(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成形システムのための油圧システムの動作方法であって、該成形システムは、射出アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための射出アキュムレータを有し、前記成形システムは、型締アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための型締アキュムレータを有し、
前記方法は、
ポンプを前記射出アキュムレータに流体接続することと、
前記射出アキュムレータを所定の射出圧力までチャージするように前記射出アキュムレータに作動油を搬送することと、
前記ポンプを前記型締アキュムレータに流体接続することと、
前記型締アキュムレータを所定の型締圧力までチャージするように前記型締アキュムレータに作動油を搬送することと、
を含み、
前記ポンプを前記射出アキュムレータに流体接続するように切換弁が実装され、かつ該切換弁は、前記ポンプを前記型締アキュムレータに流体接続するように切り換えられる、成形システムのための油圧システムの動作方法。
前記所定の射出圧力及び前記所定の型締圧力を達成するように、前記型締アキュムレータ及び前記射出アキュムレータのうちの1つ以上に関連付けられた圧力測定値に基づいて前記ポンプを調整することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
成形システムのための油圧システムの動作方法であって、該成形システムは、射出アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための射出アキュムレータを有し、かつ前記成形システムは、型締アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための型締アキュムレータを有し、
前記方法は、
切換弁を用いてポンプを前記射出アキュムレータに流体接続することと、
前記射出アキュムレータを所定の射出圧力までチャージするように前記射出アキュムレータに作動油を搬送することと、
前記ポンプが前記型締アキュムレータに流体接続するように前記切換弁を切り換えることと、
前記型締アキュムレータを所定の型締圧力までチャージするように前記型締アキュムレータに作動油を搬送することと、
を含む、成形システムのための油圧システムの動作方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
図面は必ずしも縮尺どおりではなく、仮想線、図式的表現及び断片図で示すことができる。特定の例では、本発明の実施形態の理解に必要とされない詳細又は他の細部を把握することを困難にする詳細は省略され得る。同一の要素及び特徴を識別するために、同様の参照番号が図面において使用されている。
【0005】
一般に、射出アキュムレータ及び型締アキュムレータと共に使用するための速度可変ポンプが開示される。速度可変ポンプは、様々な流量の作動油を油圧回路又は複数の油圧回路に搬送するポンプである。速度可変ポンプ(例えば、ポンプ用のモータの1分当たりの回転数によって与えられるような)動力又は力は、2つ以上のアキュムレータの各々に関連付けられた作動油の圧力に基づいて、若しくは1つ以上の油圧回路に関連付けられた圧力に基づいて調整される。例えば、速度可変ポンプは、アキュムレータボトル内の又はアキュムレータボトルに関連付けられた圧力のレベルに基づいた圧力又は流量で作動油を搬送する。可変ポンプは、圧力及び流量を制御することができ、様々なアキュムレータが様々な油圧を有するか若しくは様々な油圧にチャージされるように作動油を様々なアキュムレータに搬送することができるので、可変ポンプである。作動油は、ポンプによって異なる(すなわち一つだけの)期間中に異なるアキュムレータに搬送することができる。ポンプは、ポンプが特定のアキュムレータに選択的に接続されるように1つの切換弁又は1つ以上の弁の別の構成に接続することができる。例えば、切換弁は、ポンプと第1のアキュムレータとの間の流体接続からポンプと第2のアキュムレータとの間の流体接続へ切り換えるように(例えば、制御装置によって)制御することができる。切換弁の制御は、自動にすることができ(例えば、切換弁を所定の時間において若しくは所定の事象の発生時に切り換えることができる)、あるいは、成形システム又は作動油の検知された特性に基づくことができる。これらの方法では、異なるアキュムレータを異なる圧力レベルで独立にチャージすることができる。
【0006】
さらに詳細に説明すると、本文献に記載された油圧システムは、作動油を第1のアキュムレータには第1の圧力で、及び第2のアキュムレータには第2の圧力で供給するために、2つのアキュムレータを、2つのサブシステムの各々について1つずつ、及び、速度可変ポンプと呼ばれてもよい単一のポンプを採用することができる。第1のアキュムレータは、加圧された作動油を型締ユニット油圧回路に給送する。型締ユニット油圧回路は、金型に型締圧力を作用させるために作動油が流れる油圧回路である。第2のアキュムレータは、加圧された作動油を射出ユニット油圧回路に給送する。射出ユニット油圧回路は、射出ユニット(例えば、溶融物分配組立体又は溶融流路装置又はホットランナー内に樹脂を注入する)を作動させるために作動油が流れる油圧回路である。このようにして、油圧を必要とする2つの機械システム(射出ユニット油圧回路及び型締ユニット油圧回路)に異なる圧力を提供することができる。その結果、従来の構成と比較して、動作の速度を同じままにしながら、射出成形機又は射出成形システムの全体的な電気エネルギー消費量を低減することができる。従って、本文献に記載された構成は、高速作用、低エネルギー消費の独立した油圧に対応している。切換弁は、一度に1つのアキュムレータに供給するようにポンプを切り換えることができ、かつポンプは各アキュムレータを所望のレベルまでチャージする。したがって、型締ユニット回路は、射出ユニット回路とは異なる圧力を有することができる。
【0007】
