特許第6656553号(P6656553)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6656553
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】美容方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/98 20060101AFI20200220BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20200220BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20200220BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20200220BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A61K8/98
   A61K8/65
   A61K8/64
   A61K8/73
   A61K8/60
   A61K8/81
   A61K8/37
   A61K8/9789
   A61K8/31
   A61K8/35
   A61K8/67
   A61K8/25
   A61K8/34
   A61Q19/00
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2019-542489(P2019-542489)
(86)(22)【出願日】2019年4月25日
(86)【国際出願番号】JP2019017781
【審査請求日】2019年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2018-86246(P2018-86246)
(32)【優先日】2018年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518104500
【氏名又は名称】株式会社homeostajia
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】森▲崎▼ 沙月
(72)【発明者】
【氏名】森▲崎▼ 照雄
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−332218(JP,A)
【文献】 特開2017−052706(JP,A)
【文献】 特開2017−124993(JP,A)
【文献】 特開2004−352719(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/017667(WO,A1)
【文献】 米国特許第04582706(US,A)
【文献】 特開2005−245521(JP,A)
【文献】 特開平10−045532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩と、
植物エキスと、を含有する化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
マンナン類と、
カルボマーと、を含有する化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、を含有する化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、
ミスチリン酸オクチルドデシル及び/又はステアリン酸グリセリルと、を含有する化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
シコニン及び/又はグアイアズレンを含有する化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む美容方法(医療行為を除く)において、
前記化粧料(A)から(E)を肌に塗布するステップを行った後、前記化粧料(A)から(E)を塗布した肌のマッサージを行うステップを行う、美容方法(医療行為を除く)。
【請求項2】
前記マッサージは、デコルテをマッサージすることを含む、請求項1に記載の美容方法(医療行為を除く)。
【請求項3】
請求項1に記載の美容方法を行う前に
トコトリエール、トコフェロール、グリチルレチン酸ステアリル、植物エキス、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、ワセリン、スクワラン、コメヌカ油、シア脂から選ばれる1種又は2種以上を含有する化粧料(F)を肌に塗布して、化粧料(F)を塗布した肌のプレマッサージを行うステップを含む、
美容方法(医療行為を除く)。
【請求項4】
前記プレマッサージは、デコルテをプレマッサージすることを含む、請求項に記載の美容方法(医療行為を除く)。
【請求項5】
さらに、コムギデンプン、ベントナイト、グリチルリチン酸及び/又はその塩、BG(1,3−ブチレングリコール)、グリセリン、植物エキスから選ばれる1種又は2種以上を含む化粧料(G)を肌に塗布するステップと、
前記化粧料(G)を塗布した肌の上にホットタオルを被せ、次いでホットタオルをラップフィルムで覆い、さらにその上から乾いたタオルを被せて肌をパックするステップと、を含む、
請求項1からのいずれか1項に記載の美容方法(医療行為を除く)。
【請求項6】
前記美容方法(医療行為を除く)は、肌のトラブル改善及び/又は予防のための美容方法である、請求項1からのいずれか1項に記載の美容方法(医療行為を除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む施術を行うことにより、肌の老廃物を取り除くとともにマッサージにより全身の体温を上昇させることによって、肌の再生力を高めて新陳代謝を促進することで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができる肌のトラブルを改善及び/予防するための美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
男性及び女性の性別を問わず、また年齢を問わず、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌の痒みやかぶれ、ニキビ、色素沈着、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルに悩んでいる人は多い。このような肌トラブルを改善するために、薬剤が使用されることが多いが、薬剤の使用によってさらに肌トラブルが悪化することもある。
【0003】
特に、アトピー性皮膚炎の薬物治療に用いられる副腎皮質ホルモン剤(副腎皮質ステロイド剤)は、長期に使い続けると、体の中の脂肪細胞や血管壁に酸化したステロイド剤が残り、肌に強い炎症とかゆみをもたらす。また、ステロイド依存性皮膚炎へと移行することもあるため、難治化して深刻な肌トラブルに悩んでいる人も増え続けている。
【0004】
また、薬剤の他に、生薬を用いたり、鍼灸治療を行ったり、また、飲食物・せっけん類・入浴に気をつける、ストレスを避ける等の生活指導等による改善・予防も試みられてはいるが、治療効果は緩やかで時間がかかる傾向がある。
【0005】
このような肌トラブルを改善する方法としては、肌の新陳代謝を正常なバランスに整えることが大切であり、化粧料やマッサージを用いた肌のトラブルを改善・予防するための美容方法は種々提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1には、コラーゲン等を含有する化粧料を、顔面に塗布しながらマッサージを行うステップを含む、肌のハリを改善する美容方法(医療行為を除く)が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献2にはニキビ予防効果を発揮し得る、ニキビ予防とクレンジングを同時に行う美容方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6293343号公報
【特許文献2】特開2016−132625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は肌のハリを改善するための方法であり、特許文献2に記載の方法はニキビを予防するための方法であって、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみといった様々なタイプの肌トラブルを改善・予防するための美容方法としては十分ではない。
【0010】
シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみといった肌トラブルを改善・予防するためには、肌の老廃物を取り除いて肌の新陳代謝を高めることが重要である。特許文献1記載の美容方法は、化粧料を塗布しながらマッサージを行うことにより、角質水分量や表皮及び真皮のハリ値を増加させる美容方法であって、マッサージによって全身の体温を上昇させることによって肌の新陳代謝を高めることについては記載されていない。また、特許文献2に記載の美容方法は、化粧水をシートに含浸させる段階と、前記化粧水を含浸させた前記シートで肌上の汚れを拭き取る段階とからなるニキビ予防とクレンジングとを同時に行う美容方法であるが、化粧料を塗布した後で行うマッサージにより肌の老廃物を取り除くものではなく、全身の体温を上昇させることによって肌の新陳代謝を高めることについても記載されていない。
