特許第6657102号(P6657102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6657102
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】放射性核種用の生成物カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/178 20060101AFI20200220BHJP
   G21F 5/018 20060101ALI20200220BHJP
   G21F 1/08 20060101ALI20200220BHJP
   G21F 1/10 20060101ALI20200220BHJP
   A61J 1/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A61M5/178 510
   G21F5/018
   G21F1/08
   G21F1/10
   A61J1/00 A
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-552243(P2016-552243)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公表番号】特表2016-537163(P2016-537163A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】US2014063209
(87)【国際公開番号】WO2015066356
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年10月16日
(31)【優先権主張番号】61/897,501
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516129585
【氏名又は名称】ノーススター メディカル ラジオアイソトープス リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】イーゼンゼー グレン エイチ
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03446965(US,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0023515(KR,A)
【文献】 実開平02−068855(JP,U)
【文献】 特表2009−510470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/178
G21F 5/015
A61J 1/00
G21F 1/08
G21F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性核種のための生成物カートリッジであって、
透過性キャップを有すると共に放射線遮蔽体によって包囲された生成物バイアルと、
別個の放射性遮蔽体を備えた別個の充填用カートリッジと、を有し、
前記充填用カートリッジは、前記充填用カートリッジの前記放射性遮蔽体を前記生成物バイアルの前記放射性遮蔽体に結合することによって前記透過性キャップに隣接した状態で支持され、
前記充填用カートリッジは、前記生成物バイアルの充填の際に前記透過性キャップに係合して該透過性キャップを穿刺するよう前記充填用カートリッジの前記放射性遮蔽体内で挿入軸に沿って動くことができ、
前記充填用カートリッジは、前記生成物バイアルと反対側に位置した端部に設けられていて放射性核種を受け入れる孔と、重金属を前記放射性核種から除去するスカベンジャと、前記放射性核種が前記孔から前記充填用カートリッジを通って前記生成物バイアルに流入するときに生物学的汚染物を濾過除去するフィルタと、を有し、
前記透過性キャップ、前記放射性遮蔽体、前記充填用カートリッジ、前記孔、前記スカベンジャ、及び、前記フィルタは、すべて、前記挿入軸に沿って前記生成物バイアルと互いに同心であり、
前記孔は、カートリッジアダプタの雄型ルアー継手を受け入れる雌型ルアー継手を有し、前記雄型ルアー継手は、前記カートリッジアダプタのレバーが回転すると、前記雌型ルアー継手の中に前進して係合する、生成物カートリッジ。
【請求項2】
2つの前記放射線遮蔽体相互間に設けられたねじ連結部を更に有する、請求項1記載の生成物カートリッジ。
