特許第6656738号(P6656738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6656738
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】ワイヤ保護機能を有する電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/145 20060101AFI20200220BHJP
【FI】
   H02M3/145 C
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-191588(P2018-191588)
(22)【出願日】2018年10月10日
(65)【公開番号】特開2019-75981(P2019-75981A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2018年10月15日
(31)【優先権主張番号】106134806
(32)【優先日】2017年10月11日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】陳 俊 國
(72)【発明者】
【氏名】クン ホゥアイ ヂャン
【審査官】 遠藤 尊志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−118754(JP,A)
【文献】 特開平09−056167(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0021019(US,A1)
【文献】 特開2008−306881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
H02J 7/00−7/12 7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源入力端子及び接地端子に電気的に接続され、前記電源入力端子から電源出力端子に電力を伝達するスイッチング回路と、
一端が前記スイッチング回路に電気的に接続され、他端が第1ノードに電気的に接続された検出抵抗と、
2つの端部及び前記2つの端部を電気的に接続するボディダイオードを有する第1パワートランジスタと、
一端が前記ボディダイオードの一端に電気的に接続されたダイオードと、有し、
前記ダイオードの一端の極性は、前記ボディダイオードの前記一端の極性と同じ極性であり、
前記ダイオードは、前記第1ノードと前記電源出力端子との間で、前記第1パワートランジスタと電気的に接続され、
初期配置段階において、前記スイッチング回路はオフであり、前記第1パワートランジスタはオーミックモードで動作し、被試験電子装置が、前記検出抵抗の電圧に従って前記電源出力端子及び前記接地端子と電気的に正しく接続されているか否かを判定する、ワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項2】
前記スイッチング回路は、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタは、一端が前記電源入力端子に電気的に接続され、他端が第2ノードに接続され、
前記第2トランジスタは、一端が前記第2ノードに電気的に接続され、他端が前記接地端子に電気的に接続される、請求項1に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項3】
インダクタ及びキャパシタをさらに有し、
前記インダクタの一端が、第2ノードに電気的に接続され、他端が前記検出抵抗の前記一端に電気的に接続され、
前記キャパシタの一端が前記第1ノードに電気的に接続され、他端は前記接地端子に電気的に接続されている、請求項1に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項4】
第2パワートランジスタをさらに含み、
前記第2パワートランジスタのボディダイオードが、前記第1パワートランジスタのボディダイオードに電気的に接続された前記ダイオードとして機能する、請求項1に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項5】
電源入力端子及び接地端子に電気的に接続され、前記電源入力端子から電源出力端子に電力を伝達するスイッチング回路と、
一端が前記スイッチング回路に電気的に接続され、他端が第1ノードに電気的に接続された検出抵抗と、
一端が前記第1ノードに電気的に接続され、他端が前記電源出力端子に電気的に接続される第1リレーと、
一端が前記第1ノードに電気的に接続された電流共有抵抗と、
前記電流共有抵抗と直列に接続された第2リレーと、
前記電流共有抵抗に直列に接続されたダイオードと、を有し、
前記第1リレーは、前記第2リレーと前記電流共有抵抗とを含む直列回路に並列に接続され、
