【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するための一つの様態として、本発明は、クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むクロピドグレル錠剤;及びアスピリン、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むアスピリンコア、及び前記コアを包む腸溶性コーティング層を含むアスピリン粒子を含む複合製剤を提供する。
本開示は、以下の[1]から[16]を含む。
[1]クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むクロピドグレル錠剤;及び
アスピリン、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むアスピリンコア、及び上記コアを包む腸溶性コーティング層を含むアスピリン含有粒子を含む複合製剤。
[2]上記クロピドグレル錠剤は、崩壊剤をさらに含む、上記[1]に記載の複合製剤。
[3]上記崩解剤は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で2〜8重量%で含まれる、上記[2]に記載の複合製剤。
[4]上記崩解剤は、澱粉グリコール酸ナトリウム、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、プレゼラチン化澱粉、ベントナイト、モンモリロナイト、ビーガム(veegum)、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、グアーガム、キサンタンガム、架橋ポリビニルピロリドン(crospovidone)及びその混合物からなる群の選択された一つ以上である、上記[2]に記載の複合製剤。
[5]上記クロピドグレル錠剤は、乾燥減量が5重量%以下の賦形剤をさらに含む、上記[1]に記載の複合製剤。
[6]上記クロピドグレル錠剤は、乾燥減量が1.5重量%以下の賦形剤をさらに含む、上記[5]に記載の複合製剤。
[7]上記賦形剤は、微結晶セルロースである、上記[5]に記載の複合製剤。
[8]上記クロピドグレル錠剤は、コロイド性二酸化ケイ素をさらに含む、上記[1]に記載の複合製剤。
[9]上記コロイド性二酸化ケイ素の含有量は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で2〜10重量%である、上記[8]に記載の複合製剤。
[10]上記腸溶性コーティング層は、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、メチルアクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸−エチルアクリル酸共重合体及びその混合物からなる群から選択された一つ以上の腸溶性コーティング剤を含む、上記[1]に記載の複合製剤。
[11]上記複合製剤は、カプセル剤形である、上記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の複合製剤。
[12]上記カプセルの素材は、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、上記[11]に記載の複合製剤。
[13]上記クロピドグレル錠剤は、崩解時間が11分以内である、上記[1]に記載の複合製剤。
[14]クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩、及びコロイド性二酸化
ケイ素をまず混合した後、崩壊剤を添加してクロピドグレル錠剤を準備する段階;
アスピリン、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むアスピリンコアを準備する段階;及び
上記アスピリンコアを腸溶性コーティング剤でコーティングする段階を含む、クロピドグレル錠剤及びアスピリンコアを含む複合製剤の製造方法。
[15]上記崩解剤は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で2〜8重量%で含まれる、上記[14]に記載の複合製剤の製造方法。
[16]上記コロイド性二酸化ケイ素の含有量は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で2〜10重量%である、上記[14]に記載の複合製剤の製造方法。
【0017】
本明細書において、「クロピドグレル」について開示した部分は、「クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩」を全て含む意味で解釈されてもよい。
【0018】
もう一つの様態として、本発明は、クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩、及びコロイド性二酸化ケイ素をまず混合した後、崩壊剤を添加してクロピドグレル錠剤を準備する段階を含む、複合製剤の製造方法を提供する。
【0019】
