(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底面が水平面に対向している状態での平面視において、前記仕切部と前記隔壁との間の前記長手方向に垂直な方向の距離は、前記通気口に近づくほど長くなる請求項1から請求項10の何れか1項に記載の吸込具。
前記仕切部は、前記底面が水平面に対向している状態で、上下方向及び前記長手方向に垂直な視点において前記通気口の少なくとも一部と重なっている請求項1から請求項18の何れか1項に記載の吸込具。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については適宜に簡略化または省略する。なお、本開示における装置、器具、及び部品等の、個数、配置、向き、形状、及び大きさは、原則として、図面に示す個数、配置、向き、形状、及び大きさに限定されない。また、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組み合わせ可能な構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
【0011】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の吸込具1を備える電気掃除機200の斜視図である。電気掃除機200は、例えば、吸込具1、接続パイプ2、吸引ホース3、掃除機本体4、伸縮パイプ5、及びハンドル6を備える。
図1に示すように、吸込具1は、接続パイプ2、吸引ホース3、伸縮パイプ5及びハンドル6によって掃除機本体4に接続される。
【0012】
本実施の形態の吸込具1及びこの吸込具1を備える電気掃除機200によって掃除される面を、本開示では、「被清掃面」と称する。被清掃面には、例えば室内の床面等が含まれる。
【0013】
吸込具1は、例えば、ボディ7、ジョイント8及び吸引パイプ9を備える。ボディ7は、被清掃面の塵埃を空気とともに吸い込むものである。ジョイント8は、ボディ7に対して吸引パイプ9を回動可能に連結させる。吸引パイプ9は、管状の部材である。
【0014】
図1に示すように、吸引パイプ9の一端部は、ジョイント8に接続される。吸引パイプ9の他端部は、伸縮パイプ5の一端部に接続される。伸縮パイプ5は、伸縮自在に形成される管状の部材である。本実施の形態における伸縮パイプ5及び吸引パイプ9は、管状のワンドの一例である。
【0015】
本実施の形態においてジョイント8と吸引パイプ9と伸縮パイプ5とは、それぞれ別の部材として形成される。また本実施の形態において吸引パイプ9と伸縮パイプ5とは、互いに着脱自在である。ジョイント8と吸引パイプ9とは、例えば一体的に形成されてもよい。また伸縮パイプ5と吸引パイプ9とは、例えば一体的に形成されてもよい。
【0016】
接続パイプ2は、途中で折れ曲がった円筒状の部材である。接続パイプ2の一端部は、伸縮パイプ5の端部に接続される。すなわち吸込具1と接続パイプ2とは、伸縮パイプ5を介して接続される。また接続パイプ2の他端部は、吸引ホース3の一端部に接続される。吸引ホース3は、可撓性を有する蛇腹状の部材である。吸引ホース3の他端部は、掃除機本体4のホース接続口10に接続される。ホース接続口10は、掃除機本体4の前部に形成される。
【0017】
掃除機本体4は、塵埃を含む空気から塵埃を分離し、塵埃が取り除かれた空気を排出するためのものである。以下、塵埃を含む空気を「汚れ空気」とも呼ぶ。また、塵埃が取り除かれた空気を「清浄空気」とも呼ぶ。清浄空気は、例えば、掃除機本体4から室内に戻される。また、掃除機本体4は、例えば、電源コード11、及び車輪12を備える。車輪12は、掃除機本体4の後部の両側の側面に位置する。
【0018】
ハンドル6は、電気掃除機200の使用者によって把持される部位である。ハンドル6は、例えば接続パイプ2または伸縮パイプ5に取り付けられている。ハンドル6の一部は、例えばゲル状の軟質材で形成されてもよい。ハンドル6の一部が軟質材で形成されることによって、ハンドル6を把持する手とハンドル6との間の摩擦力が大きくなる。またハンドル6の一部が軟質材で形成されることによって、使用者がハンドル6を握りやすくなる。これにより、吸込具1及び電気掃除機200の操作性がよくなる。なおハンドル6は、例えば伸縮パイプ5及び吸引パイプ9よりも軟らかい材料で形成されてもよい。
【0019】
図1における両矢印は、ハンドル6の動かし方の一例を示している。ハンドル6が動くことにより、伸縮パイプ5及び吸引パイプ9が動く。ひねり方向Aの動きは、伸縮パイプ5及び吸引パイプ9の中心軸周りの回転である。傾き方向Bの動きは、被清掃面に対する伸縮パイプ5及び吸引パイプ9の角度を変える動きである。
【0020】
ハンドル6には、例えばスイッチ13が設置されている。スイッチ13は、例えばハンドル6の根元付近に設置される。スイッチ13は、使用者が電気掃除機200の運転を制御するためのものである。
【0021】
電源コード11は、掃除機本体4の内部の図示しないコードリール部に巻きつけられている。後述するように、掃除機本体4には、電動送風機24が内蔵される。電源コード11が外部の電源に接続されると、掃除機本体4の内部の電動送風機24等の機器が通電する。電動送風機24は、通電によって駆動する。電動送風機24は、使用者によるスイッチ13への操作に応じて、予め設定された動作を行う。
【0022】
電動送風機24が駆動すると、汚れ空気がボディ7に吸い込まれる。ボディ7に吸い込まれた汚れ空気は、ジョイント8、吸引パイプ9、伸縮パイプ5、接続パイプ2、及び吸引ホース3の内部を順に通って、掃除機本体4に送られる。ボディ7、ジョイント8、吸引パイプ9、伸縮パイプ5、接続パイプ2、及び吸引ホース3は、汚れ空気を掃除機本体4へ送る風路を形成する。
【0023】
図2は、実施の形態1の掃除機本体4の斜視図である。
図3は、実施の形態1の掃除機本体4の平面図である。
図2及び
図3に示すように、掃除機本体4は、収容ユニット14及び集塵ユニット15を備える。収容ユニット14内には、掃除機本体4に備えられた機器のうち、集塵ユニット15以外の各種の機器が収容される。またホース接続口10は、収容ユニット14の前端部に形成さる。車輪12は、収容ユニット14の後部の両側の側面に配置される。
【0024】