初期配置段階において、前記スイッチング回路はオフであり、前記第1リレーが遮断され、被試験電子装置が、前記検出抵抗の電圧に従って、前記電源出力端子及び前記接地端子と電気的に正しく接続されているか否かを判定する、ワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項6】
前記スイッチング回路は、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、
前記第1トランジスタは、一端が電源入力端子に電気的に接続され、他端が第2ノードに電気的に接続され、
前記第2トランジスタは、一端が前記第2ノードに電気的に接続され、他端が前記接地端子に電気的に接続される、請求項5に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項7】
インダクタ及びキャパシタをさらに有し、
前記インダクタの一端が第2ノードに電気的に接続され、他端が前記検出抵抗の前記一端に電気的に接続され、
前記キャパシタの一端は前記第1ノードに電気的に接続され、他端は前記接地端子に電気的に接続される、請求項5に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【請求項8】
前記ダイオードは、前記第1リレーに直列に接続される、請求項5に記載のワイヤ保護機能を有する電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月11日に台湾(R.O.C)に出願された特許出願第106134806号の35U.S.C119(a)に基づいて優先権を主張し、この出願の全体が参照され、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電源装置に関し、より詳細には、直流電源を供給するために構成された電源装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電子製品が進化し続けるにつれて、電子製品の電源仕様が頻繁に変更される。一般に、電子製品や電池の種類は、電子製品や電池の種類に応じて実装されるため、その種類に応じた給電方法の変更が可能な電源装置が適用される。電源装置を制御することによって、製造業者は、同様の機械を使用して、様々な電子装置または電池を、試験することができる。
【0004】
電源装置は製造業者にかなりの量の柔軟性試験を要求するが、生産ライン担当者の人為的ミスが実際には修復不可能な結果を引き起こす可能性がある。例えば、電源装置を用いて直流試験用の二次電池を充電する場合、電源装置の正極出力端子と、二次電池の正極とが電気的に正しく接続されていなければならず、電源装置の負極出力端子と二次電池の負極とが電気的に正しく接続されていなければならない。しかしながら、生産ライン担当者が、電源装置の負極出力端子を二次電池の正極に接続し、電源装置の正極出力端子を二次電池の負極に接続した場合に、電源装置の電流が電源装置に流れ込み、電源装置の電源部品が破損して安全性の問題が発生するおそれがある。
【0005】
従来、このような電源装置の破損を避けるため、電源装置にはヒューズが設けられていた。しかしながら、要求仕様のための追加ヒューズは高価になってしまうため、テスト費用が増加する。さらに、ヒューズを交換するプロセスは、生産スケジュールの遅延を引き起こす可能性がある。他の従来の方法として、外部検出回路を用いて二次電池の電極の極性を判定し、その電気的データを同時に取得する方法がある。しかしながら、実際には、生産ライン担当者は、二次電池の電極の極性と電源装置の出力端子とを混在させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本開示は、生産ライン担当者の人為的ミスによって引き起こされる損傷を抑制することができ、簡単な操作で正常な状態に戻すことができるワイヤ保護機能を有する電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、ワイヤ保護機能を有する電源装置は、スイッチング回路と、検出抵抗と、第1パワートランジスタと、ダイオードとを備える。スイッチング回路は、電源入力端子及び接地端子に電気的に接続され、電源入力端子から電源出力端子に電力を伝達するように構成されている。検出抵抗は一端がスイッチング回路に電気的に接続され、他端が第1ノードに電気的に接続されている。第1パワートランジスタは2つの端部を有し、2つの端部を電気的に接続するボディダイオードを有する。ダイオードは、一端がボディダイオードの一端と電気的に接続され、ボディダイオードの一端がダイオードの一端と同じ極性を有する。ダイオードと第1パワートランジスタは、第1ノードと電源出力端子との間に電気的に接続される。初期配置段階では、スイッチング回路はオフであり、第1パワートランジスタはオーミックモードで動作し、電源装置は、被試験電子装置が検出抵抗の電圧にしたがって電源出力端子及び接地端子と電気的に正しく接続されているかどうかを判定する。
【0008】
