(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される技術において、成形シートの搬送方向に直交する幅方向についてトリミング装置のトリミング型と成形シートとの位置を調整したいときに、トリミング型をシフトさせる場合が考えられる。しかしながら、この場合、トリミング装置が自動で運転している最中には、安全上または機能上トリミング型をシフトさせることができないので、成形シートの幅方向についてトリミング型と成形シートとの位置を調整できない。
【0005】
そこで、トリミング型をシフトさせるのではなく、複数のガイド片を成形シートの幅方向にシフトさせて成形シートの幅方向の位置を調整する場合が考えられる。しかしながら、この場合、各ガイド片を個別に成形シートの幅方向へシフトさせなければならないとすると、容易に複数のガイド片をシフトさせることができず、成形シートの幅方向の位置の調整が煩雑になるおそれがある。
【0006】
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、容易に複数のシートガイドをシフトさせて成形シートの幅方向の位置を調整できる
成形シートのガイド装置およびシートガイド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、
凸状の成形品が成形される成形シートをガイドする
成形シートのガイド装置において、搬送される前記成形シートをガイドするシートガイドと、
前記凸状の成形品を挟むようにして前記成形シートの搬送方向に直交する幅方向に並ぶ複数の前記シートガイドを支持する支持部材と、前記支持部材を前記幅方向にシフトさせるシフト機構と、を有
し、前記シフト機構が前記支持部材を前記幅方向にシフトさせて複数の前記シートガイドをまとめて前記幅方向にシフトさせることにより、前記シートガイドが前記凸状の成形品に接触して前記成形シートの前記幅方向の位置を調整すること、を特徴とする。
【0008】
この態様によれば、シフト機構によって支持部材を成形シートの幅方向にシフトさせることにより、支持部材に支持される複数のシートガイドをまとめて成形シートの幅方向にシフトさせることができる。そのため、容易に複数のシートガイドをシフトさせて成形シートの幅方向の位置を調整できる。また、複数のシートガイドをシフトさせるために要する時間を短縮できる。
【0009】
上記の態様においては、前記シートガイドとして、前記成形シートの上側に設けられる上シートガイドと、前記成形シートの下側に設けられる下シートガイドと、を備え、前記支持部材として、前記幅方向に並ぶ複数の前記上シートガイドを支持する上支持部材と、前記幅方向に並ぶ複数の前記下シートガイドを支持する下支持部材と、を備え、前記シフト機構として、前記上支持部材を前記幅方向にシフトさせる上シフト機構と、前記下支持部材を前記幅方向にシフトさせる下シフト機構と、を備えていること、が好ましい。
【0010】
この態様によれば、上シートガイドまたは/および下シートガイドにより成形シートをガイドすることができる。そして、上支持部材または/および下支持部材により、容易に複数の上シートガイドまたは/および下シートガイドを成形シートの幅方向にシフトさせて成形シートの幅方向の位置を調整できる。
【0011】
上記の態様においては、前記シートガイドは、軸状部材または板状部材であり、前記支持部材は、前記シートガイドの軸方向または長手方向の前後に2つ設けられていること、が好ましい。
【0012】
この態様によれば、2つ設けられた支持部材の各々の支持部材について、シフト機構による支持部材の成形シートの幅方向のシフト量を調整することにより、成形シートの搬送方向に対するシートガイドの軸方向または長手方向の角度を変えることができる。
【0013】
上記の態様においては、前記シフト機構は、前記支持部材の前記幅方向のシフト量を調整する調整ネジと、前記調整ネジの締め込み量を示すスケールと、を備えていること、が好ましい。
【0014】
この態様によれば、スケールを参考にしながら、より正確に調整ネジにて支持部材の成形シートの幅方向のシフト量を調整できる。そのため、より正確に、支持部材に支持される複数のシートガイドを成形シートの幅方向にシフトさせて、成形シートの幅方向の位置を調整できる。また、スケールを参考にしながら、調整ネジの締め過ぎや緩め過ぎを防止できる。
【0015】
上記の態様においては、前記成形シートを撮影する撮影部と、前記撮影部で撮影される前記成形シートの撮影画像をもとに前記成形シートの前記幅方向の位置のずれ量を算出するずれ量算出部と、を有すること、が好ましい。
【0016】
この態様によれば、成形シートの撮影画像をもとに算出される成形シートの幅方向の位置のずれ量を参考に、シフト機構により支持部材を成形シートの幅方向にシフトさせる量を調整して、複数のシートガイドを成形シートの幅方向にシフトさせる量を調整できる。そのため、より正確に、成形シートの幅方向の位置を調整できる。
