特許第6657383号(P6657383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6657383
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】真空掃除機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20200220BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
   A47L9/28 A
   A47L9/00 102Z
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-513456(P2018-513456)
(86)(22)【出願日】2016年9月12日
(65)【公表番号】特表2018-526156(P2018-526156A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】KR2016010301
(87)【国際公開番号】WO2017048032
(87)【国際公開日】20170323
【審査請求日】2018年3月13日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0129472
(32)【優先日】2015年9月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ハ,グンホ
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0053096(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/28
A47L 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機であって、
掃除機本体と、
前記掃除機本体と連通する吸入装置と、
前記掃除機本体を移動させることができるホイールと、
前記ホイールを駆動させるためのモータと、
前記ホイールの回転中心に対する前記掃除機本体の回転角度を感知するためのセンサーと、
前記センサーに対する複数の基準値が保存されるメモリーと、
前記複数の基準値のうちの1つの基準値を決定し、決定された基準値に基づいて前記センサーで感知された角度値の大きさに応じて前記モータを制御する制御部と、を備えてなり、
前記制御部は、前記複数の基準値のそれぞれに対して前記モータを作動させた後、前記複数の基準値のうちのいずれか1つを決定する、真空掃除機。
【請求項2】
前記複数の基準値のうちの1つの基準値を決定するために、前記制御部は、各基準値に対して前記モータを第1方向に基準角度だけ回転させた後、前記モータを前記第1方向と反対方向である第2方向に基準角度だけ回転させる、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項3】
前記モータの電流を感知するための電流感知部をさらに備えてなり、
前記各基準値に対して前記モータを作動させるたびに前記電流感知部で電流が感知され、
前記制御部は、前記電流感知部で感知された電流値のうち最小電流値を有する基準値を決定する、請求項2に記載の真空掃除機。
【請求項4】
前記センサーは、角度センサー、加速度センサー及びジャイロセンサーのうちの何れか1つである、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項5】
前記制御部は、前記掃除機本体の作動が開始するたびに前記複数の基準値のうちの何れか1つの基準値を決定する、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項6】
前記センサーで感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲を超える場合、前記制御部は、前記掃除機本体が前進又は後進するように前記モータを制御する、請求項1に記載の真空掃除機。
【請求項7】
前記前進角度値または後進角度値は、前記基準値に応じて可変する、請求項6に記載の真空掃除機。
【請求項8】
前記掃除機本体の移動のための補助ホイールをさらに備えてなり、
前記センサーで感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲内である場合、前記補助ホイールは床から離隔する、請求項6に記載の真空掃除機。
【請求項9】
真空掃除機であって、
掃除機本体と、
前記掃除機本体と連通する吸入装置と、
前記掃除機本体を移動させることができるホイールと、
前記ホイールを駆動させるためのモータと、
前記ホイールの回転中心に対する感知対象の動きにより変化する値を感知するためのセンサーと、