集塵ユニット15は、汚れ空気から塵埃を分離するものである。集塵ユニット15は、分離した塵埃を一時的に溜める。例えば集塵ユニット15は、内部で汚れ空気を旋回させることにより、遠心力によって塵埃を空気から分離する。例えば集塵ユニット15は、サイクロン式の分離装置である。この集塵ユニット15は、収容ユニット14に対して着脱可能に取り付けられている。
【0025】
図4は、実施の形態1の収容ユニット14の斜視図である。
図5は、実施の形態1の収容ユニット14の平面図である。
図4及び
図5は、収容ユニット14から集塵ユニット15が取り外された状態を示す。
図4及び
図5に示すように、収容ユニット14は、収容体16及び収容体17を備える。
【0026】
収容体16は、上方に向けて開口した箱状の部材である。収容体16は、例えば、成型品である。電源コード11が巻きつけられるコードリール部及び電動送風機24は、収容体16に収容されている。
【0027】
収容体17は、収容体16に形成された上記開口を塞ぐように、収容体16と結合される。収容体17は、集塵ユニット15を収容するための収容部17aを有する。集塵ユニット15が収容される空間は、例えば収容部17aの上方に形成される。集塵ユニット15が収容ユニット14に適切に取り付けられると、集塵ユニット15の要部は、収容部17aの上方の空間に配置される。すなわち収容ユニット14に適切に取り付けられた集塵ユニット15は、収容体17の上方に配置される。
【0028】
図4及び
図5に示すように、収容ユニット14には、第1接続口18及び第2接続口19が形成されている。第1接続口18及び第2接続口19は、例えば収容ユニット14の上面に形成される。第1接続口18及び第2接続口19は、収容ユニット14の後端部に寄って配置されている。
【0029】
第1接続口18は、例えば収容ユニット14の側面のうちの一方に寄って配置されている。第2接続口19は、例えば収容ユニット14の両側面から等距離となる位置に配置されている。第1接続口18及び第2接続口19は、集塵ユニット15が収容ユニット14に取り付けられた状態において、集塵ユニット15の内部に通じる。
【0030】
図6は、
図5に示す収容ユニット14のC−C線での断面図である。
図7は、
図5に示す収容ユニット14のD−D線での断面図である。
図6及び
図7に示すように、収容ユニット14は、吸気風路形成部20を備える。吸気風路形成部20は、掃除機本体4の内部に吸気風路21を形成するものである。吸気風路21は、汚れ空気を集塵ユニット15に導くための風路である。
【0031】
吸気風路形成部20は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。吸気風路形成部20の一端は、収容ユニット14の前面で開口する。吸気風路形成部20の上記一端には、ホース接続口10が形成される。また吸気風路形成部20の他端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、吸気風路形成部20の他端は、収容体17で開口する。吸気風路形成部20の上記他端には、集塵ユニット15と接続される第1接続口18が形成される。
【0032】
また収容ユニット14は、
図6及び
図7に示すように、排気風路形成部22を備える。排気風路形成部22は、掃除機本体4の内部に排気風路23を形成する。排気風路23は、集塵ユニット15から排出された清浄空気を、図示しない排気口に導くための風路である。
【0033】
排気風路形成部22は、収容体16の内部空間を通過するように設けられている。排気風路形成部22の一端は、収容ユニット14の上面で開口する。つまり、排気風路形成部22の一端は、収容体17で開口する。排気風路形成部22の上記一端には、集塵ユニット15と接続される第2接続口19が形成される。また排気風路形成部22の他端は、収容ユニット14の外方に向けて開口する。排気風路形成部22の上記の他端は、図示しない排気口が形成される。
【0034】
図6及び
図7に示すように、収容ユニット14の内部には、電動送風機24が備えられている。電動送風機24は、電気掃除機200に形成された各風路に気流を発生させるためのものである。電気掃除機200に形成された各風路には、例えば、外部から掃除機本体4の内部に汚れ空気を流入させるための風路、吸気風路21、集塵ユニット15内の空間及び排気風路23である。電動送風機24は、例えば収容ユニット14の後端部寄りに配置される。また電動送風機24は、例えば排気風路23内に配置される。
【0035】
電動送風機24が駆動すると、電気掃除機200に形成された各風路に気流が発生する。このとき、吸込具1、接続パイプ2、吸引ホース3及び伸縮パイプ5の内部には吸引力が発生する。吸込具1のボディ7に吸い込まれた汚れ空気は、ホース接続口10から掃除機本体4の内部に取り込まれる。
【0036】
掃除機本体4の内部に流入した汚れ空気は、吸気風路21を経て、第1接続口18から集塵ユニット15に送られる。集塵ユニット15の内部では、汚れ空気から塵埃が分離される。集塵ユニット15によって塵埃が分離された清浄空気は、集塵ユニット15から排出される。集塵ユニット15から排出された清浄空気は、排気風路23に流入する。排気風路23に流入した清浄空気は、電動送風機24を通過する。電動送風機24を通過した清浄空気は、排気風路23を更に進み、排気口から掃除機本体4の外部に排出される。
【0037】
次に、本実施の形態の吸込具1についてより詳細に説明する。
図8は、実施の形態1の吸込具1の斜視図である。
図9は、実施の形態1の吸込具1の平面図である。
図10は、実施の形態1の吸込具1の下面図である。
図11は、実施の形態1の吸込具1をボディ7の短手方向の視線で見た側面図である。
図12は、実施の形態1の吸込具1をボディの長手方向の視線で見た側面図である。
図8から12に示すように、吸込具1は、例えば、ボディ7、ジョイント8及び吸引パイプ9を備える。
【0038】
図9の平面図は、水平面に置かれた吸込具1を上方から見た図である。
図10の下面図は、水平面に置かれた吸込具1を下方から見た図である。
図9及び
図10に示すように、平面視におけるボディ7の長手方向の寸法は、この長手方向に対して垂直な短手方向の寸法よりも長い。本開示では、平面視におけるボディ7の長手方向を、単に「長手方向」とも称する。同様に、平面視におけるボディ7の短手方向を、単に「短手方向」とも称する。
