(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シェル本体の前記側壁における前記チャンネルの前記少なくとも一つの終端部分は、前記ラグの外径よりも狭い断面エリアを有するラグ保持部分を含み、前記ラグ保持部分は、狭い前記断面エリアを前記ラグが通過する際に抵抗を与える、請求項1に記載のドレンバルブ。
前記シェル本体の前記側壁における少なくとも一つの前記チャンネルは、二つの終端部分を有し、前記二つの終端部分の各々は、閉鎖端部と、水平軸線とを含み、前記水平軸線から角度が付けられた前記傾斜部分は前記二つの終端部分間に配置されており、前記二つの終端部分の各々は、前記ラグの外径よりも狭い断面エリアを有するラグ保持部分を含み、前記ラグ保持部分は、狭い前記断面エリアを前記ラグが通過する際に抵抗を与える、請求項1に記載のドレンバルブ。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の一実施形態による、回転可能な屈曲形の流出口とバルブ部材とを有するドレンバルブの分解斜視図であり、流出口がバルブ部材と一体となっている状態を示す図である。
【
図2】
図1に示されるドレンバルブの実施形態を示す側面図であり、ドレンバルブが閉位置にある状態におけるチャンネルと止めラグとを示す図である。
【
図3】
図1に示されるドレンバルブの実施形態を示す断面図であり、ドレンバルブが閉位置にある状態を示す図である。
【
図4】
図1に示されるドレンバルブの実施形態を示す側面図であり、ドレンバルブが開位置にある状態におけるチャンネルと止めラグとを示す図である。
【
図5】
図1に示されるドレンバルブの実施形態を示す断面図であり、ドレンバルブが開位置にある状態を示す図である。
【
図6】本発明の他の実施形態による、回転可能な屈曲形の流出口とバルブ部材とを有するドレンバルブの分解斜視図である。
【
図7】
図6に示されるドレンバルブの実施形態を示す断面図であり、ドレンバルブが閉位置にある状態を示す図である。
【
図8】
図6に示されるドレンバルブの実施形態を示す断面図であり、ドレンバルブが開位置にある状態を示す図である。
【
図9A】チャンネルの終端部分と止めラグとを示す拡大図であり、チャンネルの一端における止めラグ保持手段を示すと共に、回転可能な環状体が
図9Aの位置から
図9Bの位置に回転する際の保持手段に接するラグを示す図である。
【
図9B】チャンネルの終端部分と止めラグとを示す拡大図であり、チャンネルの一端における止めラグ保持手段を示すと共に、回転可能な環状体が
図9Aの位置から
図9Bの位置に回転する際の保持手段に接するラグを示す図である。
【
図9C】
図1に示されるドレンバルブの実施形態における回転可能な環状体の内部を示す斜視図である。
【
図9D】
図1に示されるドレンバルブの実施形態における回転可能な環状体の内部を示す別の斜視図である。
【
図10A】容器と、この容器の壁面に取り付けられたドレンバルブとを備える、本発明の一実施形態によるシステムを示す正面からの斜視図である。
【
図10B】容器と、この容器の壁面に取り付けられたドレンバルブとを備える、本発明の一実施形態によるシステムを示す底面からの斜視図である。
【
図10C】容器と、この容器の壁面に取り付けられたドレンバルブとを備える、本発明の一実施形態によるシステムを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
[0016]本発明の一実施形態による、回転可能な流出口を有するドレンバルブは、(a)中空のドレン流入口を備え、(i)ドレン流入口は、第1の開放端部と、第2の開放端部と、少なくとも一つの外方に延びるラグを備える外面とを有する中空本体であって、第1の開放端部が或る内径を有する中央開口部を含むフランジを有した、中空体を備えており、また(b)このドレンバルブは、閉鎖された第1の端部と開放された第2の端部とを備えるバルブ部材を備え、(i)閉鎖された第1の端部は、或る外径と、間に環状チャンネルが設けられた少なくとも二つの外方に延びる突出部を含む側壁と、環状チャンネルに配置された弾性リングとを有し、(ii)バルブ部材は、或る外径を有する開放された第2の端部を備える基部を有するバルブ本体であって、少なくとも一つの孔と、環状チャンネルを含む基部側壁とを含むバルブ本体を備え、閉鎖された第1の端部の外径は、開放された第2の端部の外径よりも小さく、フランジの前記中央開口部の前記内径に少なくとも等しく、バルブ部材は、中空のドレン流入口の中空本体内に配置され、中空のドレン流入口内で中空本体の第1の開放端部と前2の開放端部とに向かって軸線方向に移動可能となっている。