(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベースと、第一端と第二端との間の途中部分が前記ベースに第一ヒンジ部を介して連結され、前記第一端に第一係合部が設けられた湾曲状の第一アームと、第三端と第四端との間の途中部分が前記ベースに第二ヒンジ部を介して連結され、前記第一アームの前記第一端に対峙する前記第三端に第二係合部が設けられた湾曲状の第二アームとを備え、前記第一係合部と前記第二係合部とが係合されることで、前記第一アームと前記第二アームとの間に配管部材を保持するホルダーであって、
前記第一アームにおいて前記第一ヒンジ部よりも前記第一端側の部分には、前記配管部材が管軸を中心として第一方向へ回動することを当接規制する第一当接部が設けられ、前記第二アームにおいて前記第二ヒンジ部よりも前記第三端側の部分には、前記配管部材が管軸を中心として、前記第一方向とは反対側の第二方向へ回動することを当接規制する第二当接部が設けられ、
前記第一アームの外周面において前記第一係合部の近傍には第一指掛け部が設けられ、前記第二アームの外周面において前記第二係合部の近傍には第二指掛け部が設けられており、
前記第一アームにおいて前記第一当接部は前記第一指掛け部よりも前記第一係合部に近く、前記第二アームにおいて前記第二当接部は前記第二指掛け部よりも前記第二係合部に近く、
前記第一係合部において幅方向の一側縁には、前記第一アームの延在方向に沿って第一ガイド壁が設けられ、前記第二係合部において幅方向の一側縁には、前記第二アームの延在方向に沿って第二ガイド壁が設けられており、
前記第一当接部は前記第一ガイド壁の外面に突設され、前記第二当接部は、前記第二ガイド壁の外面において、前記第一当接部と対峙するようにして突設されていることを特徴とするホルダー。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
(水道の説明)
図8に示すように、本実施形態のホルダー101は、例えば家屋の壁等に配管される水道の施工面S上で、配管部材としての止水栓102を保持するために用いられる。施工面Sは鉛直面であり、当該施工面Sにおいて水道は、鉛直方向に延在されている。当該水道においては、下方のパイプ103から止水栓102を経由して、上方のパイプ104へと湯水が流れる。
【0011】
(止水栓の説明)
図7及び
図8に示すように、前記止水栓102は、中空棒状をなす本体51と、当該本体51の第一端(
図7及び
図8の下方側の端)に設けられた第一パイプ継手52と、当該本体51の第二端(
図7及び
図8の上方側の端)に設けられた第二パイプ継手53と、当該本体51において第一パイプ継手52と第二パイプ継手53との間に設けられた弁部54とを備えている。
【0012】
前記第一パイプ継手52及び第二パイプ継手53がそれぞれ備える継手構造は、例えばロックリングを用いたワンタッチタイプやナットを用いたネジ止めタイプ等の周知な構造であるため、説明は省略する。第一パイプ継手52には上流側のパイプ103が、第二パイプ継手53には下流側のパイプ104が、それぞれ接続される。また、弁部54が内部に備える開閉弁構造は周知であるため、説明は省略する。弁部54は、操作部55の外面に露出したスピンドル55aを回動操作することで、水道の開閉が可能である。
【0013】
前記止水栓102において本体51の外周面には、当該本体51の第一端で円柱状に膨出する第一パイプ継手52と、当該本体51の外周面から円柱状に突出する操作部55との間に、当該止水栓102の管軸L周りにおける円環状の領域で首部56が形成されている。第一パイプ継手52の外周面は、段差52aを介して首部56に接続されている。操作部55の外周面において首部56に臨む領域には、薄板状をなす被当接部54aが首部56に向かって突設されている。
【0014】
(ホルダーの説明)
図1〜
図5及び
図8に示すように、前記ホルダー101は、施工面Sに固定されるベース1と、当該ベース1に設けられて止水栓102を保持するための第一アーム2及び第二アーム3とを備えている。ベース1及び第一アーム2並びに第二アーム3は、合成樹脂により一体成形されている。
【0015】
前記ベース1は、両側縁部に取付孔5aが形成されたプレート5と、当該プレート5の中央部に立設された柱状部6とを備えている。ベース1は、プレート5の取付孔5aを介して施工面Sにネジ止めされる。柱状部6の上面6a(
図1の正面)は平面状をなし、当該柱状部6の下面6b(
図2の正面)には、肉抜きによって格子状のリブ6cが形成されている。
【0016】
前記柱状部6の第一面(上面6a)を平面状とし、当該第一面(上面6a)とは反対側の第二面(下面6b)にリブ6cを形成することは、作業者がホルダー101を施工面Sに対して取り付ける際に、上下の向きを間違えないようにするための視覚上及び触覚上の配慮である。特に、リブ6cを、柱状部6の上面6aではなく下面6bに形成することは、ホルダー101の設置後において肉抜き部分に塵埃等が溜まらないようにするための配慮である。
