(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切替制御手段は、前記端末装置の位置情報及び前記イベントの位置情報を利用することで、前記端末装置が前記イベントの開催場所にいるかを判定し、前記端末装置が前記イベントの開催場所にいると判定した場合に、前記イベントの開催場所に基づいた映像に前記表示装置の表示を切り替え、前記ユーザを前記イベントに参加させること
を特徴とする請求項1記載の端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、本実施形態ではGPS(衛星測位システム)を利用してユーザの位置情報を取得する例を説明するが、GPSに限定するものではなく、位置情報を取得する様々な公知の技術を利用できる。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1の情報処理システム1は1台以上のクライアント端末2とゲームサーバ装置3と地図サーバ装置4とがインターネット等のネットワーク5を介して接続されている。クライアント端末2は例えばPC、スマートフォン、タブレットなどの端末装置である。クライアント端末2は例えばタッチパネルへのタッチ操作、マウスでのクリック操作、実物コントローラでの操作などによりユーザからの要求を受け付ける。ゲームサーバ装置3はクライアント端末2でユーザにより行われるゲームの管理や制御を行う。地図サーバ装置4はクライアント端末2やゲームサーバ装置3に地図情報を提供する。
【0011】
なお、
図1の情報処理システム1は一例であって、用途や目的に応じて様々なシステム構成例があることは言うまでもない。例えばゲームサーバ装置3、地図サーバ装置4は複数のコンピュータに分散して構成してもよい。また、ゲームサーバ装置3と地図サーバ装置4との区分も一例であって、他の区分であってもよく、また、1台のコンピュータにより実現してもよい。
【0012】
<ハードウェア構成>
《クライアント端末》
図1のクライアント端末2などの端末装置は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成により実現される。
図2は、本実施形態に係る端末装置の一例のハードウェア構成図である。
【0013】
図2の端末装置は、入力装置401、出力装置402、外部I/F403、RAM404、ROM405、CPU406、通信I/F407、HDD408、GPSユニット409、撮影ユニット410、電池411などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0014】
入力装置401はユーザが各種信号を入力するのに用いるタッチパネル、端末装置の筐体に設けられた操作キーやボタンなどの実物コントローラ、マウスなどである。出力装置402は、映像を出力する液晶や有機ELなどの表示装置、音声を出力するスピーカなどを含む。なお、タッチパネルは例えば表示装置上に載せられる感圧式や静電式などのパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチ操作によって表示装置上におけるタッチ位置を検出する。
【0015】
通信I/F407は端末装置をネットワーク5に接続するインタフェースである。これにより、端末装置は通信I/F407を介してデータ通信を行う。HDD408は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、端末装置全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、端末装置はHDD408に替えて、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
【0016】
外部I/F403は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体403aなどがある。これにより、端末装置は外部I/F403を介して記録媒体403aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体403aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0017】
ROM405は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM405には端末装置の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM404はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0018】
CPU406は、ROM405やHDD408などの記憶装置からプログラムやデータをRAM404上に読み出し、処理を実行することで、端末装置全体の制御や機能を実現する演算装置である。また、端末装置は、専用の電池411を備えている。端末装置は電池411によって駆動される。
【0019】
GPSユニット409はGPS衛星からの電波を利用して現在位置を表す位置情報を取得する。位置情報は、例えば緯度及び経度である。なお、位置情報は緯度及び経度に限定されず、ユーザの位置を特定できる情報であればよい。例えば、無線通信の所定のアクセスポイントに対する電波の強さにより測位する方法などがある。また、既知のジャイロセンサーなどを利用して端末の向きや傾きを把握し、向きや傾きの情報を位置情報の一部として利用してもよい。GPSユニット409は端末装置に内蔵されていても外付けであってもよい。