一態様では、成形システムのための油圧システムであって、成形システムは、型締アクチュエータと射出アクチュエータとを有し、油圧システムは、型締アクチュエータを作動させるために使用される作動油を貯蔵するための型締アキュムレータと;射出アクチュエータを作動させるために使用される作動油を貯蔵するための射出アキュムレータと;型締アキュムレータ及び射出アキュムレータに作動油を搬送するためのポンプと;ポンプを型締アキュムレータ及び射出アキュムレータの一方に選択的に流体接続させるための切換弁と、を備える、油圧システムが開示される。
【0008】
いくつかの実施形態では、油圧システムは、作動油を貯蔵するためのリザーバをさらに備え、ポンプは、リザーバに接続され、かつリザーバから切換弁を介して射出アキュムレータ及び型締アキュムレータの一方に作動油を搬送するように構成されている。
【0009】
油圧システムのいくつかの実施形態では、成形システムは、金型エジェクタユニットを有し、油圧システムは、金型エジェクタユニットを作動させるに際して使用される作動油を貯蔵するためのエジェクタアキュムレータをさらに備え、切換弁は、ポンプを型締アキュムレータとエジェクタアキュムレータの双方若しくは射出アキュムレータのいずれかに選択的に流体接続する。
【0010】
油圧システムのいくつかの実施形態では、エジェクタアキュムレータは、型締アキュムレータと並列に接続される。
【0011】
油圧システムのいくつかの実施形態では、成形システムは、金型エジェクタユニットを有し、油圧システムは、金型エジェクタユニットを作動させるに際して使用される作動油を貯蔵するためのエジェクタアキュムレータをさらに備え、切換弁は、ポンプを射出アキュムレータとエジェクタアキュムレータの両方若しくは型締アキュムレータのいずれかに選択的に流体接続する。
【0012】
油圧システムのいくつかの実施形態では、エジェクタアキュムレータは、射出アキュムレータと並列に接続される。
【0013】
いくつかの実施形態では、油圧システムは、作動油の特性を測定するように構成されたセンサをさらに備え、ポンプは、該特性の測定値に基づいて作動油を搬送するように構成されたサーボポンプである。
【0014】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、型締アキュムレータ及び射出アキュムレータの一方における作動油の特性を測定するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、油圧システムは:作動油の特性を測定するように構成されたセンサと;センサから測定値を受信するためにセンサに接続された制御装置であって、ポンプからの作動油の搬送を制御するためにポンプに接続され、命令を記憶するためのメモリと;受信した測定値に基づいてポンプの動作を制御するためにメモリに記憶された命令を実行するためのプロセッサと、を有する制御装置と、をさらに備える。
【0016】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、型締アキュムレータ及び射出アキュムレータの一方における作動油の特性を測定するように構成されている。
【0017】
油圧システムのいくつかの実施形態では、制御装置は、射出サイクルを計時するためのタイマーをさらに備え、プロセッサは、受信した測定値に基づいて及び射出サイクル中の時間に基づいてポンプの動作を制御する。
【0018】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、圧力センサであり、測定された特性は、作動油の圧力である。
【0019】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、型締アキュムレータに接続され、センサは、型締アキュムレータ内の作動油の圧力を測定するように構成されている。
【0020】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、射出アキュムレータに接続され、センサは、射出アキュムレータ内の作動油の圧力を測定するように構成されている。
【0021】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、射出アキュムレータと射出アクチュエータとの間の作動油の圧力を測定するように構成されている。
【0022】
油圧システムのいくつかの実施形態では、センサは、型締アキュムレータと型締アクチュエータとの間の作動油の圧力を測定するように構成されている。
【0023】
油圧システムのいくつかの実施形態では、(i)射出用アキュムレータと射出用アクチュエータとの間、(ii)型締アキュムレータと型締アクチュエータとの間、及び(iii)ポンプとリザーバとの間の作動油の圧力を測定するように構成された複数のセンサがある。
【0024】
油圧システムのいくつかの実施形態では、切換弁は、ポンプを射出アキュムレータに選択的に接続及び非接続するように構成された射出回路弁と、ポンプを型締アキュムレータに選択的に接続及び非接続するように構成された型締回路弁と、を備える。
【0025】
油圧システムのいくつかの実施形態では、射出アキュムレータは、射出アクチュエータに流体接続され、型締アキュムレータは、型締アクチュエータに流体接続される。
【0026】
いくつかの実施形態では、油圧システムは、型締アキュムレータ及び射出
アキュムレータからポンプへの作動油の流れを抑制するためのチェック弁をさらに備える。
【0027】
別の態様では、成形システムのための油圧システムを動作させる方法が開示され、成形システムは、射出アクチュエータを作動させるための油圧を提供する射出アキュムレータを有し、成形システムは、型締アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための型締アキュムレータを有し、本方法は:ポンプを射出アキュムレータに流体接続することと;射出アキュムレータを所定の射出圧力までチャージするために射出アキュムレータに作動油を搬送することと;ポンプを型締アキュムレータに流体接続することと;型締アキュムレータを所定の型締圧力までチャージするために型締アキュムレータに作動油を搬送することと、を含む。
【0028】
油圧システムの動作方法のいくつかの実施形態では、ポンプを射出アキュムレータに流体接続するために切換弁が実装され、かつポンプを型締アキュムレータに流体接続するように切換弁が切り換えられる。
【0029】
油圧システムの動作方法のいくつかの実施形態では、型締圧力は、射出圧力とは異なる。
【0030】