(c)回転可能な流出口は、中空部材を備え、(i)中空部材は、第1の開放端部と、第2の開放端部と、第1の開放端部と第2の開放端部との間に配置され、間に環状チャンネルが設けられた少なくとも二つの外方に延びる突出部を備える外面とを有し、中空部材は、第1の開放端部と第2の開放端部との間に少なくとも約20度の角度をなしている。さらに、(d)このドレンバルブは、回転可能な環状体を備え、(i)回転可能な環状体は、回転可能な流出口の環状チャンネルに回転可能に配置された内方に突出する環状のリブを含む内面を有する側壁を有するシェル本体を備え、側壁は、ドレン流入口の中空本体の外方に延びるラグを受けるよう貫設された少なくとも一つのチャンネルを備え、チャンネルは、対応のチャンネル壁面と、閉鎖端部と水平軸線とを有する少なくとも一つの終端部分と、水平軸線から角度が付けられた傾斜部分とを有している。回転可能な環状体を回転させることによって、中空本体の外方に延びるラグを、シェル本体の側壁におけるチャンネルに沿って移動させて、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第1の開放端部に向かって、フランジの中央開口部を閉じて中央開口部を通る流体の流れを阻止する第1の位置へと軸線方向に移動することができるようにすると共に、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第2の開放端部に向かって、中空のドレン流入口と回転可能な流出口とを流体が流れるようにする第2の位置に軸線方向に移動することができるようにし、また、回転可能な流出口は、バルブ部材の第1の位置と第2の位置とに影響を与えることなく回転可能な環状体から独立して回転され得るようになっている。
【0007】
[0017]一実施形態において、シェル本体の側壁におけるチャンネルの少なくとも一つの終端部分は、ラグの外径よりも狭い断面エリアを有するラグ保持部分を含み、ラグ保持部分は、狭い断面エリアをラグが通過する際に抵抗を与える。より好適な実施形態においては、シェル本体の側壁における少なくとも一つのチャンネルは、二つの終端部分を有し、これらの終端部分の各々は、閉鎖端部と、水平軸線とを含み、水平軸線から角度が付けられた傾斜部分は二つの終端部分間に配置されており、二つの終端部分の各々は、ラグの外径よりも狭い断面エリアを有するラグ保持部分を含み、ラグ保持部分は、狭い断面エリアをラグが通過する際に抵抗を与える。
【0008】
[0018]一実施形態において、バルブ部材の閉鎖された第1の端部はドーム形状である。
【0009】
[0019]幾つかの実施形態においては、バルブ本体と回転可能な本体とは一体ユニットである。
【0010】
[0020]流体を処理するためのシステムの実施形態は、回転可能な流出口を有するドレンバルブの実施形態と、流体を収容するのに適した内部容量部を有する密閉容器とを備え、この容器は、底板と、上板と、上板と底板とに接合された少なくとも一つの側壁と、少なくとも一つの入口ポートと、底板に配置されたドレンバルブとを備え、ドレンバルブの中空のドレン流入口フランジが容器の底板に接合されている。
【0011】
[0021]他の実施形態では、ドレンバルブを操作する方法が提供される。ここで、ドレンバルブは(a)中空のドレン流入口を備え、(i)ドレン流入口は、第1の開放端部と、第2の開放端部と、少なくとも一つの外方に延びるラグを備える外面とを有する中空本体であって、第1の開放端部が或る内径を有する中央開口部を含むフランジを有した、中空体を備えており、また(b)このドレンバルブは、閉鎖された第1の端部と開放された第2の端部とを備えるバルブ部材を備え、(i)閉鎖された第1の端部は、或る外径と、間に環状チャンネルが設けられた少なくとも二つの外方に延びる突出部を含む側壁と、環状チャンネルに配置された弾性リングとを有し、(ii)バルブ部材は、或る外径を有する開放された第2の端部を備える基部を有するバルブ本体であって、少なくとも一つの孔と、環状チャンネルを含む基部側壁とを含むバルブ本体を備え、閉鎖された第1の端部の外径は、開放された第2の端部の外径よりも小さく、フランジの前記中央開口部の前記内径に少なくとも等しく、バルブ部材は、中空のドレン流入口の中空本体内に配置され、中空のドレン流入口内で中空本体の第1の開放端部と前2の開放端部とに向かって軸線方向に移動可能となっている。