特許第6656518号(P6656518)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656518
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   A63F7/02 315A
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】1
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-209742(P2015-209742)
(22)【出願日】2015年10月26日
(65)【公開番号】特開2016-107072(P2016-107072A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-241569(P2014-241569)
(32)【優先日】2014年11月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜一
(74)【代理人】
【識別番号】100089082
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 脩
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(74)【代理人】
【識別番号】100067596
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 求馬
(72)【発明者】
【氏名】海野 達也
【審査官】 武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−248206(JP,A)
【文献】 特開2012−249705(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が通過することにより抽選の契機となる作動口と、
開閉作動する普通電動役物と、
遊技球が常時入球可能な第1の始動口と、
前記普通電動役物に設けられた第2の始動口と、
前記第1の始動口又は前記第2の始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、を備え、
前記抽選により、当りと判定された場合は、前記普通電動役物を開閉作動させる当り遊技期間と、
前記当否判定により、大当りと判定された場合には、大入賞口を開閉作動させる大当り遊技を開始させる図柄当りと、
当りと判定された場合は、前記大入賞口を開閉動作させる小当り遊技を開始させ、該小当り遊技で前記大入賞口内に設けられた特定領域へ遊技球が入球することで前記大当り遊技へ移行可能とする役物当りと、を実施可能で、
前記大当り遊技の終了後に、前記普通電動役物の開放動作が延長される開放延長遊技を実施可能な遊技機において、
発射された遊技球が流下する遊技領域は、遊技球を第1の発射強度で発射したときに遊技球が主に流下可能な第1の遊技領域と、前記第1の発射強度よりも強い第2の発射強度で発射したときに遊技球が主に流下可能な第2の遊技領域と、に分けられ、
前記第1の遊技領域には、少なくとも、前記第1の始動口が設けられ、
前記第2の遊技領域には、少なくとも、前記作動口、前記普通電動役物、前記第2の始動口、前記大入賞口が設けられ、
前記大入賞口は前記普通電動役物の下流に配置され、
記開放延長遊技には、
記当り遊技期間に基づいて前記大入賞口への遊技球の入球が困難な第1の状態と、
前記第1の状態よりも前記大入賞口への遊技球の入球が容易な第2の状態と、を備え、
前記第1の状態と前記第2の状態とは、前記開放延長遊技の開始からの前記当否判定に伴う特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に、前記第1の状態から前記第2の状態へ又は前記第2の状態から前記第1の状態へ移行するように構成されたことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動口への入球に起因し当否判定を行い、判定が小当り時に特定領域に入球することにより大当り遊技への移行を可能とする遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機には、始動口への入球に起因して特別図柄の変動を伴う当否判定を行い、判定結果が大当りであれば大入賞口を長時間開放する大当り遊技が実施される「第1種」の遊技性を備え、大当り遊技終了後に、始動口を開閉する普通電動役物の開放時間が延長される開放延長遊技を実施可能としたものがある(例えば特許文献1参照)。これによれば、通常遊技時は勿論、開放延長遊技時においても図柄の変動演出で楽しむ遊技構成であり、更に開放延長遊技においては特別図柄の当否判定の回数が増えるので、短い時間で大当りが狙える。
【0003】
従来の他の遊技機として、前記「第1種」の遊技性と、特別図柄の判定結果が小当りであればVゾーン(特定領域)を備えた大入賞口を短時間開放する小当り遊技が実施され、前記Vゾーンへの入球により大当り遊技が実施される「第2種」の遊技性とを兼ね備えた「混合機」がある(例えば特許文献2参照)。
この種の遊技機は、通常遊技では図柄の並びにより大当り(図柄当り)を狙う遊技を行い、開放延長遊技では小当りにて大入賞口内のVゾーンへの入球を狙う遊技を行うことにより、短時間での大当り(役物当り)発生を実現させる遊技構成とている。
短時間で役物当りの発生が可能な理由は、Vゾーンへの入賞率がおよそ10分の1と高い確率とされるため、確率変動機能を備えた遊技機よりも高い大当り発生率を実現できる場合がある点や、大入賞口内に入球した遊技球がVゾーンへ入るか否かで結果がわかるため図柄変動での変動演出などはそれ程必要なく変動時間を極限まで短縮できる点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−113189号公報
【特許文献2】特開2012−050608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の遊技機の前者と後者とでは、遊技構成の相違から同じ開放延長遊技状態でも興趣のポイントが大きく異なる。しかしながら後者の混合機では、開放延長遊技状態において、スピード感のある役物当りを狙った遊技を楽しむことができるものの、図柄演出を伴う図柄当りを狙った遊技を充分に楽しむことができるとは言えない。
そこで本発明は、小当り遊技を実施する遊技機において、遊技が単調とならず、高い遊技性を有する遊技機を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
遊技球が通過することにより抽選の契機となる作動口と、
開閉作動する普通電動役物と、
遊技球が常時入球可能な第1の始動口と、
前記普通電動役物に設けられた第2の始動口と、
前記第1の始動口又は前記第2の始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、を備え、
前記抽選により、当りと判定された場合は、前記普通電動役物を開閉作動させる当り遊技期間と、
前記当否判定により、大当りと判定された場合には、大入賞口を開閉作動させる大当り遊技を開始させる図柄当りと、
当りと判定された場合は、前記大入賞口を開閉動作させる小当り遊技を開始させ、該小当り遊技で前記大入賞口内に設けられた特定領域へ遊技球が入球することで前記大当り遊技へ移行可能とする役物当りと、を実施可能で、
前記大当り遊技の終了後に、前記普通電動役物の開放動作が延長される開放延長遊技を実施可能な遊技機において、
発射された遊技球が流下する遊技領域は、遊技球を第1の発射強度で発射したときに遊技球が主に流下可能な第1の遊技領域と、前記第1の発射強度よりも強い第2の発射強度で発射したときに遊技球が主に流下可能な第2の遊技領域と、に分けられ、
前記第1の遊技領域には、少なくとも、前記第1の始動口が設けられ、
前記第2の遊技領域には、少なくとも、前記作動口、前記普通電動役物、前記第2の始動口、前記大入賞口が設けられ、
前記大入賞口は前記普通電動役物の下流に配置され、
記開放延長遊技には、
記当り遊技期間に基づいて前記大入賞口への遊技球の入球が困難な第1の状態と、
前記第1の状態よりも前記大入賞口への遊技球の入球が容易な第2の状態と、を設け、
前記第1の状態と前記第2の状態とは、前記開放延長遊技の開始からの前記当否判定に伴う特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に前記第1の状態から前記第2の状態へ又は前記第2の状態から前記第1の状態へ移行するように構成されたことを特徴とする。
【0007】
これによれば、開放延長遊技の第1の状態の時は、小当り遊技で遊技球が大入賞口には入らず、役物当りが望めないが、当否判定手段により図柄当りする可能性があるため、この間は図柄当りを狙った遊技を楽しむことができる。一方、開放延長遊技の第2の状態の時は、小当り遊技で役物当りを狙う遊技が可能となり、いわゆる従来の混合機での開放延長遊技と同じ感覚で遊技を楽しむことができる。また、特別図柄の変動回数が所定回数に達することを条件に第1の状態から第2の状態に移行させるので、役物当りを主体とする遊技と、図柄当りを主体とする遊技とを好適に切替えることができる。更に、所定回数を大当り図柄に応じて設定するので、役物当りを主体とする遊技の割合と、図柄当りを主体とする遊技の割合とを適宜切替えることができる。
このように、第1の状態と第2の状態とで、異なる遊技を味わうことができ、高い遊技性を発揮することができる。
尚、図柄当りの方が大当り遊技として有利な場合は、第1の状態で開放延長遊技を開始させ、後に第2の状態に切替えて役物当りを目指す構成が望ましい。即ち最初に図柄当りを狙う期間を与え、図柄当りを引けなかった時に役物当りを目指す遊技性となる。逆に役物当りの方が大当り遊技を有利にしている場合は逆の構成、即ち第2の状態で開放延長遊技を開始させた後に第1の状態に切替えて役物当りを目指す構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明を適用した第1の実施形態の遊技機の正面図である。
図2】前記遊技機に設けられた遊技盤の正面図である。
図3】前記遊技盤の第2の遊技領域の説明図である。
図4】前記遊技機の背面図である。
図5】前記遊技機の電気ブロック図である。
図6】前記遊技機の遊技仕様の説明図である。
図7】前記遊技機の主制御装置で実行されるメインルーチンの制御内容を示すフローチャートである。
図8】前記主制御装置で実行される始動口入賞処理の制御内容を示すフローチャートである。
図9】前記主制御装置で実行される特別図柄の特図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図10】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図11】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図12】前記特図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図13】前記遊技機で用いられる大当り図柄に関する説明図である。
