特許第6656567号(P6656567)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656567
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】コンテナターミナル及びその運用方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 63/00 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   B65G63/00 J
   B65G63/00 G
   B65G63/00 M
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-204343(P2017-204343)
(22)【出願日】2017年10月23日
(65)【公開番号】特開2019-77522(P2019-77522A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2019年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】518126144
【氏名又は名称】株式会社三井E&Sマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(73)【特許権者】
【識別番号】501173483
【氏名又は名称】博多港ふ頭株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】小西 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】中村 勇志
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−048625(JP,A)
【文献】 特開平9−267918(JP,A)
【文献】 特開2012−201482(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蔵置されたコンテナの長さ方向に延在する蔵置レーンと、蔵置されたコンテナの幅方向に前記蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンに沿って移動する門型クレーンと、を備えて、前記蔵置レーンに、外来運搬車が外部へ運搬するコンテナ、及び、外部から運搬してきたコンテナを蔵置する構成にしたコンテナターミナルにおいて、
前記蔵置レーンが、前記長さ方向に三つ以上の区画に区分されて、その区画に蔵置される複数のコンテナは、それら複数のコンテナ及び前記外来運搬車に対する前記門型クレーンの荷役作業の状況が統一されることを特徴とするコンテナターミナル。
【請求項2】
前記区画は、蔵置される複数のコンテナがコンテナ船に荷積みされるコンテナである荷積み専用の区画、蔵置される複数のコンテナがコンテナ船から荷卸しされるコンテナである荷卸し専用の区画、又は、コンテナが蔵置されていない空きの区画のいずれかで構成される請求項1に記載のコンテナターミナル。
【請求項3】
同一の前記荷積み専用の区画に蔵置された複数のコンテナは、同一のコンテナ船に荷積みされる請求項2に記載のコンテナターミナル。
【請求項4】
前記荷役作業の状況は、前記空きの区画において前記外来運搬車に運搬された荷積みされるコンテナをその空きの区画に蔵置して前記荷積み専用の区画を形成する作業が行われる予定日であり、前記荷卸し専用の区画においてその荷卸し専用の区画に蔵置された荷卸しされるコンテナを前記外来運搬車に積載して前記空きの区画を形成する作業が行われる予定日である請求項2又は3に記載のコンテナターミナル。
【請求項5】
一つの前記蔵置レーンに統一された前記荷役作業の状況が同一の前記区画が複数存在する場合は、その区画どうしが複数の前記門型クレーンにより同時に荷役可能にその蔵置レーンの前記長さ方向に離間配置される請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
【請求項6】
前記区画は、前記長さ方向に一つのコンテナを蔵置可能な区画であるベイで構成される請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
【請求項7】
コンテナが有する固有の識別情報を取得する情報取得装置と、この情報取得装置が取得したその識別情報が入力されて、前記門型クレーンに指示を出す制御システムとを備えて、
この制御システムに、前記情報取得装置が取得した前記識別情報に関連付けられたその識別情報を有するコンテナに対する前記荷役作業の状況が予め入力されて、
前記情報取得装置が取得した前記識別情報に基づいて、前記制御システムにより、その識別情報に関連付けられた前記荷役作業の状況に応じたその識別情報を有したコンテナの蔵置位置を設定し、前記門型クレーンに対してその識別情報を有したコンテナを設定したその蔵置位置に蔵置させる指示を出す構成にした請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
【請求項8】
コンテナ船に荷積みされるコンテナは、当該コンテナターミナルの海側の領域に配置されて、コンテナ船から荷卸されたコンテナは、当該コンテナターミナルの陸側の領域に配置される請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
【請求項9】
複数の前記蔵置レーンは、コンテナ船に荷積みされるコンテナが蔵置されるレーンと、コンテナ船から荷卸されたコンテナが蔵置されるレーンとに区分される請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンテナターミナル。
【請求項10】
一つの前記蔵置レーンに前記荷積み専用の区画と前記荷卸し専用の区画とが混在する場合は、前記荷積み専用の区画及び前記荷卸し専用の区画における前記予定日と、その蔵置レーンに蔵置される複数のコンテナ及び当該コンテナターミナルの敷地内でコンテナを運搬する構内運搬車に対する前記門型クレーンの荷役作業の予定日とを異ならせる請求項4に記載のコンテナターミナル。
【請求項11】
蔵置されたコンテナの長さ方向に延在する蔵置レーンに、蔵置されたコンテナの幅方向にその蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンに沿って移動する門型クレーンにより、外来運搬車が外部へ運搬するコンテナ、及び、外部から運搬してきたコンテナを蔵置させるコンテナターミナルの運用方法において、
コンテナが有する固有の識別情報が制御装置に入力されて、
入力された前記識別情報に基づいて、制御装置により、前記門型クレーンのその識別情報を有したコンテナ及び前記外来運搬車に対する荷役作業の状況を特定し、
特定した前記荷役作業の状況に基づいて、前記制御装置により、その識別情報を有したコンテナの蔵置位置を、前記蔵置レーンにおける前記長さ方向に三つ以上に区分されてなる区画に蔵置される複数のコンテナの前記荷役作業の状況が統一される位置に設定し、
前記制御装置により、前記門型クレーンに対してその識別情報を有したコンテナを設定したその蔵置位置に蔵置させる指示を出すことを特徴とするコンテナターミナルの運用方法。