油圧システムの動作方法のいくつかの実施形態では、成形システムは、金型エジェクタユニットを作動させるために作動油を供給するためのエジェクタアキュムレータを備え、型締アキュムレータに作動油を搬送することは、型締アキュムレータ及びエジェクタアキュムレータに所定の型締圧力まで作動油を搬送することを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、油圧システムの動作方法は、所定の射出圧力及び所定の型締圧力を達成するために型締アキュムレータ及び射出アキュムレータのうちの1つ以上に関連付けられた圧力測定値に基づいてポンプを調整することをさらに含む。
【0032】
油圧システムの動作方法のいくつかの実施形態では、射出アキュムレータに作動油を搬送することは、型締アキュムレータに作動油を搬送することの前に行われる。
【0033】
別の態様では、成形システムのための油圧システムを動作させる方法が開示され、成形システムは、射出アクチュエータを作動させるための油圧を提供する射出アキュムレータを有し、成形システムは、型締アクチュエータを作動させるための油圧を提供するための型締アキュムレータを有し、本方法は:切換弁を用いてポンプを射出アキュムレータに流体接続することと;射出アキュムレータを所定の射出圧力までチャージするために射出アキュムレータに作動油を搬送することと;ポンプを型締アキュムレータに流体接続するように切換弁を切り換えることと;型締アキュムレータを所定の型締圧力までチャージするために型締アキュムレータに作動油を搬送することと;を含む。
【0034】
別の態様では、成形システムのための油圧システムが開示され、成形システムは、型締アクチュエータと射出アクチュエータとを有し、油圧システムは:型締アクチュエータを動作させる際に使用する作動油を貯蔵するための型締アキュムレータと;射出アクチュエータを動作させる際に使用する作動油を貯蔵するための射出アキュムレータと;射出アキュムレータに作動油を搬送するための第1のポンプと;型締アキュムレータに作動油を搬送するための第2のポンプと;射出アキュムレータの圧力レベルが型締アキュムレータの圧力レベルとは独立していることを確保するように第1のポンプと第2のポンプの動作を制御するための制御装置と;を備える。
【0035】
以下に、前述の態様の1つ以上の実施形態を説明する。
【0036】
成形システム
図1は、成形システム900の概略図を示す。成形システム900は射出成形機である。図示されていない成形システムの別の例は、圧縮成形システムである。成形システム900は、型締組立体130と、射出ユニット150と、射出アクチュエータ151と、成形材料分配器126と、金型組立体120と、型締アクチュエータ100とを備える。
【0037】
型締組立体130は、第1のプラテン132と、可動プラテン134と、第2のプラテン136と、タイバー138と、型締装置140とを備える。第1のプラテン132及び第2のプラテン136は、固定プラテンである。可動プラテン134は、第1のプラテン132と第2のプラテン136との間を移動するのに適合するように配置されている。可動プラテン134は、第1のプラテン132と第2のプラテン136との間に配置される
。
【0038】
タイバー138は、第1のプラテン132から第2のプラテン136まで延在している。4つのタイバー138があり、各タイバー138は第1のプラテン132の4つの角(略角)の1つを、第2のプラテン136のそれぞれの角(略角)に接続する。第1のプラテン132及び第2のプラテン136はタイバー138に固定することができる。タイバー138は、可動プラテン134の対応するそれぞれの角(略角)を通って延在している。可動プラテン134は、第1のプラテン132と第2のプラテン136との間でタイバー138に沿って移動又は摺動するようにタイバー138に摺動可能に連結されている。
【0039】
型締装置140及び型締アクチュエータ100は共に動作して、可動プラテン134を第2のプラテン136に対して移動させる。型締装置140は、型締アクチュエータ100によって起動される。第2のプラテン136は、型締装置140に接続されるか、又は別様に型締装置140に関連付けられる。型締装置140が起動されると、型締装置が型締力を印加して、可動プラテン134を第1のプラテン132に向けて押す。型締装置140は、タイバー138を第2のプラテン136に向けて引張ることもできる。それに応じて、型締力は、第1のプラテン132と可動プラテン134にわたって印加される。
【0040】
型締装置140は、型締ピストン142と型締シリンダ144とを含む。型締シリンダ144は、円筒状のボア146を画定する。型締ピストン142は、円筒状のボア146の内部に配置され、円筒状のボア146の内部で直線的に移動可能である。型締シリンダ144は、第2のプラテン136に連結されている。型締シリンダ144は、第2のプラテン136と一体的に形成されている。型締ピストン142の端部が可動プラテン134に接続されるように型締ピストン142が第2のプラテン136内の孔を貫通して延在している。型締ピストン142が、第1のプラテン132に向かって移動すると、型締シリンダ144は、可動プラテン134が第1のプラテン132に向かって移動するように、第2のプラテン136と共に静止したままである。
【0041】
型締アクチュエータ100は、型締ピストン142を型締シリンダ144に対して移動させるための油圧を提供するように構成された油圧チャンバを含むことができ、それにより、型締力を第1のプラテン132及び可動プラテン134にわたって提供する。型締ピストン142は、型締アクチュエータ100の構成要素として見做されてもよい。
【0042】
上述されている、型締装置140以外の適切な機構は、可動プラテン134を第1のプラテン132及び第2のプラテン136に対して相対的に移動させるために型締アクチュエータ100と共に使用することができる。同様に、可動プラテン134と第1のプラテン132とにわたって型締力を印加するために型締アクチュエータ100と共に他の機構を使用することができる。
【0043】
射出ユニット150は、一般に、ホッパ191と、バレル192と、ヒータ193と、スクリュー195と、機械ノズル194とを備えている。バレル192は、ホッパ191に接続された中空内部を有する。
【0044】
