(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、複数の前記シンボルブロックを前記表示部の前記第2領域に表示し、前記複数のシンボルブロックのうちの一のシンボルブロックと他のシンボルブロックとが同一種類のシンボルを含む請求項1または2に記載のゲーミングマシン。
前記制御部は、前記表示部の前記第1領域に置換配置されるべき領域を規定する置換パターンを決定し、該置換パターンを前記複数のシンボルブロックに分割することにより前記各シンボルブロックの形状を決定する請求項3に記載のゲーミングマシン。
前記制御部は、前記シンボルブロックをm行n列(m、nは自然数)のシンボルからなる各種サイズで構成可能であり、前記制御部は、前記置換パターンを最大サイズの前記シンボルブロックが含まれるように分割する請求項4に記載のゲーミングマシン。
前記制御部は、前記シンボルブロックを、停止した前記複数のリールによって形成されたシンボル配列に重ねて配置する、請求項1から7のいずれか一項に記載のゲーミングマシン。
前記制御部は、前記シンボルブロックを、前記複数のリールが停止する前に前記表示部の前記第1領域内に配置する、請求項1から7のいずれか一項に記載のゲーミングマシン。
プレイヤーの操作を受け付ける操作部と、それぞれ一連のシンボルを有する複数のリールを部分的に表示する第1領域と、前記リールの回転方向において前記第1領域と並ぶ第2領域とを有する表示部と、前記操作部および前記表示部と接続され、前記操作部をプレイヤーが操作したことに応じて前記複数のリールを回転および停止させ、停止した前記複数のリールが前記表示部の前記第1領域に形成したシンボル配列について特典を付与する制御部とを備えるゲーミングマシンでゲームを提供する方法であって、
前記制御部が、
前記操作部をプレイヤーが操作したことに応じて前記複数のリールを回転させるステップと、
前記複数のリールの回転を停止して、前記表示部の前記第1領域にシンボル配列を形成するステップと、
所定のゲーム条件が満たされた場合に、一または複数のシンボルで構成される少なくとも1つのシンボルブロックの出現パターンを乱数に基づいて決定するとともに、前記表示部の前記第2領域に前記シンボルブロックの全部を表示するステップと、
前記第2領域に表示した前記シンボルブロックを前記第1領域に向けて前記リールの回転方向に対して交差する方向に移動させて、前記シンボルブロックが前記表示部の前記第1領域内に形成されるシンボル配列と重なる位置に配置するステップと、
前記シンボルブロックが重なった前記シンボル配列の位置に、前記シンボルブロックのシンボルを重畳表示するステップと、
前記シンボルブロックのシンボルが重畳表示された前記表示部の前記第1領域のシンボル配列について特典を付与するステップとを実行するゲームの提供方法。
プレイヤーの操作を受け付ける操作部と、それぞれ一連のシンボルを有する複数のリールを部分的に表示する第1領域と、前記リールの回転方向において前記第1領域と並ぶ第2領域とを有する表示部と、前記操作部および前記表示部と接続され、前記操作部をプレイヤーが操作したことに応じて前記複数のリールを回転および停止させ、停止した前記複数のリールが前記表示部の前記第1領域に形成したシンボルの組み合わせについて特典を付与するコンピュータで実行されるプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記操作部をプレイヤーが操作したことに応じて前記複数のリールを回転させる機能と、
前記複数のリールの回転を停止して、前記表示部の前記第1領域にシンボル配列を形成する機能と、
所定のゲーム条件が満たされた場合に、一または複数のシンボルで構成される少なくとも1つのシンボルブロックの出現パターンを乱数に基づいて決定するとともに、前記表示部の前記第2領域に前記シンボルブロックの全部を表示する機能と、
前記第2領域に表示した前記シンボルブロックを前記第1領域に向けて前記リールの回転方向に対して交差する方向に移動させて、前記シンボルブロックが前記表示部の前記第1領域内に形成されるシンボル配列と重なる位置に配置する機能と、
前記シンボルブロックが重なった前記シンボル配列の位置に、前記シンボルブロックのシンボルを重畳表示する機能と、
前記シンボルブロックのシンボルが重畳表示された前記表示部の前記第1領域のシンボル配列について特典を付与する機能とを実現させるためのプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の第1の実施形態にかかるゲーミングマシンについて説明する。なお、各図において同一または相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
本実施形態にかかるゲーミングマシンは、所定の遊技価値をプレイヤーから受け付けてゲーム結果を生成し、ゲーム結果に応じた配当をプレイヤーへ提供するものである。
図1は本発明の第1の実施形態にかかるゲーミングマシン1の斜視図ある。
図1に示すように、このゲーミングマシン1は、上部ディスプレイ21を備えた第1キャビネット20、下部ディスプレイ26を備えた第2キャビネット25、プレイヤートラッキングユニット57を収容した第3キャビネット30、および、コントロールパネル41を備えるとともに各部を制御する制御部50を収容した第4キャビネット40から構成された筐体10を有している。以下、各構成について説明する。
【0014】
筐体10の上部には第1キャビネット20が設けられており、第1キャビネット20の下に第2キャビネット25が設けられている。第1キャビネット20に設けられた上部ディスプレイ21および第2キャビネット25に設けられた下部ディスプレイ26は、いずれも液晶表示装置や有機EL表示装置等のフラットパネルディスプレイ装置であり、それぞれ制御部50に制御されることにより後述するゲーム画面をプレイヤーへ提供する表示部27として機能する。
【0015】
第3キャビネット30は、第2キャビネット25の下に設けられている。第3キャビネット30の前面左右にはスピーカ31が設けられており、制御部50に制御されることによりサウンドをプレイヤーへ提供する。また、第3キャビネット30の前面中央には、プレイヤートラッキングユニット57が収容されている。プレイヤートラッキングユニット57は、プレイヤー識別カードを認識するカードリーダ81と、プレイヤーに情報を提示するディスプレイ82と、プレイヤーによる入力を受け付けるキーパッド83とを有している。このようなプレイヤートラッキングユニット57は、後述する制御部50または外部システムと協調動作することにより、プレイヤーがカードリーダ81に挿入したプレイヤー識別カードに記録された情報を読み取って、当該情報または外部システムと通信することにより取得した情報をディスプレイ82に表示する。また、プレイヤーからの入力をキーパッド83で受け付け、入力に応じてディスプレイ82の表示を変化させ、必要に応じて外部システムとの通信を行う。