【0039】
ここで、ボディ7の長手方向の寸法を長さLとする。またボディ7の短手方向の寸法を、幅Wとする。長さLは、幅Wよりも長い。
図9及び
図10に示すように、平面視において、ボディ7の長手方向の一端7a及び他端7bは、例えば直線状である。平面視において、一端7a及び他端7bは、例えば少なくとも一部が曲線状または折れ線状であってもよい。この場合、ボディ7の長さLは、平面視における一端7aと他端7bとの間の長手方向の最大長さを指すものとする。
【0040】
また本実施の形態におけるボディ7の幅Wは、長手方向に沿って一定である。ボディ7の構成は、このような構成に限られない。例えば、ボディ7の幅Wは、長手方向に沿って変化してもよい。この場合、ボディ7の幅Wは、ボディ7の短手方向の最大寸法を指すものとする。また水平面に置かれた吸込具1を上方から見た際、ボディ7の外形は、例えば正方形状等であってもよい。
【0041】
本開示では、使用者が吸込具1をボディ7の短手方向に往復させて清掃をする場合に当該使用者から見たときの前後左右方向を、前後左右方向として定義する。すなわちボディ7の短手方向を、前後方向して定義する。またボディ7の長手方向を、左右方向として定義する。すなわち
図11の側面図は、吸込具1を後方から見た図である。また
図12の側面図は、吸込具1を左方から見た図である。電気掃除機200の使用者は、例えばハンドル6を把持した状態で、ボディ7を含む吸込具1を前後に動かすことによって掃除を行う。
【0042】
ボディ7は、例えば
図8に示すように、上ボディ71及び下ボディ72を含んでもよい。また本実施の形態のボディ7は、底面73を有する。底面73は、吸込具1を備えた電気掃除機200が使用者によって使用される際に被清掃面に対向する。底面73は、例えば下ボディ72に含まれる。以下では、原則として、この底面73が水平面に対向している状態を基準にして、吸込具1について説明する。
【0043】
底面73には、吸込口74が形成される。一例として吸込口74は、底面73の前側部分に形成される。吸込口74は、塵埃及び空気、すなわち汚れ空気を吸い込むための開口である。吸込口74は、電気掃除機200が使用者によって使用される際に被清掃面に対向する。吸込口74は、例えばボディ7の長手方向に沿って形成される。一例として吸込口74の長手方向は、ボディ7の長手方向に一致する。本実施の形態における吸込口74の形状は、左右方向に伸びた形状である。本開示では、吸込口74の長手方向を、平面視におけるボディ7の長手方向と同様に単に「長手方向」とも称する。
【0044】
上述した通り、本実施の形態のボディ7には、ジョイント8が接続される。ジョイント8は、例えば左右方向の中央となる位置でボディ7に接続される。またジョイント8は、一例としてボディ7の後側部分に接続される。なお、ボディ7及びジョイント8の構成は、上記の構成に限定されない。例えばジョイント8は、ボディ7の左右方向の中央に対して、一端7a側または他端7b側に偏った位置に配置されてもよい。またジョイント8は、例えばボディ7の前側部分に接続されてもよい。
【0045】
本実施の形態のジョイント8は、第1回動部81及び第2回動部82を備える。第1回動部81は、第1回転軸Xを中心にしてボディ7に対して回動可能に形成される。第2回動部82は、第2回転軸Yを中心にして第1回動部81に対して回動可能に形成される。第1回動部81が第1回転軸Xを中心に回動すると、第2回動部82は第1回動部81とともに回動する。第1回動部81は、ボディ7と第2回動部82とを繋ぐ。また第2回動部82には、吸引パイプ9が接続される。
【0046】
図8中に、第1回転軸X及び第2回転軸Yを一点鎖線で示す。本実施の形態において第1回転軸Xは、平面視におけるボディ7の長手方向に対して実質的に平行である。また第2回転軸Yは、平面視において第1回転軸Xに対して実質的に垂直である。第1回転軸Xと第2回転軸Yとは、互いに平行ではない。また
図12に示す状態においては、第2回転軸Yは、第1回転軸Xに交差しない。ジョイント8は、第1回動部81と第2回動部82とによって、例えばT字状に形成される。
【0047】
ここで、「実質的に平行」とは、完全に平行な状態に対して一定角度の範囲を含むものとする。同様に、「実質的に垂直」とは、完全に垂直な状態に対して一定角度の範囲を含むものとする。一定角度の範囲とは、例えば±10°の範囲である。本開示においては、この「実質的に平行」を、単に「平行」とも称する。また本開示においては、この「実質的に垂直」を、単に「垂直」とも称する。
【0048】
吸引パイプ9の内部には、例えば
図8に示すように、パイプチャネル91が形成されている。吸引パイプ9は、第2回動部82に接続される。吸引パイプ9は、例えば第2回動部82と一体となっていてもよい。第2回動部82が回動すると、吸引パイプ9は、この第2回動部82と共に回動する。
【0049】
本実施の形態において吸引パイプ9の長手軸92は、第2回動部82に対して傾斜する。すなわち長手軸92は、第2回転軸Yに対して傾斜する。なお長手軸92は、例えば第2回転軸Yと同軸または第2回転軸Yと平行でもよい。またパイプチャネル91の長手軸92に垂直な断面の形状は、例えば円形でもよい。長手軸92は、例えばパイプチャネル91の円形の断面の中心を通る軸であってもよい。
【0050】
本開示では、ボディ7の長手方向に平行な視点において、ボディ7の短手方向に対する吸引パイプ9の長手軸92の角度を、第1角度αとする。換言すると第1角度αは、
図12に示すように、ボディ7の長手方向に平行な視点において、底面73と平行な仮想平面P1と長手軸92とがなす優角である。すなわち第1角度αは、ボディ7の長手方向に平行な視線において、底面73と長手軸92とのなす優角である。
【0051】
図12における両矢印は、第1回動部81が第1回転軸Xを中心として回動可能な角度範囲の一例を示している。
図12に示すように、ジョイント8は、吸込口74の長手方向と垂直な面内で回動可能である。
図12に示すように、第1角度αの大きさは、第1回動部81が第1回転軸Xを中心に回動することによって変えられる。第1回動部81が第1回転軸Xを中心として回動可能な角度範囲は、例えば、第1角度αが90°から180°まで変わりうる範囲である。なお、第1回動部81が第1回転軸Xを中心として回動可能な角度範囲は、上記の範囲に限られない。