ホッパ191は、樹脂(例えば、ペレット)を受け入れ、かつバレル192の内部に樹脂を供給可能とするように設計されている。ヒータ193は、バレル192に接続され、バレル192の内部の樹脂を溶融させるためにバレル192に熱を供給する。他の実施形態では、バレル192に接続された複数のヒータ193が存在するかあるいは全く存在しない場合がある。スクリュー195は、バレル192の中空内部に配置されている。スクリュー195は、バレル192内で樹脂を混合、溶融して樹脂に直線力を伝達するようにバレル192の中空内部で回転して直線的に移動するように適合されている。いくつかの実施形態では、スクリュー195は樹脂を混合するためにのみ回転するように適合されている。いくつかの実施形態では、スクリュー195は樹脂を混合するためにのみ使用される。いくつかの実施形態では、スクリュー195は、樹脂を部分的に溶融させるために使用される。機械ノズル194は、バレル192の端部に接続されている。機械ノズル194は、バレルと成形材料分配器との間に接続されて流体を提供する。機械ノズル194は、樹脂を放出又は排出するための出口を有する。スクリュー195が樹脂に直線力を伝達すると、樹脂は機械ノズル194を通ってその出口から移動する。
【0045】
射出アクチュエータ151は、樹脂に直線力を与えるようにスクリュー195を作動させる。例えば、射出アクチュエータ151は、スクリュー195をバレル192内で機械ノズル194に向かって直線的に移動させることができる。この力は、樹脂を機械ノズル194から(例えば、その出口を通って)成形材料分配器126の内部へ射出させることができる。代替的な実施形態では、射出ユニット150は、樹脂を成形材料分配器126内に押し込むために射出アクチュエータ151によって作動されることができるシューティングポットプランジャ(図示せず)を含む。このような例示的な実施形態では、射出アクチュエータ151は、スクリュー195の代わりにシューティングポットプランジャをシューティングポットシリンダ(図示せず)内で直線的に移動させることができる。射出アクチュエータ151は、したがって、樹脂を圧力下で成形材料分配器126内に射出させる。
【0046】
成形材料分配器126は、射出ユニット150から樹脂を受け取り、樹脂を金型キャビティ123に分配するように構成される。金型キャビティ123は、金型組立体120によって画定される。金型キャビティ123は、成形部品を形成するために樹脂が注入される空間である。可動プラテン134と第1のプラテン132にわたって型締力が印加されるときに(すなわち、型締アクチュエータ100が型締装置140を作動するときに)金型キャビティ123内への樹脂の注入を形成することができる。成形材料分配器126は、第1のプラテン132に接続されるか、あるいは別様に第1のプラテン132に関連付けられている。金型組立体120は、固定金型部122と可動金型部124とを含む。固定金型部122は、第1のプラテン132に接続されるか、あるいは別様に第1のプラテン132に関連付けられている。可動金型部124は、可動プラテン134に接続されるか、あるいは別様に可動プラテン134に関連付けられている。固定金型部122及び可動金型部124は協働して金型キャビティ123を画定する。
【0047】
可動プラテン134の移動は、可動金型部124を固定金型部122に向けて移動させ、これにより、金型組立体120を閉鎖して金型キャビティ123を形成する。金型組立体120が閉鎖されたときに、金型キャビティ123が固定金型部122と可動金型部124との間に形成される。
【0048】
一般に、型締アクチュエータ100は、支持構造に対してペイロードを移動させる。図示の実施形態では、ペイロードは可動プラテン134、型締ピストン142、又は可動金型部124である。図示の実施形態では、支持構造は、第2のプラテン136、タイバー138又は型締シリンダ144である。
【0049】
動作時には、型締アクチュエータ100は、型締ピストン142を伸縮させて、可動プラテン134を第1のプラテン132に向かうように、又は、第1のプラテン132から離れるように移動させる。可動プラテン134が第1のプラテン132に向かって移動されると、金型組立体120は閉鎖される。金型組立体120が閉位置にあるとき、可動プラテン134を第1のプラテン132に対抗して又は第1のプラテン132に向けて付勢することにより型締アクチュエータ100は、さらなる型締力を印加させることができる。この更なる型締力が金型組立体120を共に締め付ける。型締力は、射出ユニット150が金型キャビティ123に樹脂を射出している状態で金型組立体120を共に締め付けることができる。
【0050】
図1は、成形システム900の例示的な実施形態を示している。型締アクチュエータ100が型締力を提供することができる成形システム900の他の実施形態もある。例えば、成形システムは、2つのプラテン(例えば、可動プラテン134及び第1のプラテン132)のみを有していてもよく、あるいは型締装置140又は射出ユニット150が異なる構成を有していてもよい。
【0051】
成形システム900はまた、図示されていないエジェクタユニットを含むことができる。エジェクタユニットは、金型組立体120が開放されたときに金型組立体120から単数の成形部品(又は複数の成形部品)を突き出すように構成された機械構成要素である。金型組立体120は、可動プラテン134が第1のプラテン132から離れるように移動するときに開放される。
【0052】
エジェクタユニットは、金型組立体120から成形部品を突き出すように、エジェクタユニットに力を供給するように構成されたエジェクタユニットアクチュエータを有する。エジェクタユニットは金型キャビティ123から成形部品をパンチアウト又は取り出すように設計又は適合されたアーム又は他の構成要素を有してもよい。エジェクタユニットアクチュエータは、成形部品を除去又はパンチアウトするためにアーム又は他の構成要素に必要とされる力を提供することができる。
【0053】
型締アクチュエータ100、エジェクタユニットアクチュエータ及び射出アクチュエータ151は、油圧動作式アクチュエータであってもよい。例えば、型締アクチュエータ100、エジェクタユニットアクチュエータ及び射出アクチュエータ151は、それぞれ、油圧力又は油圧を用いて、それぞれの構成要素を作動させることができる。
【0054】