図14】前記主制御装置で実行される特図遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図15】前記特図遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図16】前記特図遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図17】前記特図遊技処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図18】前記特図遊技処理の制御内容を示す第5のフローチャートである。
図19】前記特図遊技処理の制御内容を示す第6のフローチャートである。
図20】前記特図遊技処理の制御内容を示す第7のフローチャートである。
図21】前記主制御装置で実行される普通図柄の普図当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図22】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図23】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図24】前記普図当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャートである。
図25】前記主制御装置で実行される普通図柄の当り遊技の遊技内容を設定する普図遊技内容設定処理1の制御内容を示すフローチャートである。
図26】前記主制御装置で実行される普図遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャートである。
図27】前記普図遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャートである。
図28】前記普図遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャートである。
図29】前記遊技機で実行される普通図柄の当り遊技のタイミングチャートを示す図である。
図30】前記遊技機の演出図柄表示装置に表示される演出表示態様を示す図である。
図31】本発明を適用した第2の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される普通図柄の当り遊技の遊技内容を設定する普図遊技内容設定処理2の制御内容を示すフローチャートである。
図32】本発明を適用した第3の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される普通図柄の当り遊技の遊技内容を設定する普図遊技内容設定処理3の制御内容を示すフローチャートである。
図33】前記遊技機で実行される普通図柄の当り遊技のタイミングチャートを示す図である。
図34】前記遊技機で実行される特別図柄の小当り遊技のタイミングチャートを示す図である。
図35】本発明を適用した第4の実施形態の遊技機で実行される普通図柄の当り遊技のタイミングチャートを示す図である。
図36】本発明を適用した第5の実施形態の遊技機の主制御装置で実行される普通図柄の当り遊技の遊技内容を設定する普図遊技内容設定処理4の制御内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明を適用した第1の実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造である。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11及び図略の内枠が開閉可能に設けてある。なお、これら前枠11及び前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(図2)が設けてある。
【0023】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する複数の枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知する複数のLED類が設けてある。
【0024】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。また上皿12には賞球が払い出される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0025】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)CRが隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172及び残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0026】
図2は、本パチンコ機の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。また遊技領域は、そのほぼ中央上方寄りの位置にセンターケース200が装着されている。これにより遊技領域20は、遊技球を所定の強度(第1の発射強度)で発射したときに遊技球が流下する左打ち領域L(第1の遊技領域)と、前記所定の強度よりも強く(第2の発射強度)で発射したときに遊技球が流下する右打ち領域R(第2の遊技領域)とに分けられる。尚、遊技領域20には図示しない多数の遊技釘や風車が植設されている。
センターケース200は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。また演出図柄表示装置21の左上方には補助表示部211が設けられている。尚、センターケース200には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0027】
演出用検出SW511の下流には、演出用検出SW511を通過した遊技球が高い確率で通過(入球)可能な普通図柄(以下、普図という)の普図作動ゲート22(作動口)が設けられている。普図作動ゲート22は遊技球が入球して通過することにより普図の当否抽選が実行される起因となるもので、通過により普図の当り決定用乱数、普図の当り図柄決定乱数、普図のリーチ判定用乱数、普図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。
【0028】
図3に右打ち領域Rの詳細を示し、右打ち領域Rは、流下路203に沿って遊技球が流下するように構成されている。流下路203に沿って流下する遊技球は先ず、演出用検出SW511へ入球しこれを通過することで右打ち領域Rへ入ったことが検知される。
【0029】
演出用検出SW511の下流には、演出用検出SW511を通過した遊技球が高い確率で通過(入球)可能な普通図柄(以下、普図という)の普図作動ゲート22が設けられている。普図作動ゲート22は遊技球が入球して通過することにより普図の当否抽選が実行される起因となるもので、通過により普図の当り決定用乱数、普図の当り図柄決定乱数、普図のリーチ判定用乱数、普図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。
【0030】
普図作動ゲート22の左右両側には遊技球をパチンコ機台内へ取り込むアウト球口205が設けられている。これらは普図作動ゲート22へ入球できなかった遊技球を取り込むもので、即ち遊技球が普図作動ゲート22へ入球し通過する際に球の流下速度が落ちるため、後続の遊技球が前の球に衝突して横にそれたものを取り込むように構成されている。このように普図作動ゲート22へ連続して入球する遊技球はある程度の間隔をおくこととなる。
【0031】
普図作動ゲート22の下流側位置には、可動式の仕切り板からなる普通電動役物(普電役物)24により開閉可能に設けられた第2特図始動口(第2の始動口)24が設けられている。普電役物24及び第2特図始動口25へは普図作動ゲート22を入球、通過した遊技球のみが到達できる構成とされている。
第2特図始動口25は前記普図が当選すると普電役物24が作動して所定の時間開放される。尚、普電役物24は通常、第2特図始動口25を塞ぐようにその上部に突出しており、作動時に後退して第2特図始動口25を開放する。また普電役物24は非作動時において下流側に設けられた第1大入賞口6Aへ遊技球を案内するように流下路の一部をなす。
【0032】
第2特図始動口25は、入球により第2特図の当否判定が実行される起因となる入球口である。第2特図始動口25への入球により第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定乱数、第2特図の変動パターン決定用乱数などの複数種類の乱数が抽出される。これら乱数に応じて第2特図の当否判定が実行され、結果は大当り、小当り、ハズレのいずれかの判定がなされる。尚、本実施形態では、通常遊技時の普図の変動時間は長く、普電役物24の開放時間は短時間に設定しているので、通常遊技時に右打ちしても第2特図始動口25での抽選は開始されないように設計されている。そのため、通常遊技時は左打ちにて第1特図始動口23で大当りを目指すのがメインとなる。
【0033】
普電役物24及び第2特図始動口25の下流位置に設けられた前記第1大入賞口6Aは開閉扉60の開放作動により遊技球が入球可能である。第1大入賞口6Aへは普図作動ゲート22を入球、通過し、普電役物24が非作動で第2特図始動口25へ入球できない遊技球のみが到達できる構成とされている。
第1大入賞口6Aは、第1又は第2特図の当否判定結果が小当りとなり小当り遊技において開閉される。
【0034】
第1大入賞口6Aへ入球した遊技球は入球領域61に送られて、その下流端に並設された特定領域62又は取込み口63のいずれかへ入球する。また入球領域61には特定領域62の上流に進退可能に設けられ、特定領域62を塞ぐように進出して遊技球を取込み口63へ案内する振分部材64が設けられている。
通常、振分部材64は特定領域62の入口を閉じている。振分部材64の作動は、例えば小当り遊技発生時に開閉するようになし、小当りの生起時に決定されるどの小当り図柄であっても一定の開閉作動を行い、第1大入賞口6Aの開閉扉60の開放タイミングで特定領域62へ入球可能、不可能と作動させることが望ましい。
【0035】
その他、振分部材64は、通常遊技、小当り遊技に拘わらず常に一定に開閉作動を繰り返すようにしてもよい。例えば振分部材64を10秒に1回、1秒間、開放するようになし、かつ第2特図の小当り時の変動時間を10秒間とすることにより、特定領域62への入球確率が約10分の1の確率とすることができる。
また、開閉扉60の開放タイミング以外でも、大当り図柄によって大当り遊技後の振分部材64又は開閉扉60の開閉動作パターンを選択したり、小当り図柄によって開閉動作のパターンを選択したりすることも考えられる。大当り図柄ならば、どの図柄で大当りするかによって、小当り遊技から大当り遊技になる可能性が変化させることができるし、小当り図柄ならば、毎回どの小当り図柄で当るかによって大当りになる期待度を異ならせることができる。
