特許第6657238号(P6657238)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニーの特許一覧

特許6657238容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法
<>
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000002
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000003
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000004
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000005
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000006
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000007
  • 特許6657238-容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6657238
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】容器の完全性の試験及び検査のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20200220BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20200220BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20200220BHJP
   G01M 3/38 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   G01M3/20 R
   G01N21/84 D
   G01N21/88 K
   G01M3/38 L
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-541247(P2017-541247)
(86)(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公表番号】特表2018-509606(P2018-509606A)
(43)【公表日】2018年4月5日
(86)【国際出願番号】US2016018173
(87)【国際公開番号】WO2016137789
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年12月12日
(31)【優先権主張番号】62/119,589
(32)【優先日】2015年2月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100118625
【弁理士】
【氏名又は名称】大畠 康
(74)【代理人】
【識別番号】100144200
【弁理士】
【氏名又は名称】奥西 祐之
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ・アンガーマンド
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・カリアー
(72)【発明者】
【氏名】ジョー・ジィ・クー
【審査官】 岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03751172(US,A)
【文献】 特開平10−197386(JP,A)
【文献】 特開2005−030964(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0026685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
G01N 21/00
B01L 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の完全性を試験するための検査装置であって、
アングル部材と、
前記アングル部材に固定された観察部材であって、前記アングル部材及び前記観察部材は、組み合わさって、分析される容器を保持するように構成されている、観察部材と、
前記アングル部材に固定されており、前記アングル部材を傾斜した角度で保持するように構成されたキャビティを含んでいる、クレードルと、
前記観察部材に固定された光源ホルダーと、
前記光源ホルダーから延びている脚部と、
前記光源ホルダーを通って延びている少なくとも1つの光源であって、前記光源は、前記光源ホルダーから外向きに延びている第1端部と、そこから光が投射する前記光源ホルダー内に延びている第2端部と、を有しており、前記光源からの光が前記観察部材に向かって投影される、前記光源と、
前記観察部材に配置された少なくとも1つの観察窓と、