【0017】
前記柱状部6においてプレート5側とは反対側の端には、第一側縁(
図1の左方側の側縁)から延出された板状の第一連結部7と、第二側縁(
図1の右方側の側縁)から延出された板状の第二連結部8とが設けられている。第一連結部7においてプレート5側とは反対側の端には、薄肉ヒンジよりなる第一ヒンジ部7aが形成されている。第二連結部8においてプレート5側とは反対側の端には、薄肉ヒンジよりなる第二ヒンジ部8aが形成されている。
【0018】
前記第一アーム2及び第二アーム3は、それぞれ湾曲状としての半円筒状をなしている。第一アーム2の外周面は、ベース1側とは反対側の第一端2aとベース1側の第二端2bとの間の途中部分が、第一ヒンジ部7aを介して第一連結部7に連結されている。第二アーム3の外周面は、ベース1側とは反対側の第三端3aとベース1側の第四端3bとの間の途中部分が、第二ヒンジ部8aを介して第二連結部8に連結されている。
【0019】
前記第一アーム2の第一端2aには、第一係合部9が設けられている。第一アーム2の外周面において第一係合部9の近傍には、第一指掛け部10が設けられている。第一係合部9の外周面には、第一アーム2の幅方向に沿って延びる第一突起9aが形成されている。
【0020】
前記第一係合部9において幅方向の一側縁(
図1の紙面手前の側縁)には、第一アーム2の延在方向に沿って第一ガイド壁9bが設けられている。第一アーム2の内周面において幅方向の一側縁には、当該第一アーム2の延在方向に沿って円弧状の第一係止リブ21が設けられており、当該第一係止リブ21は第一ガイド壁9bの内周部分に連続されている。第一ガイド壁9bの外面には、第一当接部22が突設されている。
【0021】
前記第二アーム3において第一アーム2の第一端2aに対峙する第三端3aには、第二係合部11が設けられている。第二アーム3の外周面において第二係合部11の近傍には、第二指掛け部13が設けられている。第二係合部11の内周面には、第二アーム3の幅方向に沿って延びる第二突起11aが形成されている。
【0022】
前記第二係合部11において幅方向の一側縁(
図1の紙面手前の側縁)側には、第二アーム3の延在方向に沿って第二ガイド壁11bが突設されている。第二アーム3の内周面において幅方向の一側縁には、当該第二アーム3の延在方向に沿って円弧状の第二係止リブ23が設けられており、当該第二係止リブ23は第二ガイド壁11bに連続されている。第二ガイド壁11bの外面には、第一アーム2の第一当接部22と対峙するようにして、第二当接部24が突設されている。
【0023】
前記第一アーム2において第一ヒンジ部7aと第二端2bとの間の途中部分と、第二アーム3において第二ヒンジ部8aと第四端3bとの間の途中部分とは、バネ材12で連結されている。バネ材12は、ベース1等と一体成形された、プレート5側に凸となる円弧状の板バネよりなっている。
【0024】
図2に示す状態にあるホルダー101は、第一アーム2及び第二アーム3が
図6及び
図8に示す状態とされて止水栓102を保持する。すなわち、
図2に示す状態にあるホルダー101には、第一アーム2と第二アーム3との間に、止水栓102における首部56(
図8参照)付近の部位が配置される。
【0025】
この状態で、前記止水栓102を、第一アーム2の第二端2b側及び第二アーム3の第四端3b側に押し付けることで、第一アーム2が第一ヒンジ部7aを支点として、また第二アーム3が第二ヒンジ部8aを支点として、それぞれ傾動する。このとき、第一指掛け部10及び第二指掛け部13を利用して、第一アーム2及び第二アーム3の傾動を補助することも可能である。
【0026】
したがって、
図6及び
図8に示すように、前記第一アーム2の第一端2aと第二アーム3の第三端3aとが互いに接近し、やがては第一係合部9の第一突起9aと第二係合部11の第二突起11aとがスナップ係合されて、第一アーム2と第二アーム3との間で止水栓102が挟持される。
【0027】
前記ホルダー101に止水栓102を挟持させる作業の際、第一アーム2及び第二アーム3が傾動すると、バネ材12が弾性変形して、当該傾動を妨げる方向への反力を生じる。この反力は、第一係合部9の第一突起9aと第二係合部11の第二突起11aとの噛み合いを強くする方向に作用されるため、第一係合部9と第二係合部11との係合、つまりは止水栓102の挟持が確実となる。
【0028】
そして、当該作業の際に、前記止水栓102が第一アーム2及び第二アーム3に対して強く押し付けられる等した場合、第一アーム2において第一ヒンジ部7aよりも第二端2b側の部分と、第二アーム3において第二ヒンジ部8aよりも第四端3b側の部分とが大きく変形しようとし、第一アーム2の第二端2bと第二アーム3の第四端3bとの間隔が一部又は全部において過大に拡がろうとする。
【0029】