【0017】
上記の態様においては、前
記ガイド装置は、前記成形品を前記成形シートから抜き出すために前記成形シートのトリミングを行うトリミング装置への前記成形シートの供給口の位置に設けられていること、が好ましい。
【0018】
この態様によれば、成形シートの幅方向の位置を調整した状態で、トリミング装置へ適切に成形シートを供給できる。そのため、トリミング装置により成形シートにおける所望の位置でトリミングを行うことができる。
上記課題を解決するためになされた本開示の他の形態は、成形品が成形される成形シートをガイドするシートガイド装置において、搬送される前記成形シートをガイドするシートガイドと、前記成形シートの搬送方向に直交する幅方向に並ぶ複数の前記シートガイドを支持する支持部材と、前記支持部材を前記幅方向にシフトさせるシフト機構と、を有し、前記シフト機構は、前記支持部材の前記幅方向のシフト量を調整する調整ネジと、前記調整ネジの締め込み量を示すスケールと、を備えていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本開示の
成形シートのガイド装置およびシートガイド装置によれば、容易に複数のシートガイドをシフトさせて成形シートの幅方向の位置を調整できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示のシートガイド装置
(成形シートのガイド装置)の実施形態について説明する。
【0022】
<熱成形装置の説明>
まず、本実施形態のシートガイド装置
(成形シートのガイド装置)が設けられる熱成形装置1の一例について説明する。
【0023】
(熱成形装置の構成)
熱成形装置1は、シートSHから成形品PRを形成する装置である。シートSHは、例えば、熱可塑性樹脂シートのような樹脂シート、熱可塑性を示す樹脂以外の熱可塑性シート、紙、等の成形可能なシートである。なお、成形品PRとしては、例えば、食品容器のような容器、家電製品の内箱や操作パネルのような構成品、等がある。
【0024】
図1に示すように、熱成形装置1は、シート供給部SE1と、加熱部SE2と、成形部SE3と、トリミング部SE4と、ノックアウト部SE5と、製品取出部SE6と、スクラップ回収部SE7と、成形機制御部SE8−1と、トリミング機制御部SE8−2を有する。
【0025】
なお、
図1において、左から右へ向かう方向がシートSHを搬送する方向である搬送方向D1である。ここで、シートSHには、シートSH1と成形シートSH2とスクラップシートSH3が含まれる。そして、シートSH1は、未だ成形品PRが成形されていないシートSHである。成形シートSH2は、既に成形品PRが成形されているシートSHである。スクラップシートSH3は、既に成形品PRが抜き出されているシートSHである。
【0026】
シート供給部SE1は、ロールSH0に巻かれた連続して繋がったシートSH1をほどいて加熱部SE2に供給する部位である。
【0027】
加熱部SE2は、シートSH1を加熱する部位である。この加熱部SE2は、シートSH1に対向するヒータを複数並べたヒータ群HGを有する。なお、
図1に示す加熱部SE2はシートSH1の上側と下側とにヒータ群HGが配置されているが、どちらか一方を省略してもよい。
【0028】
成形部SE3は、加熱されたシートSH1に成形品PRを成形する部位である。この成形部SE3には、シートSH1に成形品PRを成形する成形装置11が設けられている。なお、成形装置11により成形される成形品PRは、
図3に示すように、成形シートSH2の幅方向WD(
図3の上下方向)について、複数(
図3では一例として5つ)成形される。ここで、成形シートSH2の幅方向WDとは、成形シートSH2の長手方向に直交する短手方向、すなわち、搬送方向D1に直交する方向である。
【0029】
図1の説明に戻って、トリミング部SE4は、成形シートSH2のトリミングを行う部位である。このトリミング部SE4には、トリミング装置12が設けられている。トリミング装置12は、上トリミング型12aと下トリミング型12bを備えている。そして、
図2に示すように、成形シートSH2のトリミングを行う切刃12cが、上トリミング型12aのみに取り付けられている。このように、
図2に示す例では、トリミング装置12は、成形シートSH2のトリミングを行う切刃12cが成形シートSH2の厚み方向の一方向のみに設けられている形式(例えば、トムソン式)の装置である。なお、切刃12cは、上トリミング型12aと下トリミング型12bのどちらにも取り付け可能である。
【0030】
ここではトリミング装置12は、成形シートSH2のトリミングとして、成形シートSH2から成形品PRを切り離して抜き出さない処理を行う。そして、その後、ノックアウト部SE5のノックアウト装置16により成形シートSH2から成形品PRが抜き出される。すなわち、トリミング装置12は、成形シートSH2のトリミングとして、成形シートSH2から成形品PRを切り離して抜き出すのではなく、成形シートSH2に成形品PRを残したまま成形品PRの周囲の成形シートSH2に切り込みを入れておく。より具体的には、トリミング装置12は、成形品PRの周囲にノッチ(切り込まない部分)を残した状態で切り込みを入れておく。