【0016】
第4キャビネット40は、第3キャビネット30の下側に配置されている。第4キャビネット40には、一部がその前側に張り出すようにして、コントロールパネル41が設けられている。コントロールパネル41には、紙幣/チケット識別ユニット42、プリンタユニット43および操作部44が設けられている。
【0017】
紙幣/チケット識別ユニット42は、紙幣またはチケットが挿入される挿入口を露出させた状態でコントロールパネル41に配置されており、挿入口の奥には各種センサで紙幣/チケットを識別する識別部が設けられ、第4キャビネット40内部の識別部出側には紙幣/チケット貯留部が設けられている。紙幣/チケット識別ユニット42は、ゲームを実行する対価としての遊技価値である紙幣、チケット(バウチャー、クーポンを含む)を受け付けて識別し、後述する制御部50へ通知する。
【0018】
プリンタユニット43は、チケットが出力されるチケット出力口を露出させた状態でコントロールパネル41に配置されており、チケット出力口の奥には印刷用紙に所定の情報を印刷する印刷部が設けられ、印刷部の用紙入側には印刷用紙を収容した収容部が設けられている。プリンタユニット43は、後述する制御部50の制御下で、ゲーミングマシン1からのクレジット払い出し処理に対応した情報を用紙に印刷してチケットを出力する。出力されたチケットは、他のゲーミングマシンの紙幣/チケット識別ユニットに挿入することで払い出されたクレジットをゲームプレイに利用することも可能であり、または、カジノ内のキオスク端末やカジノケージで換金することも可能である。
【0019】
操作部44は、ゲーミングマシン1に対するプレイヤーの各種の指示を受け付けるボタン群である。操作部44は、例えば、スピンボタン45と、設定ボタン群46とを有している。スピンボタン45は、後述するゲームの開始(リールの回転開始)の指示を受け付ける。設定ボタン群46は、ベットボタン群、ライン指定ボタン群、マックスベットボタン、ペイアウトボタン等を含む。ベットボタン群は、ベットするクレジット量(ベット数)に関する指示操作をプレイヤーから受け付ける。ライン指定ボタン群は、後述するライン判定の対象とされるべきライン(以下、有効ラインと呼ぶ。)を指定する指示操作をプレイヤーから受け付ける。マックスベットボタンは、一度にベットすることができる最大クレジット量のベットに関する指示操作をプレイヤーから受け付ける。ペイアウトボタンは、ゲーミングマシン1に蓄積されたクレジットの払い出しを指示する指示操作をプレイヤーから受け付ける。
【0020】
また、第4キャビネット40の内部には、制御部50をなす中央処理装置(以下、CPUと略称する。)51、インタフェース部52、メモリ53およびストレージ54等を搭載した制御ボードが内蔵されている。制御ボードは、第1キャビネット20、第2キャビネット25、第3キャビネット30および第4キャビネット40に搭載された上記構成要素のそれぞれと、インタフェース部52を介して通信可能に構成され、CPU51でメモリ53またはストレージ54に記録されたプログラムを実行することで各部の動作を制御して、プレイヤーにゲームを提供する。
【0021】
図2は本実施形態にかかるゲーミングマシン1の機能ブロック図を示している。ゲーミングマシン1は、制御部50を備えている。制御部50は、CPU51と、CPUに接続されてメモリバス、各種拡張バス、シリアル、USB、イーサネット(登録商標)等の通信機能を提供するチップセットを含んだインタフェース部52と、インタフェース部52を介してCPU51が参照可能なメモリ53およびストレージ54とを備えたコンピュータユニットとして構成されている。メモリ53は、揮発性の記憶媒体であるRAM、不揮発性の記憶媒体であるROM、書き換え可能な不揮発性の記憶媒体であるEEPROMを含む構成とすることができる。ストレージ54は、外部記憶装置としての機能を制御部50に提供するものであり、取り外し可能な記憶媒体であるメモリカード、光磁気ディスク等の読み取り装置を使用することができ、ハードディスクを利用することも可能である。
【0022】
インタフェース部52には、CPU51およびメモリ53およびストレージ54の他に、紙幣/チケット識別ユニット55、プリンタユニット56、プレイヤートラッキングユニット57、グラフィックコントローラ58、入力コントローラ84およびサウンドアンプ85が接続されている。なお、ゲーミングマシン1に装飾的な照明を提供するイルミネーションが設けられている場合には、インタフェース部52に、当該イルミネーションを制御部50の制御下で制御して装飾的な照明効果を提供するイルミネーションコントローラが接続されていてもよい。
【0023】
以上のようなメモリ53およびストレージ54を有する制御部50は、メモリ53およびストレージ54に格納されたプログラムを実行することにより各部を制御して、プレイヤーにゲームを提供するものである。ここで、例えばメモリ53のEEPROMに制御部50の基本機能を提供するオペレーティングシステムおよびサブシステムのプログラムならびにデータを格納し、ストレージ54にゲームを提供するアプリケーションのプログラムおよびデータを格納する構成としても良い。このような構成によれば、ストレージ54を交換することでゲームの切り替えまたは更新を容易に行うことが可能である。なお、制御部50は複数のCPUを有するマルチプロセッサ構成としてもよい。
【0024】
以下、制御部50に接続された各ブロックについて説明する。
【0025】
紙幣/チケット識別ユニット55は、上述した紙幣/チケット識別ユニット42に対応し、紙幣またはチケットを挿入口で受け付けて紙幣種別またはクレジット払い出し処理に対応した情報を識別すると制御部50へ通知する部分である。紙幣/チケット識別ユニット55が制御部50へ上記情報を通知すると、制御部50は通知された内容に応じてゲーム内で使用可能なクレジット量を増加させる。プリンタユニット56は、上述したプリンタユニット43に対応し、上述した設定ボタン群46のペイアウトボタンの操作を受け付けた制御部50の制御下で、ゲーミングマシン1からのクレジット払い出し処理に対応した情報が印刷されたチケットを印刷して出力する。
【0026】