【0052】
また本開示では、
図11に示すように、仮想平面P2と仮想平面P3との間の角度を第2角度βとする。仮想平面P2は、ボディ7の長手方向に平行な仮想直線及び吸引パイプ9の長手軸92を含む平面である。仮想平面P3は、底面73に平行な平面である。
【0053】
図11における両矢印は、第2回動部82が第2回転軸Yを中心として回転可能な角度範囲の一例を示している。第2角度βの大きさは、第2回動部82が第2回転軸Yを中心として回転することによって変えられる。第2回動部82が第2回転軸Yを中心として回転可能な角度範囲は、例えば、第2角度βが0°から180°まで変わりうる範囲である。なお、第2回動部82が第2回転軸Yを中心として回動可能な角度範囲は、上記の範囲に限られない。
【0054】
本実施の形態においてジョイント8は、第1回転軸X及び第2回転軸Yを中心として回動することできる。例えば、使用者によってハンドル6及び伸縮パイプ5がひねり方向Aに動かされると、第2角度βが増減する。また、例えば、使用者によってハンドル6及び伸縮パイプ5が傾き方向Bに動かされると、第1角度αが増減する。
【0055】
本実施の形態であれば、底面73及び吸込口74が向く方向は、
図1のひねり方向Aの動き及び傾き方向Bの動きに関係なく維持される。例えば底面73は、被清掃面に対して平行に維持される。また、例えば、被清掃面に対する吸込口74の位置が維持される。これにより、吸込口74の周辺の真空度が低下することが抑制される。本実施の形態であれば、使用者からの操作に依らず塵埃及び空気を吸引する性能を良好に維持することができる吸込具1が得られる。
【0056】
また
図12に示すように、吸込具1は、長手軸92と第1回転軸Xとが交差するように形成されてもよい。このように構成することにより、第1回転軸Xを中心として第1回動部81が回転して第1角度αが増減しても、長手軸92と第1回転軸Xとが交差する位置での風路の断面積を一定にすることができる。本例によれば、塵埃及び空気を吸引する性能がより良好である吸込具1が得られる。
【0057】
また
図10に示すように、本実施の吸込具1は、アジテーター25及びモーター26を備える。アジテーター25及びモーター26は、ボディ7の内部に収容される。アジテーター25は、ボディ7に対して回転可能に取り付けられる。アジテーター25は、回転することによって被清掃面から塵埃を掻き上げる。また本実施の形態のアジテーター25は、ボディ7に対して着脱自在に形成される。なおアジテーター25は、例えばボディ7に対して固定されていてもよい。また吸込具1は、例えばアジテーター25及びモーターを備えないものであってもよい。
【0058】
アジテーター25は、例えば筒状の基体と突出部材とを有する。突出部材には、例えば繊維質のブラシ毛またはブレード状の軟質材が含まれる。突出部材は、繊維質のブラシ毛とブレード状の軟質材との組み合わせによって形成されてもよい。突出部材は、筒状の基体の外周に保持される。突出部材は、一例として基体の外周に、アジテーター25の回転軸R1を中心とするつるまき状に配列される。突出部材は、少なくとも2列以上、例えば4列配列されてもよい。複数列の突出部材の間には、つるまき状の谷部が形成されてもよい。このようにしてアジテーター25は、形成される。なおアジテーター25の構造は本例に限定されない。例えば突出部材は、回転軸R1と平行に配列されてもよい。アジテーター25は、回転することによって塵埃を掻き上げるものであればよい。本実施の形態においてアジテーター25の外形は、円筒状である。
【0059】
本実施の形態においてアジテーター25の回転軸R1は、ボディ7の長手方向に対して平行である。換言すると、アジテーター25は、吸込口74及びボディ7の長手方向に沿って配置される。なお、例えばボディ7が上ボディ71及び下ボディ72を含む場合には、アジテーター25は下ボディ72に取り付けられてもよい。またアジテーター25は、上ボディ71に取り付けられてもよい。
【0060】
アジテーター25の長手方向の一端側には、被駆動輪27が連結されている。被駆動輪27は、アジテーター25と一体になって回転する。アジテーター25の長手方向の他端側は、例えばシャフト28を介して、ボディ7に対して回転可能に支持されている。
【0061】
モーター26は、アジテーターを回転させる駆動手段の一例である。モーター26は、アジテーター25を回転させるための動力を出力する。本実施の形態におけるモーター26は、電動機である。なお、アジテーター25を回転させる駆動手段は、電動機に限定されるものではない。アジテーター25を回転させる駆動手段は、例えば、空気流によって回転するタービンでもよい。このように、アジテーター25を回転させる駆動手段には、各種の駆動装置が含まれる。
【0062】
モーター26は、アジテーター25よりも後方に配置される。モーター26は、駆動シャフト29を備える。本実施の形態において駆動シャフト29の回転軸R2は、アジテーター25の回転軸R1に対して平行である。駆動シャフト29は、例えば駆動ベルト30を介して被駆動輪27に接続されている。モーター26から出力された動力は、駆動シャフト29、駆動ベルト30及び被駆動輪27を介してアジテーター25に伝達する。これにより、アジテーター25が回転する。なお、モーター26から出力された動力は、例えばギヤトレーンなどの伝達手段によってアジテーター25へ伝達されてもよい。
【0063】
上述した通り、本実施の形態において、モーター26の駆動シャフト29の回転軸R2は、アジテーター25の回転軸R1に対して平行である。これにより、モーター26を配置する空間が省スペースになる。また吸込口74の面積を大きくできる。また吸込具1が軽量化される。なお本実施の形態では、モーター26から駆動シャフト29が突出する方向は、
図10に示すように、アジテーター25に対して被駆動輪27が配置される方向と同じ方向である。
【0064】
また
図10に示すように、吸込具1は、例えばアジテータースイッチ31を備えてもよい。アジテータースイッチ31は、ボディ7の底面73に対して下方に突出する。アジテータースイッチ31は、被清掃面等に接触することによって上方へ押し込まれる。モーター26は、例えばこのアジテータースイッチ31が上方へ押し込まれることによって駆動してもよい。