本開示の他の実施形態によれば、ワイヤ保護機能を有する電源装置は、スイッチング回路と、検出抵抗と、第1リレーと、電流共有抵抗と、第2リレーとを備える。スイッチング回路は、電源入力端子及び接地端子に電気的に接続され、電源入力端子から電源出力端子に電力を伝達するように構成されている。検出抵抗は一端がスイッチング回路に電気的に接続され、他端が第1ノードに電気的に接続されている。第1リレーは、一端が第1ノードに電気的に接続され、他端が電源出力端子に電気的に接続されている。電流共有抵抗は、一端が第1ノードに電気的に接続されている。第2リレーは、電流共有抵抗と直列に接続されている。第1リレーは、第2リレーと電流共有抵抗とを含む直列回路に並列に接続される。初期配置段階では、スイッチング回路はオフであり、第1リレーは遮断され、電源装置は、被試験電子装置が、検出抵抗の電圧に従って、電源出力端子及び接地端子と電気的に正しく接続されているか否かを判定する。
【0009】
上記の説明によれば、本開示は、ワイヤ保護機能を有する電源装置を提供する。初期配置段階では、電源装置の1つのトランジスタがオーミックモードで動作する。このため、電源装置の出力端子と被試験電子装置の電極とを逆接続するなどの異常が発生したとしても、内部回路の高抵抗化により電源装置が供給する放電電流を小さくできる。また、電源装置は、生産ライン担当者の人的ミスによって引き起こされる損傷を回避することができる。さらに、生産ラインのプロセスでは、ワイヤ保護機能を有する電源装置の初期配置段階では、生産ライン担当者がテスト環境を適切に配置するのに十分な時間を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示は、以下に与えられる詳細な説明により完全に理解される。また、添付の図面は、単に例示として与えられており、本開示を限定するものではない。
【0011】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置の機能ブロック図である。
図2A図2Aは、本開示の一実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置の回路図である。
図2B図2Bは、図2Aに示す電源装置が二次電池に電気的に接続されたときに発生する電流経路の模式図である。
図3図3は、本開示の他の実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置の機能ブロック図である。
図4A図4Aは、本開示の他の実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置の回路図である。
図4B図4Bは、図4Aに示す電源装置と二次電池とを電気的に接続したときに発生する電流経路を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が述べられている。しかしながら、これらの特定の詳細なしに1つまたは複数の実施形態を実施できることは明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造及びデバイスを概略的に示す。
【0013】
本開示の一実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置1の機能ブロック図について図1を参照して説明する。ワイヤ保護機能を有する電源装置1は、スイッチング回路12と、検出抵抗14と、第1パワートランジスタ16と、ダイオード18と、を備えている。スイッチング回路12は、電源入力端子EPと接地端子GNDとに電気的に接続され、電源入力端子EPから電源出力端子DVに電力を伝達するように構成される。本実施形態では、電源入力端子EPが電源装置1の入力端子となり、電源出力端子DV及び接地端子GNDは、電源装置1の出力端子となる。検出抵抗14の一端はスイッチング回路12と電気的に接続され、検出抵抗14の他端は第1ノードN1に電気的に接続される。ボディダイオード162は、第1パワートランジスタ16の両端間に接続されている。ダイオード18の一端はボディダイオード162の一端と電気的に接続され、ボディダイオード162の一端の極性は、ダイオード18の一端の極性と同じである。ダイオード18及び第1パワートランジスタ16は、第1ノードN1と電源出力端子DVとの間に電気的に接続されている。初期配置段階では、スイッチング回路12はオフであり、第1パワートランジスタ16はオーミックモードで動作する。スイッチング回路12のシャットダウンは、スイッチング回路12が電源入力端子EPから電源出力端子DVにしばらくの間は電力を伝達しないことを示している。この段階では、電源装置1は、被試験電子装置が、検出抵抗14の電圧に応じて、電源出力端子DVと接地端子GNDとに電気的に正しく接属されているか否かを判定する。例えば、被試験電子装置は、蓄電機能を備えた二次電池または他の電子製品であり、二次電池は、後の説明において被試験電子装置を例示する。
【0014】