【0036】
第1大入賞口6Aの下流には、可動式の仕切り板からなる特別電動役物(特電役物)66により開閉可能とされた第2大入賞口6Bが設けられている。第2大入賞口6Bへは普図作動ゲート22を入球、通過し、普電役物24が非作動で第2特図始動口25へ入球できずにこれを通過し、かつ開閉扉60が非作動で第1大入賞口6Aへ入球できずにこれを通過して下部流路65へ至った遊技球のみが到達できる構成とされている。
第2入賞口6Bは大当り遊技において特電役物66が作動して所定の時間開放される。尚、特電役物66は通常、第2大入賞口6Bを塞ぐようにその上部に突出しており、作動時に後退して第2大入賞口6Bを開放する。また特電役物66は非作動時において第2大入賞口6Bの下流側へ遊技球を案内するように下部流路65の一部をなす。
【0037】
第2大入賞口6Bの下流には、普通入賞口27が、遊技領域20の中央下端部の盤面最下部には遊技球を取込むアウト口206が設けられている(図2)。
【0038】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(図3の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤2の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により前記貸出ボタン171の操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0039】
パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
【0040】
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0041】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0042】
図5は本パチンコ機の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に、サブ制御装置として払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43を具備する構成である。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これら制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチン及びサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない、しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0043】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530及び外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)及び内枠が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23への入球を検出する第1特図始動SW503、第2特図始動口25への入球を検出する第2特図始動SW504、作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、第1大入賞口6Aへの入球を検出する第1カウントSW506、第2大入賞口6Bへの入球を検出する第2カウントSW507、特定領域62への入球を検出する特定領域SW508、普通入賞口27への入球を検出する一般入賞口SW509、及び取込み口63への入球を検出する取込口SW510、右打ち領域Rへの入球を検出する演出用検出SW511等の検出信号が入力される。
【0044】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43へ向けてのコマンドの出力や、図柄表示装置中継端子板533を介して前記補助表示部211に設けられた、第1特図の当否判定結果を示唆する第1特図表示装置28A、第1特図の保留記憶数を示唆する第1特図保留数表示装置281、第2特図の当否判定結果を示唆する第2特図表示装置28B、普図の抽選結果を示唆する普図表示装置29の表示制御を行なう。
【0045】
更に主制御装置40は、遊技盤中継端子板531を介して、第1大入賞口ソレノイド512、第2大入賞口ソレノイド513、振分ソレノイド514、及び普電役物ソレノイド515が接続されている。そして第1大入賞口ソレノイド511又は第2大入賞口ソレノイド512を制御して第1大入賞口6A又は第2大入賞口6Bを開放作動せしめる。また振分ソレノイド515を制御して振分部材64を作動せしめ、普電役物ソレノイド515を制御して第2特図始動口25の普電役物24の開閉作動せしめる。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0046】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンクが空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。また主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。更に、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、精算表示装置173を介して球貸及び精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号を受け付け、CRユニット60とデータを送受し、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させ、CRユニット60に挿入されているプリペイドカードの残高表示を制御する。
【0047】
発射制御装置44は、発射ハンドルの回転操作を検出するスイッチ524、発射停止SW525、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW526等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW526の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14(524)の回動信号及び発射停止SW525の信号に基づいて発射モータ527を制御して遊技球を発射及び停止させる。
【0048】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、遊技ボタン15やジョグダイヤル16の操作を検出する遊技SW528などの操作信号が入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0049】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。
【0050】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、第1特図始動口23への入球に起因して第1特図の当否判定が、第2特図始動口25への入球に起因して第2特図の当否判定が実行される。当否判定に応じて第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bと演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。その後、第1又は第2特図表示装置28A,28Bに第1又は第2特図の確定図柄を、演出図柄表示装置21に第1又は第2特図に対応する擬似演出図柄を確定表示して第1又は第2特図の当否判定の結果を報知する。
判定結果が大当り(図柄当り)となると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して第2の大入賞口6Bが賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技(特別遊技)が実行される。
【0051】
一方、第1又は第2特図の当否判定の結果が小当りでは、これを起因に第1大入賞口6Aが大当り遊技の第2の大入賞口6Bよりも開放回数、開放時間が不利な態様で開放される小当り遊技が実行される。このとき、第1大入賞口6Aの特定領域62へ遊技球が入球することにより前記条件装置が作動し、これにより役物連続作動装置が作動して大当り遊技(役物当り)へ昇格(移行)可能とする基本構成を有する。
【0052】
大当り遊技終了後には、大当りや小当りとなった特図に応じて、普電役物24(第2特図始動口25)の開放時間を延長する(開放延長機能)とともに特図及び普図の平均変動時間を短くする時短機能が付与される時短遊技(開放延長遊技)に移行する可能性がある。
図6は本パチンコ機1の遊技仕様を示し、大当り確率は第1特図及び第2特図ともに199分の1とされ、小当り確率は第1特図が100分の1、第2特図が198分の1とされている。
また時短付与率は第1特図が50%、時短付与率は第1特図が72%とされ、時短回数は第1特図、第2特図ともに100回(図柄変動回数)又は次の大当りまでとされている。
本パチンコ機1は、時短遊技状態では、右打ちを行い、普図の抽選を当選させ、普図の当り遊技の普電役物24の作動により頻繁に開放される第2特図始動口25を狙って第2特図の図柄変動させることとなる。この場合、普図の当り遊技は、普電役物24が開放開始するまでの期間である当り遊技開始期間、普電役物24が開放する開放期間、前記開放が終了して当り遊技が終了するまでの期間である当り遊技終了期間とで構成され、普図の当り遊技の当り遊技終了期間(終了演出の時間)として、演出時間の短い第1終了期間と、演出時間の長い第2終了期間とを設け、これらを遊技の状況に応じて選択し、切替えることで普図の当り遊技時間をコントロールし、これにより第2特図始動口25及び第1大入賞口6Aへの遊技球の入球をコントロールして、第2特図の変動による図柄当り狙った遊技と、第1大入賞口6Aへの入球による役物当りを狙った遊技とのいずれの遊技をも十分に楽しませる構成である。即ち、第1終了期間では普図の当り遊技時間が短くなるので、第2始動口25へは入球するものの、第1大入賞口6Aへの入球が困難で、図柄当りを狙うこととなる。一方、第2終了期間では普図の当り遊技時間が長くなるので、第1大入賞口6Aへの入球が可能で、役物当りを狙うこととなる。
【0053】
以下、作動の詳細を主制御装置40で実行されるプログラム処理に基づいて説明する。
図7は主制御装置40で実行される「メインルーチン」のフローチャートを示し、「メインルーチン」は本処理(S100〜S110,S115)と残余処理(S111)とで構成され、2ms又は4ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S100)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判断(S100:no)なら初期設定(S115)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0054】