【0065】
また吸込具1は、例えば少なくとも1つのホイール32を備えても良い。ホイール32は、ボディ7の底面に取り付けられる。ホイール32は、被清掃面に対して転がりながらボディ7を支持する。ホイール32は、吸込具1と被清掃面との間の摩擦を軽減する。
【0066】
図13は、
図9に示す吸込具1のE−E線での断面図である。
図14は、
図13に示す吸込具1からアジテーター25が取り外された状態を示す断面図である。
図15は、
図14に示すアジテーター25が取り外された吸込具1のF−F線での断面図である。
図16は、
図13に示す吸込具1のG−G線での断面図である。
図17は、
図13に示す吸込具1のH−H線での断面図である。以下、
図13から
図17も更に参照し、本実施の形態の吸込具1についてより詳細に説明する。
【0067】
ジョイント8の内部には、
図13及び
図14に示すように、第1風路の一例としてジョイントチャネル83が形成される。ジョイントチャネル83は、吸込口74から吸引された塵埃を吸引パイプ9へ送るための風路である。ジョイントチャネル83は、パイプチャネル91に連通する。
【0068】
ボディ7の内部には、
図13及び
図14に示すように、第2風路の一例としてボディチャネル75が形成される。ボディチャネル75は、吸込口74を介してボディ7の外部と連通する。ボディチャネル75は、吸込口74から吸引された塵埃をジョイントチャネル83へ送るための風路である。
【0069】
ジョイント8には、
図13及び
図14に示すように、通気口84が形成される。通気口84は、ジョイントチャネル83とボディチャネル75とを連通させる開口である。換言すると、吸込口74は、ボディチャネル75を介して通気口84に連通する。またボディチャネル75は、通気口84を介してジョイントチャネル83に連通する。
【0070】
上述の通り、本実施の形態のジョイント8は、ボディ7の後側部分に接続される。ジョイント8に形成された通気口84は、吸込口74に対して、後方にある。すなわち通気口84は、吸込口74に対して、上下方向及び吸込口74の長手方向に垂直な方向の一側にある。通気口84は、ボディ7の内部に向く。通気口84は、例えば長手軸92に対して垂直である。通気口84の向きは、第1回動部81が回動することによって変わる。例えば、使用者が吸込具1によって床面を清掃する際、通気口84は前方斜め下を向く。
【0071】
本実施の形態のボディ7は、
図13から
図17に示すように、仕切部76を有する。仕切部76、下方に向けてボディチャネル75に突出する。仕切部76は、
図15から
図17に示すように、吸込口74の長手方向に沿って形成される。仕切部76は、例えば板状に形成される。ボディチャネル75は、仕切部76によって、第1吸引チャネル75aと第2吸引チャネル75bとに区画される。
【0072】
本実施の形態において第1吸引チャネル75aは、
図13から
図17に示すように、仕切部76の後方に形成される。また第2吸引チャネル75bは、仕切部76の前方に形成される。換言すると、平面視において第1吸引チャネル75aは、仕切部76に対して、吸込口74の長手方向に垂直な方向の一側にある。また平面視において第2吸引チャネル75bは、仕切部76に対して、吸込口74の長手方向に垂直な方向の他側にある。第1吸引チャネル75aの輪郭の一部は、仕切部76と隔壁78とによって形成される。
【0073】
本実施の形態においてアジテーター25は、ボディチャネル75の内部に配置される。またアジテーター25は、仕切部76に対して前方に配置される。すなわちアジテーター25は、第2吸引チャネル75b内に配置される。ここで、アジテーター25が収容される空間をアジテーターチャンバ75cとして定義する。
図13、
図14、
図16及び
図17に示すように、本実施の形態において第2吸引チャネル75bとアジテーターチャンバ75cとは、同一の空間である。
図13及び
図14に示すように、仕切部76は、アジテーターチャンバ75cの輪郭の一部を形成している。アジテーターチャンバ75cは、吸込口74を介してボディ7の外部と連通する。
【0074】
ボディ7は、例えばアジテーターチャンバ形成部77を有する。アジテーターチャンバ形成部77は、アジテーター25の上方から前方に渡って形成される。アジテーターチャンバ形成部77は、仕切部76と共にアジテーターチャンバ75cの輪郭の一部を形成する。
【0075】
なおアジテーターチャンバ75cは、仕切部76及びアジテーターチャンバ形成部77とは別の部材から形成されてもよい。アジテーターチャンバ75cは、第2吸引チャネル75bと同一の空間でなくてもよい。アジテーターチャンバ75cは、例えば第2吸引チャネル75bの一部分であってもよい。
【0076】
図13及び
図14に示すように、本実施の形態の仕切部76は、アジテーター25の外形に沿った円弧状に形成される。すなわち仕切部76は、アジテーター25の外形に沿ってアジテーター25に対向する面を有する。同様に、アジテーターチャンバ形成部77は、アジテーター25の外形に沿ってアジテーター25に対向する面を有してもよい。これにより、アジテーターチャンバ75cの輪郭の一部は、アジテーター25の外形に沿った形になる。アジテーターチャンバ75cは、円筒状の空間に形成される。上記の構成により、アジテーター25と仕切部76とが近接する。またアジテーター25とアジテーターチャンバ形成部77とも、同様に近接する。
【0077】
なお仕切部76の形状は上記の形状に限られない。仕切部76は、例えば鉛直下方に向けて突出してもよい。また仕切部76は、アジテーター25の外形に沿った円弧状の部位と鉛直下方に突出する部位とを有してもよい。例えば仕切部76のうち、上端からアジテーター25の回転軸R1と同等高さの部分までは円弧状に形成されてもよい。仕切部76のうちアジテーター25の回転軸R1と同等高さより低い部分は、鉛直下方に突出してもよい。
【0078】
ボディ7は、
図13、
図14、
図16及び