プレイヤートラッキングユニット57は、制御部50と協調動作して、プレイヤーの情報等をカジノ管理システムとの間で送受信する。グラフィックコントローラ58は、制御部50の制御下で、上部ディスプレイ21および下部ディスプレイ26を制御して各種グラフィックデータを含むディスプレイイメージを表示する。サウンドアンプ85は、制御部50の制御下でスピーカ31を駆動し、アナウンス、効果音、BGM等の各種サウンドを提供する。
【0027】
また、インタフェース部52は、ゲーミングマシン1の外部と通信を行うための各種通信インタフェースを有しており、例えばイーサネット86、87、シリアル出力88により外部ネットワークと通信を行うことが可能である。本実施形態では、一例として公知のサーバベースゲーミングネットワーク(
図2のServer Based Gaming)、G2Sネットワーク(
図2のGame to System)、スロット情報システム(
図2のSlot Data System)とそれぞれ通信を行う場合を示す。
【0028】
図3は、本実施形態にかかるゲーミングマシン1が提供するゲーム画面を模式的に示した図である。このようなゲーム画面は、制御部50が所定のプログラムを実行することにより、表示部27の上部ディスプレイ21および下部ディスプレイ26に表示される。本実施形態では、下部ディスプレイ26のゲーム画面は、シンボルを表示するためのシンボル表示領域60を有している。本実施形態のゲーミングマシン1は、所定の遊技価値を代償としてシンボル表示領域60に表示したシンボルを再表示することで、ゲーム結果であるシンボル配列をシンボル表示領域60に表示し、そのシンボル配列に応じた特典を付与するスロットマシンとして動作する。
【0029】
なお、
図3では省略しているが、下部ディスプレイ26には、シンボル表示領域60以外に、クレジット量、ベット数、入賞により得られたクレジット量(WIN数)等を表示する領域、装飾領域も設けることができる。
【0030】
シンボル表示領域60は、シンボルの停止位置である複数のセル64で構成されている。具体的には、シンボル表示領域60は3行5列の格子状に配置された15個のセルで構成されている。なお、以下においては、表示部27の横方向を行方向と、縦方向を列方向と呼ぶことがある。
【0031】
セル64の境界線は、プレイヤーが視覚を通じて把握できる態様で下部ディスプレイ26上に表示されてもよいし、表示が省略されてもよい。すなわち、セル64はシンボル停止位置としてゲーミングマシン1の内部で論理的に、あるいは観念的に規定されていれば足り、それらの境界が視認できることは必ずしも必要とされない。
【0032】
シンボル表示領域60の各セル64には、
図4に示すように仮想リールセット70をなす仮想リールストリップ71〜75のシンボル配列に基づいて所定のシンボルが表示される。すなわち、シンボル表示領域60のセル64には、列ごとに仮想リールストリップ71〜75が対応付けられており、各仮想リールストリップ71〜75の所定部分に配置されたシンボルが表示される。そして、仮想リールストリップ71〜75のシンボル配列に基づいてシンボルを列ごとに移動(スクロール)させることによりシンボル表示領域60のセル64に表示されるシンボルは変動し、列ごとに移動(スクロール)を停止させることによりシンボルは停止する。ここで、仮想リールストリップ71〜75とは、制御部50がメモリ53またはストレージ54に有するプログラムの使用するデータであり、セルの列ごとに規定されたシンボル配列(すなわち各リールのシンボルの並び順)を示すデータである。また、仮想リールセット70とは、このような仮想リールストリップ71〜75の総称である。各仮想リールストリップ71〜75は、
図4の例では19個のシンボルで構成されており、それらのシンボルがリール毎に定義された順に並んでいる。本実施形態において、仮想リールストリップ71〜75は、それぞれ3個のシンボルがシンボル表示領域60に表示される。
【0033】
図5(a)に、
図4に示した仮想リールストリップ71〜75を構成するシンボルの種類を示す。仮想リールストリップ71〜75を構成する各シンボルは、5種類のピクチャーシンボル(「PicA」、「PicB」、「PicC」、「PicD」、「PicE」)、6種類のカードシンボル(「A」、「K」、「Q」、「J」、「10」、「9」)、ワイルドシンボル(「Wild」)およびスキャッタシンボル(「Scatter」)のいずれかである。
【0034】
カードシンボルは、トランプカードで用いられる各図柄を表現したシンボルであり、仮想リールストリップ71〜75を構成するシンボルの中で最もランクの低いシンボルである。
【0035】
ピクチャーシンボルは、宝箱やダイヤ等の各種ピクチャーを示すシンボルであり、カードシンボルよりもランクの高いシンボルである。
【0036】
ワイルドシンボルとは、後述する通常ゲームにおける入賞判定の際に他のシンボルとして通用するシンボル(すなわち、他のシンボルとして代用されるシンボル)であり、不特定のシンボルと入賞組合せを構成することができる。ワイルドシンボルは、仮想リールストリップ71〜75を構成するシンボルの中で最もランクの高いシンボルの一つである。本実施形態の仮想リールストリップ72、73、74は、ワイルドのスタックシンボル(連続する3つの「Wild」からなる連続シンボル群)を含んでおり、
図4では、ワイルドのスタックシンボルを他のシンボルに比べて縦長の「Wild」シンボルで表現している。
【0037】
スキャッタシンボルとは、後述する特別ゲームの当選判定の際に用いられるシンボルであり、シンボル表示領域60内に出現したスキャッタシンボルの数に応じた特別ゲームが提供される。スキャッタシンボルも、ワイルドシンボル同様、仮想リールストリップ71〜75を構成するシンボルの中で最もランクの高いシンボルの一つである。
【0038】
ランクの高いシンボルは、ランクの低いシンボルに比べて、入賞時の配当が高額になりやすい、または、入賞組み合わせを構成しやすい。また、ランクの高いシンボルは、ランクの低いシンボルに比べて、特別ゲームに当選しやすい。そのため、シンボル表示領域に表示されるシンボルのランクが高いほど、プレイヤーにとって有利なゲームとなる。
【0039】
図5(b)に、特定の条件下においてゲーム画面に表示されるマルチプライヤワイルドシンボルを示す。マルチプライヤワイルドシンボルとは、倍数が適用されたワイルドシンボルであり、当該シンボルが入賞組合せを構成するときに、当該シンボルに適用された倍数が入賞配当の額に乗算される。なお、マルチプライヤワイルドシンボルには、入賞配当に所定の倍数が乗算されることをプレイヤーに明示的に示すために、倍数を示す図柄が採用され得る。
【0040】