【0011】
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであり、肌の老廃物を取り除くとともにマッサージにより全身の体温を上昇させることによって、肌の新陳代謝を高めて、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができるシミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみといった様々なタイプの肌のトラブルを改善及び/又は予防することのできる美容方法(医療行為を除く)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩と、
植物エキスと、を含有する化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
マンナン類と、
カルボマーと、を含有する化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、を含有する化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、
ミスチリン酸オクチルドデシル及び/又はステアリン酸グリセリルと、を含有する化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む。
【0013】
また、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩と、
植物エキスと、を含有する化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
マンナン類と、
カルボマーと、を含有する化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、を含有する化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
プラセンタエキス及びコラーゲンと、
ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上と、
ミスチリン酸オクチルドデシル及び/又はステアリン酸グリセリルと、を含有する化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
シコニン及び/又はグアイアズレンを含有する化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む。
【0014】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(A)は、さらにアラントイン及び/又はエルゴチオネインを含有するのがよい。
【0015】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(B)は、さらにラウレス−8、ラウレス−9、ラウレス−10から選ばれる1種又は2種以上を含有するのがよい。
【0016】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(C)及び/又は(D)の植物エキスは、ヨーロッパブナ芽エキスであるのがよい。
【0017】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(D)は、さらにアラントインを含有するのがよい。
【0018】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップを行った後、前記化粧料(E)を肌に塗布するステップを行うのがよい。
【0019】
また、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記化粧料(A)から(E)を肌に塗布するステップステップを行った後、前記化粧料(A)から(E)を塗布した肌のマッサージを行うステップを行うのがよい。
【0020】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)において、前記マッサージは、デコルテをマッサージすることを含む。
【0021】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、前記に記載の美容方法を行う前に、
トコトリエール、トコフェロール、グリチルレチン酸ステアリル、植物エキス、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、ワセリン、コメヌカ油、シア脂から選ばれる1種又は2種以上を含有する化粧料(F)を肌に塗布して、前記化粧料(F)を塗布した肌のプレマッサージを行うステップを含んでいてもよい。
【0022】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)において、前記プレマッサージは、デコルテをプレマッサージすることを含む。
【0023】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)においては、
さらに、コムギデンプン、ベントナイト、グリチルリチン酸及び/又はその塩、BG(1,3−ブチレングリコール)、グリセリン、植物エキスから選ばれる1種又は2種以上を含む化粧料(G)を肌に塗布するステップと、
前記化粧料(G)を塗布した肌の上にホットタオルを被せ、次いでホットタオルをラップフィルムで覆い、さらにその上から乾いたタオルを被せて肌をパックするステップと、を含んでいてもよい。
【0024】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)において、前記美容方法(医療行為を除く)は、肌のトラブル改善及び/又は予防のための美容方法である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の美容方法(医療行為を除く)は、複数の化粧料を肌に塗布するステップにより肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を化粧料が吸着して肌から浮き上がらせ、肌のマッサージを行うステップにより浮き上がらせた肌の老廃物を取り除くとともに、マッサージによる全身の体温上昇によって皮膚の細胞活性及び肌の新陳代謝を高めることで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができる。従って、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみなどの様々なタイプの肌トラブルを改善及び/又は予防するのに有用である。
【0026】
本発明に係る美容方法(医療行為を除く)に用いる複数の化粧料には、肌の油分・水分バランスを良好に整え、角質層に良質な保湿を与える成分の他に、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を吸着して肌から浮き上がらせる成分や、マッサージによる刺激から肌の潤いを守る成分が含まれている。従って、本発明の美容方法(医療行為を除く)における複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む施術は、化粧料によって肌の油分・水分バランスを良好に整え、角質層に良質な保湿を行いながらマッサージをすることにより、肌にハリ・つや・潤いを与えることができる。また、化粧料で肌への保湿効果を十分に発揮させることで、肌を傷つけることなくマッサージを行うことができるため、肌に負担をかけることなく柔軟性のある肌へ導くことができる。さらに、本発明に係る美容方法において用いる化粧料にはマッサージによる刺激から肌の潤いを守る成分が含まれているため、アレルギー肌やステロイド性皮膚炎の肌へマッサージを行うことによる肌への刺激、例えば炎症による痒み等から肌を守ることができる。
【0027】
なお、肌の新陳代謝を促す方法としてピーリングが挙げられる。ピーリングは、ピーリング剤等の薬剤を用いて皮膚の古くなった角質を取り除き、細胞の再生と新陳代謝を促す方法であるが、ピーリングは薬剤を用いるため、長時間にわたってマッサージを行うことはできない。一方、本発明に係る美容方法は、マッサージによって細胞の再生と新陳代謝を促す方法であるが、本発明に係る美容方法に用いる化粧料は肌に優しい成分を用いているため、長時間にわたるマッサージが可能であり、マッサージによる全身の体温上昇効果によって、肌の新陳代謝を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】被験者へ本発明に係る美容方法を行った結果を示す、(a)施術前の顔の頬部分の写真(b)施術後の顔の頬部分の写真。
