(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6658560
(24)【登録日】2020年2月10日
(45)【発行日】2020年3月4日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 29/74 20060101AFI20200220BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20200220BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20200220BHJP
【FI】
H01L29/74 G
H01L27/04 H
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-4644(P2017-4644)
(22)【出願日】2017年1月13日
(65)【公開番号】特開2018-113419(P2018-113419A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 隆司
(72)【発明者】
【氏名】山田 明
(72)【発明者】
【氏名】中山 喜明
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 晋也
【審査官】
杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第07027277(US,B1)
【文献】
特表2002−524879(JP,A)
【文献】
特開2014−165245(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/74
H01L 29/732
H01L 21/331
H01L 27/04
H01L 21/822
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の主電極が半導体層の表面に設けられている半導体装置であり、
前記半導体層は、
前記半導体層の表面に露出する第1導電型の第1ウェル領域と、
前記第1ウェル領域に囲まれているとともに前記一対の主電極の一方に接続している第2導電型のカソード領域と、
前記半導体層の表面に露出しているとともに前記第1ウェル領域に隣接している第2導電型の第2ウェル領域と、
前記第2ウェル領域に囲まれているとともに前記一対の主電極の他方に接続している第1導電型のアノード領域と、
を備えており、
前記半導体層の表面と裏面を結ぶ方向において、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域が重複している重複部が設けられており、
前記重複部において、前記第1ウェル領域と前記第2ウェル領域がスーパージャンクション構造を構成しているとともに、前記半導体層の表面に前記第1ウェル領域が設けられており、
前記半導体層の表面と裏面を結ぶ方向において、前記第1ウェル領域が複数回出現しており、
複数の前記第1ウェル領域のうち、前記半導体層の表面に位置する前記第1ウェル領域が、最も前記アノード領域側まで伸びている半導体装置。
【請求項2】
前記重複部における前記第1ウェル領域の不純物濃度が、前記第1ウェル領域の他の部分の不純物濃度より濃い請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記重複部における前記第2ウェル領域の不純物濃度が、前記第2ウェル領域の他の部分の不純物濃度より濃い請求項1または2に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、半導体装置に関する。特に、本明細書は、サイリスタ構造を備える横型の半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、サイリスタ構造を備える横型の半導体装置が開示されている。特許文献1の半導体装置では、半導体層は、n
−型半導体層の表面に露出するp型ウェル領域と、p型ウェル領域に囲まれているn
+型のカソード領域と、n
−型半導体層の表面に露出しているとともにp型ウェル領域に隣接しているn型ウェル領域と、n型ウェル領域に囲まれているp
+型のアノード領域を備えている。特許文献1の半導体装置では、n型ウェル領域とp型ウェル領域が、アノード領域とカソード領域の中間部分で接触している。すなわち、n型ウェル領域のアノード領域側端面とp型ウェル領域のカソード領域側端面が面接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−165245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の半導体装置では、アノード領域とカソード領域の間に存在する領域(n型ウェル領域とp型ウェル領域)が、サイリスタのドリフト領域として機能する。そのため、特許文献1の半導体装置で高耐圧を実現するためには、ドリフト領域のサイズ(アノード領域とカソード領域の距離)を増大し、半導体装置を大型化することが必要である。本明細書は、サイリスタ構造を備える横型半導体装置において、装置サイズを増大させることなく高耐圧化を実現する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する半導体装置は、横型であり、一対の主電極が半導体層の表面に設けられている。半導体層は、半導体層の表面に露出する第1導電型の第1ウェル領域と、第1ウェル領域に囲まれているとともに一対の主電極の一方に接続している第2導電型のカソード領域と、半導体層の表面に露出しているとともに第1ウェル領域に隣接している第2導電型の第2ウェル領域と、第2ウェル領域に囲まれているとともに一対の主電極の他方に接続している第1導電型のアノード領域を備えていてよい。この半導体装置では、半導体層の表面と裏面を結ぶ方向において、第1ウェル領域と第2ウェル領域が重複している重複部が設けられてよい。また、重複部において、第1ウェル領域と第2ウェル領域がスーパージャンクション構造を構成していてよい。