前記光源の前記第2端部と前記観察部材との間に配置されたレンズと、
前記レンズと前記観察部材との間に配置されたフィルタと、
を備えたことを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記光源が青色光を含んでいる、
請求項1記載の検査装置。
【請求項3】
前記角度が45度である、
請求項1記載の検査装置。
【請求項4】
前記観察窓が、光学フィルタ、レンズ、又はミラーを備えている、
請求項1記載の検査装置。
【請求項5】
分析される前記容器が自動注射器である、
請求項1記載の検査装置。
【請求項6】
様々な前記容器を収容するために前記検査装置に取り付けられるように構成されたアダプタを、更に備えている、
請求項1記載の検査装置。
【請求項7】
検査装置を使用して容器閉鎖完全性を試験する方法であって、
アングル部材と、
前記アングル部材に固定された観察部材であって、前記アングル部材及び前記観察部材は、組み合わさって、分析される容器を保持するように構成されている、観察部材と、
前記アングル部材に固定されており、前記アングル部材を傾斜した角度で保持するように構成されたキャビティを含んでいる、クレードルと、
前記観察部材に固定された光源ホルダーと、
前記光源ホルダーから延びている脚部と、
前記光源ホルダーを通って延びている少なくとも1つの光源であって、前記光源は、前記光源ホルダーから外向きに延びている第1端部と、そこから光が投射する前記光源ホルダー内に延びている第2端部と、を有しており、前記光源からの光が前記観察部材に向かって投影される、前記光源と、
前記観察部材に配置された少なくとも1つの観察窓と、
を備えた検査装置を提供する工程と、
サンプル容器を提供する工程と、
前記サンプル容器をフルオレセイン色素のタブに浸漬する工程と、
圧力−真空サイクルに曝すためにチャンバ内に色素タブを配置する工程と、
前記サンプル容器を洗浄する工程と、
前記検査装置の前記アングル部材に前記サンプル容器を配置する工程と、
前記サンプル容器を前記観察窓を通して観察する工程と、
を含んでおり、
前記サンプル容器が前記観察窓を通して見られるときに、分析器具を必要としないで前記サンプル容器の目視検査が達成可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記サンプル容器が前記観察窓を通して見られるときに、前記サンプル容器内に色素が存在する場合には緑色グローが放たれ、前記サンプル容器内に色素が存在しない場合には濃い黒色グローが放たれる、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記サンプル容器に隣接する検査装置内に、陽性対照容器及び陰性対照容器を配置する工程を、更に含んでいる、
請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記光源が青色光を含んでいる、
請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記サンプル容器が自動注射器である、
請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年2月23日に出願された米国仮出願第62/119,589号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
A.分野
本明細書は、概ね容器閉鎖完全性試験(container closure integrity testing)に関し、より詳細には、容器閉鎖の完全性を試験及び検査する装置及び方法に関する。
【0003】
B.関連技術の詳細
非経口医薬品の容器閉鎖完全性(CCI)は、滅菌医薬品の貯蔵寿命全体に渡って保護を提供し品質を維持するための容器閉鎖システムの能力として、定義される。一次包装構成要素(剤形と直接接触しているか又は直接接触している可能性のある、いずれかの包装構成要素として、定義される)の容器閉鎖システムの有効性は、密閉容器内外への漏れを防止することによって無菌性を維持することを、証明しなければならない。
【0004】
容器閉鎖完全性試験は、病原体侵入の評価のために送達システム内に収容された容器の完全性及び無菌性を検証するために、使用される。容器閉鎖完全性試験は、滅菌製品の格納に関連する包装(package)パッケージの完全性の保証を、実証する。有効なバリアが、微生物の侵入、潜在的に反応性のガス(例えば酸素)、又は場合によっては真空の、侵入に対して、維持されなければならない。完全性試験のタイプの例には、微生物侵入及び色素(dye)侵入が含まれる。
【0005】