前記センサーで感知された感知値に応じて前記モータを制御する制御部と、を備えてなり、
前記制御部は、複数の基準値のそれぞれに対して前記モータを作動させた後、前記複数の基準値のうちのいずれか1つを決定し、決定された基準値に基づいて前記センサーで感知された感知値の大きさに応じて前記モータを制御し、
前記制御部は、
前記感知値が前進基準値を超える場合、前記掃除機本体が前進するように前記モータを制御し、
前記感知値が後進基準値を超える場合、前記掃除機本体が後進するように前記モータを制御する、真空掃除機。
【請求項10】
真空掃除機の制御方法であって、
掃除機本体の開始コマンドが入力されるステップと、
前記掃除機本体に備えられるセンサーが感知対象の動きにより変化する値を感知するステップと、
前記センサーで感知された感知値に応じて前記掃除機本体のホイールを回転させるためのモータを制御するステップと、を含んでなり、
前記制御部は、複数の基準値のそれぞれに対して前記モータを作動させた後、前記複数の基準値のうちのいずれか1つを決定し、決定された基準値に基づいて前記センサーで感知された感知値の大きさに応じて前記モータを制御し、
前記制御部は、
前記感知値が前進基準値を超える場合、前記掃除機本体が前進するように前記モータを制御し、
前記感知値が後進基準値を超える場合、前記掃除機本体が後進するように前記モータを制御する、真空掃除機の制御方法。
【請求項11】
前記感知対象は、前記掃除機本体である、請求項10に記載の真空掃除機の制御方法。
【請求項12】
前記感知値は、前記ホイールの回転中心に対する前記掃除機本体の回転角度である、請求項11に記載の真空掃除機の制御方法。
【請求項13】
前記掃除機本体が前進する途中前記感知値が前記前進基準値以下になると、前記制御部は、前記モータを停止させる、請求項10に記載の真空掃除機の制御方法。
【請求項14】
前記掃除機本体が後進する途中前記感知値が前記後進基準値以下になると、前記制御部は、前記モータを停止させる、請求項10に記載の真空掃除機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、真空掃除機は、本体内部に装着される吸入モータによって発生する真空圧を利用して、ホコリが含まれた空気を吸入した後、本体内部でホコリをフィルタリングする装置である。
【0003】
このような真空掃除機は、ホコリを含んだ空気が吸入されるようにする吸入部が本体とは別途に備えられ、連結管によって連結されるキャニスター方式と、吸入装置が本体と直接連結されるアップライト方式に分けることができる。
【0004】
そして、キャニスター方式の掃除機の場合、本体が停止した状態で吸入部が前後または左右移動することで清掃が行われ、アップライト方式の掃除機の場合、本体と吸入部が同時に移動して清掃が行われる。
【0005】
なお、キャニスター方式の場合、吸入部が本体と遠くなった場合、ユーザーが本体を引く力によって本体が移動することになる。
【0006】
先行文献である韓国登録特許公報第10-1012953号(登録日2011.01.27)には、本体を自動で移動させることができる真空掃除機が開示されている。
【0007】
先行文献の真空掃除機は、本体と、前記本体を移動させるためのメインホイールと、前記メインホイールを駆動させるための駆動モータと、前記本体の回転を感知するための感知部と、前記感知部で感知される感知値と設定された基準値を比較して前記駆動モータの作動を制御する制御部とを含む。
【0008】
そして、感知部の誤差による本体の非正常動きを防止するために、本体へ電源を投入ときに基準値を決定するステップを実行する。
【0009】
先行文献の場合、本体が一方向に回転した状態における角度値と他方向に回転した状態における角度値の平均値が基準値に決定されることで、基準値が常に一定になって感知部の誤差を減らすことはできる。
【0010】
ところで、ユーザーの身長や、床材、掃除機製造上のバラツキ、掃除機内部のホコリ量によって、本体の重心の位置が可変するが、先行文献の場合、基準値が一定であるので、本体が最適な走行を行うことができないという短所がある。
【0011】
例えば、背の高い人の場合、本体がやや後側に傾いた状態で清掃が行われ、背の低い人の場合、本体がやや前側に傾いた状態で清掃が行われるが、基準値が一定の場合、ユーザーの身長によって本体が意図せず前進したり、後進したりする問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、ユーザーに追従して自動で移動できる真空掃除機及びその制御方法を提供することにある。
【0013】