図17に示すように、モーター26が収容される空間とボディチャネル75とを隔てる隔壁78を有する。本実施の形態の隔壁78は、ボディ7及び吸込口74の長手方向に沿って形成される。隔壁78は、例えばアジテーター25の回転軸R1と駆動シャフト29の回転軸R2とに対して平行に配置される。隔壁78は、仕切部76から一定距離だけ離れている。隔壁78は、仕切部76の後方に配置される。換言すると、仕切部76は、アジテーター25と隔壁78との間にある。
【0079】
また本実施の形態の仕切部76には、
図15に示すように、遠位部101、近位部102及び中間部103が含まれる。遠位部101は、ボディ7の長手方向の端部に隣接する部位である。遠位部101には、例えば仕切部76の長手方向の一端及び他端が含まれる。本実施の形態において遠位部101には、仕切部76の左端及び右端が含まれる。近位部102は、遠位部101に比べて通気口84に近い部位である。近位部102には、例えば仕切部76のうち通気口84に最も近い部分が含まれる。本実施の形態において近位部102には、仕切部76の長手方向の中央部が含まれる。
【0080】
本実施の形態の近位部102は、遠位部101及び中間部103よりも下方に突出する。すなわち近位部102の下端は、遠位部101の下端及び中間部103の下端よりも下方にある。中間部103は、遠位部101よりも下方に突出する。すなわち中間部103の下端は、遠位部101の下端よりも下方にある。遠位部101の下端は、近位部102の下端及び中間部103の下端よりも上方にある。
【0081】
すなわち仕切部76の上下方向の寸法は、吸込口74に近づくほど大きくなる。仕切部76の下端の稜線と底面73に形成された吸込口74との距離は、通気口84に近づくほど短くなる。ボディチャネル75のうち、仕切部76の下方に位置する部分の上下方向寸法は、通気口84に近づくほど小さくなる。
【0082】
図13中の矢印および
図14中の矢印は、電動送風機24が作動した際の塵埃及び空気の流れを示すものである。電動送風機24が作動すると、吸込口74から第2吸引チャネル75bに塵埃及び空気が吸引される。第2吸引チャネル75bに吸引された塵埃及び空気は、第1吸引チャネル75a、通気口84及びジョイントチャネル83を経由して、パイプチャネル91へ流入する。
【0083】
図13及び
図14に示すように、吸込具1内を流れる空気は、仕切部76の下方を通る。仕切部76の下方を通る空気の風速は、通気口84から離れるほど小さくなる傾向がある。本実施の形態では上記の仕切部76により、仕切部76の下方においては、通気口84から離れるほど空気が流れる空間の上下方向寸法が大きく。仕切部76の下方においては、通気口84から離れるほど、風路の実質的な断面積が大きくなる。本実施の形態であれば、通気口84から離れた位置にも十分に空気が流れる。
【0084】
上記の実施の形態の吸込具1は、遠位部101、近位部102及び中間部103が含まれる仕切部76を有している。近位部102は、遠位部101及び中間部103よりも下方に突出する。中間部103は、遠位部101よりも下方に突出する。これにより、広範囲に渡って存在する塵埃をムラなく吸い込むことができ、塵埃を吸引する性能がより良好である吸込具1が得られる。また、この吸込具1を備えた電気掃除機200が提供される。
【0085】
吸込具1及び電気掃除機200は、この吸込具1に対する塵埃の位置によらず、当該塵埃を安定的に吸引できる。これにより、例えば吸込具1をボディ7の長手方向に移動させて清掃する手間が少なくなる。例えば使用者による吸込具1の移動量が少なくなる。また広範囲の被清掃面を清掃するために必要な時間が短くなる。上記の実施の形態であれば、使用者にとって使い勝手のよい吸込具1及び電気掃除機が提供される。
【0086】
上記の実施の形態の吸込具1は、塵埃を掻き上げるアジテーター25を備える。これにより、吸込具1は効率よく塵埃を吸引することができる。またアジテーター25は、仕切部76の前方でボディチャネル75の内部に配置される。すなわちアジテーター25は、第2吸引チャネル75bに配置される。上記の仕切部76により、アジテーター25によって掻き上げられた塵埃は、効率よく仕切部76の後方の第1吸引チャネル75aに流れ込む。上記の実施の形態によれば、塵埃を吸引する性能がより良好である吸込具1が得られる。
【0087】
上記の実施の形態において仕切部76は、アジテーターチャンバ75cの輪郭の一部を形成する。このため、アジテーターチャンバ75cを形成するための部材が別途必要ではなくなる。これにより、ボディチャネル75の形状が平滑化され、吸込具1が塵埃を吸引する性能がより良好になる。
【0088】
また上記の実施の形態であれば、アジテーター25と仕切部76との距離が短くなる。すなわちアジテーター25と仕切部76との間の隙間が小さくなる。同様に、アジテーター25とアジテーターチャンバ形成部77との間の隙間が小さくなる。換言すると、アジテーターチャンバ75cのうち、アジテーター25が占めていない空間がより小さくなる。このため、アジテーターチャンバ75cに流れる空気の量が減り、より多くの空気が第1吸引チャネルに流れ込む。これにより、上記の実施の形態であれば、塵埃を吸引する性能がより良好である吸込具1が得られる。なお、アジテーター25と仕切部76との距離は、回転しているアジテーター25の外周と仕切部76との距離を指す。アジテーター25と仕切部76との距離は、ブラシ毛等の突出部材による細かな凹凸に依らない。
【0089】
また仕切部76の形状は、一定の断面形状が長手方向に連続した形状であってもよい。すなわち仕切部76は、長手方向に垂直な断面形状が、この長手方向の位置によらず同一になるように形成されてもよい。これにより、仕切部76とアジテーター25との間の距離が、長手方向の位置に依らず一定になる。これにより、アジテーターチャンバ75cに流れる空気の量がより少なくなる。
【0090】
上記の実施の形態の仕切部76は、下方に突出する。すなわち仕切部76は、上下方向に沿って伸びている。これにより、下方から上方に向く強い気流を第1吸引チャネル75aに生じさせることができる。また吸込口74から第1吸引チャネル75aに向かう空気の風速がより大きくなる。上記の実施の形態であれば、より強力に塵埃を吸引することができる吸込具1が得られる。また、例えばアジテーター25によって掻き上げられた塵埃は、より強力に第1吸引チャネル75aに吸引される。
【0091】