シンボル表示領域60には、入賞を判定する際に使用するペイラインが設定されている。ペイラインは、左端の列のセルから右端の列のセルに跨るように設定され、入賞判定の対象となる複数のセル64を組み合わせたラインである。設定されているペイラインのうち有効なラインの数は、プレイヤーによる操作部44の設定ボタン群46に含まれるライン指定ボタン群の操作によって選択される。制御部50は、ゲーム結果であるシンボル配列について、例えば設定されたペイライン上に同一シンボルが所定の数を超えて並んでいる場合に入賞したと判定し、シンボルの種類および数に応じた配当をプレイヤーに支払う。本実施形態のゲーミングマシン1においては、シンボル表示領域60の3行5列のセルについて所定数のペイライン(LINE1〜40)が設定されている(
図6参照)。入賞判定の方式は、左端の列のセルから所定数の同一シンボルが所定のペイライン上に並んでいる場合を入賞と判定するものでもよいし、右端の列のセルから所定数の同一シンボルが所定のペイライン上に並んでいる場合を入賞と判定するものでもよく、所定のペイライン上の隣接する列のいずれかに所定数の同一シンボルが並んでいる場合を入賞と判定するものであっても構わない。
【0041】
図3に戻って、上部ディスプレイ21のゲーム画面は、後述するシンボルブロックを表示するためのブロック表示領域66を有している。ブロック表示領域66は、リールの回転方向(
図3の上下方向)において、シンボル表示領域60と並んでいる。
【0042】
本実施形態のゲーミングマシン1は、所定の条件を満たしていない場合に提供される通常ゲーム(メインゲーム、プライムゲームとも称される。)と、所定の条件を満たした場合に提供される第1の特別ゲームおよび第2の特別ゲームとの三種類のゲームを提供する。第1の特別ゲームは、フィーチャーゲームであり、所定のトリガー条件を満たしたときにプレイヤーにとって有利な後述のフィーチャー機能が適用される。第2の特別ゲームは、フリーゲームであり、所定のトリガー条件を満たしたときに、遊技価値を消費しない所定回数のフリーゲームが提供される。
【0043】
上述した通常ゲーム、第1の特別ゲームおよび第2の特別ゲームにおいては、ゲーム結果であるシンボル配列のうちシンボル表示領域60に表示されたシンボルが入賞判定の対象となる。すなわち、ゲームを開始した制御部50は、
図4に示した仮想リールストリップ71〜75のそれぞれについてランダムに停止位置を決定し、仮想リールストリップ71〜75が現在位置から移動して、停止位置で停止する動作を、下部ディスプレイ26を用いて表現する。これにより、シンボル表示領域60には、仮想リールストリップ71〜75に配置されたシンボルが縦方向に連続的に移動(スクロール)し、連続性を維持したまま一つのセル64に一つのシンボルが表示されるように停止する。
【0044】
ただし、本実施形態では、フィーチャーゲームのときに、以下において説明するフィーチャー機能が適用され、その結果、シンボル表示領域60に一旦表示されたシンボル配列が異なるシンボル配列に変更される。
【0045】
以下、フィーチャーゲームのときに適用されるフィーチャー機能の処理であるシンボル置換処理について、
図7〜
図10を参照しつつ説明する。
【0046】
ブロック表示領域66に表示されるシンボルブロックについて、
図7を参照しつつ説明する。シンボルブロックは、
図7に示すように、m行n列(m、nは自然数)で表現される各種サイズの矩形状ブロックである。たとえば、
図7(a)は、シンボル表示領域60を構成するセルと同じ3行5列のシンボルブロックを示している。同様に、
図7(b)〜(h)は、3行4列、3行2列、2行2列、3行1列、2行1列、1行1列、3行3列のシンボルブロックを示している。
図6の例では、各シンボルブロックを構成するシンボルは全てワイルドシンボルである。各シンボルブロックは、ブロック表示領域66に表示されると、シンボル表示領域60のシンボル配列と重なる位置に移動して、重なったシンボル配列の位置に、シンボルブロックのシンボル(すなわち、ワイルドシンボル)を重畳表示する。ここで、本実施形態の各シンボルブロックにはそれぞれ単一の絵柄が描かれている。すなわち、各シンボルブロックにはワイルドシンボルと同じ絵柄または同一テーマの絵柄が、シンボルブロックのサイズに応じた大きさで描かれており、視覚的に迫力のある構成となっている。
【0047】
制御部50は、ブロック表示領域66に表示するシンボルブロックの数およびサイズを、以下の手順により決定する。
【0048】
制御部50は、まず、乱数値に基づき、置換パターンを決定する。置換パターンは、シンボル表示領域60のシンボル配列を置換するためのパターンであり、決定され得る最大のサイズは3行5列である。そして、決定した置換パターンが、
図7(a)〜(h)に示したシンボルブロックのいずれでもない場合には、
図8に示すように、
図7(a)〜(h)に示したシンボルブロックのいずれかに相当するように、置換パターンを複数に分割する。
図8の例では、置換パターンは、2行1列のシンボルブロックおよび3行3列のシンボルブロックの2つのシンボルブロックに分割されている。置換パターンは、上述のように分割される場合には、分割されたシンボルブロックは、3行5列のシンボルブロック以外のシンボルブロック(すなわち、3行4列、3行2列、2行2列、3行1列、2行1列、1行1列、3行3列のいずれかのシンボルブロック)になる。
【0049】
制御部50は、複数に分割したシンボルブロックを、所定のルールに従ってブロック表示領域66に表示する。
図9に示す例では、2つのシンボルブロックB1、B2を、シンボルブロックを構成するシンボルの数が多い順にブロック表示領域66の左から並べている。すなわち、3行3列のシンボルブロックB1をブロック表示領域66の左側に表示し、2行1列のシンボルブロックB2をブロック表示領域66の右側に表示している。シンボルブロックを表示するルールはこれに限られたものではなく、シンボルブロックのサイズごとに予め表示位置を決めておいても良いし、シンボルブロックの一部または全体を重ね合わせて表示しても良く、シンボルブロックの表示位置を画面内で動かしながら表示しても構わない。また、小型のシンボルブロックまたはシンボルブロック前駆体が所定位置で生成され、拡大しながらシンボル表示領域60に向けて後述のように移動する態様とすることもできる。
【0050】
制御部50は、ブロック表示領域66に表示した各シンボルブロックB1、B2を、各シンボルブロックB1、B2がシンボル表示領域60のシンボル配列と重なる位置に配置されるように、シンボル表示領域60に向けて下向きに移動させる。このとき、各シンボルブロックB1、B2は、上述した置換パターンの形状をシンボル表示領域60において再現するように移動する。すなわち、シンボルブロックB1とシンボルブロックB2とが左右入れ替わるように、シンボルブロックB1は右斜め下方向(