正常割り込みなら(S100:yes)、初期値乱数更新処理(S101)、第1又は第2特図の当否判定用の乱数値である大当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S102)、第1又は第2特図の大当り図柄決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S103)、普図の当り決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S104)、第1又は第2特図のリーチに関するリーチ判定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S105)、第1又は第2特図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数(乱数カウンタ)の更新処理(S106)、入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)、各出力処理(S109)、不正監視処理(S110)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S111)をループ処理する。
【0055】
次に、本発明に関わりの深い入賞確認処理(S107)、当否判定処理(S108)及び各出力処理(S109)の一部のサブルーチンについて説明する。
図8に示す「始動口入賞処理」は、第1特図始動口23に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置40に格納(記憶)する。そして第1特図始動口23への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置42に送信する処理となる。本実施形態における記憶可能な保留記憶数は、第1特図始動口23への入球に起因する第1保留記憶数として4個の保留記憶が可能である。
【0056】
本「始動口入賞処理」は、先ず、第1特図始動口SW503により第1特図始動口23への入球を検出したか否か判定する(S200)。入球が無ければ(S200:no)、S204の処理に移行する。入球が有れば(S200:yes)、主制御装置40に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か確認する(S201)。上限値であれば(S201:no)、S204に進み、上限値未満であれば(S201:yes)、S202の処理において第1特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、抽出された各種の乱数を第1保留記憶として記憶し、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する。
続くS203の処理で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置42に送信する。
【0057】
次に図9乃至図12に基づいて第1特図又は第2特図の当否判定を実行する「特図当否判定処理」を説明する。尚、以降の説明において、第1特図又は第2特図を区別する必要がある場合を除き、両者を同等と見做して単に「特図」という。
図9に示すように、「当否判定処理」は、先ず、S300の処理において条件装置の未作動を確認して大当り遊技中か否かを確認する。条件装置が作動中(S300:no)であればリターンする。
条件装置が未作動で大当り遊技中でなければ(S300:yes)、S301の処理において特図の変動が停止中か否かを確認する。変動停止中であれば(S301:yes)、S302の処理において特図の確定図柄が未表示であるか否かを確認する(S302)。
【0058】
前記S302の処理で確定図柄が未表示中であれば(S302:yes)、S303の処理において第2特図始動口25への入球があるか否かを確認する。入球があれば(S303:yes)、S304の処理において第2特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等の各種乱数が抽出され当否判定の対象となる。
一方、第2特図始動口25への入球がなければ(S303:no)、S305の処理において第1特図の保留記憶があるか確認する。
第1特図の保留記憶があれば(S305:yes)、S306の処理にて保留記憶のシフト処理を行う。該シフト処理により保留記憶のうち最も古い保留記憶の乱数が当否判定の対象となる。このように、第1特図よりも第2特図を優先的に当否判定することが望ましい。
第2特図始動口25への入球、第1特図の保留記憶がいずれもなければ(S305:no)、リターンする。
【0059】
前記S304の処理又は前記S306の処理に続いて、図10に示すS310の処理では、当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる乱数の大当り決定用乱数とを対比して当否判定を行い、当否判定が大当り(図柄当り)であるか否かの確認を行う。大当りであれば(S310:yes)、S311の処理にて前記当否判定の対象となる乱数の大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し、S312の処理にて前記当否判定の対象となる乱数の変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態(時短状態、通常状態)によって変動パターン(変動時間)を決定する。
【0060】
次に、S313の大当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り遊技(特別遊技)の内容(第2大入賞口6Bの開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び大当り遊技終了後の遊技状態等の設定を行なう。
その後、S314の処理において前記当否判定結果を示すデータ(大当り、小当り、ハズレの種類、リーチの有り無し、変動時間など)を含んだ特図変動開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に出力するとともに、第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにおいて第1特図又は第2特図を変動表示させる処理を行う。その後、リターンする。
【0061】
前記S310の処理で大当りでなければ(S310:no)、S315の処理において前記大当り判定用乱数の値が前記当否判定用テーブルの小当りの当り値と一致していたか否かを判定する。小当りであれば(S315:yes)、S316の処理にて図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定する。
【0062】
続くS317の変動パターン決定処理では、前記変動パターン決定用乱数の値及び現在の遊技状態によって第1又は第2特図表示装置28A,28Bに表示される第1又は第2特図の小当り用の変動パターンを決定する。
次に、S318の小当り内容設定処理において、前記大当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り遊技の内容(第1大入賞口6Aの開放パターン、オープニング演出時間、エンディング演出時間等)及び小当り遊技終了後の遊技状態等の設定を行なう。更に遊技状態、例えば特定領域への入球率に合わせた小当り遊技時間を設定する。その後、前記S314へ移行してこの処理を行なう。
【0063】
前記S310及びS315の処理で大当りでも小当りでもなければ(S310、S315:no)、当否判定はハズレとなって、S319の処理にてハズレ図柄を決定した後にS320の処理でハズレの変動パターンを決定する。その後、前記S314へ移行してこの処理を行なう。
【0064】
前記図9のS301の処理で特図の変動が停止中でなければ(S301:no)、図11のS330の処理に移行して、特図の変動時間が経過したか確認する。変動時間が経していなければ(S330:no)、リターンする。
一方、変動時間が経過したことを確認すると(S340:yes)、S331の処理においてサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に図柄停止コマンドを送信する。
続くS332の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できれば(S332:yes)、S333の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに大当り図柄を確定表示させる処理を行う。
【0065】
続いてS334の処理において条件装置の作動を開始させ、S335の処理において役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
その後、S336の処理において時短F(フラグ)が「1」(時短中)であることが確認できれば(S336:yes)、S337の処理において時短Fを「0」にリセットする。そしてS338の処理において大当りF(フラグ)に「1」をセットする。その後、リターンする。
【0066】
前記S332の処理において図柄が大当り図柄であることが確認できなければ(S332:no)、S339の処理において図柄が小当り図柄であるか否かを確認する。小当り図柄であることが確認できなければ(S339:no)、S340の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bに小当り図柄を確定表示させる処理を行う。
その後、S341の処理において時短F(フラグ)が「1」(時短中)であることが確認できれば(S341:yes)、S342の処理において時短Fを「0」にリセットする。更にS343の処理において時短遊技の付与回数を制限する時短カウンタのカウント値を記憶する。これにより小当り遊技終了後に時短、小当り発生時の時短回数から継続させる。そしてS344の処理において小当りF(フラグ)に「1」をセットする。その後、リターンする。
【0067】
前記S332及びS339の処理で大当り図柄でも小当り図柄でもなければ(S332、S339:no)、ハズレ図柄であるので、S345の処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bにハズレ図柄を確定表示させる処理を行う。
【0068】
続くS346の処理において時短Fが「1」であるか否かを確認し(時短中であるか否か)、時短Fが「1」であれば(S346:yes)、S347の処理にて前記時短カウンタを減算し、続くS348の処理において減算したカウント値が「0」であるか否かを確認する。カウント値が「0」であれば(S348:yes)、時短が終了となり、S349の処理において時短Fを「0」にリセットする。その後、リターンする。
【0069】