種々の色素が色素侵入試験に使用するのに適しているが、最も一般的に使用されるものはメチレンブルーである。一般的な方法論は、調査サンプル及び陽性対照サンプルを使用し、それらを色素のバット(vat)に沈める。陽性対照サンプルは、典型的には、試験手順からの色素の侵入を確認するために、既知の内径の毛細管を用いて故意に破損される。バットを圧力チャンバ内に配置し、真空及び時々圧力を、特定時間、印加する。サンプルを圧力チャンバから取り出し、洗浄し、可視色素が存在するかどうかを決定することによって分析する。現場検出(内容物は装置に残っている)による視覚試験は、実行するのが比較的簡単であり、品質管理環境での使用に適しており、分析のための容器内容物の移送に起因する色素汚染のリスクを、低減する。業界で使用されている方法論の詳細は、圧力及びその圧力で保持される時間、方法の感度、陽性対照の使用、対照に使用される破損サイズ、及び色素がサンプルに侵入したかどうかを決定するために使用される検出のタイプ、の間で大きく変化する。
【0006】
現在、組み立てられた複雑な(自動注射器のような)薬物充填装置を同等の感度で試験するための方法は、存在しない。
【0007】
したがって、サンプルの目視検査を改善する方法及び/又は装置を提供することが望まれている。また、試験サンプルを操作する必要がなく(すなわち、それを切断したり、内容物を搾り出したりすることなく)、(自動注射器などの)複雑な装置に対して視覚検査を実行する方法を、提供することが望まれている。
【発明の概要】
【0008】
以下の実施形態及びその態様は、システム、ツール、及び方法に関連して、記載及び図示され、それは、典型的且つ例示的なものであり、範囲を限定するものではない。
【0009】
一態様は、容器の完全性を試験するための検査装置である。その検査装置は、アングル部材と、アングル部材に固定された観察部材と、を有している。アングル部材及び観察部材は、組み合わさって、分析される容器を保持するように構成されている。また、検査装置は、アングル部材に固定されたクレードルを備えており、該クレードルは、アングル部材を傾斜した角度で保持するように構成されたキャビティを備えている。また、検査装置は、観察部材に固定された光源ホルダーと、光源ホルダーから延びている脚部と、光源ホルダーを通って延びている少なくとも1つの光源と、を備えている。光源は、光源ホルダーから外向きに延びている第1端部と、そこから光が投射する光源ホルダー内に延びている第2端部と、有している。光源からの光は、観察部材に向かって投影される。観察部材は、少なくとも1つの観察窓を備えている。レンズが、光源の第2端部と観察部材との間に配置されており、フィルタが、レンズと観察部材との間に配置されている。
【0010】
別の態様は、検査装置を使用して容器完全性を試験する方法である。その方法は、アングル部材とアングル部材に固定された観察部材とを有する検査装置を提供する工程を、含んでいる。アングル部材及び観察部材は、分析される容器を保持するように構成されている。更に、検査装置は、アングル部材に固定されたクレードルを備えており、該クレードルは、アングル部材を傾斜した角度で保持するように構成されたキャビティを含んでおり、また、検査装置は、観察部材に固定された光源ホルダーと、光源ホルダーから延びている脚部と、光源ホルダーを通って延びている少なくとも1つの光源と、を備えている。光源は、光源ホルダーから外向きに延びている第1端部と、そこから光が投射する光源ホルダー内に延びている第2端部と、有している。光源からの光は、観察部材に向かって投影される。また、検査装置は、観察部材に配置された少なくとも1つの観察窓を備えている。更に、その方法は、サンプル容器を提供する工程と、サンプル容器をフルオレセイン色素のタブに浸漬する工程と、圧力−真空サイクルに曝すためにチャンバ内に色素タブを配置する工程と、サンプル容器を洗浄する工程と、検査装置のアングル部材にサンプル容器を配置する工程と、サンプル容器を観察窓を通して観察する工程と、を含んでいる。サンプル容器が観察窓を通して見られるときに、分析器具を必要としないで室内光でサンプル容器の目視検査が達成可能である。
【0011】
上記の典型的な態様及び実施形態に加えて、更なる態様及び実施形態が、図面を参照することにより、及び、以下の詳細な説明を検討することにより、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
典型的な実施形態が図面に示されている。本明細書に開示された実施形態及び図面は、限定的ではなく例示的なものとみなされることを意図している。
【0013】
図1】本願の検査装置の正面斜視図である。
図2図1に示された装置の背面斜視図である。
図3a図1に示された装置の一部の拡大図である。
図3b図3aに示された部分の側面図である。
図4図1の装置の断面図である。
図5】装置の別の実施形態を示す図である。
図6】本願の一実施例の方法の概要である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば自動注射器のようなサンプルを収容する容器と共に使用するための検査装置が、開示されている。検査装置は、容器の物理的処置を必要とせずに、様々な容器及び複雑な送達システムの容器閉鎖完全性を評価することができる。検査装置は、トラッキング剤の検出可能性を高めることによって、容器閉鎖完全性分析の有効性を向上させる。例えば、検査装置は、分析機器を必要とすることなく、容器閉鎖完全性を目視検査することを可能にする。検査装置は、様々なサンプル体裁、トラッキング剤、及び周囲の光状態に、対応することができる。検査装置のみを使用することにより、容器閉鎖完全性の定性試験が可能となる。検査装置を分析機器と組み合わせて使用すると、定量分析が可能である。例えば、紫外可視(UV-Vis)分光光度計を用いて、サンプルの吸光度を特定の波長で測定して、試験サンプル内の色素侵入の濃度を計算することができる。