本発明は、クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むクロピドグレルを錠剤形態にすることにより、保管及び流通中に複合製剤の安定性が低下する問題を解決した。
【0020】
前記複合製剤は、クロピドグレル錠剤及びアスピリン含有粒子を含むカプセルであってもよく、一実施形態において前記カプセルは硬質カプセルであってもよい。
【0021】
クロピドグレルを顆粒形態ではなく、錠剤形態にしてカプセル内に封入する場合、クロピドグレルの崩解が遅延される問題が発生することがあり、これに対し、本発明は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で崩解剤を2〜8重量%、より具体的には3〜5重量%を含むことにより、これを解決した。崩壊剤の含有量がクロピドグレル錠剤の総重量基準で2重量%未満である場合、望ましい崩解速度を得ることができず、8重量%を超える場合、錠剤が大気中に露出時、安定性が低下する問題が発生する。一般に知られているクロピドグレル及びアスピリンの複合製剤内に存在するクロピドグレル錠剤の崩解時間は12分以上であるが、本発明の複合製剤では、これよりクロピドグレルがより速い速度で崩解できる点をもう一つの特徴とする。本発明の複合製剤では、クロピドグレルを錠剤形態として含み、顆粒形態のクロピドグレルを含む場合に比べて崩解速度の減少の問題を示しうるが、崩壊剤を前記のようにさらに含むことにより、このような問題を改善することができる。また、本発明の複合製剤は、まず胃でクロピドグレルが溶出され、アスピリン顆粒は、後で腸で溶出されるが、前記のように崩解速度を改善させることにより、クロピドグレルとアスピリンの接触による問題を防止し、薬剤の安定性を向上させることができる。
【0022】
本発明の複合製剤内に存在するクロピドグレル錠剤は崩壊剤を含むことにより、崩解時間がそれ未満、具体的には11分以下、より具体的には7分以下に短縮することができる。
【0023】
前記崩壊剤は、澱粉グリコール酸ナトリウム、トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉またはプレゼラチン化澱粉などの澱粉または変性澱粉と、ベントナイト、モンモリロナイト、ビーガム(veegum)などのクレイと、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはカルボキシメチルセルロースなどのセルロース類と、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸などのアルギン類と、クロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウムなどの架橋セルロース類と、グアーガム、キサンタンガムなどのガム類と、架橋ポリビニルピロリドン(crospovidone)及びその混合物からなる群から選択された一つ以上であってもよい。より具体的には、前記崩解剤は、ポリビニルピロリドンなどであってもよい。
【0024】
また、カプセル内にクロピドグレル錠剤を封入する場合、クロピドグレル錠剤の重量は120〜350mg、具体的には150〜250mg、より具体的には、180〜240mgであってもよく、実処方基準に基づいて異なって製造することができる。
【0025】
カプセル内にクロピドグレル錠剤を封入した場合、クロピドグレルの錠剤サイズに制限があり、クロピドグレル錠剤重量に対するクロピドグレルの重量比が50%程度またはそれ以上まで高くなることがあるため、打錠時にパンチにくっつくスティッキング(sticking)、キャッピング(capping)現象が発生する問題がある。
【0026】
これを解決するために、コロイド性二酸化ケイ素をクロピドグレルとまず混合した後、崩壊剤などの他の添加剤を添加してクロピドグレル錠剤を製造することができる。
【0027】
また、クロピドグレル錠剤は、乾燥減量が5重量%未満、より好ましくは1.5重量%以下の賦形剤を使用することができる。ここで、賦形剤の乾燥減量が5重量%以上である場合、スティッキングなどの打錠障害が発生することがある。
【0028】
前記賦形剤は、白糖、D−マンニトール、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド性二酸化ケイ素及びこれらの組み合わせなどからなる群から選択されてもよく、前記賦形剤は微結晶セルロース(microcrystalline cellulose、MCC)であってもよい。また、一実施形態において、前記賦形剤はMCC 112である。
【0029】
一実施形態において、カプセルの素材は、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)であってもよく、HPMCであることがより好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0030】
以下、本発明における複合製剤を具体的に説明する。一方、本願で開示されたそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの異なる説明及び実施形態にも適用することができる。即ち、本願で開示された多様な要素のすべての組み合わせが本発明の範囲に属する。また、下記記述された具体的な叙述により、本発明の範疇が限定されるとは見られない。
