(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6657405
(24)【登録日】2020年2月7日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】ポリオレフィン組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/00 20060101AFI20200220BHJP
C08K 5/1515 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
C08L23/00
C08K5/1515
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-529988(P2018-529988)
(86)(22)【出願日】2016年12月16日
(65)【公表番号】特表2018-536750(P2018-536750A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】US2016067304
(87)【国際公開番号】WO2017116768
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2018年6月8日
(31)【優先権主張番号】62/274,088
(32)【優先日】2015年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599060788
【氏名又は名称】ミリケン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Milliken & Company
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】メール、ネイサン・エー.
【審査官】
渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−161444(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0188044(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L、C07D493−497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリオレフィンポリマー、
(b)1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、ならびに
(c)1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される追加のアセタール成分
を含むポリオレフィン組成物。
【請求項2】
前記1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと前記追加のアセタール成分の比が、1:1以上である、請求項1に記載のポリオレフィン組成物。
【請求項3】
前記1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと前記追加のアセタール成分の前記比が、1:1〜100:1である、請求項2に記載のポリオレフィン組成物。
【請求項4】
前記ポリオレフィン組成物に存在する、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の全量が、250ppm〜2,500ppmである、請求項1〜3の何れかに記載のポリオレフィン組成物。
【請求項5】
前記ポリオレフィン組成物に存在する、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の前記全量が、500ppm〜2,000ppmである、請求項4に記載のポリオレフィン組成物。
【請求項6】
前記追加のアセタール成分が、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5の何れかに記載のポリオレフィン組成物。
【請求項7】
前記追加のアセタール成分が、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む、請求項1〜6の何れかに記載のポリオレフィン組成物。
【請求項8】
前記追加のアセタール成分が、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5の何れかに記載のポリオレフィン組成物。
【請求項9】
前記追加のアセタール成分が、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む、請求項1〜5および8の何れかに記載のポリオレフィン組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001]本出願は、透明化剤(clarifying agent)の組合せを含むポリオレフィン組成物に関する。
【0002】
[0002]本発明は、向上した(すなわち、より低い)ヘーズレベルを示すポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン)組成物を一般的に提供する。ポリオレフィン組成物は、透明化剤の組合せを一般的に含む。
【0003】
[0003]第1の態様において、本発明は、
(a)ポリオレフィンポリマー、
(b)1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、ならびに
(c)1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される追加のアセタール成分
を含むポリオレフィン組成物を提供する。
【0004】
[0004]第1の態様において、本発明は、ポリオレフィンポリマー、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、指定された群から選択される追加のアセタール成分を含むポリオレフィン組成物を提供する。
【0005】
[0005]ポリオレフィン組成物は、ポリオレフィンポリマーを含む。ポリオレフィンポリマーは、適切なポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、およびポリ(ビニルシクロヘキサン)の何れかであることができる。好ましい態様において、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンホモポリマー(例えば、アタクチックポリプロピレンホモポリマー、アイソタクチックポリプロピレンホモポリマー、およびシンジオタクチックポリプロピレンホモポリマー)、ポリプロピレンコポリマー(例えば、ポリプロピレンランダムコポリマー)、ポリプロピレンインパクトコポリマー、ならびにこれらの混合物からなる群から選択されるポリオレフィンである。適切なポリプロピレンコポリマーには、これらに限らないが、エチレン、ブタ−1−エン(すなわち、1−ブテン)、およびヘキサ−1−エン(すなわち、1−ヘキセン)からなる群から選択されるコモノマーの存在の下でのプロピレンの重合により作製されるランダムコポリマーが含まれる。このようなポリプロピレンランダムコポリマーでは、コモノマーは、適切な如何なる量でも存在できるが、通常、約10重量%未満(例えば、約1〜約7重量%)の量で存在する。適切なポリプロピレンインパクトコポリマーには、これらに限らないが、ポリプロピレンホモポリマーまたはポリプロピレンランダムコポリマーへの、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレン−ジエンモノマー(EPDM)、ポリエチレン、およびプラストマーからなる群から選択されるコポリマーの添加によって生成されるものが含まれる。このようなポリプロピレンインパクトコポリマーでは、コポリマーは、適切な如何なる量でも存在できるが、通常、約5〜約25重量%の量で存在する。上記のポリオレフィンポリマーは、分枝しているか、または架橋されていてもよく、例えば、ポリマーの溶融強度を増大させる添加剤の添加により生じる分枝または架橋を有してもよい。