前記図9のS302の処理で確定図柄表示中のときは(S302:no)、図12に示すように、S340の処理において確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S340:yes)、S341の確定図柄表示終了処理において第1特図表示装置28A又は第2特図表示装置28Bの確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ確定図柄表示の終了に関するコマンドを送信し、リターンする。
【0070】
図13は前記S311,S316の処理で決定される大当り図柄、小当り図柄の種類、これらの大当り図柄に対応する大当り(図柄当り)遊技の遊技内容、小当り図柄に対応する小当りから大当り(役物当り)へ移行した大当り遊技の遊技内容等を示す。
第1特図の大当り図柄は「特1大当り図柄1〜4」の4種類である。
「特1大当り図柄1,2」での大当りはいずれも、第2大入賞口6Bを29秒間開放する遊技を1ラウンドとして、これを4ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後に時短遊技に移行されない。
「特1大当り図柄3」の大当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を16ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。更に時短遊技中は、普図の当り遊技において終了演出時間の長い前記第2終了期間(終了インターバル)が設定され、役物当りを狙うこととなる。
「特1大当り図柄4」の大当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を4ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。更に時短遊技中は、特図の変動回数が1〜49回では普図の当り遊技において終了演出時間の短い前記第1終了期間(終了インターバル)が設定され、図柄当りを狙うこととなる。その後、特図の変動回数が50回に達すると、普図の当り遊技の当り遊技において前記第2終了期間に切替えられ役物当りを狙うこととなる。
【0071】
第2特図の大当り図柄は「特1大当り図柄1,2」の2種類である。
「特2大当り図柄1」の大当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を8ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。更に時短遊技中は、特図の変動回数が1〜49回では普図の当り遊技の当り遊技において終了演出時間の短い前記第1終了期間が設定される。その後、特図の変動回数が50回に達すると、普図の当り遊技の当り遊技において前記第2終了期間に切替えられる。
「特2大当り図柄2」の大当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を16ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。更に時短遊技中は、特図の変動回数が1〜69回では普図の当り遊技の当り遊技において終了演出時間の短い前記第1終了期間が設定される。その後、特図の変動回数が70回に達すると、普図の当り遊技の当り遊技において前記第2終了期間に切替えられる。
【0072】
第1特図の小当り図柄は「特1小当り図柄1,2」の2種類である。
「特1小当り図柄1」からの役物当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を15ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後には時短遊技に移行されない。
「特1小当り図柄2」からの役物当りは、前記第2大入賞口6Bの開放を3ラウンド行なう大当り遊技が実施される。大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。時短遊技中は、普図の当り遊技の当り遊技において前記第2終了期間が設定される。
【0073】
第2特図の小当り図柄は「特2小当り図柄1,2」の2種類である。「特2小当り図柄1」の役物当りのときは、前記第2大入賞口6Bの開放を7ラウンド行なう大当り遊技が実施される。
一方、「特2小当り図柄2」の役物当りのときは、前記第2大入賞口6Bの開放を15ラウンド行なう大当り遊技が実施される。
いずれの図柄においても、大当り遊技終了後は、特別図柄の変動回数が100回に達するまで時短遊技とされる。更に時短遊技中は、特図の変動回数が1〜49回では普図の当り遊技の当り遊技において終了演出時間の短い前記第1終了期間が設定される。その後、特図の変動回数が50回に達すると、普図の当り遊技の当り遊技において前記第2終了期間に切替えられる。
尚、第2特図では、図柄変動により直接大当りとなる図柄当りの方が、小当りから発展した役物当りよりも、大当り遊技の内容や時短遊技の内容が有利とされている。
【0074】
次に図14乃至図20に基づいて、主制御装置40で処理され、大当り遊技及び小当り遊技を実施する「特図遊技処理」を説明する。図14に示すように、「特図遊技処理」は先ず、S500の処理において前記大当りFが「0」であるか否かを確認する。大当りFが「0」であれば(S500:yes)、大当りでないので、S501の処理において前記小当りFが「0」であるか否かを確認する。小当りFが「0」であれば(S500:yes)、大当りでも小当りでもないのでリターンする。
【0075】
前記S501の処理で小当りFが「0」でなければ(S501:no)、図15に示すように、S510の処理において小当り開始演出中であるか否かを確認する。小当り演出中であれば(S510:yes)、S511の処理において小当り開始演出時間が経過したか確認し、時間の経過が確認できれば(S511:yes)、続くS512の第1大入賞口開放処理において、第1大入賞口6Aの開閉扉600を前記S413(当否判定処理、図10)で設定された態様で開放せしめる。続くS513の処理において第1大入賞口6Aの特定領域62への入球を検出してこれを有効とする。
【0076】
前記S510の処理において小当り開始演出中でなければ(S510:no)、S514の処理において第1大入賞口6Aが開放中であるか否かを確認する。第1大入賞口6Aが開放中でなければ(S514:no)、S515の処理において前記特定領域62が有効であるか否かを確認する。特定領域62が有効でなければ(S515:no)、S516の処理において小当り終了演出中であるか否かを確認し、小当り終了演出中であれば(S516:yes)、S517の処理において小当り終了演出終了時間であるか否かを確認する。演出終了時間であれば(S517:yes)、続くS518の処理において前記小当りFを「0」にリセットして小当り遊技を終了する。更にS519の処理において前記時短Fに「1」をセットし、小当り遊技終了後に時短を継続させる。尚、この処理では前記S343の処理で記憶された時短カウンタの記憶を時短回数に設定する。その後、リターンする。
【0077】
前記S516の処理において小当り終了演出中でなければ(S516:no)、S520の処理において小当り開始演出処理を行ない、これにより小当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0078】
前記S514の処理において第1大入賞口6Aが開放中であれば(S516:yes)、図16に示すように、S521の処理において第1大入賞口6Aへの入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する。規定数に達したことを確認すれば(S521:yes)、S523の処理において第1大入賞口6Aを閉鎖する。
一方、規定数に達していなければ(S521:no)、S522の処理において第1大入賞口6Aの開放時間が終了したか否かを確認する。開放時間の終了が確認できれば(S522:yes)、前記S523の処理において第1大入賞口6Aを閉鎖する。
【0079】
該S522の処理において第1大入賞口6Aの開放時間が終了していない(S523:no)、又は前記S515の処理において特定領域62が有効(S515:yes)であれば、図17に示すようにS530の処理において特定領域62への入球(入賞)があるか否かを確認する。
【0080】
前記S530の処理において特定領域62への入球があれば(S530:yes)、S531の処理及びS532の処理において条件装置の作動を開始させ、役物連続作動装置の作動を開始させる。
続くS533の処理において第1大入賞口6Aが開放中であることが確認されれば(S533:yes)、S534の処理において第1大入賞口6Aを閉鎖し、更にS535の処理において特定領域62を無効化する。
その後、S536の処理において役物大当り開始演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ役物大当り開始コマンドを送信する。そしてS537の処理において小当りFを「0」にリセットするとともに、S538の処理において大当りFに「1」をセットする。これにより小当りから役物大当りへ移行する。その後、リターンする。
【0081】
前記S530の処理において特定領域62への入球がなければ(S530:no)、S539の処理において特定領域62有効期間が終了したか否かを確認し、有効期間が終了であれば(S539:yes)、S540の処理において小当り終了演出の設定を行ない、これによりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ小当り終了コマンドを送信する。その後、リターンする。
【0082】
前記S500の処理において大当りFが「0」でなく(S500:no)、かつS502の処理において大当りFが「1」であれば(S502:yes)、図18に示すように、S550の処理において第2大入賞口6Bが開放中であるか否かを確認する。開放中でなければ(S550:no)、S551の処理において大当りのインターバル中であるか否かを確認する。
大当りのインターバル中であれば(S551:yes)、S552の処理においてインターバル終了時間であるか否かを確認し、インターバル終了時間であれば(S552:yes)、S553の処理において第2大入賞口6Bを開放する。その後、リターンする。
【0083】
前記S551の処理においてインターバル中でなければ(S551:no)、S554の処理において大当り終了演出中であるか否かを確認し、終了演出中でなければ(S554:no)、S555の処理において大当り開始演出中であるか否かを確認する。
大当り開始演出中であれば(S555:yes)、S556の処理において大当り開始演出時間が経過したか否かを確認し、演出時間の経過を確認できれば(S556:yes)、S557の処理において第2大入賞口6Bを開放する。その後、リターンする。
【0084】
前記S555の処理において大当り開始演出中でなければ(S555:no)、S558の処理において大当り開始演出処理を行ない、これにより大当り開始コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0085】