図9の矢印D1の方向)に移動し、シンボルブロックB2は左斜め下方向(
図9の矢印D2の方向)に移動する。
【0051】
その結果、
図10に示すように、置換パターンの形状がシンボル表示領域60において再現され、位置のシンボルに対してワイルドシンボルが重畳表示されることで、置換パターンに対応する位置のシンボルがワイルドシンボルに置換される。そして、制御部50は、置換パターンによる置換をおこなった後に、シンボル表示領域60のシンボル配列を確定させる。
【0052】
次に、本実施形態にかかるゲーミングマシン1の動作について
図11を参照しながら説明する。
図11は、以上のように構成された本実施形態にかかるゲーミングマシン1の状態遷移図を示すものである。
図11に示される通り、ゲーミングマシン1は、停止状態、入力待ち状態、クレジット払い出し状態、クレジット蓄積状態、アトラクト動作状態、ゲーム提供状態の各状態をとる。以下各状態について説明する。
【0053】
停止状態とはゲーミングマシン1が起動されていない状態のことである。停止状態のゲーミングマシン1は、所定の起動操作を受け付けると起動および初期化され、所定のプログラムが制御部50により実行されて表示部27にゲーム画面が表示され、入力待ち状態となる。
【0054】
入力待ち状態のゲーミングマシン1は、紙幣/チケット識別ユニット55が紙幣またはチケットを識別すると、対応するクレジットの情報をゲーミングマシン1内に蓄積するクレジット蓄積状態へ移行し、クレジットの蓄積が終了すると入力待ち状態に復帰する。また、入力待ち状態のゲーミングマシン1は、クレジットの情報が蓄積された状態でペイアウトボタンの操作を受け付けると、蓄積されたクレジットの払い出し処理を行うクレジット払い出し状態へ移行し、クレジット払い出し処理に対応した情報を印刷したチケットをプリンタユニット56から出力するとともに、ゲーミングマシン1内に蓄積されたクレジットをゼロに戻す。これらの処理を終えたゲーミングマシン1は、入力待ち状態へ復帰する。
【0055】
入力待ち状態にあるゲーミングマシン1は、所定時間操作されなかった場合に、表示部27にアトラクト画面を表示するアトラクト動作状態へ移行する。アトラクト動作状態にあるゲーミングマシン1は、何らかの操作を受け付けると入力待ち状態へ復帰する。なお、アトラクト画面とは、カジノ内の顧客に対してゲーミングマシン1の存在をアピールする画面であり、所定の画像および/または動画からなるものである。
【0056】
入力待ち状態のゲーミングマシン1は、クレジットが内部に蓄積された状態でライン選択ボタン、ベット数選択ボタンまたはマックスベットボタンの操作を受け付けることによりゲームのライン数およびベット数を設定し、スタートボタンの操作を受け付けることにより設定されたライン数×クレジット量だけクレジット量を減少させるとともにゲーム提供状態へ移行する。ゲーム提供状態においては、
図12に示すフローチャートに従ってゲームを提供する。また、ベット数選択ボタンまたはマックスベットボタンの操作に応じてゲーム提供状態へ移行しても良い。
【0057】
以下、ゲーミングマシン1の制御方法として、ゲーム提供状態における動作を、
図12に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0058】
入力待ち状態でライン数およびベット数を設定され、スタートボタンの操作を受け付けることによりゲーム提供状態に移行したゲーミングマシン1は、制御部50で上部ディスプレイ21および下部ディスプレイ26を制御することにより、通常ゲームを開始する。
【0059】
まず、S11では、シンボル表示領域60に表示されているリール(1)〜リール(5)のスピンを開始する。より具体的には、シンボル表示領域60に表示されているシンボルの列を、それぞれ対応する仮想リールストリップ71〜75に規定された順番でスクロールさせて、リールが回転している状態を仮想的に表示する。続いてS12の処理では、制御部50が初期処理としてパラメーターであるn=1を設定する。
【0060】
次にS13の処理では、制御部50は、各リール(n)の停止位置を決定するための乱数を取得する。制御部50が乱数を取得する方法はゲーミングマシン1が設置される地域の規定に従うものであればよく、特定の方法には限定されない。乱数の取得後には、S14へと処理が進められる。
【0061】
S14の処理では、制御部50がn=n+1とする。設定後、S15へと処理が進められる。S15の処理では、制御部50がn>5を満たすか否かを判定する。n>5を満たさない場合には、S13へと処理が進められる。これにより、n>5を満たすまで、S13〜S15の処理が繰り返し実行される。S15でn>5を満たす場合には、S16へと処理が進められる。
【0062】
S16の処理では、制御部50は、S13の処理の同様に乱数を取得するとともに、取得した乱数に基づいて、上述したフィーチャー機能を適用するトリガが発生したか否かを判定する。トリガが発生したと判定された場合には、S17における置換パターン(ワイルド出現パターン)を決定する処理が進められる。S17では、制御部50は、一または複数の乱数を用いて、ワイルド出現パターンを決定する。ワイルド出現パターンを決定する際、制御部50は、たとえば、メモリ53やストレージ54に予め格納された複数のワイルド出現パターンを乱数を用いて選択したり、フィーチャー機能が適用される毎に乱数からワイルド出現パターンを生成したりすることができる。
【0063】
制御部50は、S18の処理において、上記フィーチャー機能の適用で入賞が発生するか否かを判定する。そして、S18の処理においてフィーチャー機能の適用で入賞が発生すると判定された場合には、S19の処理に進む。
【0064】
S19の処理では、制御部50が、入賞配当の値が所定の閾値以上であるか否かを判定する。そして、入賞配当の値が所定の閾値未満である場合には、リール停止前にワイルド出現パターンを適用し、入賞配当の値が所定の閾値以上である場合には、リール停止前にワイルド出現パターンを適用する。なお、S19の判定は、必ずしも入賞配当の値に基づく必要はなく、ワイルド出現パターンの適用タイミングを、乱数値を用いてランダムに決定してもよい。
【0065】
S19の判定により、リール停止前にワイルド出現パターンを適用すると判定された場合にはS20〜S23の処理が進められる。
【0066】