【0015】
図1は、容器200のような試験サンプルと共に使用するための検査装置100の一例を示している。一実施形態では、多数の容器200を検査のために検査装置100に配置できる。それ故、検査装置100は、分析のために同時に3個の容器200を保持できる。これにより、陽性標準(positive standard)(既知の色素有り容器)及び陰性対照(negative control)(色素無し容器)を、対照として試験容器と並べて置くことができる(比較試験)。容器200及び分析方法を、以下でより詳細に説明する。
【0016】
検査装置100は、様々な器具及び異なる物理的属性を有する試験サンプルの、使用に対応するための、モジュール式構成要素から、構成されている。検査装置100は、アングル部材(angled member)102を備えている。アングル部材102は、観察部材(viewing member)104に接続できる。アングル部材102及び観察部材104は、組み合わさって、1個以上の容器200を収容する。アングル部材102は、例えば、1個以上のダウェルピン(dowel pin)によって、観察部材104に取り付けることができる。しかしながら、アングル部材102と観察部材104とは、任意の既知の固定手段によって固定されてもよい。観察部材104は、容器200を見るための1個以上の観察窓(viewing window)105を備えることができる。観察窓105は、トラッキング剤からの可視輝度の波長及び/又は強度を制御するために、光学フィルタ、レンズ、又はミラー(図示せず)を備えることができる。
【0017】
アングル部材102は、また、台部材又はクレードル部材106に、固定される。クレードル部材106は、観察部材104とは反対側のアングル部材102の端部に配置できる。クレードル部材106は、アングル部材102が配置されるキャビティ108を備えている。キャビティ108は、アングル部材102ひいては容器200が垂直に対して傾斜して取り付けられるように、構成されている。その角度については、図3a及び図3bに関連して以下でより詳細に説明する。
【0018】
再び図1を参照すると、検査治具100は、また、観察部材104に固定された光源ホルダー110を備えている。光源ホルダー110は、実質的に水平に且つ観察部材104に対して傾斜して、配置されている。観察部材104は、例えばネジなどの締結具によって、光源ホルダー110に固定できる。しかしながら、観察部材104と光源ホルダー110とは、任意の既知の固定手段によって固定されてもよい。
【0019】
光源ホルダー110には、脚部112が固定されている。脚部112は、光源ホルダー110から下方に且つ実質的に垂直に、延びて、検査装置を安定させている。
【0020】
図2に最もよく見られるように、1個以上の光源114が光源ホルダー110に固定されている。一実施形態では、光源ホルダー110は、光源114が挿入される複数の開口113を含んでいる。光源114は、例えばネジなどの締結具によって、光源ホルダー1110内の開口113に固定できる。しかしながら、光源114は、任意の既知の固定手段によって、光源ホルダー110に固定されてもよい。光源114は、それぞれ、第1端部115と第2端部117とを有している。第1端部115は、光源ホルダー110から外側に延びており、第2端部117は、光源ホルダー内に延びている。光は、図4に示される矢印の方向に見られるように、第2端部117から観察部材104に向かって投射する。
【0021】
光源114は、例えばLEDであってもよい。LEDは、吸光度を増大させ且つ他の波長からの干渉を低減するために、狭い波長帯域を有している。一実施形態では、光源114からの光は、青色光である。用途に応じて及び試験に使用される色素の種類に応じて、他のタイプの光を使用することもできる。
【0022】
図3a及び図3bに示されるように、クレードル106は、キャビティ108を備えている。キャビティ108は、垂直に対して角度αで、アングル部材を保持する。好ましくは、角度αは、入射光ビームと45度であるので、該光ビームはサンプル内の窓を通過するが、観察者の視線とは一致しない。これは、容器200内の色素蛍光の可視性を助け、光源114からの干渉を低減する。しかしながら、使用される用途及び方法に依存して、他の角度も同様に可能である。
【0023】
図4は、検査装置100の断面図である。集束レンズ116及びフィルタ118が、光源114の第2端部117に配置されている。集束レンズ116は、光ビームを、容器の関係領域、例えば、自動注射器の窓に、集束させる。集束レンズ116は、容器の本体から反射する光の干渉を低減する。フィルタ118は、約470nmの波長(光源からの目標波長)の光のみを通過させるがスペクトルの他の波長の光を反射する、バンドパスフィルタであってもよい。フィルタ118は、また、他の波長からの干渉を低減する。