(c)回転可能な流出口は、中空部材を備え、(i)中空部材は、第1の開放端部と、第2の開放端部と、第1の開放端部と第2の開放端部との間に配置され、間に環状チャンネルが設けられた少なくとも二つの外方に延びる突出部を備える外面とを有し、中空部材は、第1の開放端部と第2の開放端部との間に少なくとも約20度の角度をなしている。さらに、(d)このドレンバルブは、回転可能な環状体を備え、(i)回転可能な環状体は、回転可能な流出口の環状チャンネルに回転可能に配置された内方に突出する環状のリブを含む内面を有する側壁を有するシェル本体を備え、側壁は、ドレン流入口の中空本体の外方に延びるラグを受けるよう貫設された少なくとも一つのチャンネルを備え、チャンネルは、対応のチャンネル壁面と、閉鎖端部と水平軸線とを有する少なくとも一つの終端部分と、水平軸線から角度が付けられた傾斜部分とを有している。回転可能な環状体を回転させることによって、中空本体の外方に延びるラグを、シェル本体の側壁におけるチャンネルに沿って移動させて、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第1の開放端部に向かって、フランジの中央開口部を閉じて中央開口部を通る流体の流れを阻止する第1の位置へと軸線方向に移動することができるようにすると共に、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第2の開放端部に向かって、中空のドレン流入口と回転可能な流出口とを流体が流れるようにする第2の位置に軸線方向に移動することができるようにし、また、回転可能な流出口は、バルブ部材の第1の位置と第2の位置とに影響を与えることなく回転可能な環状体から独立して回転され得るようになっている。そして、本方法は、回転可能な環状体を回転させると共に、中空本体の外方に延びるラグを、シェル本体の側壁におけるチャンネルに沿って移動させて、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第1の端部に向かって、フランジの中央開口部を閉じて中央開口部を通る流体の流れを阻止する第1の位置に軸線方向に移動することができるようにし、及び/又は、バルブ部材が、中空のドレン流入口の第2の端部に向かって、中空のドレン流入口と回転可能な流出口とを流体が流れるようにする第2の位置に軸線方向に移動することができるようにすることを含み、また、本方法は、付随的に、回転可能な流出口を回転可能な環状体から独立して回転させることをさらに含む。
【0012】
[0022]流出口が一つの向きに固定され、おそらくは適切な流体排出を可能にする
他に付加的な部品及び/又は付加的な配管を使用しなければならない従来のドレンバルブに対し、回転可能な屈曲形の流出口を有するドレンバルブを使用することによって、付加的な配管及び/又は部品がなくとも、配管を正確な位置に容易に配することができることは有効である。加えて、幾つかの状況におい
ては、付加的な配管及び/又は部品を接続することは漏れの可能性を生じさせるが、この漏れは、回転可能な屈曲形流出口を有するドレンバルブを使用することで避けられ得る。
【0013】
[0023]さらに、回転可能な屈曲形の流出口を有するドレンバルブの使用は、配管の縺れ及び/又は詰まった曲げの可能性を減らすと共に、ドレン時間を速くすることができる。
【0014】
[0024]本発明の実施形態は、特に、シングルユースのバイオリアクタバッグのようなシングルユースシステムに適している。
【0015】
[0025]本発明の実施形態に従って、様々な流体(特に液体)に対して処理及び/又は調製(混合を含む)を行うことができる。流体の調製、特に製薬及びバイオ医薬品製造における溶液及び懸濁液の調製は、典型的には、製品における成分の所望の分布を得るための完全な混合を含むものである。本発明の実施形態の用途としては、例えば、細胞培養(例えば、懸濁及び接着細胞株のバッチおよび流加処理を含む)、製薬及びバイオ医薬品製造のための滅菌流体(薬品、ワクチン及び静脈内補液、抗体及び/又はタンパク質含有流体を含む)の調製、及び/又は食品及び飲料産業のための流体の調製がある。本発明の実施形態によって処理され及び/又は調製された流体は、例えば、メディア及び/又はバッファ(例えばクロマトグラフィバッファ)として用いられることもできる。
【0016】
[0026]次に、本発明の構成要素の各々について詳細に説明する。なお、同様な構成要素には同じ参照符号を付すこととする。
【0017】
[0027]
図1〜
図8、特に
図1、
図3及び
図6〜