【請求項12】
入力された前記識別情報に基づいて、前記制御装置により、予めその識別情報に関連付けられると共に入力された物流情報から前記荷役作業の状況として、コンテナが蔵置されていない空きの区画において前記外来運搬車に運搬された荷積みされるコンテナをその空きの区画に蔵置して荷積み専用の区画を形成する作業が行われる予定日、又は、コンテナ船から荷卸しされたコンテナが蔵置された荷卸し専用の区画においてその荷卸し専用の区画に蔵置された荷卸しされたコンテナを前記外来運搬車に積載して前記空きの区画を形成する作業が行われる予定日を特定し、
その物流情報が、そのコンテナを荷積みする又は荷卸ししたコンテナ船情報、そのコンテナの運搬先及び運搬元情報、並びに、そのコンテナを前記蔵置レーンに蔵置した時期情報を含む情報である請求項11に記載のコンテナターミナルの運用方法。
【請求項13】
予め測定された前記物流情報が同一の複数のコンテナ及び前記外来運搬車に対して前記門型クレーンに荷役作業させた実施日と台数との関係における規則性に基づいて、前記予定日を特定する請求項12に記載のコンテナターミナルの運用方法。
【請求項14】
コンテナ船の運行予定が前記制御装置に入力されると、入力されたその運行予定に基づいて、前記制御装置により、前記門型クレーンに対して、前記蔵置レーンに前記外来運搬車が外部から運搬してきて前記コンテナ船に荷積みするコンテナを蔵置するために、コンテナが蔵置されていない空きの区画を形成させる指示を出す請求項12又は13に記載のコンテナターミナルの運用方法。
【請求項15】
前記空きの区画を形成させる指示を、前記予定日の前日に出す請求項14に記載のコンテナターミナルの運用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナターミナル及びその運用方法に関し、より詳細には、荷役効率を向上するコンテナターミナル及びその運用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各蔵置レーンにおける門型クレーンの稼働状況及びコンテナの積み段数(高さ方向の段数)に基づいて、蔵置レーンにおけるコンテナの蔵置位置を決定するコンテナターミナルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−75592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンテナターミナルにおいては、コンテナ船及び蔵置レーンの間でコンテナを運搬する構内運搬車に対する荷役作業と、蔵置レーン及び外部の間でコンテナを運搬する外来運搬車に対する荷役作業との重なりによって、作業の繁閑が発生する。
【0005】
蔵置レーンにおける構内運搬車に対する荷役作業が発生するタイミングは対象となるコンテナ船の入港時間によって左右される。このとき、構内運搬車に対する荷役作業の対象となるコンテナの蔵置位置と、外来運搬車に対する荷役作業の対象となるコンテナの蔵置位置とが重なると、構内運搬車に対する荷役作業を優先して、外来運搬車に対する荷役作業を待機する。なお、ここでいうコンテナの蔵置位置が重なる状況は、構内運搬車の荷役対象のコンテナと外来運搬車の荷役対象のコンテナとが同一のベイになる状況や同一のレーンになる状況である。この外来運搬車に対する荷役作業の待機による外来運搬車の渋滞が、コンテナターミナルの荷役効率の低下の要因となっている。
【0006】
また、蔵置レーンの各所にバラバラに蔵置されているコンテナを荷役する場合に、門型クレーンが蔵置レーンを往復移動する距離が長くなり、門型クレーンの往復移動に要する時間が長くなる。なお、門型クレーンは同一の蔵置レーンのみを移動することに加えて、他のレーンに移動することもある。この門型クレーンの往復移動に要する時間の長期化も、コンテナターミナルの荷役効率の低下の要因となっている。
【0007】
上記の特許文献1に記載のコンテナターミナルは、構内運搬車に対する荷役作業と外来運搬車に対する荷役作業との重なりを考慮していないため、外来運搬車に対する荷役作業の待機による渋滞が生じる。また、上記の特許文献1に記載のコンテナターミナルは、現時点における門型クレーンの稼働状況や現在位置を考慮しているが、蔵置されたコンテナに対して今後発生する門型クレーンの荷役作業の効率を考慮していない。それ故、蔵置された複数のコンテナは蔵置レーンに規則性も無く蔵置されることになり、そのコンテナに対する荷役作業により、門型クレーンの往復移動に要する時間が長期化する。このように、特許文献1に記載のコンテナターミナルでは、荷役効率が低下するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、構内運搬車に対する荷役作業と外来運搬車に対する荷役作業との重なりに起因する外来運搬車の待機による渋滞を緩和すると共に門型クレーンの往復移動に要する時間を短縮して、荷役効率を向上することができるコンテナターミナル及びその運用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成する本発明のコンテナターミナルは、蔵置されたコンテナの長さ方向に延在する蔵置レーンと、蔵置されたコンテナの幅方向に前記蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンに沿って移動する門型クレーンと、を備えて、前記蔵置レーンに、外来運搬車が外部へ運搬するコンテナ、及び、外部から運搬してきたコンテナを蔵置する構成にしたコンテナターミナルにおいて、前記蔵置レーンが、前記長さ方向に三つ以上の区画に区分されて、その区画に蔵置される複数のコンテナは、それら複数のコンテナ及び前記外来運搬車に対する前記門型クレーンの荷役作業の状況が統一されることを特徴とする。
【0010】
上記の目的を達成する本発明のコンテナターミナルの運用方法は、蔵置されたコンテナの長さ方向に延在する蔵置レーンに、蔵置されたコンテナの幅方向にその蔵置レーンを跨いでその蔵置レーンに沿って移動する門型クレーンにより、外来運搬車が外部へ運搬するコンテナ、及び、外部から運搬してきたコンテナを蔵置させるコンテナターミナルの運用方法において、コンテナが有する固有の識別情報が制御装置に入力されて、入力された前記識別情報に基づいて、制御装置により、その識別情報に関連付けられて予め入力されたその識別情報を有したコンテナ及び前記外来運搬車に対する前記門型クレーンの荷役作業の状況を特定し、特定した前記荷役作業の状況に基づいて、前記制御装置により、その識別情報を有したコンテナの蔵置位置を、前記蔵置レーンにおける前記長さ方向に三つ以上に区分されてなる区画に蔵置される複数のコンテナの前記荷役作業の状況が統一される位置に設定し、前記制御装置により、前記門型クレーンに対してその識別情報を有したコンテナを設定したその蔵置位置に蔵置させる指示を出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、蔵置レーンの区画の各々に蔵置された複数のコンテナおける荷役作業の状況を統一することで、同一の区画で構内運搬車に対する荷役作業と外来運搬車に対する荷役作業とが重なることを回避することができる。これにより、構内運搬車に対する荷役作業と外来運搬車に対する荷役作業との重なりに起因する外来運搬車の待機による渋滞を緩和するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0012】