本発明の別の目的は、掃除機本体の重心の変化に対応して基準を決定することで、最適な走行性能を出すことができる真空掃除機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一側面による真空掃除機は、掃除機本体と、前記掃除機本体と連通する吸入装置と、前記掃除機本体を移動させることができるホイールと、前記ホイールを駆動させるためのモータと、前記ホイールの回転中心に対する前記掃除機本体の回転角度を感知するためのセンサーと、前記センサーに対する複数の基準値が保存されるメモリーと、前記複数の基準値のうちの1つの基準値を決定し、決定された基準値に基づいて前記センサーで感知された角度値の大きさに応じて前記モータを制御する制御部とを含む。
【0015】
前記制御部は、前記複数の基準値のそれぞれに対して前記モータを作動させた後、前記複数の基準値のうちのいずれか1つを決定することができる。
【0016】
前記複数の基準値のうちの1つの基準値を決定するために、前記制御部は、各基準値に対して前記モータを第1方向に基準角度だけ回転させた後、前記モータを前記第1方向と反対方向である第2方向に基準角度だけ回転させることができる。
【0017】
前記モータの電流を感知するための電流感知部をさらに含み、前記各基準値に対して前記モータを作動させるたびに前記電流感知部で電流が感知され、前記制御部は、前記電流感知部で感知された電流値のうち最小電流値を有する基準値を決定することができる。
【0018】
前記センサーは、角度センサー、加速度センサー及びジャイロセンサーのうちの1つである。
【0019】
前記制御部は、前記掃除機本体の作動が開始するたびに前記複数の基準値のうちのいずれか1つの基準値を決定することができる。
【0020】
前記センサーで感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲を超える場合、前記制御部は、前記掃除機本体が前進または後進するように前記モータを制御することができる。
【0021】
前記前進角度値または後進角度値は、前記基準値に応じて可変する。
【0022】
前記掃除機本体の移動のための補助ホイールをさらに含み、前記センサーで感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲内である場合、前記補助ホイールは床から離隔する。
【0023】
別の側面による真空掃除機は、掃除機本体と、前記掃除機本体と連通する吸入装置と、前記掃除機本体を移動させることができるホイールと、前記ホイールを駆動させるためのモータと、前記ホイールの回転中心に対する感知対象の動きにより変化する値を感知するためのセンサーと、前記センサーで感知された感知値に応じて前記モータを制御する制御部とを含み、前記制御部は、前記感知値が前進基準値を超える場合、前記掃除機本体が前進するように前記モータを制御し、前記感知値が後進基準値を超える場合、前記掃除機本体が後進するように前記モータを制御する。
【0024】
また別の側面による真空掃除機の制御方法は、掃除機本体の開始コマンドが入力されるステップと、前記掃除機本体に備えられるセンサーが感知対象の動きにより変化する値を感知するステップと、前記センサーで感知された感知値に応じて前記掃除機本体のホイールを回転させるためのモータを制御するステップとを含む。
【0025】
前記制御部は、前記感知値が前進基準値を超える場合、前記掃除機本体が前進するように前記モータを制御し、前記感知値が後進基準値を超える場合、前記掃除機本体が後進するように前記モータを制御することができる。
【0026】
前記感知対象は、前記掃除機本体である。
【0027】
前記感知値は、前記ホイールの回転中心に対する前記掃除機本体の回転角度である。
【0028】
前記センサーは、角度センサー、加速度センサー及びジャイロセンサーのうちの1つである。
【0029】
前記掃除機本体が前進する途中前記感知値が前記前進基準値以下になると、前記制御部は、前記モータを停止させることができる。
【0030】
前記掃除機本体が後進する途中前記感知値が前記後進基準値以下になると、前記制御部は、前記モータを停止させることができる。
【0031】
前記制御部は、前記モータが停止した状態で前記センサーで感知された感知値が前記前進基準値と前記後進基準値の間の範囲である場合、前記モータが停止した状態を維持させることができる。
【発明の効果】
【0032】
提案される発明によれば、掃除機本体の傾きの感知によって清掃過程で掃除機本体が自動で移動することで、ユーザーと掃除機本体の距離が一定距離で維持される。
【0033】
よって、ユーザーが掃除機本体を直接移動させなくても良いので、ユーザーの清掃の便宜性が向上する長所がある。
【0034】
また、掃除機本体の重心線を位置に基づいて清掃するたびに複数の基準値のうちの1つの基準値を決定し、決定された基準値に基づいて掃除機本体の動きを判断するので、本体の非正常動きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】第1ユーザーが清掃を行うときの真空掃除機を示す図面。
