(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6656520
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】かつら
(51)【国際特許分類】
A41G 3/00 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
A41G3/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2019-68235(P2019-68235)
(22)【出願日】2019年3月29日
【審査請求日】2019年6月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516137454
【氏名又は名称】竹内 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 潤一郎
【審査官】
石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−223028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースネットに毛髪が編み込まれたかつらであって、前記ベースネットが複数の領域に分
割可能であり、前記領域がそれぞれ肌に密着する切断用テープを介して連結され、前記切断用テープにも毛髪が編み込まれているかつら。
【請求項2】
前記領域が頭頂部部分とそれに隣接する周辺部分とである請求項1に記載のかつら。
【請求項3】
前記切断用テープが各領域の境界に接合される事によって、ベースネットがほつれない請
求項1に記載のかつら。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かつらに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1の公報には、複数の部分を分割して使用可能なかつらが記載されています。
この考案においては各パーツを分割する為に使用されている結合部にはファスナーが使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第2533575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かつらの各パーツ部分にファスナーを使用して結合した場合、ファスナー部分に厚みが出てしまう。厚みがある事により外観的に違和感を生じてしまう。
ファスナーを使用する事でファスナー本体部からは毛髪や毛髪に代わる化学毛を植毛する事が出来ずにファスナー本体が見えてしまい違和感が生じてしまいます。
また、ファスナー部分で分離した場合、ファスナーの片方がかつらのパーツ部分に残る事により、外的圧力を頭部に感じる事になる。
そこで、本発明はかつらの各パーツ部分を分離する場合でもファスナーがある事に起因する厚みを軽減すること、また、毛髪や毛髪に代わる化学毛を接合部にも植毛できるようすること、更にその結合部にファスナーの片側が残らないようにして外観的違和感を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ベースネットに毛髪が編み込まれたかつらであって、前記ベースネットが複数の領域に分割可能であり、前記領域がそれぞれ肌に密着する切断用のテープを介して連結された物である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のかつらではかつらのサイズを小さくしたい場合には肌に密着する切断テープの部分で切り離す。これにより切断部分のテープがほつれないから、そのまま部分かつらとして使用する事ができる。従来の分離されたかつらは、分離する箇所にファスナーが残る構造である為、そのファスナー部には厚みが生じる事となり、外観的違和感が生じる。またかつらを側面から見た場合でもファスナーが見えてしまう可能性があり外観的には好ましくない。
【0007】
これに対し本発明では切断部分のテープ素材は薄く平らであり肌に密着する為に厚みを軽減でき、側面から見た場合であっても飛躍的に切断部分が目立ってしまう事を解消でき、製品重量も軽く仕上げる事が可能となった。
かつらの不要となる部分を分離し、残した小さいサイズのかつらを使用する場合でも、切断テープの箇所にも初めから植毛を施した構造となっている為、分離後に着用者の自毛とかつらの境目を自然に見せる事も可能となり、外観の自然さが向上する。
また、切断テープはベースネットに粘着しているので、切断テープで分離してもベースネットはほつれない。
【0008】