【0006】
上記半導体装置では、ドリフト領域(アノード領域とカソード領域の間の領域)に、第1ウェル領域と第2ウェル領域が深さ方向(半導体層の表裏面を結ぶ方向)で重複する重複部が設けられている。重複部では、第1ウェル領域と第2ウェル領域がスーパージャンクション構造を構成しており、逆バイアス条件において、アバランシェ現象によって半導体層の深部にも多くのキャリアが生成される。そのため、半導体装置がオンしたときに、半導体層の表面だけでなく、半導体層の深部にも電流が流れる。すなわち、半導体層の表層に電流が集中して流れることを抑制することができる。半導体層の局所(表層)に電流が集中すると、半導体装置が電流の増加に伴って電圧が上昇しない状態(負特性)になりやすくなる。半導体装置が負特性になると、サージ等に対する耐圧が低下する。上記半導体装置は、半導体層の表層に電流が集中することが抑制されるので、ドリフト領域のサイズ(半導体装置のサイズ)を増大させることなく、耐圧を向上させることができる。
【0007】
重複部における第1ウェル領域の不純物濃度が、第1ウェル領域の他の部分の不純物濃度より濃くてよい。また、重複部における第2ウェル領域の不純物濃度が、第2ウェル領域の他の部分の不純物濃度より濃くてもよい。逆バイアス条件において、重複部でさらに多くのキャリアを生成することができる。ドリフト領域の表層の電流集中をさらに緩和することができる。
【0008】
重複部において、半導体層の表面に第1ウェル領域が設けられていてよい。すなわち、重複部において、第2ウェル領域は、半導体層の表層に露出しておらず、1ウェル領域の下方(裏面側)に設けられていてよい。半導体層の表面に設けられているカソード領域から第2ウェル領域までの距離を長くすることができ、カソード領域と第2ウェル領域の間の電流集中を緩和することができる。
【0009】
重複部において半導体層の表面に第1ウェル領域が設けられている場合、半導体層の表面と裏面を結ぶ方向において、第1ウェル領域が複数回出現していてよい。この場合、複数の第1ウェル領域のうち、半導体層の表面に位置する第1ウェル領域が、最もアノード領域側まで伸びていてよい。電流が最も流れやすい半導体層の表層において、カソード領域と第2ウェル領域の距離を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】実施例の半導体装置における電流−電圧特性を示す。
【
図4】従来の半導体装置における電流―電圧特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施例)
図1を参照し、半導体装置100について説明する。半導体装置100では、SOI基板8の半導体活性層6を用いてサイリスタ構造を形成している。SOI基板8は、p型の半導体支持層2と埋込み絶縁層4とn
−型の半導体活性層6を備えている。半導体活性層6は、半導体層の一例である。半導体支持層2の材料は単結晶シリコンであり、不純物としてホウ素(B)を含んでいる。半導体支持層2は接地されている。埋込み絶縁層4の材料は酸化シリコンである。半導体活性層6の材料は単結晶シリコンであり、不純物としてリン(P)を含んでいる。半導体活性層6の不純物濃度は、およそ1×10
15cm
−3に調整されている。
【0012】
半導体活性層6は、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40を備えている。p型ウェル領域14は第1ウェル領域の一例であり、n型ウェル領域40は第2ウェル領域の一例である。p型ウェル領域14は、半導体活性層6の表層部分に設けられており、半導体活性層6の表面に露出している。p型ウェル領域14は、半導体活性層6の表面にホウ素をイオン注入することによって形成された領域である。p型ウェル領域14と埋込み絶縁層4の間には、半導体活性層6の一部が残存している。p型ウェル領域14の不純物濃度は、およそ1×10
17cm
−3に調整されている。
【0013】
カソード領域20が、p型ウェル領域14に囲まれた位置に設けられている。カソード領域20は、p型ウェル領域14によって、n型ウェル領域40から分離されている。カソード領域20は、半導体活性層6の表面にリンをイオン注入することによって形成された領域である。カソード領域20は、半導体活性層6の表層部分に形成されており、半導体活性層6の表面に露出している。カソード領域20に、カソード電極18が接続されている。カソード電極18は、絶縁膜12上に設けられており、絶縁膜12に設けられている貫通孔を通じてカソード領域20と接続している。カソード電極18は、カソード領域20にオーミック接続している。カソード領域20の不純物濃度は、1×10