【請求項3】
前記充填カートリッジは、前記透過性キャップを穿刺すると同時に前記容器を通気させる注射針を更に有する、請求項1記載の生成物カートリッジ。
【請求項4】
前記充填カートリッジの前記放射線遮蔽体に結合された無線認証(RFID)タグを更に有する、請求項1記載の生成物カートリッジ。
【請求項5】
放射性核種のための生成物カートリッジであって、
上側ハウジング及び下側ハウジングを有し、前記下側ハウジングは、前記上側ハウジング中に嵌め込まれ、前記下側ハウジングは、
前記下側ハウジングの外面を構成する遮蔽体を有し、該遮蔽体は、前記放射性核種からの放射能を実質的に遮断し、
前記ハウジング内に設けられた生成物バイアルを有し、前記遮蔽体は、前記生成物バイアルを実質的に包囲し、
前記生成物バイアルの頂部に設けられたキャップを有し、前記キャップの上面は、充填管によって挿入軸に沿って容易に穿刺される材料のものであり、
前記上側ハウジングは、
前記上側ハウジングの外面を定める遮蔽体を有し、該遮蔽体は、前記放射性核種からの放射線を実質的に遮断し、
閉鎖頂部及び引っ込み状態及びアクティブな状態から前記上側ハウジング内で摺動する底部を備えた充填カートリッジを有し、
前記閉鎖頂部に設けられた入れ物を有し、前記入れ物は、前記入れ物から前記閉鎖頂部を貫通して延びる孔を備え、
前記閉鎖底部から延びる充填管を有し、前記充填管の近位端部は、前記閉鎖底部を貫通し、前記充填管の遠位端部は、前記引っ込み状態では前記キャップの前記上面と離隔関係をなして位置し、前記アクティブ状態では前記キャップを貫通し、
前記上側入れ物と前記充填管との間でスリーブ内に設けられた樹脂を有し、
前記キャップ、前記遮蔽体、前記充填カートリッジ、前記孔、前記充填管、及び、前記樹脂は、すべて、前記挿入軸に沿って前記生成物バイアルと互いに同心であり、
前記孔は、カートリッジアダプタの雄型ルアー継手を受け入れる雌型ルアー継手を有し、前記雄型ルアー継手は、前記カートリッジアダプタのレバーが回転すると、前記雌型ルアー継手の中に前進して係合する、生成物カートリッジ。
【請求項6】
前記樹脂と直列に配置されたフィルタを更に有する、請求項記載の生成物カートリッジ。
【請求項7】
前記結合は、前記上側及び前記下側ハウジングに設けられていて前記下側ハウジングを前記上側ハウジングにねじ込むことができるようにする1組の雄ねじと雌ねじを含む、請求項記載の生成物カートリッジ。
【請求項8】
前記充填管は、注射針及びベント孔を有する、請求項記載の生成物カートリッジ。
【請求項9】
前記下側ハウジングの前記遮蔽体は、ポリエチレンの内側層及び鉛の外側層を有する、請求項記載の生成物カートリッジ。
【請求項10】
前記上側ハウジングの前記遮蔽体は、ポリエチレンの内側層及び鉛の外側層を有する、請求項記載の生成物カートリッジ。
【請求項11】
装置であって、
放射性核種のための生成物バイアル組立体を有し、
前記生成物バイアルを包囲した放射線遮蔽体を有し、
充填カートリッジを有し、前記充填カートリッジは、前記充填カートリッジの第1の端部から延びる突出部を備え、
前記充填カートリッジの長手方向軸線に沿って前記充填カートリッジを包囲した放射線遮蔽体を有し、前記充填カートリッジは、前記長手方向軸線に沿って前記放射線遮蔽体に対して動くことができ、前記生成物バイアルの前記放射線遮蔽体は、前記充填カートリッジの前記放射線遮蔽体を介して前記充填カートリッジを支持し、ユーザが前記充填カートリッジを前記長手方向軸線に沿って前記生成物バイアルの透過性キャップに押し付けて前記キャップを前記突出部により穿刺し、そして前記生成物バイアルに放射性核種を充填し、
前記放射線遮蔽体、前記充填カートリッジ、及び、前記突出部は、すべて、前記長手方向軸線に沿って前記生成物バイアル組立体と互いに同心であり、
前記充填用カートリッジは、前記生成物バイアルと反対側に位置した端部に設けられていて放射性核種を受け入れる孔を有し、前記孔は、カートリッジアダプタの雄型ルアー継手を受け入れる雌型ルアー継手を有し、前記雄型ルアー継手は、前記カートリッジアダプタのレバーが回転すると、前記雌型ルアー継手の中に前進して係合する、装置。
【請求項12】
前記突出部は、針及びベント孔を有する、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記充填カートリッジの第2の端部に設けられていて前記放射性核種を受け入れるカップリングを更に有する、請求項11記載の装置。