使用者は、例えば吸込具1を前後に往復させることで被清掃面の清掃を行う。上記の実施の形態であれば、例えば第1吸引チャネル75aに流れる空気の風速が、吸込具1の移動速度に対して不足することが防止される。上記の実施の形態の吸込具1であれば、使用者による操作に依らず、十分に塵埃を吸引することができる。また、下方から上方に向く強い気流が第1吸引チャネル75aに生じることにより、例えば通気口84が斜め下方を向いている状態においても、アジテーターチャンバ75cに流入する空気の量が少なくなる。
【0092】
また、例えば
図15に示すように、吸込口74の長手方向及び上下方向に垂直な視点において、仕切部76は通気口84の少なくとも一部と重なっていてもよい。このような構成により、下方から上方に向くより強い気流が第1吸引チャネル75a内に生じる。
【0093】
吸込具1は、例えば
図13及び
図14に示すように、前方から後方に向けて上方に傾斜したスロープ部79を有してもよい。スロープ部79は、吸込口74から通気口84に向けて上方に傾斜する。スロープ部79が形成されることにより、吸込口74から第1吸引チャネル75a及び通気口84に向けて、塵埃が効率よく搬送される。また、例えば
図10、
図13及び
図14に示すように、仕切部76の下端は、スロープ部79の前端よりも後方に配置されてもよい。換言すると、仕切部76の下端は、下方からの視点においてスロープ部79と重なっていてもよい。これにより、塵埃がより効率よく第1吸引チャネル75a及び通気口84に向けて搬送される。
【0094】
また
図18は、
図15に示すアジテーターが取り外された吸込具1の変形例を示す断面図である。吸込口の長手方向及び上下方向に垂直な視点における仕切部76の下端の稜線は、
図18に示すように、波型等の上下に激しく変化するものであってもよい。この稜線を、例えば線形近似及び多項式近似等の手法によって平滑化した線が、通気口84に近づくほど下方にいくものであればよい。仕切部76は、上述した遠位部101、近位部102及び中間部103を有していればよい。仕切部76の上下方向寸法は、例えば下端の細かな凹凸に依らず、全体的な形状から定められる。このようにして定められた仕切部76の上下方向寸法が、通気口84に近づくほど大きくなればよい。
【0095】
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明する。
図19は、実施の形態2の吸込具1を示す断面図である。
図19を参照し、実施の形態1との相違点を説明する。実施の形態1と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0096】
本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、実施の形態1と同様である。
図19は、本実施の形態における、
図9に示すE−E線での断面図である。本実施の形態の吸込具1が備える仕切部76の前面の形状は、アジテーター25の外形に沿った形状となっている。また仕切部76の後面の形状は、上下方向に沿った仮想平面に対して、前面と対称的な形状となっている。すなわち
図19の側面視において、仕切部76の前面及び後面は、円弧状になっている。このような構成によれば、第1吸引チャネル75aに向かってより強力に空気が流れ込む。
【0097】
また本実施の形態のように、仕切部76の前後方向の寸法は一定でなくても良い。例えば、仕切部76の後面は底面73に対して垂直に形成されていても良い。また、仕切部76は、上方になるにつれて後方に寸法が増しても良い。このような構成によれば、ボディ7の強度がより高くなる。また、第1吸引チャネル75aに気流がよりスムーズに流れる。なお仕切部76の内部には、例えば空洞が形成されても良い。
【0098】
実施の形態3.
次に実施の形態3について説明する。
図20は、実施の形態3の吸込具1を示す下面図である。
図20を参照し、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を説明する。実施の形態1及び実施の形態2と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0099】
本実施の形態において底面73には、溝状風路104が形成される。溝状風路104は、ボディ7の側方の外部空間とボディチャネル75とを繋ぐ。溝状風路104には、ボディ7の外部からボディチャネル75に向けて空気が流れる。溝状風路104は、アジテーター25の回転軸R1よりも前方に配置される。
【0100】
アジテーター25の右方及び左方には、例えばアジテーター25を動かすための被駆動輪27等が設けられる。このため、吸込具1は、被清掃面のうちアジテーター25の側方に位置する領域の塵埃を直接的には掻き取ることができない。本実施の形態であれば、アジテーター25によって直接的に掻き取ることができない領域にある塵埃が、溝状風路104を流れてアジテーターチャンバ75cに搬送される。これにより、アジテーター25は、アジテーター25の側方に位置する領域の塵埃を間接的に掻き取ることができる。本実施の形態の吸込具1であれば、より広範囲にある塵埃を吸引することができる。
【0101】
なお溝状風路104は、例えば
図20に示すように、底面73の左端部の前部及び右端部の前部に形成される。平面視において溝状風路104は、例えば
図20に示すように、ボディ7の長手方向及び短手方向に対して傾斜している。溝状風路104をこのように形成することにより、アジテーター25の前方及び側方の塵埃が、アジテーターチャンバ75cに効果的に送られる。なお底面73の右端部に形成された溝状風路104とは、底面73の左端部に形成された溝状風路104とは、大きさが異なってもよい。また底面73には、溝状風路104の周囲に、真空度を高めるためのシール材として植毛等が設けられてもよい。
【0102】
本実施の形態のようにボディ7には、例えば側面等の底面73以外の面に、塵埃及び空気を吸い込むための開口が、さらに形成されていてもよい。この場合、ボディ7の底面73以外の面に形成された開口の総開口面積は、底面73に形成された吸込口74の開口面積より小さいことが望ましい。そのように構成することで、以下の効果が得られる。塵埃は、主として、吸込口74から吸引されるため、吸込具1は塵埃を安定的に吸引することができる。
【0103】
実施の形態4.