【0006】
[0006]組成物に使用されるポリオレフィンポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)は、ポリオレフィン組成物に対する下記の、見掛けの溶融粘度、メルトフローレート、および/またはフローレート比を有するように製造されたポリマーであることができる。例えば、組成物に使用されるのに適するポリプロピレンポリマーには、製造業者によって販売されるポリマーが、ポリオレフィン組成物に対して下で列挙される見掛けの溶融粘度値の1つを有するように製造されたものが含まれる。あるいは、望ましい特質を有しないバージンポリプロピレンポリマーは、1種以上の添加剤の添加により改変できる。例えば、ポリマーは、ポリマーの1つ以上の特質を改変するために、有機過酸化物またはビスブレーキング(vis-breaking)剤と一緒にして、溶融加工(例えば、押し出し)できる。このような使用に適する有機過酸化物の例には、これらに限らないが、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,3,6,6,9,9−ペンタメチル−3−(エチルアセテート)−1,2,4,5−テトラオキシシクロノナン、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化水素、ジクミルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、ジ−tert−ブチルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルジペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、tert−ブチルヒドロキシエチルペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキセン−2,5−ジペルイソノナノエート、アセチルシクロヘキサンスルホニルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、tert−アミルペルネオデカノエート、tert−ブチル−ペルネオデカノエート、tert−ブチルペルピバレート、tert−アミルペルピバレート、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジイソノナノイルペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(2−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジスクシノイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、ビス(4−クロロベンゾイル)ペルオキシド、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペルマレエート、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、tert−ブチルペルイソノナオエート、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジベンゾエート、tert−ブチルペルアセテート、tert−アミルペルベンゾエート、tert−ブチルペルベンゾエート、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)プロパン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン2,5−ジ−tert−ブチルペルオキシド、3−tert−ブチルペルオキシ−3−フェニルフタリド、ジ−tert−アミルペルオキシド、α,α’−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,5−ジメチル−1,2−ジオキソラン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシン2,5−ジ−tert−ブチルペルオキシド、3,3,6,6,9,9−ヘキサメチル−1,2,4,5−テトラオキサシクロノナン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノ−α−ヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、またはtert−ブチルヒドロペルオキシドが含まれる。
【0007】
[0007]ポリマーの溶融加工により、ポリマーの特質を改変するための添加剤として使用される場合、有機過酸化物またはビスブレーキング剤は、ポリマー組成物(溶融加工の前)に、適切な如何なる量でも存在できる。有機過酸化物の適切な量は、いくつかの要因、例えば、組成物に使用される特定のポリマー、ポリマーの出発時の特性、およびポリマーの特性に望まれる変化に、応じて決まるであろう。好ましい態様において、有機過酸化物は、ポリマー組成物(溶融加工の前)に、ポリマー組成物の全重量に基づいて、約10ppm以上、約50ppm以上、または約100ppm以上の量で存在できる。別の好ましい態様において、有機過酸化物は、ポリマー組成物(溶融加工の前)に、ポリマー組成物の全重量に基づいて、約1重量%(10,000ppm)以下、約0.5重量%(5,000ppm)以下、約0.4重量%(4,000ppm)以下、約0.3重量%(3,000ppm)以下、約0.2重量%(2,000ppm)以下、約0.1重量%(1,000ppm)以下、約0.05重量%(500ppm)以下の量で存在できる。こうして、一連の好ましい態様において、有機過酸化物は、ポリマー組成物(溶融加工の前)に、ポリマー組成物の全重量に基づいて、約10〜約5,000ppm、約50〜約3,000ppm、約50〜約2,000ppm、または約100〜約1,000ppmの量で存在できる。当業者によって理解されるように、有機過酸化物は、分解し、ポリマー組成物の溶融加工中に消費される。したがって、溶融加工の後にポリマー組成物に存在する有機過酸化物の量は、上で列挙された範囲内に、おそらく入らないであろうし、通常、有機過酸化物は、溶融加工の後、ポリマー組成物で検出できない。
【0008】