図8は、中空のドレン流入口100と、バルブ部材200と、回転可能な流出口300と、回転可能な環状体400とを備えるドレンバルブ1000の例示的実施形態を示している。以下に詳細に述べるように、回転可能な環状体400を回すと、バルブ部材200は、流体流がバルブを通る流体の流れを阻止する第1の位置1と、流体がバルブを流通することを可能とする第2の位置2との間で、バルブ内で上下に軸線方向に移動可能となっており、回転可能な流出口300は、バルブ部材200の第1の位置と第2の位置とに影響を与えることなく、(例えばバルブ部材200の軸線方向移動に対して垂直な、矢印「A」で示すように)回転可能である。言い換えれば、バルブ部材が第1の位置にある場合、回転可能な流出口を回転させても、流体がバルブを流通するということにはならず、バルブ部材が第2の位置にある場合、回転可能な流出口を回転させても、液体がバルブを流通すること阻止するということにはならない。
【0018】
[0028]これらの図において、図示の中空のドレン流入口100は、第1の開放端部101と、第2の開放端部102と、中央管腔105とを有する中空本体140を備える。この中空本体140は、一つ以上のラグ125を含む外面120を有し、ラグ125は外径125aを有する。第1の開放端部101は、上面151(例えば流体と接する面)と、下面152(例えば容器の内壁面に取り付けるための面)とを有するフランジ150を更に備え、このフランジは、第1の開放端部101を形成する、内径155aを有する中央開口部155を含む。フランジ150は、(
図10に示されるようなドレンバルブを含むシステムの実施形態において)容器の滞留容積を効果的に減じ及び/又は効果的に混合を行うために、容器の壁面と本質的に面一となる上面を有するものとし図示されている。
【0019】
[0029]図示のバルブ部材200は、第1の閉鎖端部201と、第2の開放端部202とを備える。第1の閉鎖端部は、(例えば、容器が排液されている際に及び/又は媒体(例えば粉体)が混合されている場合に、媒体の沈殿を減じるために)ドーム形状を有するものとして示されている上面251を有する。また、第1の閉鎖端部は、外径225と、間に環状のチャンネル212を形成する外方に延びる突出部211a,211bを含む側壁210とを有する。チャンネル212には、弾性リング213が配置される。図示のバルブ部材200は、上面251を有する基部250を持つバルブ本体230を備えている。基部250は第2の開放端部202を含む。第2の開放端部は、外径245と、側壁240とを有し、側壁240は環状のチャンネル242を含み、そのチャンネル242に弾性リング243が配置される。バルブ本体230は少なくとも一つの孔、図示実施形態においては第2の端部202の開口202aと連通する側部切欠き231a,231bを含んでいる。
【0020】
[0030]以下で詳しく述べるように、
図1、
図3及び
図5に示される実施形態においては、バルブ部材200のバルブ本体
230は回転可能な流出口300と一体とされており、可動一体ユニット500を構成している(弾性リング213及び243はチャンネル212及び242に後に配置され得る)。
【0021】
[0031]或いは、
図6〜
図8に示すように、バルブ部材200は、(回転可能な流出口300の)リップ301aを受けるように構成された溝253を含む下面252を有するものとしてもよく、リップは、バルブ部材が流出口と共に動くようにバルブ本体230の基部250の溝253内に固定的に嵌合されるように構成されるとよい。この場合、バルブ部材200は回転可能な流出口300とは一体的ではない。
【0022】
[0032](第1の端部201の)外径は、(第2の端部202の)外径245よりも小さく、中空のドレン流入口100の内径155aと少なくとも等しく、ある実施形態においては大きい。外径225のサイズは、内径155aの部分を封止するために十分であり、また、そこを液体が流れるのを防止するために十分である。
【0023】
[0033]使用時、バルブ部材200は、中空のドレン流入口の中央管腔105内に配置され、第1の位置1と第2の位置2との間でバルブ1000内で軸線方向に移動可能である。
【0024】
[0034]図示の回転可能な流出口300は、第1の開放端部301と、第2の開放端部302と、中央管腔305と、外面310とを有する中空部材320を備え、外面310は、端部301,302の間に配置され外方に延びる突出部311a,311bを有し、それらの突出部間に環状のチャンネル312が形成されている。中空部材320は、第1の端部と第2の端部との間に少なくとも約20度の角度を有するが、適当な角度を持たせることもでき、図では約100度の角度を有するように示されている。