前記S550の処理において第2大入賞口6Bが開放中であれば(S550:yes)、図19に示すように、S560の処理において第2大入賞口6Bへの入球数が規定数である10個に達したか否かを確認する。規定数に達したことを確認すれば(S560:no)、S562の処理において第2大入賞口6Bを閉鎖する。
一方、規定数に達していなければ(S560:no)、S561の処理において第2大入賞口6Bの開放時間が終了したか否かを確認する。開放時間の終了を確認すれば(S561:yes)、第2大入賞口6Bを閉鎖する(S562)。
【0086】
続くS563の処理において大当りの最終ラウンドが終了したか否かを確認する。最終ラウンドの終了でなければ(S563:no)、S564の処理において開放間インターバル(大当りインターバル)処理を行ない、これにより大当りインターバルコマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
一方、最終ラウンドの終了であれば(S563:yes)、S565の処理において大当り終了演出処理を行ない、これにより大当り終了コマンドをサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ送信する。その後、リターンする。
【0087】
前記S554の処理(図18)において大当り終了演出中であれば(S554:yes)、図20に示すように、S570の処理において大当り終了演出時間が経過したか否かを確認し、演出時間の経過を確認できれば(S570:yes)、S571の処理において前記条件装置を停止する。そしてS572の処理において前記役物連続作動装置を停止する。
【0088】
続くS573の処理において、大当りや小当りとなった特図に応じて、大当り遊技終了後に時短付与するか否かを確認する。時短を付与する場合には(S573:yes)、S574の処理において前記時短Fに「1」をセットする。次にS575の処理において大当り遊技終了後の遊技状態を設定するようになし、時短を付与する場合には時短カウンタに制限回数である「100」を設定する。そしてS576の処理において大当りFを「0」にリセットして大当り遊技を終了する。
【0089】
特図の大当り遊技の終了後に遊技状態が時短遊技状態へ移行すると、普図の当選を狙うことができるので、右打ち遊技に切替えることとなる。次に普図の当否判定及び普図の当り遊技に関する処理を説明する。
【0090】
図21に示す「普図当否判定処理」は、S400の処理において第2特図始動口25を開放させるための普電役物24が作動中か確認し、作動していなければ(S400:no)、S401の処理において普図が変動中か確認し、変動中でなければ(S401:no)、S402の処理において普図の確定図柄が表示されているか確認する。尚、普電役物24が作動中(S400:yes)であれば後述の「普図遊技処理」に移行する。
【0091】
前記S402の処理で確定図柄が表示中でなければ(S402:no)、S403の処理において普図の作動ゲート22への入球があったか否かを確認し、作動ゲート22への入球があれば(S403:yes)、S404の処理において普図の当り決定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等の各種乱数が抽出され当否判定の対象となる。
作動ゲート22への入球がなければ(S403:no)、「普図遊技処理」に移行する。
【0092】
前記S404の処理の後、図22に示すS410の処理で、時短F(フラグ)を確認して現在の遊技状態が普図の確変中(高確率)であるか確認する(時短Fが1であれば確変中)。確変中であれば(S410:yes)、S411の処理において高確率の当否判定用テーブルで当否判定を行う。確変中でなければ(S410:no)、S412の処理において通常確率(低確率)の当否判定用テーブルで当否判定を行う。そしてS413の処理において、前記S411又はS412の処理での当否判定の結果が当りか否かの確認を行う。尚、普図の当否判定では、確変中の当選確率が約1とされる。
【0093】
前記S413の処理において当りであれば(S413:yes)、S414の処理において前記図柄決定用乱数に基づいて普図の当り図柄を決定し、S415の処理において前記変動パターン決定用乱数に基づいて普図の当りの変動パターンを決定する。続くS416の処理において普図の当り遊技の内容(普電役物24の開放パターン(開放期間)、開始演出(当り遊技開始期間)、終了演出(当り遊技終了期間)等)の設定を行なう。
【0094】
前記当り遊技終了期間の設定は図25に示す「普図当り内容設定処理1」により、前記第1終了期間又は前記第2終了期間のいずれかが設定される。この処理では、S450の処理において特別図柄の変動回数が、時短遊技の契機となる大当り図柄又は小当り図柄に応じて設定された所定の回数(図17参照)に達したか否かを確認する。例えば、前記大当り図柄が特1大当り図柄4、特2大当り図柄1、特2小当り図柄1,2であれば、特別図柄の変動回数が50回に達したか否かを確認する。特2大当り図柄2であれば70回に達したか否かを確認する。
【0095】
特別図柄の変動回数が前記所定の回数に達していなければ(所定の回数未満、S450:yes)、S451の処理において第1終了期間が設定される。
一方、特別図柄の変動回数が前記所定の回数に達していれば(S450:no)、S452の処理において第2終了期間が設定される。その後、リターンする。
尚、前記大当り図柄が特1大当り図柄3のときは、特別図柄の変動回数に拘わらず第2終了期間とされ、特1小当り図柄2では特別図柄の変動回数に拘わらず第1終了期間とされる。
【0096】
図22に戻って、前記S413の処理において、普図が当りでなければ(S413:no)、S417の処理においてハズレの変動パターンを決定する。
前記S416、又は前記S417の処理の後、S418の処理において、普図表示装置29の変動開始、及びサブ統合制御装置42や演出図柄制御装置43へ普図変動開始コマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0097】
前記図21のS401の処理で普図の図柄変動中のときは(S401:yes)、図23に示すように、S420の処理において普図の図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S420:yes)、S421の確定図柄表示設定処理により普図表示装置29の確定図柄表示、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ普図を確定表示させるコマンドを送信する。
続いてS422の処理において確定表示させた普図が当りになる組み合わせであるか否か確認し、当りになる組み合わせであったときは(S422:yes)、S423の普図の当り遊技開始演出処理によりサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ当り開始演出を開始させるようにコマンドを送信し、「普図遊技処理」に移行する。
【0098】
前記図17のS402の処理で確定図柄表示中のときは(S402:yes)、図24に示すように、S430の処理において確定図柄の表示時間が経過したことを確認すると(S430:yes)、S420の確定図柄表示終了処理において普図表示装置29の確定図柄表示の終了、サブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43へ普図の表示を終了させるコマンドを送信し、「普図遊技処理」へ移行する。
【0099】
図26に示す「普図遊技処理」では、先ず、S600の処理において普電役物24が開放中か確認する。普電役物24が開放中でなければ(S600:no)、S601の処理において普図当り終了演出中か確認し、普図当り終了演出中でなければ(S601:no)、S602の処理において普図当り開始演出時間が経過したか確認し、普図当り開始演出時間が経過していれば(S602:yes),S603の普電開放処理で普電役物24を開放してリターンする。
【0100】
前記S600の処理で普電役物24が開放中であれば(S600:yes)、図27に示すように、S610の処理において普電役物24に10個(規定数)の入球があったか否かの確認、又はS611の処理において普電役物24の開放時間が終了したか否かを確認して、いずれか確認できれば(S610,S611:yes)、S612の処理において普電役物24を閉鎖し、S613の処理において普図当り演出終了処理を実行してリターンする。
【0101】
前記図26のS601の処理で普図当り終了演出中であれば(S601:yes)、図28に示すように、S620の処理において前記普図当り終了演出時間が経過したか否か確認し、経過していれば(S620:yes)、S621の処理において普図当り終了コマンド送信の処理を実行し、この処理でサブ統合制御装置42及び演出図柄制御装置43に普図当り終了コマンドを送信し、普図当り遊技を終了してリターンする。
【0102】
このように構成された本パチンコ機1は、通常遊技状態では左打ち遊技を行い第1特図始動口23を狙って大当り遊技を目指す。大当り遊技後に時短遊技に移行すると右打ち遊技を行い第2特図始動口25への入球を目指す。
例えば、前記「特1大当り図柄4」の大当り遊技終了は、特図の変動回数が100回まで時短遊技とされ、前半の49回までは普図の当り遊技終了期間として前記第1終了期間とされ、後半は第2終了期間とされる。
この場合、前半の49回までは図29(a)に示すように、作動ゲート22へ遊技球(ア)が入球し通過すると、普図の抽選及び普図変動が開始される。普図の変動時間は、前記作動ゲートを通過した遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に終了するように設定されている。
時短遊技状態ではほぼ100%の確率で普図の抽選が当選するので、普図の変動終了後に普図当り遊技の開始演出(1)(図において丸付き数字で示す)が行われる。開始演出はその当り遊技開始期間を、前記遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に該普電役物24が開放する極短い時間に設定されている。
即ち、普図の変動と普図の当り遊技開始期間とが、遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に終了して、普電役物24が開放されるので、遊技球(ア)は普電役物24の開放により第2特図始動口25へ入球する。
【0103】
普図の当り遊技の普電役物24の開放される開放期間は、前記遊技球(ア)に連続して作動ゲート22へ入球し通過した遊技球(イ)が普電役物24及び第2特図始動口25へ達する程度の時間に設定することが望ましい。これにより遊技球(イ)は第2特図始動口25へ入球することとなる。尚、作動ゲート22を連続して通過する遊技球は、前記したように通過時に減速した遊技球に後続の遊技球が弾かれる場合があるので、連続する二つの遊技球間にはある程度の間隔があく。
【0104】