図2】被験者へ本発明に係る美容方法を行ったときのサーモグラフィの計測結果を示す図。
図3】被験者へ本発明に係る美容方法を行ったときのサーモグラフィの計測結果を示す図。
図4】被験者へ本発明に係る美容方法を行ったときのサーモグラフィの計測結果を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る美容方法は、複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む美容方法(医療行為を除く)である。
【0030】
より詳細には、本発明に係る美容方法は、
(1−1)化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
(1−2)化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
(1−3)化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
(1−4)化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
(2)肌のマッサージを行うステップと、
を含む美容方法(医療行為を除く)である。
【0031】
また、本発明に係る美容方法は、
(1−1)化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
(1−2)化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
(1−3)化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
(1−4)化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
(1−5)化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
(2)肌のマッサージを行うステップと、
を含む美容方法(医療行為を除く)であってもよい。
【0032】
また、本発明に係る美容方法は、前記(1−1)から(2)のステップの前に
(0)化粧料(F)を肌に塗布して、肌のプレマッサージを行うステップ、
を含むのが好ましい。
【0033】
また、本発明に係る美容方法は、上述のステップに加えて、
(3)化粧料(G)を肌に塗布して、化粧料(G)を塗布した肌の上にホットタオルを被せ、次いでホットタオルをラップフィルムで覆い、さらにその上から乾いたタオルを被せて肌をパックするステップと、を含んでいてもよい。
【0034】
なお、本明細書において「化粧料」というときは、化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)、化粧料(E)、化粧料(F)及び/又は化粧料(G)をいうものとする。また、本明細書において「美容方法」というときは、「医療行為」を除くものとする。
【0035】
I.化粧料
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)及び化粧料(D)(以下、化粧料(A)から(D)ともいう。)は、共通成分としてプラセンタエキス及びコラーゲンを含有する。
【0036】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料(A)から(D)に含有されるプラセンタエキスは、アミノ酸類・多種のビタミン類・ミネラル類・核酸類・脂質類・タンパク質類・酵素類・ホルモン類などを含み、美白作用、皮膚の組織呼吸亢進・柔軟化作用、シミの改善作用、抹消血管の血流改善作用、細胞の賦活新生作用といった様々な効果を有する。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料(A)から(D)に含有されるプラセンタエキスとしては、豚、馬、羊等の胎盤の抽出成分を原料とする動物性プラセンタエキスエキス、鮭等の魚類の卵巣膜の抽出成分を原料とする海洋性プラセンタエキス、果実の胎座の抽出成分を原料とする植物性プラセンタエキスエキス等を挙げることができる。本発明においては、原料は特に限定はされないが、動物性プラセンタエキスエキスを用いるのが好ましい。
【0037】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料(A)から(D)に含有されるコラーゲンは、真皮、靱帯、腱、骨、軟骨、血管等を構成する蛋白質の一種であり、水分保持能力作用、弾力性増加による皮膚老化予防作用、表皮損傷回復作用、感触改良作用といった様々な効果を有する。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料(A)から(D)に含有されるコラーゲンとしては、その由来や製造方法については特に制限されず、例えば、牛、豚、鳥などの獣の他、魚類、貝類、クラゲ類、海綿類等の動物の真皮や骨、尾、鱗などから得られる動物由来のコラーゲンを用いることもできるし、アカシアなどの植物由来のコラーゲンを用いることもできる。本発明に用いられるコラーゲンとしては、動物や植物等から常法に従って抽出又はこれを更に加水分解したもの、コラーゲン誘導体等を用いることができるが、エタノール、水、塩化ナトリウム溶液などにより抽出して得られる水溶性コラーゲンを用いるのが好ましい。
【0038】
[化粧料(A)]
化粧料(A)は、プラセンタエキス及びコラーゲンと、皮膚コンディショニング剤を含有することが好ましい。また、化粧料(A)は、さらに、保湿・湿潤剤及び/又は抗酸化剤を含有することがより好ましい。化粧料(A)は、プラセンタエキスにより肌の再生力を高め、その後に塗布する他の化粧料の相乗効果を引き出し、肌の老廃物を浮き上がらせる働きを有する。また、皮膚コンディショニング剤及び保湿・湿潤剤によって紫外線による光老化で失われがちな水分を肌に取り戻していく働きを有する。
【0039】
化粧料(A)は、プラセンタエキス及びコラーゲンの他に、皮膚コンディショニング剤を含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、特に限定はされないが、例えば、パントテン酸Ca、ピリドキシン、シアノコバラミン、トコトリエール、トコフェロール、アラントイン、セラミド3、ヒアルロン酸及び/又はその塩、アセチル化ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、アルギニン、グリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸ステアリル、クオタニウム−45、キサンタンガム、シア脂、クロレラエキス、植物エキス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
化粧料(A)は、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、ヒアルロン酸及び/又はその塩と植物エキスとを含有することが好ましい。
【0041】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるヒアルロン酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
【0042】
また、上記植物エキスとしては、例えば、アーチチョーク葉エキス、アルテアエキス、アルニカ花エキス、アロエフェロックス葉エキス、アロエベラエキス、イブキトラノオエキス、ウォータークレスエキス(オランダガラシエキス)、オウゴンエキス(コガネバナエキス)、オウバクエキス、オウレン根エキス(オウレンエキス)、オタネニンジンエキス、オランダガラシエキス(ウォータークレスエキス)、カモミラET、カミツレエキス(カモミラエキス)、カワラヨモギエキス、カンゾウフラボノイド、キダチアロエ葉エキス、クチナシエキス、ゲンチアナ根エキス、ゲンノショウコエキス、ゴボウ根エキス、コメヌカ発酵エキス、コンフリー葉エキス、サクラ葉エキス、ザボンソウエキス、シソエキス、シソ葉エキス、シャクヤクエキス、スイカズラエキス、スギナエキス、セイヨウアカマツ球果エキス、セイヨウオトギリソウエキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、セイヨウトチノキエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウキズタ葉/茎エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、セージエキス、セージ葉エキス、センブリエキス、ソウハクヒエキス、ソメイヨシノエキス、ダイズ種子エキス、ダマスクバラエキス、チャ葉エキス、チョウジエキス、ツボクサエキス、トウキエキス、トウキンセンカ花エキス、トウニンエキス、ハトムギ種子エキス、ハマメリスエキス、ハマメリス葉エキス、ビルベリー葉エキス、ブドウ葉エキス、ブナエキス、フユボダイジュ花エキス、ホップ花エキス、ボタンエキス