【0031】
なお、トリミング装置12が行う成形シートSH2のトリミングとしては、成形シートSH2から成形品PRを切り離して抜き出す処理であってもよい。このとき、ノックアウト部SE5は不要となる。
【0032】
ノックアウト部SE5は、成形シートSH2から成形品PRを抜き出す部位である。このノックアウト部SE5には、ノックアウト装置16が設けられている。
【0033】
製品取出部SE6は、成形シートSH2から抜き出された成形品PRを取り出す部位である。また、スクラップ回収部SE7は、スクラップシートSH3を回収する部位である。また、成形機制御部SE8−1は、シート供給部SE1と加熱部SE2と成形部SE3を制御する。さらに、トリミング機制御部SE8−2は、トリミング部SE4とノックアウト部SE5と製品取出部SE6とスクラップ回収部SE7を制御する。
【0034】
また、シートSHは、
図1に示すシート搬送装置13,14により搬送される。このとき、シートSHは、その両側の縁部SHe(
図3参照)が保持されて、搬送方向D1へ間欠的に搬送される。なお、両側の縁部SHeを保持する方法としては、縁部SHeをクランプする方法でもよいし、突き刺し部材(不図示)により縁部SHeを突き刺す方法でもよい。
【0035】
そして、本実施形態では、熱成形装置1は、搬送される成形シートSH2をガイド(すなわち、案内)するシートガイド装置17を有する。このシートガイド装置17は、トリミング装置12への成形シートSH2の供給口の位置に設けられている。なお、このシートガイド装置17の詳細は、後述する。
【0036】
(熱成形装置の作用)
以上のような構成の熱成形装置1においては、まず、シート供給部SE1から供給されるシートSH1は、シート搬送装置13により加熱部SE2に搬送されて、加熱部SE2のヒータ群HGにより加熱される。この加熱部SE2においては、シートSH1は、例えば、当該シートSH1が溶融する温度未満であって軟化する温度以上に輻射加熱される。そして、加熱部SE2にて加熱されたシートSH1は、シート搬送装置13により成形部SE3に搬送されて、成形部SE3の成形装置11により成形品PRが成形される。その後、成形品PRが成形される成形シートSH2はトリミング部SE4にてトリミングが行われて、ノックアウト部SE5にて成形シートSH2から成形品PRが抜き出される。その後、成形品PRが製品取出部SE6に搬送される。その一方で、スクラップシートSH3がスクラップ回収部SE7にて回収される。そして、これらの各部位SE1〜SE7の動作は、成形機制御部SE8−1やトリミング機制御部SE8−2により制御される。
【0037】
<シートガイド装置の詳細について>
次に、本実施形態のシートガイド装置17の詳細について説明する。シートガイド装置17は、
図2〜
図4に示すように、フレーム20と、ガイドバー21(本開示の「シートガイド」の一例)と、ガイドバーシャフト22(本開示の「支持部材」の一例)と、シフト機構23と、固定クランプ24などを有する。なお、
図3と
図4においては、説明の便宜上、固定クランプ24が省略されている。
【0038】
フレーム20は、ガイドバーシャフト22やシフト機構23を支持する軸状部材である。
【0039】
ガイドバー21は、搬送される成形シートSH2をガイドする。詳しくは、ガイドバー21は、搬送される成形シートSH2に成形される成形品PRに接触して成形シートSH2の幅方向WDの位置をガイドする。そして、ガイドバー21は軸状部材であり、
図3に示す例ではガイドバー21の軸方向が搬送方向D1となるように配置されている。そして、
図3や
図4に示すように、ガイドバー21は、成形シートSH2の幅方向WDに複数並んでいる。なお、ガイドバー21は板状部材(例えば、細長い長方形の板状部材)であってもよい。そして、この場合、ガイドバー21は、当該ガイドバー21の長手方向が搬送方向D1となるように配置される。
【0040】
また、本実施形態では、
図2〜
図4に示すように、ガイドバー21として、上ガイドバー21A(本開示の「上シートガイド」の一例)と下ガイドバー21B(本開示の「下シートガイド」の一例)とを備えている。ここで、上ガイドバー21Aは、成形シートSH2の上側に設けられるガイドバー21である。また、下ガイドバー21Bは、成形シートSH2の下側に設けられるガイドバー21である。そして、上ガイドバー21Aは、成形シートSH2の幅方向WDに複数(
図3や
図4に示す例では4つ)並んでいる。また、下ガイドバー21Bは、成形シートSH2の幅方向WDに複数(
図3や
図4に示す例では6つ)並んでいる。そして、成形シートSH2は、
図4に示すように、上ガイドバー21Aと下ガイドバー21Bとの間の隙間に配置されて、上ガイドバー21Aと下ガイドバー21Bとに挟まれながら搬送される。