また、同一の区画に蔵置された複数のコンテナの荷役作業の状況を統一して、荷役作業の状況ごとにその荷役作業の対象となるコンテナが纏まっていることで、門型クレーンが区画に蔵置された複数のコンテナに対して荷役作業を行うときの往復移動を低減できる。これにより、蔵置レーンにおける門型クレーンの移動に要する時間を短縮するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態のコンテナターミナルを例示する構成図である。
図2図1のIIで示す領域の斜視図であり、図3で示した状態よりも前の状態を示す。
図3図1のIIで示す領域の斜視図であり、図2で示した状態よりも後の状態を示す。
図4図1のIIIで示す領域の斜視図であり、図5で示した状態よりも前の状態を示す。
図5図1のIIIで示す領域の斜視図であり、図4で示した状態よりも後の状態を示す。
図6】物流情報が同一の複数の荷積みコンテナにおける蔵置レーンに蔵置された日時と個数との関係を例示する関係図である。
図7】物流情報が同一の複数の荷卸しコンテナにおける外来運搬車に積載された日時と個数との関係を例示する関係図である。
図8図1の制御システムを例示するブロック図である。
図9】本発明の実施形態のコンテナターミナルの運用方法のうちのコンテナをコンテナ船に荷積みする方法を例示する第一のフロー図である。
図10】本発明の実施形態のコンテナターミナルの運用方法のうちのコンテナをコンテナ船に荷積みする方法を例示する第二のフロー図である。
図11】本発明の実施形態のコンテナターミナルの運用方法のうちのコンテナをコンテナ船から荷卸しする方法を例示するフロー図である。
図12】本発明の第二実施形態のコンテナターミナルにおける蔵置レーンを例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のコンテナターミナル及びその運用方法の実施形態について説明する。図中における方向は、コンテナターミナル10の蔵置レーン20に蔵置されたコンテナCを基準とする。具体的に、X方向をコンテナCの長さ方向で、蔵置レーン20の延在方向とし、Y方向を蔵置されたコンテナCの幅方向で、門型クレーン18が蔵置レーン20を跨ぐ方向とし、Z方向を鉛直方向とする。
【0015】
また、蔵置レーン20の各々の区分をレーン(Aレーン〜Gレーン)とする。また、蔵置レーン20は、X方向の区分をベイ(Aベイ〜Dベイ)、Y方向の区分をロウ(Aロウ〜Fロウ)、Z方向の区分をティア(Aティア〜Fティア)とする。
【0016】
図1図8に例示するように、第一実施形態のコンテナターミナル10は、コンテナCの海上輸送と陸上輸送との結節点となり、構内運搬車11に対する荷役作業と、外来運搬車12に対する荷役作業とが行われる港湾施設である。構内運搬車11は、コンテナ船Sx及び蔵置レーン20の間でコンテナCを運搬し、外来運搬車12は、蔵置レーン20及び外部の陸上施設との間でコンテナCを運搬する。
【0017】
図1に例示するように、コンテナターミナル10は、Y方向陸側から海側に向って順にゲート領域14、コンテナヤード15、及び本船荷役エリア16に区画される。コンテナヤード15は、Y方向海側の海側領域15aとY方向陸側の陸側領域15bとに区画される。なお、図中におけるコンテナヤード15を横断する点線が、コンテナヤード15の海側領域15a及び陸側領域15bの境界を示している。この境界はコンテナヤード15におけるY方向の中途位置であればよく、Y方向中心でなくてもよい。また、海側領域15aと陸側領域15bとを区画する境界については(図中の点線)、例えば、図1における左右二列の蔵置レーン20の並びごとに設定してもよく、状況によっては境界を設けない場合もある。
【0018】
ゲート領域14は、外来運搬車12が通過するゲート17を備える。コンテナヤード15は、多数のコンテナCが蔵置される複数の蔵置レーン(蔵置ブロックともいう)20と、Y方向に蔵置レーン20を跨いで蔵置レーン20に沿ってX方向に走行する複数の門型クレーン18を備える。一つの蔵置レーン20における門型クレーン18の配置数は、特に限定されるものではなく、門型クレーン18を複数の蔵置レーン20の間を移動可能に構成してもよい。本船荷役エリア16は、コンテナ船Sxが接岸する岸壁に沿ってX方向に向って敷設されるレールの上を走行する複数の岸壁クレーン19を備える。
【0019】
コンテナヤード15に配置された複数の蔵置レーン20は、蔵置されたコンテナCの長さ方向であるX方向に延在する。複数の蔵置レーン20は、互いにX方向及びY方向に間隔を空けて配置される。
【0020】
蔵置レーン20は、X方向に三つ以上の区画に区分される。具体的に、実施形態の蔵置
レーン20は、この区画がX方向に一つのコンテナCを蔵置可能な区画であるベイ21(後述する荷積み専用のベイ22、荷卸し専用のベイ23、空きベイ24の総称)で構成される。一つのベイ21は、X方向に一つのコンテナCが配置可能であり、Y方向に複数のコンテナCが配置可能であり、Z方向に複数のコンテナCが配置可能である。例えば、図中で一つの蔵置レーン20には、十八個のベイ21がX方向に連続して配置される。なお、蔵置レーン20における区画は、三つ以上であればよく、例えば、複数の互いに隣接するベイ21を一つの区画としてもよい。但し、門型クレーン18に荷役を指示する場合にベイ21単位で指示することから、蔵置レーン20における区画をベイ21にすることで、ベイ21ごとにコンテナCを管理するには有利になる。
【0021】
海側領域15aに配置された蔵置レーン20は、コンテナ船Sxに荷積みされるコンテナとして、荷積みコンテナ(輸出コンテナともいう)Caが蔵置される。一方で、陸側領域15bに配置された蔵置レーン20は、コンテナ船Sxから荷卸しされたコンテナとして、荷卸しコンテナ(輸入コンテナともいう)Cbが蔵置される。つまり、この実施形態で、コンテナヤード15に配置された複数の蔵置レーン20は、荷積みコンテナCaが蔵置されるレーンと荷卸しコンテナCbが蔵置されるレーンとの二種類のレーンに区別される。なお、蔵置レーン20がY方向に延在する場合は、一つの蔵置レーン20における海側の一端部側が海側領域15aに存在し、陸側の他端部側が陸側領域15bに存在するようにしてもよい。
【0022】
つまり、海側領域15aに配置された蔵置レーン20(Aレーン〜Dレーン)における複数のベイ21の各々は、荷積みコンテナCaのみが蔵置される荷積み専用のベイ22と、コンテナCが一つも蔵置されていない空きベイ24とで構成される。一方で、陸側領域15bに配置された蔵置レーン20(Eレーン〜Hレーン)における複数のベイ21の各々は、荷卸しコンテナCbのみが蔵置される荷卸し専用のベイ23と空きベイ24とで構成される。
【0023】
コンテナターミナル10は、管理棟30を備える。管理棟30には、制御システム31が設置される。制御システム31は、図示しない通信機を介して構内運搬車11、門型クレーン18、及び岸壁クレーン19に通信可能に接続される。また、制御システム31は、情報取得装置32及び指示装置33に通信可能に接続される。
【0024】