【0025】
[0035]所望ならば、流出口は、例えば、外方に延びる垂直突出部320a,320bを有するものとすることができ、好ましくは、かかる突出部の一端は、例えば外方に延びる突出部311a,311bに強度を与えるために及び/又は回転可能な環状体がドレンバルブ上の適正な位置に確実に組み込まれるようにするために、突出部311a,311bと接するものとすることができる。
【0026】
[0036]所望ならば、例えば
図1、
図3及び
図5に示すように、バルブ部材200は、可動一体ユニット500を構成するために回転可能な流出口300と一体となり、バルブ部材が第1の位置1と第2の位置2との間にて軸線方向に移動したときに、流出口も第1の位置1と第2の位置2との間で軸線方向に移動するようにする。例としては、バルブ部材と回転可能な流出口とは、単一の一体ユニットとして射出成形され得る。
【0027】
[0037]或いは、
図6〜
図8に示されるように、第1の開放端部301は、バルブ本体230の基部250の溝253に固定的に嵌合されるよう配置されたリップ301aをさらに含み、バルブ部材が第1の位置1と第2の位置2との間で軸線方向に移動したときに、流出口も第1の位置1と第2の位置2との間で軸線方向に移動するようになっている。
【0028】
[0038]図示の回転可能な環状体400は、側壁440を有するシェル本体430を備える。好ましくは、シェル本体は、シェル本体を構成するよう組み合わされた複数の部分からなり、図示実施形態においては、部分435a,435bがシェル本体を形成するよう互いに係合されている。所望ならば、(例えば、製造コストを低減するために)これらの部分は同一とすることができる。
【0029】
[0039]当該技術分野で知られているように、部分435a,435bは互いに係合するための様々な形態を有することができる。図示実施形態(
図9A〜
図9D参照)において、これらの部分は、(例えば、所定の部分の一部に沿って)リップ414を有するフィンガ413を備え、このリップ414を有するフィンガ413は、(例えば、他方の部分の一部に沿う)対応のスロット416及び穴417と係合する。
【0030】
[0040]シェル本体の側壁440は、内面409及び外面410と、ドレン流入口の中空本体の外方に延びるラグ125を受けるための、側壁に貫設された少なくとも一つのチャンネル412とを含み、ドレン流入口のラグはチャンネル内で移動可能となっている。図示実施形態において、側壁440は二つのチャンネル412a,412bを有し(部分435aはチャンネル412aを有し、部分435bはチャンネル412bを有する)、ドレン流入口のラグ125が対応のチャンネル内で移動可能となっている。
【0031】
[0041]側壁440の内面409は、回転可能な流出口の環状チャンネル312に回転可能に配置される内方に突出した環状リブ415を有している。典型的には、環状体がバルブ部材/回転可能な流出口に組み合わされたときに、環状チャンネル312を実質的に占有するよう、環状リブ415は寸法(例えば高さ及び/又は幅)が定められている。図示実施形態において、各部分435a,435bは、環状リブ415の一部分を含んでおり、その各々はピンと開口を有し、リブの一方の部分のピンはリブの他方の部分の開口に嵌合される(例えば、
図9C〜
図9Dを参照)。
【0032】
[0042]図示のチャンネル412a,412bの各々は、対応のチャンネル壁面と、閉鎖端部及び水平軸線を有する少なくとも一つの終端部分と、水平軸線から角度が付けられた傾斜部分とを有している。幾つかの実施形態(例えば
図2、
図9A及び
図9B参照)において、各チャンネルは、閉鎖端部401c,402cを有する第1の終端部分401a,402aと、閉鎖端部406c,407cを有する第2の終端部分401b,402bとを有し、これらの終端部分間に傾斜部分404,405がある。図示実施形態(例えば
図2、
図9A及び
図9B参照)において、チャンネルにおける傾斜部分404,405の壁面404a,405a;404b,405bは互いに実質的に平行であり、壁面401d,402d;401e,402e(終端部分401
a,402
a)及び側壁面401f,402f;401g,402g(終端部分40
1b,40
2b)は互いに実質的に平行である。傾斜部分は、水平軸線から例えば約20°/160°から約40°/120°までの適当な角度として設けられることができ、他の角度でもよい。
【0033】
