特許第6657319号(P6657319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6657319
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】操縦用コントローラ
(51)【国際特許分類】
   A63H 30/02 20060101AFI20200220BHJP
   A63H 30/04 20060101ALI20200220BHJP
   G06F 3/0338 20130101ALI20200220BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A63H30/02 A
   A63H30/04 A
   G06F3/0338 411
   B64C13/20 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-117975(P2018-117975)
(22)【出願日】2018年6月21日
(65)【公開番号】特開2019-217089(P2019-217089A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2018年6月21日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年5月10日〜13日ツインメッセ静岡において開催された第57回静岡ホビーショーで公開
(73)【特許権者】
【識別番号】592226486
【氏名又は名称】近藤科学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】近藤 博俊
【審査官】 西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−55911(JP,A)
【文献】 特開2015−213660(JP,A)
【文献】 特開2012−24294(JP,A)
【文献】 特開2012−157590(JP,A)
【文献】 特開2011−110191(JP,A)
【文献】 特開2007−334846(JP,A)
【文献】 特開2005−244431(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3205463(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H1/00−37/00,
G06F3/033−3/039,
B64C13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操縦対象物を操縦するための操縦用コントローラにおいて、
左右一方の手で把持する略棒状の把持部と、
把持したときに人差し指の爪側と腹側をそれぞれ挟むように形成されたレバー部であって、該レバー部が、該把持部の長手方向と略平行な揺動軸を中心に揺動し、
該レバー部の傾斜によって加速及び減速操作を行う構成において、
該把持部の中心線を、該把持部を左右一方の手で把持した状態で親指と人差し指で形成される環形の中心点と親指の基端近傍とを通る仮想線と定義し、
該揺動軸が該中心線よりも人差し指の指先方向に偏位して配置された
ことを特徴とする操縦用コントローラ。
【請求項2】
前記揺動軸と前記把持部との距離を略平行に変動させるために摺動可能に構成した
請求項に記載の操縦用コントローラ。
【請求項3】
前記レバー部は幅が6mm以上の対向する一対の板状体で構成される
請求項1又は2に記載の操縦用コントローラ。
【請求項4】
前記レバー部の前記板状体の少なくともいずれかの下端に人差し指の側面を係止する係止部を備えた
請求項に記載の操縦用コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行体や飛行体等の操縦対象物を操縦するための操縦用コントローラに関し、特に加速減速に係る操縦機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からラジコンのプロポと呼ばれる送信機や、ゲーム機のコントローラなど、車両や飛行体などを操縦する操縦用コントローラは多様な形態が知られている。