制御システム31は、各種情報処理を行うCPU、その各種情報処理を行うために用いられるプログラムや情報処理結果を読み書き可能な内部記憶装置、及び各種インターフェースなどから構成されるハードウェアである。
【0025】
情報取得装置32は、コンテナヤード15の出入口に設置されて、コンテナヤード15の内部に運搬されるコンテナCが有する固有の識別情報Cxを取得する装置である。この実施形態で、情報取得装置32は、コンテナヤード15のY方向陸側の出入口であるゲート17の近傍と、Y方向海側の出入口である岸壁クレーン19の近傍との両方に設定される。情報取得装置32は、コンテナCが外来運搬車12により外部から運搬されてきたときと、コンテナ船Sxにより運搬されて岸壁クレーン19により荷卸しされたときに識別情報Cxを取得する。識別情報Cxとしては、コンテナ番号が例示される。
【0026】
情報取得装置32としては、識別情報Cxを直接的又は間接的に取得可能であればよい。例えば、コンテナヤード15のY方向海側における情報取得装置32としては、岸壁クレーン19や岸壁クレーン19の近傍の地面に設置されたバーコードリーダやカメラ及び画像認識システムが例示される。また、構内運搬車11の車載端末も例示される。加えて、作業員が直接的に目視で確認した識別情報Cxを制御システム31に送信するハンディ端末も例示される。コンテナヤード15のY方向陸側における情報取得装置32としては
、外来運搬車12が有する固有の車番を認識して間接的にその外来運搬車12が運搬してきたコンテナCの識別情報Cxを取得する装置が例示される。また、ゲート17に設置されて、外来運搬車12の運転者が直接、識別情報Cxを入力するタッチパネルなどの入力装置も例示される。このように、情報取得装置32は、コンテナCがコンテナヤード15の内部に運搬される際に、そのコンテナCの識別情報Cxを取得できればよく、設置位置や具体的な装置は限定されない。
【0027】
指示装置33は、外来運搬車12に対して制御システム31に指定された蔵置位置Pxを指示する装置である。指示装置33としては、蔵置位置Pxを表示するディスプレイ装置や、蔵置位置Pxが記された管理票を発行する装置、又は、蔵置位置Pxを音声で指示するスピーカが例示される。
【0028】
図2図5に例示するように、ベイ21(22、23、24)に蔵置された複数のコンテナCは、それら複数のコンテナC及び外来運搬車12に対する門型クレーン18の荷役作業の状況が統一される。
【0029】
具体的に、荷役作業の状況は、海側領域15aに配置された蔵置レーン20の空きベイ24において外来運搬車12に運搬された荷積みコンテナCaを門型クレーン18によりその空きベイ24に蔵置して荷積み専用のベイ22を形成する作業が行われる予定日Dxである。また、荷役作業の状況は、陸側領域15bに配置されて蔵置レーン20の荷卸し専用のベイ23においてその荷卸し専用のベイ23に蔵置された荷卸しコンテナCbを門型クレーン18により外来運搬車12に積載して空きベイ24を形成する作業が行われる予定日Dyである。
【0030】
つまり、海側領域15aに配置された蔵置レーン20は、予定日Dxを境にして、空きベイ24が荷積み専用のベイ22に変わるレーンであり、陸側領域15bに配置された蔵置レーン20は、予定日Dyを境にして、荷卸し専用のベイ23が空きベイ24に変わるレーンである。
【0031】
また、蔵置レーン20に蔵置された荷積みコンテナCaは、既に経過した予定日Dxの前後を含めた一定の期間で、門型クレーン18により外来運搬車12から荷役されたものである。一方で、蔵置レーン20に蔵置された荷卸しコンテナCbは、今後経過する予定日Dyの前後を含めた一定の期間で、門型クレーン18により外来運搬車に荷役される予定のものである。
【0032】
予定日Dx、Dyは、予測値であり、実際に門型クレーン18による荷役作業が行われる日時とは異なる場合がある。つまり、一つのベイ21に蔵置された複数のコンテナCにおける荷役作業の状況が統一されて、予定日Dx、Dyが統一されることは、実際に荷役作業が行われた日時が、予定日Dxの前後数日間に渡る作業期間で同一であることを示す。なお、予定日Dx、Dyが同一であっても、例外的に荷役作業が作業期間内に行われないこともある。
【0033】
具体的に、図2のBベイの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、門型クレーン18により外部から運搬してきた外来運搬車12から蔵置レーン20への荷役作業が行われた予定日D2が同一である。Cベイの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは予定日D1が同一である。図3のAベイ及びDベイの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは予定日D3が同一である。
【0034】
図4のAベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは、門型
クレーン18により外来運搬車12に積載されてコンテナターミナル10の外部に運搬される予定日D4が同一である。Cベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは予定日D5が同一である。図5のBベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは予定日D6が同一である。
【0035】
同一の荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、予定日Dxが統一されていればよいが、さらに、同一のコンテナ船Sxに荷積みされることがより望ましい。同一の荷積み専用のベイ22の荷積みコンテナCaは、予定日Dxが統一されていても、荷積みされるコンテナ船Sxが異なると、実際に門型クレーン18により荷役されるタイミングが異なる。そこで、同一の荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、予定日Dxに加えて、荷積みされるコンテナ船Sxも統一されることで、実施に門型クレーン18により荷役されるタイミングを合わせることが可能となる。
【0036】
このように、同一の荷積み専用のベイ22の荷積みコンテナCaが同一のコンテナ船Sxに荷積みされるためは、荷積みコンテナCaが蔵置レーン20に蔵置される前に、空きベイ24が形成される。その空きベイ24に同一のコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaが蔵置されることで、荷積み専用のベイ22が形成される。
【0037】
具体的に、図2のBベイの複数の荷積みコンテナCaは、同一のコンテナ船S2に荷積みされる。Cベイの複数の荷積みコンテナCaは、同一のコンテナ船S1に荷積みされる。図3のAベイ及びDベイの複数の荷積みコンテナCaは同一のコンテナ船S3に荷積みされる。また、Aベイ及びDベイは、図2において空きベイ24であり、図3において荷積み専用のベイ22である。
【0038】
一つの蔵置レーン20に統一された荷役作業の状況が同一のベイ21がX方向に隣接配置されてもよいが、複数の門型クレーン18は、X方向に互いに隣接するベイ21どうしを同時に行うことができない。そこで、一つの蔵置レーン20に荷役作業の状況が同一のベイ21が複数存在する場合は、そのベイ21どうしが複数の門型クレーン18により同時に荷役可能にその蔵置レーン20のX方向に離間配置されることが望ましい。