、メマツヨイグサ種子エキス(月見草エキス)、メリッサエキス、メリッサ葉エキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズ種子エキス、ヨモギエキス、ヨーロッパブナ芽エキス、ラベンダーエキス、ラベンダー花エキス、レモン果実エキス、ローズマリーエキス、ローズマリー花エキス、ワレモコウエキス等が挙げられるが、本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される植物エキスは、上記に記載されたものに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0043】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される植物エキスとしては、上記植物エキスの中でも、アルニカ花エキス、アロエフェロックス葉エキス、キダチアロエ葉エキス、ゲンチアナ根エキス、ゴボウ根エキス、コンフリー葉エキス、ザボンソウエキス、スギナエキス、セイヨウアカマツ球果エキス、セイヨウオトギリソウエキス、セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウキズタ葉/茎エキス、セイヨウトチノキ種子エキス、セージエキス、セージ葉エキス、ソウハクヒエキス、ソメイヨシノエキス、トウキンセンカ花エキス、ハマメリスエキス、ハマメリス葉エキス、ブドウ葉エキス、ブナエキス、フユボダイジュ花エキス、ホップ花エキス、ボタンエキス、ヨーロッパブナ芽エキス、レモン果実エキス、ローズマリーエキス、ローズマリー花エキスから選ばれる1種若しくは2種以上を含有するのが好ましく、化粧料(A)においてはソウハクヒエキスを含有することが好ましい。
【0044】
化粧料(A)は、皮膚コンディショニング剤の他に、保湿・湿潤剤及び/又は抗酸化剤を含有することが好ましい。
【0045】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される保湿・湿潤剤としては、特に限定はされないが、例えば、DPG(ジプロピレングリコール)、BG(1,3−ブチレングリコール)、PCA−Na、PEG−75、グリセリン、ヒアルロン酸及び/又はその塩、セラミド3、アラントイン、ベタイン、マルチトール、ソルビトール、植物エキス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、植物エキスとしては、上記記載のものを用いることができる。
【0046】
化粧料(A)は、上記保湿・湿潤剤の中でも、BG(1,3−ブチレングリコール)、アラントイン、植物エキスから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましく、特に好ましくはアラントインを含有するのがよい。アラントインは、抗アレルギー作用、抗刺激作用、消炎鎮静作用、湿疹・吹き出物・火傷等の治療作用、表皮組織形成作用等の効果を有し、肌荒れ等のトラブルを抱えた肌に化粧料(A)を塗布しても症状が悪化することなく、肌のマッサージを行うときに肌が赤くなるのを防ぐ働きを有する。
【0047】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される抗酸化剤としては、特に限定はされないが、例えば、エルゴチオネイン、アスコルビン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0048】
化粧料(A)においては、上記抗酸化剤の中でも、エルゴチオネインを含有することが好ましい。エルゴチオネインは、過酸化脂質の生成を抑える強力な活性酸素抑制作用、紫外線によるDNA損傷抑制作用、しわやたるみを防ぐエラスターゼ活性阻害作用、しわを防ぐチロシナーゼ活性阻害作用、メラニン産生抑制による美白作用等を有し、エルゴチオネインを含有する化粧料(A)を塗布することにより、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみ等の様々な肌トラブルを改善及び/又は予防するのに効果的である。
【0049】
従って、化粧料(A)においては、アラントイン及び/又はエルゴチオネインを含有していることが好ましく、アラントイン及びエルゴチオネインを含有していることが特に好ましい。
【0050】
[化粧料(B)]
化粧料(B)は、プラセンタエキス及びコラーゲンと、マンナン類とカルボマーを含有することが好ましい。また、化粧料(B)は、さらに、ラウレス−8、ラウレス−9、ラウレス−10から選ばれる1種又は2種以上、皮膚コンディショニング剤及び/又は保湿・湿潤剤を含有することがより好ましい。化粧料(A)は肌を柔軟にする作用が足りないため、化粧料(A)のみでマッサージを行うと角質が硬くなって肌を傷つけやすくなる。従って、化粧料(B)によって水分と弾力を与えて皮膚を柔軟にすることで、肌の新陳代謝を促す環境に整えていくとともに、マンナン類とカルボマーが肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を吸着して肌から浮き上がらせる働きを有する。また、化粧料(B)は、ラウレス−8、ラウレス−9、ラウレス−10から選ばれる1種又は2種以上を含有することにより、アレルギー肌やステロイド性皮膚炎の肌へマッサージを行うことによる肌への刺激、例えば炎症による痒み等から肌を守る作用がある。
【0051】
化粧料(B)は、プラセンタエキス及びコラーゲンの他に、マンナン類を含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるマンナン類は、マンノースを主な構成成分とする多糖類であり、D−マンノースのみを構成単位とするマンナンの他、マンノースとガラクトース又はグルコースとを構成単位としたガラクトマンナン、グルコマンナン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
化粧料(B)は、上記マンナン類の中でも、マンナンを含有することが好ましい。マンナン類は、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂を吸着除去する作用を有することから、これらを取り除いて肌を活性化させ、肌の新陳代謝を高めてターンオーバーを促進し、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することで、シミ・シワ、くすみ等様々な肌トラブルを改善する働きを有する。
【0053】
また、化粧料(B)は、カルボマーを含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるカルボマーは、マンナン類と同じく肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂を吸着除去する作用を有することから、これらを取り除いて肌を活性化させ、肌の新陳代謝を高めてターンオーバーを促進し、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することで、シミ・シワ、くすみ等様々な肌トラブルを改善する働きを有する。
【0054】
化粧料(B)は、さらに、ラウレス−8、ラウレス−9、ラウレス−10から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ラウレス−8、ラウレス−9及びラウレス−10は鎮痛・鎮痒作用を有するため、マッサージを行うときに肌に痒みがでるのを防ぐ働きを有する。
【0055】
化粧料(B)は、その他、皮膚コンディショニング剤、保湿・湿潤剤を含有することが好ましい。
【0056】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(B)においては、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、アルギニン、グリチルリチン酸及び/又はその塩、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0057】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される保湿・湿潤剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(B)においては、上記保湿・湿潤剤の中でも、PEG−75及び/又はソルビトールを含有することが好ましい。
【0058】
[化粧料(C)]
化粧料(C)は、プラセンタエキス及びコラーゲンと、皮膚コンディショニング剤を含有することが好ましい。また、化粧料(C)は、さらに、保湿・湿潤剤を含有することがより好ましい。
化粧料(C)も、化粧料(B)と同様に角質を柔らかくすることで肌の新陳代謝を促して、肌に柔軟性を与える働きを有する。また、化粧料(C)は、皮膚コンディショニング剤のヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン等によって肌に水分を閉じ込めて、マッサージによる刺激から肌の潤いを守り、乾燥や炎症によって失われがちな肌のハリと弾力を取り戻す。さらに、植物エキスがダメージを負った肌に抗炎症作用や抗酸化作用を与える働きを有する。