【請求項14】
前記カップリングは、ルアー(Leur)継手を含む、請求項13記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、核医学、特に放射性核種を処理する方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2013年10月30日に出願された米国特許仮出願第61/897,501号(係属中)の一部継続出願である。
【背景技術】
【0003】
治療及び診断目的で核医学において放射性物質を用いることが知られている。診断医学の場合、放射性物質は、障害物等を検出する目的で血液の流れを追跡するために用いられる場合がある。この場合、放射性物質(例えば、トレーサ)は、人間の腕又は脚の静脈中に注入される場合がある。
【0004】
注入に続きその人の画像を収集するためにシンチレーションカメラが用いられる場合がある。この場合、トレーサのガンマ線は、その人の画像を生じさせるためにカメラの検出器と相互作用する。
【0005】
トレーサがその人の体内を灌流しているときに一連の画像が収集される。トレーサがその人の血液を通って拡散するので、血流が多くなる静脈又は動脈は、トレーサからの大きなサインを生じさせる。
【0006】
別法として、放射性物質は、分子レベルで生体局在化(biolocalization)剤に結合されても良い。この場合、生体局在化剤は、放射性物質を或る特定の場所(例えば、主要の部位)で濃縮させることができる。
【0007】
核医学において放射性物質を使用できるか否かは、半減期が比較的短い(例えば、2〜72時間)の核物質の生成ができるかどうかにかかっている。生体局在化剤を備えた又は画像化のための放射性物質の使用の場合、半減期が短いと、放射能が速やかに崩壊し、放射線に対する人間の暴露が軽減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
核医学における放射性物質の使用は、極めて有用であるが、かかる物質の取り扱いは、困難である場合がある。半減期の短い物質は、所望の物質を他の物質から隔離するために複雑な分離手順を必要とする場合がある。いったん分離されると、所望の物質は、容易に接近可能でなければならない。したがって、かかる物質を取り扱う良好な方法が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によれば、放射性核種のための生成物カートリッジであって、
透過性キャップを有すると共に放射線遮蔽体によって包囲された生成物バイアルと、
別個の放射性遮蔽体を備えた充填用カートリッジとを有し、充填用カートリッジは、充填用カートリッジの放射性遮蔽体を生成物バイアルの放射性遮蔽体に結合することによって透過性キャップに隣接した状態で支持され、充填用カートリッジは、生成物バイアルの充填の際に透過性キャップに係合してこの透過性キャップを穿刺するよう充填用カートリッジの放射性遮蔽体内で動くことができ、充填用カートリッジは、生成物バイアルと反対側に位置した端部に設けられていて放射性核種を受け入れる孔と、重金属を放射性核種から除去するスカベンジャと、放射性核種が孔から充填用カートリッジを通って生成物バイアルに流入するときに生物学的汚染物を濾過除去するフィルタとを有することを特徴とする生成物カートリッジが提供される。
【0010】
本発明の別の観点によれば、放射性核種のための生成物カートリッジであって、
上側ハウジング及び下側ハウジングを有し、下側ハウジングは、上側ハウジング中に嵌め込まれ、下側ハウジングは、
下側ハウジングの外面を構成する遮蔽体を有し、この遮蔽体は、放射性核種からの放射能を実質的に遮断し、
ハウジング内に設けられた生成物バイアルを有し、遮蔽体は、生成物バイアルを実質的に包囲し、
生成物バイアルの頂部に設けられたキャップを有し、キャップの上面は、充填管によって容易に穿刺される材料のものであり、
上側ハウジングは、
上側ハウジングの外面を定める遮蔽体を有し、この遮蔽体は、放射性核種からの放射線を実質的に遮断し、
閉鎖頂部及び引っ込み状態及びアクティブな状態から上側ハウジング内で摺動する底部を備えた充填カートリッジを有し、
閉鎖頂部に設けられた入れ物を有し、入れ物は、入れ物から閉鎖頂部を貫通して延びる孔を備え、
閉鎖底部から延びる充填管を有し、充填管の近位端部は、閉鎖底部を貫通し、充填管の遠位端部は、引っ込み状態ではキャップの上面と離隔関係をなして位置し、アクティブ状態ではキャップを貫通し、
