【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の幾つかの実施形態に係わるグリル取付構造は、
車両の車幅方向に配設される長手形状のバンパに形成された開口部にグリルを取り付けるグリル取付構造であって、
前記バンパの前記開口部の長手方向中央に対して両側に設定された基準位置の夫々に設けられた一対の被取付部と、
前記グリルの長手方向両側に設けられ、前記一対の被取付部の夫々に対して弾性的に取付可能な一対の取付部と、
前記バンパの長手方向に対して交差する方向に沿って前記開口部の両側に前記一対の取付部と並ぶように夫々設けられた一対の被固定部と、
前記グリルの長手方向両側に設けられ、非固定時に前記バンパに対して相対移動可能なように、前記一対の被固定部に対して固定可能な一対の固定部と、
を備えるように構成される。
【0011】
上記(1)に記載のグリル取付構造は、バンパの前記開口部の長手方向中央に対して両側に設定された基準位置の夫々に設けられた一対の被取付部と、グリルの長手方向両側に設けられ、一対の被取付部の夫々に対して弾性的に取付可能な一対の取付部と、バンパの長手方向に対して交差する方向に沿って開口部の両側に前記一対の取付部と並ぶように夫々設けられた一対の被固定部と、グリルの長手方向両側に設けられ、非固定時に前記バンパに対して相対移動可能なように、一対の被固定部に対して固定可能な一対の固定部と、を備える。一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、一対の取付部は弾性的に一対の被取付部に取り付けられる。ここで、一対の取付部間の寸法に誤差がある場合、この誤差を含む一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、一対の取付部は一対の被取付部間の寸法と同一寸法になるように弾性変形する。そして、この状態で、一対の固定部を一対の被固定部に対して固定すると、一対の取付部間の寸法の誤差が吸収された状態でバンパをグリルの開口部に固定することができる。よって、バンパに対するグリルの取付時にグリルの寸法精度の誤差の影響を効果的に軽減可能なグリル取付構造を実現できる。
【0012】
(2)幾つかの実施形態では、
前記一対の被取付部は、前記バンパの裏面から突設された突出部を有し、
前記一対の取付部は、前記突出部を嵌合可能に構成されている。
【0013】
上記(2)に記載の実施形態によれば、一対の被取付部は、バンパの裏面から突設された突出部を有する。そして、一対の取付部は、突出部を嵌合可能に構成されている。このため、一対の取付部は突出部に弾性的に嵌合される。このため、一対の取付部間の寸法に誤差がある場合、この誤差を含む一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、一対の取付部は突出部に密着した状態で取り付けられるので、突出部に対して取付部の位置に誤差があると、取付部が容易に弾性変形する。従って、グリルの寸法精度の誤差の影響をより効果的に軽減することができる。
【0014】
(3)幾つかの実施形態では、
前記一対の被取付部は、前記バンパの長手方向に沿って延びる板状の基部と、前記基部の上面から突出して前記バンパの裏面側へ延びる係止片と、を備え、
前記一対の取付部は、前記被取付部を挿通可能な係合孔部と、前記係止片の左右両側から前記係止片を弾性的に保持するように前記係合孔部の上部の周縁に設けられた一対の保持部と、前記係合孔部の下部の周縁から突設されて前記基部の下面に接触可能な係止突起部と、を備えるように構成される。
【0015】
上記(3)に記載の実施形態によれば、一対の被取付部は、バンパの長手方向に沿って延びる板状の基部と、前部の上面から突出して前記バンパの裏面側へ延びる係止片と、を備える。そして、一対の取付部は、被取付部を挿通可能な係合孔部と、係止片の左右両側から係止片を弾性的に保持するように係合孔部の上部の周縁に設けられた一対の保持部と、係合孔部の下部の周縁から突設されて前記基部の下面に接触可能な係止突起部とを備える。
一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、係止片が一対の保持部間に弾性的に保持される。このため、一対の取付部間の寸法に誤差がある場合、この誤差の大きさに応じて係止片を介して一対の保持部のいずれかが弾性変形する。したがって、寸法誤差の大きさに係らずにグリルの寸法精度の誤差の影響をより効果的に軽減することができる。また、被取付部は、基部の上面に係止片が突出するように構成されているので、一対の保持部が段専制的に接触する係止片の剛性を向上することができる。
【0016】
(4)幾つかの実施形態では、
前記一対の被固定部は、前記バンパに設けられたスクリューであり、
前記一対の固定部は、前記スクリューに対して締結可能に構成されている。
【0017】
上記(4)に記載の実施形態によれば、一対の被固定部は、バンパに設けられたスクリューである。そして、一対の固定部は、スクリューに対して締結可能に構成されている。スクリューは固定部に締結されるので、スクリュー及び固定部によって、グリルをバンパに固定することができる。