例えば、ラジコン模型用の送信機のタイプとして、一つは棒体状のグリップユニットを手のひらで握って全体を保持し、そのグリップユニットの上方に上部本体を備え、その上部本体に自動車のハンドル型のステアリングユニットを取り付けたステアリングタイプ送信機がある。また、全体が薄い箱型状の送信機であって、その送信機の両サイドに両手をあてがって送信機の保持を行い、前面に設けられたスティックレバーの転動操作でラジコン模型の方向変換を行うようにしたスティックタイプ送信機が知られている。
【0003】
ステアリングタイプ送信機では、ラジコン模型の走行スピードをコントロールするためのスイッチとして引き金の形状をしたトリガー部が備えられており、一方スティックタイプ送信機では、トリガー部の代わりにスティックレバーが備えられているのが一般的である。
さらにステアリングタイプ送信機及びスティックタイプ送信機には、上記以外に各種の拡張子を搭載したエクステンションユニットとか、バッテリーを収納保持したバッテリーユニットなどが備えられている。
【0004】
従来のステアリングタイプ送信機におけるトリガー部は、人差し指を引き金に掛けた状体で指の腹側を使って手前に引くと加速動作、指を伸ばして背側で押すと減速動作を行うようになっており、習熟すれば指一本で自在に制御ができるものの、特に指を伸ばす動作による減速は初心者にとって細かい制御が行いにくい問題があった。
また、トリガー部の変動範囲が広く手が小さいと指を思い切り伸ばさなければならないなど、操作性に難点があった。
【0005】
特許文献1には、指の動かしやすい方向を入力端とする情報入力装置は、親指の根元から左右あるいは上下に動かすことでその屈曲量を入力源とする第一の機構と、人指し指の先端を前後あるいは上下に動かすことでその移動量を入力源とする第二の機構で構成することが開示されている。本装置により指の動かしやすい方向にのみ動かすことによって負担や疲労を減らした情報入力装置を提供する、としている。
【0006】
特許文献2には、操作部がゲームプレーヤの左右親指の指先が接触する位置であって前記ケース体の前面における前記表示部の左右に各々配設された第1の操作部と、ゲームプレーヤの左右人差し指が接触する位置であって前記ケース体における一方端面の前記挿入口を挟んで左右に各々配設された第2の操作部とを有することを特徴とする手持ち型ゲーム機が開示されている。
【0007】
特許文献3には、被操縦体の前後方向の移動と速度を制御するスロットルトリガーと、被操縦体の左右方向の舵角を制御するステアリングホイルと、を備え、ステアリングホイルの径方向に突出し、操作者の指の動きをステアリングホイルに伝達するための突起を設けた構成が開示されている。ステアリングホイルに突起を設けたため、突起を操作する指以外の指でラジオコントロール用送信機を支えることができ、両手で持って操作することができるため、操作中にぐらつくことなく安定して操作することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007-334846号公報
【特許文献2】特開2001-212374号公報
【特許文献3】実登3205463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献に挙げた技術はいずれも操作性の向上を目的としたものではあるが、従来の引き金型の操作方法を維持しながら、その操作性を改善する技術は提供されていない。
【0010】
本発明はこのような従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、走行体や飛行体等の操縦対象物を操縦するための操縦用コントローラであって、人差し指だけで簡便かつ正確な操縦機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は次のような操縦用コントローラを提供する。
すなわち、操縦対象物を操縦するための操縦用コントローラにおいて、左右一方の手で把持する略棒状の把持部と、把持したときに人差し指の爪側と腹側をそれぞれ挟むように形成されたレバー部であって、レバー部が、把持部の長手方向と略平行な揺動軸を中心に揺動し、レバー部の傾斜によって加速及び減速操作を行うように構成する。
【0012】
本構成において、把持部の中心線を、把持部を左右一方の手で把持した状態で親指と人差し指で形成される環形の中心点と親指の基端近傍とを通る仮想線と定義し、揺動軸がこの中心線よりも人差し指の指先方向に偏位して配置されたことを特徴とする。
【0013】
上記の揺動軸と把持部との距離を略平行に変動させるために摺動可能に構成してもよい。
【0014】