【0039】
この実施形態では、図3に例示するように、互いにX方向に隣り合う門型クレーン18どうしが、X方向に隣接する二つのベイ21の長さ以上で離間していれば、同時に荷役作業を行うことが可能である。それ故、荷役作業の状況が同一のAベイ及びDベイは、Bベイ及びCベイの二つ分の間隔を空けて離間配置される。荷役作業の状況が同一のベイ21どうしの離間距離に関しては、門型クレーン18どうしが同時に荷役作業可能な距離であればよく、特に限定されない。例えば、荷役作業の状況が同一のベイ21どうしが、一つの蔵置レーン20にX方向の両端に配置されてもよい。また、一つの蔵置レーン20に荷役作業の状況が同一のベイ21が三つ以上存在してもよい。
【0040】
一つの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、さらに、Z方向下方に蔵置されたコンテナCの平均重量に比してZ方向上方に蔵置されたコンテナCの平均重量が重くなることが好ましい。具体的に、Aティア〜Fティアのうちで重量が重いコンテナCが、優先的にFティアから順次、蔵置されるようにする。このように、荷積み専用のベイ22において重量が重い荷積みコンテナCaをZ方向上方に蔵置することで、コンテナ船Sxに荷積みするときに、コンテナ船Sxの船底近くに荷積みするには有利になる。
【0041】
一つのベイ21に蔵置された複数のコンテナCは、予定日Dx、Dyが統一されることに加えて、さらに、Z方向の積み方が予定日Dx、Dyのなかでも荷役作業が行われる時間に応じた積み方にされることが好ましい。つまり、Aティア〜Fティアのうちで予定日
Dx、Dyにおける荷役作業の時間が早いコンテナCが、優先的にFティアから順次、蔵置されるようにする。例えば、予定日Dxに統一された荷積み専用のベイ22では、荷積みされる時間が早い荷積みコンテナCaがZ方向上方に、遅い荷積みコンテナCaがZ方向下方に積まれる。また、予定日Dyに統一された荷卸し専用のベイ23では、外来運搬車12に荷役されて外部へ運搬される時間が早い荷卸しコンテナCbがZ方向上方に、遅い荷卸しコンテナCbがZ方向下方に積まれる。このように、同一のベイ21において荷役作業が行われる時間が早いコンテナCをZ方向上方に蔵置することで、荷役するときに掘り起こす作業を低減するには有利になる。
【0042】
図6及び図7に例示するように、予定日Dx、Dyは、実験データを元に予測されており、コンテナCの有する固有の識別情報Cxに関連付けられた物流情報Lxに基づいて予測された日程である。予定日Dxは、コンテナターミナル10が運用される前に、予め実験的に、物流情報Lxが略同一の複数のコンテナC及び外来運搬車12に対する門型クレーン18の荷役作業が行われた実施日と個数とを測定し、測定したその結果に示される一定の法則性に基づいて予測される。
【0043】
物流情報Lxは、制御システム31の内部記憶装置に予め記憶された情報であり、コンテナ船Sxの運行予定と共に入力される情報である。物流情報Lxは、コンテナCのコンテナヤード15における蔵置位置Pxを設定可能な情報であり、少なくともコンテナ船情報、コンテナCの運搬先及び運搬元情報、並びに、時期情報を含み、それらの情報に加えて、コンテナCの重量情報を含むことが好ましい。コンテナ船情報は、コンテナターミナル10に接岸するコンテナ船Sxか、離岸するコンテナ船Sxかを示す情報であり、コンテナ船Sxの運行予定でもある。コンテナCの運搬先及び運搬元情報は、コンテナCが運搬されて到着する場所や出発させた場所を示す情報であり、具体的に、コンテナCの荷主、コンテナ船Sxの仕向港、及び仕出港を含む情報である。時期情報は、コンテナCの中身とそのコンテナCが蔵置レーン20に蔵置された時期との関係を示す情報である。重量情報は、コンテナCの重量を示す情報である。
【0044】
荷積みコンテナCaにおける規則性は、コンテナ船Sxが接岸する(入港する)日時までに、外部から外来運搬車12が運搬してきた荷積みコンテナCaが蔵置レーン20に蔵置される個数のピークを迎える日時が存在するという規則性である。一方で、荷卸しコンテナCbにおける規則性は、コンテナ船Sxから荷卸しされた荷卸しコンテナCbが蔵置レーン20に蔵置されてから外来運搬車12により外部へ運搬される個数のピークを迎える日時が存在するという規則性である。
【0045】
図6に例示するように、荷積みコンテナCaの規則性は、コンテナ船Sxが接岸する日時(コンテナ船Sxに荷積みを開始する日時)を原点とする。例えば、物流情報L2の荷積みコンテナCaを基準とすると、物流情報L1の荷積みコンテナCaは、蔵置レーン20に蔵置される個数のピークを迎える実施日から荷積みされるコンテナ船S1が離岸する実施日までが長い。また、物流情報L3の荷積みコンテナCaは、蔵置レーン20に蔵置される個数のピークを迎える実施日から荷積みされるコンテナ船Sxが離岸する実施日までが短い。
【0046】
図7に例示するように、荷卸しコンテナCbの規則性は、コンテナ船Sxが接岸した日時(コンテナ船Sxから荷卸しを開始する日時)を原点とする。例えば、物流情報L5の荷卸しコンテナCbを基準とすると、物流情報L4の荷卸しコンテナCbは、コンテナ船Sxが接岸した実施日から外来運搬車12に運搬される個数のピークを迎える実施日までが長い。また、物流情報L6の荷卸しコンテナCbは、コンテナ船Sxが接岸した実施日から外来運搬車12に運搬される個数のピークを迎える実施日までが短い。
【0047】
このように、物流情報Lxが同一のコンテナCは、荷役作業の状況においてピークを迎えるという一定の規則性がある。そこで、そのピークを予定日Dx、Dyとして設定することで、制御システム31は、コンテナCが有する識別情報Cxに関連付けられた物流情報Lxに基づいて、予定日Dx、Dyを予測することが可能になる。
【0048】
コンテナCの予定日Dx、Dyは、コンテナターミナル10が稼働中に、制御システム31からの指示により、門型クレーン18にその指示に基づいた荷役作業を実施させた日時を常時、測定して、測定した測定結果に基づいて修正するとよい。
【0049】
例えば、図6に例示するように、物流情報L1及び物流情報L3における予定日D1及び予定日D3は、各々のピークとなる実施日と略一致する。一方、物流情報L2の荷積みコンテナCaの予定日D2と、測定結果で示されるピークの実施日とが異なる。このような場合に、物流情報L2の荷積みコンテナCaの予定日D2を測定結果のピークの実施日に修正する。
【0050】
また、図7に例示するように、物流情報L4及び物流情報L6における予定日D4及び予定日D6は、各々のピークとなる実施日と略一致する。一方、物流情報L5の荷卸しコンテナCbの予定日D5と、測定結果で示されるピークの実施日とが異なる。このような場合に、物流情報L5の荷卸しコンテナCbの予定日D5を測定結果のピークの実施日に修正する。
【0051】
このように、データマイニングとして、コンテナターミナル10の稼動の中で常時蓄積される測定結果から常に学習(測定結果に基づいた修正)を行うことが好ましい。データマイニングを行うことで、コンテナCの予定日Dxの精度を向上するには有利になる。
【0052】