この油圧力又は油圧は、油圧ポンプ又はアキュムレータによって提供することができる。例えば、型締アクチュエータ100、エジェクタユニットアクチュエータ、及び射出アクチュエータ151の各々毎に(若しくは1つ以上に)専用のアキュムレータがあってもよい。
【0055】
油圧システム200
図2は、油圧システム200の例示的な実施形態を示す概略図である。油圧システム200は、
図1に示すような、型締アクチュエータ100及び射出アクチュエータ151を有する成形システム900のためのものである。油圧システム200は、型締アキュムレータ226と、射出アキュムレータ222と、ポンプ210と、切換弁202とを有する。
【0056】
型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222は、油圧アキュムレータの一例である。油圧アキュムレータは、高圧下で作動油を貯蔵するリザーバである。型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222は、ポンプ210によってチャージされる(すなわち加圧された作動油が供給される)ことができる。切換弁202は、型締開位置又は射出開位置のいずれかにしておくことができる弁機構である。切換弁202が型締開位置にある場合には、型締アキュムレータ226に加圧作動油を供給したり、ポンプ210でチャージしたりすることができるが、射出アキュムレータ222に作動油を供給したり、ポンプ210でチャージしたりすることができない。切換弁202が射出開位置にある場合には、射出アキュムレータ222に加圧作動油を供給したり、ポンプ210でチャージしたりすることができるが、型締アキュムレータ226に加圧作動油を供給したり、ポンプ210でチャージしたりすることができない。
【0057】
型締アキュムレータ226は、型締アクチュエータ100を作動させる際に使用する作動油を貯蔵するためのものである。射出アキュムレータ222は、射出アクチュエータ151を作動させる際に使用する作動油を貯蔵するためのものである。ポンプ210は、作動油を型締アキュムレータ226又は射出アキュムレータ222に搬送するためのものである。切換弁202は、ポンプ210に流体接続されている型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222のうちのいずれもが加圧作動油を受け取ることができる、すなわちチャージされることができるように、ポンプ210を型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222のいずれかに選択的に流体接続するためのものである。「流体接続する」という表現は、流体(例えば、作動油)がその間を通過できるように接続することを意味することを意図している。
【0058】
型締流体流路220は、ポンプ210から切換弁202を介して型締アクチュエータ100まで延在する。型締アキュムレータ226は、型締アクチュエータ100と切換弁202との間の型締流体流路220に流体接続されている。作動油のような、流体は型締流体流路220内を流れることができる。型締流体流路220はまた、型締回路とも呼ぶことができる。例えば、切換弁202は型締回路に対して開放可能であり、これは切換弁202が、型締流体流路220を経由して、ポンプ210を型締アクチュエータ100に流体接続させていることを意味する。切換弁202が型締回路に対して開放されているとき、流体はポンプ210によって切換弁202を介して型締流体流路220に沿って型締アキュムレータ226まで搬送されることができる。流体はまた、型締アキュムレータ226から型締流体流路220に沿って型締アクチュエータ100まで通過することができ、それによって型締装置140を作動させる。切換弁202が型締回路に対して閉鎖されたときには、ポンプ210から切換弁202を介して型締アキュムレータ226又は型締アクチュエータ100に流体を搬送することができない。
【0059】
同様に、射出流体流路228は、ポンプ210から切換弁202を介して射出アクチュエータ151まで延在する。射出アキュムレータ222は、射出アクチュエータ151と切換弁202との間の射出流体流路228に流体接続されている。作動油のような、流体は射出流体流路228内を流れることができる。射出流体流路228は射出回路とも呼ぶことができる。切換弁202は、射出回路に対して開放可能であり、それは切換弁202が射出流体流路228を経由してポンプ210を射出アクチュエータ151に流体接続していることを意味する。流体はまた、射出アキュムレータ222から射出流体流路228に沿って射出アクチュエータ151まで通過することができ、それによって射出ユニットを作動させる。切換弁202は、射出回路に対して閉鎖されるとき、ポンプ210により搬送される流体は、切換弁202を介して射出アキュムレータ222又は射出アクチュエータまで通過することができない。
【0060】
1つ以上の実施形態では、切換弁202は、型締回路又は射出回路のいずれかに対して開放可能であるが、両者に対して同時に開放することはできない。いくつかの実施形態では、切換弁202は、切換弁202が型締回路に対して開放されている状態から射出回路に対して開放されている状態へ、そしてその逆の場合へ切り換える間の比較的短時間(例えば、0.05秒)は型締回路及び型締回路の両方に対して開放されている。切換弁202が型締回路及び射出回路の両方に対して開放されているこの短い期間は、油圧ショック(又は水撃)を防止又は抑制することができ、さもなければ切換弁202を切換又は移行する際にそれが発生する可能性がある。この比較的短時間の間に、相対的に少量の作動油は、一般に、最高圧力源から最低圧力源へと流れることができる。この比較的短い時間は、弁を型締回路から射出回路へ、そしてその逆の場合へ移行又は切り換える際の遅延と考えることができる。一実施形態では、型締アキュムレータ226は、約0.5秒間チャージされる(すなわち、ポンプ210によって高圧作動油が供給される)。一実施形態では、射出アキュムレータ222は、約1.2秒間チャージされる(すなわち、ポンプ210によって高圧作動油が供給される)。一実施形態では、型締アキュムレータ226は、射出アキュムレータ222がチャージされる前に完全にチャージされる。油圧システムがエジェクタアキュムレータを含む一実施形態では、射出アキュムレータ222がチャージされる前に型締アキュムレータ226が完全にチャージされ、エジェクタアキュムレータがチャージされる前に射出アキュムレータ222が完全にチャージされる。