上側入れ物と充填管との間でスリーブ内に設けられた樹脂を有することを特徴とする生成物カートリッジが提供される。
【0011】
本発明の更に別の観点によれば、装置であって、
放射性核種のための生成物バイアル組立体を有し、
生成物バイアルを包囲した放射線遮蔽体を有し、
充填カートリッジを有し、充填カートリッジは、充填カートリッジの第1の端部から延びる突出部を備え、
充填カートリッジの長手方向軸線に沿って充填カートリッジを包囲した放射線遮蔽体を有し、充填カートリッジは、長手方向軸線に沿って放射線遮蔽体に対して動くことができ、生成物バイアルの放射線遮蔽体は、充填カートリッジの放射線遮蔽体を介して充填カートリッジを支持し、ユーザが充填カートリッジを生成物バイアルの透過性キャップに押し付けてキャップを突出部により穿刺し、そして生成物バイアルに放射性核種を充填することを特徴とする装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】全体として本発明の図示の実施形態に従って示された放射性核種を生じさせるシステムのブロック図である。
図2図2A図1のシステムに用いられる生成物カートリッジ組立体の正面図であり、図2B図1のシステムに用いられる生成物カートリッジ組立体の側面図であり、図2C図1のシステムに用いられる生成物カートリッジ組立体の断面図である。
図3図3A図2A図2Cの生成物カートリッジの側面図であり、図3B図2A図2Cの生成物カートリッジの平面図であり、図3C図2A図2Cの生成物カートリッジの断面図である。
図4図4Aは別の実施形態による生成物カートリッジ組立体の側面図であり、図4Bは別の実施形態による生成物カートリッジ組立体の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、全体として本発明の図示の実施形態に従って示された放射性核種を分離するために用いられる分離システム10のブロック図である。システム10は、診断又は治療プロセスにおける使用のために純度の高い放射性物質を提供するよう用いられるのが良い。システム10は、同位体に応じて種々の実施形態に従って、放射性核種製造施設、核製薬業又は他の何らかの医学的環境において使用するのが簡単な携帯可能装置として構成できる。
【0014】
システム10は、フォワードCOWプロセスを用いて娘放射性核種から親放射性核種を分離するために使用でき、娘放射性核種は、親放射性核種の崩壊によって作られる。システム10は又、リバースCOWプロセスを用いて娘放射性核種を親放射性核種から分離するために使用できる。
【0015】
システム10には1つ又は2つ以上の分離カラム28,36が含まれるのが良い。分離カラム28は、診断又は治療目的に応じて多様な放射性核種の精製を可能にするよう選択されるのが良い。例えば、分離カラム28,36には、必要な特定の放射性核種を対象としたクロマトグラフィ物質(例えば、イオン交換樹脂、抽出クロマトグラフィ物質等)が満たされるのが良い。この点において、システム10は、放射線療法のためにイットリウム‐90、ビスマス‐212及び213、若しくはレニウム‐188又は診断画像化のためにテクネチウム‐99m、タリウム‐201、弗素‐18若しくはインジウム‐111を精製するために用いられるのが良い。
【0016】
この点において、システム10には親放射性核種が提供されるのが良い。幾分かの期間の経過後、親放射性核種のうちの何割かは、崩壊して親放射性核種と娘放射性核種の混合物を生じさせる。この場合、システム10の制御装置34は、1つ又は2つ以上の弁22,24,26及びポンプ30を作動させて親放射性核種と娘放射性核種の混合物を親放射性核種容器12から第1の分離カラム28に運ぶのが良く、第1の分離カラム28は、娘放射性核種を捕捉する。親放射性核種と娘放射性核種の混合物が分離カラム28をいったん通過すると、残存する親放射性核種は、親放射性核種容器12に戻されるのが良い。
【0017】
制御装置34は、弁22,24を作動させて先ず最初に洗浄溶液を処理流体容器14,16から抜き出し、次に洗浄溶液を廃棄物容器18,20中に廃棄することによって、第1の分離カラム28を洗浄するのが良い。洗浄プロセスは、同種又は異種の洗浄溶液を用いて多数の回数のうちの任意の回数繰り返されるのが良い。
【0018】