S20の処理では、制御部50が、S17で決定されたワイルド出現パターンを、適宜複数のシンボルブロックに分割する。続いて、S21の処理では、シンボルブロックを所定の条件に基づき、ブロック表示領域66に並べて表示する。S22の処理では、シンボルブロックをブロック表示領域66からシンボル表示領域60まで移動させて、出現パターンに応じた位置にワイルドシンボルを配置する。続くS23の処理では、制御部50がリール(1)〜(5)を停止させる。より具体的には、制御部50が、シンボル表示領域60においてスクロール表示されている各リールのシンボルを、それぞれの仮想リールストリップ71〜75についてS13で取得した乱数を用いて決定した停止位置で停止させる。なお、シンボルブロックの位置においては、ワイルドシンボルが重畳表示されているため、この位置には、停止した仮想リールストリップ71〜75のシンボルの代わりにワイルドシンボルが表示される。その結果、シンボル表示領域60には、置換パターンで置換された後のシンボル配列が表示される。
【0067】
ワイルド出現パターンを適用するタイミングをリール停止後にすると判定された場合にはS24〜S27の処理が進められる。
【0068】
まずS24の処理では、制御部50がリール(1)〜(5)を停止させる。より具体的には、制御部50が、シンボル表示領域60においてスクロール表示されている各リールのシンボルを、それぞれの仮想リールストリップ70についてS13で取得した乱数を用いて決定した停止位置で停止させる。続いて、S25の処理では、制御部50が、S17で決定された出現パターンを、適宜複数のシンボルブロックに分割する。S26の処理では、シンボルブロックを所定の条件に基づき、ブロック表示領域66に並べて表示する。S27の処理では、シンボルブロックをブロック表示領域66からシンボル表示領域60まで移動させて、出現パターンに応じた位置のシンボルに対してワイルドシンボルを重畳表示する。それにより、出現パターンに対応する位置のシンボルがワイルドシンボルに置換される。その結果、シンボル表示領域60に、シンボルブロックで置換された後のシンボル配列が表示される。
【0069】
リール(1)〜(5)の停止位置は、対応する仮想リールストリップ71〜75の停止位置に相当する。したがって、その停止位置は、例えば仮想リールストリップ71〜75のシンボルのそれぞれに数値または数値範囲を関連付けて規定し、取得した乱数を含む数値または数値範囲が関連付けられたシンボルの位置として決定することができる。この場合に、各シンボルに関連付けられた数値または数値範囲を不均一に規定することにより、停止位置となる確率に勾配または偏りを設けることもできる。
【0070】
そして、S16の判定においてフィーチャー機能を適用するトリガが発生していないと判定された場合、S18の判定においてワイルド出現パターンを適用しても入賞がないと判定された場合、および、S22〜S20またはS24〜S27の一連の処理が終了した場合には、S28の処理において、制御部50はシンボル表示領域60に表示されたシンボルが特別ゲームを提供する所定の条件を満たしているかを判定する。特別ゲームの当選条件としては、たとえば、ペイライン上に所定のシンボルの入賞組合せが成立したこと(ライン判定)、および/または、シンボル表示領域60内に所定数以上の特定シンボル(スキャッタシンボル)が出現したこと(スキャッタ判定)を挙げることができる。
【0071】
本実施形態では、特別ゲームの当選判定にスキャッタ判定を用いる。
図4に示したとおり、仮想リールセット70は4つのスキャッタシンボルを含んでいるが、シンボル表示領域60内に3つ以上のスキャッタシンボルが表示されたときに、制御部50は、特別ゲームを提供する条件が満たされたと判定する。本実施形態では、特別ゲームとして、遊技価値を消費しないフリーゲームを所定回数提供する。制御部50は、特別ゲームとして提供するフリーゲームの回数を、スキャッタシンボルの数に応じて決定する。すなわち、制御部50は、シンボル表示領域60内に3つ以上のスキャッタシンボルが表示されて特別ゲームが提供を決定した際、スキャッタシンボルが2つ表示されているときには3回のフリーゲームを、スキャッタシンボルが3つ表示されているときには8回のフリーゲームを、スキャッタシンボルが4つ表示されているときには12回のフリーゲームを提供することを決定する。
【0072】
S28で特別ゲームを提供する所定の条件を満たしていると判定された場合には、S29で特別ゲーム提供フラグZがZ=1にセットされる。S29でフラグをセットした後、S30では特別ゲームが提供されることを上部ディスプレイ21または下部ディスプレイ26に予告表示する。
【0073】
S30で特別ゲームを提供する所定の条件を満たしていると判定された場合にはS28の後で、満たしていると判定されなかった場合はS30の後に、S31において制御部50はシンボル表示領域60に表示されたシンボルが入賞しているかを判定する。ただし、入賞判定では、特別ゲーム(フィーチャーゲームおよびフリーゲーム)を提供する所定の条件とは別の条件で適用される。入賞していると判定された場合には、S32の処理で、所定の遊技価値(クレジット)である配当をプレイヤーへ付与するために、その配当に相当するクレジットがゲーミングマシン1に蓄積されているクレジットに加算される。
【0074】
S31で入賞していると判定された場合にはS34の後で、入賞していると判定されなかった場合にはS31の後に、続いてS33の処理でフラグZがZ=1にセットされているかが判定され、Z=1に設定されていると判定されている場合には、S34へと処理が進められて、制御部50は特別ゲームして上述した所定回数のフリーゲームを提供する。なお、フリーゲーム中に所定の条件を満たしている場合、特別ゲームを提供することに替えて、別の所定の条件を満たしている場合にフリーゲームの回数を追加する等の修正を加えて処理を進める。
【0075】
所定回数のフリーゲームが終了すると、S34に続くS35でフラグZをZ=0にリセットし、ゲーミングマシン1はゲーム提供状態を終了し、入力待ち状態へ戻る。また、S35でフラグZがZ=1にセットされていないと判定された場合も、ゲーミングマシン1はゲーム提供状態を終了し、入力待ち状態へ戻る。以上でゲーム提供状態における動作は終了する。
【0076】
以上において説明した第1の実施形態にかかるゲーミングマシンおよびそのゲーム提供方法によれば、フィーチャー機能の処理(すなわち、シンボルブロックの移動)がおこなわれ、フィーチャー機能の処理の後のシンボル配列について遊技価値が付与される。上記フィーチャー機能の処理の際、ブロック表示領域(第2領域)66に表示されたシンボルブロックB1、B2は、シンボル表示領域60(第1領域)内に形成されるシンボル配列と重なる位置に配置されるように移動する。このとき、シンボルブロックB1、B2はリールの回転方向に対して交差する方向(