開放時間が終了して普電役物24が閉じると、当り遊技の終了演出として、前記当り遊技開始期間(1)と同様に極短い時間の第1終了期間(2)で演出が行なわれる。第1終了期間(2)は前記遊技球(イ)の次に遊技球が作動ゲート22を通過する前に演出が終了するように設定することが望ましい。即ち、前記連続する二つの遊技球間の間隔よりも当り遊技終了期間を短くする。
その後、遊技球(ウ)、(エ)が作動ゲート22を通過すると、これらを契機に新たに普図の抽選及び図柄変動が開始される。そして遊技球(ウ)、(エ)は普図の当選により普電役物24が開放して第2特図始動口25へ入球する。
このように普図当り遊技の当り遊技終了期間として第1終了期間が設定さている時は、普図の作動ゲートを入球し通過した遊技球は第2特図始動口25へ入球することとなり、第1大入賞口6Aへ達する可能性が著しく低くなる。従って第1終了期間が設定されている時は、第2特図始動口25へ入球に起因する特図の変動により図柄当りを狙った遊技を楽しませることができる。
【0105】
遊技が進行して特図の変動回数が50回に達して普図当り遊技の当り遊技終了期間が第2終了期間に切替えられると、図29(b)に示すように、作動ゲート22へ遊技球(ア)が入球し通過することを契機に普図の当り遊技が行なわれ、遊技球(ア)、これに続く遊技球(イ)は普図の当り遊技の普電役物24の開放により第2特図始動口25へ入球する。
その後、普電役物24が閉じて第2終了期間で終了演出が行われる。この場合、第2終了期間を、普電役物24の作動終了(開放期間)後に作動ゲート22を通過した遊技球(ウ)が普電役物24を通過するのに要する時間よりも長くしたので、遊技球(ウ)の作動ゲート22通過は前記普図当り遊技中となるので、遊技球(ウ)により新たに普図の抽選が行われることはない。従って、遊技球(ウ)は普電役物24及び第2特図始動口25に入球することなくこれらを素通り(通過)し、第1大入賞口6Aに達することが可能となる。そして、前記遊技球(ア)の第2特図始動口への入球を契機とする小当り遊技が実施されると、遊技球(ウ)が第1大入賞口6Aへ入球するので役物当りを狙うことができる。
【0106】
このように本実施形態のパチンコ機は、普図当り遊技の当り遊技終了期間を、短時間の第1終了期間と長時間の第2終了期間とに切り替えることで、時短遊技において、図柄当りを狙う遊技と、役物当りを狙う遊技とを遊技者に楽しませることができる。
尚、時短遊技で必ずしも普図当り遊技の当り遊技終了期間を切り替える必要はなく、例えば、前記「特1大当り図柄3」の大当り遊技後の時短遊技のように全て第2終了期間としてもよく、役物当りを集中的に狙う遊技ができる。一方、前記「特1小当り図柄3」の小当りからの大当り遊技後の時短遊技のように全て第1終了期間としてもよく、図柄当りを集中的に狙う遊技ができる。
【0107】
次に図30に基づいて、本パチンコ機1の演出図柄表示装置21において、時短遊技状態での第1終了期間が設定されていることを示唆する演出表示、及び第2終了期間が設定されていることを示唆する演出表示の表示態様の1例を説明する。
図30(a)は第1終了期間が設定されているときの演出表示を示す。演出図柄表示装置21の表示画面の上端左寄りの位置には時短遊技の残り回数を示す制限回数表示210を行う。更に、時短遊技であることを「達吉RUSH中」として示し、かつ第1終了期間が設定されており、図柄当りを狙うモードであることを示す図柄当りモード表示211を行う。そして前記表示画面の上端右寄りにメインキャラクタの熊の達吉212を表示するとともに、表示画面の下半部に特図に対応する三桁の数値からなる擬似演出図柄213を変動表示する。
【0108】
次に第2終了期間が設定されているときでは、図30(b)に示すように、演出図柄表示装置21の表示画面の上半部に前記制限回数表示210と、時短遊技で役物当りを狙うモードであることを示す役物当りモード表示214を行う。そして表示画面の下半部には、熊の達吉がジャンプして「V」を掴もうとするV演出表示215を行い、第1大入賞口6Aの特定領域62へ遊技球が入球することで、達吉がVを掴み、役物当り利を獲得する演出を行なうことが望ましい。尚、ジャンプするという動作で小当りの発生及び第1大入賞口6Aの開放タイミングを示すようにすれば、遊技者はキャラクタを見ているだけで全て把握することができる。
【0109】
図30(c)は第1終了期間から第2終了期間へ切替わる時の演出表示を示す。この場合、演出図柄表示装置21の表示画面の上半部に前記制限回数表示210と、熊の達吉212を表示するとともに、表示図柄当りを狙うモードが継続されるか否かを示すモード継続表示216を行う。そして表示画面の下半部には、図柄当りモードを示すモードカード217と役物当りモードを示すモードカード218とを変動表示した後、いずれかのカードを確定表示して、モード、即ち普図当り遊技の当り遊技終了期間が切替えられたか否かを示すことが望ましい。
この演出は、前記「特1大当り図柄4」の大当り後の時短遊技と、前記「特2大当り図柄2」の大当り後の時短遊技とで、普図当り遊技の当り遊技終了期間が切替えられる時期が異なるので、遊技者の期待感を高めるものである。また前記「特1大当り図柄3」の大当り後の時短遊技や、前記「特1小当り図柄2」の小当りから移行した大当り後の時短遊技では、普図当り遊技の当り遊技終了期間が切替えられるか否かの期待感を高める。このように、1つの時短遊技で普図当り遊技の動作内容を切り替えるだけで図柄当りを目指す遊技と、役物当りを目指す遊技を作り出すことができ、バラエティに富んだ遊技を行なう事が可能となる。
【0110】
次に本発明の第2の実施形態を説明する。先の実施形態では、普図の当り遊技の当り遊技終了期間を、特図の大当り図柄に基づき設定された特図の変動回数に応じて切替える構成であるが、本実施形態では普図の当り遊技終了期間を、普通図柄の当り遊技の契機となった普図の当り図柄に応じて第1終了期間又は第2終了期間を設定するように構成されたものである。本実施形態の基本構成は先の実施形態のそれとほぼ同じであり、相違点を説明する。
【0111】
本実施形態のパチンコ機は、前記図22に示したS416の処理において、図31に示す「普図当り内容設定処理2」に移行して普図の当り図柄に応じて第1終了期間又は第2終了期間を設定する。
即ち「普図当り内容設定処理2」では、S460の処理において普図の当り図柄が予め決められた所定の当り図柄であるか否かを確認し、所定の当り図柄でなければ(S460:no)、S461の処理において普図の当り遊技終了期間が第1終了期間に設定される。
前記S460の処理にて普図の当り図柄が予め決められた所定の当り図柄であれば(S460:yes)、S462の処理において普図の当り遊技終了期間が第2終了期間に設定される。
【0112】
本実施形態によれば先の第1の実施形態と同様な作用効果が発揮される。また、普図の当り図柄でどちらの当りを目指す遊技になるのかが決まるため、先の実施形態のように変動回数で分れることなく、1変動ごとにどちらの遊技になるか分らないという遊技性を奏する。
更にまた、普図の当り図柄は抽選で決まるため、どの図柄が選ばれるかランダムであり、同じ時短遊技回数でもどちらの遊技の比率が高くなるか不定であり、運の要素が大きくなる特徴がある。
【0113】
次に本発明の第3の実施形態を説明する。先の第1及び第2の実施形態では、普図の当り遊技の当り遊技終了期間を、演出時間の異なる第1終了期間と第2終了期間とに切替えることで、時短遊技において図柄当りを狙う遊技とするか役物当りを狙う遊技とするかを切替える構成であるが、本実施形態では普図の当り遊技の普電役物24の開放時間(普電開放態様)を、開放時間の長い第1普電開放態様(特許請求の範囲に記載の第1の状態に相当する)と、開放時間の短い第2普電開放態様(特許請求の範囲に記載の第2の状態に相当する)とに切替えることで、図柄当りを狙う遊技とするか役物当りを狙う遊技とするかを切替えるように構成されたものである。本実施形態の基本構成は前記第1の実施形態のそれとほぼ同じであり、相違点を説明する。
【0114】
本実施形態のパチンコ機は、前記図22に示したS416の処理において、図32に示す「普図当り内容設定処理3」に移行して特図の変動回数に応じて第1普電開放態様又は第2普電開放態様を設定する。
即ち「普図当り内容設定処理3」では、S470の処理において特図の変動回数が、時短遊技の契機となる大当り図柄又は小当り図柄に応じて設定された所定の回数(図13
第1及び第2終了インターバルの欄を参照)に達したか否かを確認する。例えば、前記大
当り図柄が特1大当り図柄4、特2大当り図柄1、特2小当り図柄1,2であれば、特別図柄の変動回数が50回に達したか否かを確認する。特2大当り図柄2であれば70回に達したか否かを確認する。
【0115】
特図の変動回数が前記所定の回数に達していなければ(所定の回数未満、S470:yes)、S471の処理において第1普電開放態様が設定される。
一方、特別図柄の変動回数が前記所定の回数に達していれば(S470:no)、S472の処理において第2普電開放態様が設定される。その後、リターンする。
尚、前記大当り図柄が「特1大当り図柄3」のときは、特別図柄の変動回数に拘わらず第2普電開放態様とされ、特1小当り図柄2では特別図柄の変動回数に拘わらず第1普電開放態様とされる。尚、第2普電開放態様は、普通電動役物の開放期間を著しく短くすることで、図3に示したように普図の作動ゲート22を通過した遊技球はほぼ一定の時間で普電役物24に至るため、その時だけ開放すれば高確率で入球することになる。そのため、短時間開放でも特図の抽選がなされ、小当り遊技が開始されるため、後に流下してきた遊技球(図33(b)(イ)参照)は普電役物24に入球することなく大入賞口6Aに至る事が可能となっている。
この構成ならば、先の実施形態が当り遊技終了期間中に普図の作動ゲートを通過してきた遊技球が複数大入賞口に入る可能性を持たせるのに対して、普図当り遊技期間が短くなっているので、普図の作動ゲートが無効になっている期間は短く、無効になっている期間に通過できる遊技球は限られているため、1球単位で特定領域62に至ることができるか否かを見せる遊技構成に好適である。例えば2種タイプの遊技機の特定領域のように、振分手段を設けて、遊技球の流下態様で楽しめる遊技機に向いている。
【0116】
本パチンコ機は、通常遊技状態では左打ち遊技を行い第1特図始動口23を狙って大当り遊技を目指す。大当り遊技後に時短遊技に移行すると右打ち遊技を行い第2特図始動口25への入球を目指す。
例えば、前記「特1大当り図柄4」の大当り遊技終了は、特図の変動回数が100回まで時短遊技とされ、前半の49回までは第1普電開放態様とされ、後半は第2普電開放態様とされる。
この場合、前半の49回までは図33(a)に示すように、作動ゲート22へ遊技球(ア)が入球し通過すると、普図の抽選及び普図変動が開始される。普図の変動時間は、前記作動ゲートを通過した遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に終了するように設定されている。