[0008]上記のように、ポリオレフィン組成物は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む。この化合物は、アルジトールと置換ベンゼンカルボアルデヒド化合物との反応によって生成できるアセタールである。より具体的には、化合物は、およそ1モルのD−グルシトールと、およそ2モルの3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドとの反応によって生成できる。1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、適切な如何なる物理的状態でも供用できるが、通常、化合物は粉末の状態で供用される。
【0009】
[0009]上記のように、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、通常、粉末の状態で供用され、この粉末は、多くの細かい粒子を含む。粉末に存在する粒子は、通常、大きさおよび複雑さを増す異なる3つの粒子タイプ:1次粒子;アグリゲート(aggregate);およびアグロメレート(agglomerate)にグループ分けされる。1次粒子は、通常、化合物の単結晶、またはこのような単結晶の破片である。アグリゲートは、互いに強く結び付いた状態にある2つ以上の1次粒子からなる。アグリゲートは、粉砕(milling)による以外は、細かく(例えば、それらの構成1次粒子へと小さく)できない。アグロメレートは、互いに弱く結合した、または結び付いた状態にある、いくつかの1次粒子および/またはアグリゲートからなる。アグロメレートは、比較的穏やかな機械力を加えることによって、細かく(例えば、それらの構成1次粒子および/またはアグリゲートへと、ばらばらにし、小さく)できる。例えば、アグロメレートは、適切な液体媒体に分散させると、細かくできる。アグロメレートは、通常、それらの内部寸法内に比較的大きな空洞を含み、これらの空洞は空気で満たされている。このようなアグロメレートが、加工中、溶融ポリマーに分散されると、アグロメレートは、化合物が溶融ポリマーに溶解するにつれて、ばらばらになる。そのとき、空洞に捕らえられた空気は、溶融ポリマーに同伴される状態になり得るが、この同伴空気は、ポリマー組成物における欠陥(例えば、白い斑点および/または泡)の生成に導く。
【0010】
[0010]粉末は、適切な如何なる粒径も有することができる。しかし、溶融ポリマー中での化合物の溶解を容易にし、またポリマー組成物中の欠陥(例えば、白い斑点または泡)の生成を防ぐために、粒子が比較的小さい粒径を有することが有利である。好ましい態様において、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール粒子の体積平均直径(すなわち、D[4,3])は、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、または約25μm以下である。さらに、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール粒子のD
90は、好ましくは、約80μm以下、約75μm以下、約70μm以下、約65μm以下、約60μm以下、または約55μm以下である。
【0011】
[0011]1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径は、適切な如何なる技法を用いても測定できる。例えば、粉末の粒径は、動的光散乱により、このような測定のために設計された市販の多くの装置の1つを用いて測定できる。動的光散乱法が使用される場合、粒子の代表的試料が、通常、液体媒体に分散され、この液体媒体の試料が、動的光散乱装置に導入される。適切な如何なる液体媒体も使用できるが、通常、水が好ましい媒体である。液体媒体への粒子の分散を容易にするために、界面活性剤、好ましくは非イオン界面活性剤(例えば、オクチルフェノール界面活性剤)を、水に添加し、得られる混合物(すなわち、水、界面活性剤、および粒子)を、粒子が分散するのに十分な時間(例えば、1〜5分間)、攪拌することができる。
【0012】
[0012]ポリオレフィン組成物は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールに加えて、追加のアセタール成分をさらに含む。追加のアセタール成分は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。追加のアセタール成分は、列挙された群から選択される単一のアセタール化合物であることができる。しかし、通常、追加のアセタール成分は、列挙された群から選択される2種以上のアセタール化合物を含む。このため、本出願に現れる「追加のアセタール成分」への言及は、単一のアセタール化合物を表すことも、または、より典型的には、追加のアセタール成分を一緒に構成する2種以上のアセタール化合物の組合せを表すこともできる。
【0013】
[0013]好ましい態様において、追加のアセタール成分は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。別の好ましい態様において、追加のアセタール成分は、この群に列挙された全てのアセタール化合物の各々を含む。こうして、このような態様において、追加のアセタール成分は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む。
【0014】
[0014]別の好ましい態様において、追加のアセタール成分は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、およびこれらの混合物からなる群から選択される。さらに別の好ましい態様において、追加のアセタール成分は、この群に列挙された全てのアセタール化合物を含む。こうして、このような態様において、追加のアセタール成分は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,3−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む。
【0015】
[0015]追加のアセタール成分の粒径は、上記の1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径と同じであることができ、好ましくは同じである(例えば、体積平均直径、D
90、または両方に関して)。
【0016】
[0016]1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および追加のアセタール成分は、ポリオレフィン組成物に、適切な如何なる相対量でも存在できる。好ましくは、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の比は、約1:1以上(すなわち、1部の追加のアセタール成分に対して、約1部以上の1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール)である。好ましい態様において、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の比は、約1:1〜約200:1である。別の好ましい態様において、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の比は、約1:1〜約100:1である。
【0017】