【0061】
切換弁202が型締回路及び射出回路の両方に対して開放されている比較的短時間の間、ポンプ210は、型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222の一方又は両方よりも低い圧力を提供することができる。代替的には、切換弁202が型締回路及び射出回路の両方に対して開放されている比較的短時間の間、ポンプ210は、型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222の両方よりも高い圧力を提供することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、切換弁202は、共に動作する射出回路弁及び型締回路弁とすることができる。射出回路弁は、ポンプ210を射出アキュムレータ222に選択的に接続したり非接続にしたりするように構成することができる。型締回路弁は、ポンプ210を型締アキュムレータ226に選択的に接続したり非接続にしたりするように構成することができる。このような実施形態では、射出回路弁及び型締回路弁は、射出回路弁が開放されているか、又は型締回路弁が開放されているように、ポンプ210に接続することができる。例えば、制御装置は、射出回路弁及び型締回路弁の一方のみ(すなわちせいぜい1つ)が所定の時間において開放するように射出回路弁及び型締回路弁の動作を制御することができる。
【0063】
油圧システムはまた、リザーバ230を含むことができる。リザーバ230は、作動油を貯蔵するためのものである。ポンプ210は、リザーバ230に接続可能である。ポンプ210は、作動油をリザーバ230から切換弁202を介して射出アキュムレータ222及び型締アキュムレータ226の一方まで搬送するように構成することができる。
【0064】
任意選択的に、成形システム900は、金型エジェクタユニット208を含む。このような実施形態では、油圧システムはまた、エジェクタアキュムレータを有する。エジェクタアキュムレータ(図示せず)は、金型エジェクタユニット208を作動させるのに使用する作動油を貯蔵するためのものである。例えば、エジェクタアキュムレータは、金型エジェクタユニット208を作動させるためにエジェクタアクチュエータ206に作動油を供給することができる。そのような実施形態では、型締流体流路220は、型締アキュムレータ226及びエジェクタアキュムレータの両方(例えば、並列又は直列)に流体接続されている。型締流体流路220はまた、型締アクチュエータ100及びエジェクタアクチュエータ206の両方に接続されている。
【0065】
別の実施形態では、
図2に示されるように、成形システム900は金型エジェクタユニット208を含むが、油圧システム200は、エジェクタアキュムレータを有しない。代わりに、油圧システム200は、型締アキュムレータ226を使用してエジェクタアクチュエータ206に作動油を供給する。エジェクタアクチュエータ206は、型締アクチュエータ100と直列に型締流体流路220に流体接続されている。代替的な実施形態では、エジェクタアクチュエータ206は、型締アクチュエータ100と
並列に型締流体流路220に流体接続されている。
【0066】
成形システム900が金型エジェクタユニット208を含み、かつ油圧システムがエジェクタアキュムレータを含むいくつかの実施形態では、切換弁202はポンプ210を型締アキュムレータ226及びエジェクタアキュムレータの両方に又は射出アキュムレータ222のいずれかに選択的に流体接続させる。
【0067】
いくつかの実施形態では、成形システム900は、金型エジェクタユニット208を含むが、金型エジェクタユニット208は型締回路ではなく射出回路に関連付けられている。このような実施形態では、エジェクタアクチュエータ206は、射出流体流路228に接続されている。エジェクタアクチュエータは、射出アクチュエータ151と直列又は並列のいずれかで射出流体流路228に接続することができる。
【0068】
成形システム900が金型エジェクタユニット208を含み、かつ金型エジェクタユニット208が射出回路上にある場合、油圧システム200は、射出流体流路228に流体接続されたエジェクタアキュムレータ(図示せず)を含むことができる。エジェクタアクチュエータ206に作動油を供給してエジェクタアクチュエータ206を作動させるためにエジェクタアキュムレータが使用され、かつ射出アキュムレータと並列又は直列のいずれかで射出流体流路228に接続可能である。代替的には、エジェクタアクチュエータ206を作動させるために作動油をエジェクタアクチュエータ206に供給するために射出アキュムレータ222を使用することができる。
【0069】
説明した各実施形態では、任意選択的に補助アキュムレータを使用して、補充の(又は追加の)作動油をそれぞれのアクチュエータへ供給することができる。
【0070】
2つ以上の射出アキュムレータ222があってもよい。例えば、
図2に示されるように、射出アキュムレータ222と補助射出アキュムレータ224とが直列に設けられる。代替的な実施形態では、複数の射出アキュムレータが並列に配置されてもよい。同様に、複数の型締アキュムレータがあってもよい。追加又は補助アキュムレータ(例えば、補助射出アキュムレータ224)は、それぞれのアクチュエータに追加の作動油を供給することができる。
【0071】
チェック弁204は、ポンプ210と切換弁202との間に配置することができる。チェック弁204は、射出回路及び型締回路から(例えば、射出アキュムレータ222及び型締アキュムレータ226から)ポンプ210に戻る作動油の流れ又は圧力を防止又は抑制するが、ポンプ210から切換弁202へ向かっての作動油の流れ又は圧力を許容する弁である。さらなる例として、チェック弁204は、切換弁202からポンプ210への作動油の流れ又は圧力を防止することができる。
【0072】
動作時に、チェック弁204は、ポンプ210(及びポンプ210用のモータ)が射出アキュムレータ222又は型締アキュムレータ226(又は油圧システム200で使用される他のいかなるアキュムレータ)からの圧力に抵抗することなく、最小速度及び圧力で動作可能にさせる。ポンプ210が圧力に抵抗しなければならない場合、ポンプ210は、射出アキュムレータ222又は型締アキュムレータ226(又は使用されている他のアキュムレータ)からポンプ210に作用する油圧力に対抗する必要がある。