また、物流情報L5の荷卸しコンテナCbの修正した予定日D5が、物流情報L6の荷卸しコンテナCbの予定日D6に近くなる。このような場合に、物流情報L5の荷卸しコンテナCbが蔵置される荷卸し専用のベイ23と、物流情報L6の荷卸しコンテナCbが蔵置される荷卸し専用のベイ23とを、複数の門型クレーン18で略同時に荷役可能にX方向に離間配置するようにするとよい。
【0053】
図8に例示するように、制御システム31は、機能要素として空きベイ設定部34、蔵置位置設定部35、及び指示部36を有する。これらの機能要素は、プログラムとして制御システム31の内部記憶装置に記憶されて、CPUにより読み出されて、実行される。各機能要素は、プログラマブルロジックコントローラなどの個別のハードウェアで構成されてもよい。また、各機能要素を一つの機能要素にまとめてもよい。
【0054】
空きベイ設定部34は、同一のベイ21に蔵置される複数のコンテナCの荷役作業の状況が統一されるように蔵置レーン20の各々における空きベイ24の位置Qxを設定する機能要素である。蔵置位置設定部35は、コンテナCが有する固有の識別情報Cxに基づいてそのコンテナCの蔵置レーン20における蔵置位置Pxを設定する機能要素である。指示部36は、設定された位置Qxに空きベイ24を形成するために門型クレーン18に指示を出す機能要素であり、設定された蔵置位置PxにコンテナCを蔵置するために門型クレーン18に指示を出す機能要素である。
【0055】
図9及び図10に例示するように、コンテナターミナル10の運用方法のうちの荷積みコンテナCaを蔵置レーン20に蔵置する方法は、大きく二つの工程が行われる方法である。一つは、荷積みコンテナCaが荷積みされるコンテナ船Sxの運行予定が入力されると開始されて、蔵置レーン20の所定の位置Qxに空きベイ24を形成する工程である。もう一つは、外来運搬車12が対象となる荷積みコンテナCaを外部から運搬してきたと
きに開始されて、その荷積みコンテナCaの蔵置位置Pxを設定して、門型クレーン18に対して設定した蔵置位置Pxに荷役させる指示を出す工程である。
【0056】
図9に例示するように、制御システム31に荷積みコンテナCaが荷積みされるコンテナ船Sxの運行予定とそのコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaの物流情報Lxとが入力されると、空きベイ24を形成する工程を開始する。
【0057】
運行予定及び物流情報Lxが入力されると、制御システム31の空きベイ設定部34は、予定日Dx(コンテナ船Sxの接岸日)が翌日か否かを判定する(S110)。なお、この実施形態では、翌日に設定したが、この日付は任意に設定可能である。また、翌日とは、正午を基準として現在の日時から正午を跨いだ日付とする。予定日Dxが現在の日時Daの翌日でないと判定すると、空きベイ設定部34は、現在の日時Daが「1日」経過するまで待機して(S120)、次の日にステップS110を行う。なお、空きベイ設定部34は、対象となるコンテナ船Sxに対する以下の工程を待機するのであり、その他のコンテナ船に対しては以下の工程を行う場合もある。
【0058】
予定日Dxが現在の日時Daの翌日と判定すると、空きベイ設定部34は、コンテナ船Sxに荷積みされる予定の荷積みコンテナCaの個数に基づいて、必要となる空きベイ24の個数nを算出する(S130)。コンテナ船Sxに荷積みされる予定の荷積みコンテナCaの個数は、運行予定と共に制御システム31に入力される。
【0059】
次いで、空きベイ設定部34は、海側領域15aに配置された蔵置レーン20にその時点で存在する空きベイ24の個数mを検出する(S140)。現時点で蔵置レーン20に存在する空きベイ24の個数mは、門型クレーン18への荷役作業の指示やコンテナ船Sxの運行予定により検出可能である。なお、検出対象となる空きベイ24に関しては、X方向に隣り合う空きベイ24どうしの間の距離が複数の門型クレーン18により同時に荷役作業可能な距離以上に離間しているものとなる。
【0060】
次いで、空きベイ設定部34は、算出した個数nが検出した個数m以下か否かを判定する(S150)。なお、本明細書で、「以下」は、算出した個数nと検出した個数mとが等しい場合も含むものとする。算出した個数nが検出した個数m以下と判定すると(S150:YES)、この工程は終了する。
【0061】
一方、算出した個数nが検出した個数mよりも多いと判定すると(S150:NO)、空きベイ設定部34は、空きベイ24とする荷積み専用のベイ22を選択する(S160)。具体的に、このステップで、空きベイ設定部34は、荷積み専用のベイ22のうちのコンテナ船Sxの運行予定から既にコンテナ船Sxに荷積みされている予定で、且つ、蔵置されている荷積みコンテナCaの蔵置数が少ないものを空きベイ24の対象とするものとして選択する。
【0062】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して空きベイ設定部34に設定された荷積み専用のベイ22の位置Qxを空きベイ24にする指示を出す(S170)。
【0063】
このとき、位置Qxに蔵置されている荷積みコンテナCaは、荷積みされるコンテナ船Sxの予定が変更された、荷積みされるコンテナ船Sxが変更された、あるいは、事情によりコンテナ船Sxへの荷積みが拒否されたなどの理由により取り残されたものである。そこで、取り残された荷積みコンテナCaのうちの荷積みされるコンテナ船Sxの予定が変更された又は荷積みされるコンテナ船Sxが変更されたものは、変更されたコンテナ船Sx、あるいは変更された予定日Dxに基づいて、再度、蔵置位置Pxが設定されること
が好ましい。また、コンテナ船Sxへの荷積みが拒否されたものは、蔵置レーン20に特別に設けられて、その種の荷積みされる予定が不明のコンテナが蔵置される専用のベイに蔵置されることが好ましい。
【0064】
次いで、空きベイ設定部34は、指示部36から各門型クレーン18に出された指示数に応じて現時点の空きベイ24が増えたとカウントして(S180)、ステップS130へ戻る。なお、現時点の空きベイ24が増えたとカウントするタイミングが、実際に門型クレーン18による空きベイ24を形成する作業が完了したときでもよい。
【0065】
以上の工程は、算出した個数nが検出した個数m以下になるまで行われる。なお、予定日Dxよりも前に外来運搬車12により外部から運搬された荷積みコンテナCaは、空きベイ24又は荷積みされるコンテナ船Sxが同一の荷積み専用のベイ22に蔵置される。予定日Dxの前日までに荷積みコンテナCaが蔵置された荷積み専用のベイ22は、積み数に余裕がある場合には空きベイ24にカウントしてもよい。
【0066】
図10に例示するように、制御システム31に情報取得装置32で取得された荷積みコンテナCaが有する固有の識別情報Cxが入力されると、制御システム31の蔵置位置設定部35は、予め制御システム31の内部記憶装置に記憶されたその識別情報Cxに関連付けられた物流情報Lxを読み出す(S210)。
【0067】
次いで、蔵置位置設定部35は、読み出した物流情報Lxに基づいて、対象となる荷積みコンテナCaが荷積みされるコンテナ船Sxを特定する(S220)。
【0068】
次いで、蔵置位置設定部35は、特定したコンテナ船Sxに基づいて、海側領域15aに配置された蔵置レーン20に特定したコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaが蔵置された荷積み専用のベイ22があるか否かを判定する(S230)。