しかし、前記バネ材12が、第一アーム2において第一ヒンジ部7aよりも第二端2b側の部分と、第二アーム3において第二ヒンジ部8aよりも第四端3b側の部分とを拘束している。このため、第一アーム2の第二端2bと第二アーム3の第四端3bとの間隔が過大に拡がることを抑制でき、止水栓102を所定の位置で安定して保持することが可能となる。
【0030】
さて、
図6及び
図8並びに
図9に示すように、前記ホルダー101に止水栓102を挟持させる際には、当該止水栓102の首部56に対して、第一アーム2の第一係止リブ21及び第一当接部22と、第二アーム3の第二係止リブ23及び第二当接部24とが臨むように、さらには、当該止水栓102の被当接部54aが第一当接部22と第二当接部24との間に位置するように、第一アーム2と第二アーム3との間に止水栓102を配置する。
【0031】
この状態で、前記第一アーム2及び第二アーム3を傾動させると、第一係止リブ21と第二係止リブ23とが略同一円上に位置する状態となって、当該第一係止リブ21及び第二係止リブ23と第一パイプ継手52の段差52aとが、管軸Lに沿う方向の前後で向かい合うこととなる。また、第一アーム2及び第二アーム3の傾動にともない、第一当接部22と第二当接部24とが互いに接近して、当該第一当接部22と第二当接部24との間で止水栓102の被当接部54aが挟持される。
【0032】
したがって、前記止水栓102は、当該止水栓102の段差52aが、ホルダー101の第一係止リブ21及び第二係止リブ23に当接することで、当該ホルダー101に対する管軸Lに沿う第一方向(
図8の上方)への移動が規制される。また、止水栓102は、当該止水栓102における操作部55の外周面が、ホルダー101の第一当接部22及び第二当接部24に当接することで、当該ホルダー101に対する管軸Lに沿う、第一方向とは反対側の第二方向(
図8の下方)への移動が規制される。
【0033】
前記止水栓102は、当該止水栓102の被当接部54aが、ホルダー101の第一当接部22に当接することで、当該ホルダー101に対する管軸Lを中心とした第一方向への回動が規制される。また、止水栓102は、当該止水栓102の被当接部54aが、ホルダー101の第二当接部24に当接することで、当該ホルダー101に対する管軸Lを中心とした、第一方向とは反対側の第二方向への回動が規制される。
【0034】
このように、前記ホルダー101は、保持した止水栓102の姿勢を一定に保つことができるため、例えば外力が止水栓102に作用されたとしても、当該外力がパイプ103、104等の他の配管部材に伝播して当該他の配管部材が捻じれたり撓んだり、或いは緊張したりすることを防止できる。また、止水栓102の弁部54を開閉すべく、操作部55のスピンドル55aを回動操作する場合にも、操作力の作用によって止水栓102が動くことを抑制できるため、当該回動操作を安定して行うことができる。
【0035】
また、
図1及び
図4に示すように、前記第一アーム2と第二アーム3とが係合していない状態では、第一当接部22と第二当接部24との間隔が拡がっている。したがって、第一当接部22と第二当接部24との間に止水栓102の被当接部54aを配置する際、当該第一当接部22及び第二当接部24が障害となることを防止でき、止水栓102の施工性が向上される。
【0036】
なお、前記ホルダー101に止水栓102を挟持させる際に、当該止水栓102の被当接部54aを第一当接部22と第二当接部24との間以外に位置させる選択も可能である。当該選択を行えば、止水栓102の管軸Lを中心とした回動を抑制することはできないが、当該止水栓102(操作部55)の管軸L周りでの向きは、
図8の状態に限定されることがなくなる。例えば、水道の施工条件によっては、止水栓102の回動を抑制することよりも、操作部55の向きを優先しなくてはならない場合があり、このような場合には当該選択を行えばよい。
【0037】
(別例)
本発明は例えば次の態様でも実施可能である。
○第一当接部22を第一アーム2とは別体に構成するとともに、当該第一当接部22を取付可能な取付部を、第一アーム2の延在方向に沿って複数設ける。また、第二当接部24を第二アーム3とは別体に構成するとともに、当該第二当接部24を取付可能な取付部を、第二アーム3の延在方向に沿って複数設ける。
【0038】
そして、前記止水栓102(操作部55)の管軸L周りでの向きを
図8の状態とは異ならせてなおかつ、当該止水栓102の管軸Lを中心とした回動も抑制したい場合には、第一アーム2における第一当接部22の取付位置及び第二アーム3における第二当接部24の取付位置をそれぞれ調節して対応する。
【0039】
○第一アーム2の一側縁及び/又は第二アーム3の一側縁に突起を設け、当該突起に止水栓102の被当接部54aを収容可能な凹状部を設ける。そして、止水栓102(操作部55)の管軸L周りでの向きを
図8の状態とは異ならせてなおかつ、当該止水栓102の管軸Lを中心とした回動も抑制したい場合には、当該凹状部に被当接部54aを挿入して対応する。