【0073】
センサ212は、ポンプ210に接続することができる。センサ212は、作動油の特性を測定するように構成される。例えば、センサ212は、型締アキュムレータ226内の作動油の特性を測定するために、型締アキュムレータ226に接続することができる(あるいは測定するために構成されることができる)。同様に、センサ212は射出アキュムレータ222内の作動油の特性を測定するために、射出アキュムレータに接続することができる(あるいは測定するために構成されることができる)。別の実施形態では、センサ212は、射出アキュムレータ222と射出アクチュエータ151との間の作動油の特性を測定するように構成することができる。例えば、射出流体流路228内の油圧を測定するために、センサ212を射出アキュムレータ222と射出アクチュエータ151との間の射出流体流路228上に配置することができる。
【0074】
他の実施形態では、油圧システム200内の様々な場所における作動油の特性を測定するための複数のセンサ212があってもよい。例えば、
図2に示されるように、(i)射出アキュムレータ222と射出アクチュエータ151との間、(ii)型締アキュムレータ226と型締アクチュエータ100との間、及び(iii)ポンプ210とリザーバ230との間の作動油の特性を測定するための3つのセンサ212があってもよい。
【0075】
記載した実施形態の各々では、センサ212によって測定された特性は、作動油の圧力とすることができる。他の実施形態では、センサ212は、作動油の温度等の他の特性を測定することができる。
【0076】
各センサ212は、測定された特性を示すポンプメータのような、それぞれのディスプレイ214に関連付けることができる。例えば、センサ212は、圧力センサとすることができ、ディスプレイ214は、それぞれの圧力測定値を示すことができる。圧力(又は他の特性)は、センサ212によって周期的に測定可能である。ディスプレイ214は、それぞれのセンサ212の近くに配置することができ、あるいは複数のセンサ212の各々は、測定された特性を代表するデータを中央インタ−フェース(例えば、ヒューマンマシンインタ−フェース)に送信することができ、そこで圧力読取等の測定された特性を代表するデータを表示することができる。
図2に示される実施形態では、各センサ212が専用ディスプレイ214を有する3つのセンサ212がある。
【0077】
いくつかの実施形態では、1つのセンサ212又は複数のセンサ212は、ポンプ210と通信しており、ポンプ210は、特性の測定に基づいて作動油を搬送するように構成されたサーボポンプであってもよい。例えば、センサ212は、圧力センサであってもよく、ポンプ210は、圧力センサ212によって測定された結果の圧力を制御するためにポンプ210の回転数を変化させるモータが取り付けられた固定容量型ポンプであってもよい。例えば、ポンプ210は、サーボポンプであってもよい。代替的には、ポンプ210は、固定回転数モータと測定された圧力に基づいて動作するポンプ制御装置とを備えた可変容量型ポンプであってもよい。
【0078】
別の実施形態では、切換弁202の代わりに、2つのポンプ210を使用することができる。一方のポンプ210は、型締流体流路220を介して型締アキュムレータ226に作動油を供給するためのものであり、他方のポンプ210は、射出流体流路228を介して射出アキュムレータ222に作動油を供給するためのものである。ポンプ210の各々の圧力は、2つのそれぞれのセンサ212からの測定圧力に基づいて制御装置によって制御することができる。センサ212の一方が型締流体流路220又は型締アキュムレータ226に関連付けられた圧力を測定し、他方のセンサ212が射出流体流路228に関連付けられた圧力を測定する。
【0079】
いくつかの実施形態では、油圧システム200は、センサ212に接続された制御装置を含む。制御装置は、1つのセンサ212(又は複数のセンサ212)に接続することができ、それによって制御装置がセンサ212からデータを受信でき、センサ212にデータを送信することができ、あるいは別様にセンサ212と通信することができる。接続は物理的な接続である必要はない。例えば、データは、無線ネットワーク又は有線接続を介してセンサ212と制御装置との間で伝送することができる。制御装置は、センサ212からの作動油の特性の測定値を受信するためにセンサ212に接続することができる。例えば、制御装置は、作動油の特性の測定値を表すデータをセンサ212から受信することができる。例えば、センサ212は、デジタル形式で圧力を記録するという点で、デジタル圧力センサとすることができ、かつそれをメモリにローカルに記憶したり、データを直接制御装置に送信したりするようにしてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、制御装置は、ポンプ210からの作動油の搬送を制御するためのポンプ210に接続される。制御装置は、命令を記憶するためのメモリと、メモリに記憶された命令を実行するためのプロセッサとを有する。プロセッサは、受信した測定値に基づいてポンプ210の動作を制御するための命令を実行する。
【0081】
制御装置はまた、射出サイクルを計時するためのタイマーを含むことができる。そのような実施形態では、プロセッサは、受信された測定値及び射出サイクル中の時間に基づいてポンプ210の動作を制御する。
【0082】
制御装置はまた、センサ212から受信された検知データに応答して、切換弁202の動作を制御することもできる。例えば、制御装置は、ポンプ210を射出アキュムレータ222の代わりに、型締アキュムレータ226に流体接続させるように切換弁202を切り換えさせることができる。さらなる例として、制御装置は、センサ212からの受信データに応答して切換弁202の動作を制御することができる。
【0083】
図3は、油圧システム300の例示的な実施形態を示す概略図である。油圧システム300は、ポンプ210と、第2のポンプ310とを含む。第2のポンプ310は、射出回路に流体接続され、型締回路には流体接続されない。第2のポンプ310は、リザーバ230又は第2の専用リザーバに接続することができる。1つ以上の実施形態では、第2のポンプは、固定回転数ポンプであってもよい。