図2】第2ユーザーが清掃を行うときの真空掃除機を示す図面。
図3】本発明の一実施例に係る真空掃除機のブロック図。
図4】真空掃除機における角度センサーの基準値を決定のための方法を説明するためのフローチャート。
図5】角度センサーの基準値を決定のためのモータの制御方法を説明するフローチャート。
図6】決定し得る複数の基準値を示す図面。
図7】本発明の真空掃除機の使用状態を示す図面。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の一実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の構成要素への参照符号の付与において、同じ構成要素に対してはできるだけ同じ符号を付するようにいている。
【0037】
また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順序などが限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結または接続され得るが、各構成要素の間にさらなる他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0038】
図1は第1ユーザーが清掃を行うときの真空掃除機を示す図面であり、図2は第2ユーザーが清掃を行うときの真空掃除機を示す図面であり、図3は本発明の一実施例に係る真空掃除機のブロック図である。
【0039】
図1図3を参照すると、本発明の一実施例に係る真空掃除機1は、吸入モータ32を有する掃除機本体10を含むことができる。
【0040】
また、前記真空掃除機1は、前記掃除機本体10の移動のための1つ以上のメインホイール11、12を含むことができる。前記真空掃除機1が安定的に移動するように、前記真空掃除機1は複数のメインホイール11、12を含むことができる。
【0041】
前記複数のメインホイール11、12は第1ホイール11と、第2ホイール12を含むことができる。
【0042】
前記複数のメインホイール11、12の回転中心に対して、前記掃除機本体10は回転可能である。即ち、前記複数のメインホイール11、12の回転中心は、前記掃除機本体10の回転中心と一致する。
【0043】
制限的ではないが、前記掃除機本体10の重心は、前記複数のメインホイール11、12の回転中心より高く位置してもよい。この場合、前記掃除機本体10は不安定状態となって、前記回転中心に対して掃除機本体10の回転がより円滑に行われる。
【0044】
前記真空掃除機1は、前記掃除機本体10が回転した状態で前記掃除機本体の移動を補助する複数の補助ホイール13、14をさらに含むことができる。
【0045】
本発明では、前記掃除機本体10が図1を基準に反時計回りに回転することを前方方向(第1方向)に回転すると定義し、時計回りに回転することを後方方向(第2方向)に回転すると定義することにする。
【0046】
前記複数の補助ホイール13、14は、前記掃除機本体10が前方方向に回転する際に床面と接触できる第1補助ホイール13と、前記掃除機本体10が後方方向に回転する際に床面と接触できる第2補助ホイール14を含むことができる。
【0047】
前記掃除機本体10の回転角度に応じて、前記掃除機本体10及び前記複数の補助ホイール13、14は床面と離隔することができる。
【0048】
前記真空掃除機1は、前記複数のメインホイール11、12のそれぞれを駆動する複数のモータ33、34をさらに含むことができる。
【0049】
前記掃除機本体10と前記複数の補助ホイール13、14が床面と離隔した状態が維持されるように、前記モータ33、34が制御される。
【0050】
このとき、前記複数の補助ホイール13、14が床面に接触していない状態を、前記掃除機本体10の自立状態ということができる。
【0051】
前記複数のモータ33、34は、前記第1ホイール11と連結される第1モータ33と、前記第2ホイール12と連結される第2モータ34を含むことができる。
【0052】
前記各モータ33、34は、独立的に作動することができる。よって、前記掃除機本体10は、前進及び後進だけでなく左側または右側に旋回することができる。
【0053】
前記真空掃除機1は、前記掃除機本体10へホコリを含んだ空気を案内する吸入装置20をさらに含むことができる。
【0054】
前記吸入装置20は、清掃面、一例として床面のホコリを吸入するための吸入部21と、前記吸入部21を前記掃除機本体10に連結するための連結部22、23、24を含むことができる。
【0055】
前記連結部22、23、24は、前記吸入部21に連結される延長管22と、前記延長管22に連結されるハンドル23と、前記ハンドル23を前記掃除機本体10に連結する吸入ホース24を含むことができる。
【0056】