いったん洗浄されると、制御装置34は、ストリッピング溶液を処理流体容器14,16のうちの一方から引き出し、次に、このストリッピング溶液を第1の分離カラム28に通し、弁26に通し、そして生成物カートリッジ組立体32中にポンプ送りするのが良い。ストリッピング溶液は、娘放射性核種を分離カラム28から溶出し、次に、この娘放射性核種を生成物カートリッジ組立体32中に運ぶよう機能する。
【0019】
図2A図2Cは、それぞれ、生成物カートリッジ組立体32の正面図、側面図及び断面図である。生成物カートリッジ組立体32は、環境を放射性物質の漏れから保護すると共にシステム10のユーザを放射線から保護する極めて重要な目的の達成に役立つ。
【0020】
生成物カートリッジ組立体32は、生成物カートリッジ42及びアダプタ44を含む。カートリッジアダプタ44は、システム10のハウジングに半永続的に取り付けられるのが良い。これとは対照的に、生成物カートリッジ42は、取り外し可能であり且つ交換可能である。
【0021】
図3A図3Cは、それぞれ、生成物カートリッジ42の側面図、平面図及び断面図である。図3Cに示されているように、生成物カートリッジ42は、上側ハウジング46を含む充填組立体70及び下側ハウジング48を含む生成物容器68を有する。上側ハウジング46及び下側ハウジング48は、ポリエチレンで構成されるのが良く、これらハウジングは、低エネルギー粒子のための放射線遮蔽体として働く。
【0022】
上側及び下側ハウジング46,48を包囲して、別の上側放射線遮蔽体50及び下側放射線遮蔽体52が設けられている。上側及び下側放射線遮蔽体は、鉛で作られるのが良い。
【0023】
生成物容器68は、下側ハウジング48内で透過性キャップ58により封止された生成物バイアル56を収容している。この場合、生成物バイアル56は、透過性キャップ58を穿刺した突出部(例えば、注射針)60により充填される。
【0024】
生成物容器68の下側放射線遮蔽体52は、図3Aに示されているように生成物容器68を充填組立体70中に挿入することができ又はねじ込むことができるようにする縮径カップラ54を備えるのが良い。カップラ54により、生成物バイアル56に放射性核種を安全に充填することができ、更に生成物容器68を次に、充填組立体70から分離することができ、分離された生成物容器68は、遮蔽体42と生成物バイアル56を単一ユニットとして有する。
【0025】
上側ハウジング46内には可動カートリッジ本体58が設けられている。生成物バイアル56を充填するために用いられる針60は、カートリッジ本体58に剛性的に取り付けられている。
【0026】
また、針60と直列に連結された状態で可動カートリッジ本体58内には、ベント62を備えた二次フィルタ、粒子フィルタ64、ガードカラム40及びルアー(Leur)コネクタ66が設けられている。
【0027】
図3Cは、充填組立体70のカートリッジ本体58をハウジング46に対して伸長した位置にある状態で示している。生成物容器68を生成物カートリッジ32から取り出すため、ユーザは、外部タブ72を掴んで可動カートリッジ本体58を図3Aに示されている位置から上方に押すのが良く、ついには、針60がキャップ58から外れる。次に、生成物容器68を充填組立体70から連結解除するのが良い。
【0028】
生成物カートリッジ32を組み立てるため、ユーザは、適当な充填組立体70及び生成物容器68を選択し、カップリング54を介して生成物容器68の遮蔽体52を充填組立体70の遮蔽体50に係合させるのが良い。組立体を完了するため、ユーザは、力60を可動カートリッジ本体58に加えるのが良く、その目的は、カートリッジ本体58を針60がキャップ58を穿刺してこれを貫通するのに十分下方に動かすことにある。
【0029】
生成物カートリッジ32をいったん組み立てると、カートリッジ32をシステム10内に収納するのが良い。この点において、カートリッジ32をアダプタ44に組み付ける。カートリッジアダプタ44の下にいったん取り付けると、レバー74(図2B)を右から左に回すのが良い。レバー74の回転によりレバー74に取り付けられたカム及びカムフォロアが雄型ルアー継手を下方に動かすと共にこれをコネクタ66の雌型部分中に前進させてこれに係合させる。
【0030】
図4A及び図4Bは、別の実施形態としての生成物カートリッジ組立体100を示している。左記の実施形態の場合と同様、この組立体は、充填組立体102及び生成物カートリッジ104を含む。しかしながら、この実施形態では、生成物充填組立体は、ユーザを放射線から保護するタングステン製のケース106を含む。