【0059】
化粧料(C)は、プラセンタエキス及びコラーゲンの他に、皮膚コンディショニング剤を含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(C)においては、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0060】
化粧料(C)に用いられる植物エキスとしては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(C)においては、上記植物エキスの中でもヨーロッパブナ芽エキスを用いるのが好ましい。ヨーロッパブナ芽エキスは、表皮角質細胞の蛋白質合成増加作用、繊維芽細胞のコラーゲン産出促進作用、細胞の賦活新生作用を発揮するため、深く傷ついてシワになったり、荒れたりした肌に栄養を届けて、肌を健康的で美しい状態に改善する働きを有する。
【0061】
化粧料(C)は、その他、保湿・湿潤剤を含有することが好ましい。
【0062】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される保湿・湿潤剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(C)は、上記保湿・湿潤剤の中でも、BG(1,3−ブチレングリコール)、PCA−Na、グリセリン、ヒアルロン酸及び/又はその塩、マルチトールから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0063】
[化粧料(D)]
化粧料(D)は、プラセンタエキス及びコラーゲンと、皮膚コンディショニング剤と、エモリエント剤を含有することが好ましい。また、化粧料(D)は、さらに、保湿・湿潤剤を含有することがより好ましい。化粧料(D)も化粧料(C)と同様に角質を柔らかくすることで肌の新陳代謝を促して、肌に柔軟性を与える働きを有する。また、化粧料(D)も、化粧料(C)と同様に皮膚コンディショニング剤のヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン等によって肌に水分を閉じ込めて、マッサージによる刺激から肌の潤いを守り、乾燥や炎症によって失われがちな肌のハリと弾力を取り戻す。さらに、植物エキスがダメージを負った肌に抗炎症作用や抗酸化作用を与える働きを有する。
【0064】
化粧料(D)は、プラセンタエキス及びコラーゲンの他に、皮膚コンディショニング剤を含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(D)は、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、ヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0065】
上記皮膚コンディショニング剤の中でも化粧料(D)は、特に植物エキスを含有することが好ましく、植物エキスとしてはヨーロッパブナ芽エキスを含有することが特に好ましい。
【0066】
また、化粧料(D)は、エモリエント剤を含有することが好ましい。本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるエモリエント剤としては、特に限定はされないが、例えば、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、トコトリエール、トコフェロール等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0067】
化粧料(D)は、上記エモリエント剤の中でも、ミリスチン酸オクチルドデシル及び/又はステアリン酸グリセリルを含有することが好ましい。
【0068】
化粧料(D)は、その他、保湿・湿潤剤を含有することが好ましい。
【0069】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される保湿・湿潤剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(D)は、上記保湿・湿潤剤の中でも、BG(1,3−ブチレングリコール)、グリセリン、アラントインから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましく、アラントインを含有することが特に好ましい。
【0070】
[化粧料(E)]
化粧料(E)は、シコニン及び/又はグアイアズレンを含有することが好ましい。また、化粧料(E)は、さらに、皮膚コンディショニング剤及び/又はエモリエント剤を含有することがより好ましい。化粧料(E)は、抗炎症作用、抗菌作用を有するシコニン及び/又はグアイアズレンによってマッサージによる肌への刺激、例えば炎症による痒み等からからダメージ肌を守りながら肌の新陳代謝を促進する働きを有する。また、皮膚コンディショニング剤のトコフェロールが肌の老化、活性酸素を抑制するとともに、エモリエント剤が肌の水分と皮脂のバランスを整える働きを有する。さらに、化粧料(E)は、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を包み込む働きを有する。化粧料(B)により肌から浮き上がってきた肌の老廃物を化粧料(E)が包み込み、化粧料(E)により包み込まれた肌の老廃物は、マッサージを行うことにより除去され得る。また、化粧料(E)は、マッサージを行う時の施術者の手の滑りを良くして、肌に負担なく肌の老廃物を除去するのに効果的である。
【0071】
化粧料(E)は、シコニン及び/又はグアイアズレンを含有することが好ましい。シコニンは、ムラサキ科ムラサキの根シコンより抽出される成分であり、抗菌作用、抗炎症作用、肉芽形成促進作用、創傷治癒作用等を有する。グアイアズレンは、カモミール、ユーカリ等の精油に含まれている成分であり、抗炎症作用、抗菌作用、抗カビ作用、紫外線防止作用等を有する。シコニン及びグアイアズレンは、肌をマッサージすることによって生ずる肌への刺激によって、肌が赤くなるのを防ぐ働きを有する。
【0072】
化粧料(E)は、その他、皮膚コンディショニング剤及び/又はエモリエント剤を含有することが好ましい。
【0073】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(E)は、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、トコフェロールを含有することが好ましい。
【0074】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるエモリエント剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(E)は、上記エモリエント剤の中でも、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、トコフェロールから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0075】
[化粧料(F)]
化粧料(F)は、皮膚コンディショニング剤、エモリエント剤及び/又は皮膚保護剤を含有することが好ましい。化粧料(F)は、肌の表面の汚れを落とし、肌を柔らかくして、化粧料(A)から(D)の肌への浸透を良くする働きを有する。従って、化粧料(F)は、化粧料(A)から(E)を肌に塗布する前に塗布することが好ましい。
【0076】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(F)は、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、トコトリエール、トコフェロール、グリチルレチン酸ステアリル、植物エキスから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0077】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有されるエモリエント剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(F)は、上記エモリエント剤の中でも、パルミチン酸イソプロピル、スクワラン、トコトリエール、トコフェロールから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0078】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚保護剤としては、外部刺激から皮膚を保護する機能を有するものであれば特に限定はされないが、例えば、ワセリン、スクワラン、コメヌカ油、シア脂、カオリン、カラミン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0079】