【0041】
ガイドバーシャフト22は、成形シートSH2の幅方向WDに並ぶ複数のガイドバー21を連結軸22aを介して支持する軸状部材である。本実施形態では、
図2〜
図4に示すように、ガイドバーシャフト22として、上ガイドバーシャフト22Aと下ガイドバーシャフト22Bとを備えている。ここで、上ガイドバーシャフト22Aは、成形シートSH2の上側に設けられ、成形シートSH2の幅方向WDに並ぶ複数の上ガイドバー21Aを支持する。また、下ガイドバーシャフト22Bは、成形シートSH2の下側に設けられ、成形シートSH2の幅方向WDに並ぶ複数の下ガイドバー21Bを支持する。
【0042】
そして、さらに本実施形態では、
図2や
図3に示すように、ガイドバーシャフト22は、ガイドバー21の軸方向(
図2や
図3の左右方向)の前後に2つ設けられている。
【0043】
シフト機構23は、ガイドバーシャフト22を成形シートSH2の幅方向WDにシフト(すなわち、移動)させる機構である。本実施形態では、シフト機構23として、上シフト機構23Aと下シフト機構23Bとを備えている。上シフト機構23Aは、上ガイドバーシャフト22Aを成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせる機構である。下シフト機構23Bは、下ガイドバーシャフト22Bを成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせる機構である。なお、シフト機構23の詳細については、後述する。
【0044】
固定クランプ24は、ガイドバー21をガイドバーシャフト22に固定させるための部材である。
【0045】
このような構成のシートガイド装置17において、固定クランプ24によりガイドバー21をガイドバーシャフト22に固定させた状態で、シフト機構23によってガイドバーシャフト22を成形シートSH2の幅方向WDに移動させる。そして、これにより、ガイドバーシャフト22に支持される複数のガイドバー21をまとめて成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることができる。そのため、容易に複数のガイドバー21を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせて、複数のガイドバー21により成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。したがって、トリミング装置12が自動で運転している自動運転中であって、成形シートSH2が自動で搬送されていても、容易に複数のガイドバー21を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせて成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0046】
また、個々のガイドバー21をシフトさせるのではなく、ガイドバーシャフト22により複数のガイドバー21をまとめてシフトさせるので、複数のガイドバー21をシフトさせるために要する時間を短縮できる。
【0047】
<シフト機構の詳細について>
次に、シフト機構23の詳細について説明する。
図5示すように、シフト機構23は、調整ネジ31とストッパ32とスケール33を備えている。調整ネジ31は、ガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整するネジである。ストッパ32は、調整ネジ31を締め込み過ぎたときに調整ネジ31が当たるようにして、調整ネジ31の締め込み過ぎを防止する部材である。
【0048】
スケール33は、調整ネジ31の締め込み量を示す目盛り(指標)である。言い換えれば、スケール33は、調整ネジ31によるガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を示す目盛りである。このスケール33は、調整ネジ31やガイドバーシャフト22とは別に(例えば、フレーム20に取り付けられた不図示の別部材に)設けられている。また、ガイドバーシャフト22には、スケール33の目盛りを読み取るための読み取り線34が付されている。
【0049】
このような構成のシフト機構23により、作業者は、スケール33と読み取り線34とを見ながら、調整ネジ31の締め込み量を調整して、ガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整することができる。
【0050】
<カメラ装置とずれ量算出部について>
また、シートガイド装置17は、
図2に示すように、カメラ装置41とずれ量算出部42とを有していてもよい。カメラ装置41は、成形シートSH2を撮影する撮影部である。また、ずれ量算出部42は、カメラ装置41で撮影される成形シートSH2の撮影画像をもとに、成形シートSH2(の成形品PR)の幅方向WDの位置のずれ量δ(