病気を治療する事や、ホルモンの関係、その他精神的要因により頭部場所が限定されずに、ランダムに抜毛現象が生じた時装着するかつらの一種に全頭かつらと言われる頭部全体をすっぽり覆う種類の物があるが、治療後、ホルモンの正常化、精神回復等々の理由で髪の毛が元の状態に近くまで戻る事が有ります。が、しかし完全に戻らなく頭頂部のみが薄毛の状態が続いた時には頭頂部のみを覆うかつらを求める方にとって、金銭的負担を少なくする事が出来。従来装着していた全頭かつらより外観的に違和感が少なく継続して装着できる。
また、全頭かつらと言える程大きくないハーフウィッグや更に小さな頭頂部のみに使用されるトップピースウィッグをより小さなサイズにして使用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】かつらを裏返しにして上方向からと横方向から見た図
【
図4】接合部を切断してサイズを小さくしたかつらの図
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明に係るかつらは、
図1に示すように、ベースネットBNが複数の領域1〜4に分けられ、それらの領域1〜4の境界は切断用テープ5A,5Bで連結され、そのテープ5A,5Bの長手方向に沿う中央線C(
図3参照)で切断可能となっている。
この切断テープ5A,5Bは柔軟性を持った合成樹脂製のテープである。具体的には
図2〜
図3に示すように、各領域1〜4で接合したもので、そのテープにも、各領域と同じように植毛されている。これにより、このテープ5A,5Bの中央線Cを切断しても植毛された毛髪や毛髪用化学毛が植毛されたベースネットBNには、ほころびが生じない。
【0011】
図3には切断用テープ5A,5Bによる接合部分を拡大し真横から見た図を示しているが、この切断テープ5A,5Bと接合部分と接触するベースネットBNは左右のベースネットBNの素材が違っていても構わないが、各素材は単一の一重である事が好ましい。それが縫製を伴った二重、三重の物である場合は厚みが生じ、テープ5A,5Bに接していないベースネットBNの縫製部位を切断すると、その切断部にホツレが生じる原因にもなってしまう。
【0012】
図3では接合部の左右両側のベースネットBNはテープ5A,5Bを挟んで接触はしていない。
【0013】
左右両側のベースネットBNが同一素材で、はじめからベースネットBNが1枚使用で繋がっていても良い
出来れば左右両側のベースネットの間は離れている方が切断後の小さいかつらの周囲の厚さを薄くする事ができ、より望ましい製品となる。これはテープ5A,5Bには色を付ける事も可能であり、肌色にする事により、切断された小さなかつらの周囲には肌色の切断部分から直接植毛された部分が露出しても、外観的違和感を無くす事ができる要素につながる。
【0014】
頭頂部を覆う部分かつらの内部に小さいサイズとして今後使用すると想定する面積の周囲に接合部分を設けている。
図4ではこの様に、その内側にもっと小さな分髪部分だけの使用を考えた更に小さな面積の周囲に
合部分を設ける事により、2回、3回と切断する事により、複数種のかつらとして使用する事も出来る。
【0015】
本発明のかつらでは、かつらのサイズを小さくしたい場合には不要となった部分を切り離し、必要となる小さなサイズのかつらを使用することで、本来かつらとして使用するに足る必要最低限の物資だけで作られた商品とする事が出来る。従来の分離されたかつらの周囲にファスナーが残る構造であった場合、そのファスナー部には厚みが生じる事となり、外観的違和感が生じる。またかつらを側面から見た場合でもファスナーが見えてしまう可能性があり、ファスナーが有る事で商品重量もその分重くなっていた。 本発明では使用する切断用テープの素材は薄く平らである為に、厚みを軽減でき、側面から見た場合であっても切断用テープが目立って見える事を解消でき、製品重量も軽く仕上げる事が可能となった。不要となる部分を分離し、必要となる小さいサイズのかつらを使用する際に、元々は結合部分であった切断用テープには初めから植毛を施した構造となっている為、着用者の自毛とかつらの境目を自然に見せる事が可能となり、外観の自然さが向上する効果もある。
【符号の説明】
【0016】
1 頭頂部内側の小さなベースネットBN
2 頭頂部外側のベースネットBN
3 側頭部のベースネットBN
4 後頭部のベースネットBN
5A 2と3及び4を結合している結合テープ
5B 1と2を結合している結合テープ
【要約】
【課題】 かつらの各パーツ部分にファスナーを使用して結合した場合、ファスナーがある事によりその部分に厚みが出てしまう。厚みがある事により外観的に違和感を生じてしまう。ファスナーを使用する事でファスナー本体部からは毛髪や毛髪に代わる化学毛を植毛する事が出来ずにファスナー本体が見えてしまい違和感が生じてしまいます。ファスナーの片方がかつらのパーツ部分に残る事により、外的圧力を頭部に感じる事になる。
【解決手段】
本発明は、ベースネットに毛髪が編み込まれたかつらであって、前記ベースネットが複数の領域に分割可能であり、前記領域がそれぞれ肌に密着する切断用のテープを介して連結された物である。
【選択図】
図1