【0020】
撮影ユニット410は映像を撮影する。撮影ユニット410のカメラを出力装置402の表示装置の裏側に設けることで、撮影ユニット410のカメラにより撮影する映像の方向と、表示装置を見るユーザの視線の方向とは、ほぼ等しくなる。
【0021】
本実施形態に係る端末装置は、上記ハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
【0022】
《ゲームサーバ装置及び地図サーバ装置》
図1のゲームサーバ装置3及び地図サーバ装置4は例えば
図3に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図3は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0023】
図3のコンピュータは、入力装置501、出力装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508を備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び出力装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0024】
入力装置501は、キーボードやマウスなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。出力装置502はディスプレイやスピーカなどを含み、コンピュータによる処理結果の表示や音声出力に用いられる。通信I/F507は、コンピュータをネットワーク5に接続するインタフェースである。これにより、コンピュータは通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
【0025】
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、例えばコンピュータ全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及び、OS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。
【0026】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータは外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
【0027】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはゲームサーバ装置3又は地図サーバ装置4の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
【0028】
CPU506はROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、ゲームサーバ装置3又は地図サーバ装置4全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0029】
本実施形態に係るゲームサーバ装置3及び地図サーバ装置4は上記したハードウェア構成により後述するような各種処理を実現できる。
【0030】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る情報処理システム1のソフトウェア構成について、クライアント端末2、ゲームサーバ装置3及び地図サーバ装置4に分けて説明を行う。
【0031】
《クライアント端末》
図1のクライアント端末2は例えば
図4に示す処理ブロックにより実現される。
図4は本実施形態に係るクライアント端末の一例の処理ブロック図である。クライアント端末2はプログラムを実行することにより、操作受付部10、撮影部11、ゲーム実行部12、サーバアクセス部13、画面表示部14、映像記憶部15及びイベント情報記憶部16を実現している。また、ゲーム実行部12は、イベント情報取得部21、位置情報取得部22、地図情報取得部23、映像取得部24、表示データ生成部25、表示制御部26、切替制御部27、イベント処理部28を有する構成である。
【0032】
操作受付部10はユーザからの各種操作を受け付ける。撮影部11はユーザの周囲の風景の映像を撮影する。ゲーム実行部12は、操作受付部10がユーザから受け付けた操作に従ってゲームに関する処理を行い、ゲームを進行させる。
【0033】
ゲーム実行部12のイベント情報取得部21はゲームサーバ装置3からイベントが開催される場所(イベントの位置情報)やイベント内容などを含むイベント情報を取得する。イベント情報取得部21は取得したイベント情報をイベント情報記憶部16に記憶させる。
【0034】
位置情報取得部22はGPSユニット409を利用してユーザの現在の位置情報を取得する。地図情報取得部23は地図サーバ装置4から地図情報を取得する。映像取得部24はゲームサーバ装置3から映像を取得する。ここで取得する映像は、イベントの場所の周囲の風景の映像、風景の映像に合成する後述の仮想的なオブジェクトの映像、などを含んでいる。映像取得部24は取得した映像を映像記憶部15に記憶させる。
【0035】