19cm
−3以上に調整されている。
【0014】
p型コンタクト領域16が、p型ウェル領域14に囲まれた位置に設けられている。p型コンタクト領域16とカソード領域20の間には隙間が設けられている。p型コンタクト領域16は、半導体活性層6の表面にホウ素をイオン注入することによって形成された領域である。p型コンタクト領域16は、半導体活性層6の表層部分に形成されており、半導体活性層6の表面に露出している。p型コンタクト領域16に、カソード電極18が接続されている。カソード電極18は、絶縁膜12に設けられている貫通孔を通じてp型コンタクト領域16と接続している。カソード電極18は、p型コンタクト領域16にオーミック接触している。すなわち、カソード電極18は、カソード領域20とp型コンタクト領域16の双方にオーミック接触している。p型コンタクト領域16の不純物濃度は、およそ1×10
18cm
−3に調整されている。なお、カソード領域20,p型コンタクト領域16及びp型ウェル領域14を形成する順番は任意である。
【0015】
n型ウェル領域40は、半導体活性層6の表層部分に形成されており、半導体活性層6の表面に露出している。n型ウェル領域40は、半導体活性層6の表面にリンをイオン注入することによって形成された領域である。n型ウェル領域40は、p型ウェル領域14に隣接している。n型ウェル領域40と埋込み絶縁層4の間には、半導体活性層6の一部が残存している。n型ウェル領域40の不純物濃度は、およそ1.5×10
17cm
−3に調整されている。なお、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40の境界部分に重複部30が設けられている。重複部30については後述する。
【0016】
アノード領域42が、n型ウェル領域40に囲まれた位置に設けられている。アノード領域42は、n型ウェル領域40によって、p型ウェル領域14から分離されている。アノード領域42は、半導体活性層6の表面にホウ素をイオン注入することによって形成された領域である。アノード領域42は、半導体活性層6の表層部分に形成されており、半導体活性層6の表面に露出している。アノード領域42に、アノード電極44が接続されている。アノード電極44は、絶縁膜12上に設けられており、絶縁膜12に設けられている貫通孔を通じてアノード領域42と接続している。アノード電極44は、アノード領域42にオーミック接続している。アノード領域42の不純物濃度は、5×10
18cm
−3以上に調整されている。
【0017】
n型コンタクト領域46が、n型ウェル領域40に囲まれた位置に設けられている。n型コンタクト領域46とアノード領域42の間には隙間が設けられている。n型コンタクト領域46は、半導体活性層6の表面にリンをイオン注入することによって形成された領域である。n型コンタクト領域46は、半導体活性層6の表層部分に形成されており、半導体活性層6の表面に露出している。n型コンタクト領域46に、アノード電極44が接続されている。アノード電極44は、絶縁膜12に設けられている貫通孔を通じてp型コンタクト領域16と接続している。アノード電極44は、n型コンタクト領域46にオーミック接触している。すなわち、アノード電極44は、アノード領域42とn型コンタクト領域46の双方にオーミック接触している。n型コンタクト領域46の不純物濃度は、1×10
19cm
−3以上に調整されている。アノード領域42,n型コンタクト領域46及びn型ウェル領域40を形成する順番は任意である。
【0018】
上記したように、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40の境界部分に重複部30が設けられている。重複部30は、p型ウェル領域14の一部がn型ウェル領域40に向けて突出した複数のp型突出部14aと、n型ウェル領域40の一部がp型ウェル領域14に向けて突出した複数のn型突出部40aによって構成されている。重複部30では、半導体活性層6の厚み方向(半導体活性層6の表面と裏面を結ぶ方向)において、p型突出部14aとn型突出部40aが交互に出現している。そのため、重複部30では、厚み方向においてp型ウェル領域14とn型ウェル領域40が重複している。重複部30では、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40によって、スーパージャンクション構造が構成されている。
【0019】
重複部30では、p型突出部14a(p型ウェル領域14)が、半導体活性層6の表面に設けられている。換言すると、半導体活性層6の表面では、p型ウェル領域14がn型ウェル領域40に向けて突出している。p型突出部14aの不純物濃度は、5×10
16cm
−3以上1×10
17cm
−3以下に調整されている。p型突出部14aの不純物濃度は、p型突出部14a以外のp型ウェル領域14の不純物濃度より濃い。また、n型ウェル領域40の深さ方向(厚み方向)において、n型突出部40aが設けられている深さ範囲(範囲41)の不純物濃度は、n型ウェル領域40の他の深さ範囲の不純物濃度より濃い。n型ウェル領域40において、深さ範囲41の不純物濃度は、1×10
17cm
−3以上1×10
18cm
−3以下に調整されている。n型ウェル領域40は、n型不純物の濃度が異なる複数のn型不純物層で構成されており、複数のn型不純物層のうちのn型不純物濃度が濃いn型不純物層が突出部40aを構成していると捉えることもできる。