【0084】
別の実施形態では、型締回路に専用である第1のポンプと射出回路に専用である第2のポンプがある。このような実施形態では、第1のポンプ及び第2のポンプのいずれも切換弁202に接続されていない。このような実施形態では、型締回路は、射出回路から隔離することができ、それによって両者は独立した圧力レベルになる。
【0085】
第2の補助アキュムレータボトル304が油圧システム300に示されている。図示された油圧システム300に示されているものより少ない又はより多い補助アキュムレータボトル304があってもよい。
【0086】
油圧システムの動作
図4は、成形システム900のための油圧システム200の動作方法400を示す。成形システム900は、
図1に示されるような成形システム900とすることができる。例えば、成形システム900は、油圧システム200を含むことができ、射出アクチュエータ151を動作させるように油圧を提供するための射出アキュムレータ222を有することができ、かつ成形システム900は、型締アクチュエータ100を動作させるように油圧を提供するための型締アキュムレータ226を有することができる。
【0087】
図4を参照すると、402において、ポンプ210が切換弁202を使用して射出アキュムレータ222に流体接続される。代替的な実施形態では、切換弁202を使用するのではなく、専用射出弁を使用して射出アキュムレータ222に流体接続することができる。このような代替的な実施形態では、ポンプ210が射出アキュムレータ222に流体接続されているとき、ポンプ210を型締アキュムレータ226に非接続にする専用型締弁もあってもよい。ポンプ210が射出アキュムレータ222に流体接続されているとき、切換弁202は、ポンプ210が型締アキュムレータ226に流体接続されないように配置されている。
【0088】
404において、射出アキュムレータ222を所定の射出圧力までチャージするために作動油が射出アキュムレータ222に搬送される。所定の射出圧力は、制御装置に関連付けられたメモリに記憶することができる。例えば、所定の射出圧力レベルは、ユーザによって入力することができ、あるいは製造時に入力することができ、あるいは自動的に設定することができる(例えば、ソフトウェアプログラムを実行する制御装置を用いて)。所定の射出圧力は、射出サイクル中の時間に関連付けることができる。
【0089】
406において、切換弁202は、ポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続するように切り換えられる。切換弁202がポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続するように切り換えられるとき、ポンプ210は、もはや射出アキュムレータ222に流体接続されない。代替的な実施形態では、ポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続させる専用の型締弁があってもよい。このような実施形態では、射出弁も存在する。型締弁がポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続させているときに、射出弁は、ポンプ210がもはや射出アキュムレータ222に流体接続されなくなるように切り離される。
【0090】
1つ以上の実施形態では、制御装置は、切換弁202の切換えを制御する。例えば、制御装置は、ポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続するために切換弁202が切り換えられるときを制御することができる。切換弁202の制御は、所定の命令に基づいて行うことができる。例えば、所定の命令は、検知されたデータが所定の値に達すると、ポンプ210を型締アキュムレータ226に流体接続するように切換弁202を切り換えるよう指示することができる。
【0091】
408において、型締アキュムレータ226を所定の型締圧力までチャージするために作動油が型締アキュムレータ226に搬送される。所定の型締圧力は、制御装置に関連付けられたメモリに記憶することができる。例えば、所定の型締圧力レベルは、ユーザが入力することができ、あるいは製造時に入力することができ、あるいは自動的に設定することができる(例えば、ソフトウェアプログラムを実行する制御装置を用いて)。所定の型締圧力は、射出サイクル中の時間に関連付けることができる。
【0092】
1つ以上の実施形態では、所定の型締圧力は、所定の射出圧力とは異なり得る。
【0093】
この方法400を用いて、型締アキュムレータ226及び射出アキュムレータ222は、所望のかつ潜在的に異なる圧力にチャージすることができる。
【0094】
ポンプ210は、速度可変ポンプと呼ぶこともできる。
【0095】
1つ以上の実施形態では、ポンプ210は、固定回転数モータ及びポンプ210の容量を変更する制御装置で動作することができる。ポンプ210の容量を変更することにより、制御装置は、ポンプ210によって提供される圧力及び流量を制御する。
【0096】
1つ以上の実施形態では、ポンプ210は、可変回転数モータを有する可変容量型ポンプであってもよい。
【0097】
他の非限定的な実施形態では、当業者には、本開示に鑑みて、変更点及び均等物が明らかであろう。
【0098】
本開示は、1つ以上の非限定的な例示的実施形態を提示している。当業者には、本開示の意図する範囲から逸脱することなく、開示された非限定的な実施形態に対して修正及び変更を行うことができることは明らかであろう。記載された非限定的な実施形態は、全体として本開示の特徴又は要素の一部を単に例示するものと見なされるべきである。他の有益な結果は、非限定的な実施形態を異なる方法で適用するか、若しくは当該技術に精通した者に周知の方法でそれらを修正することによって実現することができる。1つの実施形態の特定の特徴又は副次的な特徴は、別の実施形態の特定の特徴又は副次的な特徴と組み合わされて、上記で具体的には説明されていないが本開示の意図された範囲内にある特徴の組み合わせに到達することができる。任意のそのような適切かつ実行可能な特徴の組み合わせが、本開示を精査した後に、当業者には理解されるであろう。