[0017]1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分は、ポリオレフィン組成物に、適切な如何なる絶対量でも存在できる。通常、ポリオレフィン組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分の量は、ポリオレフィン組成物に存在するポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)の重量に基づいて、約250パーツパーミリオン(ppm)以上である。好ましくは、ポリオレフィン組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分の量は、ポリオレフィン組成物に存在するポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)の重量に基づいて、約500ppm以上、約750ppm以上、約1,000ppm以上、約1,250ppm以上、または約1,500ppm以上である。ポリオレフィン組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分の量は、通常、また、ポリオレフィン組成物に存在するポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)の重量に基づいて、約4,000ppm以下でもある。好ましくは、ポリオレフィン組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分の量は、ポリオレフィン組成物に存在するポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)の重量に基づいて、約3,500ppm以下、約3,000ppm以下、約2,750ppm以下、約2,500ppm以下、約2,250ppm以下、または約2,000ppm以下である。こうして、一連の順次より好ましい態様において、ポリオレフィン組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分の量は、ポリオレフィン組成物に存在するポリマー(例えば、ポリプロピレンポリマー)の重量に基づいて、約250ppm〜約4,000ppm、約250ppm〜約3,000ppm、約250ppm〜約2,500ppm、または約500ppm〜約2,000ppmである。
【0018】
[0018]1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと上記の追加のアセタール成分の組合せは、適切な如何なる手段によって生成されてもよい。例えば、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、上記の縮合反応により、比較的純粋で単離された状態で生成できる。追加のアセタール成分もまた、対応するベンゼンカルボアルデヒド誘導体またはベンゼンカルボアルデヒド誘導体の混合物を用い、類似の縮合反応により、比較的純粋で単離された状態で生成できる。次いで、これらの単離された生成物は、何らかの適切な方法によって一緒にされて、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと上記の追加のアセタール成分の組合せを生成できる。より実際的には、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の組合せは、縮合反応において、D−グルシトールと、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドおよび少なくとも1種の追加のアルデヒドの混合物を含むアルデヒド組成物とを反応させることによって生成される。例えば、アルデヒド組成物は、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドおよび2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドの混合物、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドおよび2,3−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドの混合物、または、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒド、2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒド、および2,3−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドの混合物を含むことができる。異なるアルデヒドの混合物が使用される場合、得られる反応生成物は、様々なアセタール化合物の混合物を含むであろう。アセタール化合物の一部は、専ら、1つの種類のアルデヒドとの反応から生じるアセタール部分を含むであろう(例えば、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、これは、D−グルシトールが、2分子の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと反応するときに生成される)。アセタール化合物の別の一部は、D−グルシトールと第1のアルデヒド(例えば、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒド)との反応から生じる1つのアセタール部分、さらにまた、その中間体生成物と第2の異なるアルデヒド(例えば、2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒド)との反応により生じる別のアセタール部分を含むであろう。混合アセタール化合物のこの一部は、また、異性体、例えば、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの混合物も含むであろう。これらの異なる異性体は、アルデヒドが、D−グルシトールの異なるヒドロキシル基と反応するときに、生成される。
【0019】
[0019]好ましい可能性のある特定の態様において、ポリオレフィン組成物は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分に加えて、別のアセタール化合物を含むことができる。特に好ましい態様において、ポリオレフィン組成物は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールを追加で含む。1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、およそ1モルのD−グルシトールとおよそ2モルのo−キシレンカルボアルデヒドの反応によって生成できる。1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、適切な如何なる物理的状態でも供用できるが、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと同様に、化合物は、通常、多くの細かい粒子を含む粉末の状態で供用される。
【0020】
[0020]1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径は、上記の1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径と同じであることができる(例えば、体積平均直径、D