【0020】
半導体装置100では、カソード領域20とp型ウェル領域14とn型ウェル領域40によってnpnトランジスタが構成される。また、アノード領域42とn型ウェル領域40とp型ウェル領域14によってpnpトランジスタが構成される。npnトランジスタとnpnトランジスタによって、サイリスタが構成されている。
【0021】
半導体装置100では、アノード電極44の配線にサージ等の高電圧が印加されると、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40のpn接合面の高電界領域がアバランシェによってブレークダウンし、高電界領域でキャリアが生成され、p型ウェル領域14とn型ウェル領域40に電流が流れる。これにより、npnトランジスタのベース電位、及び、pnpトランジスタのベース電位が上昇し、サイリスタがオンする。
【0022】
半導体装置100では、重複部30において、p型ウェル領域14(p型突出部14a)とn型ウェル領域40(n型突出部40a)によってスーパージャンクション構造が構成されている。そのため、半導体活性層6の深部にも多くのキャリアが生成される。そのため、サイリスタがオンしたときに、半導体活性層6の表層だけでなく、半導体活性層6の深部にも電流が流れやすくなる。半導体活性層6の表層の電流集中が抑制されることによりサイリスタが負特性になりにくくなり(すなわち、正特性が実現され)、ドリフト領域(アノード領域42とカソード領域20の間)の距離を増大することなく、高耐圧(高サージ耐圧)を実現することができる。
【0023】
また、半導体装置100では、重複部30においてスーパージャンクション構造が構成されているので、p型突出部14aの不純物濃度を重複部30以外のp型ウェル領域14より濃くすることができ、n型突出部40aの不純物濃度を重複部30以外のn型ウェル領域40より濃くすることがで、ドリフト領域内に多くのキャリアを生成することができる。
【0024】
さらに、半導体装置100では、重複部30においてスーパージャンクション構造が構成されているので、半導体装置100がオフしているときに、p型突出部14aとn型突出部40aの接合界面から空乏層が伸び、重複部30を完全に空乏化することができる。ドリフト領域の広い範囲を空乏化することができ、素子耐圧が向上する。
【0025】
図3及び
図4を参照し、半導体装置100の利点をさらに説明する。
図3は半導体装置100の電流―電圧特性を示し、
図4は従来の半導体装置の電流−電圧特性を示している。従来の半導体装置は、ドリフト領域の距離を短くすると、
図4の曲線60のように、電流の増加に伴い電圧が低下する(破線60で囲った領域)負特性現象が起こる。負特性現象が生じると、半導体装置が正常動作できなくなることがある。そのため、従来の半導体装置は、負特性現象が起こらないように、ドリフト領域の距離を長く設計する必要がある。半導体装置100は、半導体活性層6の表層に電流が集中することが抑制されているので、ドリフト領域の長さが従来の半導体装置では負特性現象が生じる長さと同一であっても、
図3の曲線50に示すように、電流の増加に伴い電圧が単調増加する正特性現象が得られる。そのため、半導体装置100は、従来よりも素子サイズを小型化することができる。
【0026】
(第2実施例)
図2を参照し、半導体装置200について説明する。半導体装置200は、半導体装置100の変形例であり、p型ウェル領域214の構造が半導体装置100のp型ウェル領域14と異なる。半導体装置200について、半導体装置100と同じ特徴については、同じ参照番号を付すことにより、説明を省略することがある。
【0027】
半導体装置200では、半導体活性層6の表面に露出するp型突出部214aが、半導体活性層6の内部に設けられているp型突出部214bよりも、アノード領域42側に突出している。すわなち、複数のp型突出部(p型突出部214a,214b)のうち、半導体活性層6の表面に位置するp型突出部214aが、最もアノード領域42側まで伸びている。半導体装置200は、半導体装置100と比較して、半導体活性層6の表面において、n型ウェル領域40とカソード領域20の距離を長くすることができる。その結果、半導体装置200は、半導体装置100よりも耐圧が向上する。
【0028】
また、半導体装置200では、p型突出部214aの不純物濃度がおよそ8×10
16cm
−3に調整されており、p型突出部214bの不純物濃度がおよそ1.1×10
17cm
−3に調整されており、p型突出部214a,214b以外のp型ウェル領域214の不純物濃度がおよそ1×10
17cm
−3に調整されている。すなわち、半導体活性層6の表面に位置するp型突出部214aより、半導体活性層6の深部に位置するp型突出部214bの方が不純物濃度が濃い。半導体活性層6の深部でより多くのキャリアが生成され、半導体活性層6の深部により多くの電流が流れる。半導体活性層6の表層を流れる電流が相対的に減少し、さらに負特性が起こり難い半導体装置が実現される。
【0029】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0030】
6:半導体活性層(半導体層)
8:SOI基板
14:p型ウェル領域(第1ウェル領域)
20:カソード領域
30:重複部
40:n型ウェル領域(第2ウェル領域)
42:アノード領域
100:半導体装置