ワイヤ保護機能を有する電源装置1のより具体的な説明について、図2Aを参照して説明する。図2Aは、本開示の一実施形態に係る電源装置1の回路図である。図2Aに示すように、ワイヤ保護機能を有する電源装置1は、第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、インダクタL、検出抵抗R1、第3トランジスタM3、及び第4トランジスタM4を有する。本実施形態では、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2とで構成される回路構成がスイッチング回路12に含まれ、検出抵抗R1は前述の検出抵抗14に対応し、第3トランジスタM3が第1パワートランジスタ16に対応し、第4トランジスタM4のボディダイオードがダイオード18に対応する。
【0015】
第1トランジスタM1は、第1端、第2端、及び第1制御端を有する。第1トランジスタM1の第1端は、電源Pを入力するように構成された電源入力端子EPに電気的に接続される。第1トランジスタM1の第2端は、第2ノードN2に電気的に接続される。第1トランジスタM1の第1制御端は、第1制御信号SC1を受信するように構成される。第1トランジスタM1は、第1制御信号SC1によって制御されて第1トランジスタM1の第1端及び第2端を選択的に導通させる。第1トランジスタM1及び後述のトランジスタは、P型エンハンスメント型金属酸化物半導体トランジスタ(MOSFET)を含むが、これに限定されるものではない。
【0016】
第2トランジスタM2は、第3端、第4端及び第2制御端を有する。第2トランジスタM2の第3端は、第2ノードN2に電気的に接続される。第2トランジスタM2の第4端子は、電源装置の接地端子GND及び電源出力端子DVと電気的に接続される。第2トランジスタM2の第2制御端は、第2制御信号SC2を受信するように構成される。第2トランジスタM2は、第2制御信号SC2によって制御されて、第2トランジスタM2の第3端及び第4端を選択的に導通させる。
【0017】
インダクタLの一端は第2ノードN2に電気的に接続され、インダクタLの他端は検出抵抗R1の一端と電気的に接続され、検出抵抗R1の他端は第1ノードN1に電気的に接続される。キャパシタC2の一端は第1ノードN1に電気的に接続され、キャパシタC2の他端は接地端子GNDに電気的に接続される。ここで、インダクタL、検出抵抗R1、及びキャパシタC2の種類及び値は限定されない。
【0018】
第3トランジスタM3は、第5端部、第6端部、及び第3制御端部を有する。第3トランジスタM3の第5端は、第1ノードN1に電気的に接続される。第3トランジスタ第6端は、接地端子GNDと直接的又は間接的に電気的に接続されている。第3トランジスタM3の第3制御端は、第3制御信号SC3を受信するように構成される。第3トランジスタM3は、第3制御信号SC3によって制御されて、第3トランジスタM3の第5端及び第6端を選択的に導通させる。第3トランジスタM3は、等価ボディダイオードD3を含む。例えば、等価ボディダイオードD3は、有形のダイオード部品ではなく、基板のソースとMOSFETのソースとの間の寄生ダイオードのような等価回路に属する。ボディダイオードに関連する詳細な説明は、当業者にとって周知であるので、本明細書に限定されない。等価ボディダイオードD3のアノードは、第3トランジスタM3の第6端に電気的に接続され、等価ボディダイオードD3のカソードは、第3トランジスタM3の第5端に電気的に接続される。
【0019】
電源出力端子DV及び接地端子GNDは、電気を必要とする被試験電子装置の第1接続端及び第2接続端と電気的に接続するように構成される。本実施形態及び後の説明において、被試験電子装置は二次電池Bを含むが、これに限定されない。二次電池Bは、第1電極E1と第2電極E2とを有する。ワイヤ保護機能を有する電源装置1と二次電池Bとが電気的に接続されている場合、第1電極E1は電源出力端子DVに電気的に接続され、第2電極E2は接地端子GNDに電気的に接続される。しかしながら、実際には、第1電極E1は接地端子GNDに電気的に接続され、第2電極E2は電源出力端子DVに電気的に接続されて、異常状態を発生する可能性がある。
【0020】
図2Bは、図2Aに示した電源装置と二次電池とを電気的に接続したときの電流経路の模式図である。図2Bに示すように、第1電極E1は接地端子GNDに電気的に接続され、第2電極E2は電源出力端子DVに電気的に接続されている。このとき、二次電池Bは、電源装置1にワイヤ保護機能により電流Iを供給する。また、ワイヤ保護機能を有する電源装置1の内部抵抗は、電流Iの値を小さくできるほど大きくないため、二次電池Bの大電流により電源装置1の部品が破損するおそれがある。例えば、第3トランジスタM3の等価ボディダイオードD3及び/又は第3トランジスタM3の全体が、等価ボディダイオードD3を過度に流れる逆電流によって破壊されて焼損することがある。
【0021】
そこで、ワイヤ保護機能を有する電源装置1を二次電池Bと電気的に接続し、初期配置段階では、第1トランジスタM1と第2トランジスタM2をオフにすることで、第3トランジスタM3は、3極モード又は線形領域としても知られるオーミックモードで動作する。実際には、初期配置段階では、第3トランジスタM3の制御端に適切な電圧を印加して第3トランジスタM3をオーミックモードで動作させる。また、第3トランジスタM3の制御端にパルス幅変調信号(PWM信号)を印加することができ、このPWM信号のデューティー比を初期配置段階で調整して第3トランジスタM3をオーミックモードで動作させることができる。