図6参照)を算出する。ここで、ずれ量δとは、
図6に示すように、正規の位置に配置されたときの成形品PR0の位置と、実際の成形品PRの位置との成形シートSH2の幅方向WDのずれ量である。なお、ずれ量算出部42は、例えば、トリミング機制御部SE8−2に設けられている。
【0051】
そして、このような構成のもと、ずれ量算出部42で算出される成形シートSH2の幅方向WDの位置のずれ量δを参考にして、調整ネジ31によりガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整できる。
【0052】
ここで、このようなカメラ装置41とずれ量算出部42の使用例を説明する。例えば、まず、カメラ装置41に成形シートSH2における正規のトリミング位置(抜き位置)を読み込ませておく。次に、ずれ量算出部42は、カメラ装置41で撮像した成形シートSH2の成形品PRの画像をもとに検出された実際のトリミング位置(すなわち、実際の成形品PRの位置)と、正規のトリミング位置(すなわち、正規の位置に配置されたときの成形品PR0の位置)とを比較して、ずれ量δを算出する。
【0053】
次に、算出されたずれ量δが例えば3mmであるとすると、調整ネジ31によりガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を3mmに調整して、ガイドバーシャフト22と複数のガイドバー21を全体的に、成形シートSH2の幅方向WDに3mm移動させる。
【0054】
なお、調整ネジ31を調整してガイドバーシャフト22と複数のガイドバー21を全体的に成形シートSH2の幅方向WDに移動させる方法としては、作業者による手動で行う方法であっても、トリミング機制御部SE8−2による自動で行う方法であってもよい。また、作業者がずれ量δを確認できるように、ずれ量δを表示する表示部(不図示)が設けられていてもよい。
【0055】
<本実施形態の効果>
本実施形態のシートガイド装置17は、ガイドバーシャフト22を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせるシフト機構23を有する。
【0056】
これにより、シフト機構23によってガイドバーシャフト22を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることにより、ガイドバーシャフト22に支持される複数のガイドバー21をまとめて成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることができる。そのため、容易に複数のガイドバー21により成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。また、複数のガイドバー21をシフトさせるために要する時間を短縮できる。
【0057】
また、シートガイド装置17は、ガイドバー21として、上ガイドバー21Aと下ガイドバー21Bとを備えている。そして、ガイドバーシャフト22として、上ガイドバーシャフト22Aと下ガイドバーシャフト22Bとを備えている。さらに、シフト機構23として、上シフト機構23Aと下シフト機構23Bとを備えている。
【0058】
これにより、上ガイドバー21Aまたは/および下ガイドバー21Bにより成形シートSH2をガイドすることができる。
【0059】
すなわち、例えば、成形シートSH2の上側に成形品PRが成形されている場合には、上ガイドバー21Aに成形品PRを接触させて上ガイドバー21Aで成形シートSH2をガイドすることにより、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。また、成形シートSH2の下側に成形品PRが成形されている場合には、下ガイドバー21Bに成形品PRを接触させて下ガイドバー21Bで成形シートSH2をガイドすることにより、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0060】
さらに、成形シートSH2の上側と下側に成形品PRが成形されている場合には、上ガイドバー21Aと下ガイドバー21Bに成形品PRを接触させて上ガイドバー21Aと下ガイドバー21Bで成形シートSH2をガイドすることにより、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0061】
このようにして、成形シートSH2の上側または/および下側に成形品PRが成形されている場合であっても、上ガイドバー21Aまたは/および下ガイドバー21Bにより成形シートSH2をガイドして、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0062】