表示データ生成部25はAR(拡張現実)技術を利用し、風景の映像にオブジェクトの映像が重なるように合成した表示データを生成する。表示制御部26は表示データ生成部25が生成した表示データを表示装置に表示させる。切替制御部27は、開催中のイベントの場所にいないユーザを、そのイベントに参加させるため、表示装置に表示されているユーザの周囲の風景の映像に仮想的なオブジェクトを合成した映像(以下、AR映像と呼ぶ)を開催中のイベントの映像(以下、イベント映像と呼ぶ)に切り替える。
【0036】
イベント映像は、事前に撮影しておいたイベントの場所の周囲の風景の映像に仮想的なオブジェクトを合成した映像(以下、擬似AR映像と呼ぶ)であっても、事前にVR(仮想現実)技術を利用して生成しておいたイベントの場所の周囲の風景の映像に仮想的なオブジェクトを合成した映像(以下、VR映像と呼ぶ)であってもよい。切替制御部27はAR映像とイベント映像との切り替えを、例えばAR映像に表示されている仮想的なオブジェクトに対するユーザの選択操作により行う。なお、AR映像とイベント映像との切り替えの詳細については後述する。
【0037】
イベント処理部28はイベントに関する処理を行う。例えば複数のユーザが敵キャラクタを攻撃して撃退するイベントの場合、イベント処理部28は敵キャラクタを攻撃する操作をユーザから受け付けると、敵キャラクタを攻撃する映像の表示や、その攻撃による効果の計算、その攻撃による効果のゲームサーバ装置3への通知、などを行う。
【0038】
画面表示部14はゲーム実行部12によるゲームの進行に従い、クライアント端末2の画面表示を制御する。サーバアクセス部13は、ゲーム実行部12の処理の過程でゲームサーバ装置3又は地図サーバ装置4へのアクセスが必要となったとき、ゲームサーバ装置3又は地図サーバ装置4に対してリクエストを送信すると共に、ゲームサーバ装置3又は地図サーバ装置4からの処理結果等のレスポンスを受信する。
【0039】
なお、ゲーム実行部12はゲームサーバ装置3からHTML(Hyper Text Markup Language)等で記載されたページデータや、ページデータ内に含まれるスクリプトなどに基づいてゲームに関する処理を行うブラウザ型がある。また、ゲーム実行部12はインストールされたアプリケーションに基づいてゲームに関する処理を行うアプリケーション型がある。
図4は一例としてアプリケーション型を示している。
【0040】
《ゲームサーバ装置》
図1のゲームサーバ装置3は例えば
図5に示す処理ブロックにより実現される。
図5は本実施形態に係るゲームサーバ装置の一例の処理ブロック図である。ゲームサーバ装置3はプログラムを実行することにより、映像提供部41、イベント情報提供部42、イベント制御部43、映像記憶部47及びイベント情報記憶部48を実現している。
【0041】
映像提供部41は、クライアント端末2の映像取得部24に映像を提供する。イベント情報提供部42は、クライアント端末2のイベント情報取得部21にイベント情報を提供する。イベント制御部43は開催中のイベントに関する制御を行う。例えば複数のユーザが敵キャラクタを攻撃して撃退するイベントの場合、イベント制御部43は複数のユーザの攻撃により減少する敵キャラクタの体力などの耐久値を管理しながらイベントを進行させる。映像記憶部47は例えば擬似AR映像、VR映像及び仮想的なオブジェクトの映像などの映像を記憶する。擬似AR映像は、例えば事前に撮影しておいたイベントの場所の周囲の風景の360度のパノラマ映像を利用できる。イベント情報記憶部48はイベントの場所、イベントの時間及びイベントの敵キャラクタのオブジェクトなどの情報を含むイベント情報を記憶する。
【0042】
《地図サーバ装置》
図1の地図サーバ装置4は、例えば
図6に示す処理ブロックにより実現される。
図6は本実施形態に係る地図サーバ装置の一例の処理ブロック図である。地図サーバ装置4はプログラムを実行することにより、地図情報提供部61及び地図情報記憶部62を実現している。
【0043】
地図情報提供部61は、クライアント端末2及びゲームサーバ装置3に地図情報を提供する。なお、クライアント端末2に提供する地図情報の範囲は、クライアント端末2で必要な範囲であればよく、例えばユーザの現在の位置が含まれる所定の範囲の地図情報であればよい。地図情報記憶部62は地図情報を記憶する。
【0044】
<処理>
《クライアント端末における処理の概要》
図7は本実施形態のクライアント端末の処理の一例のフローチャートである。ステップS11において、クライアント端末2はユーザにより本実施形態に係るゲームのアプリケーション等のプログラムを起動される。
【0045】
ステップS12に進み、クライアント端末2は
図8に示すようなAR映像を表示装置に表示するAR映像表示処理を行う。
図8はAR映像の一例のイメージ図である。
図8のAR映像は、撮影部11により撮影されたユーザの周囲の風景の映像に、敵キャラクタを模した仮想的なオブジェクト1000を合成した例である。
【0046】
仮想的なオブジェクト1000は、AR映像において、イベントの位置情報により特定されるイベントの場所の上空に存在するように表示される。したがって、ユーザはイベントが開催されている方向に向かって撮影した場合、イベントが開催中の場所の上空に仮想的なオブジェクト1000が表示されたAR映像を確認できる。
【0047】
したがって、ユーザは
