機と通信相手機とのいずれが移動するかを決定し、自機のみ又は両方が移動すると決定した場合に、光無線通信部114の光軸115に進入物が位置しないように自機の移動を制御してよい。
【0048】
移動制御部132は、進入物の位置と、自機と自機の周囲の物体との位置関係と、通信相手機と通信相手機の周囲の物体との位置関係とに基づいて、自機と通信相手機とのいずれが移動するかを決定してよい。移動制御部132は、進入物が移動している場合、進入物の位置、移動方向及び移動速度と、自機と自機の周囲の物体との位置関係と、通信相手機と通信相手機の周囲の物体との位置関係とに基づいて、自機と通信相手機とのいずれが移動するかを決定してもよい。
【0049】
移動制御部132は、例えば、自機及び通信相手機のうち、進入物により近い方が、進入物が光軸115に進入することを防ぐための移動(遮蔽防止移動と記載する場合がある。)を行うと決定する。移動制御部132は、自機及び通信相手機のうち、周囲の物体の数がより少ない方が、遮蔽防止移動を行うと決定してもよい。移動制御部132は、自機及び通信相手機のうち、一方のみが、運行計画で定められた経路を飛行している場合、運行計画で定められた経路を飛行していない方が、遮蔽防止移動を行うと決定してもよい。
【0050】
移動制御部132は、例えば、進入物が静止しており、自機及び通信相手機が移動することによって、進入物が光無線通信部114の光軸115に進入しようとしている場合、自機と通信相手機とのうち、進入物に接近する運動を行っている方が、遮蔽防止移動を行うと決定する。また、移動制御部132は、例えば、進入物が移動している場合、自機と通信相手機とのうち、進入物の移動ベクトルに近い移動ベクトルで移動している方が、遮蔽防止移動を行うと決定する。
【0051】
移動制御部132は、自機が遮蔽防止移動を行うと決定した場合、周囲の物体が存在しない方向に自機を移動させる。また、移動制御部132は、法令で定められたエリアを逸脱しないような方向に自機を移動させる。例えば、移動制御部132は、DID(Densely Inhabited District)及び空港上空等に入らない方向に自機を移動させる。
【0052】
また、移動制御部132は、自機が運行計画で定められた経路を飛行している場合、経路に沿った方向に遮蔽防止移動を行う。経路に沿った方向では、進入物による光軸115の遮蔽を回避できない場合、移動制御部132は、経路への復帰が容易な方向に自機を移動させる。例えば、移動制御部132は、経路に沿った移動ベクトルに対する変化がより少ないベクトル方向に無人航空機100を移動させる。例えば、経路に沿った移動方向とは真逆の方向に移動してしまうと、経路に復帰するための負荷が高まってしまうが、経路に沿った移動方向に対する角度の変化がより少ない方向に移動することによって、経路への復帰をより容易にすることができる。
【0053】
図5は、無人航空機100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、自機が通信相手機と光無線通信を実行しており、定期的に物体情報を共有している状態を開始状態として説明する。
【0054】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、移動制御部132が、共有している物体情報に基づいて、自機と通信相手機との光無線通信部114の光軸115に接近する移動物体を検索する。移動物体を検知した場合(S104でYES)、S106に進み、検知していない場合(S104でNO)、S102に戻る。
【0055】
S106では、移動制御部132が、移動物体が上昇しているか否かを判定する。上昇していると判定した場合、S108に進み、上昇していないと判定した場合、S110に進む。S108では、移動制御部132が自機を下降させる。このとき、通信相手機も自らを下降させる。S110では、移動制御部132が時期を上昇させる。このとき、通信相手機も自らを下降させる。このように移動物体の上昇下降方向とは逆の方向に自機及び通信相手機が移動することによって、一旦遮蔽を回避した後に、また航空機210が光軸115に近づいてしまうという事態の発生を抑制することができる。
【0056】
S112では、移動制御部132が、光軸115が移動物体の移動方向から外れたか否かを判定する。外れていないと判定した場合、S106に戻り、外れたと判定した場合、S114に進む。
【0057】
S114では、移動制御部132が、光軸115の遮蔽を回避するための処理を終了させるか否かを判定する。移動制御部132は、例えば、終了指示を受領していた場合、終了と判定し、受領していない場合、終了しないと判定する。終了しないと判定した場合、S102に戻る。
【0058】
図6は、システム30の一例を概略的に示す。システム30は、複数の無人航空機100と、それぞれがケーブル302を介して無人航空機100と連結される複数の無線基地局300とを備える。
図6では、システム30が、第1の無人航空機100及び第1の無線基地局300と、第2の無人航空機100及び第2の無線基地局300との2組を備える場合を例示している。
【0059】
第1の無人航空機100は、第2の無人航空機100との間で光無線通信を実行する。第1の無人航空機100は、第1の無人航空機100による第2の無人航空機100との光無線通信を介して、第2の無線基地局300と通信する。このように、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300とが、第1の無人航空機100と第2の無人航空機100との間の光無線通信を介して通信するように構成することによって、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300との間にケーブルを敷設することが困難な場所に、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300とを設置することができる。