【0031】
本発明の複合製剤に含まれるクロピドグレル及びアスピリンは薬学的に許容可能な塩の形態で存在することができる。塩としては、薬学的に許容可能な遊離酸(free acid)により形成された酸付加塩が有用でありうるが、特にこれに限定されない。
【0032】
前記塩の種類は特に限定されない。ただし、個体、例えば、哺乳類に安全かつ効果的な形態であることが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
【0033】
前記用語、「薬学的に許容可能な」とは、医薬学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、またはアレルギー反応などを引き起こすことなく、目的とする用途に効果的に使用可能な物質を意味する。
【0034】
本発明において、用語、「薬学的に許容可能な塩」とは、薬学的に許容される無機酸、有機酸、または塩基から誘導された塩を含む。適切な酸の例としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などを挙げることができる。適切な塩基から誘導された塩は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、及びアンモニウムなどを含むことができる。
【0035】
酸付加塩は、通常の方法、例えば、化合物を過量の酸水溶液に溶解させ、この塩を水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトンまたはアセトニトリルを使用して沈殿させて製造することができる。同モル量の化合物及び水中の酸またはアルコール(例えば、グリコールモノメチルエーテル)を加熱し、次いで混合物を蒸発させて乾燥させるか、または析出された塩を吸引濾過することができる。
【0036】
また、塩基を使用して薬学的に許容可能な金属塩を作ることができる。アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩は、例えば、化合物を過量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の溶液中に溶解させ、非溶解化合物の塩をろ過した後、ろ液を蒸発、乾燥させて得ることができる。
【0037】
より具体的には、本発明のクロピドグレルの薬学的に許容可能な塩は、クロピドグレルの硫酸水素塩、樹脂酸塩、カムシラート、ベシル酸塩、ナパジシル酸一水和物塩、塩酸塩及びその混合物からなる群から選択されることができる。
【0038】
コロイド性二酸化ケイ素(fumed silica、colloidal silicon dioxide)は、CAS No.7631−86−9であり、本発明では、賦形剤としての役割をし、打錠時に打錠障害を減少させる効果を有する。
【0039】
前記コロイド性二酸化ケイ素の含有量は、クロピドグレル錠剤の総重量基準で2〜10重量%であってもよい。前記範囲未満で含まれる場合には、打錠時にスティッキングが起こり商業的に連続生産が難しく、前記範囲を超えて含まれる場合には、打錠時にキャッピングが起こり崩解が遅延することがある。
【0040】
コロイド性二酸化ケイ素の粒径は、約7〜16nmであってもよく、200〜400m
2/gの比表面積を有してもよい。
【0041】
本発明のクロピドグレル錠剤は、さらにコーティングされてもよく、コーティング物質としては制限なく可能であり、一実施形態においてコーティング物質はネオコート(neocoat)であってもよい。
【0042】
アスピリン含有粒子は、粉末、顆粒、ペレット、ミニ錠剤形態であってもよく、一実施例において顆粒またはペレットであってもよい。
【0043】
前記アスピリン含有粒子は、具体的に、賦形剤を含む内核、前記内核の外部に隣接し、薬理学的活性成分としてアスピリン、その異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩及び結合剤を含むアスピリン外核、及び前記外核の外部に隣接し、腸溶性コーティング剤を含む腸溶性コーティング層を含むことができる。前記内核及びアスピリン外核はアスピリンコアに相当する。具体的には、前記内核の賦形剤は、球状白糖であってもよく、前記腸溶性コーティング層は、可塑剤をさらに含むことができる。
【0044】
アスピリンコアを囲む腸溶性コーティング層は、前記アスピリンコアを保護するために前記コアを包む層を意味し、コーティング層の素材である腸溶性コーティング剤は、高pHである腸液環境で崩解される物質であれば制限なく使用可能であり、例えば、シェラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテート、ポリビニルアルコールフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、メチルアクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸−エチルアクリル酸共重合体及びその混合物からなる群から選択された一つ以上の物質を含むことができる。
【0045】