そして、上シフト機構23Aによって上ガイドバーシャフト22Aを成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることにより、上ガイドバーシャフト22Aに支持される複数の上ガイドバー21Aをまとめて成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることができる。また、下シフト機構23Bによって下ガイドバーシャフト22Bを成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることにより、下ガイドバーシャフト22Bに支持される複数の下ガイドバー21Bをまとめて成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせることができる。
【0063】
このように、上ガイドバー21Aまたは/および下ガイドバー21Bにより成形シートSH2をガイドする場合においても、上ガイドバーシャフト22Aまたは/および下ガイドバーシャフト22Bにより、容易に複数の上ガイドバー21Aまたは/および下ガイドバー21Bを成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせて成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0064】
また、ガイドバー21は軸状部材または板状部材であり、ガイドバーシャフト22はガイドバー21の軸方向または長手方向の前後に2つ設けられている。
【0065】
これにより、2つ設けられたガイドバーシャフト22の各々のガイドバーシャフト22について、シフト機構23によるガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整することにより、成形シートSH2の搬送方向D1に対するガイドバー21の軸方向または長手方向の角度を変えることができる。
【0066】
また、シフト機構23は、ガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整する調整ネジ31と、調整ネジ31の締め込み量を示すスケール33とを備えている。
【0067】
これにより、スケール33を参考にしながら、より正確に調整ネジ31にてガイドバーシャフト22の成形シートSH2の幅方向WDのシフト量を調整できる。そのため、より正確に、ガイドバーシャフト22に支持される複数のガイドバー21を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせて、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。また、スケール33を参考にしながら、調整ネジ31の締め過ぎや緩め過ぎを防止できる。
【0068】
また、シートガイド装置17は、成形シートSH2を撮影するカメラ装置41と、カメラ装置41で撮影される成形シートSH2の撮影画像をもとに成形シートSH2の幅方向WDの位置のずれ量δを算出するずれ量算出部42と、を有してもよい。
【0069】
これにより、成形シートSH2の撮影画像をもとに算出される成形シートSH2の幅方向WDの位置のずれ量δを参考に、シフト機構23によりガイドバーシャフト22を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせる量を調整して、複数のガイドバー21を成形シートSH2の幅方向WDにシフトさせる量を調整できる。そのため、より正確に、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整できる。
【0070】
また、シートガイド装置17は、トリミング装置12への成形シートSH2の供給口の位置に設けられている。
【0071】
これにより、成形シートSH2の幅方向WDの位置を調整した状態で、トリミング装置12へ適切に成形シートSH2を供給できる。そのため、トリミング装置12により成形シートSH2における所望の位置でトリミングを行うことができる。
【0072】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【0073】
例えば、調整ネジ31とストッパ32との間に配置されることにより調整ネジ31の初期位置(すなわち、デフォルト位置)を位置決めするガイド部材(不図示)を有していてもよい。なお、このガイド部材は、調整ネジ31を回してガイドバーシャフト22をシフトさせるときには外されるものとする。
【0074】
また、トリミング装置12において、成形シートSH2のトリミングを行う切刃12cが下トリミング型12bのみに取り付けられていてもよい。あるいは、トリミング装置12は、成形シートSH2のトリミングを行う切刃が成形シートSH2の厚み方向の両方向に設けられている形式(例えば、ダイパンチ式)の装置であってもよい。
成形品が成形される成形シートをガイドするシートガイド装置において、搬送される前記成形シートをガイドするシートガイドと、前記成形シートの搬送方向に直交する幅方向に並ぶ複数の前記シートガイドを支持する支持部材と、前記支持部材を前記幅方向にシフトさせるシフト機構と、を有する。