[0043]所望ならば、環状体は、オペレータによる使用をさらに容易化するよう構成され得る。例えば、外面410は、オペレータによる把持と回転とを容易化するために、刻み付きの面を有するものとすることができる。
【0034】
[0044]使用時、オペレータが回転可能な環状体400を回すと、中空本体における外方に延びるラグ125がシェル本体の側壁におけるチャンネルに沿って移動することができ、それによって、バルブ部材200が、空のドレン流入口の第1の端部101の方向に、フランジの中央開口を閉じてそこを通る流体の流れを阻止する第1の位置1まで軸線方向に移動することができるようにすると共に、バルブ部材200が、(
図2に示される「B」方向に環状体400を回したとき)中空のドレン流入口の第1の端部101の方向に、中空のドレン流入口と回転可能の流出口とに流体を流す第2の位置2まで軸線向に移動することができるようにする(回転可能な流出口300は一方の位置から他方の位置にバルブ部材200と共に軸線方向に移動する)。また、回転可能な環状体400における内方に突出した環状のリブ415が回転可能な流出口300の環状チャンネル312内に回転可能に配置されているので、回転可能な流出口300は、バルブ部材の第1の位置又は第2の位置に影響を与えることなく、回転可能な環状体400とは独立して回転され得る(例えば360度)。
【0035】
[0045]所望ならば、例えば、触感によるフィードバックがオペレータに与えられるように、及び/又は、ドレンバルブの偶発的な作動(開閉)を減ずるために、シェル本体の側壁におけるチャネルの終端部分はそれぞれ、ラグ125の外径125aよりも狭い断面エリアを有するラグ保持部分126を備え、このラグ保持部分は、ラグが狭い断面エリアを通過する際に抵抗を与える(
図9A及び
図9B)。オペレータは、ラグがチャンネルの傾斜部分からチャンネルの終端部分(又はいずれかの終端部分)に移動するときに抵抗の変化を認識することができる。加えて、ラグ保持部分にてチャンネルの対応の壁面間の距離はラグの外径125aより小さいの、ラグは終端部分から容易には回して出すことができない。
【0036】
[0046]所望ならば、ドレンバルブは、組み立てられた、すなわちキットの形態で設けられ得る。例えば、(チャンネルに弾性リング213及び243が配置された)一体ユニット500、部分435a,435b、フランジ150を含むドレン流入口100は、好ましくはクリーンルームにおいて作られ、ダブルバッグに配置され、滅菌(例えばガンマ照射により)され得る。その後、構成要素は、組み立てられ、容器に取り付けられることができる。
【0037】
[0047]様々な材料がバルブの構成要素に適しており、当業者に知られている。好ましくは、処理されるであろう流体と接触するこれらの材料は、ビスフェノールA(BPA)を有さないもの、例えば、ポリエステル(PES)(例えば、ポリエチレンブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)及びポリスルホン(PSU)のような射出成形されたPES)、軟質ゴム、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン(例えば、シリコーン8701)(例えば、約65〜約75のショア硬さを有するシリコーン、軟質ゴム及びTPE)及び高密度プラスチック(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)のような高密度射出成形プラスチック)を有さないものである。
【0038】
[0048]ドレンバルブがプラスチックバッグフィルムに結合される実施形態において、フランジは、プラスチックフィルムに結合されるのに適している(高密度ポリエチレン(HDPE)のような)高密度射出成形プラスチックから形成されることが好適である。
【0039】
[0049]本発明の実施形態は、任意の適当な容積を有する様々な容器と使用するのに適しており、特に少なくとも約500Lの内部容積を有する可撓性(例えば、プラスチック)容器に適している。
【0040】
[0050]他の実施形態では、容器(例えばバイオ容器又はバイオ処理容器)と、この容器の壁面に取り付けられるドレンバルブとからなるシステムが提供される。
【0041】
[0051]
図10A〜
図10Cは、本発明の一実施形態によるシステム2000(例えば混合システム及び/又は細胞培養システム)の各種の図を示しており、このシステム2000は、(流体を内包するのに適した内部容積を有する)密閉容器2100と、この容器の底板に取り付けられたドレンバルブ1000とを備えている。図示の密閉されたバイオ容器又はバイオ処理容器2100は、底板2101と、上板2102と、互いに対向する側壁2103,2104及び側壁2105,2106とを備え、少なくとも一つの入口2150と、