【0060】
第1の無線基地局300と第2の無線基地局300とのそれぞれに、固定の光無線通信部を設置することによっても、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300とを通信可能にできるが、その場合、光無線通信部の光軸に、鳥及び無人航空機等の物体が位置すると、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300との通信が切断されてしまう。それに対して、本実施形態に係る第1の無人航空機100及び第2の無人航空機100によれば、光無線通信の光軸に物体が位置しないように適宜移動することによって、第1の無線基地局300と第2の無線基地局300との間の通信を維持することができる。
【0061】
なお、
図6では、2つの無人航空機100のそれぞれがケーブル302を介して無線基地局300に連結される例を挙げたが、これに限らない。例えば、一方の無人航空機100がケーブル302を介して無線基地局300に連結され、他方の無人航空機100がケーブル302を介して船に連結される。これにより、無人航空機100の光無線通信を介した、無線基地局300と船との通信を実現することができる。2つの無人航空機100は、通信を実行させたい任意の対象のそれぞれに連結されてよい。
【0062】
図7は、水中移動体400の一例を概略的に示す。
図1から
図6では、移動体の例として主に無人航空機100を挙げたが、これに限らない。移動体の例としては、飛行機、ヘリコプター、及び自動車等が挙げられる。また、
図7に示すように、水中を移動する水中移動体400もその例として挙げられる。
【0063】
水中移動体400は、水中移動機構404、通信ユニット410、及び水中LiDAR424を備える。通信ユニット410は、通信ユニット110と同様であってよい。
【0064】
また、水中移動体400は、不図示のGNSSユニット、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び制御装置を備える。GNSSユニット、加速度センサ、ジャイロセンサ、及び制御装置は、GNSSユニット120、加速度センサ121、ジャイロセンサ122、及び制御装置130と同様であってよい。
【0065】
水中移動体400は、無人航空機100と同様に動作可能である。水中移動体400は、他の水中移動体400との間で光無線通信を実行する。水中移動体400は、周囲の物体の物体情報を他の水中移動体400に光無線通信によって送信するとともに、他の水中移動体400の周囲の物体の物体情報を他の水中移動体400から光無線通信によって受信することにより、物体情報を共有する。水中移動体400は、共有している物体情報に基づいて、光無線通信の光軸に物体が位置しないように水中移動体400の移動を制御する。
【0066】
水中移動体400は、例えば、
図7に示すように、ケーブル502を介して潜水船500に連結される。水中移動体400が連結された潜水船500は、水中移動体400を介して、他の潜水船500と通信することができる。水中では、電波による通信を実現することが難しいが、本実施形態に係る水中移動体400によれば、潜水船500等の水中の機器同士を容易に通信可能にすることができる。
【0067】
図8は、制御装置130として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0068】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0069】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0070】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0071】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0072】
プログラムは、ICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0073】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0074】
また、CPU1212は、記憶装置1224、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0075】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0076】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0077】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0078】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0081】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0082】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【解決手段】移動体であって、他移動体との間で光無線通信を実行する光無線通信部と、自移動体の周囲の物体を検知する物体検知部と、物体の位置情報を含む第1物体情報を光無線通信又は電波通信によって他移動体に送信する物体情報送信部と、他移動体の周囲の物体の位置情報を含む第2物体情報を光無線通信又は電波通信によって他移動体から受信する物体情報受信部と、第1物体情報及び第2物体情報に基づいて、光無線通信の光軸に物体が位置しないように自移動体の移動を制御する移動制御部とを備える移動体を提供する。