90、または両方に関して)。あるいは、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの粒径より小さくてもよい(例えば、体積平均直径、D
90、または両方に関して)。好ましい態様において、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトール粒子の体積平均直径(すなわち、D[4,3])は、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、または約7.5μm以下である。さらに、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトール粒子のD
90は、好ましくは、約80μm以下、約75μm以下、約70μm以下、約65μm以下、約60μm以下、約55μm以下、約50μm以下、約45μm以下、約40μm以下、約35μm以下、約30μm以下、約25μm以下、約20μm以下、約15μm以下、約10μm以下、または約7.5μm以下である。
【0021】
[0021]ポリオレフィン組成物に存在する場合、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、適切な如何なる量でも存在できる。例えば、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールは、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分に対して上で列挙された量の何れかで存在できる。あるいは、組成物に存在する、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分と、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールを合わせた量が、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分に対して上で記載された範囲の何れかの範囲内に入ることができる。
【0022】
[0022]組成物が、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの両方を含む場合、2つの化合物は、ポリオレフィン組成物に、適切な如何なる相対量でも存在できる。例えば、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量と、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量との比は、好ましくは、約9:1以下、約8:1以下、約7:1以下、約6:1以下、約5:1以下、約4:1以下、または約3:1以下であることができる。組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量と、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量との比は、好ましくは、約1:9以上、約1:8以上、約1:7以上、約1:6以上、約1:5以上、約1:4以上、または約1:3以上であることができる。好ましい一態様において、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量と、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量との比は、約9:1〜約1:9である。一連の順次より好ましい態様において、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジメチルフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量と、組成物に存在する1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの質量との比は、約8:1〜約1:8、約7:1〜約1:7、約6:1〜約1:6、約5:1〜約1:5、約4:1〜約1:4、または約3:1〜約1:3である。
【0023】
[0023]ここで記載のポリオレフィン組成物は、適切な如何なる見掛けの溶融粘度も有することができる。ポリオレフィン組成物の見掛けの溶融粘度は、適切な如何なる方法を用いても測定できる。例えば、見掛けの溶融粘度は、「Standard Test Method for Determination of Properties of Polymeric Materials by Means of a Capillary Rheometer」という表題のASTM試験法D3835−08に記載されている試験方法を用いて、決定できる。この試験方法は、220℃が、ポリプロピレン組成物を試験するのに通常用いられる試験温度であると規定するが、190℃が、多くの市販ポリマーで今日用いられる、より低い加工温度に、より近いので、より適切な温度であると考えられる。このため、ここで列挙されるポリプロピレン含有ポリオレフィン組成物に対する見掛けの溶融粘度は、好ましくは、上で参照された試験方法を用いて、190℃の温度で決定される。ポリオレフィン組成物の見掛けの溶融粘度は、適切な如何なる見掛けの剪断速度でも測定できる。100s
-1の見掛けの剪断速度が、ポリマー組成物が典型的な加工状態の間に受ける剪断に、かなり近いために、好ましいと考えられる。ポリオレフィン組成物の見掛けの溶融粘度を測定するとき、好ましくは、キャピラリーレオメーターには、30:1の長さと直径の比を有する、直径1.00mmのキャピラリーダイが装備される。さらに、ポリオレフィン組成物は、好ましくは、試験の開始前に、キャピラリーレオメーターに、6分間の保持時間、留められる。最後に、ポリオレフィン組成物の見掛けの溶融粘度は、好ましくは、ポリマーと、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分と、任意の成分とが、溶融加工された(例えば、押出機を通された)後に、決定される。
【0024】
[0024]好ましくは、ポリオレフィン組成物は、100s
-1の見掛けの剪断速度で、約750Pa・s以下の見掛けの溶融粘度を有する。より好ましくは、ポリオレフィン組成物は、100s
-1の見掛けの剪断速度、および190℃の温度で、約700Pa・s以下、約650Pa・s以下、約600Pa・s以下、約550Pa・s以下、約500Pa・s以下、約450Pa・s以下、約400Pa・s以下、約350Pa・s以下、約300Pa・s以下、約250Pa・s以下、または約200Pa・s以下の見掛けの溶融粘度を有する。
【0025】
[0025]ここで記載のポリオレフィン組成物は、適切な如何なるメルトフローレートも有することができる。ポリオレフィン組成物のメルトフローレートは、適切な如何なる方法によっても決定できる。例えば、ポリオレフィン組成物のメルトフローレートは、「Standard Test Method for Melt Flow Rates of Thermoplastics by Extrusion Plastometer」という表題の、ASTM規格D1238−10の手順Bを用いて、決定できる。ポリオレフィン組成物のメルトフローレートは、好ましくは、前述の規格試験法を用いて測定される。好ましくは、ポリオレフィン組成物は、4g/10min以上のメルトフローレートを有する。より好ましくは、ポリオレフィン組成物は、約8g/10min以上、約10g/10min以上、約12g/10min以上、約20g/10min以上、約35g/10min以上、または約50g/10min以上のメルトフローレートを有する。見掛けの溶融粘度の測定におけるのと同じく、ポリオレフィン組成物のメルトフローレートは、好ましくは、ポリマーと、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分と、任意のあらゆる成分(例えば、過酸化物)とが、溶融加工された(例えば、押出機を通された)後に、決定される。