【0022】
例えば、初期配置段階では、二次電池Bがワイヤ保護機能を有する電源装置1と電気的に接続された直後の所定の時間間隔を示し、この所定の時間間隔の長さはこれに限定されない。初期配置段階では、図2Bに示すように、二次電池Bによって供給される電流Iが電流経路に沿って伝達される。より具体的には、電流Iは、第2トランジスタM2の等価ボディダイオードD2、インダクタL、検出抵抗R1、第3トランジスタM3及び二次電池Bを順に通過する。初期配置段階では、第3トランジスタM3がオーミックモードで動作するため、第3トランジスタM3の抵抗値は相対的に大きいため、ワイヤ保護機能を有する電源装置1の抵抗値が増加する。したがって、第1電極E1と電源出力端子DVとが電気的に接続され、第2電極E2が設置端子GNDと電気的に接続されているので、二次電池Bは、ワイヤ保護機能を有する電源装置1に放電するが、二次電池Bによって供給される電流は、初期配置段階における第3トランジスタM3の抵抗があるために許容可能な範囲内にある。
【0023】
第4トランジスタM4は、第7端、第8端及び第4制御端を有する。第4トランジスタM4の第7端は、第3トランジスタM3の第5端と電気的に接続され、第4トランジスタM4の第8端は電源出力端子DVに電気的に接続され、第4トランジスタM4の第4制御端は第4制御信号SC4を受信するように構成される。初期配置段階では、第4トランジスタM4はオフである。より具体的には、第2トランジスタM2は、等価ボディダイオードD2と、第4トランジスタM4は、等価ボディダイオードD4を含む。等価ボディダイオードD2のアノードは第2トランジスタM2の第4端に電気的に接続され、等価ボディダイオードD2のカソードは第2トランジスタM2の第3端に電気的に接続され、等価ボディダイオードD3のアノードは第4トランジスタM4の第7端と電気的に接続され、等価ボディダイオードD4のカソードは第4トランジスタM4の第8端に電気的に接続される。したがって、二次電池Bが電流Iを、ワイヤ保護機能を有する電源装置1に供給している場合には、等価ボディダイオードD2及び等価ボディダイオードD4は、電流Iを伝達するためのバイパス電流経路を提供して、サージ電流を効果的に低減することができ、特に、二次電池Bによるワイヤ保護機能を有する電源装置の損傷を防止することを目的とする。
【0024】
次に、他の実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置1は、検出器11をさらに備える。検出器11は、検出抵抗R1に並列に接続されている。初期配置段階では、検出器11が検出抵抗R1の電圧降下が閾値より大きいことをと検出すると、検出器11は警報信号を提供するように構成される。警報信号は、第1出力端子、第2出力端子、及び電気を必要とする被試験電子装置間の接続が間違っていることを示すように構成される。本実施形態では、発光ダイオード、ブザーまたはスピーカを、ワイヤ保護機能を有する電源装置1内に配置することができ、警報信号は、対応する光学的効果及び/又は音響効果によって製造ライン要員に警告するように、上記の構成要素を駆動するように構成される。他の実施形態では、検出器11はバックエンド処理装置に電気的に接続され、警報信号は処理のための関連情報を、バックエンド処理装置に提供するように構成される。なお、検出器11は、電源装置1の代替部品である。つまり、電源装置1に検出器11を実装してもよいし、検出器11を電源装置1とは独立した装置や回路にしてもよい。
【0025】
本開示の他の実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置1”の機能ブロック図について図3を参照して説明する。図3に示すワイヤ保護機能を有する電源装置1”は、スイッチング回路12”、検出抵抗14”、第1リレー17a”、第2リレー17b”及び電流共有抵抗19”を備える。スイッチング回路12”は、電源入力端子EPと接地端子GNDとに電気的に接続され、電源入力端子EPから電源出力端子DVに電力を伝達するように構成されている。本実施形態では、電源入力端子EPが電源装置1”の入力端子となり、電源出力端子DV及び接地端子GNDが電源装置1”の出力端子となる。検出抵抗14”の一端はスイッチング回路12”に電気的に接続され、検出抵抗14”の他端は第1ノードN1”に電気的に接続される。第1リレー17a”の一端は第1ノードN1”に電気的に接続され、第1リレー17a”の他端は電源出力端子DVに電気的に接続される。電流共有抵抗19”は第2リレー17b”と直列に接続されて直列回路を形成する。第2リレー17b”と電流共有抵抗19”との直列回路は、第1リレー17a”に並列に接続されている。
【0026】