【0069】
特定したコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaが蔵置された荷積み専用のベイ22があると判定すると(S230:YES)、蔵置位置設定部35は、対象となる荷積みコンテナCaの蔵置位置Pxをその荷積み専用のベイ22に設定する(S240)。
【0070】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して蔵置位置設定部35に設定された蔵置位置Pxに対象となる荷積みコンテナCaを蔵置させる指示を出して(S250)、この工程は終了する。
【0071】
一方で、特定したコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaが蔵置された荷積み専用のベイ22がないと判定すると(S230:NO)、蔵置位置設定部35は、対象となる荷積みコンテナCaの蔵置位置Pxを空きベイ24に設定する(S260)。
【0072】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して蔵置位置設定部35に設定された蔵置位置Pxに対象となる荷積みコンテナCaを蔵置させる指示を出して(S270)、この工程は終了する。
【0073】
上記の荷積み工程を図2及び図3を参照しながら説明する。図2において、Aベイ及びDベイは空きベイ24であり、Bベイは外来運搬車12から運搬される荷積みコンテナCaを蔵置中の荷積み専用のベイ22であり、Cベイは荷積みされるコンテナ船Sxの接岸待ちの荷積み専用のベイ22である。図3において、Aベイ及びDベイは外来運搬車12から運搬される荷積みコンテナCaを蔵置中の荷積み専用のベイ22であり、Bベイは荷積みされるコンテナ船Sxの接岸待ちの荷積み専用のベイ22であり、Cベイは空きベイ
24である。
【0074】
図11に例示するように、コンテナターミナル10の運用方法のうちの荷卸しコンテナCbを蔵置レーン20に蔵置する方法は、荷積みコンテナCaを蔵置レーン20に蔵置する方法に対して、空きベイ24を形成する工程と指示を出す工程との順序が異なる。
【0075】
制御システム31に情報取得装置32で取得された荷卸しコンテナCbが有する固有の識別情報Cxが入力されると、制御システム31の蔵置位置設定部35は、予め制御システム31の内部記憶装置に記憶されたその識別情報Cxに関連付けられた物流情報Lxを読み出す(S310)。
【0076】
次いで、蔵置位置設定部35は、読み出した物流情報Lxに基づいて、対象となる荷卸しコンテナCbの予定日Dyを特定する(S320)。このステップでは、物流情報Lxが同一のコンテナCにおける門型クレーン18の荷役作業が行われる実施日にピークが存在するという規則性を利用して、予定日Dyを特定する。なお、予定日Dyは予め物流情報Lxに関連付けていてもよく、物流情報Lxに包含してもよい。
【0077】
次いで、蔵置位置設定部35は、特定した予定日Dyに基づいて、陸側領域15bに配置された蔵置レーン20に特定した予定日Dyの荷卸しコンテナCbに統一された荷卸し専用のベイ23があるか否かを判定する(S330)。
【0078】
特定した予定日Dyの荷卸しコンテナCbに統一された荷卸し専用のベイ23があると判定すると(S330:YES)、蔵置位置設定部35は、対象となる荷卸しコンテナCbの蔵置位置Pxをその荷卸し専用のベイ23に設定する(S440)。
【0079】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して蔵置位置設定部35に設定された蔵置位置Pxに対象となる荷卸しコンテナCbを蔵置させる指示を出して(S350)、この工程は終了する。
【0080】
一方で、特定した予定日Dyの荷卸しコンテナCbに統一された荷卸し専用のベイ23がないと判定すると(S330:NO)、空きベイ設定部34は、荷卸し専用のベイ23のうちで空きベイ24の対象となるものを設定する(S360)。具体的に、このステップで、空きベイ設定部34は、荷卸し専用のベイ23のうちの予定日Dyから超過し、且つ、蔵置されている荷卸しコンテナCbの蔵置数が少ないものを空きベイ24の対象となるものとして設定する。
【0081】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して空きベイ設定部34に設定された荷卸し専用のベイ23を空きベイ24にする指示を出す(S370)。
【0082】
このとき、空きベイ24の対象となる荷卸し専用のベイ23に蔵置されている荷卸しコンテナCbは、蔵置されていたベイとは異なる他の荷卸し専用のベイ23の上部に蔵置されることが好ましく、予定日Dxが近い他の荷卸し専用のベイ23の上部に蔵置されることがより好ましい。また、空きベイ24の対象となる荷卸し専用のベイ23に蔵置されている荷卸しコンテナCbは、蔵置レーン20に特別に設けられた超過専用のベイに蔵置されてもよい。超過専用のベイは、予定日Dxが超過したコンテナCが蔵置される専用のベイであり、一つの蔵置レーン20に複数設けてもよい。
【0083】
次いで、蔵置位置設定部35は、対象となる荷卸しコンテナCbの蔵置位置Pxを空きベイ24に設定する(S380)。
【0084】
次いで、制御システム31の指示部36は、門型クレーン18に対して蔵置位置設定部35に設定された蔵置位置Pxに対象となる荷卸しコンテナCbを蔵置させる指示を出して(S390)、この工程は終了する。
【0085】
上記のコンテナターミナル10によれば、蔵置レーン20の各ベイ21の各々に蔵置された複数のコンテナCおける荷役作業の状況を統一することで、同一のベイ21で構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業とが重なることを回避することができる。これにより、構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業との重なりに起因する外来運搬車12の待機による渋滞を緩和するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0086】
また、同一のベイ22に蔵置された複数のコンテナCにおける荷役作業の状況を統一して、その状況ごとに荷役作業の対象となるコンテナCが纏まっていることで、門型クレーン18によりベイ21に蔵置された複数のコンテナCに対して荷役作業させるときに生じる門型クレーン18の往復移動を低減できる。これにより、蔵置レーン20における門型クレーン18の移動に要する時間を短縮するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0087】
コンテナターミナル10は、荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaを、同一のコンテナ船Sxに荷積みする。それ故、荷積みされたコンテナ船Sxが離岸したときにベイ単位で空になり、その空になった空きベイ24をその後に接岸するコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaの蔵置に利用することができる。