【0026】
[0026]当業者によって理解されるように、ポリオレフィンポリマーは、別個のポリマー鎖の集団を含み、それらのポリマー鎖は、様々な長さおよびモル質量を有するであろう。ポリマーに含まれるポリマー鎖の長さ/モル質量の統計的分布は、一般に、モル質量分布または分子量分布と呼ばれる。ここで記載の組成物に使用されるポリオレフィンポリマーは、適切な如何なるモル質量分布も有することができる。例えば、ポリオレフィンポリマーは、単峰(single mode)を示すモル質量分布を有することができる、または、モル質量分布は複数の峰(例えば、2峰、3峰など)を示すことができる。ポリマーのモル質量分布の幅は、多分散指数を用いて表すことができる。多分散指数は、ポリマーの数平均モル質量と質量平均モル質量(すなわち、重量平均モル質量)を測定し、次いで、ポリマーの数平均モル質量で、ポリマーの質量平均モル質量を割ることによって計算される。結果は、無次元単位で、モル質量分布の幅を定量化し、より大きな値は、モル質量分布におけるより大きな幅を示す。モル質量分布の幅は、また、フローレート比(FRR)を得られるような異なる条件下で、ポリマー(またはポリマーを含む組成物)のメルトフローレートを測定し、比較することによって、間接的に定量化できる。この方法は、例えば、「Standard Test Method for Melt Flow Rates of Thermoplastics by Extrusion Plastometer」という表題の、ASTM規格D1238の手順Dに記載されている。好ましくは、FRRは、規格に指定された10kgの荷重を用いて測定されたメルトフローレート(MFR
10)と、規格に指定された2kgの荷重を用いて測定されたメルトフローレート(MFR
2)とを用いて、計算される。ここで記載のポリオレフィン組成物は、適切な如何なるFRRも有することができる。好ましくは、ポリオレフィン組成物は、約17以下のFRR(MFR
10/MFR
2)を有する。より好ましくは、ポリオレフィン組成物は、約16以下、または約15以下のFRR(MFR
10/MFR
2)を有する。見掛けの溶融粘度およびメルトフローレートの測定におけるのと同じく、ポリオレフィン組成物のメルトフロー比は、好ましくは、ポリマーと、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分と、任意のあらゆる成分(例えば、過酸化物)とが、溶融加工された(例えば、押出機を通された)後に、決定される。
【0027】
[0027]ここで記載のポリオレフィン組成物は、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールおよび追加のアセタール成分に加えて、他のポリマー添加剤を含むことができる。適切な追加のポリマー添加剤には、これらに限らないが、酸化防止剤(例えば、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、およびこれらの組合せ)、ブロッキング防止剤(例えば、アモルファスシリカおよび珪藻土)、顔料(例えば、有機顔料および無機顔料)ならびに他の着色剤(例えば、染料およびポリマー着色剤)、フィラーおよび強化剤(例えば、ガラス、ガラス繊維、タルク、炭酸カルシウム、およびオキシ硫酸マグネシウムウィスカ)、核生成剤、透明化剤、酸捕捉剤(例えば、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸の金属塩)、ポリマー加工添加剤(例えば、フルオロポリマーのポリマー加工添加剤)、ポリマー架橋剤、スリップ剤(例えば、脂肪酸とアンモニアまたはアミン含有化合物との間の反応により誘導される脂肪酸アミド化合物)、脂肪酸エステル化合物(例えば、脂肪酸と、ヒドロキシ含有化合物、例えば、グリセロール、ジグリセロール、およびこれらの混合物との間の反応により誘導される脂肪酸エステル化合物)、ならびに上述のものの組合せが含まれる。
【0028】
[0028]上で言及されたように、ポリオレフィン組成物は、上記の他の成分に加えて、核生成剤を含み得る。適切な核生成剤には、これらに限らないが、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸塩(例えば、2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸ナトリウムまたは2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)リン酸アルミニウム)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸塩(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二ナトリウム、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸カルシウム)、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸塩(例えば、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸カルシウム、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸アルミニウム(1塩基性)、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二リチウム、またはシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ストロンチウム)、およびこれらの組合せが含まれる。ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸塩およびシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸塩では、カルボキシレート部分は、シス−またはトランス−立体配置の何れかに配列され得るが、シス−立体配置が好ましい。
【0029】