図9の矢印D1、D2の方向)に移動する。シンボルブロックB1、B2はリールの回転方向に対して交差する方向に移動する場合は、シンボルブロックB1、B2がリールの回転方向に移動する場合に比べて、プレイヤーはシンボルブロックB1、B2が最終的に配置される位置を予測しづらい。
【0077】
すなわち、シンボルブロックB1、B2がリールの回転方向に移動する場合には、シンボルブロックが最終的に配置される位置はシンボル表示領域60の上段位置、中段位置および下段位置のいずれかの位置に限られるため、プレイヤーはその位置をある程度予測できる。一方、シンボルブロックB1、B2がリールの回転方向に対して交差する方向に移動する場合には、シンボル表示領域60の行方向(左右方向)の移動が加わるため、シンボル表示領域60の上段位置、中段位置および下段位置を予測するだけではなく行方向の位置まで予測しなければならず、プレイヤーはその位置を予測することが困難になる。
【0078】
このように、第1の実施形態にかかるゲーミングマシンおよびそのゲーム提供方法によれば、シンボルブロックが配置される位置を予測しづらくすることで、シンボルブロックが最終的に配置されるまで多様なゲーム展開が起こり得るため、新味のあるゲームを実現することができる。別の観点からは、シンボルブロックが移動を開始した後であっても、シンボルブロックが移動している間は、シンボルブロックが配置される位置やゲーム結果の予測しづらいため、シンボルブロックが最終的に配置されるまでプレイヤーのゲーム結果に対する興味を持続させることができるとも言える。
【0079】
なお、上述したゲーミングマシン1の制御部50の機能は、コンピュータによりプログラムが実行されることでも実現され得る。すなわち、1又は複数のコンピュータを、上述した制御部50と同様に機能させるプログラムが作成可能である。このようなプログラムを実行させることにより実現される機能は、上述した制御部50と同様であり、すなわち、操作部をプレイヤーが操作したことに応じてリール(1)〜(5)を回転させる機能と、リール(1)〜(5)の回転を停止して、シンボル表示領域60にシンボル配列を形成する機能と、所定のゲーム条件が満たされた場合に、ブロック表示領域66に、少なくとも1つのシンボルブロックを表示する機能と、ブロック表示領域66に表示したシンボルブロックをシンボル表示領域60に向けてリールの回転方向に対して交差する方向に移動させて、シンボルブロックがシンボル表示領域60内に形成されるシンボル配列と重なる位置に配置する機能と、シンボルブロックが重なったシンボル配列の位置に、シンボルブロックのシンボルを重畳表示する機能と、シンボルブロックのシンボルが重畳表示されたシンボル表示領域60のシンボル配列について特典を付与する機能が実現される。
【0080】
上記プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリ等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されて、提供され得る。
【0081】
上述したとおり、本発明の第1の実施形態にかかるゲーミングマシンは、プレイヤーの操作を受け付ける操作部と、それぞれ一連のシンボルを有する複数のリールを部分的に表示する第1領域と、リールの回転方向において第1領域と並ぶ第2領域とを有する表示部と、操作部および表示部と接続され、操作部をプレイヤーが操作したことに応じて複数のリールを回転および停止させ、停止した複数のリールが表示部の第1領域に形成したシンボル配列について特典を付与する制御部とを備え、制御部は、所定のゲーム条件が満たされた場合に、表示部の第2領域に、一または複数のシンボルで構成される少なくとも1つのシンボルブロックを表示し、第2領域に表示したシンボルブロックを第1領域に向けてリールの回転方向に対して交差する方向に移動させて、シンボルブロックが表示部の第1領域内に形成されるシンボル配列と重なる位置に配置し、シンボルブロックが重なったシンボル配列の位置に、シンボルブロックのシンボルを重畳表示するとともに、シンボルブロックのシンボルが重畳表示された表示部の第1領域のシンボル配列について特典を付与する。
【0082】
このようなゲーミングマシンにおいては、表示部の第2領域に表示されたシンボルブロックは、表示部の第1領域に移動する際に、リールの回転方向に対して交差する方向に移動する。すなわち、シンボルブロックは、リールの回転方向の移動に加えて、リールの回転方向に対して直交する方向にも移動する。シンボルブロックがリールの回転方向に対して交差する方向に移動する場合は、シンボルブロックがリールの回転方向に移動する場合に比べて、プレイヤーはシンボルブロックが最終的に配置される位置を予測しづらい。したがって、本発明の実施形態にかかるゲーミングマシンによれば、ゲーム展開が多様化された新味のあるゲームが実現される。
【0083】
また、シンボルブロックが単一種類のシンボルで構成されている態様であってもよい。この場合、シンボルブロックを適用した後のシンボル表示領域のシンボル配列において、シンボルブロックを構成する種類のシンボルの割合が高くなるため、ライン判定に基づく入賞の確率が高まる。シンボルブロックを構成する単一種類のシンボルがスキャッタシンボルである場合には、スキャッタ判定に基づく入賞の確率が高まる。
【0084】
なお、シンボルブロックを構成するシンボルの種類は、ワイルドシンボルに限らず、たとえば
図5(a)に示した各種シンボルまたは
図5(b)に示したマルチプライヤワイルドシンボルであってもよい。また、必要に応じて、シンボルブロックを複数種類のシンボルで構成してもよい。さらに、複数のシンボルブロックが、同一のまたは類似する種類のシンボルをそれぞれ含むような態様であってもよい。たとえば、ピクチャーシンボルの中でもランクが高い「PicA」と「PicB」でシンボルブロックを構成することによっても配当の高い当選を実現するフィーチャー機能を提供することができる。また、ピクチャーシンボルとワイルドシンボルが混在したシンボルブロックを構成した場合も同様である。
【0085】
また、制御部は、複数のシンボルブロックを表示部の第2領域に表示し、複数のシンボルブロックのうちの一のシンボルブロックと他のシンボルブロックとが同一種類のシンボルを含む態様であってもよい。この場合、一のシンボルブロックおよび他のシンボルブロックを適用した後のシンボル表示領域のシンボル配列において、当該同一種類のシンボルの割合が高くなるため、ライン判定に基づく入賞の確率が高まる。当該同一種類のシンボルがスキャッタシンボルである場合には、スキャッタ判定に基づく入賞の確率が高まる。