図8のような仮想的なオブジェクト1000が表示されたAR映像を確認することで、イベントが開催中であること、及び、そのイベントが開催されている大まかな場所、を知ることができる。なお、仮想的なオブジェクト1000はユーザの現在の位置から開催中のイベントの位置までの距離が大きくなるほど表示サイズを小さくしてもよい。また、仮想的なオブジェクト1000は、他の仮想的なオブジェクト又はビルなどの建造物により隠れる場合であっても、AR映像に表示されるような仕組みを設けることが望ましい。例えば、表示制御部26は、仮想的なオブジェクト1000が建造物に隠れる場合にはシルエットを表示したり、建造物を半透明化して表示してもよい。もしくは、表示制御部26は、クライアント端末2がイベントの位置方向を向いている場合は、仮想的なオブジェクト1000を表示せずに、テキストウィンドウを表示してイベント開催を報知し、ユーザが任意でイベントプレイ是非を選択できるボタンを表示してもよい。さらに、仮想的なオブジェクト1000が表示されたAR映像にはイベントの終了までの残り時間などの情報を表示してもよい。
【0048】
ユーザは
図8のようなAR映像に表示された仮想的なオブジェクト1000に対する選択操作(タップなど)を行うことで、その仮想的なオブジェクト1000に対応するイベントへの参加を要求できる。なお、ステップS13において仮想的なオブジェクト1000の選択操作をユーザから受け付けると、クライアント端末2はユーザに参加の是非を問うウィンドウを表示してイベントプレイ是非をユーザに選択させるようにしてもよい。ユーザに参加の是非を問うウィンドウには、イベント開催期間、敵キャラクタのレベル、募集人数、現在の参加者数、イベント開催地などを表示してもよい。
【0049】
ステップS13において仮想的なオブジェクト1000の選択操作をユーザから受け付けると、クライアント端末2はステップS14に進み、イベントの場所にいないユーザがイベントに参加するための対価の支払いの一例であるスタミナ消費処理を行う。クライアント端末2は、イベントの場所にいないユーザがイベントに参加するための対価を一定としてもよいし、ユーザの現在の場所とイベントの場所との距離が大きくなるほど対価を大きくしてもよい。
【0050】
イベントに参加したユーザのうち、イベントの場所にいるユーザにだけ特典が付与されても良い。これにより、ユーザが様々な場所に出向くようになる。例えば、イベントの場所にいないでイベントに参加したユーザは、仮想的なオブジェクト1000の同時表示数や表示回数、表示時間に制限をかけることで、ユーザがイベントの場所に移動する意欲を向上させられる。
【0051】
ステップS15に進み、クライアント端末2は
図9に示すようなイベント映像を表示装置に表示するイベント映像表示処理を行う。
図9は、イベント映像の一例のイメージ図である。
図9のイベント映像は、例えば事前に撮影(キャプチャ)されたイベントの場所の360度のパノラマ映像が、イベントの場所の周囲の風景(背景)として用いられている例である。
図9のイベント映像は
図8のAR映像と共通の仮想的なオブジェクト1000が合成されている。
【0052】
図8のAR映像と
図9のイベント映像とに共通する仮想的なオブジェクト1000が含まれていることにより、ユーザは切り替え前の
図8のAR映像と切り替え後の
図9のイベント映像との統合感が協調される。したがって、ユーザは
図8のAR映像の場所から
図9のイベント映像の場所にジャンプしたかのような感覚を味わうことができる。ユーザは
図9のイベント映像から、仮想的なオブジェクト1000への攻撃など、イベントに参加できる。ステップS15のイベント映像表示処理はイベントが終了するか、ゲームのアプリケーション等のプログラムが終了するまで繰り返される。
【0053】
イベントが終了すると、クライアント端末2はステップS16からS12に戻り、イベント映像からAR映像に切り替える。なお、ゲームのアプリケーション等のプログラムが終了されるとステップS17で判定すると、クライアント端末2は
図7のフローチャートの処理を終了する。
【0054】
一方、ステップS13において仮想的なオブジェクト1000の選択操作をユーザから受け付けなくても、ステップS18においてイベントの場所にいるユーザであると判定すると、クライアント端末2はステップS15に進み、
図9のようなイベント映像を表示装置に表示する。
【0055】
なお、ステップS12のAR映像表示処理は仮想的なオブジェクト1000の選択操作をユーザから受け付けるか、イベントの場所にいるユーザであると判定されるか、ステップS19でゲームのアプリケーション等のプログラムが終了されると判定されるまで繰り返される。
【0056】
図7のフローチャートによれば、イベントの場所にいるユーザと、イベントの場所から離れた場所にいるユーザと、が同一のイベントに参加できる。
図10はイベントの場所にいるユーザとイベントの場所から離れた場所にいるユーザとを表した一例の説明図である。
【0057】
図10では、ユーザAがイベントの場所から離れた場所にいるユーザの一例を表しており、ユーザBがイベントの場所にいるユーザの一例を表している。ユーザAは例えば
図8のAR映像から仮想的なオブジェクト1000の選択操作を行うことにより場所1010で開催されているイベントの
図9のイベント映像に切り替え、イベントに参加できる。
【0058】
また、ユーザBはイベントの場所1010にいるため、場所1010で開催されているイベントの
図9のイベント映像を表示してイベントに参加できる。なお、イベントの場所1010にいるユーザBのクライアント端末2は自動的にユーザBをイベントに参加させるようにしてもよいし、仮想的なオブジェクト1000の選択操作を受け付けた場合にユーザBをイベントに参加させるようにしてもよい。