[0029]上で言及されたように、ポリオレフィン組成物は、また、1種以上の追加の透明化剤も含むことができる。適切な透明化剤には、これらに限らないが、トリスアミド、および多価アルコールと芳香族アルデヒドの縮合生成物であるアセタール化合物が含まれる。適切なトリスアミド透明化剤には、これらに限らないが、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸のアミド誘導体、1,3,5−ベンゼントリアミンのアミド誘導体、N−(3,5−ビス−ホルミルアミノ−フェニル)−ホルムアミドの誘導体(例えば、N−[3,5−ビス−(2,2−ジメチル−プロピオニルアミノ)−フェニル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド)、2−カルバモイル−マロンアミドの誘導体(例えば、N,N’−ビス−(2−メチル−シクロヘキシル)−2−(2−メチル−シクロヘキシルカルバモイル)−マロンアミド)、およびこれらの組合せが含まれる。上で言及されたように、透明化剤は、多価アルコールと芳香族アルデヒドの縮合生成物であるアセタール化合物であることができる。適切な多価アルコールには、非環状ポリオール、例えばキシリトールおよびソルビトールさらには、非環状デオキシポリオール(例えば、1,2,3−トリデオキシノニトールまたは1,2,3−トリデオキシノナ−1−エニトール)が含まれる。適切な芳香族アルデヒドは、典型的には、アルデヒド基を1つだけ含み、芳香族環の残りの位置は、無置換であるか、または置換されている。したがって、適切な芳香族アルデヒドには、ベンズアルデヒドおよび置換ベンズアルデヒド(例えば、3,4−ジメチル−ベンズアルデヒド、または4−プロピル−ベンズアルデヒド)が含まれる。上記の反応によって生成されるアセタール化合物は、モノ−アセタール、ジ−アセタール、またはトリ−アセタール化合物(すなわち、それぞれ、1、2、または3つのアセタール基を含む化合物)であり得るが、ジ−アセタールが好ましい。適切なアセタール系透明化剤には、これらに限らないが、米国特許第5,049,605号、米国特許第7,157,510号、および米国特許第7,262,236号に開示された透明化剤が含まれる。
【0030】
[0030]ここで記載のポリオレフィン組成物は、適切な如何なる方法によっても生成できる。例えば、ポリオレフィン組成物は、ポリオレフィンポリマーと、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分と、任意の追加のあらゆる成分との単なる混合(例えば、高剪断または高強度混合)によって生成できる。あるいは、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと、追加のアセタール成分(さらには、任意の追加の成分、例えば上記のもの)とが、添加剤組成物を得るために、予備ブレンドされてもよい。次いで、この添加剤組成物は、ポリオレフィンポリマーと混合されて、上記のポリオレフィン組成物を生成できる。ポリオレフィン組成物は、物品を作製するためのさらなる加工における使用に適する如何なる形態でも供用できる。例えば、ポリオレフィン組成物は、粉末(例えば、自由流動性粉末)、フレーク、ペレット、小球(prill)、錠剤、アグロメレートなどの形態で供用できる。
【0031】
[0031]ここで記載のポリオレフィン組成物は、熱可塑性物質の物品を作製するのに有用であると考えられる。ポリオレフィン組成物は、適切な技術、例えば、射出成型、射出回転成型、ブロー成型(例えば、射出ブロー成型または射出延伸ブロー成型)、押出(例えば、シート押出、フィルム押出、キャストフィルム押出、もしくは発泡押出)、押出ブロー成型、熱成形、回転成型、フィルムインフレーション(film blowing)(インフレーションフィルム)、フィルムキャスティング(キャストフィルム)などの何れによっても、所望の熱可塑性物質の物品に形作ることができる。
【0032】
[0032]ここで記載のポリオレフィン組成物は、適切な物品または製品の何れかを作製するために使用できる。適切な製品には、これらに限らないが、医療デバイス(例えば、レトルト用途のためのプレフィルド(pre-filled)シリンジ、静脈内供給容器、および血液捕集用具)、食品包装、液体容器(例えば、飲料、薬剤、パーソナルケア組成物、シャンプーなどのための容器)、アパレルケース、電子レンジで使える物品、棚用材料、キャビネットドア、機械部品、自動車部品、シート、パイプ、チューブ、回転成型による部品、ブロー成型による部品、フィルム、繊維などが含まれる。
【0033】
[0033]以下の例は、上記の主題をさらに例示するが、言うまでもなく、決して、その範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0034】
例1
[0034]この例は、上記のポリオレフィン組成物の生成、および得られるポリオレフィン組成物の特性を例示する。
【0035】
[0035]11種の異なる透明化剤組成物(C.A.1〜C.A.11)を、縮合反応において、D−グルシトールと、ベンゼンカルボアルデヒド誘導体または異なるベンゼンカルボアルデヒド誘導体の混合物とを反応させることによって生成した。C.A.1は、純粋な1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールであり、D−グルシトールと3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを、1:2の化学量論比で反応させることによって生成した。C.A.2は、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールであり、2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを用い、生成した。C.A.3は、99%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、1%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.4は、98%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、2%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.5は、95%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、5%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.6は、90%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、10%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.7は、75%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、25%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.8は、50%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、50%の2,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.9は、98%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、2%の2,3−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.10は、95%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、5%の2,3−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。C.A.11は、90%の3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、10%の2,3−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドを含むアルデヒド組成物を用い、生成した。