上記のレバー部は幅が6mm以上の対向する一対の板状体で構成することも好適である。さらに、レバー部の上記の板状体の少なくともいずれかの下端に人差し指の側面を係止する係止部を備えることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、把持したときに人差し指の爪側と腹側をそれぞれ挟むように形成されたレバー部を形成し、そのレバー部が、把持部の長手方向と略平行な揺動軸を中心に揺動するように構成したことで、レバー部の動き方向を人差し指の屈曲方向と同じ平面上にすることができ、指の腹側及び爪側を使った操作が容易になる。これにより簡便かつ正確な加速及び減速操作に寄与している。
【0016】
同時に、本発明に係るレバー部の位置や操作方法は、従来のトリガー部とほぼ一致しているため、従来のプロポ等に慣れた者であっても違和感なく、快適に使用することができる。
特に、揺動軸の位置を、把持部の中心線よりも人差し指の指先方向に偏位して配置することで、レバー部の回動半径や可動範囲を調整することができ、従来構成と違和感がなく、指に負担の少ないレバー位置を実現することができる。
【0017】
また、本発明の別の実施形態において揺動軸と把持部との距離を略平行に変動させるために摺動可能に構成することにより、レバー部を把持部に近づけたり遠ざけたりすることができるので、手の大きさに合わせて調整することができる。
【0018】
さらに、レバー部は幅が12mm以上の対向する一対の板状体で構成することで人差し指との十分な接触面を備えて指が外れにくく正確な操作性に寄与する。加えて、レバー部の板状体の少なくともいずれかの下端に人差し指の側面を係止する係止部を備えることによって、指の離脱を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る操縦用コントローラの正面図である。
図2】同、左側面図である。
図3】同、背面側斜視図である。
図4】本発明に係るレバー部の斜視図である。
図5】本発明に係るレバー部の揺動の様子を示す分解図である。
図6】本発明に係るレバー部の摺動機構を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1ないし図3には、本発明に係る操縦用コントローラ(1)のそれぞれ正面図、左側面図、背面側斜視図を示す。操縦用コントローラ(1)は、無線または有線で操縦対象物と通信し、操縦対象物における動作を操作するためのコントローラであり、例えばレジコン自動車や、飛行機、船などを操る送信機、ゲーム機において画面上の自動車や飛行機、船、ゲームキャラクターを操るゲームコントローラなどとして用いることができる。
【0021】
操縦用コントローラ(1)は、左右一方の手で把持する図面上縦方向にある略棒状の把持部(2)と、把持部の上面には図面上横方向の横設体(3)と、本発明の特徴であるレバー部(4)とから構成される。レバー部(4)は、左側面側を前方とすると把持部(2)の前方に配設されている。なお、本発明において把持部(2)は必須な構成要素であるが、横設体(3)は必ずしも備えていなくてもよく、またその形状も任意に変更可能である。
【0022】
図4にはレバー部(4)の一部を示す斜視図を、図5にはレバー部(5)の揺動の様子を示す分解図を示す。
レバー部(4)は、把持したときに人差し指の爪側と腹側(爪側と反対の側)をそれぞれ挟むように形成されており、本実施例においては、幅が約15mmの腹側板状体(41)と幅が約13mmの爪側板状体(42)の対向する一対の板状体で構成されている。
ここで板状体の幅は指の幅程度以上とすることが好ましく、子供の使用を考えると6mm以上、大人の使用を考えると10mm以上とすることが好適である。
【0023】
そして、図4に図示するように人差し指(F)を腹側板状体(41)と爪側板状体(42)との間の開放端(43)から差し入れて、指の腹側が腹側板状体(41)と、爪側が爪側板状体(42)と、少なくとも一方は当接した状態で使用する。
好ましくは、操縦時のラグを少なくするために、腹側と爪側がそれぞれ当接した状態となるように、腹側板状体(41)・爪側板状体(42)の間隔を設定する。
【0024】
腹側板状体(41)は指の腹側が滑りにくいように凹凸形状とすると共に、手前に引いた時にも指先が引っかかりやすいようにするために指側に向けて中央を膨張させた円弧状の形状で形成している。このため、人差し指を屈曲させた時には指先が図4における円弧状の奧にひっかかり、一方、人差し指を伸ばした時にも付け根側が円弧状の手前に引っかかるように形成されている。
【0025】