【0031】
同様に生成物カートリッジは、タングステン製遮蔽体により包囲された生成物バイアル108を有する。カートリッジ組立体は、ねじ連結部112を介して充填組立体に取り付けられるのが良い。
【0032】
充填組立体は、外側遮蔽体106に対して動く可動連結組立体又は充填カートリッジ114を含む。連結組立体は、フィルタ組立体116、衛生フィルタメンブレン118及び針組立体120を含む。フィルタ組立体は、重金属(例えば、親同位体)のためのスカベンジャとして働くガード樹脂を含む。針組立体は、皮下注射針122を含み、この皮下注射針は、連結組立体を下方に押したときに滅菌生成物バイアルの透過性キャップ124を穿刺すると同時に具体化された滅菌フィルタを介して容器を通気させる。
【0033】
充填組立体は、無線認証(RFID)タグ126を含む。この点において、充填組立体は、1回使用向きである。生成物カートリッジ組立体を分離システム中に挿入するたびごとに、制御装置は、充填組立体のRFIDタグを読み取って識別番号を完成品のためのトラッキングファイルの一部としてメモリ中に保存する。制御装置は又、充填組立体が先に使用されているかどうかをサーチし、もし充填組立体が先に使用されていればプロセスを拒否する。
【0034】
連結組立体は、雄型ルアー継手128を介して分離システムに連結されている。生成物カートリッジ組立体をセパレータ又は分離システム中に挿入しているときにユーザがタブを掴むのが良く、そしてタブを回してルアー継手を分離システムに設けられている雌型ルアー継手中に嵌め込むのが良い。
【0035】
一般に、生成物カートリッジ組立体は、透過性キャップを有すると共に放射線遮蔽体によって包囲された生成物バイアルと、別個の放射性遮蔽体を備えた充填用カートリッジとを含み、充填用カートリッジは、充填用カートリッジの放射性遮蔽体を生成物バイアルの放射性遮蔽体に結合することによって透過性キャップに隣接した状態で支持され、充填用カートリッジは、生成物バイアルの充填の際に透過性キャップに係合してこの透過性キャップを穿刺するよう充填用カートリッジの放射性遮蔽体内で動くことができ、充填用カートリッジは、生成物バイアルと反対側に位置した端部に設けられていて放射性核種を受け入れる孔と、重金属を放射性核種から除去するスカベンジャと、放射性核種が孔から充填用カートリッジを通って生成物バイアルに流入するときに生物学的汚染物を濾過除去するフィルタとを有する。
【0036】
変形例として、生成物カートリッジ組立体は、上側ハウジング及び下側ハウジングを含み、下側ハウジングは、上側ハウジング中に嵌め込まれ、下側ハウジングは、下側ハウジングの外面を構成する遮蔽体を有し、この遮蔽体は、放射性核種からの放射能を実質的に遮断し、下側ハウジングは、ハウジング内に設けられた生成物バイアルを更に有し、遮蔽体は、生成物バイアルを実質的に包囲し、下側ハウジングは、生成物バイアルの頂部に設けられたキャップを更に有し、キャップの上面は、充填管によって容易に穿刺される材料のものであり、上側ハウジングは、上側ハウジングの外面を定める遮蔽体を更に有し、この遮蔽体は、放射性核種からの放射線を実質的に遮断し、上側ハウジングは、閉鎖頂部及び引っ込み状態及びアクティブな状態から上側ハウジング内で摺動する底部を備えた充填カートリッジと、閉鎖頂部に設けられた入れ物とを更に有し、入れ物は、入れ物から閉鎖頂部を貫通して延びる孔を備え、上側ハウジングは、閉鎖底部から延びる充填管を更に有し、充填管の近位端部は、閉鎖底部を貫通し、充填管の遠位端部は、引っ込み状態ではキャップの上面と離隔関係をなして位置し、アクティブ状態ではキャップを貫通し、上側ハウジングは、上側入れ物と充填管との間でスリーブ内に設けられた樹脂を更に有する。
【0037】
本発明を構成して用いる仕方を説明する目的で、放射性核種を生じさせる方法及び装置の特定の実施形態について説明した。理解されるべきこととして、本発明及びその種々の観点の他の変形例及び他の改造例の具体化は、当業者には明らかであり、本発明は、説明した特定の実施形態によって限定されることはない。したがって、特許請求の範囲の記載は、本発明及び本明細書において開示すると共にクレーム請求する底流をなす基本原理の真の精神及び範囲内に含まれる任意の且つ全ての改造例、変形例又は均等例を含むものである。
図1
図2
図3
図4A-4B】