【0018】
(5)幾つかの実施形態では、
前記一対の固定部は、前記スクリューが挿通可能であり、且つ前記スクリューの直径よりも大きな内径を有した穴部を備えるように構成される。
【0019】
上記(5)に記載の実施形態によれば、一対の固定部は、スクリューが挿通可能であり、且つスクリューの直径よりも大きな内径を有した穴部を備える。固定部は、スクリューの直径よりも大きな内径を有した穴部を備えるので、スクリューを穴部に挿入する際に、スクリューと穴部との相対位置がずれていても、スクリューを穴部に容易に挿入することができる。
【0020】
(6)幾つかの実施形態では、
前記一対の取付部の夫々は、対応する固定部よりも下方位置に設けられているように構成される。
【0021】
上記(6)に記載の実施形態によれば、一対の取付部の夫々は、対応する固定部よりも下方位置に設けられている。このため、バンパの開口部に対するグリルの上下方向の位置決めを行う際に、グリルの上方位置を基準にしてグリルの上下方向の位置決めを行うことができる。
【0022】
(7)幾つかの実施形態では、
前記一対の取付部及び前記一対の固定部は、対応するそれぞれが前記バンパの長手方向に対して垂直な方向に沿って並んで設けられているように構成される。
【0023】
上記(7)に記載の実施形態によれば、一対の取付部及び一対の固定部は、対応するそれぞれがバンパの長手方向に対して垂直な方向に沿って並んで設けられている。このため、バンパの長手方向の同位置で取付部の嵌合及び固定部の締結がされるので、バンパに対するグリルの位置決め精度を向上することができる。
【0024】
(8)幾つかの実施形態では、
前記バンパの長手方向両側には、フォグベゼルが装着され、
前記バンパの前記開口部は、前記バンパの長手方向両側に設けられた前記フォグベゼル間に設けられ、
前記開口部に取り付けられたグリルと前記グリルの両側に配設された前記フォグベゼル間との間には、隙間が形成されているように構成される。
【0025】
上記(8)に記載の実施形態によれば、バンパの長手方向両側には、フォグベゼルが装着される。そして、バンパの開口部は、バンパの長手方向両側に設けられたフォグベゼル間に設けられる。そして、開口部に取り付けられたグリルとグリルの両側に配設されたフォグベゼル間との間には、隙間が形成される。バンパの開口部にグリルを取り付けたときに、グリルのバンパ長手方向両側に設けられたフォグベゼルとグリルとの間の隙間の大きさがバンパ長手方向両側で異なる場合、バンパの開口部に対するグリルのバンパ長手方向位置を移動させることで、バンパ長手方向両側の隙間の幅を同一にすることができる。このため、グリルと隣り合うフォグベゼルとの間に形成される隙間が左右対称となり、この隙間が大きく目立つことがなく、グリル取付後のバンパの美観が損なわれる虞を防止することができる。
【0026】
(9)幾つかの実施形態では、
前記請求項1から8のいずれかに記載のグリル取付構造を備える車両である。
【0027】
上記(9)に記載の実施形態によれば、請求項1から8のいずれかに記載のグリル取付構造を備える車両である。このため、バンパに対するグリルの取付時にグリルの寸法精度の影響を効果的に軽減可能であり、またバンパの美観を確保可能な車両を実現できる。
【0028】
(10)本発明の幾つかの実施形態に係わるグリル取付方法は、
車両の車幅方向に配設される長手形状のバンパに形成された開口部にグリルを取り付けるグリル取付方法において、
前記バンパの前記開口部の長手方向中央に対して両側に設定された基準位置の夫々に設けられた一対の被取付部と、
前記グリルの長手方向両側に設けられ、前記一対の被取付部の夫々に対して弾性的に取付可能な一対の取付部と、
前記バンパの長手方向に対して交差する方向に沿って前記開口部の両側に前記一対の取付部と並ぶように夫々設けられた一対の被固定部と、
前記グリルの長手方向両側に設けられ、非固定時に前記バンパに対して相対移動可能なように、前記一対の被固定部に対して固定可能な一対の固定部と、を備えてなる前記バンパ及び前記グリルのグリル取付方法であって、
前記一対の取付部を前記一対の被取付部に取り付ける取付工程と、
前記取付工程の後に行われ、一対の固定部を前記一対の被固定部に取り付ける固定工程と、を含む。
【0029】
上記(10)に記載のグリル取付方法は、取付工程と固定工程とを備えることで、取付工程によって一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、一対の取付部は弾性的に一対の被取付部に取り付けられる。ここで、一対の取付部間の寸法に誤差がある場合、この誤差を含む一対の取付部を一対の被取付部に取り付けると、一対の取付部は一対の被取付部間の寸法と同一寸法になるように弾性変形する。そして、この状態で、固定工程によって一対の固定部を一対の被固定部に対して固定すると、一対の取付部間の寸法の誤差が吸収された状態でバンパをグリルの開口部に固定することができる。よって、バンパに対するグリルの取付時にグリルの寸法精度の誤差の影響を効果的に軽減可能なグリル取付方法を実現できる。