さらに、爪側板状体(42)は腹側板状体(41)よりも図4における手前方向に長く延設されており、指を伸ばした状態でも人差し指(F)の爪側先端と適切に当接しやすく形成している。爪は爪側板状体(42)と擦れながら移動するので、スムーズに移動可能なように爪側板状体(42)の内側は平滑な平面である。
【0026】
上記の腹側板状体(41)・爪側板状体(42)は開放端(43)の反対側の基端において基部(44)に連設されており、基部(44)にはさらに揺動軸(45)が備えられている。揺動軸(45)は基端部分に備えてもよいが、図4における右側、すなわち把持部(2)側に偏位させて配設することも好ましい。当該偏位有することにより、レバー部(4)の動作範囲や回動角を調整することが可能となり、直感的な操作性の向上にも寄与する。
【0027】
図5に示すように揺動軸(45)は本発明では把持部(2)の中心線(C)よりも人差し指の指先方向に偏位して構成している。より詳しく説明すると、把持部(2)の中心線(C)は、把持部(2)を左右一方の手で把持した状態で親指と人差し指で形成される環形の中心点と親指の基端近傍とを通る仮想線と定義され、揺動軸(45)が中心線(C)よりも人差し指の指先方向に偏位して配置されている。
これによりレバー部(4)の揺動に伴う腹側板状体(41)及ぶ爪側板状体(42)の面の角度の変化が緩慢となり操作性の向上に寄与する。
【0028】
本発明において、レバー部(4)が、把持部(2)の長手方向と略平行な揺動軸(45)を中心に揺動し、レバー部(4)、特に腹側板状体(41)・爪側板状体(42)の傾斜によって加速及び減速操作を行うように構成している。これによって、レバー部(4)の動き方向を人差し指の屈曲方向と同じ平面上にすることができる。指の腹側及び爪側を使った操作が容易になり、簡便かつ正確な操作を実現している。
【0029】
レバー部(4)腹側板状体(41)の下端には、人差し指を差し入れた時に下側の側面を係止する係止部(46)を設けている。係止部(46)は水平方向の板状の突起であり、人差し指が下方向にずれて離脱することを防ぐことができる。指を差し入れやすくするため、板状の突起を腹側板状体(41)・爪側板状体(42)の間隔の略中央部まで配置することで良好な使用感を得ることができる。
その他、係止部の態様は任意であり、線状又は点状の突起などでもよい。
【0030】
本発明において、腹側板状体(41)及び爪側板状体(42)の形状は任意に変更可能であって、人差し指の爪側と腹側が挟まれていれば任意の形状でよい。例えば、指の先端を包み込む指サック状、円筒状などでもよいし、棒状でもよい。
【0031】
なお、従来のプロポなどと同様に腹側に引くことで加速操作、指を伸ばして押すことで減速操作とすることができるが、逆の操作とすることももちろん可能である。
また、図示をしていないが、従来のプロポのように背面側には左手で操作するハンドル状のステアリングユニットを装設したり、その他の操作ボタン等を設けることも任意である。
【0032】
図6はレバー部(4)の摺動機構を示す分解斜視図である。
本発明において使用者が把持したときに手の大きさに応じてレバー部(4)との間隔を調整するための摺動機構を備えている。上記の通り、揺動軸(45)は軸支部(5)において把持部(2)の長手方向と略平行に軸支されており、この軸支部(5)を前後に摺動可能に構成している。
【0033】
具体的には、図5に示すように軸支部(5)の上面に摺動面(51)を備えると共に、該摺動面(51)と摺動可能な横設体(3)の摺動基面(52)とが組み合って前後に摺動可能である。摺動時に動作を規制する歯止め機構(53)を有しており、調整の際には一定の力をかけなければむやみに前後に動作しないように構成している。
【0034】
本実施例において、摺動の方向は左右方向であり、その可動範囲は約30mmである。なお、摺動方向を図1における手前・奥方向とすることもできる。このような摺動機構と揺動軸(45)を把持部(2)に向けて偏位させた構成とを組み合わせることにより、手の指の長さや指の力に応じた最適な位置に調整することが可能となり、操作性のさらなる向上に寄与する。
【符号の説明】
【0035】
1 操縦用コントローラ
2 把持部
3 横設体
4 レバー部
41 腹側板状体
42 爪側板状体
43 開放端
44 基部
45 揺動軸
46 係止部
5 軸支部
51 摺動面
52 摺動基面
53 歯止め機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6