図10Cに示すようにドレンポート2152(このドレンポートにはドレンバルブが取り付けられ、このドレンバルブの中空ドレン流入口のフランジは底板2101の内面に取り付けられる)とを含み、底板2101にはアジテーター2500も取り付けられている。アジテーターは、容器の内部容積部に配置された回転羽根と、底板の内面と外面とに取り付けられたアジターターハウジング構成要素とを備えている。
【0042】
[0052]バイオ容器(又はバイオ処理容器)は、可撓性(例えば、プラスチック)であり、任意の適切な形(例えば、円筒形(例えば、単一の連続する側壁を有する円筒形)、四角形、又は矩形)を有することができ、
図10A〜
図10Cにおいては、複数の側壁を有する略矩形の立方形を有するものとして示されている。
【0043】
[0053]容器の実施形態は、任意の適切な数と位置のポート(例えば、以下のポートのいずれか一つ以上:すなわち、液体入口ポート、ガス入口ポート、ガス出口ポート、粉体入口ポート、酸/基剤入口ポート、プローブポート及び/又は試料ポートのいずれか一つ以上)を有するものとすることができる。
【0044】
[0054]本書で引用されている、出版物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、それぞれの参考文献が参照により組み込まれることが個別に及び具体的に示された場合並びに本書に全体が記述された場合と同程度に、参照により本書に組み込まれる。
【0045】
[0055]本発明を説明する文脈における(特に、以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」並びに「the」並びに「少なくとも1つ」並びに同様の指示語の使用は、本書中に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈すべきである。1つ又は複数の項目のリストに続いて用語「少なくとも1つの」の使用(例えば、「A及びBの内の少なくとも1つ」)は、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り、列挙した項目から選択される1項目(A若しくはB)又は列挙した項目の内の2つ以上の任意の組合せ(A及びB)を意味すると解釈すべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」及び「含有する(containing)」は、別段の注記がない限りオープンエンド用語(即ち、「含むが限定されない」を意味する)として解釈すべきである。本書中における値の範囲の記述は、本書中に別段の指示がない限り、範囲内にあるそれぞれ別々の値に個別に言及する簡便な方法として役立つことを意図しているだけであり、それぞれ別々の値は、それらの値が本書中に個別に記述されているかのように本書に組み込まれる。本書に記載した全ての方法を、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り任意の適切な順序で実施することができる。本書に示した任意の及び全ての例、又は例示的な言葉(例えば「等」)の使用は、本発明をより明らかにすることを意図しているだけであり、別段の主張がない限り本発明の範囲に制限を加えるものではない。本書中の言葉は、本発明の実施に不可欠な任意の非請求要素を示すと解釈すべきではない。
【0046】
[0056]本発明を実施するための、本発明者らに既知である最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態が本書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の記載を読むことにより当業者に明らかになることができる。本発明者らは、当業者が必要に応じてそのような変形を用いることを予期しており、本発明者らは、本発明が本書に具体的に記載したのとは別の方法で行なわれることを意図する。従って、本発明は、準拠法により許容されているように、本書に添付した特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変形及び等価物を含む。更に、全ての可能な変形における前述した要素の任意の組み合わせは、本書に別段の指示がない又は文脈に明らかに矛盾しない限り本発明に包含される。