【0059】
《S12:AR映像表示処理》
図11はステップS12のAR映像表示処理の一例のフローチャートである。ステップS31に進み、クライアント端末2の撮影部11はユーザの周囲の風景を撮影する。ステップS32に進み、表示データ生成部25はイベント情報を参照し、ユーザが参加できるイベントがあるか否かを判定する。
【0060】
ユーザが参加できるイベントがあれば、表示データ生成部25は参加できるイベントの位置情報をイベント情報記憶部16に記憶されているイベント情報から読み出すと共に、そのイベントの仮想的なオブジェクト1000の映像を映像記憶部15から読み出す。ステップS34に進み、表示データ生成部25はユーザが参加できるイベントの位置情報の方向に、仮想的なオブジェクト1000が表示されるように、ステップS31で撮影したユーザの周囲の風景の映像に、仮想的なオブジェクト1000を合成した表示データを生成する。ステップS35に進み、表示制御部26はステップS34で生成された表示データに基づき、
図8のようなAR映像を表示装置に表示させる。
【0061】
なお、ステップS32においてユーザが参加できるイベントがないと判定した場合はステップS35に進み、ステップS31で撮影したユーザの周囲の風景の映像を表示装置に表示させる。
【0062】
《S15:イベント映像表示》
図12はステップS15のイベント映像表示処理の一例のフローチャートである。クライアント端末2の表示データ生成部25はステップS41においてイベントの位置情報に対応した映像(イベントの場所の周囲の風景)を映像記憶部15から読み出す。なお、表示データ生成部25はイベントの位置情報に対応した映像を読み出す際、現実世界の日照を考慮してもよい。この場合、映像記憶部15には事前に撮影しておいた日照の異なるイベントの場所の周囲の風景の映像を記憶しておく。
【0063】
このようにすることで、表示データ生成部25は昼、夕方、夜などに対応したイベント映像の表示データを生成できる。また、表示データ生成部25は晴れ、曇り、雨などの天候に対応したイベント映像の表示データを生成できる。さらに、映像記憶部15にはモデルの明るさを様々な日照に適応させた仮想的なオブジェクト1000の映像を記憶しておいてもよい。このようにすることで、表示データ生成部25は昼、夕方、夜などに対応したAR映像の表示データを生成できる。また、表示データ生成部25は晴れ、曇り、雨などの天候に対応したAR映像の表示データを生成できる。
【0064】
そして、ステップS42に進み、表示データ生成部25はステップS41で読み出した映像に、イベントの仮想的なオブジェクト1000の映像を合成した表示データを生成する。
【0065】
ステップS43に進み、表示制御部26はステップS42で生成された表示データに基づき、
図9のようなイベント映像を表示装置に表示させる。イベント処理部28は
図9のイベント映像において、仮想的なオブジェクト1000を攻撃する操作などをユーザから受け付け、仮想的なオブジェクト1000を攻撃する映像の表示や、その攻撃による効果の計算、その攻撃による効果のゲームサーバ装置3への通知、などを行う。
[他の実施形態]
なお、上記の実施形態では位置情報を利用するゲームの例を説明したが、不動産物件や店舗などを紹介するアプリケーション(お散歩アプリなど)への適用も可能である。例えばAR映像には、クライアント端末2の位置情報により特定された不動産物件や店舗を表すオブジェクトが表示される。当該オブジェクトは、不動産物件や店舗の上空に表示されてもよいし、建物自体に重ねて表示されてもよい。クライアント端末2のユーザは不動産物件や店舗と対応付けられたオブジェクトの選択操作を行うことで、その不動産物件や店舗の間取りや内装などの空間の擬似AR映像やVR映像に表示を切り替えることができる。ユーザは、AR映像に表示されたオブジェクトをタップするなどの選択操作により、気になった不動産物件や店舗の間取りや内装などを容易に確認できる。
【0066】
このように、本実施形態に係るクライアント端末2はAR映像から、擬似AR映像又はVR映像へ切り替えるインタフェースの仕組みをユーザに提供する。なお、
図8のAR映像ではイベント映像に切り替えるための仮想的なオブジェクト1000が表示されている例を示したが、イベント映像に切り替える以外の目的で利用される仮想的なオブジェクトが表示されていてもよい。
【0067】
また、クライアント端末2はヘッドマウントディスプレイであってもよい。表示データ生成部25が生成した表示データをクライアント端末2に表示した際、ディスプレイを直接タップ操作しなくても、ユーザが手などでジェスチャー操作をして表示された仮想的なオブジェクト1000に画面内で触れることで、仮想的なオブジェクト1000の選択ができてもよい。撮影ユニット410(カメラ)が手などの動作をトラッキングすることでジェスチャー操作を実現でき、ユーザは仮想的なオブジェクト1000を実際に触っているような感覚で選択することができる。
【0068】
(まとめ)
以上、本実施形態に係る情報処理システム1では、現在位置のAR映像を利用する事象の表示(イベント発生を表すオブジェクトの表示や近くに売り出し中の不動産物件があることを表すオブジェクトの表示)から、現在位置とは別の位置の擬似AR映像又はVR映像の表示に、容易に切り替え可能なインタフェースの仕組みを提供できる。
【0069】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。