初期配置段階では、スイッチング回路12”はオフであり、第1リレー17a”及び17b”は遮断されている。スイッチング回路12”のシャットダウンは、スイッチング回路12”が電源入力端子EPから電源出力端子DVにしばらくの間は電力を伝達しないことを示している。電源装置1”は、被試験電子装置が、検出抵抗14”の電圧に応じて、電源出力端子DV及び接地端子GNDと電気的に正しく接続されているか否かを判定する。例えば、被試験電子装置は、蓄電機能を備えた二次電池または他の電子製品であり、二次電池は、後の説明において被試験電子装置を例示する。
【0027】
本開示の他の実施形態に係るワイヤ保護機能を有する電源装置1”の回路図について図4Aを参照して説明する。図4Aに示す電源装置1”の回路構成は、図2Aに示す電源装置1と同様であり、その相違点は、図1の電源装置1における第3のトランジスタM3が、図4Aの電源装置1”用の第1リレーSWa、第2リレーSWb及び電流共有抵抗R2”を含む回路に置き換えられたものである。第1リレーSWaの両端には、第1ノードN1”及び電源出力端子DVがそれぞれ電気的に接続されている。より具体的には、本実施形態では、第1リレーSWaは、第4トランジスタM4”を介して電源出力端子DVに電気的に接続されている。第4トランジスタM4”のボディダイオードD4”は、第1リレーSWaと直列に接続され、電流共有抵抗R2”と直列に接続される。第4のトランジスタM4”に関する詳細は前述した通りであるので、それらは繰り返されない。本実施形態では、第1のトランジスタM1”と第2のトランジスタM2”とで形成される回路構成は、前述のスイッチング回路12”に含まれている。検出抵抗R1”は前述の検出抵抗14”に対応し、第1リレーSWaが第1リレー17a”に相当し、第2リレーSWbが第2リレー17b”に相当し、電流共有抵抗R2”は前述の電流共有抵抗19”に相当する。
【0028】
図4Aに示す電源装置1と二次電池Bとが電気的に接続された場合の電流経路の模式図について図4Bを参照する。図4Bに示すように、二次電池B”の第一電極E1”は接地端子GNDに電気的に接続され、二次電池Bの第二電極E2”は電源出力端子DV”に電気的に接続される。図4Bに示す実施形態では、検出抵抗R1”は図3の検出抵抗14”に対応し、電流共有抵抗R2”は図3の電流共有抵抗19”に対応し、第1リレーSWaは、図3の第1リレー17a”に対応し、第2リレーSWbは、図3の第2リレー17b”に対応する。
【0029】
図4Bに示すように、本実施形態では、初期配置段階において、第1リレーSWaはオフであり、第2リレーSWbはオンである。このとき、図4Bに示すように、二次電池Bの電流I”は、電流経路に沿って伝達される。より具体的には、二次電池Bにより供給される電流I”は、第2トランジスタM2”の等価ボディダイオードD2”、インダクタL”、検出抵抗R1”、電流共有抵抗R2”、第2リレーSWb、第4のトランジスタM4”のボディダイオードD4”及び二次電池B”を含む。電流共有抵抗R2”及び検出抵抗R1”の抵抗値を適切に設計することにより、電流I”の電流値が大きくなり過ぎないように効果的に制御することができる。また、検出抵抗R1”の電圧降下が閾値よりも大きいか否かを判定することにより、ワイヤ保護機能を有する電源装置1”と二次電池B”との接続の可否を判定してもよい。
【0030】
二次電池B”とワイヤ保護機能を有する電源装置1”との接続が確認された後の一般的な試験手順では、第1リレーSWaはオンであり、第2リレーSWbは遮断されて電力損失を避けることができる。第2リレーSWbを選択的にオンにすることにより、電源装置1”は、異なる試験段階にそれぞれ適切な電流経路をより正確に提供することができる。したがって、二次電池Bまたは他の電子装置を試験するためにワイヤ保護付き電源装置1”を使用することは、ユーザの過失による回路の焼損を防ぐだけでなく、追加の電力損失を正確に回避することもできる。
【0031】
上記の説明から、本開示は、ワイヤ保護機能を有する電源装置を提供する。初期配置段階では、電源装置の1つのトランジスタがオーミックモードで動作する。このため、電源装置の出力端子と被試験電子装置の電極とを逆接続するなどの異常が発生したとしても、内部回路の高抵抗化により電源装置が供給する放電電流を小さくできる。電源装置は、生産ライン担当者の人的ミスによって引き起こされる損傷を回避することができる。さらに、電源装置は、検知抵抗をさらに備える。生産ライン担当者は、検出抵抗の電圧降下を検出することによって、電源装置と被試験電子装置との間の接続が正しいかどうかを確認することができる。さらに、生産ライン手順では、ワイヤ保護機能を有する電源装置の初期配置段階では、生産ライン担当者がテスト環境を適切に配置するのに十分な時間を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
1:電源装置、11:検出器、12:スイッチング回路、14:検出抵抗、16:第1パワートランジスタ、17a:第1リレー、17b:第2リレー、18:ダイオード、19:電流共有抵抗、162:ボディダイオード
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B