この中でメタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体は、エボニック・デグサ(Evonik Degussa)(ドイツ)のオイドラギット(Eudragit)L 100、オイドラギットL 12.5、オイドラギットL 100 Pのようなメタクリル酸、メチルメタクリル酸のモル比が1:1であるか、オイドラギットS 100、オイドラギットS 12.5、オイドラギットS 100 Pのようなメタクリル酸、メチルメタクリル酸のモル比が1:2であることが望ましい。
【0046】
また、メチルアクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体は、エボニック・デグサ(ドイツ)のオイドラギットFS 30Dのようなメチルアクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸のモル比が7:3:1であることが望ましい。
【0047】
さらに、メタクリル酸−エチルアクリル酸共重合体は、エボニック・デグサ(ドイツ)のオイドラギットL 30、D−55、オイドラギットL 100−55のようなメタクリル酸、エチルアクリル酸のモル比が1:1であることが望ましい。
【0048】
前記腸溶性コーティング層は、アスピリン粒子の総重量基準で一実施形態において2.0重量%〜20重量%、他の一実施形態において5〜15重量%、また他の一実施形態において5〜12重量%で含まれてもよい。前記範囲未満でコーティング層を形成する場合、胃で目的としない放出が起こることがあり、前記範囲を超えてコーティング層を形成する場合、溶出率が減少し、酸抵抗性が不良であり、生体利用率が減少する欠点があり、長期投与時に問題が発生することがある。
【0049】
また、前記クロピドグレル錠剤またはアスピリン含有粒子は、希釈剤、結合剤、滑沢剤、安定化剤、フィルムコーティング剤、可塑剤及びその混合物からなる群から選択された添加剤をさらに含むことができる。
【0050】
前記結合剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポビドン、マクロゴール、硬質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウムまたはマグネシウムメタシリケートアルミネートのようなケイ酸塩誘導体;リン酸水素カルシウムのようなリン酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよく、より好ましくはヒプロメロース、ポリビニルピロリドン及びその混合物からなる群から選択されてもよい。錠剤または粒子の総重量を基準に、前記結合剤は1重量%〜5重量%であり、より具体的には1重量%〜4重量%である。
【0051】
前記希釈剤は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、デキストリン、デキストロース、エチルセルロース、果糖、グリセリルパルミトステアレート、マルトース、スクロース、澱粉、微結晶性セルロース、乳糖、ブドウ糖、マンニトール、アルギネート、アルカリ土金属類塩、クレイ、ポリエチレングリコール、ジカルシウムホスフェート及びその混合物からなる群から選択されてもよい。
【0052】
前記滑沢剤は、タルク、ステアリン酸及びその塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、水素化植物油、ナトリウムベンゾエート、ステアリルフマル酸ナトリウム、グリセリルモノステアレート、ポリエチレングリコール及びその混合物からなる群から選択されることができ、より好ましくは、ステアリルフマル酸ナトリウムであってもよい。
【0053】
前記安定化剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、トコフェロール、エデト酸(EDTA)及びその混合物からなる群から選択されてもよい。
【0054】
前記フィルムコーティング剤は、ゼラチン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、シェラック、エチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドンと酢酸ビニルの重合体、アクリル酸エチルメタクリル酸メチルメタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体(例えば、商品名、オイドラギット(Eudragit)RSまたはRL、デグサ)、メタクリル酸メチルアクリル酸エチル共重合体(例えば、商品名、オイドラギット(Eudragit)NE30D、デグサ)、ポリビニルアセチルジメチルアミノアセテート及びその混合物からなる群から選択されてもよい。
【0055】
前記可塑剤は、グリコール、エステル、オイル、グリセリン、グリセリン誘導体及びその混合物からなる群から選択されてもよいが、この中でグリコールはプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びその混合物からなる群から選択されてもよく、エステルはフタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ジブチルセバケート、トリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、トリアセチン及びその混合物からなる群から選択されてもよい。前記オイルはヒマシ油、ココナッツ油及びその混合物からなる群から選択されてもよく、グリセリン及びグリセリン誘導体はグリセリン、モノステアリングリセリン及びその混合物からなる群から選択されてもよい。