前記真空掃除機1は、前記掃除機本体10の回転角度を感知するための角度センサー35と、前記角度センサー35で感知された角度に基づいて前記複数のモータ33、34を制御する制御部30をさらに含むことができる。
【0057】
図1のように、第1ユーザーが真空掃除機を使用する場合、回転中心と重心を連結する重心線が、垂直線を基準に前方に一定角度傾斜した状態になる。この状態では、モータ33、34の作動なしにも本体10が自立した状態を維持することができる。
【0058】
図2のように、第1ユーザーより背の高い第2ユーザーが真空掃除機を使用する場合、重心線が垂直線を基準に後方に一定角度傾斜した状態になる。この状態では、モータ33、34の作動なしにも本体10が自立した状態を維持することができる。
【0059】
そして、図1のような状態では、前記本体10の時計回りの回転角度が第1角度だけ増加する場合、前記本体10の自立のためにモータ33、34が作動しなければならないが、図2のような状態では、前記本体10の時計回りの回転角度が前記第1角度だけ増加してもモータ33、34の作動なしに自立状態を維持することができる。
【0060】
このように、一例としてユーザーの身長によって、垂直線に対する重心線の相対位置が変わり、このような重心線の位置を反映して前記モータ33、34を作動させることで、前記掃除機本体10の最適な走行が可能となる。
【0061】
本発明では、前記重心線に応じて角度センサー35の基準値は可変する。
【0062】
前記角度センサー35の基準値は、複数個が設定されており、重心線に応じて、複数個の基準値のうちのいずれか1つの基準値が決定される。
【0063】
前記角度センサー35の基準値を決定するために、前記真空掃除機1は、前記各モータ33、34の電流を感知する電流感知部36をさらに含むことができる。
【0064】
前記真空掃除機1は、前記複数の基準値が保存されるメモリー37をさらに含むことができる。前記メモリー37には、前記重心線に応じて決定された基準値が追加保存される。
【0065】
以下、角度センサーの基準値を決定する過程に対して説明することにする。
【0066】
図4は真空掃除機における角度センサーの基準値を決定のための方法を説明するためのフローチャートであり、図5は角度センサーの基準値を決定のためのモータの制御方法を説明するフローチャートであり、図6は決定し得る複数の基準値を示す図面である。
【0067】
図4図6を参照すると、前記真空掃除機1の開始コマンドが入力される(S1)。
【0068】
前記制御部30は、真空掃除機1の開始コマンドが入力されると、前記メモリー37に保存された複数の基準値のそれぞれに対してモータ33、34を駆動させて電流を感知する(S2)。
【0069】
具体的に、図6のように一例として5つの基準値が予め設定されており、まず第1基準値に対して前記第1方向に基準角度だけモータ33、34を回転させる(S21)。前記モータ33、34の回転過程で前記電流感知部36では電流が感知され(S22)、感知された電流は前記メモリー37に保存される。
【0070】
そして、前記第2方向に基準角度だけ前記モータ33、34を回転させる(S23)。そして、前記モータ33、34の回転過程で前記電流感知部36では電流が感知され(S24)、感知された電流は前記メモリー37に保存される。
【0071】
第1基準値に対する電流感知が完了したら、第2基準値に対する電流感知を行う。このような方法で、第1基準値〜第5基準値に対する電流感知を行う。
【0072】
そして、各基準値に対する感知電流値を比較して最小電流を決定する(S3)。そして、最小電流を有する基準値を決定し、決定された基準値を保存する(S4)。
【0073】
前記掃除機本体10の重心線の位置によって、前記モータ33、34を第1方向及び第2方向にそれぞれ基準角度だけ駆動させるとき、前記電流感知部33で感知される電流は異なり、本実施例では、前記電流感知部33で感知される電流が最小の基準値を決定する。
【0074】
例えば、図1のように重心線が位置されるとき、前記電流感知部33で感知される最小電流を有する基準値は、図6における第2基準値である。
【0075】
反面、図2のように重心線が位置されるとき、前記電流感知部33で感知される最小電流を有する基準値は、図6における第4基準値である。
【0076】
このような基準値の決定は、作動開始コマンド(または、清掃開始コマンド)を入力するたびに行われる。即ち、基準値は、掃除機の作動を開始するたびに初期化される。
【0077】
図7は、本発明の真空掃除機の使用状態を示す図面である。
【0078】
図7において、(a)は掃除機本体が自立した状態を示し、(b)は掃除機本体が前方方向に前進角度値以上回転して本体が前進する状態を示し、(c)は本体が後方方向に後進角度値以上回転して本体が後進する状態を示す。
【0079】
図1図7を参照すると、作動開始コマンドが入力され、基準値が決定される。次に、ユーザーは清掃過程で前記吸入部を前後に移動させ、これに応じて前記掃除機本体は、前方または後方に傾くことになる。