化粧料(F)は、上記皮膚保護剤の中でも、ワセリン、スクワラン、コメヌカ油、シア脂から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0080】
[化粧料(G)]
化粧料(G)は、コムギデンプン及び/又はベントナイトを含有することが好ましい。また、化粧料(G)は、さらに、皮膚コンディショニング剤、保湿・湿潤剤及び/又は皮膚保護剤を含有することがより好ましい。化粧料(G)は、マッサージによりほてりや赤みがでた肌を鎮静化させて落ち着かせる働きを有する。また、肌の老廃物や汚れ等を取り除く働きも有する。従って、化粧料(F)は、マッサージを行った後に肌に塗布するのが好ましい。
【0081】
化粧料(G)は、コムギデンプン及び/又はベントナイトを含有することが好ましく、コムギデンプン及びベントナイトの両成分を含有することがより好ましい。コムギデンプン及びベントナイトは、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を吸着除去する作用を有することから、これらを取り除いて皮膚の細胞活性及び肌の新陳代謝を高めることで、シミ・シワ、くすみ等様々な肌トラブルを改善する働きがある。
【0082】
また、化粧料(G)は、その他、皮膚コンディショニング剤、保湿・湿潤剤及び/又は皮膚保護剤を含有することが好ましい。
【0083】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚コンディショニング剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(G)は、上記皮膚コンディショニング剤の中でも、グリチルリチン酸及び/又はその塩を含有することが好ましい。
【0084】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される保湿・湿潤剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(G)は、上記保湿・湿潤剤の中でも、BG(1,3−ブチレングリコール)、グリセリン、植物エキスから選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0085】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料に含有される皮膚保護剤としては、上記記載のものを単独で若しくは2種以上を併用して用いることができる。化粧料(G)は、上記皮膚保護剤の中でも、カオリン、カラミン、酸化亜鉛から選ばれる1種又は2種以上を含有することが好ましい。
【0086】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料の成分としては、前記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲でさらに必要に応じて、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、防腐剤、pH調整剤、滑沢剤、消包剤等の化粧料の分野で一般に用いられる成分を含有することができる。
【0087】
また、本発明の美容方法に使用する化粧料においては、各成分の含有量は特に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0088】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料の剤型としては、特に制限されるものではなく、液状、固形状、粉体状、ジェル状、シャーベット状、乳液状、クリーム状、軟膏状、固形練り状、ペースト状等任意の形状に調製することができる。本発明に用いられる化粧料(A)の剤型としては液状であることが好ましく、化粧料(B)及び化粧料(C)の剤型としてはジェル状であることが好ましく、化粧料(D)の剤型としてはクリーム状であることが好ましい。
【0089】
本発明に係る美容方法に用いられる化粧料の製造方法は、化粧料の剤型に応じて従来公知の方法に従って製造すればよい。
【0090】
II.美容方法
本発明における美容方法は、複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む美容方法であって、より詳細には、
(1−1)化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
(1−2)化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
(1−3)化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
(1−4)化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
(2)肌のマッサージを行うステップと、
を含む美容方法(医療行為を除く)である。
【0091】
また、本発明における美容方法は、複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む美容方法であって、好ましくは、
(1−1)化粧料(A)を肌に塗布するステップと、
(1−2)化粧料(B)を肌に塗布するステップと、
(1−3)化粧料(C)を肌に塗布するステップと、
(1−4)化粧料(D)を肌に塗布するステップと、
(1−5)化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
(2)肌のマッサージを行うステップと、
を含む美容方法(医療行為を除く)である。
【0092】
また、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、前記(1−1)から(2)のステップの前に、
(0)化粧料(F)を肌に塗布して、化粧料(F)を塗布した肌のプレマッサージを行うステップ、
を含む美容方法(医療行為を除く)であってもよい。
【0093】
さらに、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、上述のステップに加えて
(3)化粧料(G)を肌に塗布して、化粧料(G)を塗布した肌の上にホットタオルを被せ、次いでホットタオルをラップフィルムで覆い、さらにその上から乾いたタオルを被せて肌をパックするステップ、
を含む美容方法(医療行為を除く)であってもよい。
【0094】
本発明に係る美容方法においては、化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップにより、肌の老廃物を取り除くとともにマッサージにより全身の体温を上昇させることによって、肌の再生力を高めて新陳代謝を促進することで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができ、また、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみなどの様々なタイプの肌のトラブルを改善及び/予防する。また、本明細書においては、化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップを含む本発明に係る美容方法を「施術」ともいう。
【0095】
本発明に係る美容方法において、化粧料(A)から化粧料(G)を肌に塗布する方法は、直接化粧料を容器から肌の上にのせてもよいし、化粧料を手のひらに取り出して手の平で温めたり、手のひらで揉んでから肌に塗布してもよい。また、肌に塗布する分量は特に決まりはなく、被施術者の肌の状態に応じて適量を塗布すればよい。
【0096】
本発明に係る美容方法において、化粧料を肌に塗布する順番は特に決まりはない。化粧料(A)は肌の保湿を行い、化粧料(B)は肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を吸着して肌から浮き上がらせ、化粧料(C)及び化粧料(D)は肌の水分の蒸散を防いで潤いを保ち、肌を柔らかくさせる働きを有する。従って、好ましくは化粧料(A)及び化粧料(B)を肌に塗布するステップを行った後、化粧料(C)及び化粧料(D)を肌に塗布するステップを行うのがよい。特に好ましくは化粧料(A)を肌に塗布するステップ、次いで化粧料(B)を肌に塗布するステップ、次いで化粧料(C)を肌に塗布するステップ、次いで化粧料(D)を肌に塗布するステップの順番で化粧料(A)から(D)を肌に塗布するのがよい。
【0097】
化粧料(E)は、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を包み込む働きを有する。化粧料(B)により肌から浮き上がってきた肌の老廃物を化粧料(E)が包み込み、化粧料(E)により包み込まれた肌の老廃物は、マッサージを行うことにより除去され得る。また、化粧料(E)は、マッサージを行う時の施術者の手の滑りを良くして、肌に負担なく肌の老廃物を除去するのに効果的である。
【0098】