時短遊技状態ではほぼ100%の確率で普図の抽選が当選するので、普図の変動終了後に普図当り遊技の開始演習(1)が行われる。開始演出はその演出時間を、前記遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に該普電役物24が開放する極短い時間に設定されている。
即ち、普図の変動と普図の当り遊技の開始演出とが、遊技球(ア)が普電役物24に到達する前に終了して、第1普電開放態様で普電役物24が開放され、遊技球(ア)は普電役物24の開放により第2特図始動口25へ入球する。
【0117】
第1普電開放態様での普電役物24の開放時間は、前記遊技球(ア)に連続して作動ゲート22へ入球し通過した遊技球(イ)が普電役物24及び第2特図始動口25へ達する程度の時間に設定することが望ましい。これにより遊技球(イ)も第2特図始動口25へ入球することとなる。尚、前記のように連続する遊技球(ア)と遊技球(イ)とはある程度の間隔があく。
【0118】
開放時間が終了して普電役物24が閉じると、前記開始演出(1)と同様に極短い時間の終了演出(2)が行なわれる。終了演出(2)は前記遊技球(イ)の次に遊技球が作動ゲート22を通過する前に演出が終了するように設定することが望ましい。即ち、前記連続する二つの遊技球間の間隔よりも終了演出の時間を短くする。
その後、遊技球(ウ)、(エ)が作動ゲート22を通過すると、これらを契機に新たに普図の抽選及び図柄変動が開始される。そして遊技球(ウ)、(エ)は普図の当選により普電役物24が開放して第2特図始動口25へ入球する。
このように普電役物24の普電開放態様として第1普電開放態様が設定さている時は、普図の作動ゲートを入球し通過した遊技球は第2特図始動口25へ入球することとなり、第1大入賞口6Aへ達する可能性が著しく低くなる。従って第1普電開放態様が設定されている期間は、第2特図始動口25への入球に起因する特図の変動により図柄当りを狙った遊技を楽しませることができる。
【0119】
遊技が進行して特図の変動回数が50回に達して普電役物24の普電開放態様が第2普電開放態様に切替えられると、図33(b)に示すように、作動ゲート22へ遊技球(ア)が入球し通過することを契機に普図の当り遊技が行なわれ、普電役物24が第2普電開放態様で開放される。この場合、普電役物24の開放時間は、少なくとも遊技球(ア)に続く遊技球(イ)が普電役物24を通過するのに要する時間よりも短くすることが望ましい。
普電役物24の第2普電開放態様での開放により、遊技球(ア)は第2特図始動口25へ入球するが、直ぐに普電役物24が閉じるので、続く遊技球(イ)は普電役物24及び第2特図始動口25に入球することなくこれらを素通り(通過)し、第1大入賞口6Aに達することが可能となる。そして、前記遊技球(ア)の第2特図始動口25への入球を契機とする小当り遊技が実施されると、遊技球(イ)が第1大入賞口6Aへ入球するので役物当りを狙うことができる。
【0120】
このように本実施形態のパチンコ機は、普電役物24の普電開放態様を、長時間の第1普電開放態様と短時間の第2普電開放態様とに切り替えることで、時短遊技において、図柄当りを狙う遊技と、役物当りを狙う遊技とを遊技者に楽しませることができる。
尚、時短遊技で必ずしも普電役物24の普電開放態様を切り替える必要はなく、例えば、前記「特1大当り図柄3」の大当り遊技後の時短遊技のように全て第2普電開放態様としてもよく、役物当りを集中的に狙う遊技ができる。一方、前記「特1小当り図柄3」の小当りからの大当り遊技後の時短遊技のように全て第1普電開放態様としてもよく、図柄当りを集中的に狙う遊技ができる。
【0121】
尚、本実施形態のパチンコ機において、普電役物24を第1普電開放態様で開放するときは、図34に示すように、特図の図柄変動から小当り遊技の終了までを、普電役物24の第1普電開放態様による開放中に終わらせることが望ましい。このようにすることにより、普図の作動と特図の作動との対応関係を1対1の関係にできる。尚、対応させる基準として、普電役物24の開放時間以外に、普図の当り遊技期間と対応させてもよいし、普図の図柄変動から普図の当り遊技終了までの期間と対応させてもよい。
【0122】
本発明を適用した第4の実施形態として、普図の当り遊技の普電役物24の普電開放態様を、開放時間と開放回数とを組み合わせた普電開放態様を設定するようにしてもよい。尚、本実施形態は前記第3の実施形態と同様の基本構成を有する。
図35(a)に示すように、第1普電開放態様として、所定の開放時間からなる1度の開放とする。所定の開放時間として、作動ゲート22へ入球し通過したことにより普図の当り遊技の契機となった遊技球(ア)に連続して作動ゲート22へ入球し通過した遊技球(イ)が普電役物24及び第2特図始動口25へ達する程度の時間に設定することが望ましい。尚、前記のように連続する遊技球(ア)と遊技球(イ)とはある程度の間隔があく。
【0123】
第1普電開放態様では、前記遊技球(ア)、続く遊技球(イ)は第2特図始動口25へ入球することとなる。
その後、遊技球(ウ)、(エ)が作動ゲート22を通過すると、これらを契機に新たに普図の抽選及び図柄変動が開始される。そして遊技球(ウ)、(エ)は普図の当選により普電役物24が開放して第2特図始動口25へ入球する。
このように普電役物24の普電開放態様として第1普電開放態様が設定さている時は、普図の作動ゲートを入球し通過した遊技球は第2特図始動口25へ入球することとなり、第1大入賞口6Aへ達する可能性が著しく低くなる。従って第1普電開放態様が設定されている期間は、第2特図始動口25への入球に起因する特図の変動により図柄当りを狙った遊技を楽しませることができる。
【0124】
図35(b)に示すように、第2普電開放態様として、極短い開放時間からなる開放を所定のインターバルをおいて2度行なう普電開放態様とする。
前記開放時間として、少なくとも、作動ゲート22へ入球し通過したことにより普図の当り遊技の契機となった遊技球(ア)に続く遊技球(イ)が普電役物24を通過するのに要する時間よりも短くすることが望ましい。また前記所定のインターバルとして、少なくとも前記遊技球(イ)が作動ゲート22を通過してから普電役物24に達するのに要する時間よりも長くすることが望ましい。
図例によれば、普電役物24の第2普電開放態様での開放により、遊技球(ア)は第2特図始動口25へ入球するが、直ぐに普電役物24が閉じるので、インターバル中の遊技球(イ)、(ウ)は普電役物24及び第2特図始動口25に入球することなくこれらを素通り(通過)し、第1大入賞口6Aに達することが可能となる。そして、前記遊技球(ア)の第2特図始動口25への入球を契機とする小当り遊技が実施されると、遊技球(イ)、(ウ)が第1大入賞口6Aへ入球するので役物当りを狙うことができる。普電開放態様として開放を2度行なうため、2度目の開放で入球する時もあり、その時は第1大入賞口6Aに入賞する可能性が生じてしまう場合がある。仮に開放回数を更に増やして大入賞口への入賞の可能性を高めれば、図柄当りがメインの遊技状態の時でも役物当りが発生する可能性が生じることから、図柄当りと役物当りが望める遊技期間と役物当りが望める遊技期間とで切替える遊技機にすることもできる。
【0125】
このように本実施形態のパチンコ機は、普電役物24の普電開放態様を、開放時間と開放回数の異なる第1普電開放態様と第2普電開放態様とに切り替えることで、時短遊技において、図柄当りを狙う遊技と、役物当りを狙う遊技とを遊技者に楽しませることができる。
【0126】
前記第3の実施形態及び前記第4の実施形態では、普図の当り遊技の普電役物24の普電開放態様を、特図の大当り図柄に基づき設定された特図の変動回数に応じて切替える構成であるが、本発明を適用した第5の実施形態として、普図の当り遊技の普電役物24の普電開放態様を、普通図柄の当り遊技の契機となった普図の当り図柄に応じて第1普電開放態様又は第2普電開放態様を設定するように構成してもよい。本実施形態は前記第3又は第4の実施形態と同一の基本構成を有する。
【0127】
本実施形態のパチンコ機は、前記図22に示したS416の処理において、図36に示す「普図当り内容設定処理4」に移行して普図の当り図柄に応じて第1普電開放態様又は第2普電開放態様を設定する。
即ち「普図当り内容設定処理4」では、S480の処理において普図の当り図柄が予め決められた所定の当り図柄であるか否かを確認し、所定の当り図柄でなければ(S480:no)、S481の処理において普図の当り遊技の普電役物24の普電開放態様が第1普電開放態様に設定される。
前記S480の処理にて普図の当り図柄が予め決められた所定の当り図柄であれば(S480:yes)、S482の処理において普図の当り遊技の普電役物24の普電開放態様が第普電開放態様に設定される。
【0128】
本実施形態によれば前記第3又第4の実施形態と同様な作用効果が発揮される。また、普図の当り図柄によって図柄か役物かどちらの当りを目指す遊技になるのかが決まるため、前記第3又第4の実施形態のように変動回数で分れることなく、1変動ごとにどちらの遊技になるか分らないという遊技性を奏する。
更にまた、普図の当り図柄は抽選で決まるため、どの図柄が選ばれるかランダムであり、同じ時短遊技回数でもどちらの遊技の比率が高くなるか不定であり、運の要素が大きくなる特徴がある。
【0129】
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記のいずれの実施形態においても、普図と第2特図は保留記憶を行なわない構成であるが、これに限るものではない。
しかしながら、普図と第2特図で保留記憶を行なうと、例えば普図が変動していないときに特図が複数回変動する可能性があるので、遊技状況が複雑となる。このため、状況が複雑となることを防ぎ、単純に普図と第2特図との変動の関係を1対1となるように、普図と第2特図は保留記憶を行なわない方が望ましい。
また、前記のいずれの実施形態においても、第2特図の小当り確率を198分の1と低確率としているが、これに限らず、高確率(例えば199分の198など)としてもよい。これによれば、役物当りに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0130】
更に、本発明は、パチンコ機台内に所定数の遊技球が封入され、封入された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するとともに、発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を再度発射することで内部の所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う封入式パチンコ機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0131】
2 遊技盤
20 遊技領域
21 演出図柄表示装置
22 普図作動ゲート(作動口)
23 第1特図始動口(第1の始動口)
24 普通電動役物
25 第2特図始動口(第2の始動口)
40 主制御装置(当否判定手段)
6A 第1大入賞口(大入賞口)
62特定領域
L 左打ち領域(第1の遊技領域)
R 右打ち領域(第2の遊技領域)
図1
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