【0080】
そうすると、前記角度センサー35では、前記掃除機本体10の回転角度が感知され、前記制御部30は、前記角度センサー35で感知された角度値と基準角度値を比較する。このとき、基準角度値は、前進角度値と後進角度値を含むことができる。
【0081】
一例として、前記角度センサー35で感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲内である場合、前記制御部40は、前記モータ33、34が停止した状態を維持するようにする。
【0082】
反面、前記角度センサー35で感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲を超える場合、前記制御部30は、前記本体10が前進または後進するように前記モータ33、34を制御することができる。
【0083】
例えば、図7(b)のように、前記角度センサー35で感知された角度値が前進角度値を超える場合、前記制御部30は、前記本体10が前進するように前記モータ33、34を制御することができる。
【0084】
前記モータ33、34が作動すると、前記角度センサー35で感知される角度値の絶対値が小さくなり、前記本体10が図7(a)のような状態となる。
【0085】
前記制御部30は、前記モータ33、34が作動する途中、前記角度センサー35で感知された角度値が前進角度値と後進角度値の範囲内に収まると、前記制御部30は、前記モータ33、34の作動を停止させる。
【0086】
反面、図7(c)のように、前記角度センサー35で感知された角度値が後進角度値を超える場合、前記制御部30は、前記本体10が後進するように前記モータ33、34を制御することができる。
【0087】
前記モータ33、34が作動すると、前記角度センサー35で感知される角度値の絶対値が小さくなり、前記本体10が図7(a)のような状態となる。
【0088】
前記制御部30は、前記モータ33、34が作動する途中、前記角度センサー35で感知された角度値が後進角度値と前進角度値の範囲内に収まると、前記制御部30は、前記モータ33、34の作動を停止させる。
【0089】
即ち、本発明によれば、前記モータ33、34の制御によって、前記掃除機本体10が前進または後進して自立する過程で、ユーザーと掃除機本体10と間の距離が一定範囲内に維持される。
【0090】
ここで、基準値は、制限的ではないが、角度値であり、0、1、2、(‐)1、(‐)2のような形態に設定することができる。
【0091】
例えば、第1基準値が0である場合には、掃除機本体が前進するための前進角度値は3であり、後進角度値は(‐)3である。
【0092】
反面、第2基準値が1である場合には、掃除機本体が前進するための前進角度値は4であり、後進角度値は(‐)2である。
【0093】
よって、第1基準値が選択された状態で、前記角度センサー35で感知された角度値が3である場合には、前記掃除機本体10は前進することになり、前記第2基準値が選択された状態で、前記角度センサーで感知された角度値が3である場合には、前記掃除機本体10は停止した状態を維持することになる。
【0094】
よって、前記前進角度値と後進角度値は、基準値に応じて異なるように設定される。
【0095】
このような本発明によれば、前記掃除機本体の傾きの感知によって、清掃過程で掃除機本体が自動で移動することで、ユーザーと掃除機本体が一定距離を維持することができる。よって、ユーザーが掃除機本体を直接移動させなくても良いので、ユーザーの清掃の便宜性が向上する長所がある。
【0096】
また、掃除機本体の重心線を、位置に基づいて清掃するたびに複数の基準のうちの1つの基準を決定するので、本体の非正常動きを防止することができる。
【0097】
上記の実施例では、角度センサーに基づいてモータの作動を制御することを説明したが、加速度センサーまたはジャイロセンサーを利用してモータの作動を制御することも可能である。この場合にも、加速度センサーまたはジャイロセンサーに対する複数の基準値が保存されており、清掃を開始するたびに複数の基準値のうちのいずれか1つを決定することも可能である。
【0098】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者であれば、本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能である。よって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するものではなく説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
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図7