【0086】
また、複数のシンボルブロックのうちの一のシンボルブロックと他のシンボルブロックとが異なるシンボルで構成された態様であってもよい。
図13に、ワイルドシンボル「Wild」とマルチプライヤワイルドシンボル「3x」を含む置換パターンの一例を示す。この置換パターンは、分割されることで2行1列の「3x」シンボルブロックと、3行3列の「Wild」シンボルブロックとなる。このように複数のシンボルブロック間において、構成するシンボルの種類を異ならせることで、多様なシンボル置換処理を実現することができる。
【0087】
また、制御部は、表示部の第1領域に置換配置されるべき領域を規定する置換パターンを決定し、該置換パターンを複数のシンボルブロックに分割することにより各シンボルブロックの形状を決定する態様であってもよい。この場合、置換パターンを分割した複数のシンボルブロックを様々な方向に移動させることができる。そのため、置換パターンを分割せずにそのままシンボル置換処理に利用する場合よりも、シンボル置換演出の多様化が図られる。
【0088】
また、制御部は、シンボルブロックをm行n列(m、nは自然数)のシンボルからなる各種サイズで構成可能であり、制御部は、置換パターンを最大サイズのシンボルブロックが含まれるように分割する態様であってもよい。このように置換パターンから分割し得る最大のシンボルブロックとすることで、シンボルブロックが移動する際の迫力が増し、シンボル置換演出の視覚効果が向上する。また、シンボルブロックが同一種類のシンボルで構成されている場合には、より大きなシンボルブロックのほうが、入賞組合せが構成されやすくなるとともに高額配当を得やすくなるため、プレイヤーの配当に対する期待が高まる。
【0089】
また、シンボルブロックが、特典の付与判定の際に他のシンボルとして代用されるシンボル(すなわち、ワイルドシンボル)を含む態様であってもよい。この場合、ペイライン上に、シンボルブロックが適用されないシンボルが存在する場合でも入賞組合せが構成されやすく、入賞確率が高くなるため、プレイヤーの高額配当やボーナス入賞に対する期待が高まる。
【0090】
また、制御部は、通常ゲームと、通常ゲームよりもプレイヤーにとって有利な特別ゲームとを有するゲームを提供し、所定のゲーム条件が、通常ゲームから特別ゲームへ移行することである態様であってもよい。シンボル置換処理をおこなうほうが高い入賞確率および高額配当が得られるため、フィーチャーゲームやフリーゲーム等の特別ゲームのときにシンボル置換処理をおこなうことで、特別ゲームと通常ゲームとの間で入賞配当に大きな差を付けることができる。その結果、プレイヤーは特別ゲームの当選を強く望むようになり、ゲームに対する興味が増す。
【0091】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施形態ではスロットマシンの態様でゲームを提供するゲーミングマシンについて説明したが、これに限られるものではなく、ポーカー、ブラックジャックといったビデオカードゲーム、ビンゴ、キノ、ホイールゲーム等の態様でゲームを提供してもよい。また、本発明をパチンコ機やパチスロ機に適用することも可能である。
【0092】
また、各実施形態における動作についても種々変形が可能であり、例えば予め必要な数の乱数を取得してリール停止位置を決定し、特別ゲーム当選および入賞有無の判定を済ませてから、それらの内容をディスプレイ上に順次表示する態様であっても構わない。さらに、例えば、制御部50は、ゲーム開始時に、必要な数の乱数を一括で取得し、それぞれの乱数を停電発生時にも消去されないメモリ53またはストレージ54の記憶領域に記憶してもよい。このようにした場合、ゲーム中に停電等が発生しても、制御部50は、停電復旧後にゲームを再開する際に、停電発生前のゲーム開始時に取得された乱数をメモリ53またはストレージ54から取得することで、ゲームの進行を再現することができる。例えば、高い配当が得られるゲーム結果が形成される直前に停電が発生した場合において、停電復旧後に同様のゲームの進行がなされなければ、プレイヤーは大きな不満を抱くこととなる。しかし、上述のようにゲーム開示時に全ての乱数を一括で取得し、これらの乱数をメモリ53またはストレージ54に退避させておくことで、停電復旧後に停電発生前と同様のゲームの進行を再現することができるため、プレイヤーに上述のような大きな不満を抱かせてしまうことを回避できる。
【0093】
また、上記実施形態では、遊技価値として紙幣またはチケットを示し、これらを紙幣/チケット識別装置で受け付けて、プリンタユニットでチケットを出力する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技価値は、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケット等の有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。例えば、コインアクセプターでコインを受け付けて、コインホッパーからコインを支払う態様であっても構わない。プレイヤーを識別してサーバ上のアカウントに蓄積されたクレジットを使用し、アカウントへクレジットを払い出す態様であってもよく、磁気カード、ICカード等の記憶媒体に記録されたクレジットの情報を読み取って使用し、記憶媒体へ書き込むことでクレジットを払い出す態様であってもよい。
【0094】
また、上記実施形態では特別ゲームとしてフリーゲームを提供する場合を示したが、通常ゲームとは異なる仮想リールストリップを使用したボーナスゲームを提供してもよい。また、通常ゲーム中に取得された乱数の値に応じて提供されるフィーチャーゲームとすることもできる。
【0095】
また、特別ゲームを提供する所定の条件についても、スキャッタ判定またはライン判定に限られるものではなく、例えばベット数が所定の値を超えている場合に特別ゲームを提供する構成としてもよい。通常ゲーム中に取得された乱数の値に応じて特別ゲームを提供する構成とすることも可能である。
【0096】
また、上記実施形態では特別ゲームとして所定回数のフリーゲームを提供する態様を示したが、回数を限定することなく特別ゲームを提供してもよい。この場合には、特定シンボルの組み合わせ、特別ゲーム中に取得された乱数の値等を特別ゲームの終了条件とし、終了条件を満たすまで特別ゲームを提供する構成とすることができる。