従って、本発明に係る美容方法においては、化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップを行った後、化粧料(E)を肌に塗布するステップを行うのが好ましく、化粧料(E)を肌に塗布するステップを行った後、化粧料(A)から(E)を塗布した肌のマッサージを行うのが好ましい。化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップの前に化粧料(E)を肌に塗布するステップを行っても、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を吸着して肌から浮き上がらせることができないため、マッサージにより肌の老廃物や汚れを落とすことはできず、肌の新陳代謝を高める効果が不十分となる。従って、化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップの前に化粧料(E)を肌に塗布するステップを行っても、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみなどの様々なタイプの肌のトラブルを改善及び/予防する効果は得られない。
【0099】
本発明に係る美容方法は、マッサージによって肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を落とすとともに、マッサージにより全身の体温を上昇させることによって、肌の再生力を高めて新陳代謝を促進することで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善するものである。肌の老廃物や汚れを落とすためには、マッサージを行う前に化粧料(A)から(D)が肌に浸透していることが重要であり、化粧料(A)から(D)を肌に塗布することにより化粧料を肌にしっかりと浸透させ、肌の老廃物を吸着して肌から浮き上がらせることで、マッサージにより肌の老廃物や汚れを落とすことができる。また、しっとりとした柔らかな肌の状態にすることで、マッサージにおいて肌を傷つけることがないため肌のトラブルを改善及び/予防することができる。
【0100】
本発明に係る美容方法において、化粧料を塗布する対象部位は顔、デコルテ、腕、足等特に限定されないが、少なくともデコルテについては化粧料を塗布するのが好ましい。本発明に係る美容方法においては、肌トラブルの改善及び/予防を目的とする対象部位の他、デコルテのマッサージを行うのが好ましいためである。なお、本発明において、「デコルテ」とは、首から胸元にかけての部分のことをいう。
【0101】
本発明に係る美容方法は、マッサージを行うステップを含んでいるため、エステシャン等の施術者が行うのが好ましい。施術者がマッサージを行うにあたっては、手を用いて被施術者の肌の状態を確認しながら、被施術者の肌の状態に合わせて行うのが好ましい。
【0102】
本発明に係る美容方法において行われるマッサージは、肌トラブルの改善及び/予防を目的とする対象部位の他、少なくともデコルテのマッサージを行うことが好ましく、胸及び/又は胸骨及びこれらの周辺、背中及び/又は肩甲骨及びこれらの周辺、肩及び/又は首及びこれらの周辺のマッサージを行うことが好ましい。また、本発明に係る美容方法において行われるマッサージにおいては、最初にデコルテのマッサージを行った後、対象部位のマッサージを行うのがよい。
【0103】
また、1回の施術では肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を除去することができないこともあるため、本発明に係る美容方法において、肌のマッサージを行うステップは複数回行ってもよい。肌のマッサージを行うステップを複数回行うときは、
化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップと、
化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む施術を複数回繰り返して行うのがよい。
【0104】
例えば、本発明に係る美容方法において、肌のマッサージを行うステップを2回行うときは、
化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップと、
化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む施術を行った後、もう一度
化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップと、
化粧料(E)を肌に塗布するステップと、
肌のマッサージを行うステップと、を含む施術を行うのがよい。
【0105】
本発明に係る美容方法においては、化粧料(A)から(D)を肌に塗布するステップの前に、化粧料(F)を肌に塗布して、化粧料(F)を塗布した肌のプレマッサージを行うことが好ましい。化粧料(A)から化粧料(D)を肌に塗布するステップの前に行うプレマッサージは、体温を温め、筋肉のこりをほぐしていくことを目的に行うものであって、肌の表面の汚れを落とし、肌を柔らかくして、化粧料(A)から(D)の肌への浸透を良くする働きも有する。
【0106】
本発明に係る美容方法において行われるプレマッサージも、肌トラブルの改善及び/予防を目的とする対象部位の他、少なくともデコルテのプレマッサージを行うことが好ましく、胸及び/又は胸骨及びこれらの周辺、背中及び/又は肩甲骨及びこれらの周辺、肩及び/又は首及びこれらの周辺のプレマッサージを行うことが好ましい。
【0107】
また、本発明に係る美容方法において行われるプレマッサージにおいても、最初にデコルテのプレマッサージを行った後、対象部位のプレマッサージを行うのがよい。デコルテのプレマッサージを対象部位よりも先に行うことで、被施術者の全身の体温を上げて内臓の動きを活発化させて、肌の新陳代謝を活発にしていく。
【0108】
本発明に係る美容方法においては、さらに化粧料(G)を肌に塗布して、化粧料(G)を塗布した肌の上にホットタオルを被せ、次いでホットタオルをラップフィルム若しくは食品包装用プラスチックフィルムで覆い、さらにその上から乾いたタオルを被せて肌をパックするのが好ましい。肌を温めながら肌に化粧料の成分を浸透させて、マッサージによってほてりや赤みがでた肌を鎮静化させて落ち着かせる作用を有する。また、先のステップで取りきれなかった肌の老廃物や汚れ等を取り除く作用も有する。
【0109】
化粧料(G)を肌に塗布して、肌のパックを行うステップは、化粧料(A)から(E)を肌に塗布して、化粧料(A)から(E)を塗布した肌のマッサージを行うステップを行った後に行うのが好ましい。また、肌をパックする時間は、10分〜20分間行うのが好ましい。パックを行って10分から20分経過後、化粧料(G)をタオルで拭き取るのが好ましい。
【0110】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。
【実施例1】
【0111】
本発明に係る美容方法を実施するにあたり、常法により表1の組成に従い化粧料(A)から(G)を調製した。
【0112】
【表1】
【0113】
[施術試験1]
上記製造した化粧料(A)から(D)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(D)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で塗布した。
[施術試験2]
上記製造した化粧料(A)から(D)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(D)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で塗布して、次いでマッサージを行った。
[施術試験3]
上記製造した化粧料(A)から(D)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(D)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(B)、化粧料(A)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で塗布して、次いでマッサージを行った。
[施術試験4]
上記製造した化粧料(A)から(D)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(D)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(C)、化粧料(B)、化粧料(A)、化粧料(D)の順序で塗布して、マッサージを行った。
[施術試験5]
上記製造した化粧料(A)から(D)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(D)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(D)、化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)の順序で塗布して、マッサージを行った。