【0036】
[0036]22種の1キログラムバッチのポリプロピレンランダムコポリマー組成物(試料1A〜1V)を、下の表1および2に記載された配合に従ってコンパウンディングした。組成物に使用されたポリプロピレンランダムコポリマーは、LyondellBasell PolymersによるPro−fax SA849ポリプロピレンランダムコポリマーであり、およそ12g/10minの初期メルトフローレートを有していた。
【0039】
[0037]ポリプロピレンランダムコポリマー組成物の各々は、成分を、ヘンシェル高強度ミキサーの中で、およそ2,100rpmのブレード速度でおよそ1分間、ブレンドすることによってコンパウンディングした。次いで、試料を、25mmのスクリュー直径および30:1の長さ/直径比を有するDeltaplastの1軸スクリュー(single screw)コンパウンディング押出機で、溶融コンパウンディングした。バレル温度は、6つの加熱ゾーンを用いて、約200℃から約230℃までの勾配をつけた。各試料の押出物(ストランドの形態の)は、水浴で冷却し、次にペレット化した。
【0040】
[0038]得られたポリオレフィン組成物の各々のペレットは、Arburgの25トン射出成型機を用い、1.27mmの厚さで、およそ51mm×76mmの寸法を有する板に成型した。成型機バレルの全てのゾーンは、230℃に設定し、金型は21℃に冷却した。板の寸法は、24時間のエージング後、マイクロメータで確認した。板のヘーズを、BYK−Gardner Haze−Guard Plusを用い、ASTM規格D1103−92に従って測定した。測定された板のパーセントヘーズは、下で表3に報告されている。
【0042】
[0039]表3の試料1A、1I、1Hおよび1Pで示されたデータから分かるように、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含むポリプロピレンランダムコポリマー組成物は、優れたヘーズを有するが、一方、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含む組成物は、良好であるが、優れているとは言えないヘーズを有する。驚くべきことに、透明化剤が、3,4−ジクロロベンゼンカルボアルデヒドと、約25%までの別のベンゼンカルボアルデヒド誘導体との混合物を用いて生成されたとき(C.A.3〜C.A.7、およびC.A.9〜C.A.11におけるように)、ポリマーで得られるヘーズは、純粋な1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール(C.A.1におけるように)で透明化されたポリマーのヘーズとほぼ同じである。これは、2つの理由で驚くべきである。第1に、このような組成物は、たった約56%の1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールを含んでいた。残りの44%は、D−グルシトールと2モルの異なるベンゼンカルボアルデヒド誘導体との反応によって生成されるアセタール(例えば、1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール)、ならびに、混合アセタール化合物の異性体(例えば、1,3−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール、および、1,3−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−2,4−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトール)から構成されていた。このため、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールのポリマー中の濃度の低下により、ポリオレフィン組成物では、結果として、かなりより大きいヘーズを生じることが予想されたと思われる。第2に、純粋な1,3:2,4−ビス−O−[(2,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールでのデータは、これらの他のアセタール化合物は、ヘーズレベルに悪影響を及ぼしたであろうということ、または、少なくとも、ポリマー中の1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールの濃度の低下を相殺する程にはポリマーを透明化できなかったであろうということを示唆する。このデータは、1,3:2,4−ビス−O−[(3,4−ジクロロフェニル)メチレン]−D−グルシトールと追加のアセタール成分の特許請求された組合せによって示される相乗作用を示すと考えられる。
【0043】
[0040]ここで挙げられた、出版物、特許出願、および特許を含めて、全ての参考文献は、各文献が、参照によって組み込まれると、個々に、明確に、示されており、またその全体がここで記載されている場合と同じ程度に、参照によってここに組み込まれる。
【0044】
[0041]本出願の主題の記述に関連する(特に、以下の特許請求の範囲に関連する)用語「1つの」、「この」および類似の指示語の使用は、ここで特に断らなければ、または、前後との関連で明確に矛盾するのでなければ、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるべきである。用語「含む」、「有する」、「備える」は、特に断らなければ、非限定用語(すなわち、「以下を含むが、以下に限定されない」)と解釈されるべきである。ここでの値の範囲の記述は、ここで特に断らなければ、その範囲内に入る別個のそれぞれの値を個々に指示することの簡略な記法として役立つことを意図されているにすぎず、別個のそれぞれの値は、あたかもそれがここで個々に列挙されているかの如くに、本明細書に組み込まれる。ここで記載の全ての方法は、ここで特に断らなければ、または、前後との関連で明確に矛盾するのでなければ、適切な任意の順序で実施できる。ここで与えられている、あらゆる例、または例を示す言葉(例えば、「例えば」)の使用は、本出願の主題を、より明らかにしようとするものであるにすぎず、特に断らなければ、主題の範囲を限定しない。本明細書における如何なる言葉も、何らかの特許請求されていない要素を、ここで記載の主題の実施にとって不可欠であると示すと解釈されるべきではない。
【0045】
[0042]本出願の主題の好ましい態様が、特許請求された主題を実施するための、本発明者らに知られている最善の形態を含めて、ここで説明されている。それらの好ましい態様の変形形態が、上述の説明を読めば、当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者が、このような変形形態を、適宜、用いることを予期し、本発明者らは、ここで記載の主題が、ここで具体的に記載されたものとは別の仕方で実施されることを意図する。したがって、本開示は、適用法令によって許容されるように、ここに添付の特許請求の範囲に記載された主題の全ての改変および均等物を含む。さらに、上記要素の、それらの可能な全ての変形形態におけるどの組合せも、ここで特に断らなければ、または、さもなければ、前後との関連で明確に矛盾するのでなければ、本開示によって包含される。