【0056】
本発明の複合製剤において、前記クロピドグレル錠剤またはアスピリン含有粒子は、速放出物質をさらに含んで放出速度を増加させることができ、前記速放出物質は発泡剤、緩衝剤及びその混合物から選択することができる。
【0057】
前記発泡剤は、炭酸を含む無機物及び有機酸を含むことができる。
【0058】
前記緩衝剤は、炭酸カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、または多様な塩及びその混合物からなる群から選択することができる。
【0059】
一実施形態において、複合製剤内のクロピドグレル錠剤100重量部に対して、アスピリンの総粒子は10〜1000重量部、具体的には30〜200重量部であってもよい。
【0060】
一実施例において、複合製剤はクロピドグレルとして75mg及びアスピリンとして100mg、またはクロピドグレルとして75mg及びアスピリンとして75mgを含むことができる。
【0061】
本発明の複合製剤は、まず胃でクロピドグレル錠剤が溶出され、アスピリン粒子は腸で溶出される。したがって、クロピドグレルとアスピリンの相互補完的な薬理効果を発現させることができ、かつ、アスピリンによる胃壁の損傷を防止することができる。さらに、クロピドグレルとアスピリンが直接接触することを遮断することにより、共晶現象を防止し、含有量や溶出特性の変化を防ぎ、薬剤の安定性を向上させることができる。
【0062】
本発明の複合製剤の製造方法は、クロピドグレル、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩、及びコロイド性二酸化ケイ素を混合した後、添加剤を添加してクロピドグレル錠剤を準備する段階;アスピリン、その異性体またはその薬学的に許容可能な塩を含むアスピリンコアを準備する段階;及び前記アスピリンコアを腸溶性コーティング剤でコーティングする段階を含むことができる。また、前記クロピドグレル錠剤及びコーティングされたアスピリン粒子をカプセルに充填する段階をさらに含むことができる。
【0063】
本発明の複合製剤は、薬学的に有効な量のクロピドグレル錠剤及びアスピリン含有粒子を含むことができる。
【0064】
本発明において、用語「薬学的に有効な量」とは、医学的治療に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療するのに十分な量を意味し、一般に0.001〜1000mg/kgの量、好ましくは0.05〜200mg/kg、より好ましくは0.1〜100mg/kgの量を一日1回〜数回に分けて投与することができる。しかし、本発明の目的上、特定の患者に対する具体的な治療的有効量は、達成しようとする反応の種類と程度、場合によっては他の製剤が使用されるかどうかをはじめとした具体的な組成物、患者の年齢、体重、一般的な健康状態、性別及び食事、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、具体的な組成物と共に使用されたり、同時に使用される薬剤をはじめとする多様な因子と医薬分野においてよく知られている類似因子に応じて異なって適用することが望ましい。
【0065】
本発明に係る複合製剤は、さらに薬学的に活性のある別途の成分を含むことができる。
【0066】
本発明の製剤は、粉末形状を含むことができ、固体形態の製剤として製造されることが望ましいが、液体の形態への製造が不可能ではなく、これを権利範囲から排除することはない。
【0067】
本発明の製剤は、個別の治療剤として投与することもでき、他の治療剤と併用して投与することができ、従来の治療法とは、順次または同時に投与することができる。そして、単一または多重投与されてもよい。
【0068】
本発明で使用される用語「投与」とは、任意の適切な方法で患者に本発明の薬学的組成物を導入することを意味し、本発明の組成物の投与経路は、目的とする組織に到達することができる限り、経口または非経口の多様な経路を通じて投与することができる。好ましくは、経口投与であってもよい。本発明に係る製剤は、目的とする投与方法に応じて、多様な剤形に製作することができる。一実施形態において、複合製剤は、カプセル形態であってもよく、硬質カプセルであってもよい。カプセルの素材は、ゼラチンまたはHPMCであり、HPMCであることがより好ましい。
【0069】
投与は、予防的にまたは治療的に実施することができる。
【0070】
本発明の製剤の投与頻度は、特にこれに限定されないが、1日1回投与するか、または容量を分割して数回投与することができる。
【0071】
本発明に係る製剤の投与対象となる個体は、ヒトを含めたすべての動物を意味することができる。前記動物は、ヒトだけでなく、これと類似した症状の治療を必要とする牛、馬、羊、豚、ヤギ、ラクダ、カモシカ、犬、猫などの哺乳動物であってもよいが、これらに限定されない。