[施術試験6]
上記製造した化粧料(A)から(E)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(E)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で肌に塗布し、化粧料を肌になじませ乾かすために5分間放置した後、化粧料(E)を肌に塗布して、マッサージを行った。
[施術試験7]
上記製造した化粧料(A)から(F)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(F)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に、最初に化粧料(F)を塗布して、プレマッサージを行った。次いで、施術試験6と同様に施術を行った。
[施術試験8]
上記製造した化粧料(A)から(G)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(G)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に、最初に化粧料(F)を塗布して、プレマッサージを行った。次いで、化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で肌に塗布し、化粧料を肌になじませ乾かすために5分間放置した後、化粧料(E)を肌に塗布して、マッサージを行った。次いで、化粧料(G)を肌に塗布してホットタオルを被せ、ホットタオルをラップフィルムで覆い、その上にさらに乾いたタオルを被せて15分間放置した後、きれいなホットタオルで化粧料(G)を拭き取った。
[施術試験9]
上記製造した化粧料(A)から(G)を用いて、被験者に対して化粧料(A)から(G)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に、最初に化粧料(F)を塗布して、プレマッサージを行った。次いで、化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で肌に塗布し、化粧料を肌になじませ乾かすために5分間放置した後、化粧料(E)を肌に塗布して、マッサージを行った。さらにもう一度、化粧料(A)、化粧料(B)、化粧料(C)、化粧料(D)の順序で肌に塗布し、化粧料を肌になじませ乾かすために5分間放置した後、化粧料(E)を肌に塗布して、マッサージを行うステップを繰り返した。次いで、化粧料(G)を肌に塗布してホットタオルを被せ、ホットタオルをラップフィルムで覆い、その上にさらに乾いたタオルを被せて15分間放置した後、きれいなホットタオルで化粧料(G)を拭き取った。
[施術試験10]
上記製造した化粧料(E)から(G)を用いて、被験者に対して化粧料(E)から(G)を用いた美容方法の施術試験を行った。肌荒れに悩む女性の被験者3名の顔に、最初に化粧料(F)を塗布して、プレマッサージを行い、次いで化粧料(E)を塗布して、マッサージを行った。次いで、化粧料(G)を肌に塗布して、肌の上にホットタオルを被せ、ホットタオルをラップフィルムで覆い、その上にさらに乾いたタオルを被せて15分間放置した後、きれいなホットタオルで化粧料(G)を拭き取った。
【0114】
なお、上記施術試験において行ったマッサージ及びプレマッサージは、最初に胸及び/又は胸骨及びこれらの周辺を行い、次いで背中及び/又は肩甲骨及びこれらの周辺、次いで肩及び/又は首及びこれらの周辺、最後に顔について行った。
【0115】
(結果)
1週間に1回のペースで施術者が上記施術を行い、6ヶ月経過後被験者の顔の状態を観察した結果を表2に示す。マッサージを行わなかった施術試験1はあまり改善が見られなかった。施術試験2から5を比較すると、化粧料(A)若しくは(B)を先に肌に塗布した場合の方が、肌の汚れの落ち方がよかった。肌の汚れの落ち方においては、化粧料(A)から(E)を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップとを2回繰り返した施術試験9が最も肌の汚れの落ち方よく、また他の項目の改善効果も高かった。
【0116】
【表2】
・肌荒れ :○:改善した △:少し改善した ×:改善しなかった
・肌の赤み :○:改善した △:少し改善した ×:改善しなかった
・肌のくすみ :○:改善した △:少し改善した ×:改善しなかった
・肌のツヤ :○:改善した △:少し改善した ×:改善しなかった
・肌の汚れの落ち方:○:落ちた △:少し落ちた ×:落ちなかった
【0117】
施術試験9を行った被験者の顔の頬部分の施術前と施術後の写真を図1に示す。被験者1、被験者2及び被験者3の全員において、肌荒れの改善が見られた。また、肌表面のデコボコがなくなるとともに、肌荒れに伴う肌の赤みも消え、肌にツヤがでてきた。
【実施例2】
【0118】
本発明に係る美容方法を施術したときの被験者4及び5について、マッサージによる体温上昇の変化を確認するため、施術前、施術後、施術終了後30分、施術終了後60分につき、サーモグラフィを計測した。まず、被験者4及び5は、まずチャンバー内で測定準備のための環境慣化のため30分間着席待機を行った。施術直前に施術前の計測を行い、次いで実施例1の施術試験7の方法で施術を30分程行った後に施術後の計測を行った。なお、サーモグラフィの計測条件は下記のとおりである。
測定機器:G−100EX(NEC Avio 赤外線テクノロジー)
補正レンジ:R1(10〜40℃、放射率設定 0.98(人肌)
環境 :UU−CH−F環境制御チャンバー
室温25℃、湿度60%に設定(生体計測の標準設定)
【0119】
(結果)
男性の被験者4につき、日時を変えて2回サーモグラフィを計測した。1回目の計測結果を表3に、2回目の計測結果を表4に示す。また、表3をグラフ化したものを図2に、表4をグラフ化したものを図3に示す。施術前と施術後のサーモグラフィの計測結果を比較すると、マッサージを行った顔及びデコルテから遠く離れた手のひらや足の甲においても上昇が見られた。また、施術を終了した後においてもサーモグラフィの上昇が見られた。
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
女性の被験者5につき、サーモグラフィを計測した。計測結果を表5に、表5及をグラフ化したものを図4に示す。施術前と施術後のサーモグラフィの計測結果を比較すると、被験者4と同様、マッサージを行った顔及びデコルテから遠く離れた手のひらや足の甲においても上昇が見られた。また、施術を終了した後においてもサーモグラフィの上昇が見られた。
【0123】
【表5】
【0124】
本発明に係る美容方法による複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む施術を行うことにより、肌の老廃物が取り除かれることと、マッサージにより全身の体温を上昇させることによって、肌の再生力を高めて新陳代謝を促進することで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができた。
【0125】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明の美容方法(医療行為を除く)は、複数の化粧料を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップとを含む施術を行うことにより、肌の老廃物、例えば毛穴の汚れ、古くなった角質、余分な皮脂等を化粧料が吸着して肌から浮き上がらせ、マッサージによって肌の老廃物を落とすとともに、肌への保湿効果を十分に発揮させることで肌を傷つけることなく、また、肌に負担をかけることなく柔軟性のある肌へ導くことができる。また、、本発明に係る美容方法(医療行為を除く)は、マッサージによる全身の体温上昇によって皮膚の細胞活性及び肌の新陳代謝を高めることで、深いダメージを負った肌を健康的で美しい状態に改善することができるため、特にシミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみなどの様々なタイプの肌トラブルを改善及び/又は予防するのに有用である。

【要約】
本発明は、シミ・シワ・たるみ、赤ら顔、肌荒れ、くすみといった様々なタイプの肌のトラブルを改善及び/又は予防することのできる美容方法(医療行為を除く)を提供する。
本発明に係る美容方法は、プラセンタエキス及びコラーゲン、ヒアルロン酸及び/又はその塩、植物エキスを含有する化粧料(A)を肌に塗布するステップと、プラセンタエキス及びコラーゲン、マンナン類、カルボマーを含有する化粧料(B)を肌に塗布するステップと、プラセンタエキス及びコラーゲンとヒアルロン酸及び/又はその塩、加水分解エラスチン、植物エキス、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上を含有する化粧料(C)を肌に塗布するステップと、プラセンタエキス及びコラーゲンを含有する化粧料(D)を肌に塗布するステップと、肌のマッサージを行うステップと、を含む美容方法(医療行為を除く)。
図1
図2
図3
図4