次に実施の形態4について説明する。
図21は、実施の形態4の吸込具1を示す下面図である。本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、実施の形態3と同様である。
図21を参照し、実施の形態3との相違点を説明する。実施の形態3と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0104】
本実施の形態の底面73には、実施の形態3における溝状風路104に代えて溝状風路105が形成される。溝状風路105は、溝状風路104と同様の風路である。溝状風路105は、アジテーター25の回転軸R1よりも後方に配置される。これにより、より多くの塵埃が第1吸引チャネル75aに送られる。
【0105】
また溝状風路105は、例えば仕切部76よりも後方に形成されてもよい。これにより溝状風路105は、第1吸引チャネル75aに連通する。本例であれば、多くの塵埃がより効率よく第1吸引チャネル75aに送られる。
【0106】
なお溝状風路105は、例えば仕切部76と平行に配置されていても良い。また、溝状風路105は、隔壁78およびアジテーター25と平行に配置されていても良い。これにより、ボディ7の左方及び右方から、より多くの空気が第1吸引チャネル75aに吸引される。本例であれば、広範囲に渡って存在する塵埃をムラなく吸い込むことができる吸込具1が得られる。
【0107】
実施の形態5.
次に実施の形態5について説明する。
図22は、実施の形態5の吸込具1を示す断面図である。本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、実施の形態1及び実施の形態2と同様である。
図22は、本実施の形態における、
図9に示すE−E線での断面図である。
図22を参照し、実施の形態1及び実施の形態2との相違点を説明する。実施の形態1及び実施の形態2と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0108】
本実施の形態において、仕切部76は、上下に移動可能に形成される。本実施の形態であれば、例えば仕切部76の下に異物が詰まった場合、仕切部76が動くことで、当該異物がジョイントチャネル83に向かって吸引される。本実施の形態であれば、吸込具1の内部でのごみ詰まりが防止される。また使用者は、吸込具1内に詰まったゴミを、直接触れることなく除去できる。
【0109】
仕切部76は使用者の手によって直接的に動かされてもよい。また仕切部76は、ジョイント8と連動してもよい。すなわち仕切部76は、ジョイント8が回動すると上下に移動してもよい。仕切部76がジョイント8と連動する場合、使用者は仕切部76を簡単に動かすことができる。
【0110】
仕切部76は、例えば、ばね等の部材を介してジョイント8と連動する。仕切部76は、例えば第1角度αが大きくなると上方に移動するように形成される。仕切部76は、例えば第1角度αが135°以下の状態では、ボディチャネル75に向かって最大限突出した状態になるように形成される。また仕切部76は、例えば第1角度αが180°になると、ボディチャネル75に対しての突出量がゼロになるように形成される。
【0111】
上記の構成に依れば以下のような効果がある。使用者は、ハンドル6を手に持った状態で床等の被清掃面を清掃する。このとき、第1角度αは45°程度に保たれる。一方で、例えば、ソファーまたは棚の下等の低所の掃除を行う際、使用者はハンドル6を床面近くまで下げる。これにより、第1角度αは大きくなる。このような、使用者の日常的な動作によって、定期的に仕切部76が上方へ移動する。使用者は、特別な操作をすることなく、吸込具1の内部でのごみ詰まりを防止できる。
【0112】
実施の形態6.
次に実施の形態6について説明する。
図23は、実施の形態6の吸込具1を示す断面図である。本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態5と同様である。
図23は、本実施の形態における、
図9に示すE−E線での断面図である。
図23を参照し、実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態5との相違点を説明する。実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態5と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0113】
図23に示すように、仕切部76は、例えばボディ7の下部から上方に向けて突出してもよい。本実施の形態の仕切部76にも、実施の形態1の
図15及び
図18に示される遠位部101、近位部102及び中間部103が含まれる。本実施の形態においての近位部102は、遠位部101及び中間部103よりも上方に突出する。すなわち近位部102の上端は、遠位部101の上端及び中間部103の上端よりも上方にある。また中間部103は、遠位部101よりも上方に突出する。すなわち中間部103の上端は、遠位部101の上端よりも上方にある。遠位部101の上端は、近位部102の上端及び中間部103の上端よりも下方にある。上記の構成により、本実施の形態においても実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態5と同様の効果が得られる。
【0114】
実施の形態7.
次に実施の形態7について説明する。
図24は、実施の形態7の吸込具1を示す断面図である。本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、前述した各実施の形態と同様である。
図24は、本実施の形態における、
図14に示すF−F線での断面図である。
図24を参照し、前述した各実施の形態との相違点を説明する。前述した各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0115】
上述の通り、第1吸引チャネル75aの輪郭の一部は、仕切部76と隔壁78とによって形成される。本実施の形態において第1吸引チャネル75aは、第3風路の一例である。また本実施の形態のボディ7は、
図24に示すように、第1吸引チャネル75aの輪郭の上部を形成するチャネル形成部106を有する。
【0116】
図24において、第1吸引チャネル75aの輪郭の上部は、太線および点線で示す。チャネル形成部106は、
図24に示すように、通気口84に向かって傾斜する。すなわち、第1吸引チャネル75aの輪郭の上部は、通気口84に向かって傾斜する。本構成によれば、通気口84に向けて塵埃及び空気がより効率よく搬送される。
【0117】
また、ボディ7の長手方向に垂直な断面が通気口84に近づくにつれて大きくなるように第1吸引チャネル75aが形成されれば、同様の効果が得られる。例えば、第1吸引チャネル75aの輪郭の下部または側部が傾斜していてもよい。
【0118】
実施の形態8.
次に実施の形態8について説明する。
図25は、実施の形態8の吸込具1を示す断面図である。本実施の形態の吸込具1の基本的な構成は、前述した各実施の形態と同様である。
図25は、本実施の形態における、
図13に示すG−G線での断面図である。
図25を参照し、前述した各実施の形態との相違点を説明する。前述した各実施の形態と同一または相当する部分については、同じ符号を付し、説明を簡略化または省略する。
【0119】
図25に示すように、本実施の形態において仕切部76と隔壁78との間の前後方向距離は、通気口に近づくほど長くなっている。すなわち隔壁78は、ボディ7の長手方向端部から通気口84に向かって、後方に傾斜する面を有している。本構成によれば、上記の実施の形態7と同様の効果が得られる。
【0120】
上記の各実施の形態においては、車輪12を有する掃除機本体4を備えた電気掃除機200を例示した。吸込具1は、縦型の掃除機、充電式の掃除機、ロボット掃除機等に備えられてもよい。換言すると、電気掃除機200は、キャニスタータイプに限らず、コードレスタイプの電気掃除機等であってもよい。このような場合にも同様の効果を奏する。