【0088】
つまり、荷積みコンテナCaを荷積み専用のベイ22ごとに管理することで、コンテナ船Sxの運行予定に合わせて、蔵置レーン20に荷積み専用のベイ22と空きベイ24とを順次入れ替えることになる。これにより、コンテナ船Sxの運行予定が入力されるごとに多数の空きベイ24を形成する頻度を低減するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0089】
また、コンテナターミナル10は、予め同一のコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaの個数に基づいて、必要な空きベイ24の個数nを算出して、算出した個数nの空きベイ24を用意しておく構成である。それ故、余分な空きベイ24を確保することを低減することができる。
【0090】
加えて、コンテナターミナル10は、予め同一のコンテナ船Sxに荷積みされる荷積みコンテナCaの予定日Dxに基づいて、その予定日Dxの前日に必要な空きベイ24を用意しておく構成である。それ故、蔵置レーン20に空きベイ24が存在する期間を短縮することができる。
【0091】
このように、コンテナ船Sxの運行予定に合わせて空きベイ24を適切に確保することで、蔵置レーン20に長期間に渡って使用できない空きベイ24が存在することに伴うコンテナCを蔵置可能な領域の減少を回避するには有利になり、コンテナヤード15を有効に活用することができる。
【0092】
門型クレーン18に対する空きベイ24を形成させる(S170)指示を出す日時を、予定日Dx(コンテナ船Sxの運行予定における接岸する日)の前日とすることが好ましく、予定日Dxの前日のうちの外来運搬車12の往来が少なくなる夜間がより好ましい。このように、門型クレーン18に空きベイ24を形成させる日時を予定日Dxの直近に設定することで、よりコンテナCを蔵置可能な領域の減少を回避するには有利になる。また、門型クレーン18に空きベイ24を形成させる日時を夜間に限定することで、空きベイ
24の形成作業を外来運搬車12に対する荷役作業を阻害することなく行うことができる。
【0093】
コンテナターミナル10は、一つの蔵置レーン20に荷役作業の状況が統一される荷積み専用のベイ22又は荷卸し専用のベイ23が複数存在する場合に、それらのベイを複数の門型クレーン18により同時に荷役できる。これにより、一つの蔵置レーン20における門型クレーン18の荷役作業の待機時間を低減するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0094】
コンテナターミナル10は、コンテナCが有する固有の識別情報Cxに関連付けられた物流情報Lxに基づいて、そのコンテナCに対する荷役作業の状況として予定日Dx、Dyを予測する構成にした。つまり、物流情報Lxが同一のコンテナCにおける外来運搬車12により外部に運搬される、あるいは、外部から外来運搬車12に運搬されて蔵置される日時の一定の規則性を利用して、予定日Dx、Dyを予測する構成にした。このように、物流情報Lxに基づいて異なる一定の規則性に着眼して、その一定の規則性を利用することで、蔵置レーン20に蔵置される複数のコンテナCをベイ21ごとに管理するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0095】
実施形態のコンテナターミナル10は、複数の蔵置レーン20が、荷積みコンテナCaが蔵置されるレーンと、荷卸しコンテナCbが蔵置されるレーンとに区分される。それ故、同一のレーン内に、構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業とが同時に発生しなくなり、構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業とを完全に分けることができる。これにより、構内運搬車11に対する荷役作業により外来運搬車12に対する荷役作業の滞りを回避するには有利になり、荷役効率を向上することができる。
【0096】
図12に例示するように、第二実施形態のコンテナターミナル10は、第一実施形態に対して、一つの蔵置レーン20に荷積み専用のベイ22と荷卸し専用のベイ23とが混在する点が異なる。このように、一つの蔵置レーン20に荷積みコンテナCaと荷卸しコンテナCbとの両方が蔵置される場合は、上記の外来運搬車12の予定日Dx、Dyに加えて、構内運搬車11に対する門型クレーン18の荷役作業の予定日(あるいは、コンテナ船Sxの接岸日)を考慮することが望ましい。つまり、蔵置レーン20に構内運搬車11が進入する時間帯と、外来運搬車12が進入する時間帯とを異ならせることが望ましい。
【0097】
具体的に、Aベイの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、門型クレーン18により外部から運搬してきた外来運搬車12から蔵置レーン20への荷役作業が行われた予定日D8が同一である。また、Aベイの荷積み専用のベイ22に蔵置された複数の荷積みコンテナCaは、門型クレーン18により構内運搬車11に積載されてコンテナ船Sxに荷積みされる予定日D9が同一である。Bベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは門型クレーン18により外来運搬車12に積載されてコンテナターミナル10の外部に運搬される予定日D10が同一である。また、Bベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは、門型クレーン18によりコンテナ船Sxから運搬してきた構内運搬車11から蔵置レーン20への荷役作業が行われた予定日D11が同一である。Dベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは門型クレーン18により外来運搬車12に積載されてコンテナターミナル10の外部に運搬される予定日D12が同一である。また、Dベイの荷卸し専用のベイ23に蔵置された複数の荷卸しコンテナCbは、門型クレーン18によりコンテナ船Sxから運搬してきた構内運搬車11から蔵置レーン20への荷役作業が行われた予定日D13が同一である。
【0098】
このように、一つの蔵置レーン20に荷積み専用のベイ22及び荷卸し専用のベイ23が混在する場合は、外来運搬車12に対する荷役作業の予定日Dx、Dyと、構内運搬車11に対する荷役作業の予定日とを異なった日時にする。それ故、蔵置レーン20に構内運搬車11が進入する時間帯と、外来運搬車12が進入する時間帯との重複を避けることができる。これにより、レーンごとに区別しなくても、同一のレーン内に、構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業とが同時に発生しなくなり、構内運搬車11に対する荷役作業と外来運搬車12に対する荷役作業とを完全に分けることができる。
【符号の説明】
【0099】
10 コンテナターミナル
12 外来運搬車
18 門型クレーン
20 蔵置レーン
21 ベイ(区画)
22 荷積み専用のベイ
23 荷卸し専用のベイ
24 空きベイ
C コンテナ
図1
図2
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図12