【0024】
上述したように、観察窓105は、フィルタ120を備えることもできる。フィルタ120は、515nmまでの(色素からの蛍光グロー(glow)の波長)の光のみを通過させ、全ての他の波長を反射する、光学バンドパスフィルタである。フィルタ120は、他の波長からの干渉をブロックして、色素蛍光の視覚感度を向上させる。
【0025】
上述したように、検査装置100を使用して、多数の異なる容器を分析することができる。例えば、自動注射器、シリンジ、バイアル、バッグ、薬剤カセット、及びパッチポンプは、検査装置100を用いて分析することができる。アングル部材102及び観察部材104は、異なる容器を収容するように変更することができる。
【0026】
別の実施形態では、アングル部材102及び観察部材104は、様々な容器に適合するアダプタの使用に対応することもできる。そのようなアダプタ300の一例が図5に示されている。アダプタ300は、アングル部材102及び観察部材104内に傾斜して置かれている。シリンジなどの容器200をアダプタ300に挿入して、検査装置100にピッタリと合わせることができる。そして、コンテナ200は、観察窓105を使用して見ることができる。
【0027】
作動中、検査装置100は、容器閉鎖の完全性を試験する方法と共に使用される。図6を参照すると、その方法は、容器200のような試験サンプルを有する容器を色素のタブ(tub)又はバット(vat)に沈めることを含んでいる。一実施形態では、フルオレセイン色素が使用される。フルオレセイン色素は、例えば5μmのような小さな破損を検出するのに十分な感度を有する簡単な視覚検出を可能にする。分子の蛍光特性は、青色光に曝されたときに緑色グロー(green glow)を与える。しかしながら、他のタイプの色素又は色素と光の組み合わせも、同様に使用することができる。
【0028】
色素は、サンプルを完全に覆うべきである。 次いで、バットを圧力チャンバ内に配置し、そこで真空を適用する。一実施形態では、真空は約11.8psiaの圧力に達し、真空は最低約30分間適用される。次いで、システムを大気圧に最低約30分間戻して、容器を平衡させる。特定の圧力及び時間は、使用される容器及び色素のタイプに依存して変化し得る。
【0029】
次に、最低約15分間、圧力を加える。一実施形態では、圧力は約29.7psiaに達する。次いで、システムを大気圧に約30分間戻して、容器を平衡させる。再度言うと、特定の圧力及び時間は、使用される容器及び色素のタイプに依存して変化し得る。
【0030】
次に、容器200を圧力チャンバから取り出し、清浄な水で洗浄し、分析する。フルオレセイン色素が適切に洗い流され且つ容器に視覚的欠陥がないことを確実にするために、容器200は、室内光の下で視覚的に検査できる。
【0031】
次に、容器200を検査装置100のアングル部分102内に配置する。上述したように、蛍光の対照(比較試験)として容器200の両側に陽性・陰性(positive and negative)の対照サンプルを置く。次に、使用者又は観察者は、観察窓105を通して容器200を見る。サンプルが緑色グローを放つ場合、フルオレセイン色素の侵入が確認され、したがって、容器200は、破損しており、無菌ではない。サンプルが緑色グローを放たず、濃い黒色の外観(又は緑色グローの欠如)を呈する場合、容器200は、破損していない。分析が不確定である場合、分光光度分析を適用することができる。
【0032】
一実施形態では、光源114は、試験で使用されるフルオレセイン色素トラッカーのピーク吸光度波長に最適化された470nm波長光を、含んでいる。より多くの吸光度は、色素からのより多くの蛍光をもたらす。
【0033】
検査装置100は、例えば、ポリオキシメチレンコポリマー「Delrin(登録商標)」などのポリマーで構成することができる。他の実施形態では、検査装置100は、他の適切な材料で構成することができる。
【0034】
本願の試験感度の向上は、製品品質及びプロセスロバスト性(process robustness)を高める潜在的な破損の検出を、改善する。検査装置は、汎用性があり、ある範囲の装置のプレゼンテーション(device presentations)を処理することができ、方法開発を合理化し、時間(月)及び必要な試験サンプル(20〜315個のバイアル又はシリンジ)を節約する。
【0035】
多くの例示的な態様及び実施形態を上記で述べたが、当業者は、開示された実施形態の特徴の、更に別の変更、置換、追加、及びそれらのサブコンビネーションが依然として可能であることを認識できる。したがって、以下の添付の特許請求の範囲及び後に導入される特許請求の範囲は、それらの真の精神及び範囲内にあるそのような変更、置換、追加、及びサブコンビネーションの全てを含むと解釈されることが意図される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6